JPH0616197A - 宇宙構造物の振動制御用ピエゾアクチュエータ - Google Patents

宇宙構造物の振動制御用ピエゾアクチュエータ

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JPH0616197A
JPH0616197A JP3296009A JP29600991A JPH0616197A JP H0616197 A JPH0616197 A JP H0616197A JP 3296009 A JP3296009 A JP 3296009A JP 29600991 A JP29600991 A JP 29600991A JP H0616197 A JPH0616197 A JP H0616197A
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actuator
piezoelectric elements
piezoelectric
space structure
control
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JP3296009A
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Koji Sekine
功治 関根
Takeo Arikabe
剛生 有壁
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NEC Corp
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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NEC Corp
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高精度な動的安定性を要求される宇宙構造物の
振動を能動的に制御し、外乱に対して安定なシステムを
構築することを目的とする振動制御用アクチュエータ。 【構成】本発明のアクチュエータは、圧電素子を数個直
列に実装し、プリロードによる圧縮力を加えられてい
る。内部に実装した変位センサの出力より、圧電素子に
加える電圧が外部のコントローラにより決定され、数1
0〜数100Kgfの制御軸力を発生することが可能で
ある。アクチュエータは、外筒及び内筒の摺動によって
内部の圧電素子の剪断破壊を防止し、かつ圧電素子の種
類・数を任意に決定できるため、適用する構造物に合わ
せて制御最大量を任意に定めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、宇宙構造物、特にトラ
ス構造の部材の途中に組みこまれるピエゾアクチュエー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】宇宙構造物を振動制御するアクチュエー
タとしては、従来、(1)リファレンス(ア)に記載さ
れている集中質量を移動させその反作用を利用するプル
ークマスタイプ、(2)リファレンス(イ)に記載され
ているワイヤー等の張力腱で引っぱり、モーメントを利
用するテンドンタイプ、(3)リファレンス(ウ)に記
載されている部材の結合の接続・切離しによる能動部材
剛性制御タイプ、(4)リファレンス(エ)及び(オ)
に記載されている部材の伸縮による軸力を用いる能動部
材軸力制御タイプの4つの方法がある。
【0003】前述のリファレンス(1)〜(5)は以下
のとおりである。 (ア)「慣性アクチュエータによる構造物制振実験(そ
の1)安定解析」 1987年,31回宇宙科学連合講演会,P256 (イ)「柔軟はりのテンドンを用いた振動制御実験」 1986年,30回宇宙科学連合講演会,P528,室
津他 (ウ)「可変剛性部材によるトラス構造の振動制御」 1989年,31回構造強度に関する講演会,P97,
小野田,渡辺,遠藤,玉置 (エ)「ラッチ機構つきアクチュエータ部材によるトラ
ス構造物の振動制御」 1989年,33回宇宙科学連合講演会,P150,室
橋,名取,市田,桑尾,高原 (オ)“Development of an Act
ive MemberUsing Piezoelec
tric And Electrostrictive
Actuation for Control of
precision Structures”,E.
H.Anderson,D.M.Moore & J.
L.Fanson(JPL),Structures,
Stractural Dynamics,Mater
ial Conference.
【発明が解決しようとする課題】前述の(1)の方法
は、質量の加速度による慣性力を用いるため、低周波の
振動を抑制するには、質量を大きくするか、加速度を大
きくするかの両方法があるが、前者は、システムの重量
増加になり、後者は、ストロークを大きくするため、装
置が大きくなるという問題点があった。前述の(2)の
方法は、テンドンを構成する張力ワイヤを構造物長手方
法に設置する必要があり、実装上の課題がある。前述の
(3)の方法は、部材として組みこむことができ、コン
パクトであるが、構造的な結合が断続的に切れるため、
通常時のラッチ時の位置決めに課題が生ずる。
【0004】前述の(4)の方法は、前述の(3)と同
じくコンパクト性にすぐれ、制御時も部材としての構造
的な結合を保持しているため、通常時の位置決めに全く
支障はないが、磁気コイル等の駆動力を用いているた
め、構造剛性が小さいという課題があった。そのため、
ラッチピンを用いて、通常時はロックする方法(リファ
レンス(エ))があるが、新たにロックメカニズムが必
要となり、複雑になる。また、圧電素子を用いるタイプ
(リファレンス(オ))があり、この場合は通常時・制
御時の剛性・グリップには問題なく、また発生する制御
力も大きい。しかしながら構造が複雑である欠点を有す
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の宇宙構造物の振
動制御用ピエゾアクチュエータは、リファレンス(オ)
のタイプに属するものであるが、このリファレンス
(オ)のアクチュエータが、一体の圧電素子を用い、圧
電素子に加わる剪断力を、ピヴットで吸収するのと異な
り、複数個の圧電素子を直列につなげて、伸長量及び発
生力をチューニングし、かつ、内筒と外筒の接触によっ
て剪断力を吸収する機構を備えている。
【0006】
【実施例】図1は本発明のアクチュエータの断面図であ
る。1は圧電素子であり、スペーサ2によって、はさま
れ、プリロードスプリング6によって初期圧縮を受けて
いる。圧電素子1の種類(断面積,圧電係数,長さ,及
び個数)は任意に決められるため、アクチュエータの性
能を任意にチューニング可能である。外筒3と内筒4
は、すきまばめ程度のクリアランスによって、摺動する
とともに、アクチュエータに剪断力及び曲げモーメント
が加わった際の圧電素子1に対する影響を抑制してい
る。ロッド(1)7は、センサハウジング5を介して、
外筒3と機械的に結合され、ロッド(2)8は、内筒4
と結合されている。変位センサ9は、アクチュエータ全
体の伸縮変位を測定し、制御用の信号をフィードバック
するためのセンサである。
【0007】図2に、例として、トラスに実装された3
個のアクチュエータG,H及びIの使用例を示す。この
様な構造物に外乱が加わったときに、アクチュエータは
変位センサ9によって、振動によるアクチュエータの伸
縮量及びその微分値による伸縮速度量を検知し、その信
号をコントローラに転送する。コントローラは、そのセ
ンサの値(変位,速度)より、振動を抑制する最適な制
御電圧を、各サンプリング時間で決定し、出力する。そ
の出力電圧によって、アクチュエータの圧電素子1が伸
縮し、アクチュエータ両端に、ロッド(1)7,ロッド
(2)8を通じて制御力を発生させ、構造物の振動を迅
速に減衰させ、制御する。外乱は、初期外乱,定常外乱
共に制御可能である。
【0008】図3に、このような制御を可能にするコン
トローラの一例(最適レギュレータ及び状態推定器を用
いたもの)を示す。図1(B)に図2の様な構造物に対
し、本発明のアクチュエータを2個ないしは3個使用
し、図3の様なコントローラを適用したときの制御効果
を示す。点線は、自由振動応答の伝達関数であるが、こ
れに対し、3本のアクチュエータを使用した場合(実
線),2本のアクチュエータを使用した場合(破線)の
伝達関数は共振時の応答を60dB〜80dB程度減少
させ、外乱に対して非常に安定なシステムを構築するこ
とができる。
【0009】このようにこの実施例のピエゾアクチュエ
ータは、前上の従来例の(4)の方法、特にリファレン
ス(オ)のタイプに分類されるものであるが、アクチュ
エータとして圧電素子セラミックを用いて軸力を発生し
ているため、発生する軸力は、磁気コイル等と比較して
非常に大きい。また、通常時の非制御時においては、圧
電素子のヤング率は、4000Kgf/mm2 程度と大
きいため、宇宙構造物の剛性を低下させることはない。
機械環境についても、圧電素子は、引張力には強度が低
いが、圧縮力には90Kgf/mm2 程度と非常に強い
ため、プリロード圧縮力を加えておけば問題はない。
【0010】また、数個の圧電素子を直列につなげて、
制御時の最大伸縮量、及び最大制御力を容易にチューニ
ング可能である。また、圧電素子に加わる剪断力を、内
筒と外筒によって吸収しているため、それを防止する他
のメカニズムを付加する必要がない。
【0011】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明のピエゾ
アクチュエータは、従来例で示した(1)〜(3)の方
法に比べて、軽量でかつ、大きな制御力を発生でき、か
つ、従来例で示した(4)の方法に属する他のアクチュ
エータと比較し、機構が単純で、性能のチューニングが
容易になる。
【0012】また本発明のピエゾアクチュエータは、宇
宙構造物の外乱による振動を迅速に減衰させ、かつ定常
的に加わる微少な外乱による有害な定常振動の大きさ
を、大きく制御することができ、結果として動的に安定
な宇宙システムを構築することが可能である。
【0013】図1(B)に示した例では、60dB〜8
0dBの制御性能が得られるが、この量は、内部の圧電
素子の種類・個数によって任意にチューニング可能であ
り、大規模な宇宙構造物から、小規模な精密システム
(例えば、光学系トラスベンチ等)に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の振動制御用アクチュエータの
断面図。(B)は本発明の振動制御用アクチュエータに
よる制御効果の例。
【図2】本発明の振動制御用アクチュエータの構造物へ
の実装例。
【図3】本発明の振動制御用アクチュエータを用いた最
適レギュレータによるコントローラの例。
【符号の説明】
1 圧電素子 2 スペーサ 3 外筒 4 内筒 5 センサハウジング 6 プリロードスプリング 7,8 ロッド 9 変位センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒と外筒とにはさまれ、直列に配置さ
    れた複数個の圧電素子を有することを特徴とする宇宙構
    造物の振動制御用のピエゾアクチュエータ。
JP3296009A 1991-11-12 1991-11-12 宇宙構造物の振動制御用ピエゾアクチュエータ Expired - Lifetime JP2937585B2 (ja)

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