JPH06151045A - 被覆電線を生地に編み込んだテキスタイルヒ−タ−とその編成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラッセル横糸挿入機にて被覆電線をテキスタ
イルとして生地に編み込んだテキスタイルヒ−タ−と、
その編成装置を提供する。 【構成】 被覆電線１を直列乃至並列に生地Ｓに編み込
んで成るテキスタイルヒ−タ−。ラッセル横糸挿入機２
のキャリッジ３がガイドレ−ル４に噛み合うスライダ−
５に固定され且つキャリッジ３の挟型引掛溝３ａにロ−
ラ６を装着し、ブレ−キ付モ−タ９に駆動されるリ−ル
１０から引出される被覆電線の中間に繰出しロ−ラ１１
が設けられ、前記リ−ル１０と繰出しロ−ラ１１間の被
覆電線を垂るませてその谷間上部に前記モ−タ９を始動
させるリミットスイッチ１２を下部に前記モ−タ９を停
止させる光センサ−１３を配設し、また被覆電線強制ス
トップ装置１４を組込んで前記キャリッジ３のスライダ
−５の編み幅方向極限部位に前記強制ストップ装置１４
を作動させるリミットスイッチ１５を配設したテキスタ
イルヒ−タ−編成装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、被覆電線をテキスタ
イルとして生地に編み込んだ所謂テキスタイルヒ−タ−
及びラッセル横糸挿入機を利用したその編成装置に関す
る。

【０００２】

【従来技術】これまでに裸電線を織り込んだテキスタイ
ルヒ−タ−は開発されている。しかしこれは裸電線を生
地に織り込んでいくもので、一つには絶縁上の難点があ
る。即ち生地をビニ−ル等でコ−テイ ングして絶縁して
も、屈曲運動などで孔があき、水が入るとショ−トして
しまうし、また裁断した部分の絶縁の処理が難しい。さ
らに左右に電極を作る必要があり、織り、編みの組織で
は接触が充分でないため無駄な電流が流れる。二つには
編み立ての難しさに加え美感上の問題があり、テキスタ
イル商品化にはなお問題が残されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題解決を図るため、ラッセル横糸挿入機によりニクロム
線を絶縁体とともに何とか編み込むための研究を続けて
いたが、その途上において、既に絶縁された被覆電線そ
のものを生地に編み込むことに着想した。そして後に述
べる編成装置の完成により、被覆電線を直列乃至並列に
生地に編み込んだテキスタイルヒ−タ−の実現に成功し
た。

【０００４】即ち、被覆電線は塩化ビニ−ル等の被覆材
の摩擦抵抗が大きいため、これまでのラッセル横糸挿入
機の態樣のままでは編み立てることは不可能である。即
ち技術的には横糸を挿入する際に被覆電線を編機の幅な
りにキャリッジで運んでいくのであるが、その際、動き
幅の半行程までは被覆電線を運ぶことはできるが、残り
の半行程は被覆材の摩擦抵抗及び被覆電線の自重も手伝
って二本のガイドポ−ルで支えているキャリッジがそれ
らの抵抗に負けて基軸側を基点として起き上がってしま
う。そこでキャリッジ自体の運動が被覆電線によるそれ
ら抵抗に負けないためのラッセル横糸挿入機の改変並び
に被覆電線の繰り出し制御方式を備えた編成装置を提供
しようとする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はすでに絶縁された被覆電線１そのものを直
列乃至並列に生地Ｓに編み込んでテキスタイルヒ−タ−
を構成する。またその被覆電線１に熱伝導繊維被覆線を
用いて、前記のようにテキスタイルヒ−タ−を構成す
る。

【０００６】そして上記テキスタイルヒ−タ−を製造す
るため、ラッセル横糸挿入機２のキャリッジ３が編み幅
方向に架設されたガイドレ−ル４に噛み合って摺動する
スライダ−５を介して固定され、且つそのキャリッジ３
の挟型引掛溝３ａ、３ａにロ−ラ６を装着して、ラッセ
ル横糸挿入機２によるテキスタイルヒ−タ−編成装置を
構成する。またそのように改変されたラッセル横糸挿入
機２に被覆電線１をセットするため、ブレ−キ付モ−タ
９に駆動されるリ−ル１０から引き出される被覆電線１
の中間に繰出しロ−ラ１１が設けられ、前記リ−ル１０
と繰出しロ−ラ１１間の被覆電線１を垂るませてその垂
るみの谷間上部に前記ブレ−キ付モ−タ９を始動させる
リミットスイッチ１２を配設するとともに下部に前記ブ
レ−キ付モ−タ９を停止させる光センサ−１３を配設し
て、被覆電線１の繰り出し速度を制御できるようにした
ラッセル横糸挿入機２によるテキスタイルヒ−タ−編成
装置を構成する。さらに上記被覆電線１の送込み過程
に、被覆電線強制ストップ装置１４を組み込むとともに
キャリッジ３のスライダ−５の編み幅方向極限部位に前
記被覆電線強制ストップ装置１４を作動させるリミット
スイッチ１５を配設して、被覆電線１の挿入を断続制御
できるようにしたラッセル横糸挿入機２によるテキスタ
イルヒ−タ−編成装置を構成する。

【０００７】

【装置の作用】キャリッジ３の挟型引掛溝３ａに引掛け
られる被覆電線１はロ−ラ６を介して接触するから、円
滑に且つ摩擦抵抗の少ない状態で編み幅方向に運ばれ、
またその際キャリッジ３は、編み幅方向に架設されたガ
イドレ−ル４に噛み合って摺動するスライダ−５を介し
て固定されているから、摩擦抵抗を受けた場合でも浮き
上がりの心配が解消される。そしてこのキャリッジ３ま
で被覆電線をリ−ドする過程において、まずリ−ル１０
から引き出された被覆電線１は、その垂み部分が引張ら
れて浮上しその谷間上部に配設されたリミットスイッチ
１２に接触するとブレ−キ付モ−タ９を始動させて給線
が行なわれ、再び垂み部分が生ずると下部に配設された
光センサ−１３が感知してブレ−キ付モ−タ９を停止さ
せて給線を止める。即ちこれにより被覆電線１の繰出し
速度をコントロ−ルして所謂出過ぎを防止する。次に被
覆電線１の送込み過程に被覆電線強制ストップ装置１４
を組み込み、キャリッジ３のスライダ−５の編み幅方向
極限部位に配設したリミットスイッチ１５と接続してあ
るから、キャリッジ３のスライダ−５の編み幅方向の往
復動において前記リミットスイッチ１５に接触すると強
制ストップ装置１４が働いて被覆電線１のキャリッジ３
への送込みが断続的にストップされる。

【０００８】

【実施例】

（テキスタイルヒ−タ−）図６において１が熱伝導繊維
被覆電線、具体的には「ソフレテック」（帝人の商標）
で、これを直列編みにレ−ス生地Ｓに編み込んでテキス
タイルヒ−タ−を構成する。 （編成装置）図１乃至５において、２がラッセル横糸挿
入機で、編機本体側の既設バ−８を利用して固定具７に
より編み幅方向にガイドレ−ル４が架設され、そのガイ
ドレ−ル４にスライダ−５を摺動自在に噛み合わせ、そ
のスライダ−５にボルトを介してキャリッジ３が締結固
定される。そしてそのキャリッジ３の挟型引掛溝３ａ、
３ａにはロ−ラ６を装着してある。また図１に示すよう
に、この横糸挿入機２に被覆電線１をセットするため、
ブレ−キ付モ−タ９に駆動されるリ−ル１０から引き出
される被覆電線１の中間に繰出しロ−ラ１１が設けら
れ、前記リ−ル１０と繰出しロ−ラ１１間の被覆電線１
を垂るませてその垂るみの谷間上部に前記ブレ−キ付モ
−タ９を始動させるリミットスイッチ１２を配設すると
ともに下部に前記ブレ−キ付モ−タ９を停止させる光セ
ンサ−１３を配設する。即ちこれによって被覆電線１の
繰り出し速度を制御できるようにしてある。さらに上記
被覆電線１の送込み過程に、被覆電線強制ストップ装置
１４を組み込むとともにキャリッジ３のスライダ−５の
編み幅方向極限部位に前記被覆電線強制ストップ装置１
４を作動させるリミットスイッチ１５を配設してある。
即ちこれによって被覆電線１の挿入を断続制御できるよ
うにしてある。

【０００９】

【発明の効果】本発明は以上のようで、テキスタイルヒ
−タ−としては絶縁された被覆電線そのものを生地に編
み込んであるから、製作工程が単純化され、織物のよう
に生地のほつれもなく目付けも軽い。絶縁性が確保され
ることはもとより美観上も商品化に充分耐え得る。直列
編みの製品としてはコンクリ−トの養生マット、道路の
融雪、屋根や玄関の融雪等の使用用途が開かれ、並列編
みの製品としては電気抵抗を小さくして小さなスペ−ス
で大きなカロリ−を得ることができ、医療用サポ−タ
−、輸血用サポ−タ−、整骨用温熱コルセットなど医療
品としての用途が開かれている。特に被覆電線に熱伝導
繊維を使用した態樣においては、柔軟性にすぐれ、電気
抵抗もニクロム線と変わらない。後に生地をミシン縫製
することも可能で加工性にも優れている。

【００１０】そしてこのテキスタイルヒ−タ−を編成す
るための装置も、上記作用のところで説明したように、
ラッセル横糸挿入機を利用し、キャリッジ自体の運動が
被覆電線の摩擦、自重による抵抗に負けないための改変
並びに被覆電線の繰り出し制御方式を備えているもの
で、円滑且つ確実な画一生産が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】編成装置総体の略図的側面図

【図２ 【図２ 横糸挿入機部分の拡大斜視図【図３】同上部分平面図

【図４】同上一部縦断側面図

【図５】同上作動状態を示す平面図

【図６】本発明に係るテキスタイルヒ−タ−の正面図

【符合の説明】

１ 被覆電線 ２ ラッセル横糸挿入機 ３ キャリッジ ３ａ 挟型引掛溝 ４ ガイドレ−ル ５ スライダ− ６ ロ−ラ ７ 固定具 ８ 既設バ− ９ ブレ−キ付モ−タ １０ 駆動されるリ−ル １１ 繰出しロ−ラ １２ リミットスイッチ １３ センサ− １４ 被覆電線強制ストップ装置 １５ リミットスイッチ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被覆電線（１）を直列乃至並列に生地Ｓ
   に編み込んで成るテキスタイルヒ−タ−。
2. 【請求項２】 被覆電線（１）が熱伝導繊維被覆線であ
   る請求項１のテキスタイルヒ−タ−。
3. 【請求項３】 キャリッジ（３）が編み幅方向に架設さ
   れたガイドレ−ル（４）に噛み合って摺動するスライダ
   −（５）を介して固定され、且つそのキャリッジ（３）
   の挟型引掛溝（３ａ）にロ−ラ（６）を装着て成るラッ
   セル横糸挿入機（２）によるテキスタイルヒ−タ−編成
   装置。
4. 【請求項４】 ブレ−キ付モ−タ（９）に駆動されるリ
   −ル（１０）から引き出される被覆電線（１）の中間に
   繰出しロ−ラ（１１）が設けられ、前記リ−ル（１０）
   と繰出しロ−ラ（１１）間の被覆電線（１）を垂るませ
   てその垂るみの上部に前記ブレ−キ付モ−タ（９）を始
   動させるリミットスイッチ（１２）を配設するとともに
   下部に前記ブレ−キ付モ−タ（９）を停止させるセンサ
   −（１３）を配設して被覆電線（１）の繰出し速度を制
   御するようにした請求項３のラッセル横糸挿入機（２）
   によるテキスタイルヒ−タ−編成装置。
5. 【請求項５】 被覆電線の送込み過程に、被覆電線強制
   ストップ装置（１４）を組み込むとともにキャリッジ３
   のスライダ−（５）の編み幅方向極限部位に前記被覆電
   線強制ストップ装置（１４）を作動させるリミットスイ
   ッチ（１５）を配設して被覆電線（１）の挿入を断続制
   御するようにした請求項３又は４のラッセル横糸挿入機
   （２）によるテキスタイルヒ−タ−編成装置。