JP2023177330A - 布ヒータ及び加熱部材 - Google Patents

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正秀 松本
Masahide Matsumoto
由佑 唐木
Yusuke Karaki
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Abstract

【課題】様々な形状(立体形状、平面形状)に成形でき、伸縮性に優れ、均等加熱性又は局部加温性が可能な布ヒータ、及びその布ヒータを利用した加熱部材を提供する。【解決手段】複数のループ20が導電糸10によって形成され、複数の導電糸10がループ同士20,20を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた布地と、電極糸によって構成され、布地に間隔をあけて設けられた電極部とを備えた布ヒータであって、前記所定の形状に編み込まれた布地2の形状が使用により変化し、変化の小さい小変化部位と変化が大きい大変化部位とを流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、小変化部位と大変化部位とは、ループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上が変更されて上記の課題を解決する。【選択図】図3

Description

本発明は、様々な形状(立体形状、平面形状)に成形でき、伸縮性に優れ、均等加熱性又は局部加温性が可能な布ヒータ、及びその布ヒータを利用した加熱部材に関する。
自由に伸縮する布ヒータは、市場での需要が増している。本出願人は、市場での需要に応えるために布ヒータの研究を進めてきた。特許文献1の布ヒータは、本出願人が提案したものであり、導電糸で複数のループを形成し、隣り合う導電糸のループ同士を絡めるように編まれ布地と、電極糸によって構成され、布地に間隔をあけて設けられた電極部とを備えたものである。この布ヒータでは、布地が柔軟性を有する導電糸で複数のループを形成し、ループ同士を相互に絡めることによって編み込まれて形成されているので、布地に伸縮性を持たせることができ、布地を全方向に自在に伸縮させることができる。
特許文献2の布ヒータも本出願人が提案した前記特許文献1の改良技術であって、電流が導電糸に流れて布地の温度が上昇することに伴って、隣り合う導電糸の絡み合いの形態が変化し、布地を流れる電流の経路が短縮されるか、又はループ同士の接触が増して布地の電気抵抗値が低下することを特徴としている。この布ヒータでは、別途にセンサーを用いることなく、布地自体を電気抵抗値のセンサーとして機能させることができる。
国際公開WO2013/085051号 特開2018-128402号公報
上記特許文献1は、縦方向と横方向の伸縮性をヒータ部に持たせた布ヒータであり、上記特許文献2は、布地の温度が変動した際の電気抵抗値の変動を利用した布ヒータである。
しかしながら、それら布ヒータは、いずれも丸編や経編であるため、単純な四角形の平面形状のみの作製が可能であり、立体形状の作製や所定の平面形状の作製が難しかった。さらに、それら布ヒータは、使用により大きく伸びる部位では、温度が局部的に下がってしまい、均一に加温することが難しかった。また、加温が必要な部位や加温が不要な部位について、部分的に糸の構成や編目構造を制御することができないため、面全体が均一に加熱され、部分的な温度を制御することができなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、様々な形状(立体形状、平面形状)に成形でき、伸縮性に優れ、均等加熱性又は局部加温性が可能な布ヒータを提供することにある。また、本発明の他の目的は、そうした布ヒータを利用した加熱部材を提供することにある。
本発明者は、導電性繊維を編成した布ヒータとして、(a)ヒータ部を立体形状又は所定の平面形状(例えば、台形、円形、その他の形状)とすること、(b)布地の密度、編目構造、及び導電糸の種類を部分的に変更することでヒータ部を流れる電流量や電流経路を部分的に変動させ、ヒータ性能を部分的に制御(変動)すること、の両方を解決する手段を見出し、本発明を完成させた。
(1)本発明に係る布ヒータ(第1形態)は、複数のループが導電糸によって形成され、複数の前記導電糸が前記ループ同士を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた布地と、電極糸によって構成され、前記布地に間隔をあけて設けられた電極部と、を備えた布ヒータであって、前記所定の形状に編み込まれた前記布地の形状が使用により変化した場合でも、前記変化の小さい小変化部位と前記変化が大きい大変化部位とを流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、前記小変化部位と前記大変化部位とは、前記ループの密度、前記ループの構造、及び前記導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている、ことを特徴とする。
この発明によれば、所定の形状に編み込まれた布地の形状が使用により変化した場合でも、変化の小さい小変化部位と変化が大きい大変化部位とを流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、小変化部位と大変化部位とは、ループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されているので、使用により大きく伸びる大変化部位でも小変化部位と同程度に均一に加温することができる。なお、本発明でいう「所定の形状」とは、立体形状又は所定の平面形状であり、例えば、台形、円形、その他の形状の意味である。
(2)本発明に係る布ヒータ(第1形態)において、前記変化後の前記小変化部位と前記大変化部位とを流れる電流量が同じ又は略同じである。この発明によれば、変化後の小変化部位と大変化部位とを流れる電流量が同じ又は略同じになるように、ループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更される。
(3)本発明に係る布ヒータ(第2形態)は、複数のループが導電糸によって形成され、複数の前記導電糸が前記ループ同士を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた布地と、電極糸によって構成され、前記布地に間隔をあけて設けられた電極部と、を備えた布ヒータであって、前記所定の形状に編み込まれた前記布地には編目等の編み形態が異なる部位が1又は2以上存在する場合において、前記部位を流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、前記部位での前記ループの密度、前記ループの構造、及び前記導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている、ことを特徴とする。
この発明によれば、所定の形状に編み込まれた布地には編目等の編み形態が異なる部位が1又は2以上存在する場合でも、部位を流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、前記部位でのループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されているので、編目等の編み形態が異なる1又は2以上の部位を同程度に均一に加温することができる。
(4)本発明に係る布ヒータ(第2形態)において、前記編み形態が異なる部位を流れる電流量が同じ又は略同じである。この発明によれば、編み形態が異なる1又は2以上の部位を流れる電流量が同じ又は略同じになるように、ループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更される。
(5)本発明に係る布ヒータ(第3形態)は、複数のループが導電糸によって形成され、複数の前記導電糸が前記ループ同士を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた布地と、電極糸によって構成され、前記布地に間隔をあけて設けられた電極部と、を備えた布ヒータであって、前記所定の形状に編み込まれた前記布地の1又は2以上の所定部位を流れる電流によってヒータ性能差が生じるように、前記所定部位は、前記ループの密度、前記ループの構造、及び前記導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている、ことを特徴とする。
この発明によれば、所定の形状に編み込まれた布地の1又は2以上の所定部位を流れる電流によってヒータ性能差が生じるように、その所定部位は、ループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されているので、加温する必要がある部位や加温が不要な部位を選択的に制御することができる。
(6)本発明に係る布ヒータ(第3形態)において、前記所定部位を流れる電流量が、前記所定部位以外の部位とは異なっている。この発明によれば、所定部位を流れる電流量がその所定部位以外の部位とは異なるように、ループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更される。
(7)本発明に係る布ヒータ(第1~3形態)において、前記導電糸は、(i)繊維からなる芯線と該芯線の表面を被覆する導電層とで構成されている、(ii)導電材を含有又は担持している有機繊維、又は(iii)金属線から構成されている。この発明によれば、導電糸として各種のものを任意に適用できる。
(8)本発明に係る布ヒータ(第1~3形態)において、前記電極部は、前記電流の流れる方向が前記導電糸ごとに形成された複数の前記ループの連なるウェール方向となるように設けられている。この発明によれば、電極部は、電流の流れる方向が導電糸ごとに形成された複数のループの連なるウェール方向となるように設けられているので、使用により縦や横に大きく伸びる部位であっても、電極部から安定した電流を印加することができ、上記第1~3形態の所望の加温状態にすることができる。
(9)本発明に係る布ヒータ(第1~3形態)において、前記電極部は、(1)前記電極糸で飾り縫いして構成されている、(2)前記電極糸をインレー糸として前記布地と一体的に編み込んで構成されている、及び、(3)前記電極糸をリンキングして前記布地に編み込んで構成されている、から選ばれる1又は2以上である。こうした手段のいずれかで構成されることにより、電極部を柔軟にすることができるので、布地の変形に伴って電極部を変形させることができる。
(10)本発明に係る布ヒータ(第1~3形態)において、前記複数のループが緯編により構成され、該緯編は、編機を用いて編成する際に1.5ゲージ~40ゲージとなる編機ゲージによって編成されている。なお、好ましくは、12ゲージ~30ゲージとすることができる。緯編は1本の糸がヨコ方向に進みながらループを作っていき、布地を形成する編み方であり、伸縮性やドレープ性に優れるので、こうした緯編を用いることで、本発明に係る布ヒータを容易に所定の形状にすることができるとともに、伸縮性を優れたものとすることができる。特に上記したゲージの範囲とすることが好ましい。
(11)本発明に係る布ヒータ(第1~3形態)において、前記所定の形状が立体形状である。
(12)本発明に係る布ヒータ(第1~3形態)において、前記所定の形状が筒形状である場合において、前記電極部は、前記筒形状の周長に合わせて該筒形状の外周を少なくとも1周している。
(13)本発明に係る加熱部材は、上記本発明に係る布ヒータ(第1~3形態)を成形加工してなることに特徴がある。
この発明によれば、布ヒータを様々な形状(立体形状、平面形状)に成形でき、均等加熱性又は局部加温性が可能な加熱部材とすることができる。
本発明によれば、様々な形状(立体形状、平面形状)に成形でき、伸縮性に優れ、均等加熱性又は局部加温性が可能な布ヒータを提供することができる。特に、全方向への伸縮性に優れた布ヒータであるため、曲面や複雑形状にも追従することができる。また、横編機を用いることで、布地の密度、編目構造、及び導電糸の種類を部分的に変更するができ、ヒータ部を流れる電流量、及び電流経路を部分的に変動させ、ヒータ性能を部分的に制御することができる。これにより、立体形状等において温度分布に偏りが生じないよう制御することができ、平面形状であっても用途に応じて部分的に加熱する等の温度制御が可能である。なお、第1~3形態のいずれも、布地は、柔軟性を有する導電糸で複数のループを形成し、ループ同士を相互に絡めることによって編み込まれて形成されているので、布地に伸縮性を持たせることができ、布地を全方向に自在に伸縮させることができる。
本発明に係る布ヒータの構成例である。 本発明に係る立体的(筒形状)な布ヒータの一例を示す構成図である。 布地を構成する導電糸の編み目のモデル図である。 ループの絡み合い形態での電流が流れるウェール方向の説明図である。 各種の導電糸の例であり、(A)は芯線の表面を金属層で被覆した導電糸の例であり、(B)は芯線の表面を金属箔で被覆した導電糸の例であり、(C)は導電糸を構成するフィラメント線の例であり、(D)は複数のフィラメント線を集合させて撚り線とした導電糸の例である。 筒形状の布ヒータにおいて、(A)は実際に作製した形態を示す写真であり、(B)は所定の密度(以下「標準密度」ということがある。)で布地を形成するとともに電極部の間隔を10cmとした場合の例であり、(B)は(A)の電極部間を引き伸ばして間隔を13cmとした場合の例であり、(C)は標準密度で布地を形成するとともに電極部の間隔を8cmとした場合の例である。 実施例3の布ヒータを用いて行った通電・加熱試験の結果である。 (A)は実施例4の布ヒータ(度目:35)であり、(B)は実施例4よりも低密度となるよう度目を大きくした実施例7の低密度サンプル(度目:50)であり、(C)は実施例7の低密度サンプル(度目:50)の一部の編目形状を縦長に変化させた実施例8のサンプルである。これらにおいて、上段はそれぞれの表面形態であり、中段はそれぞれの表面サーモグラフィーであり、下段はそれぞれの通電経路形態である。 横編機で編成することにより、裁断なく作製した任意の形状(例えば台形形状)の布ヒータの応用例である。 L字部分(A)とT字部分(B)に布ヒータを設置した応用例である。 布ヒータを利用した加熱部材の一例を示す応用例である。 布ヒータを利用した加熱部材の他の一例を示す応用例である。 従来の布ヒータを用いた例である。上段はあまり伸縮しない袋に適用した一例であり、下段は大きく伸縮する靴下に適用した他の一例である。 (A)は従来の布ヒータを用いた立体的な通常の靴下の例である。(B)は甲部のサーモグラフィーであり、(C)はかかと部のサーモグラフィーである。 インレーによって電極部を形成する例を示す説明図である。 リンキングによって電極部を形成する例を示す説明図である。
以下、本発明に係る布ヒータを図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態及び図面に記載した形態と同じ技術的思想の発明を含むものであり、本発明の技術的範囲は実施形態の記載や図面の記載のみに限定されるものでない。
本発明に係る布ヒータ1は、様々な形状(立体形状、平面形状)に成形でき、伸縮性に優れ、均等加熱性又は局部加温性が可能な布ヒータであり、第1形態~第3形態を含む。第1形態は、使用により大きく伸びる大変化部位でも小変化部位と同程度に均一に加温することができるものであり、第2形態は、網目等の編み形態が異なる部位を同程度に均一に加温することができるものであり、第3形態は、加温する必要がある部位や加温が不要な部位を選択的に制御することができるものである。
第1形態に係る布ヒータ1は、複数のループ20が導電糸10によって形成され、複数の前記導電糸10が前記ループ同士20,20を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた布地2と、電極糸3aによって構成され、布地2に間隔Dをあけて設けられた電極部3とを備えた布ヒータである。そして、その特徴は、所定の形状に編み込まれた布地2の形状が使用により変化した場合でも、変化の小さい小変化部位と変化が大きい大変化部位とを流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、小変化部位と大変化部位とは、ループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。
この第1形態の布ヒータ1によれば、使用により大きく伸びる大変化部位でも小変化部位と同程度に均一に加温することができる。こうした布ヒータ1では、変化後の小変化部位と大変化部位とを流れる電流量が同じ又は略同じになるように、ループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。
第2形態に係る布ヒータ1は、複数のループ20が導電糸10によって形成され、複数の前記導電糸10が前記ループ同士20,20を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた布地2と、電極糸3aによって構成され、布地2に間隔Dをあけて設けられた電極部3とを備えた布ヒータである。そして、その特徴は、所定の形状に編み込まれた布地2には編目等の編み形態が異なる部位が1又は2以上存在する場合において、そうした部位を流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、前記部位でのループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。
この第2形態の布ヒータ1によれば、網目等の編み形態が異なる部位を同程度に均一に加温することができる。こうした布ヒータ1では、編目等の編み形態が異なる部位を流れる電流量が同じ又は略同じになるように、ループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。
第3形態に係る布ヒータ1は、複数のループ20が導電糸10によって形成され、複数の前記導電糸10が前記ループ同士20,20を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた布地2と、電極糸3aによって構成され、布地2に間隔をあけて設けられた電極部3とを備えた布ヒータである。そして、その特徴は、所定の形状に編み込まれた布地2の1又は2以上の所定部位を流れる電流によってヒータ性能差が生じるように、小変化部位と大変化部位とは、ループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。
この第3形態の布ヒータ1によれば、加温する必要がある部位や加温が不要な部位を選択的に制御することができる。こうした布ヒータ1では、所定部位を流れる電流量がその所定部位以外の部位とは異なるように、ループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。
各構成要素を詳しく説明する。
[布ヒータ]
布ヒータ1は、図1の構成例に示すように、布地2と、布地2のウェール方向Yに一定の間隔Dをあけて設けられた電極部3とを有している。布ヒータ1は、図1に示す平面形状であってもよいし、図2に示す筒形状等の立体形状であってもよい。特に本発明の布ヒータ1は、立体形状で好ましい伸縮性を示し、均等加熱性又は局部加温性が可能である点に特徴がある。
<布地>
布地2は、図3に示すように、複数のループ20が導電糸10によって形成され、複数の導電糸10がループ同士20,20を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた編物である。本発明に係る布ヒータ1は、緯編みで編まれている。緯編みは、編み目を横方向に連続させる編み方であり、網目を縦方向に連続させる経編みとは異なる。緯編みで編まれた布ヒータ1は、縦横のいずれの方向にも伸縮性を持たせることができる。緯編みとして、天竺編み、リブ編み(フライス編み又はゴム編みともいう。)、パール編み(リンクス編み又はガーター編みともいう)等を挙げることができる。緯編みは、平型緯編機や丸編み機を使用することができる。
複数のループ20は緯編により構成されるが、その緯編は、編機を用いて編成する際に1.5ゲージ~40ゲージとなる編機ゲージによって編成されていることが好ましく、より好ましくは12ゲージ~30ゲージである。緯編は1本の糸がヨコ方向に進みながらループを作っていき、布地を形成する編み方であり、伸縮性やドレープ性に優れるので、こうした緯編を用いることで、本発明に係る布ヒータ1を容易に所定の形状にすることができるとともに、伸縮性を優れたものとすることができる。特に上記したゲージの範囲とすることが好ましい。
(構成)
布地2は、例えば、導電糸10だけで編んだ構成であってもよいし、一面を導電糸10で編み、他面を繊維糸(図示しない。以下同じ。)で編んだ構成であってもよいし、一面を導電糸10で編み、他面を繊維糸で編むと共に、一面と他面との間に繊維糸で編んだ中間層を設けた構成であってもよいし、一面と他面とを繊維糸で編み込み、一面と他面との間に導電糸10で編み込んだ中間層を設けた構成であってもよいし、それ以外の構成であってもよい。また、布地2は、導電糸10だけを編み込んでなる部分と、繊維糸を編み込んでなる部分とが平面状又は立体状に繋がれてなる構成にすることもできる。さらに、導電糸10を数本編み込むごとに繊維糸を定期的又は不定期的に編み込んで構成することもできる。繊維糸としては、任意に選択されたデニールの繊維糸が用いられる。
(導電糸)
導電糸10は、(i)繊維からなる芯線11とその芯線11の表面を被覆する導電層12(例えば金属層又は金属箔)とで構成されていてもよいし、(ii)導電材を含有又は担持している有機繊維で構成されていてもよいし、(iii)金属線で構成されていてもよい。導電糸10の例を図5に示す。図5(A)は、芯線11の表面を金属層からなる導電層12で被覆した導電糸10Aの例であり、図5(B)は、芯線11の表面を金属箔からなる導電層12で被覆した導電糸10Bの例であり、図5(C)は、図5(D)の導電糸10Cを構成するフィラメント線15の例であり、図5(D)は、複数のフィラメント線15を集合させて撚り線とした導電糸10Cの例である。なお、導電糸10は、導電性を有する糸に耐食加工、例えば、耐食めっきや耐食エナメル塗装等を施したものであることが好ましく、その材質は特に限定されない。
(i)の導電糸10は、図5(A)及び図5(B)に示すように、芯線11が繊維で形成され、芯線11の表面に導電層12(金属層又は金属箔)が形成されたものである。芯線11を構成する繊維は、合成繊維、天然繊維、及び合成繊維と天然繊維との混合繊維から選ぶことができる。合成繊維としては、ポリアミド繊維やポリエステル繊維を挙げることができ、ポリアミド繊維としては、例えばナイロン、ケブラー(kevlar)(登録商標)、テクニール(登録商標)を挙げることができる。ポリエステル繊維としては、例えばテトロン(登録商標)を挙げることができる。
なお、本発明に係る布ヒータ及び加熱部材は、高温にする目的があり、さらに伸縮させる必要があることから、弾性があるものの耐熱性に乏しいポリウレタン系やゴム系の糸を採用する場合は、比較的高温とならない箇所に使用することが望ましい。本発明では、縦横のいずれの方向にも伸縮性を持たせることができるように、上記した繊維で構成された複数の導電糸10がループ同士20,20を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた編物であるようにした点に特徴がある。
金属層は、例えばめっき(無電解又は電解)、蒸着、スパッタリング等によって芯線11の表面に形成することができる。金属層としては、銅、銅合金、銀、銀合金等の導電性が高いものが好ましい。金属箔は、芯線11の表面に長さ方向に螺旋状に延びるように巻き付けられていることが好ましい。芯線11は、金属箔で表面全体が被覆されている。金属箔は、銅箔や銅合金箔が好ましく用いられる。金属箔は、芯線11の種類に適応した厚さ及び幅を有するものが好ましい。例えば、維度が56dtexのポリエステルからなる芯線11を金属箔で被覆する場合は、厚さが12μmで幅が170μmの金属箔が好ましく使用される。また、太さが250デニールで維度が48dtexのポリエステルからなる芯線11を金属箔で被覆する場合は、厚さが27μmで幅が320μmの金属箔が好ましく使用される。導電糸10は、図5(A)に示すものと、図5(B)に示すものとを複数撚り合わせた集合線であってもよい。
フィラメント線15は、図5(C)に示すように、芯線11と、芯線11の外周に設けられた金属層とで構成されたものを挙げることができる。こうしたフィラメント線15を複数本撚り合わせることで、図5(D)に示す導電糸10Cとすることができる。フィラメント線15は、図5(A)と同様の構成(芯線11,導電層12)とすることができる。
(ii)の導電糸が含有又は担持する導電材としては、カーボン系導電材(カーボンブラック、カーボン繊維、グラファイト、カーボンナノチューブ等)、金属系導電材(銀、銅、ニッケル等)、導電性高分子系導電材(ポリアニリン、PEDOT:PSS等)等を挙げることができる。有機繊維としては、上記した合成繊維や天然繊維を挙げることができる。有機繊維が導電材を含有又は担持することにより、導電糸として使用できる。
(iii)の導電糸を構成する金属線としては、銅線、銅合金線、ニッケル線、ニッケル合金線、ステンレス鋼線等を挙げることができる。銅合金線としては、例えば0.3質量%の錫入り銅合金線が好適な布ヒータ1を形成する上で好ましい。金属線の線径は、発熱の程度に応じて選択して使用することできる。金属線には、めっき皮膜(無電解又は電解)が必要に応じて設けられていてもよい。めっき皮膜は、耐食性を有する例えば銀、錫、ニッケル又はその合金等の耐食性を有するものが好ましい。
導電糸10の他の例(図示しない)としては、1又は2以上の導電性素線を少なくとも含む集合線又は撚り線であってもよい。こうした集合線や撚り線は、導電性素線と非導電性素線とで構成されたものと、すべて導電性素線で構成されたものとを挙げることができる。なお、集合線や撚り線を構成する素線の本数は特に限定されない。この導電性素線は、前記した金属線と同様、例えば銅線や銅合金線等を好ましく挙げることができる。
(繊維糸)
繊維糸は、布地2の構成材料として必要に応じて含まれていてもよい。繊維糸としては、上記した芯線11を構成する繊維と同様、合成繊維、天然繊維及び合成繊維と天然繊維との混合繊維のいずれをも用いることができる。こうした繊維糸は、使用に応じた好適な太さの糸が選定される。
以上説明した布地2は、全方向に20%~200%の伸縮性を有している。また、飾り縫いして設けた電極部3は布地2の伸縮に追従して変形するので特に好ましい。こうした特性を備えた布ヒータ1は、形状が変化する対象物に密接した状態を維持して装着させるこができる。また、布ヒータ1は、複雑な形状の対象物に隙間なく装着させることができる。
<電極部>
電極部3は、図1に示すように、電極糸3aによって構成され、布地2のウェール方向に間隔Dをあけて設けられている。電極部3には、電圧を印加すると共に印加した電圧を制御するコントローラ5が配線4により接続されている。電極部3は、布地2の2箇所に所定の間隔Dをあけて設けられているが、布ヒータ1の機能を阻害しなければ2箇所以上設けてもよい。布ヒータ1が筒形状の場合には、電極部3は、筒形状の周長に合わせて該筒形状の外周を少なくとも1周している。なお、図1、図3及び図6の形態、及び後述の実施形態や実施例では、電極部3を布地2のウェール方向Yに間隔Dをあけてコース方向Xに延びるように設けた例で説明しているが、それに限定されず、そうした電極部3を布地2のコース方向Xに間隔をあけてウェール方向Yに延びるように設けたものであってもよい。
電極部3は、布地2に電極糸3aを直接縫い込んで形成する形態、あらかじめ所定の形状に形成された電極部3を布地2に接着剤で貼り付ける形態、ホチキス等の結合部材で結合させたりする形態、縫い込む形態、及び布地2を編み込む工程で電極糸3aを布地2に部分的に編み込んで形成する形態等から必要に応じて選択することができる。なお、布地2に電極糸3aを直接縫い込んで形成する形態としては、電極糸3aをリンキングして布地2に縫い込んで電極部3を形成したり(図16参照)、あらかじめ所定の形状に形成された電極部3を布地2に縫い込む等する形態としては、飾り縫いで電極部3を布地2に縫い込んで電極部3を形成したり(図6参照)、電極糸3aを布地2に部分的に編み込んで電極部3を形成する形態については、電極糸3aをインレー糸として布地2と一体的に編み込んで電極部3を形成したり(図15参照)、する方法を挙げることができる。
中でも、電極糸3aを布地2に縫い込んで形成することが好ましい。布地2に電極糸3aを縫い込んで電極部3を形成する場合、電極糸3aを「飾り縫い」という縫い方で縫い込むことにより、電極部3を布地2の伸縮に追従して自在に変形させることができる。電極部3は、布地2に固定されることが好ましいが、布地2に着脱可能に設けてもよい。以下では、布地2に電極糸3aを縫い込む「飾り縫い」で電極部3を形成する場合を説明する。
電極部3は、布地2の伸縮に応じて変形しないように電極糸3aを布地2に縫い込む形態と、布地2の伸縮に追従して自在に変形するように電極糸を布地2に縫い込む形態とを選択できるが、本発明に係る布ヒータ1は、伸縮性を高める観点から、電極部3が布地2の伸縮に追従して自在に変形する飾り縫いによって電極糸3aを布地2に縫い込むことが好ましい。なお、飾り縫いは、飾り部が布地2の両面に現れる形態でも、片面だけに現れる形態でもよい。また、一枚に形成されている布地2の場合、電極部3は、導電糸10が現れている一面側に飾り部が形成される片面飾りによって形成してもよい。飾り縫いをする際には、複数の針、例えば、2~4本の針を使用して行うことが好ましい。
電極糸3aは、線径が相対的に細い銅線又は太い銅線を芯線の外周に撚糸して形成されている。こうした電極糸3aを任意に選択することにより、布地2との間の電気的密着性を向上させると共に、電極部3を柔らかくしている。電極糸3aを構成する芯線は、上記した導電糸10で説明したものと同様の(i)~(iii)に挙げるものを選択して採用できる。なお、こうした電極糸3aで構成された電極部3は、本出願人が既に提案した特許文献1と同様のものを採用できる。
なお、飾り縫いは、別工程で経編製のテープ状の電極部を予め作製しておき、そのテープ状の電極部3を後工程で縫いつける方法であってもよい。しかし、テープ状の電極部3は、ポリウレタン糸等の弾性糸を一緒に編み込みことで伸縮性をもたせることが可能であるが、記述したようにポリウレタンは耐熱性が乏しいという難点がある。
また、図15に示すように、電極糸3aをインレー糸として布地2と一体的に編み込んで電極部3を形成したり、図16に示すように、電極糸3aをリンキングして布地2に編み込んで電極部3を形成したりする方法も、上記した飾り縫いと同様に好ましい。「飾り縫い」は、別工程で作製した電極糸3aを後付けで布地2に縫い込む方法であり、伸縮性と耐久性に優れている。また、後付けで布地2に縫い込むことから工程が増える反面、様々な形態のヒータに適用できるという利点がある。一方、「インレー」は、布地2を編みながら電極糸3aを一体的に緯糸として挿入するので後付けで取り付けるコストを削減できるという利点や図15(C)に示す筒型等の立体形状に対して電極糸3aを均等に配置できるという利点がある反面、インレーとして挿入した緯糸が延びる方向の伸縮性がやや乏しくなる。「リンキング」は、よこ編特有の縫製技術であり、後工程で電極糸3aを布地2の任意の場所に直接縫い付けることができるので、図16(A)に示すようなループ形状を作りながら縫い付けることで伸縮性が付与されるという利点がある。例えば、図16(C)に示す筒型等の立体形状の好きな場所に後から一周形成できる。
(配線とコントローラ)
配線4は、図1に示すように、電極部3に接続される。配線4は、どのような形態であってもよいが、布地2の端縁まで電極糸3aを縫い込んだ後にミシン針の位置から布地2を移動させ、布地2を間に挟まない状態で電極糸3aだけを相互に縫い合わせて形成してもよい。こうした配線4は伸縮性があるので、布ヒータ1の移動に伴って伸縮するので好ましい。
コントローラ5は、配線4により電極部3に接続されている。コントローラ5は、電圧を印加する電源としての機能と、布地2の電気抵抗値を検知する検知部としての機能と、印加する電圧を下げ若しくは増すか、又は電圧の印加を停止若しくは開始する制御部としての機能と、を有している。コントローラ5は、布地2の形態毎に予め測定された温度と電気抵抗値との関係に基づき、必要に応じた電圧を印加又は停止する。例えば、DC1.0V以上、DC25V以下の範囲の電圧を印加したり、印加を停止したりする。なお、温度の上昇や降下の際の抵抗変化率は、[電気抵抗値の変化率=ΔΩ/ΔT]で表される。ΔTは温度の変化量を表し、ΔΩは温度がΔTだけ変化したしたときの電気抵抗値の変化量を表している。
コントローラ5は、布地2への印加電圧の大きさを制御すると共に、電圧を印加するか否かも制御する。この制御は、布地2の温度をどの程度の温度まで上昇させたいか、又はどの程度の温度まで下がったら加温を開始したいかにより定められる。コントローラ5は、布地2の温度が所定の温度(例えば50℃)になったときに、布地2に印加する電圧を低下したり、電圧の印加を停止したりするように予め許容温度を設定しておき、布地2の温度が所定の温度(例えば50℃)になったときに電圧の印加を制御する。また、布地2の温度が所定の温度まで下がったときに、布地2に印加する電圧を上げたり、電圧の印加を再開したりするように予め許容温度を設定しておき、布地2の温度が所定の温度まで下がったときに電圧の印加を制御する。
上記制御は、変化した電気抵抗値又は抵抗変化率に基づいて、電圧を印加するか否かを行う。コントローラ5には記憶部があってもよく、その記憶部には、布地2に印加する電圧を低下若しくは増加させたり、又は印加電圧を停止若しくは開始させたりする電気抵抗値又は抵抗変化率が予め記憶されている。電気抵抗値又は抵抗変化率が設定した値に一致したときに、コントローラ5の制御部は、布地2に印加する電圧を低下若しくは増加させたり、又は印加電圧を停止若しくは開始させたりする。なお、検知部は本発明の検知手段を構成し、制御部は本発明の制御手段を構成している。
<第1形態~第3形態の構成>
本発明に係る布ヒータ1は、様々な形状(立体形状、平面形状)に成形でき、伸縮性に優れ、均等加熱性又は局部加温性が可能な布ヒータである点に特徴がある。そうした特徴を実現する形態として、第1~3形態を含む。第1形態は、使用により大きく伸びる大変化部位でも小変化部位と同程度に均一に加温することができるものであり、第2形態は、網目等の編み形態が異なる部位を同程度に均一に加温することができるものであり、第3形態は、加温する必要がある部位や加温が不要な部位を選択的に制御することができるものである。
(第1形態)
第1形態の布ヒータ1は、使用により大きく伸びる大変化部位でも小変化部位と同程度に均一に加温することができる。この形態では、所定の形状に編み込まれた布地2の形状が使用により変化した場合でも、変化の小さい小変化部位と変化が大きい大変化部位とを流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、小変化部位と大変化部位とは、ループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。
「形状が使用により変化した場合」とは、例えば図13の下段に示した靴下のかかと部のように、装着することでかかと部の布地が引き伸ばされて変化したような場合を意味している。このような変化が生じる場合は、後述の実験3の結果からもわかるように、変化の小さい小変化部位と変化が大きい大変化部位とが同じ表面積であっても、電極部間の編み目の数(コース数)によって電力値は異なり、例えば、通電経路が直線状で短いほど電力値は大きくなり、またコース数が少ないほどウェール方向Yへの電流量が大きくなり、結果として単位面積あたりの電力量が大きくなると考えられる。したがって、ループ形状を大きく編み、ウェール方向Yに布地が引き伸ばされた形状になると、さらに電力量が大きくなり高温となると考えられる。
このように「形状が使用により変化した場合」にもヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするためには、部分的なループ形状を制御して部分的なワット数を制御し、立体形状における均熱性をコントロールする必要がある。そのための手段として、使用により変化の小さい小変化部位と変化が大きい大変化部位とで、ループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上が変更する必要がある。
ループ20の密度については、大変化部位の度目を小変化部位の度目より小さくして密度を高めることが望ましい。ループ20の密度を高める程度は、それらの部位(小変化部位や大変化部位)をどの程度の温度にするかによっても異なるので一概に言えないが、ヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくすることを実現するように、伸び等の変化に応じて密度を調整して編成することが望ましい。
ループ20の構造については、大変化部位のループの大きさを小変化部位のループ20の大きさより小さくしてコース数を増やすことが望ましい。コース数を増すことにより、延ばされて大きく変化した大変化部位でのコース数を小変化部位と同程度にすることができる。その結果、ウェール方向Yへの電流量が大変化部位と小変化部位とで同程度にすることができ、単位面積あたりの電力量を同程度にすることができる。コース数を増す程度は、それらの部位(小変化部位や大変化部位)をどの程度の温度にするかによっても異なるので一概に言えないが、ヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくすることを実現するように、伸び等の変化に応じてループの構造(コース数等)を調整して編成することが望ましい。
導電糸10の種類については、大変化部位と小変化部位での導電糸の種類を任意に変更して、布地2の抵抗を調整することにより、ウェール方向Yへの電流量が大変化部位と小変化部位とで同程度にすることができ、単位面積あたりの電力量を同程度にすることができる。導電糸10を変更して布地2の抵抗を変える程度は、それらの部位(小変化部位や大変化部位)をどの程度の温度にするかによっても異なるので一概に言えないが、ヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくすることを実現するように、大変化部位と小変化部位での布地の抵抗を調整して編成することが望ましい。
本発明に係る布ヒータ1は、緯編みで編まれているので、部分的にループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上を変更して編むことができ、部位に応じた変更を実現できる。こうした第1形態の布ヒータ1によれば、使用により大きく伸びる大変化部位でも小変化部位と同程度に均一に加温することができる。こうした布ヒータ1では、変化後の小変化部位と大変化部位とを流れる電流量が同じ又は略同じになるように、ループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。なお、変化後の小変化部位と大変化部位とを流れる電流量が同じ又は略同じになるようにループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている場合には、本発明の第1形態の技術的範囲に含まれているといえる。
(第2形態)
第2形態の布ヒータ1は、網目等の編み形態が異なる部位を同程度に均一に加温することができる。この形態では、所定の形状に編み込まれた布地2には編目等の編み形態が異なる部位が1又は2以上存在する場合において、そうした部位を流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、前記部位でのループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。
この第2形態は、第1形態のように小変化部位と大変形部位とが存在しないけれども、編目等の編み形態が異なる部位が1又は2以上存在する場合であり、そうした場合にも温度差を同程度にできるというものである。編目等の編み形態が異なる部位が存在する場合とは、例えば図14(A)に示すように、編み目の目数を多くしてかかと部に立体形状を編成する場合等である。目数を多くしたかかと部では、第1形態での「大変形部位」というほど大きな変形をしていないが、目数が多くなることでウェール方向Yへの電流量が小さくなり、結果として単位面積あたりの電力量が小さくなって甲部よりも温度が低下する(図14(B)(C))。したがって、かかと部のような部位では、図8(B)のようにその部位だけ編目の密度を大きくしたり、図8(C)のようにその部位だけな伸張形態にしたりして、ウェール方向での電流を流れやすくして電力量を大きくして高温とすることができる。
このように編目等の編み形態が異なる部位が1又は2以上存在する場合でもヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするためには、第1形態と同様、部分的なループ形状を制御して部分的なワット数を制御し、立体形状における均熱性をコントロールする必要がある。そのための手段として、編目等の編み形態が異なる部位でのループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上が変更する必要がある。
ループ20の密度については、例えば編目を変化させて立体形状にしている場合、目数が多い部位での温度が下がりやすいので、相対的に目数の多い部分と少ない部分とで温度差を同程度にするように、目数の多い部分と少ない部分とを流れる電流量を同程度にする手段が施される。例えば、上記のように、目数が多い部位だけ編目の密度を大きくしたり伸張形態にしたりして、ウェール方向での電流を流れやすくすることが望ましい。編目の密度や伸張形態をどの程度にするかは、そうした部位をどの程度の温度にするかによっても異なるので一概に言えないが、ヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくすることを実現するように調整して編成することが望ましい。
編目の密度や伸張形態以外にも、導電糸10の種類をその部位だけ変更することで調整することができ、ウェール方向Yへの電流量を同程度にして単位面積あたりの電力量を同程度にすることができる。
本発明に係る布ヒータ1は、緯編みで編まれているので、部分的にループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上を変更して編むことが容易であり、部位に応じた変更を実現できる。なお、編目等の編み形態が異なる部位でループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている場合には、本発明の第2形態の技術的範囲に含まれているといえる。
(第3形態)
第3形態の布ヒータ1は、加温する必要がある部位や加温が不要な部位を選択的に制御することができる。この形態では、所定の形状に編み込まれた布地2の1又は2以上の所定部位を流れる電流によってヒータ性能差が生じるように、加温する必要がある部位や加温が不要な部位では、ループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。
この第3形態は、第1形態のように「形状が使用により変化した場合」であるか否かにかかわらず適用できるというものである。すなわち、例えば図13の下段に示した靴下のかかと部のように、装着することでかかと部の布地が引き伸ばされて変化したような大変化部位を他の部位よりも高い温度にしたり低い温度にしたり選択的に制御するというものである。したがって、特に局部的に温度を高める必要がある加温治療等に好ましく適用可能である。
例えば後述の実験3の結果からもわかるように、変化の小さい小変化部位と変化が大きい大変化部位とが同じ表面積であっても、電極部間の編み目の数(コース数)によって電力値は異なり、例えば、通電経路が直線状で短いほど電力値は大きくなり、またコース数が少ないほどウェール方向Yへの電流量が大きくなり、結果として単位面積あたりの電力量が大きくなると考えられる。したがって、例えば、かかと部を局部的に加温する場合には、全体を一様に形成してかかと部が他の部位よりも温度が高くなるようにしてもよいし、足の甲部を選択的に温める場合には、足の甲部に位置する部位でのループ形状を大きく編んだり、導電性の良い導電糸で局部的に編成したりすることで、甲部の電力量を大きくして高温にすることができる。
このように、局部的にヒータ性能差を生じさせるためには、ヒータ性能差を生じさせる部位のループ形状を制御してワット数を制御し、局部的にヒータ性能差が生じるようにコントロールする必要がある。そのための手段として、ループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上が変更する必要がある。
ループ20の密度については、局部的にヒータ性能差が生じさせて温度を高める部位では、他の部位よりも度目を大きくして密度を低めることが望ましい。ループ20の密度を低める程度は、局部的に加温する部位をどの程度の温度にするかによっても異なるので一概に言えないが、所望のヒータ性能差を生じさせることができるように、密度を調整して編成することが望ましい。
ループ20の構造については、局部的にヒータ性能差が生じさせて温度を高める部位では、ループの大きさを大きくしてコース数を減らすことが望ましい。コース数を減らすことにより、ウェール方向Yへの電流量が大きくなって単位面積あたりの電力量を大きくすることができる。コース数を減らす程度は、局部的に加温する部位をどの程度の温度にするかによっても異なるので一概に言えないが、ヒータ性能差を生じさせることができるように、ループの構造(コース数等)を調整して編成することが望ましい。
導電糸10の種類については、局部的にヒータ性能差が生じさせて温度を高める部位では、導電糸の種類を任意に変更して、布地2の抵抗を調整することにより、ウェール方向Yへの電流量を高めることができ、単位面積あたりの電力量を大きくすることができる。導電糸10を変更して布地2の抵抗を局部的に変える程度は、その部位をどの程度の温度にするかによっても異なるので一概に言えないが、ヒータ性能差を生じさせることができる導電糸を選択して布地の抵抗を調整して編成することが望ましい。
本発明に係る布ヒータ1は、緯編みで編まれているので、部分的にループ20の密度、ループ20の構造、及び導電糸10の種類から選ばれる1又は2以上を変更して編むことができ、部位に応じた変更を実現できる。こうした第3形態の布ヒータ1によれば、所定部位を流れる電流量がその所定部位以外の部位とは異なるように、ループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている。なお、所定部位を流れる電流量がその所定部位以外の部位とは異なるようにループの密度、ループの構造、及び導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている場合には、本発明の第3形態の技術的範囲に含まれているといえる。
<応用>
本発明に係る布ヒータ1は、使用により大きく伸びる大変化部位でも小変化部位と同程度に均一に加温することができる第1形態や、網目等の編み形態が異なる部位を同程度に均一に加温することができる第2形態や、加温する必要がある部位や加温が不要な部位を選択的に制御することができる第3形態とすることができるので、人体や動物に適用する被服類として好ましく応用できる。被服類として、例えば、加温療法を行う種々の加温布や加温装置への適用、スポーツウエア、スキーウエア、作業着、その他の一般的な衣類への適用、ベッドシーツ、手袋、靴下、サポーター、マフラー、アイマスク、膝掛け等への適用を行うことができ、極めて効果的である。
加温療法を行う種々の加温布や加温装置への適用としては、人体や動物の関節部分等の形態が変化する部分を他と同程度に加温(第1形態)したり、編み形態が異なる立体的な部位を同程度に加温したり(第2形態)、選択的に加温(第3形態)したりする場合に有効である。
また、被服類のみならず、エレクトロニクス、半導体、医療、航空宇宙、自動車、食品、石油、ガス等の産業用ヒータとして応用できる。例えば、シリコーンラバーヒータ等のフレキシブルヒータの代替としての応用や、各種工業用ヒータ(半導体製造装置配管等)としての応用、電気自動車バッテリー用ヒータへの応用、美容機器用ヒータへの応用が期待できる。
応用例としては、図9は布ヒータ1の応用例であり、台形形状の布地と電極部3の構成例の一例である。横編機で緯編を編成することにより、裁断なく任意の平面形状に作製することが可能になる。図10は、配管のL字部分(A)とT字部分(B)に布ヒータ1を設置した応用例である。様々な用途への適用が期待できる。
他の応用例として、図11は、布ヒータを利用した加熱部材の一例を示す応用例である。図11の例では、(A)の形態と(B)の形態は表裏を表している。また、図12も布ヒータ1を利用した加熱部材の他の一例を示す応用例である。これら応用例は、横編機で緯編を編成した布ヒータに成形後に成形可能になる樹脂等を含浸し、その後に成形して得たものであり、各部を他と同程度に加温(第1,2形態)したり、局部的又は選択的に加温(第3形態)したりできる加熱装置として期待できる。本発明では、編機を用いて緯編を編成するので、深絞りによっても織物等の他の手段で形成したものに比べて繊維破断が生じにくい。そのため、図11に示すような凹凸形状に賦形したり、図12に示すような深絞り加工したりすることができ、局所的な加工を実現できる。また、各部位での温度制御が可能な布ヒータ1を利用しているので、各部位での温度コントロールを行うことができる加熱部材とすることができる。
また、図13は、従来の布ヒータを用いた例である。図13の上段はあまり伸縮しない袋に適用した例であり、図13の下段は大きく伸縮する靴下に適用した例である。上記した本発明の第1実施形態でこうした温度差を解消できる。また、図14は、従来の布ヒータを用いた立体的な通常の靴下の例である。(A)は甲部のサーモグラフィーであり、(B)はかかと部のサーモグラフィーである。上記した本発明の第2実施形態でこうした温度差を解消できる。
実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
[実験1]
導電糸10である導電性繊維として、銅化合物加工アクリル紡績糸(以下「銅加工糸」という。日本エレテックス株式会社製、Eletex2、番手:1/64)、及び30デニールの銀メッキ加工ナイロン糸(以下「銀メッキ糸」という。大阪電気工業株式会社製、ODEX)を用いた。これら導電糸10を15ゲージ横編機を用い、平編にて前記した導電性繊維を標準密度(度目:35)にて筒形状に編成した(図2)。次に、経編伸縮電線(株式会社三機コンシス製、伸縮電線)を用いて、ウェール方向に間隔D(10mm)をあけた一対になるよう本縫いミシンを用いて布ヒータ上に電極部3を形成した(図2)。
(加熱試験とその結果)
上記のようにして得た筒形状の布ヒータ1を、図6(A)に示す樹脂製筒型治具(直径80mm)に装着した状態で、電圧を印加し、ΔT=30℃(室温23.5℃、湿度60%)となるように加熱試験を行なった。その結果を表1及び図7に示した。なお、図7のグラフは実施例3の結果である。図7に示すように、実施例3の銅加工糸(4本引き揃え)は、約60分程度で、23.8Ω,0.6A,15.0Vにて目的温度に達した。また、表1の結果より、実施例1の銀メッキ糸(3本引き揃え)は、約60分程度で、2.0Ω,2.1A,4.3Vにて目的温度に達した。実施例1及び実施例2の銀メッキ糸は抵抗値が小さく、電流値が非常に大きくなることが分かった。実施例1及び実施例2の銀メッキ糸及び実施例3の銅加工糸とも、均熱性に優れ、また電圧を印加してから数秒で温度が上昇しはじめ、60分程度で目的温度に達した。特に銅加工糸は抵抗値が適度に高く、安定した制御が可能であった。
Figure 2023177330000002
[実験2]
次に、実施例3で採用した銅加工糸を用いて、編成方法とヒータ性能について検討した。上記の筒形状の布ヒータ1を標準試料とし、実施例4~6の3パターンの布地について筒型治具に装着して試験に供した。なお、実施例4は、図6(B)に示すように、標準密度(度目:35)で編成し、電極部3の間隔Dを10cmとしたものを筒型治具へ装着した場合の例である。実施例5は、図6(C)に示すように、実施例4の布ヒータ1をウェール方向に引っ張りながら筒型治具へ装着し、電極部3の間隔Dを13cmに伸ばした場合の例である。実施例6は、図6(D)に示すように、標準密度(度目:35)で編成し、電極部3の間隔Dを8cmとしたものを筒型治具へ装着した場合の例である。
試験は、20.0Vの定電圧印加による60分後の電流値(A)、電気抵抗値(Ω)、電力(W)、及び温度(℃)を計測し、その結果を表2に示した。実施例4では、60分後に68.6℃に到達して安定し、抵抗値は19.8Ω(=2475O/m)となった。実施例5では、抵抗値は20.2Ωとなった。実施例6では、抵抗値は15.5Ωとなった。
Figure 2023177330000003
実施例5の結果からわかるように、布地2を引っ張ることで表面積が大きくなるが、ワット密度等に変化はないことから、単位面積あたりのワット密度が実施例4の2.5kW/mから1.9kW/mに低下していることが分かった。したがって、ヒータ性能も低下していると考えられる。次に、実施例6では、表面積あたりの電気抵抗値に変化はないが、電極部3の間隔Dが8cmに短くなっているので、通電条件が変わらない場合には、ワット密度が大きくなり、結果として温度が上昇することが分かった。これらの結果より、電極部の間隔Dがヒータ性能に大きく影響することが分かった。
[実験3]
図8(A)は実施例4の布ヒータ(度目:35)であり、図8(B)は実施例4よりも低密度となるよう度目を大きくした実施例7の低密度サンプル(度目:50)であり、図8(C)は実施例7の低密度サンプル(度目:50)の一部の編目形状を縦長に変化させた実施例8のサンプルである。これらにおいて、上段図はそれぞれの表面形態であり、中段図はそれぞれの表面サーモグラフィーであり、下段図はそれぞれの通電経路形態である。これらの結果より、実施例7の低密度サンプル(度目:50)では、表2及び図8(B)に示すように、同じ通電条件で10℃以上高温となった。
Figure 2023177330000004
以上の結果は、以下のように説明できる。電極部3はウェール方向Y(上下方向)に所定の間隔Dをあけて設けられているため、ウェール方向Yへの通電経路が主体となっている。図8(B)の実施例7は、図8(A)の実施例4と同じ表面積であるが、図8(A)の実施例4と比べて電極部間の編み目の数(コース数)が少ない。通電経路が直線状で短いほど電力値は大きくなり、またコース数が少ないほどウェール方向Yへの電流量が大きくなり、結果として図8(B)の実施例7のほうが単位面積あたりの電力量が大きくなると考えられる。したがって、図8(B)の形態で示した「低密度+引張」のように、ループ形状を大きく編み、ウェール方向Yに布地が引き伸ばされた形状になると、さらに電力量が大きくなり高温となると考えられる。以上より、部分的なループ形状の制御によって部分的なワット数を制御し、立体形状における均熱性をコントロールできる。
1 布ヒータ
2 布地
3 電極部
3a 電極糸
4 配線
5 コントローラ
10 導電糸
10A 導電糸(メッキ線)
10B 導電糸(被覆線)
10C 導電糸(撚り線)
11 芯線
12 金属層
15 フィラメント線
20 ループ
30 被装着体
D 電極部の間隔(距離)
F 電流の流れ
X コース方向
Y ウェール方向

Claims (13)

  1. 複数のループが導電糸によって形成され、複数の前記導電糸が前記ループ同士を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた布地と、電極糸によって構成され、前記布地に間隔をあけて設けられた電極部と、を備えた布ヒータであって、
    前記所定の形状に編み込まれた前記布地の形状が使用により変化した場合でも、前記変化の小さい小変化部位と前記変化が大きい大変化部位とを流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、前記小変化部位と前記大変化部位とは、前記ループの密度、前記ループの構造、及び前記導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている、ことを特徴とする布ヒータ。
  2. 前記変化後の前記小変化部位と前記大変化部位とを流れる電流量が同じ又は略同じである、請求項1に記載の布ヒータ。
  3. 複数のループが導電糸によって形成され、複数の前記導電糸が前記ループ同士を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた布地と、電極糸によって構成され、前記布地に間隔をあけて設けられた電極部と、を備えた布ヒータであって、前記所定の形状に編み込まれた前記布地には編目等の編み形態が異なる部位が1又は2以上存在する場合において、前記部位を流れる電流によってヒータ性能差を生じさせない又は生じにくくするように、前記部位での前記ループの密度、前記ループの構造、及び前記導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている、ことを特徴とする布ヒータ。
  4. 前記編み形態が異なる部位を流れる電流量が同じ又は略同じである、請求項3に記載の布ヒータ。
  5. 複数のループが導電糸によって形成され、複数の前記導電糸が前記ループ同士を絡み合わせて所定の形状に編み込まれた布地と、電極糸によって構成され、前記布地に間隔をあけて設けられた電極部と、を備えた布ヒータであって、
    前記所定の形状に編み込まれた前記布地の1又は2以上の所定部位を流れる電流によってヒータ性能差が生じるように、前記所定部位は、前記ループの密度、前記ループの構造、及び前記導電糸の種類から選ばれる1又は2以上が変更されている、ことを特徴とする布ヒータ。
  6. 前記所定部位を流れる電流量が、前記所定部位以外の部位とは異なっている、請求項5に記載の布ヒータ。
  7. 前記導電糸は、(i)繊維からなる芯線と該芯線の表面を被覆する導電層とで構成されている、(ii)導電材を含有又は担持している有機繊維、又は(iii)金属線から構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の布ヒータ。
  8. 前記電極部は、前記電流の流れる方向が、前記導電糸ごとに形成された複数の前記ループの連なるウェール方向となるように設けられている、請求項1~6のいずれか1項に記載の布ヒータ。
  9. 前記電極部は、(1)前記電極糸で飾り縫いして構成されている、(2)前記電極糸をインレー糸として前記布地と一体的に編み込んで構成されている、及び、(3)前記電極糸をリンキングして前記布地に編み込んで構成されている、から選ばれる1又は2以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の布ヒータ。
  10. 前記複数のループが緯編により構成され、該緯編は、編機を用いて編成する際に1.5ゲージ~40ゲージとなる編機ゲージによって編成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の布ヒータ。
  11. 前記所定の形状が立体形状である、請求項1~6のいずれか1項に記載の布ヒータ。
  12. 前記所定の形状が筒形状である場合において、前記電極部は、前記筒形状の周長に合わせて該筒形状の外周を少なくとも1周している、請求項1~6のいずれか1項に記載の布ヒータ。
  13. 請求項1~6のいずれか1項に記載の布ヒータを成形加工してなる、ことを特徴とする加熱部材。


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