JPH06154785A - 高温嫌気性処理方法および装置 - Google Patents

高温嫌気性処理方法および装置

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JPH06154785A
JPH06154785A JP30562792A JP30562792A JPH06154785A JP H06154785 A JPH06154785 A JP H06154785A JP 30562792 A JP30562792 A JP 30562792A JP 30562792 A JP30562792 A JP 30562792A JP H06154785 A JPH06154785 A JP H06154785A
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JP
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acid
waste liquid
sludge
methane
producing
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JP30562792A
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Motoyuki Yoda
元之 依田
Takayuki Otsuki
孝之 大月
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温領域における上向流スラッジブランケッ
ト法で有機性排液を嫌気性処理する際、高密度で沈降性
が大きく、高活性のグラニュール汚泥を安定して増殖さ
せ、これにより高負荷で効率よく高温嫌気性処理を行
う。 【構成】 有機性排液を酸生成槽2において酸生成菌と
嫌気性下に接触させて酸生成させ、分割注入路7から有
機性排液の一部を分割注入して、酸生成排液の糖/CO
Cr(重量比)を0.1〜0.5に調整し、これをメタ
ン生成槽3に上向流通液してグラニュール汚泥のスラッ
ジブランケットを形成し、50〜65℃で高温嫌気性処
理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機性排液を高温領域
でUASB(上向流スラッジブランケット)法により嫌
気性処理する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機性排液の嫌気性処理方法として、古
くから実施されている嫌気性消化法と、この嫌気性消化
法の処理効率を改善するための高負荷嫌気性処理法とが
ある。このうち嫌気性消化法は、有機性排液を固形物を
含む状態で消化槽に導入し、嫌気性状態に保って有機物
を分解する方法であり、有機性固形物の消化速度が遅い
ため、15〜30日間の長い滞留時間を必要とする。
【0003】これに対して高負荷嫌気性処理法は、消化
速度の遅い有機性固形物を予め除去し、溶解性有機物を
主として含む排液を嫌気性細菌と接触させて、高負荷か
つ高速度で有機物を分解する方法である。この高負荷嫌
気性処理法は、嫌気性細菌の自己固定化現象を利用し
て、嫌気性細菌特にメタン生成菌を高濃度に固定化し、
これに溶解性有機物を接触させて分解する方法であり、
UASB法、流動床法、固定床法などがある。
【0004】このうちUASB法は、嫌気性細菌特にメ
タン生成菌を固定化して高密度で、かつ沈降性が極めて
高い粒状のグラニュール汚泥を形成し、これをスラッジ
ブランケットとして反応槽内に維持する方法であり、固
定床や流動床と比較して、保持汚泥濃度が高いこと、汚
泥と排水の接触が良好なこと、閉塞の心配がないことな
どから、近年では排水の嫌気性処理法の主流となってい
る。
【0005】この方法では、固形分を除去して溶解性有
機物を主として含む排液を酸生成菌と接触させて有機酸
発酵を行い、排液中の有機物のほとんどを有機酸等の酸
に変換したのち、メタン生成菌を高濃度で含む粒状汚泥
からなるスラッジブランケット中を上向流で通液して接
触させることによりメタン発酵を行い、有機酸をメタン
と二酸化炭素に分解する。
【0006】ところが従来のUASB法では、嫌気性細
菌特にメタン生成菌として、35℃付近に増殖の最適温
度が位置する中温菌を利用したものだけが実用化されて
おり、50〜65℃に最適温度域を有する高温菌の利用
はまだ行われていない。高温菌は中温菌と比較して3倍
程度の活性を有しているため、グラニュール汚泥が生成
して、中温UASB法と同程度の汚泥濃度が保持できれ
ば、中温UASB法の3倍の有機物負荷に耐えうる処理
方法となりうる画期的な技術である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高温菌
は中温領域と比較して、かなり環境の変化に対して敏感
であることから、高温域でのグラニュール汚泥の生成お
よび維持は、中温UASB法と比較して極めて困難であ
る。特に高温領域では、基質によるグラニュール汚泥の
生成・増殖の差異が著しく、場合によってはグラニュー
ル汚泥が生成されなかったり、生成に長期間を要するこ
とがある。また、他の装置で生成したグラニュール汚泥
を移送して運転を開始したとしても、場合によっては汚
泥が増殖せず、反対に流出して汚泥量が減少してしま
い、高負荷運転が不能となる場合もある。
【0008】本発明の目的は、上記のような問題点を解
決し、UASB法により高温領域でメタン生成を行う
際、高活性で沈降性のグラニュール汚泥を安定して増殖
させることができ、これにより高負荷で効率よく有機物
を分解できる高温嫌気性処理方法および装置を提案する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は次の高温嫌気性
処理方法および装置である。 (1)有機性排液を嫌気性下に酸生成菌と接触させて酸
を生成する酸生成工程と、高温メタン生成菌を含むグラ
ニュール汚泥からなるスラッジブランケットに、酸生成
排液を嫌気性下に上向流で通液して接触させ、メタンを
生成させるメタン生成工程とを含む嫌気性処理方法にお
いて、メタン生成工程に導入する酸生成排液中の糖/C
ODCr(重量比)を0.1〜0.5に調整し、かつ50
〜65℃でメタン生成を行うことを特徴とする高温嫌気
性処理方法。 (2)有機性排液を導入し嫌気性下に酸生成菌と接触さ
せて酸を生成させる酸生成槽と、高温メタン生成菌を含
むグラニュール汚泥からなるスラッジブランケットを形
成し、酸生成排液を嫌気性下に上向流で通液し、50〜
65℃で接触させてメタンを生成させるメタン生成槽
と、有機性排液の供給源から有機性排液の一部を、酸生
成させることなく直接メタン生成槽に分割注入する分割
注入路とを有することを特徴とする高温嫌気性処理装
置。
【0010】本発明において処理対象となる有機性排液
は、溶解性有機物を主として含む有機性排液であり、少
量の固形有機物を含んでいてもよい。このような有機性
排液としては、食品系産業排液、し尿、下水、その他の
排液があげられる。このうち固形有機物を多量に含む排
液は、予め固形物の大部分を除去して本発明の処理に供
する。
【0011】本発明では、このような溶解性有機物を主
として含む有機性排液を、嫌気性下に酸生成菌と接触さ
せて酸生成したのち、高温メタン生成菌を含むグラニュ
ール汚泥からなるスラッジブランケットに上向流で通液
して接触させ、高温下にメタン発酵を行って、酸をメタ
ンおよび二酸化炭素に分解する。
【0012】高温UASBに、有機酸を主成分とする排
水を通液すると、汚泥の増殖量は非常に少なく、高負荷
条件では流出する汚泥と増殖量がバランスしてしまい、
見かけ上汚泥が増殖しない場合も生ずる。これに対して
糖を主成分とする排水を通液すると、グラニュール汚泥
は生成するが、グラニュール汚泥は密度が低くバルキー
である。また汚泥のメタン菌の生息密度が低いため、汚
泥の活性が低く、汚泥量活性で評価すると、10kgC
ODCr/m3/dayと中温UASBと同等の負荷しか
とることができない。
【0013】そこで本発明の高温嫌気性処理方法では、
有機性排液の酸生成工程において、糖類その他の有機物
を分解して、有機酸、酢酸等の酸を生成させ、この酸生
成排液を50〜65℃の高温UASBに供給する際、糖
/CODCr(重量比)を0.1〜0.5、好ましくは
0.2〜0.4に調整することにより、高活性でかつ増
殖可能なグラニュール汚泥を生成させる。酸生成排液中
の糖濃度は、フェノール−硫酸法、アンスロン法などに
より、グルコース等を標準試料として定量することがで
きる。
【0014】一般に酸生成の速度はpH、温度、滞留時
間(HRT)などの要因によって決定されるが、通常、
設計上重要な要素はHRTであり、HRTが長いほど糖
の分解率は高く、逆に短ければ分解率は低い。この場
合、通常の排水処理の設計の根底にある「余裕」という
考え方は逆にマイナスであり、余裕をとりすぎ、または
排液量が設計値よりも少ないと、残留する糖成分が少な
くなりすぎて、グラニュール汚泥の増殖ができなくな
る。
【0015】酸生成工程におけるpHは5〜8、好まし
くは5.5〜7、温度は50〜65℃、好ましくは55
〜60℃、HRTは4〜24時間、好ましくは6〜12
時間が適当である。酸生成工程をこのような条件に維持
することにより、酸生成排液の糖/COD Cr(重量比)
を前記範囲に調整することは可能である。
【0016】しかし、高温条件では糖から有機酸を生成
する反応は比較的制御しにくく、どちらかというと有機
酸生成反応が行き過ぎて、糖成分が完全に消失する場合
が多い。こうなるとグラニュール汚泥が増殖せず、安定
した処理を行うことができなくなる。従って有機性排液
の供給源から、有機性排液の一部を分割してバイパスさ
せ、酸生成排液と混合して、酸生成排液中の糖/COD
Cr(重量比)を前記範囲に調整するのが好ましい。
【0017】メタン生成工程においては、糖/CODCr
を前記範囲に調整して、グラニュール汚泥中を上向流で
通液してスラッジブランケットを形成し、嫌気性下50
〜65℃、好ましくは55〜60℃で接触させることに
より、高密度で沈降性に優れ、かつ高温メタン生成菌が
多量に含まれ、高活性でメタン発酵を行うことができる
グラニュール汚泥を増殖させることが可能となる。
【0018】高温UASBにおいて生成するグラニュー
ル汚泥は中温のそれと同様に、Methanothri
x属のメタン生成細菌がその骨格を形成するが、菌同士
の接合または絡み合いの強度が中温UASBのグラニュ
ール汚泥と比較して弱い。このため有機酸生成菌が産出
する粘質物(バイオポリマー)が十分存在し、バインダ
ーとして機能する状況下でないと、増殖した菌のほとん
どがグラニュール汚泥の増殖に寄与せずに流出する。す
なわち、中温UASBでは有機酸基質でも十分グラニュ
ール汚泥は増殖するが、高温環境でのグラニュレーショ
ンにおける有機酸生成菌の役割は、中温条件とは比較に
ならないぐらい重要である。
【0019】本発明では、メタン生成工程における高温
UASBに供給する酸生成排液中に糖類を存在させるこ
とにより、グラニュール汚泥中に高温メタン生成菌とと
もに酸生成菌を生育させ、その酸生成菌が産出する粘質
物の粘着性により、増殖する菌をグラニュール汚泥中に
保持し、グラニュール汚泥の増殖を可能にする。そして
糖類の量を一定量に制限することにより、酸生成菌の割
合を必要最低限に抑え、これにより高温メタン生成菌の
量を多くして、高活性に維持する。
【0020】ここで過度の糖質の流入は、グラニュール
汚泥の膨化、メタン生成活性の低下などマイナスの作用
を及ぼすので、糖成分の上限値は越ないように注意する
必要がある。メタン生成工程における上向流速は0.5
〜2m/hr、好ましくは1〜1.5m/hr、滞留時
間は4〜48時間、好ましくは6〜24時間、CODCr
の槽容積負荷は20〜50kgCODCr/m3・日が適
当である。
【0021】
【作用】本発明の高温嫌気性処理装置においては、処理
すべき有機性排液の一部を酸生成槽に導入して、嫌気性
下に酸生成菌と接触させ、有機酸等の酸を生成させる。
そして有機性排液供給源から分注される有機性排液を酸
生成排液と混合して、酸生成排液中の糖/CODCrを調
整する。これをメタン生成槽に導入して、上向流でスラ
ッジブランケット中を通液し、嫌気性下に50〜65℃
で接触させ、メタンを生成させる。
【0022】メタン生成槽では、酸生成排液中の有機酸
はグラニュール汚泥中の高温メタン生成菌の作用により
メタンと二酸化炭素に分解される。酸生成排液中には糖
類が存在するため、これを基質とする酸生成菌がグラニ
ュール汚泥中に増殖して、その酸生成菌の産出する粘質
物により、増殖する菌がグラニュール汚泥中に保持さ
れ、高密度で沈降性の優れたグラニュール汚泥が増殖す
る。
【0023】ここでは糖類は酸生成菌により酸に転換さ
れ、生成する酸はメタン生成菌によりメタンと二酸化炭
素に分解される。グラニュール汚泥中には、高活性の高
温メタン生成菌が多量に生育するため、メタン生成活性
は高く、効率のよい嫌気性処理が行われる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は実施例の高温嫌気性処理装置を示す流れ図である。
図において、1は排液貯槽、2は酸生成槽、3はメタン
生成槽である。
【0025】排液貯槽1は排液導入路4から有機性排液
を導入して貯留し、移送路5から酸生成槽2に供給する
ように構成されている。酸生成槽2は内部に酸生成菌を
増殖させ、導入した有機性排液と嫌気性下に接触させて
酸発酵を行い酸生成排液を移送路6からメタン生成槽3
に移送するように構成されている。
【0026】7は分割注入路であって、バルブ8を有
し、排液貯槽1の排液の一部をバイパスさせて、メタン
生成槽3に分割注入するようになっている。メタン生成
槽3は、内部にグラニュール汚泥を収容し、移送路6か
らの酸生成排液および分割注入路7からの有機性排液を
混合した状態で上向流で通液してスラッジブランケット
を形成し、嫌気性下に接触させてメタン発酵を行い、生
成するメタン、二酸化炭素等の消化ガスをガス排出路9
から排出し、嫌気性処理液を処理液排出路10から排出
するように構成されている。
【0027】上記構成の高温嫌気性処理装置による高温
嫌気性処理方法は、まず排液導入路4から有機性排液を
排液貯槽1に導入して貯留し、負荷および流量変動を調
整する。排液貯槽1では温度制御、pH制御等は行う必
要はない。
【0028】排液貯槽1内の排液を移送路5から酸生成
槽2に移送して、酸生成菌と嫌気性下に接触させて、有
機酸等の酸を生成させ、酸生成排液を移送路6からメタ
ン生成槽3に移送する。酸生成槽2内に存在させる酸生
成菌は、有機性排液を嫌気性状態に維持することによ
り、自然発生させることができる。
【0029】酸生成槽2における負荷および処理条件が
一定している場合には、滞留時間を短くして、酸生成が
完全に進行しない状態で酸生成排液を移送することによ
り、酸生成排液中の糖/CODCr(重量比)を調整する
ことができる場合があり、このときは分割注入路7から
有機性排液の分割注入は不要である。
【0030】酸生成槽2における酸生成が完全に近く進
行する場合には、バルブ8を開いて排液貯槽1の有機性
排液を分割注入路7からメタン生成槽3に分割注入し、
メタン生成槽3に導入する酸生成排液中の糖/CODCr
(重量比)を0.1〜0.5に調整する。分割注入路7
から導入する有機性排液と酸生成排液の混合は、移送路
6、メタン生成槽3、その他の場所のいずれにおいて行
ってもよい。
【0031】糖/CODCr(重量比)を調整し、メタン
生成槽3に導入した酸生成排液は、グラニュール汚泥中
を上向流で通液することによりスラッジブランケットを
形成し、50〜65℃で嫌気性下に接触させることによ
り、有機酸をメタンと二酸化炭素に高活性で分解する。
糖類は酸に転換されたのち、同様にメタンと二酸化炭素
に分解する。生成する消化ガスはガス排出路9から排出
し、処理液は処理液排出路10から排出する。
【0032】メタン生成槽3では、上記条件で処理を行
うことにより、高密度で沈降性に優れ、かつ高活性で増
殖可能なグラニュール汚泥を、自然発生的に生成させる
ことができるが、最初は中温UASBにより生成させて
もよく、また他の処理施設から移送したものを用いても
よい。
【0033】上記により生成するグラニュール汚泥は高
密度で沈降性が大きいため、酸生成排液を高流速で上向
流通液しても、スラッジブランケットを均一に形成する
ことができ、高負荷により、短い滞留時間での処理を可
能にする。また高活性の高温メタン生成菌を保持するた
め、高活性で効率のよい処理が可能になる。そして酸生
成菌の産出する粘質物により、生成する菌が保持され、
グラニュール汚泥の増殖を可能にする。
【0034】実施例1 直径10cm、高さ約1m、容量約9 literのガラス製
小型UASBリアクターを用いて、糖/CODCr(重量
比)のグラニュール汚泥の増殖に与える影響を調べた。
基質は酢酸3,000mg/l、プロピオン酸3,00
0mg/l、乳酸3,000mg/l、酵母エキス50
0mg/lで、これにNH4ClおよびKH2PO4を添
加してCODCr:N:P=1000:10:2に調整し
た。またこの他にシュークロース10,000mg/
l、酵母エキス500mg/l、およびN、Pからなる
糖基質を添加して、糖/CODCr(重量比)を0、0.
1、0.2、0.4、0.5、0.6に調整した6試料
をグラニュール汚泥に上向流通液し、温度55℃、CO
Cr負荷30kg/m3/dayで30日間連続運転を
行った。種グラニュール汚泥は、別の高濃度ビール製造
排水を用いて生成した高温グラニュール汚泥を2 liter
(84gVSS)使用し、温度55℃の条件で運転し
た。1カ月後の槽内の汚泥総量および汚泥の酢酸資化性
メタン生成活性を評価し、表1に示す結果を得た。
【0035】
【表1】
【0036】糖/CODCr=0の系では実験終了時に汚
泥量は開始時と比較して減少したが、糖/CODCrの値
が大きくなる系ほど、グラニュール汚泥の増加が著しか
った。しかし、糖/CODCrが大きくなりすぎると、グ
ラニュール汚泥中の酸生成菌の割合が増加するため、メ
タン生成活性は逆に低下する。活性×汚泥濃度の指標か
ら、糖/CODCrは0.1〜0.5、特に0.2〜0.
4が良いことがわかる。
【0037】実施例2 高濃度ビール仕込系排液(CODCr:20,000mg
/l、成分は麦芽糖)を酸生成槽(1m3)、高温UA
SBメタン生成槽(1.4m3)のパイロットプラント
にて55℃で高温嫌気性処理した。グラニュール汚泥は
中温グラニュール汚泥を種汚泥として徐々に高温条件に
順化させて、高温グラニュール汚泥とした。運転開始後
約4カ月は、酸生成槽を経由させてUASBに排液を供
給したが(酸生成後の残留糖はほとんどゼロ)、汚泥量
は増加しなかった。そこで運転開始後120日を経過し
た時点で排液の一部をバイパスしてUASBメタン生成
槽に供給し、酸生成排液の糖/CODCr(重量比)を
0.2〜0.3に調整した。その結果、グラニュール汚
泥量は1カ月で約1.5倍に増加した。結果を図2に示
す。
【0038】
【発明の効果】本発明の高温嫌気性処理方法によれば、
メタン生成工程に導入する酸生成排液の糖/CODCr
調整したため、高密度で沈降性が大きく、かつ活性が高
い高温メタン生成菌を含む高活性のグラニュール汚泥を
安定して増殖させることができ、これにより高負荷で効
率よく嫌気性処理を行うことができる。
【0039】本発明の高温嫌気性処理装置によれば、有
機性排液の一部を分割注入することにより、酸生成排液
の糖/CODCrを調整できるようにしたので、酸生成排
液の糖/CODCrを容易かつ正確に調整することがで
き、これにより、グラニュール汚泥中の酸生成菌を安定
して生育させ、グラニュール汚泥を安定して増殖させる
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の嫌気性処理装置の流れ図である。
【図2】実施例2の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 排液貯槽 2 酸生成槽 3 メタン生成槽 4 排液導入路 5、6 移送路 7 分割注入路 8 バルブ 9 ガス排出路 10 処理液排出路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性排液を嫌気性下に酸生成菌と接触
    させて酸を生成する酸生成工程と、 高温メタン生成菌を含むグラニュール汚泥からなるスラ
    ッジブランケットに、酸生成排液を嫌気性下に上向流で
    通液して接触させ、メタンを生成させるメタン生成工程
    とを含む嫌気性処理方法において、 メタン生成工程に導入する酸生成排液中の糖/CODCr
    (重量比)を0.1〜0.5に調整し、かつ50〜65
    ℃でメタン生成を行うことを特徴とする高温嫌気性処理
    方法。
  2. 【請求項2】 有機性排液を導入し嫌気性下に酸生成菌
    と接触させて酸を生成させる酸生成槽と、 高温メタン生成菌を含むグラニュール汚泥からなるスラ
    ッジブランケットを形成し、酸生成排液を嫌気性下に上
    向流で通液し、50〜65℃で接触させてメタンを生成
    させるメタン生成槽と、 有機性排液の供給源から有機性排液の一部を、酸生成さ
    せることなく直接メタン生成槽に分割注入する分割注入
    路とを有することを特徴とする高温嫌気性処理装置。
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