JPH06159976A - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 前方、後方、側方に面した３つのブラケット
取付け面１２、１３、１４を有する方形筒状のブラケッ
ト取付け部１１とヘッダー３を抱く抱囲部１０ａを有す
る一体に有する押出型材製のブラケット取付け部材６
が、ヘッダー３に取り付けられている。 【効果】 熱交換器を、取付け側の構成態様にかかわら
ず標準化したものに製作することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、カークーラー用凝縮
器やルームエアコン用熱交換器等の各種熱交換器として
用いられる、アルミニウム等の金属製の熱交換器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近時、カークーラー用凝縮器として、マ
ルチフロータイプないしはパラレルフロータイプと称さ
れる熱交換器が、高熱交換性能、低圧力損失、超コンパ
クト化を実現しうるものとして好んで使用される傾向に
ある。

【０００３】この熱交換器は、並列状態に配置された複
数本のチューブと、該チューブ群の端部側の両サイドに
配置され、該チューブ端部に連通状態に接続された一対
の中空ヘッダーとをその基本構成として有するものであ
る。

【０００４】そして、このパラレルフロータイプの熱交
換器では、これを車体に取り付ける等の目的において、
ブラケットが使用されるが、従来は、あらかじめ、車体
側の構成態様に適した形状・寸法に設計されたブラケッ
トを用意し、これを車体側の構造に適した取付け位置に
おいて、ヘッダーに直接取り付けるという構成態様を採
用していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、最近とみ
に、このパラレルフロータイプの熱交換器が注目を集め
るようになり、自動車関係では各車種への採用が進めら
れ、また、ルームエアコン用熱交換器としてもその有用
性が認識され各機種への採用が本格的に検討されるよう
になっている。

【０００６】しかしながら、パラレルフロータイプの熱
交換器の、このような適用範囲の拡大傾向の下で、上記
のように、各熱交換器の設計において、取付け側との関
係で、あらかじめ、それぞれに専用のブラケットを設
計、製作し、かつ熱交換器へのブラケットの取付け位置
を設計し取り付けておく仕様では、熱交換器の生産性、
製造コスト面等において、大きな不利を招くことにな
る。

【０００７】この発明は、上記のような従来の技術背景
の下で、並列状態に配置された複数本のチューブの端部
が中空ヘッダーに連通状態に接続された熱交換器におい
て、車体等取付け側の構成態様がいろいろに異なるよう
な場合でも、同じ構成を採用し得て、生産性、製造コス
ト面等において不利を招くことなく、熱交換器の適用範
囲の拡大に有利に対応することができる構造の熱交換器
を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的において、この
発明は、並列状態に配置された複数本のチューブの端部
が中空ヘッダーに連通状態に接続された熱交換器におい
て、前記ヘッダーに、面する方向を異にする少なくとも
三つのブラケット取付け面を有するブラケット取付け部
材が取り付けられてなることを特徴とする熱交換器を要
旨とする。

【０００９】なお、上記構成において、熱交換器はヘッ
ダー、チューブ等が仮組状態に組み合わされて一括ろう
付けにより接合一体化されて製作されるろう付け仕様の
熱交換器であるのが好ましく、その場合において、ブラ
ケット取付け部材もヘッダーに併せて一括ろう付けによ
り接合一体化されたものとなされているのが好ましい。

【００１０】また、ブラケット取付け部材としては、押
出材が用いられるのが好ましい。

【００１１】

【作用】上記構成では、面する方向を異にする少なくと
も三つのブラケット取付け面を有するブラケット取付け
用部材がヘッダーに取り付けられたものとなされている
ことにより、取付け側との関係で、各取付け面を利用し
て自由にブラケットの取付け方向等を定めることができ
る。従って、車体等取付け側の構成態様がいろいろに異
なるような場合でも、ブラケット取付け部材を利用して
ブラケットの取付け状態、例えば取付けの向き等を、取
付け側との関係で、様々に変更することによって、熱交
換器の構成を同じくしつつ、熱交換器の適用範囲の拡大
に対応しうる。

【００１２】

【実施例】次に、この発明の実施例を説明する。

【００１３】第３図に示される熱交換器において、
（１）は偏平チューブ、（２）はコルゲートフィンで、
これらは上下方向に向けて交互配置の並列状態にされて
いる。（３）（３）は左右１対のヘッダーで、偏平チュ
ーブ（１）の両端に連通状態に接続されている。（４）
は入口管、（５）は出口管である。そして、（６）はブ
ラケット取付け部材である。なお、（７）はブラケット
である。

【００１４】なお、（８）は仕切部材で、熱交換媒体が
チューブ（１）群を蛇行状に流通するようにヘッダー
（３）（３）内を所定高さ位置において仕切っている。
（９）（９）はサイドプレートで、上下最外側のコルゲ
ートフィン（２）（２）を保護するためにその外側に配
置されている。

【００１５】偏平チューブ（１）は、アルミニウム製の
押出型材によるもので、第２図に示されるように、内部
が仕切り壁により複数個の室に区画されて耐圧性能、伝
熱性能が高められた、いわゆるハモニカチューブが使用
されている。なお、チューブ（１）として、電縫管が使
用されることもある。

【００１６】コルゲートフィン（２）は、チューブ
（１）の幅と略同じ幅のシート材をコルゲート状に成形
してルーバーを切り起こしたもので、このシート材とし
てろう材層がクラッドされたアルミニウムブレージング
シートが使用されている。

【００１７】ヘッダー（３）（３）は、第１図及び第２
図に示されるように、片面又は両面にろう材層がクラッ
ドされた１枚のアルミニウムブレージングシートを両側
縁部突き合わせ状態に曲成することによりパイプ状とな
した円筒状のヘッダーパイプ（3a）を有し、その上下端
部開口をアルミニウム製ヘッダーキャップ（3b）にて塞
いだものである。なお、このヘッダーパイプ（3a）とし
ては、電縫管、押出管等が使用されることもある。

【００１８】そして、ブラケット取付け部材（７）は、
第１図及び第３図に示されるように、ヘッダー（３）へ
の取付け部（10）と、ブラケット（７）を取り付けるブ
ラケット取付け部（11）とを隣合状態に一体に有するア
ルミニウム製の押出型材を、所定の長さ、例えば、チュ
ーブ（１）を数本跨ぐような長さにおいて切断して製作
されたものである。

【００１９】ヘッダーへの取付け部（11）は、ヘッダー
（３）の外周部を半周よりも若干長い周方向長さを有し
てヘッダー（３）の外周部を抱くヘッダー抱囲部（10a
）と、該ヘッダー抱囲部（10a ）の一方の側縁部から
チューブ（１）側に突出され、該チューブ（１）の側縁
部に当接される位置決め用の当接片部（10b ）とを一体
に有するものとなされている。

【００２０】一方、ブラケット取付け部（11）は、方形
筒状に形成され、ヘッダーへの取付け部（10）側を除く
三面がブラケット取付け面（12）（13）（14）として使
用しうるものとなされている。そして、各取付け面（1
2）（13）（14）には、上下方向に所定間隔おきに複数
個の取付け孔（15）…が設けられたものとなされてい
る。

【００２１】また、上記ブラケット取付け部材（６）に
おいて、ヘッダーへの取付け部（10）と、ブラケット取
付け部（11）との境界部分には、長さ方向に延びる所定
幅のスリット（16）が形成され、ヘッダー（３）への取
付け状態において、ヘッダーパイプ（3a）の側縁突き合
わせ部（17）が該取付け部材（６）にて塞がれてしまわ
ないようにされている。

【００２２】熱交換器の製造においては、まず、各熱交
換器構成部材を相互に仮組状態に組み立てる。即ち、複
数本の偏平チューブ（１）を所定間隔おきに並列状態に
配置して、その両端にヘッダー（３）（３）を、チュー
ブ挿入孔（3c）にチューブ（１）の端部を挿入すること
により、嵌め込むと共に、コルゲートフィン（２）をチ
ューブ（１）間に挿入配置する。また、最外側のフィン
（２）（２）の外側に上下のサイドプレート（９）
（９）を配置すると共に、出入口管（４）（５）をヘッ
ダー（３）に組み付ける。

【００２３】併せて、ブラケット取付け部材（６）を、
ヘッダー（３）の所定高さ位置に組み付ける。即ち、取
付け部材（６）の抱囲部（10a ）にヘッダー（３）を抱
かせ、かつ当接片部（10b ）をチューブ（１）…の側縁
部に当接させた状態となす。この組付け状態において、
抱囲部（10a ）は、上記のように、ヘッダー（３）の半
周を若干越える周方向長さを有し、かつ、当接片部（10
b ）がチューブ（１）の側縁部に当接されたものとなさ
れていることにより、適正な組付け状態を保持すること
ができる。

【００２４】なお、各熱交換器構成部材の組立て順序に
は特別な制限はなく、都合のよい順序に従って行えばよ
い。

【００２５】そして、この熱交換器組立体をろう付け炉
内に配置し、ないしは通すことにより、各熱交換器構成
部材同士、ヘッダーパイプ（3a）の側縁突き合わせ部
（17）等を、相互に一括ろう付けし、全体を接合一体化
する。これにより、ブラケット取付け部材（６）は、第
２図に示されるように、その抱囲部（10a ）の内面がヘ
ッダー（３）の外周面にろう付けされ、ヘッダー（３）
に強固で安定よく、かつ、適正配置において接合一体化
される。特に、熱交換器を横倒し状態にしてろう付けす
る場合には、ブラケット取付け部材（６）はその自重の
作用によって当接片部（10b ）がチューブ（１）…の側
縁部側に付勢され、それ自身でヘッダー（３）の周方向
における適正な組付け位置を保持することができる。

【００２６】また、ブラケット取付け部材（６）には上
記のようにスリット（16）が設けられていて、ヘッダー
パイプ（3a）の側縁突き合わせ部（17）が開放されたも
のとなされていることにより、ろう付け工程において、
そこにフラックス、ろう材等を十分にいきわたらせるこ
とができ、ろう付け不良等の発生を防止して、品質良好
なろう付け状態をうることができる。

【００２７】以上のようにして、熱交換器に製作され
る。

【００２８】上記構成の熱交換器では、ブラケット
（７）の取付け位置は、取付け部材（６）における３つ
取付け面（12）（13）（14）のうちのいずれか都合のよ
い面を選択して決定することができ、しかも、各取付け
面（12）（13）（14）における取付け孔（15）…に数に
対応する複数位置のうちのいずれか都合のよい位置を選
択して決定することができる。従って、取付け側のいろ
いろの構成態様に対して同じ熱交換器構成を採用し得、
生産性、製造コスト面等において不利を招くことなく、
熱交換器の適用範囲の拡大に有利に対応することができ
る。

【００２９】第４図に示される実施例は、ブラケット取
付け部材（６）が、ヘッダー（３）の略全長に至るほど
の長さを有するものとなされており、各取付け面（12）
（13）（14）に、多数の取付け孔（15）…がその上下方
向に所定間隔おきに列設されたものとなされている。他
は上記実施例と同じである。このような構成の採用によ
り、ブラケット（７）の取付け位置の選択範囲がより一
層拡大され、取付け側との関係において、その適用範囲
の更なる拡大、ひいては、熱交換器構成のより一層の標
準化を図ることができる。

【００３０】

【発明の効果】上述の次第で、この発明の熱交換器は、
面する方向を異にする少なくとも三つのブラケット取付
け面を有するブラケット取付け用部材がヘッダーに取り
付けられたものであるから、車体等の取付け側との関係
で、取付け部材の各取付け面を利用して自由にブラケッ
トの取付け方向等を定めることができ、従って、取付け
側の構成態様がいろいろに異なるような場合でも、同じ
熱交換器構成を採用し得、生産性、製造コスト面等にお
いて不利を招くことなく、熱交換器の適用範囲の拡大に
有利に対応することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ブラケット取付け用部材の取付け状態を示すも
ので、図（イ）は断面斜視図、図（ロ）は断面図であ
る。

【図２】ヘッダーとブラケット取付け用部材とを分離状
態にして示す断面斜視図である。

【図３】熱交換器の全体構成を示すもので、図（イ）は
正面図、図（ロ）は側面図である。

【図４】他の実施例を示すもので、ブラケット取付け用
部材の取付け状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…チューブ ３…ヘッダー ６…ブラケット取付け部材 １２、１３、１４…ブラケット取付け面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 並列状態に配置された複数本のチューブ
   の端部が中空ヘッダーに連通状態に接続された熱交換器
   において、前記ヘッダーに、面する方向を異にする少な
   くとも三つのブラケット取付け面を有するブラケット取
   付け部材が取り付けられてなることを特徴とする熱交換
   器。