JPH06164565A - 伝送遅延測定方式 - Google Patents

伝送遅延測定方式

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JPH06164565A
JPH06164565A JP31357892A JP31357892A JPH06164565A JP H06164565 A JPH06164565 A JP H06164565A JP 31357892 A JP31357892 A JP 31357892A JP 31357892 A JP31357892 A JP 31357892A JP H06164565 A JPH06164565 A JP H06164565A
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signal
phase
station
reference phase
slave station
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JP31357892A
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English (en)
Inventor
Atsushi Imaoka
淳 今岡
Masami Kihara
雅巳 木原
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 デジタル通信網における伝送遅延時間の測定
に関し、地理的に離れた装置間の伝送遅延時間を正確に
測定することを目的とする 【構成】 主局の多重化装置と従局の分離化装置の位相
差を変化させながら、主局と従局の分離化装置から出力
される基準位相信号の位相を観測し、該分離化装置内の
遅延時間を測定した後、位相差を固定し、次に主局側で
多重化装置に入力される基準位相信号の位相を連続的に
ずらしながら主局と従局の分離化装置から出力される基
準位相信号の位相を観測し、該多重化装置内の遅延時間
を測定後主局の基準位相信号の位相を固定し、次に主局
で発生した基準位相信号と従局から主局に返送された基
準位相信号の位相を比較するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディジタル通信網におい
て、地理的に離れた装置間の伝送遅延時間を正確に測定
する伝送遅延測定方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、地理的に離れて設置された主
局と従局間の伝送遅延時間を測定するため、折り返しの
伝送路を用いて往復の遅延時間を測定し、その1/2を
片道の伝送遅延時間とする方式がある。
【0003】この方式では、図7のように、主局701
の基準位相信号発生部703で生成された基準位相信号
704を往路伝送路705を介して従局702に送信
し、従局702では、基準位相信号713を復路伝送路
706を介して主局に返送する。その際、基準位相信号
は多重化装置707、709で高速の伝送路信号71
1、712に多重化されて送信される。
【0004】送信された局では、分離化装置708、7
10で伝送路信号から基準位相信号を分離する。主局で
は遅延測定部774において、基準位相信号704と従
局から返送された基準位相信号715の位相差ΔDを測
定し、その1/2を往路伝送路の遅延時間とする。
【0005】往路の遅延時間をΔT1、復路の遅延時間
をΔT2とすると、ΔDは、 ΔD=ΔT1+ΔT2 である。往路伝送路と復路伝送路は一般に同じルートを
通っており長さもほぼ等しいため、 ΔT1=ΔT2 とすることができる。従って、往路の遅延時間ΔT1
は、折り返し伝送路の遅延時間ΔDから、 ΔT1=ΔD/2 で求めることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】CCITT勧告(G.
707、G・708、G709)に規定された新同期イ
ンターフェース(いわゆるSDHインターフェース)の
ような同期系のインターフェースを用いた網では、多重
化装置や分離化装置などの伝送装置内では、伝送信号は
その装置の設置されている局の基準クロックに乗せ換え
られてから、多重分離などの処理が行われる。このよう
な同期系の網に前述の遅延測定方式を適用した場合、ク
ロック乗せ換えのため装置内の遅延時間に、ばらつきが
生じ、遅延時間測定に誤差が生じるという問題があっ
た。以下、この問題点について説明する。
【0007】図8は、CCITT勧告(G.707、
G.708、G709)に規定されたインターフェース
のうち、51.84Mb/sの伝送速度を持つシンクロ
ナストランスポートモジュール(STM−0)伝送路信
号を例にとり、装置内の遅延時間のばらつきを説明した
図である。STM−0信号は8kHz周期のフレーム構
造を持ち、フレーム同期信号や伝送路の管理保守情報な
どを送信するためのセクションオーバーヘッド(SO
H)802、情報信号が収容されるペイロード803で
構成される。
【0008】ペイロードには伝送路速度より低速の信号
であるバーチャルコンテナ(VC−32)804が収容
され、実際の情報信号はVC−32に含まれている。V
C−32もまたフレーム構造を持ち、その先頭位置(先
頭の位相)はAU−32ポインタ805で指示されてい
る。先頭位置の指示はバイト単位(1バイトは8ビッ
ト)で行われる。
【0009】いま、ある局の伝送装置にAU−32ポイ
ンタ値がY(バイト)であるSTM−0信号801が到
着した場合、そのSTM−0に収容されていたVC−3
2信号804は、局内基準フレームに同期したSTM−
0信号806に乗せ換えられてから多重、分離などの処
理が行われる。到着したSTM−0信号801のフレー
ムと局内基準フレームに同期したSTM−0信号806
のフレームとの位相差をX(単位はバイト)とすれば、
AU−32ポインタ値Pを P=Y−X とすることにより、VC−32信号の先頭位置を保持し
たままクロック乗せ換えができる。しかし、ポインタは
バイト単位でしか先頭位置を指示できないため、実際の
AU−32ポインタ808の値Pは、 P=Y−[X] となる。ここで[X]はガウスの記号であり、Xを越え
ない最大の整数を表している。
【0010】したがって、到着したVC−32信号80
4とクロック乗せ換え後のVC−32信号807との間
の先頭位置のずれZは, Z=X−[X] で表される。図3は横軸にX、縦軸にZを表したグラフ
である。Xが整数の時のみ、ずれZはOとなり、最大1
バイトのずれが生じることがわかる。VC−32を基準
位相信号として従来技術の遅延測定方式を実行する場
合、このずれが遅延測定の誤差となる。STM−0信号
の場合1バイトは時間にして約150nsであり、高精
度の遅延時間測定を行う場合問題となる。
【0011】本発明は、このような問題点を解決し、伝
送遅延時間を正確に測定する遅延測定方式を実現するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の
課題は前記特許請求の範囲に記載した手段により解決さ
れる。
【0013】すなわち、本発明は、同期系のインターフ
ェースを用いる伝送路網の伝送遅延を測定するため、主
局は基準位相信号を発生し、その基準位相信号を多重化
装置で伝送路信号に収容した後、往路伝送路を介して従
局に送信し、従局は、分離化装置で、送信されてきた伝
送路信号から基準位相信号を抜き出した後、再び多重化
装置で伝送路信号に収容し復路伝送路を介して主局に返
送し、さらに主局は分離化装置において返送された伝送
路信号から基準位相信号を抜きだす伝送遅延測定方式に
おいて、第1過程では、主局の多重化装置と従局の分離
化装置の位相差を連続的に変化させながら、主局及び及
び従局の分離化装置から出力される基準位相信号の位相
を観測し、主局及び従局の分離化装置内の遅延時間を測
定した後、主局の多重化装置と従局の分離化装置の位相
差を固定し、第2過程では、主局側で多重化装置に入力
される基準位相信号の位相を連続的にずらしながら、主
局及び従局の分離化装置から出力される基準位相信号の
位相を観測し、主局及び従局の多重化装置内の遅延時間
を測定した後、主局の基準位相信号の位相を固定し、第
3過程では、主局で発生した基準位相信号と従局から主
局に返送されてきた基準位相信号とを位相比較して、伝
送遅延時間を測定する伝送遅延測定方式である。
【0014】
【作用】本発明では、第1過程において、従局の分離化
装置(図7の708)と主局の分離化装置(図7の71
0)の装置内遅延を測定し、第2過程において主局の多
重化装置(図7の707)と従局の多重化装置(図7の
709)の装置内遅延を測定する。第1過程と第2過程
により多重化装置と分離化装置の装置内遅延はすべて決
定できるので、第3過程において折り返し伝送路の遅延
時間を測定することにより、主局と従局との間の伝送路
の遅延時間を装置内遅延の影響なしに測定することがで
きる。
【0015】
【実施例】以下に実施例としてCCITT勧告(G.7
07、G708、G709)に規定された新同期インタ
ーフェースを有する伝送路網に本発明を適用した例を説
明するが、本発明はこれに限るものではなく、他のイン
ターフェースを有するネットワークにも適用できるもの
である。 [A] 第1の実施例 図1は本発明の第1の実施例を示すブロック図である。
同図において、主局101の基準位相信号発生部103
から基準位相信号104ならびにSTM−0信号105
が送出される。STM−0信号105には、基準位相信
号104が重畳されたVC−32信号が収容されてい
る。このVC−32信号の先頭位相は基準位相信号10
4の位相と同じである。
【0016】STM−0信号105は主局の多重化装置
106で伝送路信号107に多重化されて往路伝送路1
08を介して従局の分離化装置109に送信される。分
離化装置は伝送路信号からSTM−0信号110を分離
し、従局の基準位相信号分離部111およびメモリ13
7に送る。メモリ137には、STM−0信号110
が、分離化装置の基準クロック135に同期した速度で
書き込まれ、基準クロック136に同期した速度で読み
出される。
【0017】読み出しクロック136は位相調整部で、
135とは独立に制御される。メモリ137から読み出
されたSTM−0信号138はスイッチ112に送られ
る。従局の基準位相信号発生部113では、基準位相信
号122ならびにSTM−0信号114を発生する。S
TM−0信号114には、基準位相信号122が重畳さ
れたVC−32信号が収容されている。このVC−32
信号の先頭位相は基準位相信号122の位相と同じであ
る。
【0018】従局の基準位相信号発生部で発生したST
M−0信号114はスイッチ112に送られる。スイッ
チでは2つのSTM−0信号138、114のどちらか
を選択して従局の多重化装置115に送る。多重化装置
はスイッチで選択されたSTM−0信号の伝送路信号1
16に多重化し、復路伝送路117を介して主局の分離
化装置118に送信する。主局の分離化装置では伝送路
信号からSTM−0信号119を分離し、主局の基準位
相信号分離部120に送る。
【0019】主局と従局の基準位相信号分離部120、
111ではそれぞれ、STM−0信号に収容されたVC
−32信号の先頭位置を基準位相信号121、123と
して分離する。
【0020】主局の遅延測定部124では、基準位相信
号発生部からの基準位相信号104と基準位相信号分離
部で分離された基準位相信号121との位相差を測定す
る。従局の遅延測定部125では、基準位相信号発生部
からの基準位相信号122と基準位相信号分離部で分離
された基準位相信号123との位相差を測定する。
【0021】主局の遅延測定部で測定された位相差情報
126は主局の位相調整部129に送られる。また、主
局の遅延測定部で測定された位相差情報126は、往路
伝送路を介して従局に送信され(127)、従局の位相
調整部130に送られる。従局の遅延測定部125で測
定された位相差情報128も従局の位相調整部130に
送られる。
【0022】主局の多重化装置106と分離化装置11
8は、主局のクロック供給装置131の基準クロック4
33に同期して動作している。主局の基準位相信号発生
部103は、位相調整部129を介して送られた、基準
クロック134に同期している。従局の多重化装置11
5と分離化装置109および基準位相信号発生部113
は、位相調整部130を介して送られた従局の基準クロ
ック135に同期している。
【0023】メモリ137の読み出しクロック136
は、基準クロック135とは独立に位相調整部130で
制御される。主局と従局のクロック供給装置131、1
32は周波数同期技術により同期が確立している。周波
数同期技術については文献[辻、勝田:高安定化を図っ
た新しい網同期装置、NTT R&D、Vol.39、
No.4、pp.649−658、1990]に詳しく
説明されている。
【0024】以下、本発明の動作を時系列的に説明す
る。 (1) 第1過程 第1過程では、スイッチ112は従局の基準位相信号発
生部113からのSTM−0信号114を選択するよう
設定する。この状態で従局の位相調整部130で、従局
の多重化装置、分離化装置、基準位相信号発生部の基準
クロック135の位相を、主局の多重化装置と分離化装
置の基準クロック133に対して連続的にずらす。単位
時間あたりの位相の送れ量をΔfとする。
【0025】図2は、従局の分離化装置におけるVC−
32信号が収容されたSTM−0信号のクロック乗せ換
えを示した図である。分離化装置に到着したSTM−0
信号201のAU−32ポインタ203の値をY、分離
化装置に到着したSTM−0信号201と分離化装置に
同期したSTM−0信号204のずれの初期値をXo
(単位はバイト)とすると、時刻tにおけるずれXは、
従局の分離化装置の基準クロック位相がΔf・tだけ遅
れているので、 X=Xo+Δf・t である。従来技術の課題で述べたクロック乗せ換え方式
により、分離化装置のクロックに同期したSTM−0信
号204のAU−32ポインタ206の値Pは、 P=Y−[X] =Y−[Xo+Δf・t] となる。ここで、[X]はXを越えない最大の整数を表
す。
【0026】従局の基準位相信号分離部111では、S
TM−0信号204(図1では110)に収容されたV
C−32信号205の先頭位置を基準位相信号(図1の
123)として抜き出す。従って、分離された基準位相
信号123の位相STM−0信号204のフレーム位相
との差はPとなる。
【0027】一方、従局の基準位相信号発生部113と
分離化装置109は、同じ基準クロック135に同期し
て動作しているので、STM−0信号204のフレーム
位相と従局の基準位相信号発生部113から発生される
基準位相信号(図1の122)の位相との間の位相差は
固定である。よって、基準位相信号123と122の位
相差ΔT(図1の128)のうち時間的に変化する成分
は、AU−32ポインタ206の値Pの時間的に変化す
る成分と等しく、 ΔT=−[Xo+Δf・t] が従局の遅延測定部125で観測される。
【0028】一方、主局の分離化装置でのクロック乗せ
換えでは、主局の分離化装置に到着するSTM−0のフ
レーム位相が分離化装置に対して、Δf・tだけ遅れる
ことになる。主局の分離化装置に到着するSTM−0の
AU−32ポインタ値をY’、主局の分離化装置に到着
するSTM−0のフレーム位相と分離化装置の基準位相
に同期したSTM−0フレーム位相との位相差の所期値
をXo′とすると、時刻tにおける位相差X′は、 X′=Xo′−Δf・t である。従って、クロック乗せ換え後のポインタ値P’
は、 P′=Y′−[X′] =Y′−[Xo′−Δf・t] となる。従って、前述のΔTと同様に、主局の遅延測定
部124で測定される位相差ΔT′(図1の126)の
うち時間的に変化する成分は、P′の時間的変化する成
分と同じであり、 ΔT′=−[Xo′−Δf・t] となる。ΔT′は位相差情報として従局の位相調整部に
送られ、従局の遅延測定部で測定される位相差ΔTと比
較される。
【0029】図3は従局の位相調整部で観測されるΔT
(301)とΔT′(302)の変化を、横軸を時刻t
としてグラフに表したものである。図3に示したよう
に、ΔTは時刻tが大きくなるにつれて階段状に小さく
なり、逆にΔT′は時刻tが大きくなるにつれて階段状
に大きくなっていく。ΔTで階段状に位相が変化する時
刻(図中の矢印で示した時刻)は、Xo+Δf・tが整
数となる時刻である。すなわちmを整数として、 Xo+Δf・t=m となる時刻が、ΔTの位相が階段状に変化する時刻tで
ある。これを解いて、tは、 t=(m−Xo)/Δf となる。同様にΔT′の位相が階段状に変化する時刻
t′は、nを整数として、 Xo′−Δf・t′=n となる時刻であるので、 t′=(Xo′−n)/Δf となる。
【0030】第1過程で実行される重要な点は、従局の
位相調整部でtとt′の時刻を観測し、時刻tと時刻
t′の中間の時刻で、分離化装置109と多重化装置1
15の基準クロック135の位相を固定することであ
る。図3に示すように、tとt′はそれぞれ1/Δfの
時間間隔で連続的に発生するので、位相調整部でΔTと
ΔT′を観測すれば、階段状の位相変化が起こる時刻は
予測できる。
【0031】そこで、ΔTの階段状の位相変化が起こっ
た時刻tの次に T′の階段状の位相変化が起こる時刻
t′を予測し、時刻tと時刻t′の中間の時刻t″で、
基準クロック135の位相を固定する。t″は、 t″=(t+t′)/2 =(Xo′−Xo+m−n)/2Δf となる。
【0032】従来技術の課題で説明したように、従局の
分離化装置でのクロック乗せ換えに伴う位相誤差Zは、 Z=X−[X] =Xo+Δf・t−[Xo+Δf・t] であり、主局の分離化装置でのクロック乗せ換えに伴う
位相誤差Z′は、 Z=X′−[X′] =Xo′−Δf・t−[Xo′−Δf・t] となる。基準クロック435の位相を固定した時刻t”
では、ZとZ′はそれぞれ、 Z=(Xo+Xo′+m−n)/2−[(Xo+Xo′+m−n)/2] Z′=(Xo+Xo′+n−m)/2−[(Xo+Xo′+n−m)/2] となる。一般に、X−[X]なる関数はXに任意の整数
を加えても値が変化しないので、Z′にm−nなる整数
を加えると、 Z′=(Xo+Xo′+m−n)/2−[(Xo+Xo′+m−n)/2] となり、t″において Z=Z′ となることがわかる。図4はZとZ′を横軸tとしてグ
ラフに表したものである。図中実線で表したものがZの
変化、破線で表したものがZ′の変化である。ZとZ′
の階段状の位相変化が起こる時刻tとt′の中間時刻
t″ではZとZ′の値が一致していることがわかる。
【0033】また、t″−tは、 t″−t=(Xo+Xo′)/2Δf であるので、図4からZとZ′が一致する時刻でのZの
値は、 Z=(Xo+Xo′)/2 となる。tとt′との時間間隔は測定できるので、上記
のZの値を決定できる。
【0034】従って、第1過程により従局の分離化装置
と主局の分離化装置のクロック乗せ換えに伴う位相誤
差、すなわち分離化装置の装置内遅延誤差を等しくする
ことができ、かつその値を知ることができる。 (2) 第2過程 第2過程ではスイッチ(図1の112)を従局のメモリ
(図1の137)からのSTM−0信号(図1の13
8)を選択するよう設定し、主局から送信されたSTM
−0信号が主局に返送されるようにする。
【0035】まず、メモリ137の読み出しクロック
(図1の136)を書き込みクロック(図1の135)
に同期させる。この状態ではメモリ137の前後でのS
TM−0信号110と138の位相差は固定である。こ
の状態で、主局の位相調整部129において、主局の基
準位相信号発生部の基準クロック(図1の134)の位
相を、主局の多重化装置の基準クロック(図1の13
3)に対して連続的に変化させる。単位時間あたりの位
相遅れ量をΔfとする。
【0036】主局の多重化装置の基準クロックの位相1
33は固定されているので、多重化装置でのクロック乗
せ換えにより、 Z=Xo″−Δf・t−[Xo″−Δf・t] なる位相誤差Z″が発生する。ここで、Xo″は主局の
基準位相信号発生部からのSTM−0信号105のフレ
ーム位相と多重化装置の基準フレーム位相の位相差の初
期値である。
【0037】第2過程では主局の多重化装置と分離化装
置、従局の多重化装置と分離化装置、この4つの装置相
互間の基準クロックの位相差は固定である。従って、主
局の遅延測定部では、主局の多重化装置でのクロック乗
せ換えによる位相誤差Z″のみが観測される。
【0038】そこで、主局の基準位相信号発生部の基準
クロックの位相を連続的に変化させながらZ″を観測
し、Z″=1/2(バイト)となる時刻で基準位相信号
発生部の基準クロックの位相を固定する。これにより、
主局の多重化装置の装置内遅延を一定の既知の値に固定
することができる。
【0039】次に、基準クロック133と134の位相
差を固定した後、従局の位相調整部130において、メ
モリ137の読み出しクロック136の位相を、書き込
みクロック135の位相に対して連続的に変化させる。
【0040】これにより、メモリ137の前後でのST
M−0信号110と138との位相差を連続的に変化さ
せることができる。従局の多重化装置115は基準クロ
ック135に同期しているので、この操作で、多重化装
置115に入るSTM−0信号138の位相を、多重化
装置115をの位相に対して連続的に変化させることが
できる。この状態で、主局の遅延測定部で、位相差を測
定すれば、従局の多重化装置のクロック乗せ変えによる
位相誤差が観測できる。
【0041】そこで、前述の主局の多重化装置内遅延を
一定にした方法と同様に、従局の多重化装置内遅延が一
定の値になる時刻でメモリの読み出しクロックの位相を
固定する。これにより、従局の多重化装置の装置内遅延
を一定の既知の値に固定することができる。従って、第
2過程において主局の多重化装置と従局の多重化装置の
装置内遅延誤差を固定し、その値を知ることができる。
【0042】(3) 第3過程 第3過程では第2過程と同様に、スイッチは従局の分離
化装置からのSTM−0信号を選択するよう設定し、主
局から送信されたSTM−0信号が主局に返送されるよ
うにする。この状態で主局の基準位相信号発生部の基準
クロック、主局の多重化装置と分離化装置、従局の多重
化装置と分離化装置それぞれの基準クロック、メモリ読
み出しクロック、この6つの基準クロックの位相を固定
し、主局の遅延測定部において位相差ΔDを測定する。
【0043】第1過程により従局の分離化装置と主局の
分離化装置のクロック乗せ換えに伴う位相誤差が等しく
かつ既知のものとなっており、第2過程により主局の多
重化装置と従局の多重化装置の装置内遅延量が既知とな
っているので、それらの値をΔDから差し引くことによ
り、多重化装置および分離化装置の装置内遅延量の影響
をなくすことができる。よって、従来技術で述べたΔD
の1/2を往路伝送路の遅延時間とする方式により、多
重化装置および分離化装置の装置内遅延量の影響のない
正確な遅延測定が実現できる。
【0044】本実施例において、位相調整部は、フェイ
ズロックロープ回路またはシンセサイザーにより実現で
きる。また、遅延測定部はカウンタにより実現できる。
基準位相信号発生部は、基準クロックに同期した基準位
相信号を発生する機能を持つ。基準位相信号は例えば、
1秒間隔のパルス信号である。また、基準位相信号発生
部は、基準位相信号の位相に同期したVC−32信号が
収容されたSTM−0信号を発生する機能を持つ。
【0045】基準位相信号が1秒間隔のパルス信号であ
る場合、「基準位相信号の位相に同期したVC−32信
号」とは、8kHz周期のフレーム構造を持つVC−3
2信号の先頭位相が、8000フレームに1回の割合で
1秒パルスに同期しているような信号のことである。そ
して、どのフレームが1秒パルスに同期しているかを示
すために、VC−32信号には8000フレームに1回
の割合で秒パルス識別子が付加されている。
【0046】基準位相信号分離部は、基準位相信号発生
部が発生したSTM−0信号から、基準位相信号を分離
する機能を持つ。基準位相信号が1秒間隔のパルス信号
である場合を例にとると、基準位相信号分離部は、ST
M−0信号に収容されているVC−32信号を識別し、
秒パルス識別子が付加されているVC−32フレームの
先頭位相を1秒パルスとして抜き出す動作を行う。
【0047】多重化装置と分離化装置はモジュールAと
呼ばれる多重中継装置で実現できる。モジュールAにつ
いては、文献「上田、辻、坪井:新しい同期インターフ
ェースを適用した同期端局装置、NTT R&D、Vo
l.39、No.4、pp627−638、1990」
に詳しく述べられている。
【0048】クロック供給装置はクロックサプライモジ
ュール(CSM)と呼ばれる装置で実現できる。CSM
は端局装置のクロック抽出部で抽出された伝送路信号の
クロック成分に位相同期して発振する位相同期発振器で
構成されている。
【0049】[B] 第2の実施例 図5は本発明の第2実施例を示すブロック図である。第
1の実施例と異なる点は、スイッチを廃し、従局の基準
位相信号発生部513からのSTM−0信号514が常
に主局に送信されるようにしたことである。また、従局
の遅延測定部525で測定した位相差情報528を主局
に送信し(537)、主局の位相調整部524に送る点
も異なる。
【0050】さらに、従局の位相制御部530が、従局
の多重化装置515と分離化装置509の基準クロック
535の位相と、従局の基準位相信号発生部の基準クロ
ック536の位相とを別々に制御する点が異なる。以下
では第2実施例の動作を時系列的に説明する。
【0051】(1) 第1過程 第1過程では、第1実施例の第1過程と同様の動作を行
い、従局の分離化装置と主局の分離化装置の位相子誤差
を等しくし、その値を決定する。
【0052】(2) 第2過程 第2過程では、まず、主局の基準位相信号発生部の基準
クロック534の位相を、主局の多重化装置の基準クロ
ック533に対して連続的に変化させながら、従局の遅
延測定部525において位相差ΔTを測定する。図6は
主局の基準位相信号発生部と主局の多重化装置の基準ク
ロックの位相差Xと、ΔTの関係をグラフ化したもので
ある。
【0053】図6に示したような階段状に変化する位相
差ΔTが測定されるので、階段状の位相変化が起こる連
続した2つの時刻tとt′の中間で基準位相信号発生部
の基準クロック534の位相を固定する。これにより、
主局の多重化装置でのクロック乗せ換えによる位相誤差
を1/2(バイト)に固定できる。
【0054】また、従局の基準位相信号発生部513の
基準クロック536の位相を、従局の多重化装置の基準
クロック535に対して連続的に変化させながら、主局
の遅延測定部524において位相差を測定する。前述の
主局の多重化装置での位相誤差を固定した方法と同様の
方法により、従局の多重化装置での位相誤差を1/2
(バイト)に固定する。
【0055】(3) 第3過程 第3過程では、主局の基準位相信号発生部、主局の多重
化装置と分離化装置、従局の多重化装置と分離化装置、
従局の基準位相信号発生部、この6つの装置の基準クロ
ックの位相を固定し、主局と従局の遅延測定部で遅延差
を測定する。主局と従局の遅延測定部で測定した遅延差
をそれぞれΔD1、ΔD2とすると、折り返し伝送路の
往復の遅延時間ΔDは、 ΔD=ΔD1−ΔD2 で求められる。第1実施例と同様に、このΔDから多重
化装置、分離化装置の装置内遅延を差し引いた値の1/
2を往路伝送路の遅延時間とすることで、多重化装置お
よび分離化装置の装置内遅延量の影響のない正確な遅延
測定が実現できる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の伝送遅延
測定方式は装置の基準クロックの位相を測定することに
より、多重化装置および分離化装置の装置内遅延量を正
確に決定し、装置内遅延誤差のない正確な伝送遅延時間
を測定することができる。
【0057】また、本発明の伝送遅延測定方式をディジ
タル通信網における位相同期方式に適用すれば、装置内
の遅延時間誤差の影響なしに伝送遅延時間を測定し、補
正することができるので、正確な位相同期が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の第1過程における従局の分離化装
置でのVC−32先頭位置の誤差を説明する図である。
【図3】第1過程におけるΔTとΔT′の変化を示す図
である。
【図4】位相誤差ZとZ′の変化を表すグラフである。
【図5】本発明の第2実施例を示すブロック図である。
【図6】第2の実施例の第22過程で測定される遅延差
の変化
【図7】従来の伝送遅延測定方式を説明する図である。
【図8】STM−0信号のクロック乗せ換えによるVC
−32先頭位置の誤差を説明する図である。
【図9】クロック乗せ換えによるVC−32先頭位置の
誤差を示すグラフである。
【符号の説明】
101,501,701 主局 102,502,702 従局 103,113,503,513,703 基準位相
信号発生部 104,121〜123,504,521〜523.7
04 基準位相信号 105,110,114,119,505,510,5
14,519 基準位相信号が収容されたSTM−0信号 106,115,506,515,707,709
多重化装置 107,116,507,516,711,712
伝送路信号 108,508,705 往路伝送路 109,118,509,518,708,710
分離化装置 111,120,511,520 基準位相信号分離
部 112 スイッチ 117,517,706 復路伝送路 124,125,524,525,714 遅延測定
部 126,127,526,527 主局で測定された
位相差情報 128,528,537 従局で測定された位相差情
報 129,130,529,530 位相調整部 131,132,531,532 クロック供給装置 133,134,135,533,534,535,5
36 基準クロック 136 メモリ137の読み出しクロック 137 メモリ 138 メモリから読み出されたSTM−0信号 201 従局の分離化装置に到着したSTM−0信号 202 STM−0信号201に収容されたVC−3
2 203 STM−0信号201のAU−32ポインタ 204 従局の分離化装置に同期したSTM−0信号 205 STM−0信号204に収容されるVC−3
2 206 STM−0信号204のAU−32ポインタ 301 従局の遅延測定部で測定される位相差ΔT 302 主局の遅延測定部で測定される位相差ΔT′ 715 返送された基準位相信号 801 到着したSTM−0信号 802 STM−0信号801のセクションオーバー
ヘッド 803 STM−0信号801のペイロード 804 STM−0信号801に収容されているバー
チャルコンテナVC−32 805 STM−0信号801のAU−32ポインタ 806 局内基準フレームに同期したSTM−0信号 807 STM−0信号806に収容されるVC−3
2 808 STM−0信号806のAU−32ポインタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04L 12/26

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期系のインターフェースを用いる伝送
    路網の伝送遅延を測定するため、主局は基準位相信号を
    発生し、その基準位相信号を多重化装置で伝送路信号に
    収容した後、往路伝送路を介して従局に送信し、従局
    は、分離化装置で、送信されてきた伝送路信号から基準
    位相信号を抜き出した後、再び多重化装置で伝送路信号
    に収容し復路伝送路を介して主局に返送し、さらに、主
    局は分離化装置において返送された伝送路信号から基準
    位相信号を抜きだす、伝送遅延測定方式において、 第1過程では、主局の多重化装置と従局の分離化装置の
    位相差を連続的に変化させながら、主局及び従局の分離
    化装置から出力される基準位相信号の位相を観測し、主
    局及び従局の分離化装置内の遅延時間を測定した後、主
    局の多重化装置と従局の分離化装置の位相差を固定し、 第2過程では、主局側で多重化装置に入力される基準位
    相信号の位相を連続的にずらしながら、主局及び従局の
    分離化装置から出力される基準位相信号の位相を観測
    し、主局及び従局の多重化装置内の遅延時間を測定した
    後、主局の基準位相信号の位相を固定し、 第3過程では、主局で発生した基準位相信号と従局から
    主局に返送されてきた基準位相信号とを位相比較して、
    伝送遅延時間を測定する、ことを特徴とする伝送遅延測
    定方式。
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