JPH0614962Y2 - 切断装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば、住宅用の木質系パネル構成部材等の
被加工部材を所定形状に切断する切断装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

住宅用の木質系パネルを製造する際に、芯材等の被加工
部材を所定形状に切断する切断装置には、ベースに円盤
状のカッタ及びカッタ駆動用モータを取り付け、このカ
ッタを被加工部材に沿って案内するガイド部材を配置
し、このガイド部材をロッドを介してベースに支持した
ものがあり、この切断装置では、ロッドのベースに対す
る取付位置をボルト等で調整することによってガイド部
材から突出されるカッタの寸法、つまりカッタによる被
加工部材の切り込み深さを調整するようになっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、前述の従来例では、被加工部材の切り込み深
さの調整を作業員がボルトの締め加減を調整することに
より行っているので、寸法調整が煩雑とならざるを得
ず、しかも、微調整が困難であるという問題点がある。

ここに、本考案の目的は、カッタによる被加工部材の切
り込み深さの調整が容易な切断装置を提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、ベースにカッタを取り付け、このカッタを駆
動するカッタ駆動機構及び前記カッタを芯材等の被加工
部材に沿って案内するガイド部材を配置し、前記ガイド
部材をカッタにより被加工部材に形成される切断線に対
し近接離隔可能にベースに支持し、前記ガイド部材をガ
イド部材移動手段で往復動させ、前記ガイド部材の位置
を規制するとともにガイド部材の往復動方向の寸法が異
なるように形成された位置規制部材と、この位置規制部
材を前記ガイド部材の往復動方向への移動が規制される
位置が変わるように移動させる位置規制部材駆動機構と
を配置したものである。

〔作用〕

このような構成の本考案では、まず、被加工部材の切り
込み深さに対応させてガイド部材のベースに対する位置
を調整する。そのためには、ガイド部材移動手段により
ガイド部材を往動させ、その後、位置規制部材駆動機構
によって位置規制部材をそのガイド部材の往復動方向寸
法が所定の寸法となるように移動させ、さらにその後、
ガイド部材移動手段によってガイド部材を復動させる。
これにより、切り込み深さが変更された状態でガイド部
材はベースに支持され、この状態でガイド部材で案内さ
れた被加工部材をカッタ駆動機構により駆動されたカッ
タで所定形状に切断する。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

概略構成が示される第１図において、ベース１は、固定
プレート２の隅に立設されたガイドシャフト３に可動プ
レート４を案内し、この可動プレート４と固定プレート
２との間にばね５を介装し、固定プレート２に対して可
動プレート４が揺動できる構成とされている。

前記可動プレート４にはカッタ駆動機構としてのカッタ
用モータ６が取り付けられ、このカッタ用モータ６には
円盤状のカッタ７が連結されている。このカッタ７は、
その回転平面が前記固定プレート２の平面と直交されて
いる。

前記カッタ７の隣には、カッタ７を被加工部材としての
芯材８に沿って案内するそり状のガイド部材９が配置さ
れている。このガイド部材９にはその長手方向と直交す
るロッド１０の先端が固定され、このロッド１０は、ガ
イド部材移動手段としてとのシリンダ装置１１を介して
ベース１に往復動可能、つまり、カッタ７により芯材８
に形成される切断線Ｐに対しガイド部材９が近接離隔す
るように支持されている。このシリンダ装置１１は、前
記ロッド１０の基端と固定されたピストン１２と、この
ピストン１２を収納するとともに門型の支持部材１３を
介して可動プレート４に取り付けられたシリンダケース
１４とから構成されている。前記シリンダケース１４は
前記固定プレート２の逃げ孔２Ａに挿通され、これによ
り、このケース１４は可動プレート４の揺動に伴って移
動しても固定プレート２との干渉が防止されるようにな
っている。

前記ロッド１０には係合板１５が取り付けられ、この係
合板１５と前記支持部材１３との間には位置規制部材と
してのロータリカム板１６が介装されている。このカム
板１６は、第２図の通り、その頂部のカム面１６Ａに段
差が形成されてガイド部材９の往復動方向、つまり、カ
ム板１６の軸方向の寸法が周方向に沿って異なるもので
ある。なお、このカム板１６を軸方向の寸法差が連続的
に変化する通常の端面カムとしてもよい。前記カム板１
６には位置規制部材駆動機構１７が連結され、この駆動
機構１７は、前記支持部材１３から延長されたモータ取
付板１３Ａに固定されたカム用モータ１８と、歯車１９
とから構成されている。ここで、前記カム用モータ１８
は割り出し機構付き電動モータ、エアーモータとされて
いる。このモータ１８を駆動することによって前記カム
板１６に形成されたカム面１６Ａの係合板１５との係合
位置が変わり、前記カム板１６を前記ガイド部材７の往
復動方向への移動が規制される位置、別言すれば、芯材
８の切り込み深さＸが変わるようになっている。

このような構成の本実施例では、まず、芯材８の切り込
み深さＸに対応させてガイド部材９のベース１に対する
位置を調整する。

そのため、まず、シリンダ装置１１によりロッド１０を
前進ざせる。すると、ガイド部材９は往動されるととも
に、係合板１５がロータリカム板１６のカム面１６Ａか
ら離隔されてこのカム板１６が回転できる状態となる。

その後、位置規制部材駆動機構１７のカム用モータ１８
を駆動させてロータリカム板１６を回転させ、カム板１
６のカム面１６Ａと係合板１５との係合位置を調整す
る。この際、切り込み深さＸを大きくするには、前記カ
ム板１６の軸方向寸法の大きいものを選択し、一方、切
り込み深さＸを小さくするには、その軸方向寸法の小さ
いものを選択する。

さらにその後、前記シリンダ装置１１によってロッド１
０を後退させる。すると、前記カム板１６と係合板１５
とが係合されるとともに、ガイド部材９は復動されて適
正に位置決めされた状態でベース１に支持される。

この状態で、前記ガイド部材９で芯材８を案内させると
ともに、カッタ用モータ６によりカッタ７を回転させ
て、芯材８を所定形状に切断する。この際、ガイド部材
９に沿って相対移動する芯材８からカッタ７が反力を受
けて上下または前後しても、前記両プレート２，４間に
介装されているばね３のばね力によってカッタ７が押し
戻されて芯材８の凹凸に沿ってカッタ７が移動し、これ
により、切り込み深さＸが確保される。

このような本実施例によれば、ロッド１０に取り付けら
れた係合板１５とベース１に取り付けられた支持部材１
３との間に位置規制部材としてのロータリカム板１６を
介装し、このカム板１６を位置規制部材駆動機構１７で
移動させるようにしたので、ボルトによる調整等の煩雑
な作業が不要とされ、カッタ７による芯材８の切り込み
深さＸを容易に調整することができる。また、本実施例
では、カッタ７を連結したカッタ用モータ１７を可動プ
レート４に取り付け、この可動プレート４をガイドシャ
フト３及びばね５によって固定プレート２に揺動自在に
取り付けたので、カッタ７を芯材８に押しつけて加工す
る際に、カッタ７が芯材８から反力を受けても、ばね５
によってカッタ７が適正に姿勢が保持され、芯材８の切
り込み深さＸを確保することができる。

なお、前記実施例では、位置規制部材を、その頂部にカ
ム面１６Ａが形成され、かつ、軸方向寸法が異なるロー
タリカム板としたが、本考案の位置規制部材は、ガイド
部材９の往復動方向の寸法が異なるように形成されれば
前記実施例の構成に限定されるものではない。例えば、
周面がカム面とされる円盤状の板カム、あるいは、テー
パ状の直動カムであってもよい。ただし、位置規制部材
を円盤状とすれば、装置の省スペース化を図ることがで
きるという効果がある。

また、本考案のガイド部材移動手段１１は、前記実施例
のようにピストン１２及びシリンダケース１４から構成
してもよいが、ラック及びピニオン等によりガイド部材
９を往復動させるものでもよい。

さらに、本考案では、ベース１を必ずしも揺動可能な構
造にすることを要するものではない。

さらにまた、カッタ７及び／またはガイド部材９は複数
個設けるものであってもよい。

また、本考案の被加工部材は、芯材８の他に、面材等、
木質系パネルの構成部材、その他の部材が含まれるもの
である。

〔考案の効果〕

前述のような本考案によれば、カッタによる被加工部材
の切り込み深さの調整が容易であるという効果がある。

なお、本考案について、ＩＰＣを「Ｂ２７Ｃ ５／０
０」、キーワードを「パネル、駆動、位置、規制、カ
ム」などとしていわゆるパトリス検索を行ったところ、
本考案のようにパネルり切断を行うに適した装置は見当
たらず、当該分野における本考案の斬新性が明らかにな
った。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る切断装置の一実施例の概略構成
図、第２図は位置規制部材の斜視図である。 １……ベース、６……カッタ駆動機構、７……カッタ、
８……被加工部材としての芯材、９……ガイド部材、１
１……ガイド部材移動手段、１６……位置規制部材とし
てのロータリカム板、１７……位置規制部材駆動機構、
Ｐ……切断線、Ｘ……切り込み深さ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベースと、このベースに取り付けられたカ
   ッタと、このカッタを駆動するカッタ駆動機構と、前記
   カッタを被加工部材に沿って案内するとともにカッタに
   より被加工部材に形成される切断線に対し近接離隔可能
   にベースに支持されるガイド部材と、このガイド部材を
   往復動させるガイド部材移動手段と、前記ガイド部材の
   位置を規制するとともにガイド部材の往復動方向の寸法
   が異なるように形成された位置規制部材と、この位置規
   制部材を前記ガイド部材の往復動方向への移動が規制さ
   れる位置が変わるように移動させる位置規制部材駆動機
   構とを備えたことを特徴とする切断装置。