JPH06150838A - 電子銃 - Google Patents
電子銃Info
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- JPH06150838A JPH06150838A JP5108659A JP10865993A JPH06150838A JP H06150838 A JPH06150838 A JP H06150838A JP 5108659 A JP5108659 A JP 5108659A JP 10865993 A JP10865993 A JP 10865993A JP H06150838 A JPH06150838 A JP H06150838A
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- JP
- Japan
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- cathode
- anode
- electrode
- electron gun
- glazing
- Prior art date
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- Pending
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J3/00—Details of electron-optical or ion-optical arrangements or of ion traps common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
- H01J3/02—Electron guns
- H01J3/029—Schematic arrangements for beam forming
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J23/00—Details of transit-time tubes of the types covered by group H01J25/00
- H01J23/02—Electrodes; Magnetic control means; Screens
- H01J23/06—Electron or ion guns
- H01J23/065—Electron or ion guns producing a solid cylindrical beam
Landscapes
- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
- Microwave Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 ピアース電子銃のビームパワーを増加する。
【構成】 カソードと、カソードを囲む合焦電極22
と、カソードから所定の距離に配置されたアノード12
と、アノード12を貫通する開口24と、合焦電極22
とアノード12との間に配置された少なくとも一つのグ
レージング電極30を有し、このグレージング電極30
は、カソードとアノード12との間の電極間空間に生じ
る電界の等電位線の形状を制御し、電界により形成され
る電界勾配レベルを減少する。グレージング電極30
は、第1の半径の外側半径方向曲線と第2の半径の内側
半径方向曲線から成る、二重半径方向屈曲部を有する。
と、カソードから所定の距離に配置されたアノード12
と、アノード12を貫通する開口24と、合焦電極22
とアノード12との間に配置された少なくとも一つのグ
レージング電極30を有し、このグレージング電極30
は、カソードとアノード12との間の電極間空間に生じ
る電界の等電位線の形状を制御し、電界により形成され
る電界勾配レベルを減少する。グレージング電極30
は、第1の半径の外側半径方向曲線と第2の半径の内側
半径方向曲線から成る、二重半径方向屈曲部を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改良された電子銃に関
し、特にブレークダウンを起こすことなく、作動電圧を
高くできるよう、静電界勾配を小さくした改良された電
子銃の構成に関する。
し、特にブレークダウンを起こすことなく、作動電圧を
高くできるよう、静電界勾配を小さくした改良された電
子銃の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】進行波管(以下TWTと称す)、クライ
ストロンまたは他の帯電粒子装置では、リニアビーム装
置を利用することは、当技術分野では周知である。リニ
アビーム装置において、電子銃から発生された電子ビー
ムは、一般に、RF相互作用構造体を含むトンネルすな
わちドリフト管を通って伝播される。走行終了点で電子
ビームは、使用電子ビームを効果的に捕捉するコレク
タ、すなわちビームダンプ内に入れられる。この電子ビ
ームは、装置の相互作用構造体に損失を与えることな
く、電子銃からコレクタに効果的に伝えられるよう、相
互作用構造体内の磁界または電界により合焦しなければ
ならない。
ストロンまたは他の帯電粒子装置では、リニアビーム装
置を利用することは、当技術分野では周知である。リニ
アビーム装置において、電子銃から発生された電子ビー
ムは、一般に、RF相互作用構造体を含むトンネルすな
わちドリフト管を通って伝播される。走行終了点で電子
ビームは、使用電子ビームを効果的に捕捉するコレク
タ、すなわちビームダンプ内に入れられる。この電子ビ
ームは、装置の相互作用構造体に損失を与えることな
く、電子銃からコレクタに効果的に伝えられるよう、相
互作用構造体内の磁界または電界により合焦しなければ
ならない。
【0003】特にTWTは、導波管に沿って伝わる波の
電界と、この波内で進む電子ビームとの相互作用によ
り、その特性が変わる広バンドのマイクロウェーブ管で
ある。この管では、ビーム内の電子は、波の速度よりも
若干速い速度で進み、平均して波の電磁界により遅くな
る。従って、電子の運動エネルギーの損失分は、電磁界
により波に伝えられる増加エネルギーに変わる。従っ
て、TWTは、増幅器または発振器として使用できる。
電界と、この波内で進む電子ビームとの相互作用によ
り、その特性が変わる広バンドのマイクロウェーブ管で
ある。この管では、ビーム内の電子は、波の速度よりも
若干速い速度で進み、平均して波の電磁界により遅くな
る。従って、電子の運動エネルギーの損失分は、電磁界
により波に伝えられる増加エネルギーに変わる。従っ
て、TWTは、増幅器または発振器として使用できる。
【0004】電子ビームを形成する電子銃は、一般にカ
ソードとアノードとから成る。カソードは、熱電子放出
が生じるのに十分なレベルまでカソード表面の温度を上
げるための内部ヒータを含む。アノードの電位が、カソ
ードに対し正になっていると、電子が、カソード表面か
らアノードに引き寄せられ、アノードに向かって移動す
る。空間帯電制限流内では、ビーム電流は、カソード表
面における静電界の強度により決まる。カソード、アノ
ード、および合焦電極の幾何学的形状は、流れのパター
ンを定める静電界の形状を決める。電子流は、アノード
内の開口を通過して、TWT内へ流れる。このタイプの
電子銃は、ピアース電子銃として知られている。
ソードとアノードとから成る。カソードは、熱電子放出
が生じるのに十分なレベルまでカソード表面の温度を上
げるための内部ヒータを含む。アノードの電位が、カソ
ードに対し正になっていると、電子が、カソード表面か
らアノードに引き寄せられ、アノードに向かって移動す
る。空間帯電制限流内では、ビーム電流は、カソード表
面における静電界の強度により決まる。カソード、アノ
ード、および合焦電極の幾何学的形状は、流れのパター
ンを定める静電界の形状を決める。電子流は、アノード
内の開口を通過して、TWT内へ流れる。このタイプの
電子銃は、ピアース電子銃として知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ビームのパワーをより
大きくすると、電磁波により多くのパワーが伝えられる
ので、代表的なピアース電子銃のビームパワーを大きく
することが、長い間望まれていた。作動電圧は、ビーム
の出力パワーに大体比例するので、ビームパワーを大き
くする方法として、作動電圧を高くすることが示唆され
ていた。しかしながら、作動電圧がピークの負電界勾配
により決められるスレッショルドよりも高くなると、電
界はブレークダウンを起こしやすくなる。ブレークダウ
ン状態は、電子銃とTWTの双方に最悪である。ブレー
クダウン中は、アノードとカソードまたは合焦電極との
間に高電圧アークが架橋するが、このアークは、電子銃
及びTWTを発火し、破壊し得るプラズマを引き起こ
す。例えば、600kvで作動するピアース電子銃の、合
焦電極でのピークの負電圧勾配は、約200kv/cmとな
る。この条件は、1マイクロ秒の範囲内の短パルスを作
動するには十分であるが、パルス長を5マイクロ秒以上
まで長くすると、恐らくアークが生じることになる。
大きくすると、電磁波により多くのパワーが伝えられる
ので、代表的なピアース電子銃のビームパワーを大きく
することが、長い間望まれていた。作動電圧は、ビーム
の出力パワーに大体比例するので、ビームパワーを大き
くする方法として、作動電圧を高くすることが示唆され
ていた。しかしながら、作動電圧がピークの負電界勾配
により決められるスレッショルドよりも高くなると、電
界はブレークダウンを起こしやすくなる。ブレークダウ
ン状態は、電子銃とTWTの双方に最悪である。ブレー
クダウン中は、アノードとカソードまたは合焦電極との
間に高電圧アークが架橋するが、このアークは、電子銃
及びTWTを発火し、破壊し得るプラズマを引き起こ
す。例えば、600kvで作動するピアース電子銃の、合
焦電極でのピークの負電圧勾配は、約200kv/cmとな
る。この条件は、1マイクロ秒の範囲内の短パルスを作
動するには十分であるが、パルス長を5マイクロ秒以上
まで長くすると、恐らくアークが生じることになる。
【0006】ピアース電子銃の作動電圧を高くする一つ
の方法は、グレージング(勾配緩和)電極で、電極間空
間を分割することである。この方法は、1990年6月
米国ニューヨーク州ウェストポイント、米国軍事アカデ
ミーのハイパワーマイクロウェーブ技術に関する第5回
国内会議の議事録第178〜181ページのアール・ツ
ルー(R.True)著の論文、「極ハイパワーマイクロウェ
ーブ管用の電子源およびビームトランスポートシステム
の設計(Design of Electron Sources and Beam Transp
ort Systems for Very High Power MIcrowave Tube
s)」に記載されている。この論文では、等電位線に沿
ってグレージング電極を使用すると、ブレークダウンを
生じない最大電圧がかなり高くなることが示されてい
る。ピアース電子中における最大ブレークダウン電圧の
計算方法は、米国カリフォルニア州モントレー、高電圧
ワークショップのエイ・スタップラン(A. Staprans)
著「電子銃のブレークダウン(Electron Gun Breakdown
)記載されており、ここでは下記の方程式が述べられ
ている。
の方法は、グレージング(勾配緩和)電極で、電極間空
間を分割することである。この方法は、1990年6月
米国ニューヨーク州ウェストポイント、米国軍事アカデ
ミーのハイパワーマイクロウェーブ技術に関する第5回
国内会議の議事録第178〜181ページのアール・ツ
ルー(R.True)著の論文、「極ハイパワーマイクロウェ
ーブ管用の電子源およびビームトランスポートシステム
の設計(Design of Electron Sources and Beam Transp
ort Systems for Very High Power MIcrowave Tube
s)」に記載されている。この論文では、等電位線に沿
ってグレージング電極を使用すると、ブレークダウンを
生じない最大電圧がかなり高くなることが示されてい
る。ピアース電子中における最大ブレークダウン電圧の
計算方法は、米国カリフォルニア州モントレー、高電圧
ワークショップのエイ・スタップラン(A. Staprans)
著「電子銃のブレークダウン(Electron Gun Breakdown
)記載されており、ここでは下記の方程式が述べられ
ている。
【0007】V=kL0.8
【0008】ここで、Lは最小の電極間の間隔であり、
係数kはパルス長さに依存し、1、5および100マイ
クロ秒パルスおよびDC作動に対し、ほぼ9x106、
6x106、4x106および3x106に等しい。n個
の領域を有する内部電極空間に対しては、各領域に対す
るブレークダウン電圧は、次の方程式により定められ
る。
係数kはパルス長さに依存し、1、5および100マイ
クロ秒パルスおよびDC作動に対し、ほぼ9x106、
6x106、4x106および3x106に等しい。n個
の領域を有する内部電極空間に対しては、各領域に対す
るブレークダウン電圧は、次の方程式により定められ
る。
【0009】
【数1】
【0010】よって、V’はVn0.2に等しくなる。要
するに、電極間間隔がn個の領域に分けられた場合のブ
レークダウン電圧は、非分割の電子銃の元々のブレーク
ダウン電圧よりも高くなる。
するに、電極間間隔がn個の領域に分けられた場合のブ
レークダウン電圧は、非分割の電子銃の元々のブレーク
ダウン電圧よりも高くなる。
【0011】3つのグレージング電極(n=4)を使用
する電子銃では、ブレークダウンを生じない最大電圧
は、1.32倍大きくなる。ハイパワーのクライストロ
ンでは、ピーク出力パワーは、ほぼPV2.5(ここでP
はパービアンス(比例定数)に等しい)となる。例えば
3つのグレージング電極を用いると、達成できる最大パ
ワーは倍になると予想できる。この解析は、ブレークダ
ウンの高電圧限度に影響し得る所定のファクタを無視し
ており、実際の電圧およびパワーの増加分は、2倍より
も少なくなり得るが、それでもパワーの増加分はかなり
大きい。
する電子銃では、ブレークダウンを生じない最大電圧
は、1.32倍大きくなる。ハイパワーのクライストロ
ンでは、ピーク出力パワーは、ほぼPV2.5(ここでP
はパービアンス(比例定数)に等しい)となる。例えば
3つのグレージング電極を用いると、達成できる最大パ
ワーは倍になると予想できる。この解析は、ブレークダ
ウンの高電圧限度に影響し得る所定のファクタを無視し
ており、実際の電圧およびパワーの増加分は、2倍より
も少なくなり得るが、それでもパワーの増加分はかなり
大きい。
【0012】ハイパワーの利用のために、より大きいパ
ワーを発生できる電子銃に対する要望が常にあるので、
グレージング電極を使用した従来の電子銃のビームパワ
ーよりも大きいビームパワーを発生できるピアース電子
銃が要望されている。
ワーを発生できる電子銃に対する要望が常にあるので、
グレージング電極を使用した従来の電子銃のビームパワ
ーよりも大きいビームパワーを発生できるピアース電子
銃が要望されている。
【0013】
【課題を解決すための手段】従って、本発明の主たる目
的は、グレージング電極を使用した従来のピアース電子
銃よりも大きなビームパワーを発生できるピアース電子
銃を提供することにある。
的は、グレージング電極を使用した従来のピアース電子
銃よりも大きなビームパワーを発生できるピアース電子
銃を提供することにある。
【0014】上記目的およびそれ以外の目的を達成する
ため、カソードと、カソードを囲む合焦電極と、カソー
ドから所定の距離に配置されたアノードと、アノードを
貫通する開口を有するピアース電子銃が提供される。合
焦電極とアノードとの間には、少なくとも一つのグレー
ジング電極が配置され、このグレージング電極は、カソ
ードとアノードとの間の電極間空間に生じる電界の等電
位線の位置を制御して、電界により形成される電界勾配
レベルを減少するような形状にされている。
ため、カソードと、カソードを囲む合焦電極と、カソー
ドから所定の距離に配置されたアノードと、アノードを
貫通する開口を有するピアース電子銃が提供される。合
焦電極とアノードとの間には、少なくとも一つのグレー
ジング電極が配置され、このグレージング電極は、カソ
ードとアノードとの間の電極間空間に生じる電界の等電
位線の位置を制御して、電界により形成される電界勾配
レベルを減少するような形状にされている。
【0015】本発明のある実施例では、3つのグレージ
ング電極が使用される。各グレージング電極は、第1の
半径の外側半径方向曲線と第2の半径の内側半径方向曲
線から成る、二重半径方向屈曲部を有する。これらグレ
ージング電極の端部は、丸くされている。
ング電極が使用される。各グレージング電極は、第1の
半径の外側半径方向曲線と第2の半径の内側半径方向曲
線から成る、二重半径方向屈曲部を有する。これらグレ
ージング電極の端部は、丸くされている。
【0016】当業者であれば、本発明好ましい実施例の
次の詳細な説明を検討すれば、本発明の別の利点、およ
び目的がどのようにして達成されるかだけでなく、本発
明のグレージング電極を有するピアース電子銃を、より
完全に理解することは可能であろう。以下、添付図面を
参照して説明する。
次の詳細な説明を検討すれば、本発明の別の利点、およ
び目的がどのようにして達成されるかだけでなく、本発
明のグレージング電極を有するピアース電子銃を、より
完全に理解することは可能であろう。以下、添付図面を
参照して説明する。
【0017】
【実施例】図1は、アノード12とカソードハウジング
アセンブリ16を有する電子銃10を示す。カソードハ
ウジングアセンブリ16は、電子銃支持マウント14に
固定され、平滑な凹状の電子放出面18を有するカソー
ドを備えている。この電子放出面は、封入された加熱コ
イル20により加熱される。合焦電極22は、カソード
アセンブリ16の外周を囲み、カソードよりも低温とな
るようカソードアセンブリから、物理的にアイソレート
されている。電子放出面18から合焦電極22への熱の
伝導を防止するため、熱シールド17および19が設け
られている。
アセンブリ16を有する電子銃10を示す。カソードハ
ウジングアセンブリ16は、電子銃支持マウント14に
固定され、平滑な凹状の電子放出面18を有するカソー
ドを備えている。この電子放出面は、封入された加熱コ
イル20により加熱される。合焦電極22は、カソード
アセンブリ16の外周を囲み、カソードよりも低温とな
るようカソードアセンブリから、物理的にアイソレート
されている。電子放出面18から合焦電極22への熱の
伝導を防止するため、熱シールド17および19が設け
られている。
【0018】アノード18は、カソードアセンブリ16
の電子放出面18に対して軸方向に配置された環状の開
口24である。アノード12およびカソードアセンブリ
16は、アノードおよびカソードの中心を通る中心軸線
のまわりに対称的に配置されていると解すべきである。
の電子放出面18に対して軸方向に配置された環状の開
口24である。アノード12およびカソードアセンブリ
16は、アノードおよびカソードの中心を通る中心軸線
のまわりに対称的に配置されていると解すべきである。
【0019】当技術分野で知られているように、カソー
ドアセンブリ16の平滑な凹面18から放出される電子
は、アノード12内の環状開口24に向かって加速され
る。これら放出された電子は、図2の符号26で全体が
示されているようなビームを形成する。このビームは、
アノード12と電子放出面18との間の電圧を交番する
ことにより変調できる。合焦電極22は、カソードアセ
ンブリ16とアノード12との間の電極間空間内の電界
を成形するように働く。図2に示す電極間空間では、電
位が一定である仮想表面を示す等電位線28が引かれて
いる。
ドアセンブリ16の平滑な凹面18から放出される電子
は、アノード12内の環状開口24に向かって加速され
る。これら放出された電子は、図2の符号26で全体が
示されているようなビームを形成する。このビームは、
アノード12と電子放出面18との間の電圧を交番する
ことにより変調できる。合焦電極22は、カソードアセ
ンブリ16とアノード12との間の電極間空間内の電界
を成形するように働く。図2に示す電極間空間では、電
位が一定である仮想表面を示す等電位線28が引かれて
いる。
【0020】本発明では、アノード12とカソードアセ
ンブリ16との間の電極間空間内に、複数のグレージン
グ電極30が設けられている。グレージング電極30
は、例えば等電位線の位置を変えて電極間空間内の電界
勾配を最小にするように位置している。電極の正確な形
状は、コンピュータシミュレーションにより決定でき
る。図2から明らかなように、グレージング電極30
は、必ずしも等電位線に従わず、むしろ等電位線とほぼ
交差する表面を形成し、二重半径方向屈曲点を有してい
る。これらグレージング電極30の端部36は、全体に
丸くされている。
ンブリ16との間の電極間空間内に、複数のグレージン
グ電極30が設けられている。グレージング電極30
は、例えば等電位線の位置を変えて電極間空間内の電界
勾配を最小にするように位置している。電極の正確な形
状は、コンピュータシミュレーションにより決定でき
る。図2から明らかなように、グレージング電極30
は、必ずしも等電位線に従わず、むしろ等電位線とほぼ
交差する表面を形成し、二重半径方向屈曲点を有してい
る。これらグレージング電極30の端部36は、全体に
丸くされている。
【0021】グレージング電極30の各々は、第1の外
側曲線32を有し、この曲線は、内側曲線34に移行し
ている。外側曲線32および内側曲線34の双方におけ
るグレージング電極30の各々の曲率半径は、合焦電極
22およびアノード12にそれぞれ隣接する中心点をシ
フトすることにより決定される。グレージング電極30
の各々の外側曲線32は、半径方向中心点A,Bおよび
Cを有する半径に沿って形成される。最も内側のグレー
ジング電極301は、合焦電極22内のほぼ中心にある
半径方向中心点Aを有し、第2のグレージング電極30
2の外側曲線322は、合焦電極22内に位置している
が、合焦電極の外側エッジに近い半径方向中心点Bを有
している。最も外側のグレージング電極303は、電極
間空間内の合焦電極22を越えて位置する半径方向中心
点Cにより決定される外側曲線323を有する。
側曲線32を有し、この曲線は、内側曲線34に移行し
ている。外側曲線32および内側曲線34の双方におけ
るグレージング電極30の各々の曲率半径は、合焦電極
22およびアノード12にそれぞれ隣接する中心点をシ
フトすることにより決定される。グレージング電極30
の各々の外側曲線32は、半径方向中心点A,Bおよび
Cを有する半径に沿って形成される。最も内側のグレー
ジング電極301は、合焦電極22内のほぼ中心にある
半径方向中心点Aを有し、第2のグレージング電極30
2の外側曲線322は、合焦電極22内に位置している
が、合焦電極の外側エッジに近い半径方向中心点Bを有
している。最も外側のグレージング電極303は、電極
間空間内の合焦電極22を越えて位置する半径方向中心
点Cにより決定される外側曲線323を有する。
【0022】同様にして、最も内側のグレージング電極
301の内側曲線341は、電極間空間内のほぼ中心にあ
る等電位線28上にある半径方向中心点A’から決定さ
れる。第2グレージング電極302は、等電位線28上
にあり、電極間空間内でアノード12に近い半径方向中
心点B’により決定される内側曲線342を有する。最
後に、最も外側のグレージング電極303は、アノード
12内の実質的にある半径方向中心点C’から形成され
た内側曲線343を有する。
301の内側曲線341は、電極間空間内のほぼ中心にあ
る等電位線28上にある半径方向中心点A’から決定さ
れる。第2グレージング電極302は、等電位線28上
にあり、電極間空間内でアノード12に近い半径方向中
心点B’により決定される内側曲線342を有する。最
後に、最も外側のグレージング電極303は、アノード
12内の実質的にある半径方向中心点C’から形成され
た内側曲線343を有する。
【0023】グレージング電極は、非磁性の金属材料か
ら成る円筒体から形成されることは公知である。二重半
径方向屈曲部は、公知の製造技術、例えばスピニングに
より容易に形成できる。このタイプの構造体は、本来機
械的に剛性でかつ頑丈である。好ましい実施例では、電
極は、ステンレススケールおよび銅製の同心状円筒体か
ら形成できる。これら円筒体は、公知の溶接技術を使っ
て一体的に形成される。ステンレススチール部分は、ア
ノード12に向かって外側に向いているが、銅製部分は
内側を向いている。酸化処理したステンレススチール
は、良好な高耐電圧特性を有するので、グレージング電
極には好ましい材料である。銅は、グレージング電極か
ら熱を除去できる良好な熱特性を有する。ステンレスス
チールの代わりに、欠損ウランまたはモリブデンを使用
できる。
ら成る円筒体から形成されることは公知である。二重半
径方向屈曲部は、公知の製造技術、例えばスピニングに
より容易に形成できる。このタイプの構造体は、本来機
械的に剛性でかつ頑丈である。好ましい実施例では、電
極は、ステンレススケールおよび銅製の同心状円筒体か
ら形成できる。これら円筒体は、公知の溶接技術を使っ
て一体的に形成される。ステンレススチール部分は、ア
ノード12に向かって外側に向いているが、銅製部分は
内側を向いている。酸化処理したステンレススチール
は、良好な高耐電圧特性を有するので、グレージング電
極には好ましい材料である。銅は、グレージング電極か
ら熱を除去できる良好な熱特性を有する。ステンレスス
チールの代わりに、欠損ウランまたはモリブデンを使用
できる。
【0024】
【効果】コンピュータを使ったモデル解析によると、二
重半径方向屈曲部を有する3つのグレージング電極30
を使用すると、最大負勾配が約170kv/cmに低下する
ことが判った。すなわち、ピーク負勾配が15%低下す
ることがわかった。この値は、非グレージング電極形ピ
アース電子銃の3倍の大きさの潜在的パワー増加量に匹
敵する。600kvの作動電圧では、本発明の電子銃は、
5マイクロ秒パルス長で、高い信頼性で作動する。
重半径方向屈曲部を有する3つのグレージング電極30
を使用すると、最大負勾配が約170kv/cmに低下する
ことが判った。すなわち、ピーク負勾配が15%低下す
ることがわかった。この値は、非グレージング電極形ピ
アース電子銃の3倍の大きさの潜在的パワー増加量に匹
敵する。600kvの作動電圧では、本発明の電子銃は、
5マイクロ秒パルス長で、高い信頼性で作動する。
【0025】以上、グレージング電極を有するピアース
電子銃の好ましい実施例について説明したが、当業者に
は、本発明の上記以外の目的および利点が得られること
は明らかであろう。更に、当業者には、本発明の精神お
よ範囲内で本発明の種々の変形例、適用例および別の実
施例を行い得ることは明らかであろう。例えば、3つの
グレージング電極を有するピアース電子銃を説明した
が、それ以外の数のグレージング電極を有利に利用でき
ることは明らかであろう。
電子銃の好ましい実施例について説明したが、当業者に
は、本発明の上記以外の目的および利点が得られること
は明らかであろう。更に、当業者には、本発明の精神お
よ範囲内で本発明の種々の変形例、適用例および別の実
施例を行い得ることは明らかであろう。例えば、3つの
グレージング電極を有するピアース電子銃を説明した
が、それ以外の数のグレージング電極を有利に利用でき
ることは明らかであろう。
【図1】本発明のグレージング電極を有するピアース電
子銃の側断面図である。
子銃の側断面図である。
【図2】等電位線および電子の層流を示すグレージング
電極を有するピアース電子銃の側面図である。
電極を有するピアース電子銃の側面図である。
10 電子銃 12 アノード 14 支持マウント 16 カソードアセンブリ 17 熱シールド 18 電子放出面 19 熱シールド 20 加熱コイル 22 合焦電極 24 開口 30 グレージング電極
Claims (3)
- 【請求項1】 カソードと、該カソードに隣接した合焦
電極と、前記カソードから所定距離に配置したアノード
とを有する電子銃であって、 前記合焦電極と前記アノードとの間に配置された少なく
とも一つのグレージング電極を含み、このグレージング
電極は、前記カソードを前記アノードとの間に生じた電
位差の等電位線の位置を制御して、前記電位差により形
成された表面電界の勾配レベルを減少させるようになっ
ている電子銃。 - 【請求項2】 カソードと、 該カソードに隣接した合焦電極と、 前記カソードから所定の距離に配置されたアノードと、 前記合焦電極と前記アノードとの間に配置された少なく
とも一つのグレージング電極と、 前記カソードと前記アノードとの間に生じた電位差によ
り形成された表面電界勾配を減少させるための手段とか
ら成る電子銃。 - 【請求項3】 カソードと、該カソードに隣接した合焦
電極と、前記カソードから所定距離に配置したアノード
と、アノードを貫通する開口とを有する電子銃であっ
て、 前記合焦電極と前記アノードとの間に配置された少なく
とも一つのグレージング電極を含み、このグレージング
電極は、前記カソードを前記アノードとの間に生じた電
位差の等電位線の位置を制御して、前記電位差により形
成された表面電界の勾配レベルを減少するようになって
おり、かつ前記グレージング電極は、第1半径の外側半
径方向曲線と第2半径の内側半径方向曲線から成る二重
半径方向屈曲部を有する電子銃。
Applications Claiming Priority (2)
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US07/881041 | 1992-05-11 | ||
US07/881,041 US5332945A (en) | 1992-05-11 | 1992-05-11 | Pierce gun with grading electrode |
Publications (1)
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US (1) | US5332945A (ja) |
JP (1) | JPH06150838A (ja) |
DE (1) | DE4315755C2 (ja) |
FR (1) | FR2691012B1 (ja) |
GB (1) | GB2267175B (ja) |
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JPWO2008050670A1 (ja) * | 2006-10-23 | 2010-02-25 | 株式会社アルバック | ピアス式電子銃の電子ビーム集束の制御方法及び制御装置 |
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1993
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- 1993-05-11 DE DE4315755A patent/DE4315755C2/de not_active Expired - Fee Related
- 1993-05-11 JP JP5108659A patent/JPH06150838A/ja active Pending
- 1993-05-11 FR FR9305627A patent/FR2691012B1/fr not_active Expired - Fee Related
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GB9309661D0 (en) | 1993-06-23 |
FR2691012A1 (fr) | 1993-11-12 |
US5332945A (en) | 1994-07-26 |
GB2267175A (en) | 1993-11-24 |
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