JPH06148015A - ブリッジ式センサ - Google Patents

ブリッジ式センサ

Info

Publication number
JPH06148015A
JPH06148015A JP29554292A JP29554292A JPH06148015A JP H06148015 A JPH06148015 A JP H06148015A JP 29554292 A JP29554292 A JP 29554292A JP 29554292 A JP29554292 A JP 29554292A JP H06148015 A JPH06148015 A JP H06148015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistor
resistance
acceleration
temperature
bridge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29554292A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Nishida
英昭 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP29554292A priority Critical patent/JPH06148015A/ja
Publication of JPH06148015A publication Critical patent/JPH06148015A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 歪検出用の拡散抵抗の温度変化及び経時変化
の影響を抑制する。 【構成】 厚膜抵抗Rと直列に抵抗Rを挿入する。
は、歪検出用の抵抗R〜Rと同様に、半導体基
板上に不純物拡散により形成する。抵抗Rの値は、抵
抗Rの値に対し十分大きくする。抵抗R〜Rの値
が温度又は経時変化したときに生じるブリッジ回路36
の出力の変化が、抵抗Rによって抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速度等の物理量を抵
抗値の変化により検出するセンサに関し、特に検出に用
いる抵抗をブリッジ接続したブリッジ式センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、加速度等の物理量を検出する
センサとして半導体基板を用いたものが知られている。
この種のセンサとしては、ピエゾ抵抗素子をブリッジ接
続した構成が知られている(特開昭59−195115
号等参照)。ピエゾ抵抗素子はその歪により抵抗値が変
化する抵抗素子であり、例えば半導体基板上に不純物拡
散により形成した拡散抵抗がこれに該当する。半導体基
板上には他の半導体素子を併せて形成でき、また、ハイ
ブリッドIC上に搭載することも可能であることから、
このようなセンサは、加速度等の検出に係る各種機器の
小型化・集積化に有効である。
【0003】加速度等の物理量を検出する目的で拡散抵
抗を形成する場合、その形成部位は、半導体基板上の脆
弱部とする。すなわち、加速度等が加わった場合に歪む
よう、半導体基板上に脆弱部を形成し、この脆弱部に拡
散抵抗を形成するようにすれば、半導体基板に加わる加
速度等を、拡散抵抗の抵抗値変化として検出できる。な
お、このような構造においては、カンチレバーが変位す
る方向が所定の方向に制限されるため、脆弱部の構造設
定により、加速度等の検出方向が定まる。前掲の特開昭
59−195115号は半導体基板と垂直な方向を検出
方向とする構成を開示しており、また、特開昭62−2
32171号や特開平2−95266号に開示されてい
る構成は、半導体基板表面と平行な方向を検出方向とし
ている。
【0004】拡散抵抗が形成される脆弱部は、例えば、
半導体基板をエッチングして得られる薄肉部として実現
できる。通常は、加速度等により変位する重り(カンチ
レバー)を設けた構造が用いられる。
【0005】また、拡散抵抗等のピエゾ抵抗素子をブリ
ッジ接続する場合、加速度等が加わっていない状態で平
衡するよう、各辺の抵抗値を調整する必要がある。この
ようにすることにより、加速度等を示す信号がブリッジ
回路の不平衡電圧として得られる。抵抗値の調整は、例
えば、ブリッジ回路を構成するピエゾ抵抗素子と並列に
当該抵抗素子より十分大きな抵抗値を有する調整抵抗を
接続し、この抵抗の抵抗値を初期調整する、といった手
段で行うことができる。上記センサをハイブリッドIC
上に搭載する場合、調整抵抗としては、厚膜抵抗を用い
ることができる。厚膜抵抗を用いた場合、上述の調整を
トリミングによって行うことができる。
【0006】図7及び図8には、一従来例に係るブリッ
ジ式半導体加速度センサの構成が示されている。この従
来例は、半導体基板上の拡散抵抗を歪検出用抵抗素子と
して使用すると共に、当該拡散抵抗をブリッジ接続し、
さらに当該半導体基板をハイブリッドIC基板上に搭載
すると共に厚膜抵抗を調整抵抗として用いた構成であ
る。
【0007】まず、図7には、この従来例の回路構成が
示されている。ブリッジ抵抗10を構成する抵抗R
は、図8に示される半導体基板12上に不純物拡散
等により形成されたピエゾ抵抗素子である。半導体基板
12が搭載されるハイブリッドIC基板14上には、抵
抗R4に並列接続される厚膜抵抗Rが形成されてい
る。ハイブリッドIC基板14上には、さらにパッド1
6及び18並びに基板配線20が形成されており、厚膜
抵抗Rは基板配線20を介してパッド16及び18に
接続されている。一方、半導体基板12上には、チップ
配線22及びパッド24が形成されており、ブリッジ抵
抗10はチップ配線22によりパッド24に接続されて
いる。ブリッジ抵抗10を構成する抵抗R〜R相互
の接続は、図示しない拡散抵抗配線により行われ、抵抗
と厚膜抵抗Rの接続は、パッド16及び18とパ
ッド24の選択接続により実現される。
【0008】図8に示されるように、半導体基板12上
には「コ」字状のスリット26が形成されている。スリ
ット26は半導体基板12を貫通しており、これにより
半導体基板12の中央にカンチレバー28が形成され
る。カンチレバー28を支持する部位は、図示しない
が、エッチング等により他より薄肉(基板12厚み方
向)とされており、これにより半導体基板12上に脆弱
部が形成されている。ブリッジ抵抗10は、半導体基板
12上の脆弱部に形成されている。
【0009】このような脆弱部が形成されているため、
加速度に応じたカンチレバー28の変位方向は、半導体
基板12の表面と垂直な方向、すなわち紙面貫通方向と
なる。カンチレバー28に紙面貫通方向の加速度が加わ
ると、カンチレバー28はその質量により変位し、脆弱
部に歪が発生する。この歪は、脆弱部に形成されている
抵抗R〜Rの抵抗値を変化させる。半導体基板12
上において抵抗R〜Rが適宜配置されていれば、ブ
リッジ抵抗10から加速度を示す不平衡電圧が得られ
る。言い換えれば、この図に示されるセンサは、紙面貫
通方向の加速度を検出するセンサとして構成されてい
る。
【0010】このような動作を可能にするためには、加
速度が加わっておらず従って歪が発生していない状態で
ブリッジ抵抗10が平衡し、加速度が加わっており従っ
て歪が発生している状態でブリッジ抵抗10が不平衡状
態となるよう、抵抗値設定及び配置形成を行う必要があ
る。すなわち、歪が発生していない状態でブリッジ抵抗
10の対向する辺の抵抗値の積が互いに等しくなるよ
う、抵抗値設定を行い、歪が発生している状態で当該積
が互いに相補的に変化するよう、半導体基板12上にお
いて抵抗R〜Rを配置形成する必要がある。
【0011】一方で、抵抗R〜Rの抵抗値は製造時
にばらつく。従って、上述したように歪が発生していな
い状態でブリッジ抵抗10が平衡するようにするために
は、ブリッジ抵抗10の各辺の抵抗値に初期調整を実施
する必要がある。厚膜抵抗Rは、そのための抵抗であ
る。
【0012】厚膜抵抗Rの抵抗値は、並列接続の対象
たる抵抗Rに比べ十分に大きく、かつ、歪が生じてい
ない状態で平衡条件R=R(R//R)が成
立するよう、トリミングによって初期調整する。例えば
各抵抗の狙い値を R=R=R=R=1.1R=11R ただし、R:所定値 … (1) としておき、常温T(例えば25℃)で厚膜抵抗R
のトリミングを行うようにすればよい。このようにする
と、点cから点dに向け電流Iを供給することによ
り、加速度印加時に点aと点bとの間に加速度を示す不
平衡電圧が発生する。なお、点aは抵抗RとRの接
続点、点bは抵抗RとRの接続点、点cは抵抗R
とRの接続点、点dは抵抗RとRの接続点であ
る。
【0013】この不平衡電圧、すなわち点aと点bとの
間に発生する電圧ΔVabは、 ΔVab=I・R//R−I・R … (2) と表すことができる。ここに、Iは点cから点aに流
れる電流を、Iは点cから点bに流れる電流を、それ
ぞれ示している。電流I及びIは、一般的には電流
を分流する次の式で表される。
【0014】 I=I・(R+R)/(R+R+R+R//R) I=I・(R+R//R)/(R+R+R+R//R) … (3) 抵抗Rの調整が行われた時点、すなわち後述する抵抗
〜Rの経時変化や温度変化が生じていない時点で
は、加速度が加わっていなければ、R=R=R
//RR1=Rである。これを式(3)に代入す
ると、 I=I・2R/4R =0.5I=I・2R0/4R0 =0.5I … (4) となる。この状態における電圧ΔVabは、式(2)に
=R//R及び式(4)を代入することにより得
られ、次のように表される。
【0015】 ΔVab=0 … (5) 従って、式(1)に示されるように各抵抗値を設計し、
抵抗Rtを適宜トリミングすることにより、加速度が印
加されていない状態でブリッジ抵抗10を平衡させるこ
とができる。逆に、加速度が印加されている状態では、
=R=R=R//RR1=Rが成り立たな
いから、式(4)が成り立たず、従って ΔVab≠0 … (6) となる。
【0016】図7に示される回路は、初期調整済みのブ
リッジ抵抗10の他、定電流回路30、DCバイアスア
ンプ32及び差動増幅回路34から構成されている。定
電流回路30は、ブリッジ抵抗10に定電流I0を供給
する回路である。点aは差動増幅回路34の反転入力端
子に、点bは反転入力端子に、それぞれ接続されてい
る。差動増幅回路34は、差電圧ΔVab=V(+)
−V(−)を増幅する。DCバイアスアンプ32は、
ブリッジ抵抗10が平衡している状態で出力V ut
=Vcc/2となるよう差動増幅回路34に対しD
Cバイアス値を設定する。ただし、Vccは電源電圧で
あり、当該電源電圧Vccが5[V]である場合にはV
は2.5[V]となる。差動増幅回路34のゲインA
は、十分な感度が得られるよう設定する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来のセンサにおいては、拡散抵抗値
の温度依存性や経時変化により出力が変動してしまうと
いう問題点があった。
【0018】まず、拡散抵抗値の温度変化の影響に関し
て図7及び図8の従来例を用いて説明する。常温T
おいて厚膜抵抗Rが初期調整されている場合、抵抗R
〜R及びRは次のように温度Tの関数で表され
る。
【0019】 R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} ただし、k〜k:抵抗R〜Rの温度係数 k:抵抗Rの温度係数 … (7) いま、同じ拡散抵抗として形成されていることから抵抗
〜Rの温度係数k〜kをk=k=k
=kとおく。この条件及び前掲の式(1)により示
される抵抗値設計を式(7)に代入すると、次の式が得
られる。
【0020】 R(T)=R・{1+k(T−T)} =R(T) =R(T) R(T)=1.1R(T) R(T)=11R・{1+k(T−T)} … (8) 一般に、拡散抵抗の温度依存性は厚膜抵抗よりも顕著で
ある。例えば拡散抵抗の温度係数は2000ppm/℃
程度、厚膜抵抗の温度係数は100ppm/℃程度であ
り、拡散抵抗は厚膜抵抗に比べ温度係数が著しく大き
い。また、半導体加速度センサに要求される使用温度範
囲は、例えば−40〜85℃(常温25℃)である。そ
こで、電流Iが使用温度範囲内で一定であるとすると
ともに、k=2000[ppm/℃]、k=100
[ppm/℃]、T=25[℃]、T=−40[℃]
を式(8)に代入する。すると、 R(−40)=R・{1+0.002(−40−25)} =0.87R =R(−40) =R(−40) R(−40)=1.1R(−40) =0.957R(−40)=11R・{1+0.0001k(−40−25)} =10.9285R … (9) が得られ、さらに R(−40)//R(−40) =0.957・10.9285/(0.957+10.9285)R =0.8799R … (10) が得られる。式(9)及び(10)を式(3)に代入す
ると、 I(−40)=I・2・0.87R/ (3×0.87R+0.8799R) =0.4986I(−40)=I・(0.87R+0.8799R)/ (3×0.87R+0.8799R) =0.5014I … (11) となる。従って、温度T=−40[℃]における電圧Δ
ab(−40)は、式(9)〜(11)の値を式
(2)に代入することにより、次のように得られる。 ΔVab(−40)=0.4986I・0.8799R −0.5014I・0.87R =0.0025I・R … (12) この式(12)は、周囲温度Tが−40℃になると、加
速度が加わっていなくても不平衡電圧として0.002
5I×Rが現れることを意味している。例えばI
×R=4[V]であれば、 ΔVab(−40)=0.01[V] … (13) となる。
【0021】後段に接続される差動増幅回路34の増幅
度Aは、通常、十分な検出感度を得るべく1000〜
2000倍程度の大きな値に設定されている。そこで、
=1000とすると、−40℃における出力V
out(−40)は、 Vout(−40)=1000×0.01[V] =10[V] … (14) なり、電源電圧Vccが5[V]であるような場合に
は、差動増幅回路34が飽和してしまう。すなわち、抵
抗R〜Rの温度係数が抵抗Rのそれに比べ著しく
大きいため、常温時に抵抗Rを調整してあっても、高
温又は低温の領域において不平衡電圧が生じ、後段の回
路の動作に支障が生じる。
【0022】次に、従来の問題点のうち抵抗R〜R
の経時変化について同様に図7及び図8の従来例を用い
て説明する。
【0023】いま、調整時からある程度の時間が経過
し、その結果、常温での抵抗R〜Rの値がp倍、抵
抗Rの値がp倍となったとする。経時変化後の値に
添字1を付して表すこととすると、経時変化後の抵抗R
〜R及び抵抗R、すなわち抵抗R11〜R41
び抵抗Rt1の値は式(1)を変形して次のように表す
ことができる。ただし、下の式は、常温で加速度が加わ
っていない状態を考えている。
【0024】 R11=pR =R21 =R3141=1.1pRt1=11p … (15) 経時変化の代表的な値としてp=1.1、p=1.0
2を代入すると、 R11=1.1R =R21 =R3141=1.21Rt1=11.22R … (16) となる。従って、R41//Rt1が R41//Rt1=1.21・11.22R/(1.21+11.22) =1.0922R … (17) となるため、式(16)及び(17)を式(3)に代入
することにより、 Ia1=I・2・1.1R/ (3×1.1R+1.0922R) =0.500888Ib1=I・(1.1R+1.0922R)/ (3×1.1R+1.0922R) =0.499112I … (18) となる。式(16)〜(18)を式(2)に代入する
と、 ΔVab1=0.500888I・1.0992R −0.499112I・1.1R =0.00195I … (19) となる。従って、増幅度Aを1000、Iを4
[V]とすると、経時変化後の出力Vout1は、 Vout1=7.8[V] … (20) となる。これは、電源電圧Vcc=5(V)である場
合、差動増幅回路34は飽和することを意味する。すな
わち、経時変化により抵抗R〜Rの値が変化する
と、常温でかつ加速度が加わっていなくても、ブリッジ
抵抗10の出力に不平衡電圧が現れ、後段の回路の動作
に支障が生じる。
【0025】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、温度変化や経時変
化の影響を低減することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、歪検出用抵抗とほぼ等しい温度係
数を有し、厚膜抵抗等の調整用抵抗と直列接続される温
度補償用抵抗を備えることを特徴とする。
【0027】
【作用】本発明においては、調整用抵抗に温度補償用抵
抗が直列接続される。この温度補償用抵抗は、歪検出用
抵抗とほぼ等しい温度係数を有している。従って、温度
補償用抵抗の抵抗値を調整用抵抗の抵抗値に対し十分大
きく設定することにより、調整用抵抗と歪検出用抵抗の
温度係数の差によって生じていた不平衡電圧、すなわち
常温時や初期調整時に現れるオフセット電圧が低減する
こととなる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図7乃至図8に示される従来例
と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
【0029】図1には、本発明の一実施例に係るセンサ
の回路構成が示されている。本実施例の特徴とするとこ
ろは、厚膜抵抗Rと抵抗Rの直列接続体が、ブリッ
ジ抵抗36の抵抗Rに並列接続される点である。この
抵抗Rは拡散抵抗であり、図2又は図4に示されるよ
うに半導体基板12上に形成される。抵抗Rの値は、
厚膜抵抗Rの値に比べ十分大きく設定される。
【0030】この実施例では、例えば、各抵抗値は次の
ように設計される。
【0031】 R=R=R=R=1.1R=10.5R=0.5R ただし、R:所定値 … (21) このような設計とした上で、常温T(例えば25℃)
において抵抗Rをトリミングすることにより、 R+R=11R … (22) が常温において初期的に成り立ち、 R//(R+R)=R … (23) となる。
【0032】点aと点bの間に発生する不平衡電圧ΔV
abは、従来例における式(2)中のR//RをR
//(R+R)に置き換えることにより次のように得
られる。
【0033】 ΔVab=I・{R//(R+R)}−I・R … (24) ここに、Iは点cから点aに流れる電流を、Iは点
cから点bに流れる電流を、それぞれ表している。電流
及びIは、従来例における式(3)中のR//R
をR//(R+R)に置き換えることにより次の
ように得られる。
【0034】 I=I・(R+R)/{R+R+R+R//(R+R)} I=I・{R+R//(R+R)}/ {R+R+R+R//(R+R)} … (25) 抵抗Rの調整が行われた時点、すなわち抵抗R〜R
の経時変化や温度変化が生じていない時点では、加速
度が加わっていなければ、R=R=R=R//
(R+R)=Rである。これを式(25)に代入
すると、 I=I・2R/4R =0.5I=I・2R/4R =0.5I … (26) となり、電圧ΔVabは ΔVab=0 … (27) となる。従って、式(21)に示されるように各抵抗値
を設計し、抵抗Rを適宜トリミングすることにより、
加速度が印加されていない状態でブリッジ抵抗を平衡さ
せることができる。逆に、加速度が印加されている状態
では、R=R=R=R//(R+R)=R
が成り立たないから、 ΔVab≠0 … (27) となる。他の回路構成については、従来例と同様であ
る。なお、抵抗R5は脆弱部上には設けないようにす
る。このようにすると、抵抗R5の値が加速度により変
化しないため、従来と同様の検出動作となる。
【0035】図2には、図1の回路構成を用いて基板垂
直方向の加速度検出を行う場合のセンサの実体構成が示
されている。すなわち、図2に示される第1実施例にお
ける加速度の検出方向は、半導体基板12に垂直な方向
(紙面貫通方向)である。この実施例においては、ブリ
ッジ抵抗36が、従来例と同様にカンチレバー28片側
の脆弱部に形成されている。
【0036】図3には、この実施例における抵抗R
の配置が示されている。この図に示されるように、
本実施例においては、抵抗R〜Rがその歪に対する
抵抗値変化が相補的となるよう、配置されている。半導
体基板12上には、これらの抵抗R〜Rと接続する
よう拡散抵抗配線38が配置形成されている。この拡散
抵抗配線38はコンタクト40によってチップ配線22
に接続されており、チップ配線22はパッド24に接続
されている。抵抗Rは半導体基板12上に形成されて
いる。抵抗Rは、チップ配線22を介して複数のパッ
ド24のうち1個に、チップ配線22及び拡散抵抗配線
38を介して抵抗Rの一端に、接続されている。な
お、厚膜抵抗Rは、従来例に比べ小さいものを使用で
きる。
【0037】このような構成においては、抵抗R〜R
の抵抗値の温度変化や経時変化の影響が、従来例に比
べ著しく低減される。すなわち、差動増幅回路34が飽
和することが防止される。次に、この作用が生じる原理
について説明する。
【0038】まず、抵抗R〜Rの抵抗値の温度変化
の影響に関して説明する。常温Tにおいて厚膜抵抗R
が初期調整されている場合、抵抗R〜R及びR
は次のように温度Tの関数で表される。
【0039】 R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} R(T)=R(T)・{1+k(T−T)} ただし、k〜k:抵抗R〜Rの温度係数 k:抵抗Rの温度係数 … (28) いま、同じ拡散抵抗として形成されていることから抵抗
〜Rの温度係数k〜kをk=k=k
=k=kとおく。この条件及び前掲の式(21)
により示される抵抗値設計を式(28)に代入すると、
次の式が得られる。
【0040】 R(T)=R・{1+k(T−T)} =R(T) =R(T) R(T)=1.1R(T) R(T)=10.5R(T) R(T)=0.5R・{1+k(T−T)} … (29) 比較のため、使用温度範囲や温度係数を従来例と同様に
設定する。すなわち、使用温度範囲を−40〜85℃
(常温25℃)、k=2000[ppm/℃]、k
100[ppm/℃]と設定する。この設定に基づき、
=25[℃]、T=−40[℃]を式(29)に代
入する。すると、 R(−40)=R・{1+0.002(−40−25)} =0.87R =R(−40) =R(−40) R(−40)=1.1R(−40) =0.957R(−40)=10.5R(−40) =11.55R(−40)=0.5R・{1+0.0001k(−40−25)} =0.4968R … (30) が得られ、さらに R(−40)//{R(−40)+R(−40)} =0.957・(11.55+0.4968)R/ {0.957+11.55+0.4968} =0.8705R … (31) が得られる。式(30)及び(31)を式(25)に代
入すると、 I(−40)=I・2・0.87R/ (3×0.87R+0.8705R) =0.49993I(−40)=I・(0.87R+0.8705R)/ (3×0.87R+0.8705R) =0.50007I … (32) となる。従って、温度T=−40[℃]における電圧Δ
ab(−40)は、式(29)〜(32)の値を式
(24)に代入することにより、次のように得られる。
【0041】 ΔVab(−40)=0.49993I・0.8705R −0.50007I・0.87R =0.00013I・R … (33) これは、従来例に係る式(12)に比べ著しく小さい。
従って、従来例と同様I×R=4[V]、A=1
000、Vcc=5[V]を仮定した場合にも、 ΔVab(−40)=0.00052[V] Vout(−40)=0.52[V] … (34) となり、式(13)及び(14)の値に比べ著しく小さ
くなる。式(34)は、差動増幅器34の動作点が温度
にほとんど依存せず、その出力も飽和しないことを示し
ている。
【0042】次に、抵抗R〜Rの経時変化の影響低
減について従来例との比較により説明する。
【0043】いま、調整時からある程度の時間が経過
し、その結果、常温での抵抗R〜Rの値がp倍、抵
抗Rの値がp倍となったとする。経時変化後の値に
添字1を付して表すこととすると、経時変化後の抵抗R
〜R及び抵抗R、すなわち抵抗R11〜R51
び抵抗Rt1の値は式(21)を変形して次のように表
すことができる。ただし、下の式は、常温で加速度が加
わっていない状態を考えている。
【0044】 R11=pR =R21 =R3141=1.1pR51=10.5pRt1=0.5p … (35) 経時変化の代表的な値としてp=1.1、p=1.0
2を代入すると、 R11=1.1R =R21 =R3141=1.21R51=11.55Rt1=0.51R … (36) となる。従って、R41//{R51+Rt1}が R41//{R51+Rt1} =1.21・(11.55+0.51)R/ (1.21+11.55+0.51) =1.09967R … (37) となるため、式(36)及び(37)を式(25)に代
入することにより、 Ia1=I・2・1.1R/(3×1.1R+1.09967R) =0.50003Ib1=I・(1.1R+1.09967R)/ (3×1.1R+1.09967R) =0.499112I … (38) となる。式(36)〜(38)を式(24)に代入する
と、 ΔVab1=0.50003I・1.0997R −0.499112I・1.1R =0.0000752I … (39) となる。従って、従来例と同様に増幅度A=100
0、I=4[V]、電源電圧Vcc=5(V)と
すると、経時変化後の出力Vout1は、 Vout1=0.3[V] … (40) となる。これは、差動増幅回路34が飽和しないことを
意味する。すなわち、経時変化により抵抗R〜R
値が変化した結果常温でかつ加速度が加わっていなくて
も現れるようになる不平衡電圧が、後段の回路の動作に
支障を与える電圧とはならなくなる。
【0045】図4には、本発明の第2実施例に係るセン
サの実体構成が示されている。この図に示されるセンサ
の回路構成は図1に示される回路構成と同様のものであ
り、加速度の検出方向が半導体基板12垂直方向ではな
く図の矢印方向、すなわち半導体基板12に対して平行
な方向である点が第1実施例と異なっている。また、こ
のような検出方向設定に応じ、半導体基板12上におけ
るカンチレバーの形状や抵抗R1〜R4の配置が、第1
実施例と異なるものとされている。
【0046】すなわち、この実施例においては、「U」
字状のスリット42及び44が図中上下方向に対向形成
されている。加速度の印加により歪む脆弱部は、スリッ
ト42と42が最も近接している部位に薄肉部として形
成されている(図6参照)。従って、スリット42及び
44により囲まれる位置にあるカンチレバー46に加速
度等が加わると、当該カンチレバ−46を支持している
2か所の薄肉部が歪む。
【0047】この実施例における抵抗R〜Rは、図
5に拡大図示するように、カンチレバー46の支持部に
それぞれ2個ずつ形成されている。カンチレバー46に
図4中矢印方向の加速度が加わると、抵抗R〜R
うち2個の抵抗値は加速度方向に対応する傾向で変化
し、他の2個の抵抗値はこれと相補的な傾向で変化す
る。従って、同じ傾向で抵抗値が変化する抵抗がブリッ
ジ回路36上において対向する辺に位置するよう、図5
に示されるようにチップ配線22及び拡散抵抗配線38
を形成しかつコンタクト45を設ければ、図4中矢印で
示される方向の加速度を図1に示される回路で好適に検
出することができる。
【0048】本実施例によれば、第1実施例と同様、抵
抗R〜Rの抵抗値の温度変化及び経時変化に関する
効果を得ることができる。また、図4に示される構成を
適宜2次元配置することによって加速度を2次元的に検
出することが可能となる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
拡散抵抗等の歪検出用抵抗とほぼ等しい温度係数を有す
る温度補償用抵抗を厚膜抵抗等の調整用抵抗と直列接続
したため、温度補償用抵抗及び調整用抵抗の抵抗値を適
宜設定することにより、当該調整用抵抗と歪検出用抵抗
の温度特性の差や歪検出用抵抗の抵抗値の経時変化等に
起因したブリッジ回路の出力変化を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るセンサの回路構成を示す
回路図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るセンサの実体構成を
示す平面図である。
【図3】この実施例における抵抗R〜Rの配置を示
す拡大図である。
【図4】本発明の第2実施例に係るセンサの実体構成を
示す平面図である。
【図5】この実施例における抵抗R〜Rの配置を示
す拡大図である。
【図6】この実施例における半導体基板の形状、特にそ
のカンチレバーの形状を示す斜視端面図である。
【図7】一従来例に係るセンサの回路構成を示す回路図
である。
【図8】この従来例の実体構成を示す平面図である。
【符号の説明】
12 半導体基板 14 ハイブリッドIC基板 28,46 カンチレバー 36 ブリッジ抵抗 R〜R 歪検出用の拡散抵抗 R 温度補償用の拡散抵抗 R 厚膜抵抗

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いにほぼ等しい温度係数を有しかつ加
    速度等の印加に伴う歪により抵抗値が変化する所定個数
    の歪検出用抵抗と、歪検出用抵抗と異なる温度係数を有
    し抵抗値の初期調整が可能な調整用抵抗と、を備え、歪
    検出用抵抗がブリッジ接続されかつ当該歪検出用抵抗の
    うち少なくとも1個に調整用抵抗が並列接続された回路
    構成を有するブリッジ式センサにおいて、 歪検出用抵抗とほぼ等しい温度係数を有し、調整用抵抗
    と直列接続される温度補償用抵抗を備えることを特徴と
    するブリッジ式センサ。
JP29554292A 1992-11-05 1992-11-05 ブリッジ式センサ Pending JPH06148015A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29554292A JPH06148015A (ja) 1992-11-05 1992-11-05 ブリッジ式センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29554292A JPH06148015A (ja) 1992-11-05 1992-11-05 ブリッジ式センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06148015A true JPH06148015A (ja) 1994-05-27

Family

ID=17821997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29554292A Pending JPH06148015A (ja) 1992-11-05 1992-11-05 ブリッジ式センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06148015A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0845654A1 (en) * 1996-12-02 1998-06-03 Ognibene S.p.A. Position sensor, particularly for the rod of cylinder-piston units
JP2000515623A (ja) * 1995-12-04 2000-11-21 ソシエテ・ナシオナル・デテユード・エ・ドウ・コンストリユクシオン・ドウ・モトール・ダヴイアシオン、“エス.エヌ.ウ.セ.エム.アー.” ブリッジの主抵抗間の温度勾配を補正するホイーストンブリッジ及びひずみゲージを有する圧力センサにおけるその適用
US11502629B2 (en) 2020-12-30 2022-11-15 Texas Instruments Incorporated Hardware based motor drive controller

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000515623A (ja) * 1995-12-04 2000-11-21 ソシエテ・ナシオナル・デテユード・エ・ドウ・コンストリユクシオン・ドウ・モトール・ダヴイアシオン、“エス.エヌ.ウ.セ.エム.アー.” ブリッジの主抵抗間の温度勾配を補正するホイーストンブリッジ及びひずみゲージを有する圧力センサにおけるその適用
EP0845654A1 (en) * 1996-12-02 1998-06-03 Ognibene S.p.A. Position sensor, particularly for the rod of cylinder-piston units
US11502629B2 (en) 2020-12-30 2022-11-15 Texas Instruments Incorporated Hardware based motor drive controller
US12009769B2 (en) 2020-12-30 2024-06-11 Texas Instruments Incorporated Hardware based motor drive controller

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4480478A (en) Pressure sensor employing semiconductor strain gauge
US4556807A (en) Pressure transducer with temperature compensation circuit
JP3071202B2 (ja) 半導体圧力センサの増巾補償回路
EP0285016B1 (en) Hall effect device
EP0239094B1 (en) Semiconductor strain gauge bridge circuit
US4990986A (en) Semiconductor acceleration sensor
KR920001226B1 (ko) 반도체 압력센서
JPH02177566A (ja) 半導体歪み検出装置
JP4568982B2 (ja) 物理量検出装置
JPH0159525B2 (ja)
US4766655A (en) Method for fabricating a compensated silicon pressure sensing device
US6101883A (en) Semiconductor pressure sensor including a resistive element which compensates for the effects of temperature on a reference voltage and a pressure sensor
JPH0972805A (ja) 半導体センサ
US4672853A (en) Apparatus and method for a pressure-sensitive device
US5854421A (en) Semiconductor sensors and method for adjusting the output
JPH06148015A (ja) ブリッジ式センサ
RU2086940C1 (ru) Полупроводниковый датчик давления
JPH0682844B2 (ja) 半導体歪変換装置
JPH10339680A (ja) 半導体圧力センサ
JPH0273104A (ja) 半導体センサの温度補償回路
JPH0414512B2 (ja)
JPS6356933B2 (ja)
JPH03257986A (ja) 電子回路装置
JPH0248865B2 (ja)
JPS6097230A (ja) 圧力変換器