JPH06159825A - 密閉型ターボ冷凍機用電動機の冷却方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】ターボ冷凍機用密閉型電動機において、電動機
軸４の回転子２の取付位置の両側で、かつ固定子１のコ
イルエンド端部より回転子２側に円盤３を設ける。 【効果】回転する円盤によって起きる対流効果、及びそ
れに伴う回転子・固定子間の冷却冷媒出口部における吸
引効果によって冷媒の冷却効果が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、密閉型ターボ冷凍機用
電動機の冷却方法に係り、特に、電動機内の冷媒強制対
流による冷却効果の改善に関する。

【０００２】

【従来の技術】ターボ冷凍機に広く用いられている密閉
型三相誘導電動機は、一般に、蒸発器，凝縮器の圧力差
により、凝縮器より供給される液化した冷媒によって冷
却される。

【０００３】しかし、冷凍機の運転状態によっては、圧
力差が不足した時の冷媒の安定供給対策として、特開昭
58−110963号公報に示されているように、ポンプを利用
したり、特開昭58−117970号公報に示されるようにター
ビン駆動圧縮機を設ける方法がとられている。

【０００４】さらに、電動機ケーシング内の熱交換効率
を向上させる観点から、回転子のエンドリング部に羽根
を設け、電動機ケーシング内の冷媒蒸気を強制対流させ
るといった方法もとられることがある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この冷却に際し、回転
子のエンドリング部に羽根を設ける場合、回転子がアル
ミニュウムのような導電牲の材料で出来ており、これら
の材料は耐エロージョン性に劣るため、冷媒ミストによ
って羽根が侵食を受けるといった問題が起きていた。

【０００６】他方、侵食を避けるために羽根を設けない
と、対流効果が不足するだけでなく、エンドリング部の
対流の結果、生じていた回転子と固定子の間の冷媒吹き
だし口からの冷媒の吸引効果がなくなり、結果として回
転子と固定子間の冷却冷媒量が減り、回転子および固定
子の温度上昇といった問題が生じていた。

【０００７】本発明の目的は、回転子のエンドリング部
に羽根を設けることなく、羽根のある場合と同等の冷却
方法を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は密閉型ターボ冷
凍機用電動機において、電動機軸に、その回転子取付位
置の両側で、且つ、固定子コイルエンド端部より回転子
側に円盤を設けることである。

【０００９】

【作用】電動機軸に取付けられた円盤は、冷凍機の運転
状態で、回転子と共に回転する。回転する円盤上では、
その中心部に比べて外周部の圧力が低くなる。この圧力
差によって、中心部より外周部に向かう冷媒の流れが生
じる。

【００１０】円盤を離れた冷媒の一部は固定子コイルエ
ンドを冷却し、一部は、固定子コイルエンドによって方
向を変えられる。この時、円盤と固定子コイルエンド間
に低圧部が生じ、回転子と固定子の間に吹き出す冷却冷
媒に対し吸引効果が得られる。

【００１１】これによって、回転子と固定子の間に吹き
出す冷却冷媒の供給量が増え、冷却能力が向上する。

【００１２】また、侵食に対しても円盤の材質をアルミ
よりも侵食に対し強い材質（例えば鉄鋼）とすること、
及び円盤を平板とすることによって解決出来る。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例の一例を図１によって
説明する。

【００１４】図１は密閉形電動機によって駆動される羽
根車を有するターボ冷凍機の説明図であり、１は固定
子、２は回転子、３は本発明になる円盤、４は電動機
軸、５は電動機のケーシング、６は蒸発器、７は圧縮
機、８は水冷凝縮器、９は凝縮器から電動機へ冷媒を供
給する配管、１０は電動機冷却後の冷媒を蒸発器へ戻す
配管である。

【００１５】冷凍機運転状態では、圧縮機７によって高
圧となり凝縮器８に供給され冷却されて凝縮する。蒸発
器６内では減圧されて低圧となる。この圧力差により、
凝縮器８によって液化された冷媒は、電動機冷却冷媒配
管９によって電動機ケーシング５に導かれ、その一部は
電動機ケーシング５と固定子１の間より、また一部は、
電動機軸４の内部を通り固定子１と回転子２の間に供給
され、これを冷却し、冷却戻り配管１０を通り、蒸発器
６へと戻る。

【００１６】この過程で、円盤３は回転により周辺の冷
媒を半径方向に流動させ固定子エンドリングに当てるよ
うな強制対流を生じる。さらに、この対流の結果、固定
子１と回転子２の間の冷媒出口における吸引効果によ
り、この部分の冷媒の循環の量も増加する。これらの相
乗効果によって効率よく電動機は冷却され、系内の温度
上昇を防ぐことができる。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、円盤による強制対流効
果及び固定子と回転子の間より吹き出す冷媒に体する吸
引効果によって、固定子と回転子の間に供給される冷却
冷媒量が増加し冷却能力が増す。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を利用した場合のターボ冷凍機用電動機
内の冷媒の流れを示す説明図。

【図２】本発明の電動機冷却法を用いたターボ冷凍機の
説明図。

【符号の説明】

１…固定子、２…回転子、３…円盤、４…電動機軸、５
…電動機ケーシング、６…蒸発機、７…圧縮機、８…水
冷凝縮器、９…冷却冷媒供給配管、１０…冷却冷媒戻り
配管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固定子，回転子，電動機軸などより構成さ
   れ冷媒によって冷却する密閉型ターボ冷凍機用電動機に
   おいて、前記電動機軸の前記回転子の取付位置の両側に
   近接して円盤を設け前記円盤が固定子コイルエンド端部
   より前記固定子側にあることを特徴とする密閉型ターボ
   冷凍機用電動機の冷却方法。