JPH0615738A - 管路の分岐部及び分岐を有する管路の補修方法 - Google Patents

管路の分岐部及び分岐を有する管路の補修方法

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JPH0615738A
JPH0615738A JP3290544A JP29054491A JPH0615738A JP H0615738 A JPH0615738 A JP H0615738A JP 3290544 A JP3290544 A JP 3290544A JP 29054491 A JP29054491 A JP 29054491A JP H0615738 A JPH0615738 A JP H0615738A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 筒状基部5の一部に筒状枝部6が分岐した補
修部材4を、筒状基部5の断面形状を縮小させた状態で
管路の分岐部に配置し、筒状基部5を拡張して本管1適
合せしめると共に、筒状枝部6を枝管2の分岐口に嵌合
して適合させて分岐部を補修する。管路の分岐部を前記
方法で補修した後、分岐部に続く管路部分に内張り材1
3を挿通してその先端を補修部材4の端部に重ねると共
に、内張り材13内にチューブ14を挿通し、当該チュ
ーブ14内を加圧して内張り材13を管路部分の内面に
適合せしめ、内張り材13を硬化させ、チューブ14を
除去する。管路の分岐部に続く管路部分に内張り材13
で内張りした後、管路の分岐部を前記方法で補修する。 【効果】 請求項1の発明により管路の分岐部が補修さ
れ、地下水の浸入や汚水の漏出が防止される。請求項2
の発明により分岐部を有する管路全体が補修されると共
に、分岐部の内張り材を穿孔する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として下水道管など
の地中に埋設された管路の補修方法に関するものであっ
て、特に当該管路における分岐部及び、その分岐部に続
く管路部分の補修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】従来から管路を補修する
ために、管路の内面に内張り材を貼付けて内張りするこ
とが行われている。
【0003】しかしながら特に末端に近い管路において
は、その管路の途中で分岐していることが多く、その管
路を内張り材で内張りすると分岐部が閉塞されて、枝管
と本管との接続が失われる。
【0004】そのため従来分岐を有する管路において
は、分岐部を含めてその本管に内張り材を張付けて内張
りした後、分岐部の内張り材に穿孔し、枝管を本管に通
ぜしめることが行われている。
【0005】しかしながら特に下水道管などにおいて
は、分岐部において損傷が生じることが多く、その損傷
部から地下水が浸入して下水に混入したり、また汚水が
損傷部から漏出して地下水を汚染するのを避けることが
できない。
【0006】特開昭63−167193号公報に示され
るように、管路の分岐部に本管側からフランジ付きの補
強パッドを嵌合して分岐部を補修する方法も知られてい
るが、補強パッドは単純に分岐部に接着されているだけ
であり、外部から地下水による圧力が加わると容易に外
れてしまう。
【0007】また特開昭64−80516号公報に示さ
れるように、管路の分岐部に前述のようにフランジ付き
の補強パッドを嵌合した後、本管及び枝管に内張り材を
貼付け、然るのち分岐部において本管及び枝管を内張り
した内張り材に穿孔する方法も知られているが、この方
法においても穿孔の作業が必要であり、また地下水の浸
入を確実に阻止することはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みなされたものであって、管路の分岐部を補修して地
下水の浸入や汚水の漏出を防止するための方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決する手段】而して本発明の分岐部の補修方
法は、管路の本管に適合する筒状基部の一部に管路の枝
管に適合する筒状枝部が分岐した略T字状の補修部材
を、少くとも前記筒状基部の断面形状を縮小させた状態
で管路の分岐部に配置し、前記筒状基部の断面形状を拡
張して管路の本管内面に適合せしめると共に筒状枝部を
管路の枝管の分岐口に嵌合して当該枝管の内面に適合さ
せ、当該補修部材を剛直化せしめることを特徴とするも
のである。
【0010】また本発明の管路の補修方法は、分岐を有
する管路における分岐部を請求項1の方法により補修し
た後、分岐部に続く管路部分に柔軟な筒状の内張り材を
挿通してその内張り材の先端を前記補修部材の筒状基部
又は筒状枝部の端部に重ねると共に、該内張り材内に柔
軟な気密性のチューブを挿通し、当該チューブ内を加圧
して内張り材を管路部分の内面に適合せしめ、然る後内
張り材を硬化させ、チューブを除去することを特徴とす
るものである。
【0011】さらに本発明の他の管路の補修方法は、分
岐部を有する管路における分岐部に続く管路部分に、柔
軟な筒状の内張り材を挿通してその内張り材の先端を前
記分岐部の近傍に到達させると共に、該内張り材内に柔
軟な気密性のチューブを挿通し、当該チューブ内を加圧
して内張り材を管路部分の内面に適合せしめて内張り材
を硬化させ、チューブを除去し、然る後当該管路の分岐
部を、補修部材の筒状基部又は筒状枝部の端末を前記内
張り材の先端に重ねた状態で請求項1の方法により補修
することを特徴とするものである。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に従って説明す
る。
【0013】図1及び図2は、本発明の請求項1の発明
の方法により、管路の分岐部を補修する状態を示すもの
である。
【0014】図1は本発明により分岐部を補修する準備
段階を示すものであって、1は管路の本管であり、2は
当該本管1から分岐した枝管である。3は管路の分岐部
に位置せしめられた分岐部補修装置であって、この分岐
部補修装置3には分岐部を補修する補修部材4が取付け
られている。
【0015】補修部材4は前記本管1に適合する柔軟な
筒状基部5と、該筒状基部5の一部から分岐した前記枝
管2に適合する筒状枝部6とよりなる略T字状をなして
おり、筒状基部5の両端及び筒状枝部6の端末は開いて
いる。
【0016】この補修部材4は、筒状の織布若しくは不
織布又はそれらの積層物を所定の形状に縫合し、それに
硬化性樹脂液を含浸させたものが使用される。また硬化
性樹脂液にガラス繊維などを分散させて部分的に増粘さ
せてなる、いわゆるシートモールディングコンパウンド
(SMC)を筒状に丸め、その両縁を重ね合わせた状態
で筒状基部5及び筒状枝部6を形成することもできる。
【0017】また筒状基部5はそれ自体断面形状を縮小
することができ、さらに内側から拡張し得るものである
ことが必要であるが、筒状枝部6の部分は必ずしも筒状
基部5と同様に縮小し且つ拡張し得る必要はなく、管路
の枝管2に嵌合し、拡開してその内面に密着し得るもの
であればよい。
【0018】なおこの補修部材4は、その外面に止水材
を塗布しておくことが好ましい。
【0019】分岐部補修装置3は、前記補修部材4の筒
状基部5に適合する柔軟な基部7と、前記筒状枝部6に
適合する枝部8とを有する略T字状の拡開バッグ9を有
し、加圧ホース10を介して拡開バッグ9内に圧力流体
を挿入することにより、膨むようになっている。
【0020】而して分岐部補修装置3の拡開バッグ9に
補修部材4を被せ、筒状枝部6を拡開バッグ9の枝部8
に嵌合した状態で、拡開バッグ9の基部7と共に筒状基
部5の断面形状を縮小させた状態で管路の分岐部に配置
し、筒状枝部6を枝管2の分岐部に対向せしめる。
【0021】ここで加圧ホース10を介して拡開バッグ
9内に圧力流体を送入すると、基部7が膨んで筒状基部
5を拡張し、その外面を本管1の内面に適合すると共
に、筒状枝部6が分岐部から枝管2に嵌合する。そして
拡開バッグ9の枝部8も膨んで筒状枝部6を拡張し、枝
管2内面に適合せしめられる。この状態が図2に示され
ている。
【0022】この状態で拡開バッグ9内に加熱流体を送
入して補修部材4を加熱し、硬化性樹脂液を硬化させる
と、管路の分岐部及びその周囲にFRP製の内張りが形
成され、分岐部が補修される。
【0023】然る後拡開バッグ9内の圧力流体を抜いて
拡開バッグ9を縮小させ、分岐部補修装置3を管路から
取出す。
【0024】筒状基部5の構造としては、前述のような
ものの他、各種の形態のものが使用可能である。例えば
硬質プラスチックの管を加熱軟化させて扁平に押し潰し
たものを使用することもできる。そしてこれを本管1内
に挿入して分岐部に配置し、加熱して径を拡張すること
により、本管1に適合させる。
【0025】また形状記憶性を有する合金又はプラスチ
ックよりなるものを使用し、これを扁平に押し潰した状
態で分岐部に配置し、これを加熱して円筒形の形状に復
帰させ、本管1に適合させることもできる。
【0026】さらに金属管をその軸方向に切開いたもの
を使用し、それを小さい径に巻いた状態で分岐部に配置
し、これを拡開して本管1に適合させると共に両縁を係
合して円筒形とすることも可能である。
【0027】以上の説明においては、何等の処理を施さ
ない管路における分岐部を補修する方法として説明した
が、その管路自体が予め内張りされたものであっても差
支えない。すなわち本管1が公知の方法で内張りされて
おり、その分岐部に穿孔して枝管2に連通させた管路に
ついて、その分岐部を本発明の方法で補修することもで
きる。
【0028】次に図3及び図4に基いて、本発明の請求
項2の発明により分岐を有する管路を補修する方法を説
明する。
【0029】図3において、本管1と枝管2との分岐部
は前記請求項1の発明の方法により補修されている。そ
して図3には、当該分岐部から汚水ます11に至る枝管
2を補修する状態が示されている。
【0030】12は圧力容器であって、柔軟な筒状の内
張り材13の外面に柔軟な筒状のチューブ14を被せた
補修材15が、扁平に折畳まれた状態でコイル状に巻い
て収容されている。
【0031】この補修材15において内張り材13は、
筒状の織布若しくは不織布又はその積層物に硬化性樹脂
液を含浸させたものであって、管路の枝管2に適合する
長さを有している。
【0032】また補修材15のチューブ14は、内張り
材13の後端からさらに内張り材13の長さ以上に亙っ
て延長されており、そのチューブ14の後端からコイル
状に巻かれている。
【0033】そしてその補修材15の先端を圧力容器1
2の吐出口16の先端に環状に取付け、圧力容器12内
に圧力流体を送入する。これにより補修材15は内側が
外側となるように裏返されながら、その裏返し部分17
が枝管2内を汚水ます11から分岐部に向って進行す
る。
【0034】この補修材15の裏返しを進行させる途中
の状態が、図3及び図4の(a)に示されている。
【0035】ここでさらに補修材15の裏返しを進行さ
せると、図4(b)に示されるように裏返し部分17は
補修部材4の筒状枝部6に進入し、そこで内張り材13
はその端末まで裏返しが終了する。そしてチューブ14
は内張り材13の端末から先方まで裏返しが進み、そこ
で補修材15の裏返しを停止する。
【0036】そこで圧力容器12内に加熱流体を送入し
て補修材15を加熱し、内張り材13の硬化性樹脂液を
硬化させると、内張り材13は剛直なFRP管を形成
し、枝管2はその全長に亙って内張りされて補修され
る。
【0037】また管路の分岐部においては内張り材13
と筒状枝部6とが重なり合い、枝管2が分岐部を含めて
補修されることになる。
【0038】そして内張り材13が硬化した後、汚水ま
す11側からチューブ14を引抜くと、チューブ14は
図4(c)に示すように外側が内側となるように裏返さ
れながら内張り材13から剥がれ、枝管2内から除去さ
れる。
【0039】請求項3の方法は、請求項2の方法におけ
る分岐部を補修する工程と、管路の枝管2部分に内張り
する工程との順序を逆にした方法である。
【0040】すなわち、先ず図3と同様にして枝管2に
内張りし、その内張り材13の先端を分岐部の近傍にま
で到達させ、これを硬化させて内張りを形成する。然る
後分岐部に請求項1の方法により補修部材4を嵌合する
と共にその筒状枝部6を内張り材13の先端に重なら
せ、この状態で補修部材4を硬化させて分岐部を補修す
るのである。
【0041】請求項3の方法により内張りされた状態
が、図5に示されている。
【0042】以上の説明においては、枝管2に内張りを
形成する方法として、補修材15を裏返しながら枝管2
に挿通する方法について説明したが、他の方法によるこ
ともできる。
【0043】例えば内張り材13内に先端を閉塞したチ
ューブ14を挿通した補修材15を使用し、これを枝管
2内に引込んで挿通することもできる。そしてチューブ
14内に加熱流体を送入して補修材15を膨ませると共
に内張り材13を加熱して硬化させ、然る後チューブ1
4のみを内張り材13から剥がして引抜くことにより、
枝管2を補修する。
【0044】またこの場合には内張り材13として、S
MCを筒状に丸めて両端を重ね合わせたものを使用する
ことも可能である。
【0045】また請求項2及び3の方法は、枝管2に限
らず本管1に適用することもできる。すなわちマンホー
ルから分岐部に至る本管1部分を、この方法により内張
りして補修することができる。
【0046】さらに本管1及び枝管2を共に本発明の方
法により補修することにより、地下水の混入や汚水の漏
出のない下水道管が得られる。
【0047】
【作用】本発明の請求項1の発明においては、下水道管
において最も損傷の生じ易い分岐部が補修され、その損
傷部を閉塞して地下水の混入や汚水の漏出が有効に防止
される。
【0048】さらに前述のように補修部材4の外面に止
水材を塗布しておくことにより、損傷部をより確実に閉
塞し、良好に補修することができる。
【0049】また請求項2及び3の発明においては、請
求項1の方法により補修された分岐部から延びる管路部
分が補修され、その管路部分の補修と分岐部の補修とが
一体化し、管路全体が適切に補修される。
【0050】
【発明の効果】従って本発明の請求項1の発明によれ
ば、管路の分岐部を確実に補修することができる。特に
その分岐部における本管及びそこから分岐する枝管を、
その全周に亙って補修するので、前記公知例に示された
ように分岐の口部のみに補強パッドを当てがうのと異
り、地下水の水圧などによって補修部材4が脱落するよ
うなことがない。
【0051】また請求項2の発明によれば、請求項1の
方法により分岐部を補修した後、その補修部分に続く管
路部分を内張りして補修し、当該管路を補修した内張り
材13と分岐部の補修部材4とを連続させるので、管路
全体に亙って有効に補修されると共に、補修後に分岐部
の内張り材に穿孔する必要がなく、また穿孔部からの地
下水の浸入や汚水の漏出の問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により分岐部を補修する準備段階を示
す中央縦断面図
【図2】 本発明により分岐部を補修する状態を示す中
央縦断面図
【図3】 本発明により分岐部に続く枝管部分を補修す
る状態を示す中央縦断面図
【図4】 本発明により分岐部に続く枝管部分を補修す
る工程を示す、主要部の拡大中央縦断面図
【図5】 請求項3の方法により補修された管路の主要
部の中央縦断面図
【符号の説明】
1 本管 2 枝管 4 補修部材 5 筒状基部 6 筒状枝部 13 内張り材 14 チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 58/10 // B29L 23:22 4F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管路の本管(1)に適合する筒状基部
    (5)の一部に管路の枝管(2)に適合する筒状枝部
    (6)が分岐した略T字状の補修部材(4)を、少くと
    も前記筒状基部(5)の断面形状を縮小させた状態で管
    路の分岐部に配置し、前記筒状基部(5)の断面形状を
    拡張して管路の本管(1)内面に適合せしめると共に、
    筒状枝部(6)を管路の枝管(2)の分岐口に嵌合して
    当該枝管(2)の内面に適合させ、当該補修部材(4)
    を剛直化せしめることを特徴とする、管路の分岐部の補
    修方法
  2. 【請求項2】 分岐を有する管路における分岐部を請求
    項1の方法により補修した後、分岐部に続く管路部分に
    柔軟な筒状の内張り材(13)を挿通してその内張り材
    (13)の先端を前記補修部材(4)の筒状基部(5)
    又は筒状枝部(6)の端部に重ねると共に、該内張り材
    (13)内に柔軟な気密性のチューブ(14)を挿通
    し、当該チューブ(14)内を加圧して内張り材(1
    3)を管路部分の内面に適合せしめ、然る後内張り材
    (13)を硬化させ、チューブ(14)を除去すること
    を特徴とする、分岐を有する管路の補修方法
  3. 【請求項3】 分岐部を有する管路における分岐部に続
    く管路部分に、柔軟な筒状の内張り材(13)を挿通し
    てその内張り材(13)の先端を前記分岐部の近傍に到
    達させると共に、該内張り材(13)内に柔軟な気密性
    のチューブ(14)を挿通し、当該チューブ(14)内
    を加圧して内張り材(13)を管路部分の内面に適合せ
    しめて内張り材(13)を硬化させ、チューブ(14)
    を除去し、然る後当該管路の分岐部を、補修部材(4)
    の筒状基部(5)又は筒状枝部(6)の端末を前記内張
    り材(13)の先端に重ねた状態で請求項1の方法によ
    り補修することを特徴とする、分岐を有する管路の補修
    方法
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