JPH0615006U - 面状発光体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コスト低減および小型軽量化を図ることがで
き、また均一で明るい照明を得ることができるようにす
る。 【構成】 面状発光体１をケース２と、発光ダイオード
３およびプリント基板４とで構成する。ケース２は矩形
の薄箱型に形成されて、一側面が開口部８とされ、前面
が透光性の光拡散板５で形成され、背面が反射板６で形
成されている。発光ダイオード３は、開口部８からケー
ス２内に反射板６側に適宜角度傾斜して挿入配置されて
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、小型液晶表示装置等に用いて好適な面状発光体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ＯＡ機器、時計、その他各種表示装置に用いられる液晶表示装置は、 バックライト方式を採用し、表示文字の視認性の向上を図っている。このような 液晶表示装置のバックライト方式としては、表示部全体を均一に照明する必要が あることから、導光板、ＥＬ（エレクトロルミネッセンス）、光ファイバ等を用 いたフラットパネル型発光体を光源として用いている。導光板はアクリル樹脂等 の光透過性に優れた透明樹脂からなり、光源から出射した光をその一端面より導 光板内に導き、表面から出光させることにより面照明を得るものである。ＥＬは 、外部からの刺激（電界、電子線等）により硫化亜鉛（ＺｎＳ）のような蛍光体 を発光させ、面照明を得るものである。そして、光ファイバは、多数の光ファイ バを束ねてその一端面を光入射面とし、他端面を光出射面とし、これにより面照 明の実現化を図っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来の面状発光体にあっては、製造コスト、明るさ、 大きさ、重量等に問題があり、そのためより安価で小型軽量化することができ、 また均一で明るい照明が得られる面状発光体の開発が望まれていた。すなわち、 導光板を使用したものは、構造が簡単で他のものに比べて安価であるという利点 を有するものの、導光板のため重量および厚みが増し、薄形軽量化が制約される という欠点があった。ＥＬを用いた面状発光体は、インバータ等の回路が必要で 、高価になる上、十分な明るさを得ることができない。光ファイバは、材料自体 が高価で、広い面積の照明を得ようとすると、多数の光ファイバを必要とし、ま たＥＬと同様、十分な明るさを確保することが困難であった。 この他パイプ方式の面状発光体も知られているが、この発光体は透明樹脂から なるパイプを内部照明するものであるため、広い面積の平面を照射する場合、照 明ムラが大きく、実用的でないという問題があった。

【０００４】 したがって、本考案は上記したような従来の問題点に鑑みてなされたもので、 その目的とするところは、コスト低減および小型軽量化を図ることができ、また 均一で明るい面照明を得ることができるようにした面状発光体を提供することに ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案は、光源と、この光源を収納するケースとを備 え、ケース前面を透光性の光拡散板で形成し、ケース背面を内面側が反射面から なる反射板で形成し、前記光源を少なくとも一つのケース内壁面に配設したもの である。

【０００６】

【作用】

本考案において、光源から出射した光の一部は直接光拡散板を照射し、拡散透 過される。また、光の一部は反射板に当たって反射し、光拡散板を照射し、拡散 透過される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。 図１は本考案に係る面状発光体の一実施例を示す外観斜視図、第２図は断面図 である。これらの図において、面状発光体１は、矩形薄箱型に形成されたケース ２と、このケース２内に収納配置された光源３と、ケース２が固定されたプリン ト基板４とで構成されている。

【０００８】 前記ケース２は、前面を形成する透明もしくは乳白色の透光性を有する光拡散 板５と、背面を形成する反射板６と、３つの側面を形成する側面板７ａ〜７ｃと で構成されることにより、一側面が開放する矩形薄箱体とされている。光拡散板 ５としては、アクリル樹脂等からなる透明樹脂の表面にエンボス加工、微小なガ ラスビーズまたは金属粒子入り透明塗料の塗布等による光拡散処理を施したもの かあるいは微小な金属粒子を添加して成形された透明樹脂が使用される。反射板 ６は、内面が白色塗料の塗布、アルミ箔の貼着、アルミニウムの蒸着等によって 反射面６Ａを形成しており、必要に応じてエンボス加工によって微小な凹凸が形 成されることにより拡散反射面とされる。側面板７ａ〜７ｃの内面も前記反射板 ６と同様、内面が白色塗料の塗布、アルミ箔の貼着、アルミニウムの蒸着等によ って反射面を形成しており、必要に応じて微小な凹凸が形成されることにより拡 散反射面とされる。

【０００９】 前記光源３としては、本実施例の場合消費電力を少なくするため発光ダイオー ド３を用いたが、これに限らず一般の白熱電球を使用してもよいことは勿論であ る。発光ダイオード３は、開口部８よりケース２内に適宜個数（本実施例におい ては２つ）挿入されて配設され、そのリード線９がプリント基板４のリード線挿 通孔に挿通され導電部１０に半田付け接続されている。また、発光ダイオード３ は、発光出力の指向性を考慮して反射板６側に適宜角度傾斜して配設されている 。このように発光ダイオード３の光軸Ｌをケース２の厚み方向中心線Ｍに対し反 射板６側に適宜角度傾斜させると、反射板６に当たって反射する反射光量を増大 させることができ、より遠方へ光を導くと共に、間接照明光を増大させることが できる。 なお、ケース２は開口部８を備えない密閉型のものであってもよく、その場合 は一壁面に発光ダイオード３が挿通される小孔を形成すればよい。

【００１０】 このような構成からなる面状発光体１においては、点光源を面光源に変換する ことができ、液晶表示装置を良好にバック照明することができる。すなわち、点 光源である発光ダイオード３から出射した光は、その一部が直接光拡散板５の裏 面を照射し、拡散透過して光拡散板５の表面から外部に出射し、不図示の液晶表 示装置をバック照明する。また、発光ダイオード３から出射した光の一部は、反 射板６に当たって前方に反射し、その反射光が光拡散板５の裏面を照射し、拡散 透過して光拡散板５の表面から外部に出射することで液晶表示装置をバック照明 する。したがって、光拡散板５は全面にわたって照明されることで面光源を構成 し、液晶表示装置をバック照明する。 また、このような面状発光体１にあっては、光拡散板５と反射板６が光源３を 収容するケース２の一部を構成し、導光板やＥＬ等の使用を不要にしているので 、構造が簡単で、薄型軽量化およびコスト低減を図ることができる利点を有して いる。また、発光ダイオード３を反射板６側に傾斜させて配置すると、反射板６ によって反射される反射光の光量が増大してより遠くに多くの光を導くことがで き、しかも光拡散板５で光を拡散すると特定方向の光のチラツキをなくすことが できるため、ムラのない均一な面照明を得ることができる。

【００１１】 図３は本考案の他の実施例を示す断面図である。この実施例はケース２の背面 を形成する反射板６を、光拡散板５に対して傾斜させて設け、開口部８の高さを 開口部８とは反対側の側面板７ｂの高さより大きく設定すると共に、発光ダイオ ード３を反射板６側に適宜角度傾斜させて構成したものである。 このような構成においても上記実施例と同様な効果が得られる。

【００１２】 図４は本考案の更に他の実施例を示す断面図である。この実施例はケース２の １組の対向側面を共に開放し、これらの開口部８Ａ，８Ｂからケース２内に所要 個数の発光ダイオード３を挿入配置すると共に、反射板６の内面を２つの凹曲面 からなる拡散反射面６Ａに形成したものである。 このような構成からなる面状発光体においては、光拡散板５の照明領域を左右 の発光ダイオード３によって分担して照明しているので光の損失が少なく、より 明るい面照明を得ることができる利点を有している。

【００１３】 図５は本考案の更に他の実施例を示す断面図である。この実施例はケース２を 密閉構造の薄箱体とし、その前面を、裏面に多数の小さな凹凸２０が形成された 透明な光拡散板５で形成し、互いに対応する１組の側面板７ｂ，７ｄの内側面に 所要個数の発光ダイオード３をそれぞれ配設し、背面を拡散反射板６で形成し、 更にケース２内に透明樹脂２１を充填封止して構成したものである。 このような構成においては、透明樹脂２１の封止によって面状発光体１の耐振 性を向上させると共に、光の損失を少なくすることができる利点を有する。

【００１４】 なお、本考案は上記した実施例に特定されることなく種々の変更、変形が可能 であり、例えば半透過材料を透過材料でサンドイッチした複合板を光拡散板とし て用いたり、あるいは表面粘着性の透明樹脂（例えばウレタン）を用いその表面 にエンボス加工等の光拡散処理を施して光拡散板としたりすることも可能である 。このような表面粘着性樹脂を使用した場合は、液晶表示装置との間の空気層を 排除することができ、これにより液晶−空気界面の再帰反射光を減少させること ができる利点を有する。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る面状発光体は、ケースの前面を光拡散板とし 、背面を反射板とし、ケース内壁面に光源を配設して構成したので、構造がきわ めて簡単で、ムラのない均一な面照明を得ることができ、また導光板、ＥＬ等を 必要としないため、薄型軽量化およびコスト低減を図ることができ、特に小型の 液晶表示装置のバック照明用面状発光体として用いて好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る面状発光体の一実施例を示す外観
斜視図である。

【図２】断面図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図４】本考案の更に他の実施例を示す断面図である。

【図５】本考案の更に他の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 面状発光体 ２ ケース ３ 発光ダイオード ４ プリント基板 ５ 光拡散板 ６ 反射板 ２１ 透明樹脂

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源と、この光源を収納するケースとを
   備え、ケース前面を透光性の光拡散板で形成し、ケース
   背面を内面側が反射面からなる反射板で形成し、前記光
   源を少なくとも一つのケース内壁面に配設したことを特
   徴とする面状発光体。