JPH06154769A - 廃液処理方法 - Google Patents

廃液処理方法

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JPH06154769A
JPH06154769A JP31169992A JP31169992A JPH06154769A JP H06154769 A JPH06154769 A JP H06154769A JP 31169992 A JP31169992 A JP 31169992A JP 31169992 A JP31169992 A JP 31169992A JP H06154769 A JPH06154769 A JP H06154769A
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alkali
reaction tank
plating
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JP31169992A
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Tamotsu Mizuta
田 有 水
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】中和滴定によって、予め廃液中の水素イオンお
よび金属イオン濃度を測定し、必要なアルカリ注入量を
予測することによって、廃液の処理精度を高め、また、
1)金属イオン濃度、2)廃液流量のいずれが変動して
も十分に変化に対応し、供給するアルカリの量または廃
液流量を調節できる連続処理を安定して行える廃液の処
理方法の提供。 【構成】金属イオンを含む酸性廃液の中和処理方法であ
って、(a)予め該廃液から試料を採取し、中和滴定を
行って、単位容積当たりに必要なアルカリ量を測定する
こと、および、(b)その廃液に必要なアルカリ量を加
えて攪拌する廃液の処理方法、およびこの方法を用いた
廃液の連続的処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板の表面処理工程等
により排出される金属イオンを含む廃液の処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属イオン(例えば、Zn,N
i,Fe等)を含む酸性水溶液である鋼板の表面処理工
程等から生じる廃液の処理方法は、NaOH等の中和剤
(アルカリ)を用いた中和処理が行われる。また、Na
OH等の中和剤の添加量およびタイミングは、例えば、
図6に示すように、反応槽にpH測定器を備えた装置
で、廃液のpH値を測定し、必要量の中和剤を加えるこ
とで、廃液のpHを管理して、pH値を一定にするよう
に中和剤を添加する方法が取られる場合が多い。例え
ば、特開昭58−19498号公報に開示されるよう
に、Zn2+、Ni2+のめっき廃液にFe2+イオンを添加
し、pH8.5〜9.5に調節し、Zn(OH)2 およ
びNi(OH)2 を共析させる方法が挙げられる。
【0003】ところが、廃液中に含まれるこれらの金属
イオンは、pHを中性近辺に調節することによって以下
の化学式に示すように水酸化物を作り、この水酸化物は
析出物として廃液中より除去される。 Zn2++2OH- → Zn(OH)2 ↓ ...式1 Ni2++2OH- → Ni(OH)2 ↓ ...式2 また、廃液中に若干含まれる酸もアルカリとの反応(中
和)によって無害なH 2 Oに変化する。その反応式を以
下に記する。 H+ +OH- → H2 O ...式3
【0004】
【発明が解決しようとする課題】廃液中に含まれる酸
(H+ )および金属イオン(例えば、Zn,Ni)濃度
の変化が大きい廃液を連続系において処理する場合、単
位液量当たりの消費されるアルカリ量は、前述の式1〜
3のOH- の合計の量で示される。
【0005】ところが、廃液の中和をpHを指標として
行った場合、以下の問題点がある。 1)pH=−logaH+(ただしaH+は、H+ の相対活
量)で表されるが、廃液のpHを測定しても検出される
pHは前述の式3に示されるH+ イオン濃度、すなわ
ち、遊離の酸のみで式1および式2で示される金属イオ
ンが測定されない。 2)そのため、金属イオンを中和するのに必要な中和剤
量が判らず、廃液が系内に連続的に受入れられるような
連続系で、金属イオン濃度の変化が大きい場合には、中
和剤の投入量が不足し、廃液中の金属イオンが除去され
ずに廃液中の金属イオンが、廃液基準を越える事態が生
ずる恐れがある。
【0006】通常のZnおよびNiイオンを含有する廃
液を中和滴定すると、図1に示すように中和曲線は、最
初に水酸基により水素イオンが中和され初めてグラフの
勾配が緩やかになり、水素イオンの中和が終了するまで
pHは一定値となり、溶液中の水素イオンが消滅したと
ころで再び、勾配が現れる。次に、Znイオンが中和す
るpH値に達したところで再びグラフの勾配が穏やかに
なり、ZnイオンがZn(OH)2 として析出中はpH
値は一定値を示し、溶液中のZnイオンが消滅したとこ
ろで、再びグラフに勾配が現れる。同様に、Niイオン
が中和するpH値でも、グラフはpH一定値をある期間
示す。ところが、通常のpH測定器によると、遊離の酸
の水素イオンに起因するpH値のみが測定されるので、
図1中の最初の一定値に達するのに必要なアルカリの量
しか測定されず、残りのZnおよびNiイオンを中和す
るのに必要なアルカリ量を正確に測定することができな
い。また、pHを一定値に制御する従来法では、廃液中
の金属イオン濃度にばらつきを生じる場合、特に金属イ
オン濃度の変化に対応してアルカリの注入量を調節でき
ずに基準外れの排水を系外に排出するおそれがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、連続系で金
属イオン濃度の変化が多い廃液を処理する場合におい
て、十分対応出来るよう、pHの測定によらずに予め廃
液を一部サンプリングし、中和滴定して中和曲線を求
め、前述の式1〜3のOH- 量を測定し、これより加え
る中和剤の総量(アルカリ注入量)を予測し、中和剤を
添加すれば、金属イオン濃度の変動に適切に対応できる
ことを知見し、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、金属イオンを含む酸
性廃液の中和処理方法であって、(a)予め該廃液から
試料を採取し、中和滴定を行って、単位容積当たりに必
要なアルカリ量を測定し、測定されたアルカリ量から該
廃液の中和処理に必要なアルカリ量を計算すること、お
よび(b)該廃液に該必要なアルカリ量を加えて攪拌す
ることを特徴とする廃液の処理方法を提供する。また、
金属イオンを含む酸性廃液の連続的処理方法であって、
(a)系内に連続的に受入られる該廃液量と、該廃液か
ら予め試料を採取し中和滴定を行って、単位廃液流入量
当たりに必要なアルカリ量を測定し、測定されたアルカ
リ量から該廃液の中和処理に必要なアルカリ量を計算
し、(b)該廃液に連続的に加えるアルカリ量を制御し
て該必要なアルカリ量となるように加えて攪拌すること
を特徴とする廃液の処理方法を提供する。
【0009】初めに、本発明の第1の態様について説明
する。本発明を適用する金属イオンを含む酸性廃液と
は、Znめっき、Zn−Niめっきなどのめっき装置あ
るいはめっき鋼板の洗浄に使用した酸性の廃液、特に硫
酸酸性または塩酸酸性廃液を示すが、これに相当するも
のであればよく、これに限定されるものではない。
【0010】本発明の方法は、中和処理を行う前に、こ
の廃液の一部を試料として採取し、この試料に対して中
和滴定を行って、得られる中和曲線から酸および金属イ
オンの中和に必要なアルカリの量を逐次測定し、この測
定に基づいて計算した必要な量のアルカリを廃液に加え
て攪拌することで廃液中の金属イオンを析出物として廃
液から除去する。
【0011】試料を採取する場所は、反応槽から採取す
るか、または反応槽の上流側から採取する。廃液の一部
を採取する採取管は、反応槽の上流側の注入管に分岐し
て、または、反応槽に具備していてもよい。反応槽に具
備する場合、反応槽中の廃液の上面、下面または側面の
どの位置に設けてもよいが、廃液のイオン濃度がなるべ
く均一な位置で採取することが必要である。
【0012】中和滴定は、タイトレータを用いて行う。
滴定には、アルカリが用いられ、例えば、NaOH、N
2 CO3 等が挙げられる。中和滴定に要する時間は、
10分程度であり、測定されたデータは、タイトレータ
に具備されている演算器によって、縦軸にpH値、横軸
に消費されたアルカリの量をとり、グラフの形で記録さ
れる。図1に示されるグラフの全ての金属イオンの中和
が完了する点(a)のアルカリの消費量(b)(一般に
全硫酸根に相当するアルカリ量)に、(反応槽中の廃液
量/試料の採取量)を掛けた量を演算器によって計算
し、必要量のアルカリを求める。
【0013】廃液の中和処理に使用される中和剤は、N
aOH、Ca(OH)2 、Mg(OH)2 等が挙げられ
るが、特に、硫酸浴中で使用されためっき廃液に対して
は、NaOHを使用するのが好ましい。中和剤の使用量
は、先の中和滴定で求められた計算量のアルカリの量で
あっても、金属イオンを完全に塩として析出させるため
に、過剰量を加えてもよい。過剰量を加える場合、塩を
析出させた後、塩酸等の酸を廃液に加え、pHを中性付
近に調製する。
【0014】中和処理の中和剤の添加形態は、粒子、粉
末、顆粒等の固体であってもよいし、水溶液の形態であ
ってもよい。固体の場合、中和剤槽から反応槽の液面の
上方に固体の中和剤が目詰まりを起こさない程度に大き
い径を有する供給管を介して供給する。また、水溶液の
場合、図3に示すように反応槽の上方に配備し供給管に
よって供給できるように設定するのが好ましい。さら
に、中和剤の供給方法は、間欠的に加えてもよいし、連
続して加えてもよい。間欠的に加える場合、形態は固形
であっても液体であってもよい。
【0015】中和剤を廃液に添加した後または添加しな
がら攪拌し、中和反応および金属イオンの析出を促進す
る。攪拌の方法は、図示しないが反応槽に攪拌棒を設け
て攪拌してもよいし、また、反応槽内に空気や不活性気
体を送り込むこと、さらには、ポンプを設けて反応槽内
の液体を循環させることによって行ってもよい。特に、
連続して処理する場合、連続して廃液が流入し、処理液
が排出されても反応槽内の廃液の濃度が均一になるよう
に攪拌できる形態の反応槽を使用する。中和反応の後、
廃液を沈殿池に移送し、中和反応で析出した金属の塩を
沈殿させ排除し、得られた処理水を系外に排出する。
【0016】本発明の第2の態様について説明する。本
発明の第2の態様は、特に廃液処理を連続的に行う場合
に好ましい。本発明の第2の態様は、金属イオンを含む
酸性廃液の連続的処理方法であって、(a)系内に連続
的に受入られる該廃液から、予め試料を採取し、中和滴
定を行って、単位廃液流入量当たりに必要なアルカリ量
を測定し、測定されたアルカリ量から該廃液の中和処理
に必要なアルカリ量を計算すること、および(b)該廃
液に該計算量のアルカリを加えて攪拌することを特徴と
する廃液の処理方法。連続的に加えるアルカリ量を制御
して最終的に必要なアルカリ量となるように加えるの
で、アルカリを、廃液中の水素イオン、Zn2+イオン、
Ni2+イオンの変化に対応する積分値として加えること
ができる。
【0017】連続した系で廃液を処理する場合、廃液の
流量および濃度が時間によって変化することが予測され
る。したがって、バッチ式の系に比べて、連続した系の
方が、廃液から試料を採取し、中和滴定を行う周期が問
題となる。廃液からの試料の採取を、廃液の流量、水素
イオンおよび金属イオン濃度の変化に対応する充分に短
い周期で行うのが好ましい。処理装置が1〜2m3 で廃
液流量10〜20m3/hrの場合、中和滴定の周期は
10分ピッチ程度で行うのがよい。本発明の連続した系
では、廃液の流量が変化しても、短い周期で中和滴定し
て、その流量の変化に対応し、アルカリの注入量(供給
量)を調節することができる。このため、平均値として
加えるのではなく、積分値として加えることができる。
【0018】以下、図面を用いて本発明の好適実施例を
詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。図1は、廃液としてZn−Niめっき(硫酸
浴)廃液をサンプリングして中和する際の中和曲線を示
すものである。通常のpH測定によれば、前述したよう
に、水素イオンのみを中和するのに必要なアルカリの量
のみが測定されるが、本発明の方法によると、中和滴定
により廃液の中和曲線を求め、酸のみならず金属イオン
も塩として十分に除去するのに必要なアルカリの総量を
測定し、廃液中の酸および金属イオンの総量に見合った
中和剤を反応槽に供給することができる。したがって、
前述の中和曲線から最もpH値の大きいNi2+が完全に
析出するまでのアルカリ量を算定することによって、廃
液処理の系に過不足のないアルカリの量を供給すること
ができる。
【0019】図2は、廃液としてZnめっき廃液をサン
プリングして中和する際の中和曲線を示すものである。
図2示すようにZn2+の析出が完了する点(a)を算定
し、単位容積に要するアルカリ注入量(b)を知ること
ができる。
【0020】図3は、本発明の方法を実施する廃液の処
理装置を示すものである。図3の廃液処理装置は、反応
槽2、中和剤槽5、反応槽2に設けられたタイトレータ
4、演算器9、流量計22および23、調節弁20およ
び沈殿池6から構成される。反応槽2とは、廃液を中和
処理して廃液中の金属イオンを除去するためのものであ
る。中和剤槽5は、廃液に含有される酸および金属イオ
ンの濃度に見合った量の中和剤を反応槽2に供給するた
めに、反応槽2の上部に配置されている。中和剤槽5と
反応槽2は、供給管15によって連通している。タイト
レータ4は、廃液の中和滴定を行う装置である。タイト
レータ4は、廃液をサンプリングするための採取管17
を介して反応槽2と連通している。反応槽2から採取さ
れた廃液は、採取管17を通ってタイトレータ4に移行
し、中和滴定される。pH測定器3は、反応槽2中のp
H値を測定する装置である。pH測定器3からは、pH
測定用の電極12が、反応槽2内に延びている。タイト
レータ4は、中和滴定の際、図2および図4に示される
ように、縦軸にpH値、横軸に中和滴定で消費したアル
カリの量を取り、中和曲線を記録する。演算器9は、廃
液に必要なアルカリ量を演算し、中和剤の流量を制御す
る装置である。流量計22は、反応槽2の上流側の注水
管10に設置され、反応槽2に流入する廃液の流量を測
定する。一方、流量計23は、反応槽2と中和剤槽5を
繋ぐ供給管15上で、後述の調節弁20と反応槽2との
間の適切な位置に設置され、中和剤槽5から反応槽2に
供給されるアルカリの流量を測定する。
【0021】演算器9は、タイトレータ4と、流量計2
2と、流量計23と、それぞれ電気的に繋がっている。
演算器9は、タイトレータ4で得られたその時点での廃
液の単位容積当たりに必要なアルカリ量から、流量計2
2で得られた廃液の流量をもとに、必要な全アルカリ量
を演算し、さらに、演算された全アルカリ量に対応し、
流量計23で得られた中和剤の流量をもとに、中和剤槽
5から反応槽2に注入するアルカリ量を調整するため
に、電気的信号を中和剤の調節弁20に送り、中和剤の
流量を制御する。調節弁20は、中和剤槽5から反応槽
2に供給されるアルカリの量を制御するもので、反応槽
2と中和剤槽5を繋ぐ供給管15の適切な位置に具備さ
れる。沈殿池6は、中和塩などの浮遊物を沈殿し除去す
る。沈殿池6は、移送管13によって反応槽2と連通し
ている。沈殿池6で、反応槽2で析出した塩、浮遊物等
を沈殿し沈殿物を分離し、除去された処理水7は、排水
管14を通って装置外部に排出される。
【0022】本発明の処理方法によれば、めっき処理後
の廃液1は注水管10を介して反応槽2に供給される。
反応槽2では、採取管17により廃液試料を採取しタイ
トレータ4で中和滴定し、同時にpH測定器によってp
Hを測定する。タイトレータ4と電気的に繋がっている
演算器9によって、必要なアルカリの量が算定される。
算定されたアルカリの量により、タイトレータ4と電気
的に連動している調節弁20によって、中和剤槽5から
反応槽2に供給される中和剤の量が制御される。必要量
のアルカリが、中和剤槽5から反応槽2に供給され、反
応槽2内で混和され、塩を生じることで中和処理が完了
する。中和処理後の廃液は、移送管13により沈殿池6
に移送される。移送された廃液は、沈殿池6で金属の塩
および浮遊物を沈殿し除去し、金属イオンが除去された
処理液7として排出管14を通って排出される。
【0023】図3に示される廃液の処理装置を使用した
場合、通常、廃液を反応槽に注入し、タイトレータによ
って反応槽中の廃液を中和滴定し、滴定により得られた
必要な量のアルカリを中和剤槽から反応槽に供給し、廃
液を中和した後、処理した廃液を沈殿池に移し、次の廃
液を新たに反応槽に注入する(バッチ式の処理方法)
が、反応槽の形式によっては、廃液の流量と中和剤の流
量を制御して、連続して処理することも可能である。さ
らに、バッチ式に処理する場合、中和処理後、処理した
廃液を再度サンプリングして、タイトレータ4で中和滴
定を行い、中和が完了したことを検証することも可能で
ある。
【0024】図4は、廃液としてZn−Niめっき廃液
をサンプリングして中和する際の中和曲線を示すもので
ある。図4示すようにNi2+の析出が完了する点(a)
を算定し、単位容積に要するアルカリ注入量(b)を知
ることができる。
【0025】図5は、本発明の廃液の処理装置で反応槽
2の上流側にタイトレータ4を有する別の例を(概念的
に)示すものである。図5に示される処理装置は、図3
に示される装置に加えて、反応槽2の上流にタイトレー
タ4を有する以外は、基本的に、図3に示される装置と
同様の構成を有する。このため、同じ部材には同じ番号
を附し、以下の説明は、主に異なる点について行う。タ
イトレータ4は、廃液1を反応槽2に導入するための注
水管10から分岐する採取管18を介して注水管10よ
り廃液1をサンプリングする。タイトレータ4は、演算
器9と電気的に繋がっている。演算器9は、図3の場合
ですでに説明したのと同様である。また、連続して廃液
を処理する場合、反応槽2に、さらにタイトレータ8を
設けてもよい。タイトレータ8は、反応槽2中の廃液を
逐次サンプリングし、中和滴定することにより、反応槽
中の水素イオンや金属イオンの濃度を検証する。タイト
レータ8で得られた情報は、演算器9に電気的信号とし
て送られ、演算器9で必要量のアルカリを演算する際に
補助的データとして加えられてもよい。したがって、本
発明の廃液の処理の方法では、廃液1中の水素イオンお
よび金属イオンをタイトレータ4で測定し、中和反応に
必要なアルカリの量を演算器9で算出し、流量計22で
測定した廃液1の流量と流量計23で測定した中和剤の
流量をもとに、調節弁20を開閉し、中和剤層5から反
応槽2に注入されるアルカリの量を調節し、連続して廃
液を処理することができる。反応槽2中の水素イオンお
よび金属イオンの濃度をタイトレータ8で検証し、演算
器9の算出値を補正することができる。
【0026】図5に示される廃液処理装置を使用する
と、反応槽2の上流側であらかじめ中和滴定が行える。
これによって、廃液中で経時的に変化する水素イオン濃
度および金属イオン濃度に対応することができる。すな
わち、新たに注入される廃液中の水素イオンおよび金属
イオンの濃度にいち早く対応して、アルカリ供給量の制
御の精度を向上することができる。また、これによっ
て、廃液の変動に対する処理装置の追随性を高めること
ができる。
【0027】図6は、従来のZn−Niめっき廃液の処
理装置を示すものである。pH測定器3が、中和剤槽5
から反応槽2への中和剤の供給量を制御している。
【0028】
【実施例】以下に、本発明の方法を具体的に説明する
が、これによって、本発明が限定されるものではない。
【0029】(実施例1) Znめっき(硫酸浴)廃液の処理 Znめっき処理後の廃液を図3に示す廃液処理装置を用
いて、本発明の方法を実施した。めっき廃液の流量は、
10m3 /hrとし、反応槽の容積は、1m3のものを
使用した。中和滴定で得られた中和曲線を図2に示し
た。この中和曲線から算出した、必要量の中和剤を加え
た。中和剤として、1/2NのNaOHを使用し、本発
明の方法によって、供給するアルカリの量を制御しなが
ら、廃液を中和した。廃液流量が、10m3 /hrの場
合、1/2NのNaOHの注入量は0.150m3 /h
rであった。中和した廃液は、沈殿槽に移し、沈殿物を
取除いた後、処理液として系外に放出した。処理液のp
Hおよび金属イオン濃度を測定したところ、pHは、
7.1であり、Znイオンは含まれなかった。
【0030】(実施例2) Zn−Niめっき(硫酸浴)廃液の処理 Zn−Niめっき処理後の廃液を図5に示すような本発
明の方法を実施する廃液処理装置にかけた。めっき廃液
の流量は、20m3 /hrとし、反応槽の容積は、2m
3 のものを使用した。中和滴定で得られた中和曲線を図
4に示した。図4の中和曲線から算出された、必要量の
中和剤を加えた。中和剤として、1/2NのNaOHを
使用し、供給するアルカリの量を制御しながら、廃液を
中和した。廃液の流量が、20m3 /hrの場合、1/
2NのNaOHの注入量は0.600m3 /hrであっ
た。中和した廃液は、沈殿槽に移し、沈殿物を取除いた
後、処理液として系外に排出した。処理液のpHおよび
金属イオン濃度を測定したところ、pHは、7.2であ
り、Znイオン濃度は、0.1mg/l,Niイオン濃
度は、0.4mg/lであった。
【0031】(実施例3) Zn−Niめっき廃液の処理 Zn−Niめっき処理後の廃液を図5に示す本発明の方
法を実施する廃液処理装置にかけた。めっき廃液の流量
は、10m3 /hr、20m3 /hr、15m 3 /hr
に変化させた。中和剤として、1/2NのNaOHを使
用し、本発明の方法によって供給するアルカリの量を表
1に示される廃液の流量に応じて制御しながら、廃液を
中和した。中和した廃液は、沈殿槽に移し、沈殿物を取
除いた後、処理液として系外に排出した。処理液のpH
および金属イオン濃度を測定したところ表1の結果を得
た。
【0032】
【0033】(比較例1) Zn−Niめっき廃液の処理 Zn−Niめっき処理後の廃液を図6に示す従来の廃液
処理装置にかけた。めっき廃液の流量は、20m3 /h
rとし、実施例2と同様にして、ただし中和滴定を行わ
ずに廃液がpH9.0の一定条件となるようにして、中
和した。中和した廃液は、沈殿槽に移し、沈殿物を取除
いた後、処理液のpHおよび金属イオン濃度を測定した
ところ、pHは、6.3、Znイオン濃度は、30mg
/l、Niイオン濃度は、60mg/lであった。
【0034】(比較例2) Zn−Niめっき廃液の処理 Zn−Niめっき処理後の廃液を図6に示す従来の廃液
処理装置にかけた。めっき廃液の流量は、10m3 /h
r、20m3 /hr、15m3 /hrに変化させた。中
和剤として、1/2NのNaOHを使用して廃液が、p
H9.0の一定条件となるようにして、中和した。中和
した廃液は、沈殿槽に移し、沈殿物を取除いた後、処理
液のpHおよび金属イオン濃度を測定したところ表2の
結果を得た。
【0035】
【0036】
【発明の効果】本発明の方法により、タイトレータによ
って、予め廃液中の水素イオンと金属イオン濃度を測定
し、これに廃液の流量を掛け、必要なアルカリ注入量を
予測することによって、廃液の処理精度を高めることが
できる。また、1)金属イオン濃度、2)廃液流量のい
ずれが変動しても十分に変化に対応し、供給するアルカ
リの量または廃液流量を調節できるので、連続した処理
を安定して行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 廃液としてZn−Niめっき(硫酸浴)廃液
をサンプリングして中和する際の中和曲線を示すグラフ
である。
【図2】 廃液としてZnめっき(硫酸浴)廃液をサン
プリングして中和する際の中和曲線を示すグラフであ
る。
【図3】 本発明で使用するZnめっき(硫酸浴)廃液
の廃液処理装置の1例を概念的に示す図である。
【図4】 廃液としてZn−Niめっき(硫酸浴)廃液
をサンプリングして中和する際の中和曲線を示すグラフ
である。
【図5】 本発明で使用するZn−Niめっき(硫酸
浴)廃液の廃液処理装置の1例を概念的に示す図であ
る。
【図6】 従来のZn−Niめっき(硫酸浴)廃液の廃
液処理装置を示す図である。
【符号の説明】
1 廃液 2 反応槽 3 pH測定器 4、8 タイトレータ 5 中和剤槽 6 沈殿池 7 処理液 9 演算器 10 注水管 12 pH測定器の極 13 移送管 14 排出管 15 供給管 17、18 採取管 20 調節弁 22、23 流量計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属イオンを含む酸性廃液の中和処理方法
    であって、 (a)予め該廃液から試料を採取し、中和滴定を行っ
    て、単位容積当たりに必要なアルカリ量を測定し、測定
    されたアルカリ量から該廃液の中和処理に必要なアルカ
    リ量を計算すること、および (b)該廃液に該必要なアルカリ量を加えて攪拌するこ
    とを特徴とする廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】金属イオンを含む酸性廃液の連続的処理方
    法であって、 (a)系内に連続的に受入られる廃液量と、該廃液から
    予め試料を採取し中和滴定を行って、単位廃液流入量当
    たりに必要なアルカリ量を測定し、測定されたアルカリ
    量から該廃液の中和処理に必要なアルカリ量を計算し、 (b)該廃液に加えるアルカリ量を制御して該必要なア
    ルカリ量となるように加えて攪拌することを特徴とする
    廃液の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015214739A (ja) * 2014-05-13 2015-12-03 住友金属鉱山株式会社 硫酸酸性溶液の中和方法、およびニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015214739A (ja) * 2014-05-13 2015-12-03 住友金属鉱山株式会社 硫酸酸性溶液の中和方法、およびニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法
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