JPH0615400U - 音響信号の所定周波数成分除去装置 - Google Patents
音響信号の所定周波数成分除去装置Info
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- JPH0615400U JPH0615400U JP5685792U JP5685792U JPH0615400U JP H0615400 U JPH0615400 U JP H0615400U JP 5685792 U JP5685792 U JP 5685792U JP 5685792 U JP5685792 U JP 5685792U JP H0615400 U JPH0615400 U JP H0615400U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 通常の2チャンネルオーディオ信号を音源と
してその主信号を削除でき、また、左右の信号レベルが
多少乱れていても主成分を除去しえる、音響信号の所定
周波数成分除去装置の提供。 【構成】 本考案では適応型FIRフィルタを用いてL
チャンネル及びRチャンネル信号から主信号を削除す
る。Rチャンネル入力信号2を例にすると、Rチャンネ
ル入力信号2を3つに分岐し、分岐した1つは加算器3
でLチャンネル信号と加算し(L+R)信号とし、もう
1つは適応型FIRフィルタ6でフィルタリングしその
出力を減算器9で加算器3の出力である(L+R)信号
から差し引く。減算器9の出力LAがLチャンネル信号
から主信号を削除した信号であり、これを制御信号とし
て適応型FIRフィルタ6の係数を制御する。信号LA
はセンターに定位している低音域信号も削除してしまう
ため、逆のチャンネル(Lチャンネル)の入力信号であ
るLチャンネル入力信号1をローパスフィルタ4で帯域
制限した出力L3を加算器10で加算し(LA+L3)
信号として出力する。
してその主信号を削除でき、また、左右の信号レベルが
多少乱れていても主成分を除去しえる、音響信号の所定
周波数成分除去装置の提供。 【構成】 本考案では適応型FIRフィルタを用いてL
チャンネル及びRチャンネル信号から主信号を削除す
る。Rチャンネル入力信号2を例にすると、Rチャンネ
ル入力信号2を3つに分岐し、分岐した1つは加算器3
でLチャンネル信号と加算し(L+R)信号とし、もう
1つは適応型FIRフィルタ6でフィルタリングしその
出力を減算器9で加算器3の出力である(L+R)信号
から差し引く。減算器9の出力LAがLチャンネル信号
から主信号を削除した信号であり、これを制御信号とし
て適応型FIRフィルタ6の係数を制御する。信号LA
はセンターに定位している低音域信号も削除してしまう
ため、逆のチャンネル(Lチャンネル)の入力信号であ
るLチャンネル入力信号1をローパスフィルタ4で帯域
制限した出力L3を加算器10で加算し(LA+L3)
信号として出力する。
Description
【0001】
本考案は、ステレオ音響装置に好適な音響信号の所定周波数成分除去装置に関 する。
【0002】
従来、通常の2チャンネルオーディオ信号から主旋律となる信号(例えば、ヴ ォーカル)を削除しカラオケなどに応用する場合、片方のチャンネルの信号から 他方のチャンネルの信号を減算していた。
【0003】 図5は、通常のコンパクト・ディスク(以下、CDと記す)等の信号からヴォ ーカル信号を削除しカラオケに用いる場合の、従来技術の回路の例であり、51 はLチャンネル入力信号、52,57はローパスフィルタ(LPF)、53,5 8は減算器、54,59は加算器、56はRチャンネル入力信号である。図5に おいて、減算器53によりLチャンネル入力信号51からRチャンネル入力信号 56を、減算器58によりRチャンネル入力56からRチャンネル入力51をそ れぞれ減算する(この過程を以下、L−R、R−Lと記す)。
【0004】 この処理により、Lチャンネル入力信号とRチャンネル入力信号の中で、同位 相、同振幅成分は打ち消される。言い替えれば、Lチャンネル入力信号とRチャ ンネル入力信号の中央(センター)に定位している信号(以下、主信号と記す) が削除される。そして、通常のCD等のヴォーカル曲のヴォーカル信号はセンタ ーに定位するように録音されているため打ち消されることとなる。
【0005】 しかしながら、この処理のためセンターに定位している(ベース、ドラム等の )低音域成分も打ち消されるため、図5に示すようにローパスフィルタ52,5 7により原信号51,56からそれぞれ低音域の成分を取り出して加算器54, 59で加算し、Lチャンネルの出力信号55とRチャンネルの出力信号60を得 ている。以下、通常のCD等の信号から主信号(例えば、ヴォーカル)を削除す る処理をヴォーカル・キャンセル処理という。
【0006】
しかしながら、従来のヴォーカル・キャンセル処理にあっては次のような問題 点があった。 L−RまたはR−Lを行なうため、原信号のステレオ感(左右の定位感)が 損なわれる。 Lチャンネル及びRチャンネルの主信号の振幅が同じでないと、同位相、同 振幅成分を完全に打ち消すことができない。例えば、左右の録音レベルが乱れて いるようなカセットテープを音源として従来のヴォーカル・キャンセル処理を行 なうと主信号が残る。
【0007】 本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであり、適応型ヴォーカル・キャン セル処理により、通常の2チャンネルオーディオ信号を音源としてその主信号を 削除でき、また、左右の信号レベルが多少乱れていても主成分を除去し得る、音 響信号の所定周波数成分除去装置を提供することを目的とする。
【0008】
上記の目的を達成するために本考案の音響信号の所定周波数成分除去装置は、 2チャンネルの主成分及び副成分を含む音響信号を合成した音響合成信号を得る 音響合成手段と、各チャンネルの音響信号を入力して音響適応処理信号を得る適 応フィルタ手段と、音響合成信号と音響適応処理信号とを演算処理して各チャン ネルに対応した主成分を除去した音響信号を得る演算処理手段と、を有し、適応 フィルタ手段が、主成分を除去した音響信号を分岐入力し該適応フィルタ手段の フィルタ係数を制御することにより、主成分を除去した音響信号の自乗平均値を 最小とするように、入力した各チャンネルの音響信号を適応制御して音響適応処 理信号を得ることを特徴とする。
【0009】
上記構成により、本考案の音響信号の所定周波数成分除去装置は、音響合成手 段により2チャンネルの主成分及び副成分を含む音響信号を合成した音響合成信 号を得て、適応フィルタ手段により各チャンネルの音響信号を入力して音響適応 処理信号を得る。そして、演算処理手段により音響合成信号と音響適応処理信号 とを演算処理して該各チャンネルに対応した主成分を除去した音響信号を得る。 なお、主成分を除去した音響信号を分岐入力し該適応フィルタ手段のフィルタ係 数を制御することにより、主成分を除去した音響信号の自乗平均値を最小とする ように、入力した各チャンネルの音響信号を適応制御して音響適応処理信号を得 る。
【0010】
図1は本考案に基づく音響信号の所定周波数成分除去装置の一実施例の構成を 示すブロック図であり、1はLチャンネル入力信号、2はRチャンネル入力信号 、3は音響合成手段としての加算器、4,6はローパスフィルタ、5,7は適応 フィルタ手段としての適応型FIRフィルタ、8,9は演算処理手段としての減 算器、11は加算器である。
【0011】 本考案では適応型FIRフィルタを用いてLチャンネル及びRチャンネル信号 から主信号を削除する。このためにL+R信号にR信号(又はL信号)をフィル タリングして適応させ、その結果、L信号(又はR信号)から主信号を削除した 信号が作成される。以下、図1により本考案の装置の動作について述べる。
【0012】 Rチャンネル入力信号2を例にすると、Rチャンネル入力信号2は3つに分岐 される。分岐した1つは加算器3でLチャンネル信号と加算し(L+R)信号と なる。もう1つは適応型FIRフィルタ6でフィルタリングされる。適応型FI Rフィルタ6の出力は減算器9により加算器3の出力である(L+R)信号から 差し引かれる。この減算器9の出力LAがLチャンネル信号から主信号を削除し た信号であり、この信号LAを制御信号として適応型FIRフィルタ6の係数を 制御する。信号LAはセンターに定位している低音域信号も削除してしまうため 、逆のチャンネル(Lチャンネル)の入力信号であるLチャンネル入力信号1を ローパスフィルタ4で帯域制限した出力L3を加算器10で加算し(LA+L3 )信号として出力する。
【0013】 Lチャンネル入力信号1もRチャンネル入力信号の場合と同様に、3つに分岐 され、分岐した1つは加算器3でLチャンネル信号と加算し(L+R)信号とな る。もう1つは適応型FIRフィルタ5でフィルタリングされる。適応型FIR フィルタ5の出力は減算器8により加算器3の出力である(L+R)信号から差 し引かれる。この減算器8の出力RAがRチャンネル信号から主信号を削除した 信号であり、この信号RAを制御信号として適応型FIRフィルタ5の係数を制 御する。信号RAはセンターに定位している低音域信号も削除してしまうため、 逆のチャンネル(Rチャンネル)の入力信号であるRチャンネル入力信号2をロ ーパスフィルタ7で帯域制限した出力R3を加算器11で加算し(RA+R3) 信号として出力する。
【0014】 なお、ローパスフィルタ3,7のカットオフ周波数は300Hz付近が適当であ る。また、上記処理はデジタル信号処理により行なわれる。また、適応フィルタ を動作させるための適応アルゴリズムは多数あるが、本実施例ではLMSアルゴ リズムを用いている。また、FIRフィルタのタップ数は数十タップで効果を得 ることができる。以下、適応処理について述べる。
【0015】 図2は、本考案の適応処理の回路構成例を示すブロック図であり、ある目標信 号dを適応フィルタ21の出力信号yで推定する場合の回路構成である。適応フ ィルタ21の役割は、そのフィルタ係数を変えながら、yをdに近付けることで あり、言い替えれば、減算器22で目標信号から適応フィルタ21の出力yを再 引いた誤差信号eの自乗平均誤差を最小にすることである(ここで誤差信号eの 自乗平均値である自乗平均誤差をE[e2]と記す)。
【0016】 図3(A)は、Lチャンネル入力信号に対する適応処理の原理を示す説明図で あり、図3(A)において、L,Rは信号源のLチャンネル、Rチャンネルのス テレオ信号である。ここでこの信号の音像定位を図4に示すように仮定する。図 4において、41は音像Cの定位を、42はLチャンネルの音像L1の定位を、 43はRチャンネルの主信号の音像R1の定位を、44はLチャンネルスピーカ 、45はRチャンネルスピーカ、46は聴取者を示す。なお、図4は聴取者46 がLチャンネルスピーカ44及びRチャンネルスピーカ45と正三角形の頂点を なす位置でステレオ信号を聴取した場合(言い替えれば、理想的な位置でステレ オ信号を聴取した場合)の音像定位を示している。
【0017】 主信号の音像CはLチャンネル及びRチャンネルにそれぞれ同位相、同振幅で 記録され、音像L1はLチャンネルのみに、音像R1はRチャンネルのみに記録 され、音像C、L1、R1に相関はないものとする。この関係を下記数式1に示 す。
【0018】
【数1】 L=L1+C R=R1+C …(1) 上記数式1より、図3のLチャンネル入力信号に対する適応処理の関係は下記 数式2で表わすことができる。但し、eは誤差であり、L’はLをフィルタリン グした結果である。
【0019】
【数2】 e=(L+R)−L’ (L1+2C+R1)−(L1+C) …(2) そして、自乗平均誤差E[e2]は下記数式3で表わされる。
【0020】
【数3】 E[e2]=E[(L1+2C+R1)−L’)2] =E[R12]+2E[R1(L1+2C−L’)] +E[(L1+2C−L’)2 …(3) また、C、L1、R1は無相関であるから、数式3の右辺第2項は0(ゼロ) となり、下記数式4となる。
【0021】
【数4】 E[e2]=E[R12]+E[(L1+2C−L’)2] …(4) ここで、E[R12]はフィルタ係数には依存しないため、適応フィルタがE [e2]を最小にすることは数式4の右辺第2項を最小にすることであり、従っ て、数式4を下記数式5で表わすことができる。
【0022】
【数5】 E[e2]≒E[R12] 上記数式5から、図3(A)に示した回路構成によりR信号から主信号Cを削 除した信号R1が得られることがわかる。また、図3(B)のようにLとL+R との関係を逆にしてもよい。
【0023】
以上説明したように本考案の音響信号の所定周波数成分除去装置によれば、原 信号のステレオ感を損なうことなく、通常の2チャンネルオーディオ信号を音源 として主信号を削除できる。また、左右の信号レベルが多少乱れていても、主信 号を削除できる。
【図1】本考案に基づく音響信号の所定周波数成分除去
装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本考案に基づく適応処理の回路構成例を示すブ
ロック図である。
ロック図である。
【図3】Lチャンネル入力信号に対する適応処理の原理
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図4】主信号の音像定位、Lチャンネルの音像定位及
びRチャンネルの音像定位の関係を示す説明図である。
びRチャンネルの音像定位の関係を示す説明図である。
【図5】通常のコンパクト・ディスク等の信号からヴォ
ーカル信号を削除する従来技術による回路の例である。
ーカル信号を削除する従来技術による回路の例である。
1 Lチャンネル入力信号 2 Rチャンネル入力信号 3 加算器(音響信号合成手段) 5,7 適応型FIR(適応フィルタ手段) 8,9 減算器(演算処理手段)
Claims (1)
- 【請求項1】 2チャンネルの主成分及び副成分を含む
音響信号を合成した音響合成信号を得る音響合成手段
と、前記各チャンネルの音響信号を入力して音響適応処
理信号を得る適応フィルタ手段と、前記音響合成信号と
前記音響適応処理信号とを演算処理して該各チャンネル
に対応した前記主成分を除去した音響信号を得る演算処
理手段と、を有し、前記適応フィルタ手段が、前記主成
分を除去した音響信号を分岐入力し該適応フィルタ手段
のフィルタ係数を制御することにより、前記主成分を除
去した音響信号の自乗平均値を最小とするように、入力
した前記各チャンネルの音響信号を適応制御して音響適
応処理信号を得ることを特徴とする音響信号の所定周波
数成分除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992056857U JP2599492Y2 (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 所定信号成分除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992056857U JP2599492Y2 (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 所定信号成分除去装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0615400U true JPH0615400U (ja) | 1994-02-25 |
JP2599492Y2 JP2599492Y2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=13039089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992056857U Expired - Lifetime JP2599492Y2 (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 所定信号成分除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2599492Y2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51148311U (ja) * | 1975-05-19 | 1976-11-27 | ||
JPS5325809U (ja) * | 1976-08-10 | 1978-03-04 | ||
JP2005006317A (ja) * | 2003-06-09 | 2005-01-06 | Samsung Electronics Co Ltd | 最小二乗アルゴリズムを利用する信号分離装置及びその方法 |
-
1992
- 1992-07-21 JP JP1992056857U patent/JP2599492Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51148311U (ja) * | 1975-05-19 | 1976-11-27 | ||
JPS5325809U (ja) * | 1976-08-10 | 1978-03-04 | ||
JP2005006317A (ja) * | 2003-06-09 | 2005-01-06 | Samsung Electronics Co Ltd | 最小二乗アルゴリズムを利用する信号分離装置及びその方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2599492Y2 (ja) | 1999-09-06 |
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Legal Events
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