JPH0616107A - ワイパー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ワイパーのアームにより優れた被掃引面を確
保しフロントガラスの下隅に近接する位置に取り付ける
ことができスペースの要求条件を低くした自動車用のシ
ングルアーム装備ワイパー装置を提供する。 【構成】 活動長が掃引運動中に変化するワイパーアー
ム２を備えるワイパー装置で、第１の交互往復運動を付
与される第１のモータシャフト２６と、第２の交互往復
運動を付与される第２のモータシャフト３４を備え、同
第２シャフトの交互往復の振幅が第１シャフトのそれよ
りも大きく、一方では第２モータシャフト上に回転用に
接続され、他方ではアーム上に関節化されるクランク２
４と第１のモータシャフト上へ回転用に接続されるアー
ムサポート要素６と同サポート要素とアーム間に設けら
れサポート要素上でアームがその長手方向に対して実質
上平行な方向に並進運動することを可能にするカプリン
グ手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は全体としてワイパー装
置、殊に、自動車用のワイパー装置でシングル主アーム
上に取り付けられる少なくとも一つのブレードを備え、
前記アームの活動長がワイパー運動の過程で変化するも
のに関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車装置のコストを引き下げる必要に
迫られたとき、ワイパー装置にシングルアームを利用す
ることが重要となってくる。だが、シングルアームを使
用する場合、アームのコースを乗客とドライバーの安全
性と快適さの上からブレードが掃引する表面が出来るだ
け広くなるように構成することが必要である。従来より
既にシングルアームを備えた一連のワイパー装置が提案
されているが、中でもフランス特許２５０８３９９号と
ドイツ特許３７４２６３５号に記載のものを挙げること
ができる。上記装置は、フロントガラスの下部の中心に
取り付けるのが普通であって、掃引面上での作動を出来
るだけ広く確保するために複雑で、面倒かつ高価な装置
を備えるのが普通である。

【０００３】上記フランス特許文献の場合、ワイパー装
置は、ギアとクランクとを備えたトランスミッションを
包囲するとともに、ワイパーのアームと同一の往復運動
を付与されるケーシングを備える。上記のトランスミッ
ション装置によってアームの複合的運動が生成され、ア
ームはその回転プロセス中で異なる長さ値を通るように
なっている。その内、２つが最大値で、３つが最小値を
構成する。ドイツ特許文献の場合には、トランスミッシ
ョン装置は更に複雑で、これはワイパーのアームが一方
の回転方向と他方の回転方向とで異なった軌跡を描ける
ようにするためである。以上の公知装置の複雑さは製作
費と組立費をかさませるだけでなく、装置の惰性モメン
トの増大を伴い、そのためより強力な駆動モータが必要
となり、同様に費用が高くつくという欠点をもってい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】かくして、本発明の主
要な目的は、特に簡単かつ経済的なワイパー装置を提供
することである。また、本発明の目的は、自動車用のシ
ングルアームを装備するワイパー装置でワイパーのアー
ムにより表面を効果的に掃引でき、フロントガラスの下
隅に近接する位置に取り付けることができるようにして
スペースを狭めるという要求を満たすことができるもの
を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため、本発明は掃引
運動中にその活動長が変化するワイパーアームを備える
ワイパー装置を提供する。本発明によれば、上記ワイパ
ー装置は、以下のものから構成する。 （１） 第１の往復回転運動を付与される第１のモータ
シャフトと第２の往復回転運動を付与される第２のモー
タシャフトを備え、前記第２のシャフトの往復回転の振
幅が第１のシャフトの往復回転の振幅よりも大きくした
モータ手段と； （２） 一方では第２のモータシャフトへ回転するよう
に連結され、他方では前記アームへ関節運動をするよう
に連接されたクランクと； （３） 第１のモータシャフトへ回転するように連結さ
れるアームサポート要素と； （４） 前記サポート要素とアーム間に配置され、アー
ムがサポート要素上でアームの長手方向に対して平行な
方向に並進運動を可能にするカップリング手段。

【０００６】これらの特徴によってその長さが掃引運動
中に変化するシングルアームを有するワイパー装置で、
少数の運動部品と複雑度の少ない構造を有するものが提
供される。そのため、本装置は組み立てが容易で、その
スペースに課される要求条件を低減することが可能にな
る。

【０００７】本発明の第１実施例によれば、サポート要
素とアーム間のカプリング手段はサポート要素内に設け
られるとともにアームが固定されたスライドバーをスラ
イドさせるスライドウェイを備える。本発明の第２実施
例によれば、サポート要素とアーム間のカプリング手段
は、実質上アームの長手方向に延び、その一端にアーム
が固定される接続部品を備え、同部品が長手方向溝を備
え、同溝内でサポート要素に固定されたピンがスライド
し、接続部品の反対端が前記クランクに固定されて回転
するようになっている。

【０００８】本発明のその他の特徴ならびに利点は、以
下の実施例の解説を読むことによって一層明らかとなる
筈である。同解説は例解用のものである。

【０００９】

【実施例】最初に図１を参照すると、参照番号１によっ
て示す本発明のワイパー装置の第１の実施例が示されて
いる。上記装置１は、中央位置（実線部）と共に両端位
置（破線輪郭部）を図１で示されたワイパーアーム２を
備える。ワイパーアーム２は、その上部にブレード４
（図２にその一部を示す）が標準的な形で取り付けら
れ、以下に示すカプリング手段を介してサポート要素６
へ接続される。

【００１０】上記カプリング手段は、サポート要素６内
に設けられその内部をスライドバー１０がスライドする
スライドウェイ８を備える。スライドバー１０の第１端
１２はボルト１４によりアーム２に固定される。スライ
ドバー１０は、アーム２の長手方向軸に沿って自由に移
動しスライドできるようにスライドウェイ８内に保持さ
れる。そのような変位を図２上に矢印で示す。

【００１１】サポート要素６は、第２端１６に長方形で
直線状の部分１８を備える。長方形部分１８は、スライ
ドバー１０の長手方向に対して直角方向に延び、長方形
のスロット２０を備えている。スロット２０にはクラン
ク２４の端部に固定したピン２２が挿入されている。

【００１２】上記実施例の変形（図示せず）によれば、
スロット２０と長方形部分１８は共に、その凹所がアー
ム２方向に向かうカーブ形を備えることができる。この
変形によればアーム２の振幅が等しくなければならない
とする本装置の空間要求条件を特に少なくすることがで
きて有利であることに注意されたい。

【００１３】サポート要素６は、図２に関して往復回転
運動（図１に破線で示すその両端位置の間）について以
下に説明する方法で、かつその幾何学的回転軸Ｂの周囲
に駆動される。同様にして、クランク２４は、その幾何
学的回転軸Ｃの周囲で往復回転運動（同様に図１上の破
線形で示す両端位置間）を付与される。クランク２４
は、スロット２０とピン２２を介してスライドウェイ１
０と連結されているため、スライドバー１０をサポート
要素６のスライドウェイ８内でスライドさせる。

【００１４】アーム２が固定されるスライドバー１０の
回転と並進の結合運動は、特に本発明装置がフロントガ
ラスの下隅に近接した位置で取り付けられるときにブレ
ード４がフロントガラスの形に適合した表面をカバーで
きるようにしている。図１には、更に、両端位置Ａ′と
Ａ″の間を運動する間にワイパーアーム１の点Ａが通る
軌跡を破線で示してある。この軌跡は、ワイパーのアー
ムが中央位置で最大延長を示し、その２つの両端位置で
その延長部分が最小値まで小さくなることを示してい
る。

【００１５】図２は、特に、スライドウェイ８とクラン
ク２４の往復回転運動を可能にするトランスミッション
要素を示す。スライドウェイ８は、ねじ２８により第１
のモータシャフト２６に固定される。モータシャフト２
６は、クランク２４に固定された第２のモータシャフト
３４に固定される第２の歯車３２とかみ合う第１の歯車
３０を支持する。ギア比は、スライドウェイ１０とクラ
ンク２４がそれぞれ運動可能なように決定される。例え
ば、ワイパーアームのボトミング角度が±４５°、ま
た、クランク２４のボトミング角度が±１３０°の場
合、ギア比は１：２．８である。

【００１６】第１と第２の歯車３０，３２と、それらの
各モータシャフト２６，３４から構成されるギアは、ケ
ーシング３６内に取り付ける。同ケーシング３６は、適
切な手段によって車体に固定する。モータシャフト２６
はトランスミッションケース４０の出力軸３８に固定す
る。この軸３８はモータ４２の出力軸（図示せず）の回
転運動を所定の振幅を有する往復回転運動に転換する。
トランスミッションケース４０の製作方法は当業者には
十分周知のことであるから、これまで詳説する必要がな
かったが、例えば、簡単な連接ロッドクランクで十分で
ある。ケーシング３６，トランスミッションケース４
０、およびモータ４２の組成体は、図面の破線Ｔにより
示すボックス内に配置するのが有利であることに注意さ
れたい。

【００１７】シャフト２６，３４は各々、ケーシング３
６内に２つのベアリング（図示せず）により標準的な方
法で取り付ける。歯車は耐耗性の硬質プラスチック材に
より構成することが有利であり、特に低騒音のギアを提
供できるという利点がある。

【００１８】本発明のワイパー装置の第２実施例が描か
れている図３，４について述べる。同図では先に解説し
たと同一の要素は同一の参照番号で示している。第１の
実施例において、サポート要素６とアーム２間のカプリ
ング手段はスライドウェイ８とスライドバー１０より成
り、スライドバー１０の一端にはスロット２０を備える
長方形部分１８が直角方向に延びている。

【００１９】第２の実施例では、カプリング手段は、ア
ーム２の長手方向に延びる接続部品５０を備える。同部
品５０は、その一方の端部がクランク２４に固定されて
回転する際に共に回転できるように他方の端部がアーム
２に固定される。更に、接続部品５０は、接続部品５０
に対して長手方向に延びるスロット５２を備える。同ス
ロット５２内でサポート要素６に固定されたピン５４が
スライドする。上記実施例では、接続部品５０は、ボル
ト１４によりアーム２に固定されるが、アーム２と一体
に構成するのが有利である。

【００２０】上記実施例はその原理から逸脱せずに種々
の変形をとることができることは明らかである。特に、
第１の実施例ではクランク２４とスライドバーの関節部
は、異なる方法で、例えば、スロットを設けた長方形部
分１８の製作を回避できる関節アームによって実現する
こともできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のワイパー装置の第１実施例で異なる位
置にあるものを示す概略部分図である。

【図２】図１のワイパー装置の側面図で本発明の駆動機
構を断面図で示すものである。

【図３】本発明のワイパー装置の第２の実施例で異なる
位置にあるものの概略部分図である。

【図４】図３のワイパー装置の側面図で、本発明の駆動
機構の断面を示すものである。

【符号の説明】

１ ワイパー装置 ２ ワイパーアーム ４ ブレード ６ サポート要素 ８ スライドウェイ １０ スライドバー １２ 第１端 １６ 第２端 １８ 長方形部分 ２０ スロット ２４ クランク

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 その活動長が掃引運動中長さが変化する
   ワイパーアーム（２）を備えるワイパー装置において、
   第１の往復回転運動を付与される第１のモータシャフト
   （２６）と、第２の往復回転運動を付与される第２のモ
   ータシャフト（３４）とを備え、第２シャフトの往復の
   振幅が第１シャフトの往復回転の振幅よりも大きいモー
   タ手段と；第２モータシャフトに回転するように接続さ
   れるとともに、前記アーム（２）に関節運動をするよう
   に接続されるクランク（２４）と；第１モータシャフト
   （２６）へ回転するように接続されるアームサポート要
   素（６）と；サポート要素（６）とアーム（２）間に設
   けられ前記サポート要素（６）上でアーム（２）にその
   長手方向に対して平行な方向に並進運動させるカプリン
   グ手段と；から成る前記ワイパー装置。