JP3209453B2 - 電波反射防止体および電波反射防止方法 - Google Patents

電波反射防止体および電波反射防止方法

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JP3209453B2
JP3209453B2 JP21648692A JP21648692A JP3209453B2 JP 3209453 B2 JP3209453 B2 JP 3209453B2 JP 21648692 A JP21648692 A JP 21648692A JP 21648692 A JP21648692 A JP 21648692A JP 3209453 B2 JP3209453 B2 JP 3209453B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電波による障害を防止
でき、かつ薄膜化および軽量化できる電波反射防止体お
よび電波反射防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、電子機器などにお
ける電波による誤作動などを回避するために、電子機器
のハウジングに導電性塗料を塗布する方法やプラスチッ
ク基材上に亜鉛、アルミニウム、鉄、銅などの金属薄膜
をメッキ、貼り合せ、蒸着などによって形成する方法等
が知られている。しかしながら上記ハウジングに導電性
塗料を塗布する方法においては電波遮蔽効果が小さく、
また経時的に効果が低下しやすいという欠点がある。ま
たプラスチック基材上に金属薄膜を形成する方法におい
ては、電波を反射する量が多く、二次的な電波による障
害の問題がある。さらに特開平2−241098号公報
には、フィルムの表面に導電性金属を用いて幾何学的模
様を描いて成る電磁波シールド用フィルムが記載されて
おり、このものは電磁波の遮蔽性に優れていることが示
されているが、これらのものはいずれも電子機器等より
発生する電磁波の漏えい防止あるいは外部からの電磁波
による電子機器の誤作動等を防止するための遮蔽材料と
しては有効に作用し得るが、例えば橋りょう、建築物な
どによる電波の反射に起因するレーダーの偽像等の電波
障害を防止するためには有効に作用しない。
【0003】電波の反射によるこれらの障害を防止する
ものとして、フェライト又はフェライトと金属粉末もし
くはカーボン粉末との混合物を有機高分子中に分散させ
てなる電波吸収材料が知られている。しかしながら、上
記材料で実用的な吸収特性を得るためには狭帯域周波数
(有効帯域幅0.5〜1GHz 未満程度)の電波の場合で
も少なくとも重量4kg/m2 以上で膜厚1mm以上、広域周
波数(有効帯域幅1〜5GHz 程度)の電波の場合には少
なくとも重量約12kg/m2 以上、4.5mm以上の膜厚が
必要である。したがって使用に際しては厚みおよび重量
が大きく施工作業性が悪く、また建造物等に施工する場
合には建造物全体の強度、バランスに配慮が必要となる
等の欠点を有している。そこで薄膜、軽量で施工作業性
が良く、電波遮蔽能および電波反射防止能の優れた電波
反射防止体の開発が要望されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため電波反射防止体および電波反射防止方法に
ついて鋭意研究の結果、金属などの電波反射体上に、特
定の粉末を含有する樹脂層、および特定の表面固有抵抗
値を有し、かつ金属粉末を含有する幾何学的模様状の塗
膜を形成することによって、電波を遮蔽し、かつ優れた
電波反射防止能を発揮することを見出し本発明を完成す
るに至った。
【0005】本発明の上記効果は、従来の技術からは全
く予測困難なものである。すなわち、本発明の特徴は、
本来、電波の反射体として作用する金属粉末を含有する
パターン塗膜層を、特定の構成を持つ構造体の上に装着
することにより驚くべきことには従来にない軽量にして
薄膜においても効果的に電波の反射を防止できることを
見出したことにある。すなわちパターン塗膜層の塗膜部
のみでは殆んど電波反射体として作用し、また当該パタ
ーン塗膜層がない場合には従来のものと同様な、重量が
大きく厚膜のフェライト膜層が必要となるが、上述の如
き効果を有する本発明によって解決したものである。
【0006】すなわち本発明は、金属製電波反射体層
(A)、必要ならば介在してもよい支持体層(B)、フ
ェライトおよびカーボンから選ばれた少なくとも1種の
粉末および必要に応じて高誘電材を含有する樹脂層
(C)、必要ならば介在してもよい支持フィルム層
(D)および複数個の幾何学的模様を互いに接触しない
ように配列してなる、金属粉末を含有する体積固有抵抗
値が10 -3 〜10 5 Ω・cmのパターン塗膜層(E)を
順次積層してなる構造を有することを特徴とする電波反
射防止体を提供するものである。
【0007】また、本発明は、上記電波反射防止体にお
いて、パターン塗膜層(E)上に、さらにクリヤまたは
着色塗膜層(F)を設けてなることを特徴とする電波反
射防止体を提供するものである。
【0008】さらに本発明は、構造体上に、上記の電波
反射防止体を形成することを特徴とする電波反射防止方
法を提供するものである。
【0009】また本発明は、金属表面を有する電波反射
構造体上に、上記の電波反射防止体から金属製電波反射
体層(A)を除いた積層体を形成することを特徴とする
電波反射防止方法を提供するものである。
【0010】本発明の電波反射防止体において、金属製
電波反射体層(A)は、入ってきた電波を100%ない
しは、ほぼ100%(約99%以上)反射することがで
きる金属製の層であればよく、一般に金属シートが用い
られる。金属シートは金属箔も包含するものである。金
属シートの種類としては、ブリキ、真ちゅう、銅、鉄、
ニッケル、ステンレススチール、アルミニウムなどの金
属のシートが挙げられる。金属シートの膜厚は特に限定
されるものではないが、強度、軽量化の観点から25〜
500μm程度が好ましい。
【0011】本発明の電波反射防止体においては、上記
金属製電波反射体層(A)上に、支持体層(B)を介し
て、または介さずに、樹脂層(C)が形成されている。
この支持体層(B)は樹脂層(C)を前もって支持体上
に形成しておき、このものを層(A)に接着する場合な
どに使用される。層(A)上に直接、樹脂層(C)を形
成する場合には支持体層(B)は不必要である。支持体
(B)は、樹脂層(C)を支持する強度を有するシート
であればよく、一般に膜厚10〜500μm程度のプラ
スチックシートが挙げられる。プラスチックシートには
プラスチックフィルムも包含される。プラスチックシー
トの種類としては特に制限はないが、ポリイミド、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ハイパロンゴム、塩化ゴム、クロロプレンゴ
ム、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂など
が挙げられる。このプラスチックシートには繊維強化プ
ラスチックシートも包含される。
【0012】前記金属製電波反射体層(A)上に、上記
支持体層(B)を介して、または介さずに形成される樹
脂層(C)は、フェライトおよびカーボンから選ばれた
少なくとも1種の粉末および必要に応じて高誘電材を樹
脂中に分散させたものを、シート状に成型又は層(A)
もしくは支持体層(B)上に塗布、乾燥させることによ
って得られる。シート状に成型した場合は、この成型物
を層(A)上に接着剤などで接着する。ここで用いられ
る樹脂としては、例えばポリイミド、ポリフェニレンサ
ルファイド、ロジン、セラック、エステルゴム、ハイパ
ロン(クロロスルホン化ポリエチレン)ゴム、塩化ゴ
ム、クロロプレンゴム、ポリオレフィン樹脂、炭化水素
樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエー
テルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、
アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン系樹脂、セルロース系
樹脂、酢酸ビニル樹脂などの樹脂が挙げられる。
【0013】上記樹脂中に分散されることができるフェ
ライトとしては、従来、電波吸収体に使用されているフ
ェライトが使用でき、代表例としてヘマタイト(Fe2
3)、マグネタイト(Fe3 4 )、一般にMO・F
2 3 なる組成で表わされる異種金属元素を含む鉄酸
化物(MはMn、Co、Ni、Cu、Zn、Ba、Mg
など)が挙げられる。フェライトの粒径は特に限定され
るものではないが、一般に粒径が100μm以下である
ことが分散性などの点から望ましい。
【0014】上記樹脂中に分散されることができるカー
ボンとしては、導電性を有するカーボンが好ましく、い
わゆる導電性カーボンや炭素繊維などが挙げられる。カ
ーボンの粒径は特に限定されるものではないが、一般に
粒径または繊維の直径が100μm以下であることが分
散性などの点から好ましい。
【0015】また上記樹脂中に必要に応じて含有させる
ことができる高誘電材としては、チタン酸バリウム、チ
タン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコニウム、チタン
酸カリウムなどの粒子又はウィスカーなどであるチタン
酸化合物、シリコンカーバイド、チッ化ケイ素などを挙
げることができる。
【0016】上記樹脂中には、フェライト、カーボン、
フェライト/カーボン、フェライト/高誘電材、カーボ
ン/高誘電材、フェライト/カーボン/高誘電材のよう
に粉末を単独または2種以上を組合せて含有させること
ができる。樹脂(固形分)100重量部に対するフェラ
イト、カーボン、高誘電材の配合量は、下記範囲内にあ
ることが好ましい。 ・フェライト単独の場合50〜400重量部、・カーボ
ン単独の場合3〜20重量部、・フェライト/カーボン
併用の場合、合計で3〜400重量部であって、カーボ
ンの含有量が20重量部未満、・フェライト/高誘電材
併用の場合、合計で50〜400重量部であって、高誘
電材の含有量は好ましくは粉末の合計量のうち50重量
%以下、・カーボン/高誘電材併用の場合、合計で3〜
200重量部であって、カーボンの含有量が20重量部
未満、・フェライト/カーボン/高誘電材併用の場合、
合計で3〜400重量部であって、カーボンの含有量が
20重量部未満、高誘電材の含有量は好ましくは粉末の
合計量のうち50重量%以下。
【0017】樹脂層(C)の作用効果は明らかではない
が、パターン塗膜層の塗膜のない部分から内部に入り込
んだ電波の行路長を変化させ、層(A)で反射してパタ
ーン塗膜層の塗膜のない部分から外部へ出ていく電波の
位相を変化させるものと考えられ、これによってパター
ン塗膜層の塗膜部で反射される外部からの電波と上記位
相を変化させた電波との干渉によって電波のエネルギー
を消失させる効果を有するものと考えられる。
【0018】本発明の電波反射防止体においては、上記
樹脂層(C)上に、支持フィルム層(D)を介して、ま
たは介さずに、パターン塗膜層(E)が積層されてい
る。パターン塗膜層(E)は、金属粉末を含有する幾何
学的模様状塗膜であって体積固有抵抗値10-3〜1010
Ω・cm、好ましくは10-3〜105Ω・cmを有す
る。パターン塗膜層(E)は、得られる塗膜層の体積
有抵抗値が10-3〜1010Ω・cmとなるように、樹脂
中に金属粉末、必要に応じて溶剤、タレ止め剤、脱泡
剤、顔料分散剤、その他塗料添加剤などを含有せしめた
塗料(インキ)を、樹脂層(C)上又は支持フィルム層
(D)上にグラビア印刷、スプレー法、ロールコータ法
など既知の方法によって幾何学的模様状に塗布し乾燥さ
せることによって形成することができる。
【0019】支持フィルム層(D)上にパターン塗膜層
(E)を形成する場合には、樹脂層(C)上に接着剤な
どによって支持フィルムを貼着し、この上にパターン塗
膜層(E)を形成してもよいが、支持フィルム単体上に
パターン塗膜層(E)を形成した後に、得られたパター
ン塗膜層(E)を有する支持フィルムを樹脂層(C)上
に貼着してもよい。樹脂層(C)上に直接、パターン塗
膜層(E)を形成する場合には支持フィルム層(D)は
不必要である。
【0020】上記パターン塗膜層(E)を形成するため
の塗料中に配合される金属粉末としては、ニッケル、ア
ルミニウム、銅、鉄、コバルト、亜鉛、タングステンな
どの金属の粉末が挙げられる。この金属粉末の大きさ、
含有量について特に制限はないが、粒径については、分
散性の点から一般に100μm以下であることが好まし
く、含有量については、通常、樹脂固形分100重量部
に対して25〜500重量部であることが好ましい。
【0021】パターン塗膜層(E)を形成するための塗
料中に配合する樹脂としては、被膜形成性樹脂であれば
よく、塗料分野やインキ分野で使用される被膜形成性樹
脂が使用でき、例えば、前記樹脂層(C)において使用
できる樹脂を挙げることができる。また必要に応じてこ
れらの樹脂中の官能基と反応して硬化しうる硬化剤を配
合してもよい。またこの塗料中に必要に応じて配合され
る溶剤は塗料中に使用される樹脂を溶解または分散する
ものであればよく、塗料(インキ)の粘度を調整し、塗
装作業性をよくするために用いられる。
【0022】またパターン塗膜層(E)の形状は幾何学
的模様状であればよく、例えば市松模様状、格子状、ス
トライプ状、三角形、四角形、五角形、六角形、円、水
玉、などが挙げられる。模様における非塗膜部/塗膜部
の比が0.05〜20であることが好ましく、また、模
様における一つの大きさは、格子、ストライプ、多角
形、円などの模様における、一辺の長さ、線間隔、対角
(対辺)、直径が30mm以下であることが好ましい。
【0023】本発明の電波反射防止体においてパターン
塗膜層(E)の体積固有抵抗値が10-3Ω・cm未満の
場合は電波の吸収能が低下し反射を防止できる電波の周
波数帯域幅が狭くなり、一方、1010Ω・cmを超える
場合にはパターン塗膜層(E)の効果が小さくなり電波
反射防止能が低下する。
【0024】パターン塗膜層(E)における金属粉末の
種類はパターン塗膜層の耐久性、コスト等を考慮して前
記したものの中から適宜選択すればよい。またその含有
量および膜厚は反射を防止する電波の周波数に応じて、
含有量は前記した範囲から、また膜厚はパターン形成の
しやすさ、重量なども考慮して通常5〜500μm、さ
らに好ましくは10〜100μmの範囲の中から適宜選
定すればよい。
【0025】前記支持フィルム層(D)としては、前記
支持体層(B)に用いることができるプラスチックシー
トを挙げることができる。
【0026】本発明の電波反射防止体は、前記金属製電
波反射体層(A)、介在してもしなくてもよい支持体層
(B)、樹脂層(C)、介在してもしなくてもよい支持
フィルム層(D)、およびパターン塗膜層(E)からな
っていてもよいが、電波反射防止体の防食性、耐候性、
美粧性、材料特性の保持性の向上などのため、パターン
塗膜層(E)上に、クリヤまたは着色塗膜層(F)を塗
装などによって設けてもよい。この塗膜層を形成する樹
脂種としては例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0027】本発明の電波反射防止方法においては、電
波の遮蔽および電波の反射防止をすべき構造体に上記本
発明の電波反射防止体を接着剤などによって貼着するこ
とによって電波の遮蔽および電波の反射防止を効果的に
行なうことができる。また本発明の電波反射防止方法に
おいて、電波の反射を防止すべき構造体が金属表面を有
する電波反射構造体である場合には、この電波反射構造
体が、前記本発明の電波反射防止体の金属製電波反射体
層(A)と同様に電波の遮蔽などの働きを行なうことが
できるので、この電波反射防止構造体上には、前記電波
反射防止体から金属製電波反射体層(A)を除いた積層
体を形成することによっても効果的に電波反射防止を行
なうことができる。
【0028】また本発明の電波反射防止体の金属製電波
反射体層(A)の(B)層と反対側の面に前もって粘着
剤を塗布し、その上に離型紙を積層しておくことによっ
て施工現場にて剥離紙をはがして貼着するだけで構造体
上に電波反射防止体を形成することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、以下「部」は重量基準によるものとす
る。
【0030】実施例1 ポリイミドフィルム〔(B)層:膜厚50μm〕上に、
アクリル樹脂100部に対してバリウム系フェライト2
00部を含有する塗料を乾燥膜厚が500μmになるよ
うに塗布し、樹脂層(C)を形成した。またポリイミド
フィルム〔(D)層:膜厚50μm〕上に、アクリル樹
脂100部にニッケル粉200部を含有する導電性イン
ク(得られる膜の体積固有抵抗3.1×10-3Ω・cm)
を使って15mm角の市松パターンとなるようにして乾燥
膜厚が50μmのパターン塗膜層(E)を形成した。厚
さ50μmのステンレス箔(A)層と(B)層ならびに
(C)層と(D)層との間に熱圧着シートを挟み、18
0℃に加熱しながら加圧プレスし、電波反射防止体を作
成した。
【0031】実施例2 厚さ100μmのアルミ箔〔(A)層〕の上に、エポキ
シ樹脂100部に対してニッケル系フェライト150部
を含有する塗料を乾燥膜厚が500μmになるように塗
布し、樹脂層(C)を得た。この(C)層の上に、アク
リル樹脂100部にニッケル粉100部を含有する導電
性インク(得られる膜の体積固有抵抗5.3×10-1Ω
・cm)を使い、直径5mmの円を中心が10mmおきに次の
パターンがくるように一列に印刷し、2列目は円の中心
が1列目の円の中心に対して5mm下で5mm右の位置とな
るようにずらして円の中心を10mmおきに一列に印刷
し、3列目は1列目と同じパターン配列となるようにし
て一つの繰り返しユニットとし、これを順次繰り返して
乾燥膜厚が50μmのパターン塗膜層(E)を形成し、
電波反射防止体を作成した。
【0032】実施例3 ポリイミドフィルム〔(B)層:膜厚50μm〕上に、
アクリル樹脂100部に対してバリウム系フェライト1
00部と導電性カーボン10部とを含有する塗料を乾燥
膜厚が350μmになるように塗布して、樹脂層(C)
を形成した。この上に、アクリル樹脂100部にニッケ
ル粉80部を含有する導電性インク(得られる膜の体積
固有抵抗9.8Ω・cm)を実施例1に示したパターンに
なるように印刷し、乾燥膜厚30μmのパターン塗膜層
(E)を形成した。厚さ50μmのステンレス箔(A)
層に得られた複層の(B)層を接着剤で接着し電波反射
防止体を作成した。
【0033】実施例4 エポキシ樹脂含浸ガラス繊維強化シート〔(B)層:膜
厚100μm〕上に、アクリル樹脂100部に対して導
電性カーボン10部とチタン酸バリウム粉70部とを含
有する塗料を乾燥膜厚が800μmになるように塗布し
て樹脂層(C)を形成した。またエポキシ樹脂含浸ガラ
ス繊維強化シート〔(D)層:膜厚100μm〕上にア
クリル樹脂100部にニッケル粉300部を導電性カー
ボン10部を含有する導電性インク(得られる膜の体積
固有抵抗1.6×10-3Ω・cm)を使い、一片が5mmの
正八角形を、中心が21mmおきに一列に並ぶように印刷
し、2列目は正方形の中心を10.5mm下で10.5mm
右の位置にずらし正方形の中心を21mmおきに一列に印
刷し、3列目は1列目と同じパターン配列となるように
して一つの繰り返しユニットとして、これを順次繰り返
して乾燥膜厚が35μmのパターン塗膜層(E)を形成
した。厚さ50μmの銅箔(A)層と(B)層ならびに
(C)層と(D)層との間に熱圧着シートを挟み、18
0℃に加熱しながら加圧プレスし、電波反射防止体を作
成した。
【0034】実施例5 ポリイミドフィルム〔(B)層:膜厚50μm〕上に、
アクリル樹脂100部に対してバリウム系フェライト1
75部およびチタン酸カリウムウィスカー25部を含有
する塗料を乾燥膜厚が350μmになるように塗布し
て、樹脂層(C)を形成した。この上に、アクリル樹脂
100部に電解銅粉200部を含有する導電性インク
(得られる膜の体積固有抵抗5.7×10-3Ω・cm)を
実施例1に示したパターンになるように印刷し、乾燥膜
厚30μmのパターン塗膜層(E)を形成した。厚さ5
0μmのステンレス箔(A)層に得られた積層体の
(B)層を接着剤で接着し電波反射防止体を作成した。
【0035】実施例6 ポリイミドフィルム〔(B)層:膜厚50μm〕上に、
アクリル樹脂100部に対してバリウム系フェライト1
50部、導電性カーボン5部およびチタン酸ストロンチ
ウム粉50部を含有する塗料を乾燥膜厚が300μmに
なるように塗布して、樹脂層(C)を形成した。この上
に、アクリル樹脂100部に電解銅粉200部を含有す
る導電性インク(得られる膜の体積固有抵抗5.7×1
-3Ω・cm)を実施例1に示したパターンになるように
印刷し、乾燥膜厚30μmのパターン塗膜層(E)を形
成した。厚さ50μmのステンレス箔(A)層に得られ
た積層体の(B)層を接着剤で接着し電波反射防止体を
作成した。
【0036】実施例7 実施例3において、ステンレス箔(A)層のかわりに3
00mm×300mm×1000mmの鋼製柱である金属表面
を有する構造体を使用する以外は実施例3と同様に行な
い電波反射防止構造体を作成した。
【0037】比較例1 実施例1で使用した、ポリイミドフィルム(D)層上
に、導電性インクを使って市松パターンであるパターン
塗膜層(E)を形成してなる、(D)層と(E)層との
積層体を比較例1とした。
【0038】比較例2 ポリイミドフィルム〔(B)層:膜厚50μm〕上に、
アクリル樹脂100部に対してバリウム系フェライト2
00部を含有する塗料を乾燥膜厚が3mmとなるように塗
装乾燥して(B)層上にフェライト含有樹脂層を形成
し、この積層体を比較例2とした。
【0039】実施例1〜7ならびに比較例1および2で
得た電波反射防止体、電波反射防止構造体および積層体
(比較例)について電波反射防止効果を下記の方法によ
って測定した。その結果を後記表1に示す。また実施例
1〜6の電波反射防止体、比較例1および2の積層体の
重量を表1に示す。実施例7については鋼製柱に接着し
た積層体の重量を表1に示す。
【0040】電波反射防止効果の測定方法 電波反射率が0.01%以下の電波吸収体を部屋の壁面
に貼りつけた電波暗室の中に送信用ホーンアンテナと受
信用ホーンアンテナとを入射電波と反射電波との角度が
5°となるように設置し、それぞれのアンテナから60
cmの距離となるように金属反射板を置き、反射してくる
信号を受信用ホーンアンテナで受信してその電波反射率
を100%とする。次に金属反射板のかわりに測定試料
を置き、種々の周波数について測定試料表面から反射し
てくる信号から最大吸収周波数、最大吸収周波数におけ
る電波反射率、有効吸収帯域(最大吸収周波数の周辺で
1%以下の電波反射率を示す周波数帯域)を測定する。
【0041】
【表1】
【0042】
【作用および発明の効果】本発明に基づく実施例1〜6
から明らかなように本発明の電波反射防止体は、膜厚が
薄くて軽量であっても電波反射率が非常に小さな値を示
し、有効吸収帯域も広い。比較例1の結果から本発明に
おけるパターン塗膜層(E)のみでは非常に高い電波反
射率を示し、電波を吸収する効果が小さく、また比較例
2の結果からフェライト膜のみで電波反射率を低くする
ためには厚膜が必要であり、フェライト膜のみでは有効
吸収帯域も狭い。以上のことから本発明の電波反射防止
体においては、パターン塗膜層(E)、樹脂層(C)お
よび金属製電波反射体層(A)による相互の、予想以上
の特殊な波動干渉もしくは波動エネルギーの打消し合い
による作用が考えられる。また、本発明の電波反射防止
体の金属製電波反射体層(A)を除いた積層板を金属表
面を有する電波反射構造体上に形成した本発明方法であ
る実施例7においても良好な電波反射防止効果を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 槙 哲 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−163998(JP,A) 特開 平3−29398(JP,A) 特開 平1−143297(JP,A) 特開 平3−92003(JP,A) 特開 昭50−30094(JP,A) 特開 平3−136213(JP,A) 特開 平3−165002(JP,A) 実開 昭60−160617(JP,U) 特許175119(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 9/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製電波反射体層(A)、粒子径10
    0μm以下のフェライトおよびカーボンから選ばれた少
    なくとも1種の粉末を含有する樹脂層(C)、および複
    数個の幾何学的模様を互いに接触しないように配列して
    なる、金属粉末を含有する体積固有抵抗値が10-3〜1
    5 Ω・cmであり膜厚が5〜500μmのパターン塗
    膜層(E)を順次積層してなる構造を有し、該パターン
    塗膜層(E)の模様における非塗膜部/塗膜部の比が
    0.05〜20であり、パターン塗膜が市松模様、多角
    形又は円であることを特徴とする電波反射防止体。
  2. 【請求項2】 金属電波反射体層(A)と樹脂層
    (C)との間に支持体層(B)を介在させることを特徴
    とする請求項1記載の電波反射防止体。
  3. 【請求項3】 樹脂層(C)がさらに高誘電材を含有す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の電波反射防止
    体。
  4. 【請求項4】 樹脂層(C)とパターン塗膜層(E)と
    の間に支持フィルム層(D)を介在させることを特徴と
    する請求項1ないし3項の何れかの項に記載の電波反射
    防止体。
  5. 【請求項5】 パターン塗膜層(E)上に、さらにクリ
    ヤまたは着色塗膜層(F)を設けてなることを特徴とす
    る請求項1ないし4項の何れかの項に記載の電波反射防
    止体。
  6. 【請求項6】 構造体上に、請求項1ないし5項の何れ
    かの項に記載の電波反射防止体を形成することを特徴と
    する電波反射防止方法。
  7. 【請求項7】 金属表面を有する電波反射構造体上に、
    請求項1ないし5の何れかの項に記載の電波反射防止体
    から金属製電波反射体層(A)を除いた積層体を形成す
    ることを特徴とする電波反射防止方法。
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