JPH06151425A - 半導体装置の配線材料及びその形成方法 - Google Patents

半導体装置の配線材料及びその形成方法

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JPH06151425A
JPH06151425A JP32140692A JP32140692A JPH06151425A JP H06151425 A JPH06151425 A JP H06151425A JP 32140692 A JP32140692 A JP 32140692A JP 32140692 A JP32140692 A JP 32140692A JP H06151425 A JPH06151425 A JP H06151425A
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wiring material
thin film
semiconductor device
gas
semiconductor
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JP32140692A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Hamada
勉 浜田
Keiji Fujimagari
啓志 藤曲
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チタン薄膜の着膜時にヒロックの発生を抑制
し、更に着膜後の熱工程でのストレスによるヒロックの
発生をも抑制できる半導体装置の配線材料及びその形成
方法を提供する。 【構成】 チタン薄膜中に5〜40at.%の窒素等の
不純物を含む半導体装置の配線材料であり、Arガス等
の不活性ガスに1〜20%の窒素等の不純物ガスを添加
してスパッタリング法でチタン薄膜を着膜する半導体装
置の配線材料の形成方法であり、またチタン薄膜中に
0.1〜10at.%のアルミニウム等の異種金属又は
半導体を含む半導体装置の配線材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イメージセンサや液晶
ディスプレイ(LCD)、サーマルヘッド等の半導体装
置に使われる配線材料に係り、特に熱ストレスによって
配線材料の表面に凸状のヒロック(hillock )が発生す
るのを抑制することができる半導体装置の配線材料及び
その形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、イメージセンサや液晶ディスプレ
イ(LCD)、サーマルヘッド等の半導体装置に使用さ
れる配線材料には、クロム(Cr)、ニッケル(N
i)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等又はこれら
の合金が用いられてきた。しかし、これらを配線材料と
して使用するとなると、高温高湿で動作させる信頼性の
加速試験において、故障が発生することがあった。
【0003】これは、高湿で動作させることで水分がパ
シベーション膜の保護膜を通過して配線材料に浸透し、
そして配線材料に電流が流れると電気分解によってイオ
ン化して溶け出す電食が起こって、配線が不通となって
しまうからである。
【0004】上記配線材料に代わるものとして、電食に
よる腐食作用がCrに比べて小さいチタン(Ti)が挙
げられる。Ti膜は、水分が浸透して電流が流れると表
面に緻密な酸化物が形成されるために電食に強い材料と
なっている。また、膜の応力が小さいため絶縁層との間
が剥がれ難いとの利点から多層配線の2層目以上の配線
材料に適している。
【0005】但し、スパッタ法により形成されるTi薄
膜は、ストレスに対してはCrよりも小さく、比抵抗も
Crと同程度であが、150℃の温度で基板上に200
nm程度形成されたTi薄膜の表面には凸状の高さ50
nm程度のヒロック(hillock )が発生する。このヒロ
ックは、熱によるストレスが原子の移動(migration)
を引き起こしてTi薄膜を変形させることで発生すると
考えられている。
【0006】このヒロックはTi薄膜をパターニングす
る際のエッチング時に粒上の残渣となったり、またヒロ
ックが存在する部分について層間絶縁層が薄くなって上
下配線において層間ショートの原因となっていた。
【0007】従って、Ti薄膜の着膜方法であるスパッ
タリング法の着膜条件を変更してヒロックの発生を抑え
る方法が考えられている。具体的に説明すると、着膜条
件としての基板温度に関して、特に基板加熱を行わない
で着膜した場合が基板加熱を行った場合に比べて熱によ
るストレスが少ないためにヒロックの発生を抑えること
ができる。その他の着膜条件としてのスパッタパワーに
ついて、パワーを上げることで着膜速度を速くすること
ができるのでヒロックの発生をある程度抑えることがで
きる。
【0008】また、アルミニウム合金などでもストレス
によるヒロックの発生が報告されているが、ヒロックを
抑える方法としては、アルミニウムやアルミニウム合金
に先行技術がある。例えば、第1の先行例として、配線
をパターニングした後にアニールを行い、ヒロックを充
分に成長させてからブラシスクラバー等を使って機械的
にヒロックの突起部分を削り取って表面を平坦にしてか
ら絶縁層を形成する方法である(特開平2−1927号
公報参照)。第2の先行例として、配線となるアルミニ
ウム表面を酸化プラズマに晒すO2 アッシュ法又はO2
イオン注入によるO2 イオン・インプラテーション法等
でアルミニウム表面をアルミナ化(酸化アルミニウム:
Al23 )し、その後の熱工程での配線におけるマイ
グレーションによるストレス発生を防止してヒロックの
発生を抑える方法がある(特開平2−117154号公
報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の配線材料及びその形成方法では、以下に説明する
問題点があった。つまり、配線材料としてTi薄膜を用
い、スパッタリング法の着膜条件である基板温度につい
て、基板加熱を行わないで着膜した場合は、その後の熱
工程におけるストレスでヒロックが発生するという問題
点があった。
【0010】また、配線材料としてTi薄膜を用い、ス
パッタリング法の着膜条件であるスパッタパワーを上げ
る方法を採用しても完全にヒロックの発生を抑えること
ができないという問題点があった。
【0011】また、第1の先行例をTi薄膜に応用した
場合には、配線にキズをつけることなくヒロックのみを
削ることは困難であるし、高温で熱処理を行うことはデ
バイス特性に影響を与えるなどの二次障害が発生すると
いう問題点があった。
【0012】また、第2の先行例をTi薄膜に応用した
場合には、配線表面を絶縁物とするものであるから後工
程で電気的に他の配線と接続する際にはこの絶縁物を除
去しなければならず、半導体装置の形成処理が複雑化す
るという問題点があった。
【0013】本発明は上記実情に鑑みて為されたもの
で、Ti薄膜を主として配線材料に用いた場合に、Ti
薄膜の着膜時のヒロックの発生を抑制し、更に着膜後の
熱工程でのストレスによるヒロックの発生をも抑制する
ことができる半導体装置の配線材料及びその形成方法を
提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解
決するための請求項1記載の発明は、半導体装置の配線
材料において、チタン薄膜中に5〜40at.%の不純
物を含むことを特徴としている。
【0015】上記従来例の問題点を解決するための請求
項2記載の発明は、請求項1記載の半導体装置の配線材
料において、チタン薄膜中に含まれる不純物が窒素であ
ることを特徴としている。
【0016】上記従来例の問題点を解決するための請求
項3記載の発明は、請求項1記載の半導体装置の配線材
料において、チタン薄膜中に含まれる不純物が酸素であ
ることを特徴としている。
【0017】上記従来例の問題点を解決するための請求
項4記載の発明は、請求項1記載の半導体装置の配線材
料において、チタン薄膜中に含まれる不純物が水素であ
ることを特徴としている。
【0018】上記従来例の問題点を解決するための請求
項5記載の発明は、請求項1記載の半導体装置の配線材
料において、チタン薄膜中に含まれる不純物が窒素、酸
素、水素の混合物であることを特徴としている。
【0019】上記従来例の問題点を解決するための請求
項6記載の発明は、半導体装置の配線材料の形成方法に
おいて、不活性ガスを用いてスパッタリング法でチタン
薄膜を着膜する際に、不活性ガスに1〜20%の不純物
ガスを添加することを特徴としている。
【0020】上記従来例の問題点を解決するための請求
項7記載の発明は、請求項6記載の半導体装置の配線材
料の形成方法において、不活性ガスに添加される不純物
ガスが窒素ガスであることを特徴としている。
【0021】上記従来例の問題点を解決するための請求
項8記載の発明は、請求項6記載の半導体装置の配線材
料の形成方法において、不活性ガスに添加される不純物
ガスが酸素ガスであることを特徴としている。
【0022】上記従来例の問題点を解決するための請求
項9記載の発明は、請求項6記載の半導体装置の配線材
料の形成方法において、不活性ガスに添加される不純物
ガスが水素ガスであることを特徴としてる。
【0023】上記従来例の問題点を解決するための請求
項10記載の発明は、請求項6記載の半導体装置の配線
材料の形成方法において、不活性ガスに添加される不純
物ガスが窒素、酸素、水素の混合ガスであることを特徴
としている。
【0024】上記従来例の問題点を解決するための請求
項11記載の発明は、半導体装置の配線材料において、
チタン薄膜中に0.1〜10at.%の異種金属又は半
導体を含むことを特徴としている。
【0025】上記従来例の問題点を解決するための請求
項12記載の発明は、請求項11記載の半導体装置の配
線材料において、チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
半導体がシリコンであることを特徴としている。
【0026】上記従来例の問題点を解決するための請求
項13記載の発明は、請求項11記載の半導体装置の配
線材料において、チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
半導体がアルミニウムであることを特徴としている。
【0027】上記従来例の問題点を解決するための請求
項14記載の発明は、請求項11記載の半導体装置の配
線材料において、チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
半導体がモリブデンであることを特徴としている。
【0028】上記従来例の問題点を解決するための請求
項15記載の発明は、請求項11記載の半導体装置の配
線材料において、チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
半導体がタンタルであることを特徴としている。
【0029】上記従来例の問題点を解決するための請求
項16記載の発明は、請求項11記載の半導体装置の配
線材料において、チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
半導体がクロムであることを特徴としている。
【0030】上記従来例の問題点を解決するための請求
項17記載の発明は、請求項11記載の半導体装置の配
線材料において、チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
半導体がタングステンであることを特徴としている。
【0031】上記従来例の問題点を解決するための請求
項18記載の発明は、請求項11記載の半導体装置の配
線材料において、チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
半導体がジルコニウムであることを特徴としている。
【0032】上記従来例の問題点を解決するための請求
項19記載の発明は、請求項11記載の半導体装置の配
線材料において、チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
半導体がシリコン、アルミニウム、モリブデン、タンタ
ル、クロム、タングステン、ジルコニウムの合金である
ことを特徴としている。
【0033】
【作用】請求項1〜5記載の発明によれば、チタン薄膜
中に5〜40at.%の窒素、酸素、水素又はこれらの
混合物の不純物を含む半導体装置の配線材料としている
ので、チタン薄膜の結晶性を低下させ、熱ストレスによ
るヒロックの発生を抑制することができる。
【0034】請求項6〜10記載の発明によれば、チタ
ン薄膜を不活性ガスを用いてスパッタリング法で着膜す
る場合に、不活性ガスに1〜20%の窒素、酸素、水素
又はこれらの混合ガスの不純物ガスを添加する半導体装
置の配線材料の形成方法としているので、チタン薄膜の
結晶性を低下させ、熱ストレスによるヒロックの発生を
抑制することができる。
【0035】請求項11〜19記載の発明によれば、チ
タン薄膜中に0.1〜10at.%のシリコン、アルミ
ニウム、モリブデン、タンタル、クロム、タングステ
ン、ジルコニウム又はこれらの合金の異種金属又は半導
体を含む半導体装置の配線材料としているので、チタン
薄膜におけるマイグレーションを防止することができ、
チタン薄膜の表面のヒロックの発生を抑制することがで
きる。
【0036】
【実施例】本発明の一実施例について図面を参照しなが
ら説明する。第1の実施例として、チタン(Ti)薄膜
を主な材料として用い、このTi薄膜中に5〜40a
t.%(アトミックパーセント)の不純物を含めた半導
体装置の配線材料及びその形成方法について説明する。
ここで、at.%とはTiの原子数に対する不純物の原
子数のパーセンテージを表わしている。
【0037】第1の実施例のTi薄膜のDCスパッタリ
ングの代表的な着膜条件を表1に示す。着膜条件は、基
板温度が150℃で、スパッタ圧が4mTorrで、ア
ルゴン(Ar)ガス流量が150sccmで、DCパワ
ー(DC電流)が8Aである。
【0038】
【表1】
【0039】上記条件でガラス基板上に着膜したTi薄
膜の比抵抗がおよそ60μΩ・cm、ストレスが2×1
9 dyne/cm2 (Tensile)程度までであ
る。膜厚を200nm程度着膜するとTi薄膜の表面に
50nm程度のヒロックができてしまうことになるが、
Ti薄膜の着膜時にスパッタガスとしてArガスに数%
の窒素ガス(N2 ガス)を添加することで、この表面の
ヒロックをなくすことができる。
【0040】具体的には、150sccmの流量のAr
ガスに対して約1〜5%に該当する1.5〜7.5sc
cmの窒素ガスを添加すれば良い。逆に、それ以上の窒
素ガスを添加することになると、比抵抗とストレスが大
きくなる結果となる。
【0041】次に、表2を使ってN2 ガス添加の効果に
ついて説明する。表2は、N2 ガス添加量0〜5%に対
する着膜後、CVD工程(250℃)後、300℃アニ
ール後のヒロックの大きさと高さ、HF系エッチング、
Dryエッチングへのエッチング性を示した表である。
尚、表2において、エッチング性の○以外の箇所におけ
る○は「ヒロック無し」を示し、括弧内は「ヒロックの
高さ」を、その上の数値は「ヒロックの大きさ」を示し
ており、エッチング性の○は「エッチング性が良い」
を、△は「エッチング性がそれ程良くない」を、×は
「エッチング性が悪い」を示している。
【0042】
【表2】
【0043】具体的に説明すると、着膜後の後工程で加
わる加熱工程、例えば、プラズマCVDによる絶縁膜の
着膜工程で基板温度が250℃に上がった場合にヒロッ
クの発生を抑えるためには、窒素ガスの添加量を3%以
上にする必要がある。また、300℃の熱処理(アニー
ル)を行った場合にも、窒素ガスの添加量を3%以上に
する必要があり、窒素ガスの添加量が3%未満ではヒロ
ックが発生することになる。
【0044】一方、Tiのエッチング性に関しては、H
F系のエッチング液では、混入している窒素の量が多く
なる程エッチングされず、エッチング性が悪いという問
題がある。従って、HF系のエッチングではエッチング
性を考慮に入れると、窒素の添加量は3%程度が望まし
いことになる。他方、表2によると、CF4 +O2 のド
ライエッチングではエッチング性は窒素の添加量に左右
されず、良好である。
【0045】従って、窒素の添加量は、その後に加わる
熱ストレスの大きさ、Ti薄膜のエッチング加工法、許
容されるヒロックの大きさ等により選択すれば良いと思
われる。
【0046】次に、窒素を添加することについての効果
について考察する。まず、初めに考えられるのが窒素の
混入による結晶構造の変化である。Arガスに数%しか
窒素ガスを添加しない場合でも、膜中に取り込まれる窒
素量は20〜30%となる。これはTiが非常に活性で
あり、窒素ガスを添加することで反応性スパッタリング
が起こっているためである。また、結晶構造の変化はな
くとも、Ti膜中に取り込まれている窒素がTiの結晶
性に影響を与えていると考えられる。
【0047】更に、具体的に説明すると、図1の結晶配
列を示すスペクトル図に示すように、窒素ガスを添加し
たスパッタリング法により着膜されたTiは最密六方構
造のα−Tiで(010),(002),(011)に
対応するピークが観察され、このピークの位置は窒素の
添加量に対して殆ど変化していないことがわかる。尚、
図1において、横軸が角度(2θ)を、縦軸がX線回折
強度(cps)を表している。
【0048】そして、図2に窒素の添加量に対するTi
の(011)ピークのX線回折強度を示して窒素添加量
と回折強度の関係について説明すると、窒素添加量の増
加に伴い、回折強度は減少している。これはTi膜中に
窒素が混入することでTiの結晶性が低下しているもの
と思われる。また、着膜時に比較してアニールした場合
が全体的に回折強度があがっていることから、ヒロック
の発生は結晶性に関係していると推測される。従って、
窒素を添加すると結晶性が低下し、ヒロックの発生を防
止することができるものである。尚、図2において、横
軸はN2 流量(sccm)を、縦軸はX線回折強度(c
ps)を表し、実線はTi着膜時の、破線はN2 ガス中
60分間300℃でアニールした時の変化を示してお
り、スパッタ条件は表1に示した通りである。
【0049】第1の実施例について、窒素添加の例を述
べたが、他に酸素や水素、これらを混合して添加した場
合、あるいは水(H2 O)を添加した場合でも同様の効
果が得られる。
【0050】第1の実施例によれば、Ti薄膜にN2
の不純物を5〜40at.%取り込んだ半導体装置の配
線材料としているので、Tiの結晶性を低下させ、熱ス
トレスによる原子の移動(マイグレーション)を防止
し、マイグレーションによるヒロックの発生を抑制する
ことができる効果がある。
【0051】また、第1の実施例によれば、Ti薄膜を
Arガス等の不活性ガスを用いてスパッタリング法で着
膜する場合に、Arガスに1〜20%のN2 等の不純物
ガスを添加する半導体装置の配線材料の形成方法として
いるので、Tiの結晶性を低下させ、熱ストレスによる
マイグレーションを防止し、マイグレーションによるヒ
ロックの発生を抑制することができる効果がある。
【0052】次に、第2の実施例として、チタン(T
i)薄膜を主な材料として用い、このTi薄膜中に0.
1〜10at.%(アトミックパーセント)の異種金属
又は半導体を混入した半導体装置の配線材料及びその形
成方法について説明する。ここで、at.%とはTiの
原子数に対する異種金属の原子数のパーセンテージを表
わしている。
【0053】第2の実施例を理解するために、第2の実
施例のTi薄膜と従来例のTi薄膜とを比較して説明す
ることにする。ここで、第2の実施例のTi薄膜とは、
2%のシリコン(Si)を混入させたTi(TiSi2
%)薄膜であり、着膜法としてマグネトロンスパッタ法
を用いている。
【0054】Ti薄膜の着膜は、第2の実施例では純度
が99.99%のTiSi2%のターゲットを使用し、
従来例では純度が99.99%のTiのターゲットを使
用し、スパッタ条件は、表3に示すような基板温度を室
温(RT)と200℃の2水準を選択し、他の条件は全
て同じとした場合について説明する。つまり、ターゲッ
ト2種類について、それぞれ基板温度2水準の計4種類
の薄膜(膜厚0.2μm)を作成したことになる。基板
温度以外のスパッタ条件は、スパッタ圧力が4mTor
r、アルゴン(Ar)ガス流量が50sccm、DC電
流2A、ターゲットサイズがφ5インチである。
【0055】
【表3】
【0056】これらサンプルについて、着膜後の表面状
態と、200℃で1時間の熱ストレスを与えた後の表面
状態と、300℃で1時間の熱ストレスを与えた後の表
面状態とを表4に示して、ヒロックの発生状況について
説明する。
【0057】
【表4】
【0058】着膜後では、基板温度200℃で着膜した
従来のTi薄膜のサンプルのみ表面に高さが0.05μ
m(50nm)、大きさが1〜2μmのヒロックが発生
し、200℃1時間の熱ストレスを与えた後では、基板
温度が室温と200℃で着膜した従来のTi薄膜のサン
プルでは2〜3μのヒロックが発生したが、基板温度が
室温と200℃で着膜した第2の実施例のTiSi2%
薄膜のサンプルの表面は変化が見られなかった。
【0059】更に、300℃の熱ストレスを与えた後で
は、第2の実施例のTiSi2%薄膜のサンプルの表面
にも大きさが1μm程度以下のヒロックが発生したが、
従来のTi薄膜のサンプルと比べればヒロックは小さ
く、ヒロックの抑制効果は明らかである。
【0060】また、他の異種金属又は半導体としてアル
ミニウム(Al)、クロム(Cr)、モリブデン(M
o)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコ
ニウム(Zr)についても同様の実験を行ったが、いず
れも着膜後、200℃で1時間の熱ストレス後にヒロッ
クの発生はなく、Siと同様の効果を確認することがで
きた。
【0061】上記効果は、異種金属又は半導体がTi薄
膜中に均一に分布していない状態、例えば異なった異種
金属又は半導体濃度のTi膜が積層されている場合や、
膜厚方向で異種金属又は半導体濃度が変化している場合
であっても有効である。
【0062】更に、着膜法は、第2の実施例で説明した
DCマグネトロンスパッタ法だけでなく、他のスパッタ
法でもよく、またその他の着膜法、例えば蒸着やCVD
法等を用いて効果的である。
【0063】第2の実施例によれば、半導体装置として
の配線材料にTi薄膜にSi等の異種金属又は半導体を
0.1〜10at.%程度混入させた半導体装置の配線
材料としているので、Ti粒界に半導体、あるいは異種
金属又は半導体とTiとの化合物が析出し、Tiの熱応
力による原子の移動(マイグレーション)を防止するこ
とができ、そのマイグレーションによって発生するTi
薄膜表面のヒロックを抑制することができる効果があ
る。
【0064】
【発明の効果】請求項1〜5記載の発明によれば、チタ
ン薄膜中に5〜40at.%の窒素、酸素、水素又はこ
れらの混合物の不純物を含む半導体装置の配線材料とし
ているので、チタン薄膜の結晶性を低下させ、熱ストレ
スによるヒロックの発生を抑制することができる効果が
ある。
【0065】請求項6〜10記載の発明によれば、チタ
ン薄膜を不活性ガスを用いてスパッタリング法で着膜す
る場合に、不活性ガスに1〜20%の窒素、酸素、水素
又はこれらの混合ガスの不純物ガスを添加する半導体装
置の配線材料の形成方法としているので、チタン薄膜の
結晶性を低下させ、熱ストレスによるヒロックの発生を
抑制することができる効果がある。
【0066】請求項11〜19記載の発明によれば、チ
タン薄膜中に0.1〜10at.%のシリコン、アルミ
ニウム、モリブデン、タンタル、クロム、タングステ
ン、ジルコニウム又はこれらの合金の異種金属又は半導
体を含む半導体装置の配線材料としているので、チタン
薄膜におけるマイグレーションを防止することができ、
チタン薄膜の表面のヒロックの発生を抑制することがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Tiの結晶配列を示すスペクトル図である。
【図2】 Ti(011)面のX線回折強度の窒素流量
に対する変化を示す図である。
【符号の説明】
010,002,011…Tiの結晶配列スペクトルの
ピーク

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン薄膜中に5〜40at.%の不純
    物を含むことを特徴とする半導体装置の配線材料。
  2. 【請求項2】 チタン薄膜中に含まれる不純物が窒素で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の配線
    材料。
  3. 【請求項3】 チタン薄膜中に含まれる不純物が酸素で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の配線
    材料。
  4. 【請求項4】 チタン薄膜中に含まれる不純物が水素で
    あることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の配線
    材料。
  5. 【請求項5】 チタン薄膜中に含まれる不純物が窒素、
    酸素、水素の混合物であることを特徴とする請求項1記
    載の半導体装置の配線材料。
  6. 【請求項6】 不活性ガスを用いてスパッタリング法で
    チタン薄膜を着膜する際に、不活性ガスに1〜20%の
    不純物ガスを添加することを特徴とする半導体装置の配
    線材料の形成方法。
  7. 【請求項7】 不活性ガスに添加される不純物ガスが窒
    素ガスであることを特徴とする請求項6記載の半導体装
    置の配線材料の形成方法。
  8. 【請求項8】 不活性ガスに添加される不純物ガスが酸
    素ガスであることを特徴とする請求項6記載の半導体装
    置の配線材料の形成方法。
  9. 【請求項9】 不活性ガスに添加される不純物ガスが水
    素ガスであることを特徴とする請求項6記載の半導体装
    置の配線材料の形成方法。
  10. 【請求項10】 不活性ガスに添加される不純物ガスが
    窒素、酸素、水素の混合ガスであることを特徴とする請
    求項6記載の半導体装置の配線材料の形成方法。
  11. 【請求項11】 チタン薄膜中に0.1〜10at.%
    の異種金属又は半導体を含むことを特徴とする半導体装
    置の配線材料。
  12. 【請求項12】 チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
    半導体がシリコンであることを特徴とする請求項11記
    載の半導体装置の配線材料。
  13. 【請求項13】 チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
    半導体がアルミニウムであることを特徴とする請求項1
    1記載の半導体装置の配線材料。
  14. 【請求項14】 チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
    半導体がモリブデンであることを特徴とする請求項11
    記載の半導体装置の配線材料。
  15. 【請求項15】 チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
    半導体がタンタルであることを特徴とする請求項11記
    載の半導体装置の配線材料。
  16. 【請求項16】 チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
    半導体がクロムであることを特徴とする請求項11記載
    の半導体装置の配線材料。
  17. 【請求項17】 チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
    半導体がタングステンであることを特徴とする請求項1
    1記載の半導体装置の配線材料。
  18. 【請求項18】 チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
    半導体がジルコニウムであることを特徴とする請求項1
    1記載の半導体装置の配線材料。
  19. 【請求項19】 チタン薄膜中に含まれる異種金属又は
    半導体がシリコン、アルミニウム、モリブデン、タンタ
    ル、クロム、タングステン、ジルコニウムの合金である
    ことを特徴とする請求項11記載の半導体装置の配線材
    料。
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