JPH06154537A - ガス処理装置 - Google Patents

ガス処理装置

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Publication number
JPH06154537A
JPH06154537A JP43A JP31343492A JPH06154537A JP H06154537 A JPH06154537 A JP H06154537A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 31343492 A JP31343492 A JP 31343492A JP H06154537 A JPH06154537 A JP H06154537A
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JP
Japan
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piston
gas
pressure
cylinder
low
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Application number
JP43A
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English (en)
Inventor
Kenji Hashimoto
見次 橋本
Naoji Isshiki
尚次 一色
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Sanden Corp
Original Assignee
Sanden Corp
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Publication date
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理能力を大幅に向上できるガス処理装置を
提供すること。 【構成】 一シリンダ1内の上下位置に気密状態で摺動
自在に配置された2つのピストン2,3と、両ピストン
を所定の位相差をもって上下動させる駆動機構4と、上
側ピストン2の上方空間と両ピストン2,3間の空間を
連通する第1のガス通路1gと、蓄熱材を内蔵し第1の
ガス通路1gに介装された処理器5と、上側ピストン2
の上方空間に対応しシリンダ壁に設けられた吐出制御バ
ルブ1f付きの吐出ポート1cと、下側ピストン3の移
動範囲途中に対応しシリンダ壁に設けられた掃気ポート
1hと、掃気ポートと対向するシリンダ壁部分と下側シ
リンダの下方空間を連通する第2のガス通路1iと、下
側ピストンの下方空間に対応しシリンダ壁に設けられた
吸気制御バルブ1k付きの吸気ポート1jと、からガス
処理装置を構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気等の原料ガスから
特定ガスや熱等を除外するガス処理装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種のガス処理装置を開示するものと
して特開平2−237610号公報が知られている。同
公報に示される装置は空気から窒素を除外して酸素富化
空気を製造するためのもので、図8に示すように、吸気
ポート11a及びリード弁11bを側面に有するクラン
クケース11と、クランクケース11内に配置されたク
ランクシャフト12と、上面に通孔13aを有し側面に
掃気ポート13bを有するシリンダ13と、上面に通孔
14a及びリード弁14bを有しシリンダ13内に気密
状態で摺動自在に配置されたピストン14と、ピストン
14とクランクシャフト12を連結するコンロッド15
と、吸着室16a及び吐出室16bを仕切壁16cを介
して上下に有し、該仕切壁16cに通孔16d及びリー
ド弁16eを、また吐出室上面に吐出ポート16fを有
するシリンダヘッド16と、吸着室16a内に配置され
た窒素吸着用のゼオライト等の吸着材17とから構成さ
れている。
【0003】この装置は揺動ガス圧利用ガス分離装置
(PSA)と称され、下記の手順で作動し空気から窒素
を除外して酸素富化空気を製造する。即ち、ピストン1
4が下死点から上昇して掃気ポート13bが閉まると、
シリンダ13内の空気が圧縮されて吸着材17に送り込
まれ、圧縮空気中の窒素が該吸着材17に吸着される
(吸着行程)。ピストン14がさらに上昇してガス圧力
がリード弁16eの開放圧に達すると、該リード弁16
eが開いて製品ガスである酸素富化空気が吐出室16b
を通じて吐出ポート16fから吐出される(吐出行
程)。一方、上記のピストン上昇課程ではクランクケー
ス11内が減圧され、これによりリード弁11bが開い
て外部の空気が吸気ポート11aからクランクケース1
1内に導入される。
【0004】ピストン14が上死点から下降し始める
と、リード弁16eが閉じシリンダ13内の残留ガスが
膨張され、このときの減圧作用によって吸着材17から
窒素が脱離し、脱離した窒素がシリンダ13内に吸引さ
れる(脱離行程)。このピストン降下課程でシリンダ1
3内のガス圧力がクランクケース11内よりも低くなる
と、リード弁14bが開いてクランクケース11内の空
気がシリンダ13内に流入して脱離窒素を含んだガスが
希釈され、そして掃気ポート13bが開くと希釈ガスが
該掃気ポート13bから外部に放出される(掃気行
程)。排気ポート開放後にピストン14がさらに下降す
ると、該ピストン14が下死点に至るまでにシリンダ1
3内に新しい空気が送り込まれる(吸気行程)。以上の
行程はクランクシャフト12の回動に従って順次繰り返
され、これにより酸素富化空気が連続して製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ガス処理装置では、シリンダ13内で上下動するピスト
ン14の上方に吐出制御用のリード弁16eを、またピ
ストン14の上面に吸気制御用のリード弁14bを配置
した構造にあるため、製品ガス吐出量の増加を狙ってピ
ストン14の上下動速度を増すと、特にピストン14側
のリード弁14bが該ピストン14の上下動と同期して
開閉し、初期の圧縮,膨張を適正に行えなくなる欠点が
ある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、処理能力を大幅に向上で
きるガス処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1では、一シリンダ内の上下位置に気密状態で摺
動自在に配置された2つのピストンと、両ピストンを所
定の位相差をもって上下動させる駆動機構と、上側ピス
トンの上方空間と両ピストン間の空間を連通する第1の
ガス通路と、蓄熱材を内蔵し第1のガス通路に介装され
た処理器と、上側ピストンの上方空間に対応しシリンダ
壁に設けられた吐出制御バルブ付きの吐出ポートと、下
側ピストンの移動範囲途中に対応しシリンダ壁に設けら
れた掃気ポートと、掃気ポートと対向するシリンダ壁部
分と下側シリンダの下方空間を連通する第2のガス通路
と、下側ピストンの下方空間に対応しシリンダ壁に設け
られた吸気制御バルブ付きの吸気ポートとから、ガス処
理装置を構成している。
【0008】請求項2では、一シリンダ内の上下位置に
気密状態で摺動自在に配置された2つのピストンと、両
ピストンを所定の位相差をもって上下動させる駆動機構
と、蓄熱材を内蔵し上側ピストン内に配置された処理器
と、上側ピストンの上方空間に対応しシリンダ壁に設け
られた吐出制御バルブ付きの吐出ポートと、下側ピスト
ンの移動範囲途中に対応しシリンダ壁に設けられた掃気
ポートと、掃気ポートと対向するシリンダ壁部分と下側
シリンダの下方空間を連通するガス通路と、下側ピスト
ンの下方空間に対応しシリンダ壁に設けられた吸気制御
バルブ付きの吸気ポートとから、ガス処理装置を構成し
ている。
【0009】請求項3では、2つのシリンダと、各シリ
ンダ内に気密状態で摺動自在に配置されたピストンと、
両ピストンを所定の位相差をもって上下動させる駆動機
構と、両シリンダのピストン上方空間を連通するガス通
路と、蓄熱材を内蔵しガス通路に介装された処理器と、
一方のピストンの上方空間に対応しシリンダ壁に設けら
れた吐出制御バルブ付きの吐出ポートと、他方のピスト
ンの移動範囲途中に対応しシリンダ壁に設けられた掃気
ポート及び吸気ポートとから、ガス処理装置を構成して
いる。
【0010】請求項4では、請求項1乃至3の何れか1
項記載のガス処理装置における処理器内に、特定ガス分
を吸着する吸着材を蓄熱材と熱的に接触した状態で配置
している。
【0011】請求項5では、請求項4記載のガス処理装
置における蓄熱材として、吸着材よりも総比熱が大きい
ものを使用している。
【0012】請求項6では、請求項1乃至5の何れか1
項記載のガス処理装置における蓄熱材を、金網または金
属粒から形成している。
【0013】
【作用】請求項1に係るガス処理装置は下記の手順で作
動し、原料ガスから熱を除外して低温の製品ガスを製造
する。即ち、駆動機構の作動で上下のピストンが接近す
ると、両ピストン間で原料ガスが断熱圧縮され、高温高
圧ガスが第1のガス通路を通じて処理器に送り込まれ
る。処理器に送り込まれた高温高圧ガスは、その熱を蓄
熱材に奪われつつ該蓄熱材の低温部分を高圧状態のまま
通過し、上側ピストンの上方空間に送り込まれる。上側
ピストンの上方空間に送り込まれた低温高圧ガスは、そ
の圧力が吐出制御バルブの開放圧でに達したところで製
品ガスとして吐出ポートから吐出される。圧縮後におけ
る上側ピストンの下降課程では該ピストンの上方空間に
ある残留ガスが断熱膨張され、該ピストンの上昇課程で
この低温低圧ガスが第1のガス通路を通じて処理器に戻
される。処理器に戻された低温低圧ガスは、蓄熱材から
熱を奪いつつ該蓄熱材の高温部分を低圧状態のまま通過
し、下側ピストンの上方空間に送り込まれる。下側ピス
トンの下降課程で掃気ポート及び第2のガス通路上端が
開くと、吸気制御バルブを通じて取り込まれた新しい原
料ガスが第2のガス通路を通じて下側ピストンの上方空
間に送り込まれ、上記の戻りガスが希釈されて掃気ポー
トから放出され該空間が新しい原料ガスに置換される。
【0014】請求項2に係るガス処理装置は下記の手順
で作動し、請求項1と同様に原料ガスから熱を除外して
低温の製品ガスを製造する。即ち、駆動機構の作動で上
下のピストンが接近すると、両ピストン間で原料ガスが
断熱圧縮され、高温高圧ガスが上側ピストン内の処理器
に送り込まれる。処理器に送り込まれた高温高圧ガス
は、その熱を蓄熱材に奪われつつ該蓄熱材の低温部分を
高圧状態のまま通過し、上側ピストンの上方空間に送り
込まれる。上側ピストンの上方空間に送り込まれた低温
高圧ガスは、その圧力が吐出制御バルブの開放圧でに達
したところで製品ガスとして吐出ポートから吐出され
る。圧縮後における上側ピストンの下降課程では該ピス
トンの上方空間にある残留ガスが断熱膨張され、該ピス
トンの上昇課程でこの低温低圧ガスが処理器に戻され
る。処理器に戻された低温低圧ガスは、蓄熱材から熱を
奪いつつ該蓄熱材の高温部分を低圧状態のまま通過し、
下側ピストンの上方空間に送り込まれる。下側ピストン
の下降課程で掃気ポート及びガス通路上端が開くと、吸
気制御バルブを通じて取り込まれた新しい原料ガスがガ
ス通路を通じて下側ピストンの上方空間に送り込まれ、
上記の戻りガスが希釈されて掃気ポートから放出され該
空間が新しい原料ガスに置換される。
【0015】請求項3に係るガス処理装置は下記の手順
で作動し、原料ガスから熱を除外して低温の製品ガスを
製造する。即ち、駆動機構の作動で吸・掃気ポート側の
ピストンが上昇すると、同シリンダ内の空気が断熱圧縮
され、高温高圧ガスがガス通路を通じて処理器に送り込
まれる。処理器に送り込まれた高温高圧ガスは、その熱
を蓄熱材に奪われつつ該蓄熱材の低温部分を高圧状態の
まま通過し、吐出ポート側のシリンダ内に送り込まれ
る。吐出ポート側のシリンダ内に送り込まれた低温高圧
ガスは、その圧力が吐出制御バルブの開放圧に達したと
ころで製品ガスとして吐出ポートから吐出される。圧縮
後における吐出ポート側のピストンの下降課程では同シ
リンダ内にある残留ガスが断熱膨張され、該ピストンの
上昇課程で低温低圧ガスがガス通路を通じて処理器に戻
される。処理器に戻された低温低圧ガスは、蓄熱材から
熱を奪いつつ該蓄熱材の高温部分を低圧状態のまま通過
し、吸・掃気ポート側のシリンダ内に送り込まれる。吸
・掃気ポート側のピストンの下降課程で掃気ポート及び
吸気ポートが開くと同シリンダ内に原料ガスが送り込ま
れ、上記の戻りガスが希釈されて掃気ポートから放出さ
れ該シリンダ内が新しい原料ガスに置換される。
【0016】請求項4に係るガス処理装置は上記各装置
と同様の手順で作動し、原料ガスから特定ガス分を除外
して製品ガスを製造する。即ち、処理器に送り込まれた
高温高圧ガスは、その熱を蓄熱材に奪われ、且つガス中
の特定ガス分を吸着材に吸着されつつその低温部分を高
圧状態のまま通過する。また、処理器に戻された低温低
圧ガスは、蓄熱材から熱を奪い、且つ吸着材に吸着され
ていた特定ガス分を脱離しつつその高温部分を低圧状態
のまま通過する。
【0017】請求項5に係るガス処理装置では、吸着材
よりも大きな総比熱を有する蓄熱材によって上記の熱交
換と発熱・吸熱作用の緩和を促進できる。
【0018】請求項6に係るガス処理装置では、金網ま
たは金属粒から成る蓄熱材によって上記の熱交換を効果
的に行える。
【0019】
【実施例】図1には本発明の第1実施例を示してある。
同図に示したガス処理装置は空気から窒素を除外して酸
素富化空気を製造するためのもので、図おいて1はシリ
ンダ、2は第1ピストン、3は第2ピストン、4はクラ
ンク機構、5は処理器である。
【0020】シリンダ1は上部を2段の筒状に形成さ
れ、下部にクランク室1aを有している。このシリンダ
1の上壁一側に形成された通孔1bの上部には吐出ポー
ト1cを有する吐出室1dが画成されており、該吐出室
1d内にはコイルバネ1eによって下方に付勢されたリ
リーフ弁1fが配設されている。また、シリンダ1の上
壁他側とその下側の側壁との間には、シリンダ1内の上
部を連通するガス通路1gが形成されている。更に、シ
リンダ1の側壁中間部には掃気ポート1hが形成され、
これと対向する側壁部分とクランク室1aとの間には、
シリンダ1内の下部を連通するガス通路1iが形成され
ている。更にまた、シリンダ1の側壁下部にはクランク
室1aに臨む吸気ポート1jが形成され、該吸気ポート
1jの内側には常態で閉鎖するリード弁1kが配設され
ている。
【0021】第1ピストン2は偏平状を成し、外周面に
設けられたシールリング2aを介してシリンダ1の大径
部に気密状態で摺動自在に配置されている。この第1ピ
ストン2の下面には、第2ピストン3の上面形状に合致
した凹部2bが形成されており、またその中央には昇降
シャフト2cが垂設されている。
【0022】第2ピストン3は第1ピストン2よりも縦
長の円筒状を成し、外周面の上下に設けられたシールリ
ング3aを介してシリンダ1の小径部、つまり上記第1
ピストン2の下側位置に気密状態で摺動自在に配置され
ている。この第2ピストン3の上面には、ガス通路1i
側に向いて円弧状窪みを有する膨出部3bが形成され、
またその内部には一対のブラケット3cが垂設されてい
る。また、第2ピストン3の中央にはシールリング内蔵
の貫通孔3dが形成され、該貫通孔3dには上記昇降シ
ャフト2cが気密状態で摺動自在に挿通されている。
【0023】クランク機構4は、図2にも示すようにモ
ータ,エンジン等に連結された主軸4aと、主軸4aに
介装された一対の第1クランク4bと、第1クランク4
bの両側に90°の角度差をもって配設された2対の第
2クランク4cと、第1クランク4bの先端と第1ピス
トン2の昇降シャフト2cの下端に連結された第1コン
ロッド4dと、第2クランク4cの先端と第2ピストン
3のブラケット3cの下端に夫々連結された一対の第2
コンロッド4eから構成されている。尚、図中のθは、
第2クランク4cの最下点からのクランク角である。
【0024】このクランク機構4では、主軸4aを所定
方向に回動させることにより、各クランク4b,4cに
よって第1,第2ピストン2,3を90°の位相差をも
って上下動させることができ、第1ピストン2はシリン
ダ1の大径部を可動範囲とし、また第2ピストン3はシ
リンダ1の小径部を可動範囲として夫々上下動する。
【0025】処理器5は図3の(a)または(b)に示
す構造を有しており、上側のガス通路1bの途中に介装
されている。図3(a)の処理器5は、上下端に通孔5
aを有するケーシング5bと、ケーシング5b内の通孔
間に所定間隔をおいて配置されたステンレス製の複数枚
の金網5cと、各金網5cで画成される小空間に充填さ
れたゼオライト等の吸着材5dとから構成されている。
一方、図3(b)の処理器5は、上下端に通孔5aを有
するケーシング5bと、ケーシング5b内の端部に配置
されたステンレス製の金網5cと、金網5c間に充填さ
れたゼオライト等の吸着材5dと、吸着材5d中に分散
混合されたステンレス製の金属粒5eとから構成されて
いる。両処理器5では金網5または金属粒5eによって
蓄熱作用を発揮することが可能で、また何れの処理器5
も吸着材5dによって流通ガスの窒素を吸着できるよう
になっている。尚、以下の動作説明では上記の金網5及
び金属粒5eを蓄熱材と称して使用する。
【0026】次に、図4及び図5を参照して上記ガス処
理装置の動作を説明する。図4にはクランク角θが0
°,90°,180°,270°,360°の状態にお
ける第1,第2ピストン2,3の位置とガスの流れを示
し、また図5には第1,第2ピストン2,3の移動軌跡
とガス圧力P1及びクランク室圧力P2の変化を示して
ある。
【0027】第2ピストン3が下死点から上昇して掃気
ポート1hを閉じ、また第1ピストン2が上死点を経て
下降し始めて両ピストン2,3が徐々に接近すると、第
1,第2ピストン2,3の間の空気が断熱圧縮され、高
温高圧の空気がガス通路1gを通じて処理器5に送り込
まれる。処理器5に送り込まれた高温高圧の空気は、そ
の熱を蓄熱材に奪われ、且つ空気中の窒素を吸着材5d
に吸着されつつその低温部分を高圧状態のまま通過し
て、低温高圧の酸素富化空気が第1ピストン2の上方空
間に送り込まれる。処理器5内における上記の熱交換は
蓄熱材5dよりも総比熱が大きな蓄熱材側で主に行わ
れ、しかも吸着時に吸着材5dで生じる発熱作用の影響
を蓄熱材で緩和できるので、吸着時には吸着材5dの温
度上昇を防止することができ、高温高圧の空気をその低
温部分に高圧状態のまま通過させて窒素を効率よく吸着
することができる。
【0028】両ピストン2,3の接近によって上記のガ
ス圧力P1がリリーフ弁1fの開放圧に達すると、該リ
リーフ弁1fが開いて製品ガスである酸素富化空気が吐
出室1dを通じて吐出ポート1cから吐出される。この
吐出は第2ピストン3が上死点から僅かに下降し両ピス
トン2,3が最も近接するところまで継続される。ま
た、第2ピストン3の上昇課程ではクランク室1a内が
減圧され、これによりリード弁1kが開いて外部の空気
が吸気ポート1jからクランク室1a内に導入される。
そして、両ピストン2,3が最近接位置から離れ始めて
上記のガス圧力P1がリリーフ弁1fの開放圧よりも低
くなると、該リリーフ弁1fが閉じ吐出が終了する。
【0029】第1ピストン2が最近接位置から下死点に
至る課程では第1ピストン2の上方空間にある残留ガス
が断熱膨張され、該第1ピストン2が下死点から上昇
し、また第2ピストン3が下降して両ピストン2,3が
徐々に離反すると、この低温低圧のガスが処理器5に戻
される。処理器5に戻された低温低圧のガスは、蓄熱材
から熱を奪い、且つ吸着材5dに吸着されていた窒素を
脱離しつつその高温部分を低圧状態のまま通過して、窒
素を含んだ高温低圧のガスが第2ピストン3の上方空間
に送り込まれる。処理器5内における上記の熱交換は蓄
熱材5dよりも総比熱が大きな蓄熱材側で主に行われ、
しかも脱離時に吸着材5dで生じる吸熱作用の影響を蓄
熱材で緩和できるので、脱離時には吸着材5dの温度降
下を防止することができ、低温低圧の戻りガスをその高
温部分に低圧状態のまま通過させて窒素を効率よく脱離
することができる。
【0030】第1ピストン2がさらに上昇し、第2ピス
トン3がさらに下降して掃気ポート1hが開き、また下
側のガス通路1iの上端が開くと、第2ピストン3の下
降課程で昇圧されていたクランク室1a内の空気がガス
通路1iを通じて第2ピストン3の上方空間に送り込ま
れ、上記の戻りガスが該空気で希釈されて掃気ポート1
hから放出され、第2ピストン3の上方空間が新しい空
気に置換される。
【0031】図6には上記ガス処理装置の1サイクル動
作における第1ピストン2の上方空間K1及び第2ピス
トン3の上方空間K2夫々の容積(V)とガス圧力
(P)との関係を示してある。同図上に示すように、第
1ピストン2の上方空間K1は低圧状態(掃気圧Pa)
で圧縮を受けて昇圧し、高圧状態(リリーフ弁1fの開
放圧Pb)で膨張しつつ降圧して、右回りのPV線を描
く。一方、同図下に示すように、第2ピストン3の上方
空間K2は低圧状態(吸・掃気圧Pa)から圧縮を受け
て昇圧し、高圧状態(吐出圧Pb)から膨張しつつ降圧
して、左回りのPV線を描く。つまり、空間K1は右回
りのPV線を描くので同空間のガスは仕事をして冷却さ
れ、また空間K2は左回りのPV線を描くので同空間の
ガスは仕事を受けて加熱される。
【0032】図7には上記ガス処理装置の1サイクル動
作におけるガス温度と吸着材温度の関係を示してある。
同図に示すように吸着材5dは帯状の温度変動範囲を有
するため、先に述べたように処理器5内に送り込まれた
高温高圧の空気は吸着材5dの低温部分を通過し、また
処理器5内に戻された低温低圧のガスは吸着材5dの高
温部分を通過することが可能で、これにより窒素の吸着
と脱着が効率よく行われる。
【0033】このように第1実施例のガス処理装置で
は、異なる位相で上下動する2つのピストン2,3の1
サイクル動作により窒素の吸着・脱離に必要な一連の行
程を行うことができるので、両ピストン2、3の上下動
速度を増しても従来のもののように動作不良を生じるこ
とがなく、高速、且つ大容量のガス処理を可能にしてそ
の処理能力を大幅に向上させることができる。
【0034】また、処理器5内における熱交換を蓄熱材
側で主に行わせ、しかも吸着材5dで生じる発熱作用及
び吸熱作用の影響を蓄熱材で緩和できるので、吸着時及
び脱着時における吸着材5dの温度変化を防止して窒素
の吸着と脱離を適正温度下で効率よく行うことができ
る。
【0035】さらに、吸着,脱離の際に吸着材5dで生
じる反応熱を抑制するための冷却・加熱手段を不要にし
て装置の小型化に貢献できる。
【0036】図9には本発明の第2実施例を示してあ
る。同図に示したガス処理装置は、第1実施例と同様
に、空気から窒素を除外して酸素富化空気を製造するた
めのもので、図おいて21はシリンダ、22は第1ピス
トン、23は第2ピストン、24はクランク機構、25
は処理器である。
【0037】シリンダ21は上部を2段の筒状に形成さ
れ、下部にクランク室21aを有している。このシリン
ダ21の上壁一側に形成された通孔21bの上部には吐
出ポート21cを有する吐出室21dが画成されてお
り、該吐出室21d内にはコイルバネ21eによって下
方に付勢されたリリーフ弁21fが配設されている。ま
た、シリンダ21の側壁中間部には掃気ポート21gが
形成され、これと対向する側壁部分とクランク室21a
との間には、シリンダ11内の下部を連通するガス通路
21hが形成されている。更に、シリンダ21の側壁下
部にはクランク室21aに臨む吸気ポート21iが形成
され、該吸気ポート21iの内側には常態で閉鎖するリ
ード弁21jが配設されている。
【0038】第1ピストン22は偏平円筒状を成し、外
周面に設けられたシールリング22aを介してシリンダ
21の大径部に気密状態で摺動自在に配置されている。
この第1ピストン22の下面には、第2ピストン23の
外径に合致した凹部2bが形成され、またその上面には
通孔22cが形成されている。また、第1ピストン22
の凹部22bには、上端に円板部22dを該円板部22
dに通孔22eを有する昇降シャフト22fが垂設され
ている。
【0039】第2ピストン23は第1ピストン22より
も縦長の円筒状を成し、外周面の上下に設けられたシー
ルリング23aを介してシリンダ21の小径部、つまり
上記第1ピストン22の下側位置に気密状態で摺動自在
に配置されている。この第2ピストン23の上面には、
ガス通路21h側に向いて円弧状窪みを有する膨出部2
3bが形成され、またその内部には一対のブラケット2
3cが垂設されている。また、第2ピストン23の中央
にはシールリング内蔵の貫通孔23dが形成され、該貫
通孔23dには上記昇降シャフト22fが気密状態で摺
動自在に挿通されている。
【0040】クランク機構24は、第1実施例と同様、
モータ,エンジン等に連結された主軸24aと、主軸2
4aに介装された一対の第1クランク24bと、第1ク
ランク24bの両側に90°の角度差をもって配設され
た2対の第2クランク24cと、第1クランク24bの
先端と第1ピストン22の昇降シャフト22fの下端に
連結された第1コンロッド24dと、第2クランク24
cの先端と第2ピストン23のブラケット23cの下端
に夫々連結された一対の第2コンロッド24eから構成
されている。尚、図中のθは、第2クランク24cの最
下点からのクランク角である。
【0041】このクランク機構24では、主軸24aを
所定方向に回動させることにより、各クランク24b,
24cによって第1,第2ピストン22,23を90°
の位相差をもって上下動させることができ、第1ピスト
ン22はシリンダ21の大径部を可動範囲とし、また第
2ピストン23はシリンダ21の小径部を可動範囲とし
て夫々上下動する。
【0042】処理器25は、第1実施例と同様、上下端
に通孔を有するケーシング内に金網を複数枚配置し該金
網間に吸着材を充填した構造、或いは上下端に通孔を有
するケーシング内に吸着材及び金属粒の混合物を充填し
た構造を有しており、第1ピストン22の凹部22b内
に配設されている。尚、以下の動作説明では上記の金網
及び金属粒を蓄熱材と称して使用する。
【0043】次に図10を参照して上記ガス処理装置の
動作を説明する。図10にはクランク角θが0°,90
°,180°,270°,360°の状態における第
1,第2ピストン22,23の位置とガスの流れを示し
てある。尚、第1,第2ピストン22,23の移動軌跡
とガス圧力及びクランク室圧力の変化は図5に示したも
のと同様である。
【0044】第2ピストン23が下死点から上昇して掃
気ポート21gを閉じ、また第1ピストン22が上死点
を経て下降し始めて両ピストン22,23が徐々に接近
すると、第1,第2ピストン22,23の間の空気が断
熱圧縮され、高温高圧の空気が第1ピストン22内の処
理器25に送り込まれる。処理器25に送り込まれた高
温高圧の空気は、その熱を蓄熱材に奪われ、且つ空気中
の窒素を吸着材に吸着されつつその低温部分を高圧状態
のまま通過して、低温高圧の酸素富化空気が第1ピスト
ン22の上方空間に送り込まれる。処理器25内におけ
る上記の熱交換は蓄熱材よりも総比熱が大きな蓄熱材側
で主に行われ、しかも吸着時に吸着材で生じる発熱作用
の影響を蓄熱材で緩和できるので、吸着時には吸着材の
温度上昇を防止することができ、高温高圧の空気をその
低温部分に高圧状態のまま通過させて窒素を効率よく吸
着することができる。
【0045】両ピストン22,23の接近によって上記
のガス圧力がリリーフ弁21fの開放圧に達すると、該
リリーフ弁21fが開いて製品ガスである酸素富化空気
が吐出室21dを通じて吐出ポート21cから吐出され
る。この吐出は第2ピストン23が上死点から僅かに下
降し両ピストン22,23が最も近接するところまで継
続される。また、第2ピストン23の上昇課程ではクラ
ンク室21a内が減圧され、これによりリード弁21j
が開いて外部の空気が吸気ポート21iからクランク室
21a内に導入される。両ピストン22,23が最近接
位置から離れ始めて上記のガス圧力がリリーフ弁21f
の開放圧よりも低くなると、該リリーフ弁21fが閉じ
吐出が終了する。
【0046】第1ピストン22が最近接位置から下死点
に至る課程では第1ピストン22の上方空間にある残留
ガスが断熱膨張され、該第1ピストン22が下死点から
上昇し、また第2ピストン23が下降して両ピストン2
2,23が徐々に離反すると、この低温低圧のガスが第
1ピストン22内の処理器25に戻される。処理器25
に戻された低温低圧のガスは、蓄熱材から熱を奪い、且
つ吸着材に吸着されていた窒素を脱離しつつその高温部
分を低圧状態のまま通過して、窒素を含んだ高温低圧の
ガスが第2ピストン23の上方空間に送り込まれる。処
理器25内における上記の熱交換は蓄熱材よりも総比熱
が大きな蓄熱材側で主に行われ、しかも脱離時に吸着材
で生じる吸熱作用の影響を蓄熱材で緩和できるので、脱
離時には吸着材の温度降下を防止することができ、低温
低圧の戻りガスをその高温部分に低圧状態のまま通過さ
せて窒素を効率よく脱離することができる。
【0047】第1ピストン22がさらに上昇し、第2ピ
ストン23がさらに下降して掃気ポート21gが開き、
また下側のガス通路21hの上端が開くと、第2ピスト
ン23の下降課程で昇圧されていたクランク室21a内
の空気がガス通路21hを通じて第2ピストン23の上
方空間に送り込まれ、上記の戻りガスが該空気で希釈さ
れて掃気ポート21gから放出され、第2ピストン23
の上方空間が新しい空気に置換される。
【0048】このように第2実施例のガス処理装置で
は、処理器25を第1ピストン22内に配置した点で第
1実施例と構造を異にするが、同様の作用,効果を発揮
することができる。
【0049】図11には本発明の第3実施例を示してあ
る。同図に示したガス処理装置は、第1,第2実施例と
同様に、空気から窒素を除外して酸素富化空気を製造す
るためのもので、図おいて31は第1シリンダ、32は
第2シリンダ、33は第1ピストン、34は第2ピスト
ン、35はクランク機構、36は処理器、37は駆動モ
ータ、38はブロアである。
【0050】第1シリンダ31と第2シリンダ32は夫
々筒状を成し、共通のクランク室31aを介して90°
の角度差をもってV字状に配置されている。第1シリン
ダ31の上壁一側に形成された通孔31bの上部には吐
出ポート31cを有する吐出室31dが画成されてお
り、該吐出室31d内にはコイルバネ31eによって下
方に付勢されたリリーフ弁31fが配設されている。ま
た、第1シリンダ31の上壁他側と第2シリンダ32の
上壁との間には、両シリンダ31,32を連通するガス
通路31gが形成されている。一方、第2シリンダ32
の側壁中間部には掃気ポート32aが形成され、またこ
れと対向する側壁部分には吸気ポート32bが形成され
ており、該吸気ポート32bにはブロア37の吐出口が
接続されている。このブロア37は後述する主軸35a
にベルト連結されている。
【0051】第1ピストン33と第2ピストン34は夫
々円筒状を成し、図示省略のシールリングを介して第1
シリンダ31と第2シリンダ32に気密状態で摺動自在
に配置されている。
【0052】クランク機構35は、駆動モータ37にベ
ルト連結された主軸35aと、主軸35aに取り付けら
れたクランク35bと、クランク35bの同一箇所と第
1,第2ピストン33,34を連結する第1,第2コン
ロッド35c,35dとから構成されている。このクラ
ンク機構35では、主軸35aを所定方向に回動させる
ことにより、第1,第2ピストン33,34を90°の
位相差をもって上下動させることができる。
【0053】処理器36は、図3(a)と同様、両端に
通孔を有するケーシング36aと、ケーシング36a内
の通孔間に所定間隔をおいて配置されたステンレス製の
複数枚の金網36bと、各金網36bで画成される小空
間に充填されたゼオライト等の吸着材36cとから構成
されている。勿論、金属粒を利用した図3(b)と同様
の構造をこの処理器36に採用していもよい。尚、以下
の動作説明では上記の金網及び金属粒を蓄熱材と称して
使用する。
【0054】上述のガス処理装置では、第2ピストン3
4が下死点から上昇して掃気ポート32aを閉じると、
第2シリンダ32内の空気が断熱圧縮され、高温高圧の
空気がガス通路31gを通じて処理器36に送り込まれ
る。処理器36に送り込まれた高温高圧の空気はその熱
を蓄熱材36cに奪われ、また空気中の窒素を吸着材3
6cに吸着されつつその低温部分を高圧状態のまま通過
して、低温高圧の酸素富化空気が第1シリンダ31内に
送り込まれる。処理器36内における上記の熱交換は蓄
熱材36cよりも総比熱が大きな蓄熱材側で主に行わ
れ、しかも吸着時に吸着材36cで生じる発熱作用の影
響を蓄熱材で緩和できるので、吸着時には吸着材36c
の温度上昇を防止することができ、高温高圧の空気をそ
の低温部分に高圧状態のまま通過させて窒素を効率よく
吸着することができる。
【0055】第1シリンダ31内のガス圧力がリリーフ
弁31fの開放圧に達すると、該リリーフ弁31fが開
いて酸素富化空気が吐出室31dを通じて吐出ポート3
1cから吐出される。第2ピストン34が上死点を経て
下降し始めて上記のガス圧力がリリーフ弁31fの開放
圧よりも低くなると、該リリーフ弁31fが閉じ吐出が
終了する。
【0056】第1ピストン33が上死点から下降し始め
る課程では第1シリンダ31内にある残留ガスが断熱膨
張され、該第1ピストン33が下死点から上昇すると、
この低温低圧のガスが処理器36に戻される。処理器3
6に戻された低温低圧のガスは、蓄熱材から熱を奪い、
また吸着材36cに吸着されていた窒素を脱離しつつそ
の高温部分を低圧状態のまま通過して、窒素を含んだ高
温低圧のガスが第2シリンダ32内に送り込まれる。処
理器36内における上記の熱交換は蓄熱材36cよりも
総比熱が大きな蓄熱材側で主に行われ、しかも脱離時に
吸着材36cで生じる吸熱作用の影響を蓄熱材で緩和で
きるので、脱離時には吸着材36cの温度降下を防止す
ることができ、低温低圧の戻りガスをその高温部分に低
圧状態のまま通過させて窒素を効率よく脱離することが
できる。
【0057】第2ピストン34が下降して掃気ポート3
2a及び吸気ポート32bが開くと、第2シリンダ32
にブロア38から空気が送り込まれ、上記の戻りガスが
該空気で希釈されて掃気ポート32aから放出され、第
2シリンダ32内が新しい空気に置換される。
【0058】このように第3実施例のガス処理装置は、
シリンダをV字状に分離構成した点で第1,第2実施例
と構造を異にするが、同様の作用,効果を発揮すること
ができる。
【0059】尚、上記第1乃至第3実施例では、処理器
内の蓄熱手段として金網或いは金属粒を例示したが、吸
着材よりも総比熱が大きく、且つガス通過を妨げるもの
でなければその材質及び形状等は種々変更可能である。
【0060】また、吸着材として窒素吸着力に富むもの
を使用した例を示したが、シリカゲル,アルミナ,活性
炭等の水蒸気吸着力に富むものを代わりに用いれば空気
等の原料ガスから水蒸気を除外して低湿度ガス(乾燥ガ
ス)を製造することも可能である。つまり、除外対象と
なる特定ガス分に合わせて吸着材の種類を選択すれば、
原料ガスから同ガス分を任意に除去することができる。
【0061】さらに、エンジン,モータ等の回転駆動源
とクランク機構によって2つのピストンを所定の位相差
で上下動させるようにしたものを示したが、リニアモー
タやソレノイド等の直線駆動源を用いて両ピストンに同
様の動きを得るようにしてもよい。
【0062】さらにまた、蓄熱材のみを内蔵した処理器
を使用すれば原料ガスから熱を除外して低温ガスを製造
することも可能であり、このガス処理装置を利用すれば
冷媒を使用しない冷凍回路及び空調装置を構築できる。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至6に
係るガス処理装置によれば、異なる位相で上下動する2
つのピストンの1サイクル動作によりガス処理に必要な
一連の行程を行うことができるので、両ピストンの上下
動速度を増しても従来のもののように動作不良を生じる
ことがなく、高速、且つ大容量のガス処理を可能にして
その処理能力を大幅に向上させることができる。
【0064】請求項4に係るガス処理装置によれば上記
効果に加え、処理器内における熱交換を蓄熱材側で主に
行わせ、しかも吸着材で生じる発熱作用及び吸熱作用の
影響を蓄熱材で緩和できるので、吸着時及び脱着時にお
ける吸着材の温度変化を防止して初期のガス処理を適正
温度下で効率よく行うことができる。しかも、吸着,脱
離の際に吸着材で生じる反応熱を抑制するための冷却・
加熱手段を不要にして装置の小型化に貢献できる。
【0065】請求項5に係るガス処理装置によれば、吸
着材よりも大きな総比熱を有する蓄熱材によって上記の
熱交換と発熱・吸熱作用の緩和を促進してガス処理をよ
り一層効率よく行える。
【0066】請求項6に係るガス処理装置によれば、金
網または金属粒から成る蓄熱材によってガス流通を妨げ
ることなく上記の熱交換を効果的に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すガス処理装置の断面
【図2】ピストン及びクランク機構の断面図
【図3】処理器の断面図
【図4】動作説明図
【図5】ピストン軌跡とガス圧力との関係を示す図
【図6】シリンダ内容積とガス圧力との関係を示す図
【図7】ガス温度と吸着材温度の関係を示す図
【図8】従来例を示す揺動ガス圧利用ガス分離装置の断
面図
【図9】本発明の第2実施例を示すガス処理装置の断面
【図10】動作説明図
【図11】本発明の第3実施例を示すガス処理装置の断
面図
【符号の説明】
1…シリンダ、1a…クランク室、1c…吐出ポート、
1f…リリーフ弁、1g…ガス通路、1h…掃気ポー
ト、1i…ガス通路、1j…吸気ポート、1k…リード
弁、2…第1ピストン、3…第2ピストン、4…クラン
ク機構、5…処理器、5c…金網、5d…吸着材、5e
…金属粒、21…シリンダ、21a…クランク室、21
c…吐出ポート、21f…リリーフ弁、21g…掃気ポ
ート、21h…ガス通路、21i…吸気ポート、21j
…リード弁、22…第1ピストン、23…第2ピスト
ン、24…クランク機構、25…処理器、31…第1シ
リンダ、31a…クランク室、31c…吐出ポート、3
1f…リリーフ弁、31g…ガス通路、32…第2シリ
ンダ、32a…掃気ポート、32b…吸気ポート、33
…第1ピストン、34…第2ピストン、35…クランク
機構、36…処理器、36b…金網、36c…吸着材。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一シリンダ内の上下位置に気密状態で摺
    動自在に配置された2つのピストンと、 両ピストンを所定の位相差をもって上下動させる駆動機
    構と、 上側ピストンの上方空間と両ピストン間の空間を連通す
    る第1のガス通路と、 蓄熱材を内蔵し第1のガス通路に介装された処理器と、 上側ピストンの上方空間に対応しシリンダ壁に設けられ
    た吐出制御バルブ付きの吐出ポートと、 下側ピストンの移動範囲途中に対応しシリンダ壁に設け
    られた掃気ポートと、 掃気ポートと対向するシリンダ壁部分と下側シリンダの
    下方空間を連通する第2のガス通路と、 下側ピストンの下方空間に対応しシリンダ壁に設けられ
    た吸気制御バルブ付きの吸気ポートとから成る、 ことを特徴とするガス処理装置。
  2. 【請求項2】 一シリンダ内の上下位置に気密状態で摺
    動自在に配置された2つのピストンと、 両ピストンを所定の位相差をもって上下動させる駆動機
    構と、 蓄熱材を内蔵し上側ピストン内に配置された処理器と、 上側ピストンの上方空間に対応しシリンダ壁に設けられ
    た吐出制御バルブ付きの吐出ポートと、 下側ピストンの移動範囲途中に対応しシリンダ壁に設け
    られた掃気ポートと、 掃気ポートと対向するシリンダ壁部分と下側シリンダの
    下方空間を連通するガス通路と、 下側ピストンの下方空間に対応しシリンダ壁に設けられ
    た吸気制御バルブ付きの吸気ポートとから成る、 ことを特徴とするガス処理装置。
  3. 【請求項3】 2つのシリンダと、 各シリンダ内に気密状態で摺動自在に配置されたピスト
    ンと、 両ピストンを所定の位相差をもって上下動させる駆動機
    構と、 両シリンダのピストン上方空間を連通するガス通路と、 蓄熱材を内蔵しガス通路に介装された処理器と、 一方のピストンの上方空間に対応しシリンダ壁に設けら
    れた吐出制御バルブ付きの吐出ポートと、 他方のピストンの移動範囲途中に対応しシリンダ壁に設
    けられた掃気ポート及び吸気ポートとから成る、 ことを特徴とするガス処理装置。
  4. 【請求項4】 特定ガス分を吸着する吸着材を蓄熱材と
    熱的に接触した状態で処理器内に配置した、 ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のガ
    ス処理装置。
  5. 【請求項5】 蓄熱材の総比熱が吸着材のそれよりも大
    きい、 ことを特徴とする請求項4記載のガス処理装置。
  6. 【請求項6】 蓄熱材が金網または金属粒から成る、 ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のガ
    ス処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6056804A (en) * 1997-06-30 2000-05-02 Questor Industries Inc. High frequency rotary pressure swing adsorption apparatus
US6068679A (en) * 1996-03-04 2000-05-30 Aga Aktiebolag Process of and a device for producing a gas, containing at least one component, from a gas mixture
JP2010504196A (ja) * 2006-09-25 2010-02-12 レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード 吸着剤およびpcm凝集体を含む複合吸着床を用いるpsa法
CN110115888A (zh) * 2019-03-27 2019-08-13 吴平安 一种水洗空气除尘融霾系统设备

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