JPH06164184A - 電波反射防止体 - Google Patents

電波反射防止体

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JPH06164184A
JPH06164184A JP33974192A JP33974192A JPH06164184A JP H06164184 A JPH06164184 A JP H06164184A JP 33974192 A JP33974192 A JP 33974192A JP 33974192 A JP33974192 A JP 33974192A JP H06164184 A JPH06164184 A JP H06164184A
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JP
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radio wave
layer
metal
wave reflection
pattern
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JP33974192A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Nagano
利昭 長野
Hideo Kogure
英雄 木暮
Satoru Maki
哲 槙
Naozumi Iwazawa
直純 岩沢
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電波による障害を防止でき、かつ薄膜化およ
び軽量化できる電波反射防止体および電波反射防止方法
を提供する。 【構成】 金属製電波反射体層(A)、フェライト、カ
ーボン、金属粉および導電性金属酸化物から選ばれた少
なくとも1種の粉末および必要に応じて高誘電材をバイ
ンダーに分散してなる塗料を、紙、布、不織布又は多孔
質シート上に塗布した後、加圧下に成型してなる成型シ
ート層(B)、必要ならば介在してもよい支持フィルム
層(C)、および幾何学的模様状に形成された金属製パ
ターン層(D)を順次積層してなる構造を有することを
特徴とする電波反射防止体および電波反射防止体を構造
体上に形成する電波反射防止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電波による障害を防止
でき、かつ薄膜化および軽量化できる電波反射防止体お
よび電波反射防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、電子機器などにお
ける電波による誤作動などを回避するために、電子機器
のハウジングに導電性塗料を塗布する方法やプラスチッ
ク基材上に亜鉛、アルミニウム、鉄、銅などの金属薄膜
をメッキ、貼り合せ、蒸着などによって形成する方法等
が知られている。しかしながら上記ハウジングに導電性
塗料を塗布する方法においては電波遮蔽効果が小さく、
また経時的に効果が低下しやすいという欠点がある。ま
たプラスチック基材上に金属薄膜を形成する方法におい
ては、電波を反射する量が多く、二次的な電波による障
害の問題がある。さらに特開平2−241098号公報
には、フィルムの表面に導電性金属を用いて幾何学的模
様を描いて成る電磁波シールド用フィルムが記載されて
おり、このものは電磁波の遮蔽性に優れていることが示
されているが、これらのものはいずれも電子機器等より
発生する電磁波の漏えい防止あるいは外部からの電磁波
による電子機器の誤作動等を防止するための遮蔽材料と
しては有効に作用し得るが、例えば橋りょう、建築物な
どによる電波の反射に起因するレーダーの偽像等の電波
障害を防止するためには有効に作用しない。
【0003】電波の反射によるこれらの障害を防止する
ものとして、フェライト又はフェライトと金属粉末もし
くはカーボン粉末との混合物を有機高分子中に分散させ
てなる電波吸収材料が知られている。しかしながら、上
記材料で実用的な吸収特性を得るためには狭帯域周波数
(有効帯域幅0.5〜1GHz 未満程度)の電波の場合で
も少なくとも重量4kg/m2 以上で膜厚1mm以上、広域周
波数(有効帯域幅1〜5GHz 程度)の電波の場合には少
なくとも重量約12kg/m2 以上、4.5mm以上の膜厚が
必要である。したがって使用に際しては厚みおよび重量
が大きく施工作業性が悪く、また建造物等に施工する場
合には建造物全体の強度、バランスに配慮が必要となる
等の欠点を有している。そこで薄膜、軽量で施工作業性
が良く、電波遮蔽能および電波反射防止能の優れた電波
反射防止体の開発が要望されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため電波反射防止体および電波反射防止方法に
ついて鋭意研究の結果、金属などの電波反射体上に、特
定の粉末を含有する塗料を紙、布、不織布又は多孔質シ
ート上に塗布した後、加圧下に成型してなる成型シート
層、および幾何学的模様状に形成された金属製パターン
層を形成することによって、電波を遮蔽し、かつ優れた
電波反射防止能を発揮することを見出し本発明を完成す
るに至った。
【0005】本発明の上記効果は、従来の技術からは全
く予測困難なものである。すなわち、本発明の特徴は、
本来、電波の反射体として作用する金属層をパターン状
に特定の構成を持つ構造体の上に形成することにより驚
くべきことには従来にない軽量にして薄膜においても効
果的に電波の反射を防止できることを見出したことにあ
る。すなわち金属製パターン層の金属部のみでは殆ど電
波反射体として作用し、また当該金属製パターン層がな
い場合には従来のものと同様な、重量が大きく厚膜のフ
ェライト膜層が必要となるが、上述の如き効果を有する
本発明によって解決したものである。
【0006】すなわち本発明は、金属製電波反射体層
(A)、フェライト、カーボン、金属粉および導電性金
属酸化物から選ばれた少なくとも1種の粉末および必要
に応じて高誘電材をバインダーに分散してなる塗料を、
紙、布、不織布又は多孔質シート上に塗布した後、加圧
下に成型してなる成型シート層(B)、必要ならば介在
してもよい支持フィルム層(C)、および幾何学的模様
状に形成された金属製パターン層(D)を順次積層して
なる構造を有することを特徴とする電波反射防止体を提
供するものである。
【0007】また、本発明は、上記電波反射防止体にお
いて、パターン塗膜層(D)上に、さらにクリヤまたは
着色塗膜層(E)を設けてなることを特徴とする電波反
射防止体を提供するものである。
【0008】さらに本発明は、構造体上に、上記の電波
反射防止体を形成することを特徴とする電波反射防止方
法を提供するものである。
【0009】また本発明は、金属表面を有する電波反射
構造体上に、上記の電波反射防止体から金属製電波反射
体層(A)を除いた積層体を形成することを特徴とする
電波反射防止方法を提供するものである。
【0010】本発明の電波反射防止体において、金属製
電波反射体層(A)は、入ってきた電波を100%ない
しは、ほぼ100%(約99%以上)反射することがで
きる金属製の層であればよく、一般に金属シートが用い
られる。金属シートは金属箔も包含するものである。金
属シートの種類としては、ブリキ、真ちゅう、ジュラル
ミン、銅、鉄、ニッケル、ステンレススチール、アルミ
ニウムなどの金属のシートが挙げられる。金属シートの
膜厚は特に限定されるものではないが、強度、軽量化の
観点から25〜500μm 程度が好ましい。
【0011】
【作用】上記金属製電波反射体層(A)上に積層される
成型シート層(B)は、フェライト、カーボン、金属粉
および導電性金属酸化物から選ばれた少なくとも1種の
粉末および必要に応じて高誘電材をバインダーに分散し
てなる塗料を、紙、布、不織布又は多孔質シート上に塗
布した後、加圧下に成型してなるものである。
【0012】上記塗料に用いられるバインダーとして
は、例えばポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、
ロジン、セラック、エステルゴム、ハイパロン(クロロ
スルホン化ポリエチレン)ゴム、塩化ゴム、クロロプレ
ンゴム、ポリオレフィン樹脂、炭化水素樹脂、塩化ビニ
リデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルケトン樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、シリコン系樹脂、セルロース系樹脂、酢酸
ビニル樹脂などの樹脂が挙げられる。
【0013】上記バインダー中に分散されることができ
るフェライトとしては、従来、電波吸収体に使用されて
いるフェライトが使用でき、代表例としてヘマタイト
(Fe23)、マグネタイト(Fe34)、一般にMO
・Fe23 なる組成で表わされる異種金属元素を含む
鉄酸化物(MはMn、Co、Ni、Cu、Zn、Ba、
Mgなど)が挙げられる。フェライトの粒径は特に限定
されるものではないが、一般に粒径が100μm 以下で
あることが分散性などの点から望ましい。
【0014】上記バインダー中に分散されることができ
るカーボンとしては、導電性を有するカーボンが好まし
く、いわゆる導電性カーボンや炭素繊維などが挙げられ
る。カーボンの粒径または繊維の直径は特に限定される
ものではないが、一般に粒径または繊維の直径が100
μm 以下であることが分散性などの点から好ましい。
【0015】上記バインダー中に分散されることができ
る金属粉としては、金、白金、銀、銅、ニッケル、アル
ミニウム、鉄などの金属粉が挙げられ、導電性金属酸化
物としては、酸化錫や酸化インジウムを挙げることがで
きる。これらは、粒子状であっても繊維状であってもよ
く、また粒子状もしくは繊維状をした高分子粉末や無機
粉末上に蒸着などによって薄膜状に形成されたものであ
ってもよい。金属粉および導電性金属酸化物の粒径また
は繊維の直径は特に限定されるものではないが、一般に
粒径または繊維の直径が100μm 以下であることが分
散性などの点から好ましい。
【0016】また上記バインダー中に必要に応じて含有
させることができる高誘電材としては、チタン酸バリウ
ム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコニウム、
チタン酸カリウムなどの粒子又はウィスカーなどである
チタン酸化合物、シリコンカーバイド、チッ化ケイ素な
どを挙げることができる。これらの高誘電材は粒子状で
あっても繊維状であってもよく、その粒径または繊維の
直径は特に限定されるものではないが、一般に100μ
m 以下であることが分散性などの点から好ましい。
【0017】前記バインダー中には、上記フェライト、
カーボン、金属粉および導電性金属酸化物のうちの少な
くとも1種の粉末を単独で又は組合せて、また、さらに
必要に応じてこれらの粉末に高誘電材を加えて配合、分
散させることができる。バインダー100重量部に対す
る上記粉末の配合量は、下記範囲内にあることが好まし
い。 ・フェライト単独の場合、100〜400重量部 ・カーボン、金属粉、導電性金属酸化物のうちのいずれ
か単独の場合又はこれらの2種以上併用の場合、3〜2
0重量部 ・フェライト/(カーボン、金属粉、導電性金属酸化物
の少なくとも1種)併用の場合、合計で3〜400重量
部であって、(カーボン、金属粉、導電性金属酸化物)
の合計量が20重量部未満、 ・フェライト/高誘電材併用の場合、合計で100〜4
00重量部であって、高誘電材の含有量は好ましくは、
これらの粉末の合計量のうち50重量%未満、 ・(カーボン、金属粉、導電性金属酸化物のうちの少な
くとも1種)/高誘電材併用の場合、合計で3〜200
重量部であって、(カーボン、金属粉、導電性金属酸化
物)の合計量が20重量部未満、 ・フェライト/(カーボン、金属粉、導電性金属酸化物
のうちの少なくとも1種)/高誘電材併用の場合、合計
で3〜400重量部であって、(カーボン、金属粉、導
電性金属酸化物)の合計量が20重量部未満、高誘電材
の含有量は好ましくは粉末の合計量のうちの50重量%
未満。
【0018】バインダー中へ上記粉末を分散することに
よって塗料が得られるが、この分散は、必要に応じてバ
インダーを溶解もしくは分散させる溶剤を配合し、混
練、撹拌など公知の方法によって行なうことができる。
上記塗料が塗布される被塗材である紙、布、不織布又は
多孔質シートとしては、空隙を有し、後の成型工程で、
塗料が含浸するものであれば特に限定されるものではな
いが、空隙率が20〜95%程度のものが好ましく、代
表例として、セルロース系の紙;ナイロン、ポリエステ
ル、アクリル、ポリイミドなどの合成繊維や炭素繊維、
チタン酸ウィスカー、シリコーンカーバイドなどのセラ
ミックス繊維や木綿、麻、羊毛などの天然繊維などの繊
維から得られる布や不織布;有機ポリマーとセラミック
スとの混合物を焼結したセラミックスの多孔性焼結体シ
ート、発泡プラスチックシートなどの多孔質シートなど
が挙げられる。これらの被塗材の厚さは特に限定される
ものではないが、通常約50μm 〜約3mmの厚さのもの
が用いられる。
【0019】上記被塗材に塗料を塗布し、ついで必要に
応じて加熱などによって溶剤を除去した後、加圧下にて
成型が行なわれ、成型シート層(B)が得られる。この
成型の際、必要に応じて加熱することができる。この成
型によって被塗材への塗料の含浸も行なわれる。塗料の
バインダーが熱硬化性である場合には、いわゆるBステ
ージで加熱、加圧成型することが好ましい。
【0020】成型時の加圧条件は使用するバインダー
種、被塗材の性質によって異なるが、一般に50〜50
0kg/cm2の範囲である。成型時に必要に応じて加熱する
際の加熱条件は通常、常温〜250℃の範囲である。加
圧処理時間は通常1分〜120分間程度である。得られ
る成型シート層(B)の厚さは特に限定されるものでは
ないが通常約50μm 〜3mm、好ましくは100μm 〜
2mmの範囲であり、また被塗材中に塗料固形分が占める
塗料の含浸割合は、空隙を含めた被塗材に対し、20〜
95容量%であることが好ましい。また被塗材に塗装す
る塗料の塗布量は、成型シート層(B)の厚さが通常約
50μm 〜3mm、好ましくは100μm 〜2mmの範囲と
なるように塗装されることが好ましい。
【0021】成型シート層(B)の作用効果は明らかで
はないが、金属製パターン層の金属のない部分から内部
に入り込んだ電波の行路長を変化させ、層(A)で反射
して金属製パターン層の金属のない部分から外部へ出て
いく電波の位相を変化させるものと考えられ、これによ
って金属製パターン層の金属部で反射される電波と上記
位相を変化させた電波との干渉によって電波のエネルギ
ーを消失させる効果を有するものと考えられる。
【0022】本発明の電波反射防止体においては、上記
成型シート層(B)上に、支持フィルム層(C)を介し
て、または介さずに、金属製パターン層(D)が積層さ
れている。金属製パターン層(D)は成型シート層
(B)上に直接形成してもよいし、支持フィルム層
(C)上に形成した後、成型シート層(B)に接着して
もよい。金属製パターン層(D)においてパターンを形
成する方法としては、金属シートをエッチングしてパタ
ーンを形成するエッチング法、パターンメッキ法、転写
法など従来公知の方法が利用できる。
【0023】エッチング法としては、例えば、層(C)
上に金属シートを貼着し、次いでこの金属シート上にフ
ォトレジスト法や印刷法によってエッチングレジスト層
を形成し、さらにレジスト層が形成されていない露出し
た金属部分をエッチングによって除去する方法が挙げら
れる。転写法としては、予め転写用基板上に金属製パタ
ーンを形成しておき、このパターンを層(B)又は層
(C)上に転写する方法が挙げられる。
【0024】パターンメッキ法としては、例えば、塩化
白金などのメッキ用触媒を塗布した層(C)又は層
(B)上にフォトレジスト法や印刷法によってパターン
を有するレジスト層を形成し、次いで無電解メッキ法に
よりレジストで被覆されていない部分にのみ金属を析出
させる方法や層(B)又は層(C)上に無電解メッキ法
等によって薄いメッキ層を設けた後、このメッキ層上に
フォトレジスト法や印刷法によってパターンを有するレ
ジスト層を形成し、次いで電解メッキを行なって、レジ
ストで覆われていないメッキ部分にさらに必要な厚さの
メッキを施した後、レジストを剥離し、次いで無電解メ
ッキ法によって形成された薄いメッキ層をエッチングに
よって除去する方法が挙げられる。
【0025】支持フィルム層(C)上に金属製パターン
層(D)を形成する場合には、成型シート層(B)上に
接着剤などによって支持フィルム層(C)を貼着し、こ
の上にパターン層(D)を形成してもよいが、支持フィ
ルム単体上に金属製パターン層(D)を形成した後に、
得られた金属製パターン層(D)を有する支持フィルム
を成型シート層(B)上に貼着してもよい。
【0026】上記金属製パターン層(D)を形成する金
属の種類としては、白金、金、銀、ニッケル、クロム、
アルミニウム、銅、鉄などが挙げられる。このパターン
層の金属の厚さは、いわゆる電波のスキンディプス以上
であれば特に制限はないが、強度、重量などの点から通
常0.5〜50μm の範囲であることが好ましい。
【0027】金属製パターン層(D)の形状は幾何学的
模様状であればよく、例えば市松模様状、格子状、スト
ライプ状、三角形、四角形、五角形、六角形、円、水玉
などが挙げられる。模様における非塗膜部/塗膜部の比
が0.05〜20であることが好ましく、0.1〜10
であることがさらに好ましい。また、模様における一つ
の単位の大きさは、格子、ストライプ、多角形、円など
の模様における、一辺の長さ、線間隔、対角(対辺)、
直径が30mm以下であることが好ましい。
【0028】本発明の電波反射防止体は、前記金属製電
波反射体層(A)、成型シート層(B)、介在してもし
なくてもよい支持体層(C)、および金属製パターン層
(D)からなっていてもよいが、電波反射防止体の防食
性、耐候性、美粧性、材料特性の保持性の向上などのた
め、パターン層(D)上に、さらにクリヤまたは着色塗
膜層(E)を塗装などによって設けてもよい。この塗膜
層を形成する樹脂種としては例えば、エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙
げられる。
【0029】本発明の電波反射防止法においては、電波
の遮蔽および電波の反射防止をすべき構造体に上記本発
明の電波反射防止体を接着剤などによって貼着すること
によって電波の遮蔽および電波の反射防止を効果的に行
なうことができる。また本発明の電波反射防止法におい
て、電波の反射を防止すべき構造体が金属表面を有する
電波反射構造体である場合には、この電波反射構造体
が、前記本発明の電波反射防止体の金属製電波反射体層
(A)と同様に電波の遮蔽などの働きを行なうことがで
きるので、この電波反射構造体上には、前記電波反射防
止体から金属製電波反射体層(A)を除いた積層体を形
成することによっても効果的に電波反射防止を行なうこ
とができる。
【0030】また本発明の電波反射防止体の金属製電波
反射体層(A)の(B)層と反対側の面に前もって粘着
剤を塗布し、その上に離型紙を積層しておくことによっ
て施工現場にて剥離紙をはがして貼着するだけで構造体
上に電波反射防止体を形成することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、以下「部」は重量基準によるものとす
る。
【0032】実施例1 厚さ100μm のアラミド繊維の不織布上に、エピコー
ト828(シェル化学社製、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂)100部と硬化剤であるジエチレンテトラミン
5部との混合物105部に対して導電性カーボン10部
とチタン酸バリウム粉70部とを含有する塗料を、平滑
な金属表面上に塗布した場合の乾燥膜厚が500μm と
なるに相当するように塗布し、常温で20分間放置した
後、150kg/cm2の加圧下にて、100℃で10分間、
ついで130℃で20分間加熱して成型し成型シート層
(B)を作成した。また別のポリイミドフィルム
〔(C)層:膜厚50μm 〕上に、厚さ18μmの銅箔
をラミネートし、この上にネガ型フォトレジストゾンネ
EDUV376(関西ペイント(株)製)を電着塗装法
により膜厚約20μm となるように塗装し、15mm角の
市松模様パターンを有するネガ型フォトマスクを介して
超高圧水銀灯で100mj/cm2露光し、1%炭酸ソーダ水
で現像し、次いで露出した銅を塩化第2鉄で除去し銅製
パターン層(D)を形成した。厚さ50μm のアルミ箔
(A)層と(B)層ならびに(D)層を有する(C)層
と(B)層との間に熱圧着シートを挟み、180℃に加
熱しながら圧着し、電波反射防止体を作成した。
【0033】実施例2 厚さ120μm の炭化ケイ素ウィスカーからなる不織布
上に、アクリル樹脂100部に対してバリウム系フェラ
イト200部を含有する塗料を、平滑な金属表面上に塗
布した場合の乾燥膜厚が300μm となるに相当するよ
うに塗布し、80℃で60分間加熱し、塗料中に含まれ
る溶剤を揮発させた後、加熱型加圧機を用いて140
℃、200kg/cm2の温度、圧力条件で60分間加熱加圧
下に成型して成型シート層(B)を作成した。この
(B)層の上に、1列目として一辺が5mmの正八角形
を、その中心が21mmおきに一列に並ぶように配列し、
2列目は一辺が10mmの正方形を、その中心が上記正八
角形の中心から10.5mm下で10.5mm右の位置とな
るように正方形の中心が21mmおきに一列に並ぶように
配列し、さらに、この2つの列が一つの繰返しユニット
となり、3列目の正八角形の列の正八角形の中心が2列
目の正方形の中心から10.5mm下で10.5mm右の位
置となるように配列された、繰返しパターンとなるよう
にパターニングされた厚さ25μm のアルミニウム製パ
ターン層(D)を転写法にて形成した。得られた複層の
(B)層側と厚さ50μm のアルミ箔(A)層とを接着
剤で接着して電波反射防止体を作成した。
【0034】実施例3 実施例1と全く同様にして成型シート層(B)を形成し
た。また別にポリイミドフィルム〔(C)層:膜厚50
μm 〕上に厚さ18μm の銅箔を接着し、このものを用
いて実施例1と同様の電着レジストを用いたエッチング
法によって、直径20mmの円形のパターンが円の中心間
距離が22mmになるように直線状に並んだ列を繰返しユ
ニットとし、2列目がその円の中心が1列目の円の中心
の22mm下になるように順次配列された銅製パターン層
(D)を形成した。さらに層(D)上に乾燥膜厚50μ
m の2液型ウレタンクリヤ塗膜層を設けた。厚さ50μ
m のアルミ箔(A)層に、得られた成型シート層(B)
を接着剤にて接着し、さらにこの(B)層に、(D)層
およびクリヤ塗膜層を有する(C)層の(C)層面を接
着剤にて接着して電波反射防止体を作成した。
【0035】実施例4 厚さ約120μm のポリイミド不織布に、アクリル樹脂
100部に対してニッケル粉5部とチタン酸バリウム粉
70部とを含有する塗料を、平滑な金属表面上に塗布し
た場合の乾燥膜厚が500μm となるように塗布し、1
40℃で200kg/cm2の圧力下にて60分間加熱加圧成
型して成型シート層(B)を得た。また別にポリイミド
フィルム〔(C)層:膜厚50μm 〕上に厚さ18μm
の銅箔を接着し、このものを用いて実施例1と全く同様
にして銅製パターン層(D)を形成した。厚さ50μm
のアルミ箔(A)層と得られた(B)層とを接着剤にて
接着し、さらにこの(B)層にその上にパターン層
(D)を形成した(C)層の(C)層面を接着剤にて接
着して電波反射防止体を作成した。
【0036】実施例5 厚さ約150μm のチタン酸カリウムウィスカーの不織
布上に、アクリル樹脂100部に対して、硫酸バリウム
粉末上にインジウム−錫酸化物を厚さ約100nmとなる
ようにスパッタリングによりコーティングしてなる粉末
15部、バリウム系フェライト100部およびチタン酸
ストロンチウム粉50部を含有する塗料を、平滑な金属
表面上に塗布した場合の乾燥膜厚が400μm となるに
相当するように塗布し、80℃で60分間乾燥後、15
0℃で80kg/cm2の圧力にて3時間加熱加圧成型を行な
い、成型シート層(B)を作成した。また別にポリイミ
ドフィルム〔(C)層:膜厚50μm 〕上に実施例2と
全く同様の転写法にてアルミニウム製パターン層(D)
を形成した。厚さ50μm のアルミ箔(A)層に成型シ
ート層(B)を接着剤で接着し、さらにその上に、得ら
れた(C)層と(D)層との積層体の(C)層側を接着
剤で接着し電波反射防止体を作成した。
【0037】実施例6 実施例1において、アルミ箔(A)層のかわりに300
mm×300mm×1000mmの鋼製柱である金属表面を有
する構造体を使用し、さらにパターン層(D)上に厚さ
50μm のウレタンクリヤ塗膜層を設ける以外は実施例
3と同様に行ない電波反射防止構造体を作成した。
【0038】比較例1 実施例5の電波反射防止体から(A)層を除いた構成の
積層体を比較例1とした。
【0039】比較例2 厚さ50μm のポリイミドフィルム上に、アクリル樹脂
100部に対してバリウム系フェライト300部を含有
する塗料を乾燥膜厚が3mmとなるように塗装乾燥して
(B)層上にフェライト含有樹脂層を形成し、この積層
体を比較例2とした。
【0040】実施例1〜6ならびに比較例1および2で
得た電波反射防止体、電波反射防止構造体および積層体
(比較例)について電波反射防止効果を下記の方法によ
って測定した。その結果を後記表1に示す。また実施例
1〜5の電波反射防止体、比較例1および2の積層体の
重量を表1に示す。実施例6については鋼製柱に接着し
た積層体の重量を表1に示す。
【0041】電波反射防止効果の測定方法 電波反射率が0.01%以下の電波吸収体を部屋の壁面
に貼りつけた電波暗室の中に送信用ホーンアンテナと受
信用ホーンアンテナとを入射電波と反射電波との角度が
5°となるように設置し、それぞれのアンテナから60
cmの距離となるように金属反射板を置き、反射してくる
信号を受信用ホーンアンテナで受信してその電波反射率
を100%とする。次に金属反射板のかわりに測定試料
を置き、種々の周波数について測定試料表面から反射し
てくる信号から最大吸収周波数、最大吸収周波数におけ
る電波反射率、有効吸収帯域(最大吸収周波数の周辺で
1%以下の電波反射率を示す周波数帯域)を測定する。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明に基づく実施例1〜5から明らか
なように本発明の電波反射防止体は、膜厚が薄くて軽量
であっても電波反射率が非常に小さな値を示し、有効吸
収帯域も広い。比較例1の結果から金属製電波反射体層
(A)がない場合には非常に高い電波反射率を示し、実
質的に電波反射防止体としての効果がなく、また比較例
2の結果からフェライト膜のみで電波反射率を低くする
ためには厚膜が必要であり、フェライト膜のみでは有効
吸収帯域も狭い。以上のことから本発明の電波反射防止
体においては、金属製パターン層(D)、成型シート層
(B)および金属製電波反射体層(A)による相互の、
予想以上の特殊な波動干渉もしくは波動エネルギーの打
消し合いによる作用が考えられる。また、本発明の電波
反射防止体の金属製電波反射体層(A)を除いた積層板
を金属表面を有する電波反射構造体上に形成した本発明
方法である実施例6においても良好な電波反射防止効果
を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩沢 直純 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製電波反射体層(A)、フェライ
    ト、カーボン、金属粉および導電性金属酸化物から選ば
    れた少なくとも1種の粉末および必要に応じて高誘電材
    をバインダーに分散してなる塗料を、紙、布、不織布又
    は多孔質シート上に塗布した後、加圧下に成型してなる
    成型シート層(B)、必要ならば介在してもよい支持フ
    ィルム層(C)、および幾何学的模様状に形成された金
    属製パターン層(D)を順次積層してなる構造を有する
    ことを特徴とする電波反射防止体。
  2. 【請求項2】 パターン層(D)上に、さらにクリヤま
    たは着色塗膜層(E)を設けてなることを特徴とする請
    求項1記載の電波反射防止体。
  3. 【請求項3】 構造体上に、請求項1または請求項2記
    載の電波反射防止体を形成することを特徴とする電波反
    射防止方法。
  4. 【請求項4】 金属表面を有する電波反射構造体上に、
    請求項1または請求項2記載の電波反射防止体から金属
    製電波反射体層(A)を除いた積層体を形成することを
    特徴とする電波反射防止方法。
JP33974192A 1992-11-25 1992-11-25 電波反射防止体 Pending JPH06164184A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010503235A (ja) * 2006-09-11 2010-01-28 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 稠密化導電性材料及びそれから作成される物品
US7804439B2 (en) 2004-03-01 2010-09-28 Nitta Corporation Electromagnetic wave absorber

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US7804439B2 (en) 2004-03-01 2010-09-28 Nitta Corporation Electromagnetic wave absorber
JP2010503235A (ja) * 2006-09-11 2010-01-28 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 稠密化導電性材料及びそれから作成される物品

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