JPH06147598A - 空調負荷予測方法 - Google Patents

空調負荷予測方法

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JPH06147598A
JPH06147598A JP4322327A JP32232792A JPH06147598A JP H06147598 A JPH06147598 A JP H06147598A JP 4322327 A JP4322327 A JP 4322327A JP 32232792 A JP32232792 A JP 32232792A JP H06147598 A JPH06147598 A JP H06147598A
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air conditioning
conditioning load
air
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Atsushi Takahashi
惇 高橋
Tamio Ito
民雄 伊東
Akihiro Shimizu
昭浩 清水
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Takasago Thermal Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物の空調設備の翌日の空調負荷を予測し
て、空調機器の省エネルギー・省コスト運転を実施する
こと。 【構成】 本発明によれば、制御される空調機器及び周
囲環境に関する過去の実績データに基づいてニューラル
ネットワークで学習を行い予測モデルを作成し、その予
測モデルに当日の実績データを入力して、その空調機器
の翌日の空調負荷の予測が行われる。この予測モデルは
実績データの更新により学習を重ねることによりその予
測精度を高めることが可能である。予測された空調負荷
に基づいて省エネルギー、省コストの空調機器の運転制
御が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調負荷予測システム
に関し、特に、建物の空調設備における翌日の熱負荷を
ニューラルネットワークを利用して学習予測し、空調機
器制御の最適化を図るための空調負荷予測システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】ビル空調には、例えば、水熱源空調シス
テムのような蓄熱システムが採用されている。かかる蓄
熱システムは、周知のように、建物の地階に熱源水を蓄
えるための蓄熱槽を設置し、この蓄熱槽内の熱源水を各
階の空調機、例えばファンコイルユニットやヒートポン
プユニットのコイルや水側熱交換器に通水して冷暖房を
行うものであり、冷温水の製造のための熱源機器が付設
されている。この熱源機器としては、冷水製造のために
は冷凍機、温水製造のためにはボイラやヒートポンプが
使用されるのが通常であり、これらの熱源機器を稼働さ
せることにより、蓄熱運転が行われる。
【0003】冷房運転の場合を考えてみると、省コスト
運転のために安価な夜間電力を利用して冷凍機を稼働し
て蓄熱槽に冷水を蓄え、これを翌日の空調運転当日に使
用するのが最も一般的である。また、運転当日に蓄熱槽
内の冷水が不足すると(熱源水温度が上昇すると)、冷
房運転と蓄熱運転(冷水製造運転)とを併用することも
行われている。
【0004】しかしながら、上記のような従来のシステ
ムにおいては、翌日の空調設備の熱負荷(空調負荷)を
予測できないので、空調機器を最適に運転制御し省エネ
ルギー・省コストを図ることができない。
【0005】すなわち、夏期の冷房シーズンにおいて、
冷房運転当日に使用する冷水を前日夜間契約電力で冷凍
機を稼働して製造する場合を例にとると、(A) 何度℃の
冷水を生産すれば、翌日の冷房負荷を賄うことができる
か、(B) 冷房運転開始時点の間際に必要な冷熱を蓄え終
えるようにして蓄熱保持時間を短縮し、これによって熱
損失を最小にするためには、夜間電力契約時間内のいつ
から冷凍機を起動すると必要最小限の冷熱を蓄えること
ができる、(C) 夜間蓄えた冷熱をいつからいつまで利用
すると、日中での蓄熱運転を最小にできるか、(D) 冷房
負荷の大きさに応じて、何度℃の冷水を空調機に送水す
ればよいか、(E) 夜間の外気湿球温度に応じて、冷却塔
の出口水温を何度℃に設定すればよいのか、といった省
エネルギー・省コストの最適運転制御を行うことが実質
上できなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記のような従来のシステムの有する問題点に鑑
み、建物の空調設備における翌日の熱負荷(空調負荷)
を学習予測して、夜間の最適な蓄熱時間を決定すること
により、蓄熱槽からの熱損失を最小限に抑えると共に、
昼間の最適な放熱時間を決定することにより、電力受容
のピークカットを行うことが可能な、空調機器の省エネ
ルギー・省コスト運転に適した空調負荷予測システムを
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によれば、制御される空調機器及び周囲環境
に関する過去のある時点までの実績データを入力層と
し、前記過去のある時点以降のその制御される空調機器
の空調負荷を出力層として、ニューラルネットワークで
学習を行い予測モデルを作成する第1のステップと;前
記第1のステップで得られた予測モデルに、その制御さ
れる空調機器及び周囲環境に関する当日の実績データを
入力して、その制御される空調機器の翌日の空調負荷を
予測する第2のステップと;により空調負荷の学習予測
を行い、その予測に基づいて空調機器の省エネルギー・
省コストの運転制御を実施可能である。
【0008】さらに、本発明によれば、前記第1のステ
ップで得られた予測モデルが、その制御される空調機器
及び周囲環境に関する当日の実績データの追加学習によ
り、順次更新されることが好ましく、このように学習を
重ねることにより予測モデルの精度を向上させることが
可能である。
【0009】また、本発明によれば、前記第2のステッ
プで予測された翌日の空調負荷に基づいて、蓄熱槽の最
適な蓄熱時間及びその放熱時間、躯体蓄熱システムの最
適運転時間及びその設定温度、翌日の空調機器の最適運
転方法、CGS機器の運転時間などを決定することが可
能であり、それにより、使用される空調設備にとって最
適の省エネルギー・省コストの運転制御を行うことが可
能である。
【0010】なお、本発明のある実施例によれば、入力
層として入力される前記制御される空調機器及び周囲環
境に関する過去又は当日の実績データとしては、外気温
度、絶対湿度、風速、風量、日積算日射量などの気象条
件、平均室温、翌日の空調運転時間などを用いることが
好ましく、また、出力層として出力される前記空調機器
の空調負荷としては、日積算空調負荷、毎時空調負荷、
日最大空調負荷などを採用することが好ましい。
【0011】
【実施例】以下に添付図面を参照しながら、本発明の構
成と作用を具体的に説明する。図1は、本発明に基づく
空調負荷予測方法を適用するための典型的なシステム構
成を示しており、図2は、本発明に基づく空調負荷予測
方法の運転制御フローを示しており、図3は、本発明に
基づく空調負荷予測方法において採用されるニューラル
ネットワークモデルの概念図を示している。
【0012】図1に示す通り、本願に基づく空調負荷予
測方法を適用可能なシステムは、中央監視装置11と空
調負荷予測システム12とから構成されており、中央監
視装置11には、入出力インタフェース13、14及び
15から、それぞれ、気象データ、室温、空調負荷など
の空調機器及び周囲環境に関する実績データが、自動的
に又は手動により入力することが可能である。中央監視
装置11は、例えばワークステーションのような、中央
処理装置、記憶装置及び入出力装置から構成されるコン
ピュータシステムであり、入出力インタフェース13、
14及び15から受け取った実績データを内部記憶装置
内に格納すると共に、それらの実績データを空調負荷予
測システム12に転送することが可能である。空調負荷
予測システム12は受信した実績データに基づいて予測
モデルを形成すると共に、その予測モデルに基づいて翌
日の空調負荷を予測可能である。空調負荷予測システム
12において予測された翌日の空調負荷は中央監視装置
11に戻され、中央監視装置11は予測された空調負荷
に基づいて、空調機器の制御方法を決定し、その決定に
応じて空調機器を運転制御する。なお、図1に示すシス
テム構成においては、中央監視装置11と空調負荷予測
システム12とを別個のハードウェア構成としている
が、当然にこれらを同一のハードウェア構成とすること
もできる。
【0013】本発明によれば、空調負荷予測システム1
2において、図3に示すようなニューラルネットワーク
を空調負荷の予測に利用している。ニューラルネットワ
ークは、周知の通り、ニューロンと呼ばれる多数の演算
素子と、それらを結合するシナプスと呼ばれるアナログ
量の分散記憶素子で構成され、多量のデータを処理する
ことが可能であると同時に、シナプス荷重を変化させる
ことにより学習機能を有することにその特徴を有してい
る。このように、ニューラルネットワークは多量のデー
タを用いた予測システムにその利用が適しており、本願
のような空調負荷予測に利用することにより、次のよう
な利点を得ることができる。
【0014】すなわち、学習機能を有するため、予測モ
デルに随時実績値を入力することにより、精度の高い予
測システムを構築することが可能である。また、多入力
多出出力が可能であるため、本願のように日積算負荷、
日最大負荷あるいは毎時負荷といった複数の出力を得る
ことができる。さらに、ニューラルネットワークで構築
される予測モデルは本質的に非線形であるため、空調シ
ステムのように、入力データと出力データとの相関が線
形でない場合にも柔軟に対応ができる。
【0015】本願においては採用されるニューラルネッ
トワークモデルは、図3に示すような、階層型3層ネッ
トワークモデルであり、外気温、絶対湿度、風速、風
量、日射量、平均室温及び翌日の運転時間の7要素を入
力層とし、翌日の日積算負荷、日最大負荷を出力層と
し、さらに、中間層を1層12列設けている。さらに、
上記例においては、総和関数は荷重和、伝達関数はシグ
モイド関数、学習は標準バックプロパゲーションネット
ワークを採用しているが、他の構成のニューラルネット
ワークモデルを採用することも可能である。このよう
に、本願においては、上記のようなニューラルネットワ
ークモデルを採用して、予測モデルを構築すると共に、
翌日の空調負荷の予測を実行する。なお、構築される予
測モデルの精度は、後述するように学習回数により変わ
るが、学習回数に関しては、予測誤差が最小になり、オ
ーバートレーニングにならない程度の回数に設定され
る。
【0016】次に、本願に基づく空調負荷予測方法の制
御フローについて図1及び図2を参照しながら説明す
る。本発明によれば、最初に予測モデルの構築が行われ
る。すなわち、過去の実績データとして、予測したい日
の前日までの過去の所定期間にわたる各日の21時の外
気温度、21時の絶対湿度、21時の風速、21時の風
量、日積算日射量、平均室温、翌日の空調運転時間、日
積算空調負荷、日最大空調負荷、毎時空調負荷等が入出
力インタフェース13、14、15を介して中央監視装
置11に自動的に又は手動により入力される(S1)。
入力された実績データは空調負荷予測システム12に送
られ、図3に示すニューラルネットワークにおいて、学
習が行われ、実績データが入力された翌日の空調負荷を
予測するための予測モデルが構築される(S2)。次い
で、本発明によれば、構築された予測モデルを用いて実
際に翌日の空調負荷の予測が行われる。すなわち、予測
したい日の前日、すなわち当日の実績データとして、そ
の当日の21時の外気温度、21時の絶対湿度、21時
の風速、21時の風量、日積算日射量、平均室温、翌日
の空調運転時間等がS1と同様に中央監視装置11に自
動的に又は手動により入力される(S3)。次いで、入
力されたその当日の実績データが空調負荷予測システム
12に送られて、予測したい日、すなわち翌日の日積算
空調負荷、日最大空調負荷、毎時空調負荷などの空調負
荷が予測される(S4)。さらに、予測された空調負荷
は再び中央監視装置11に戻され、そこで空調機器に関
する制御方法が決定され(S5)、その決定に基づい
て、予測された日、すなわち翌日に関して、中央監視装
置11が空調機器のシステム運転を実行する(S6)。
その結果は、その日の実績データとして中央監視装置1
1内に蓄積され、その蓄積データに基づいて、空調負荷
予測システム12は学習を重ね、予測精度を高めていく
ことが可能である(S7)。
【0017】本願に基づく方法により予測された空調負
荷を、使用されている空調システムに応じて、適宜利用
することにより、空調設備の省エネルギー化、省コスト
化を図ることが可能である。その利用例のいくつかを、
以下に示す。
【0018】(1)蓄熱槽の最適な蓄熱時間、放熱時間
の決定 安価な夜間契約電力を利用して、空調機器がその翌日に
消費するエネルギー用に蓄熱槽に蓄えられる熱量及びそ
の熱量を蓄積するにはどの時間帯に蓄熱を行えば、最も
熱損失を小さくし、機器を高効率で運転できるかを、ニ
ューラルネットワークの予測モデルにより予測された日
積算空調負荷に基づいて、決定することが可能である。
また、予測された日最大空調負荷や毎時空調負荷に基づ
いて、予測される翌日の電力のピーク時にピークカット
を行うことが可能であるか、また、電力のピークカット
を行うためには、どの程度の熱量を蓄熱する必要がある
かを決定することが可能である。このようにして、空調
機器の翌日の放熱時間を決定することが可能である。
【0019】(2)躯体蓄熱システムの最適運転時間、
設定温度の決定 同様に、安価な夜間契約電力を利用して、空調機器がそ
の翌日に消費するエネルギーを得るためには、どの時間
帯に躯体蓄熱を行えば、最も熱損失を小さくし、機器を
高効率で運転できるかを、ニューラルネットワークの予
測モデルにより予測された日積算空調負荷に基づいて、
決定することが可能である。また、空調機器がその翌日
に消費エネルギーを得るためには、躯体蓄熱の設定温度
を何度に設定すればよいかを決定することが可能であ
る。例えば、予測モデルにより予測された翌日の日積算
空調負荷を現状の躯体蓄熱の設定温度では賄いきれない
と判断された場合には、設定温度の変更が行われ、躯体
蓄熱量を増加して、最適な制御を実施することが可能で
ある。
【0020】(3)翌日の空調機器の最適運転方法の決
定 予測モデルにより予測された翌日の毎時空調負荷に基づ
いて、最も省エネルギー、省コストとなる空調機器の運
転パターンを予め設定することが可能である。例えば、
最も簡単な省エネルギー、省コストとなる空調機器の運
転パターンとしては、電力のピークカット運転を実施す
ることであるが、本願によれば、予測された日最大空調
負荷や毎時空調負荷を参照すれば、電力のピークカット
を実施することが可能であるか、あるいは電力のピーク
カット運転を実施するためには、どの程度の蓄熱を実施
すればよいかについて容易に判断することができる。
【0021】(4)CGS機器の運転時間の決定 さらに、予測モデルにより予測された翌日の日最大空調
負荷や毎時空調負荷に基づいて最も省コストでかつ電力
の買電契約を越えないように、CGS機器の運転開始時
間及び運転終了時間を決定することが可能である。
【0022】以上のようにして、本発明によれば、制御
される空調機器及び周囲環境に関する実績データに基づ
いてニューラルネットワークで構築された予測モデルに
より、その翌日の空調負荷について高い精度で予測する
ことが可能である。そこで、以下において、本願に基づ
く空調負荷予測方法の精度の高さを検証するために、図
4に示すような空調システムに本願に基づく空調負荷予
測方法を適用した場合について説明する。
【0023】図4に示す空調システムは、複数の空調機
41、42、43を2階、5階及び8階に設置すると共
に単一の空調機44を地階に設置したもので、空調機と
してはセントラル3層方式のものを用い、地階に設置さ
れた空冷ヒートポンプ45を熱源として使用し、そこで
熱交換された熱を屋上に設置された空気熱交換器47を
介して大気に放熱するという典型的なものである。ま
た、計算条件として、最小外気取り入れ、全熱交有り、
立ち上がり時外気カットとした。かかる条件の下で、蓄
熱システムへの利用を配慮して深夜電力割引の始まる1
時間前の21時の気象条件等を基に、翌日の日積算冷房
負荷、日最大冷房負荷を予測した。また、予測モデルの
構築に用いたニューラルネットワークモデルは図3に示
すものと同様の階層型3層ネットワークで、当日21時
の外気温、当日21時の絶対湿度、当日21時の風速、
当日21時の風量、当日積算値の日射量、当日9時、1
2時、15時、18時の平均室温といった気象条件及び
翌日の運転時間といった運転条件等7要素を入力層と
し、翌日の日積算負荷、日最大負荷を出力層とし、中間
層を1層12例とした。さらに、総和関数は加重和、伝
達関数はシグモイド関数、学習は標準バックプロパゲー
ションネットワークを用いた。
【0024】上記のようなシステム及び条件に基づい
て、夏期冷房時のデータ122組(6月1日〜9月30
日)に関してシミュレーションを行い、本発明による空
調負荷予測方法の有効性を検証した。学習は、追加学習
無しと有りの2つのパターンにより行った。追加学習無
しでは、6月1日から7月30日までの60日のデータ
を教師信号として、7月31日から9月30日までの空
調負荷の予測を行った。追加学習有りでは、6月1日か
ら7月30日までの60日データを初期の教師信号とし
て学習した後、それ以降のデータを10日ごとに取り込
みながら追加学習を行って予測を行った。その予測結果
を以下に示す。
【0025】(1)追加学習無しの場合 ニューラルネットワークで50,000回学習後、日積
算冷房負荷、日最大冷房負荷の予測を行った。その場合
の、日積算冷房負荷の予測値と実際に算出された精算値
の経時変化の比較を図5に示す。図示の通り、8月前半
までは比較的精度良く予測できているが、後半になるに
つれて予測値と精算値のずれが大きくなっていることが
分かる。予測誤差Se を次式で表すと、日積算負荷の予
測誤差は1,146Mcal/dayであった。
【0026】
【数1】但し、Se:日積算負荷の予測誤差(Mcal/da
y) Qe:精算値(Mcal/day) Qpre:予測値(Mcal/day) n:データ数
【0027】(2)追加学習有りの場合 ニューラルネットワークで初期に50,000回学習
後、10日ごとにデータを取り込み10,000回ずつ
追加学習を行った。その場合の、日積算冷房負荷の予測
値と実際に算出された精算値の経時変化の比較を図6に
示す。図示の通り、季節の変わり目である8月の後半に
入っても比較的精度の良い予測が達成できている。ま
た、予測誤差も、979Mcal/dayに減少している。日積
算冷房負荷の精算値と予測値の比較を図7に示す。この
ように、追加学習を行うことにより予測精度を向上させ
ることができる。
【0028】なお、ニューラルモデルによる予測モデル
の精度は、初期の学習回数及び追加の学習回数に依存し
ており、適用される空調機器に応じて最適の学習回数を
選択することが可能である。例えば、上記のシミュレー
ションモデルの場合において、初期の学習回数を50,
000回で一定とし、追加学習の学習回数を変えた場合
の、予測誤差の変化を図8に示す。図示の例において
は、日積算負荷で追加学習が10,000回の場合、日
最大負荷で20,000回の場合に、予測誤差が最も小
さくなり、それ以上学習回数を増やしても予測誤差は減
少せず、オーバートレーニングの状態であることが分か
る。このようにして、本発明においては、予測誤差を最
小にでき、かつオーバートレーニングにならない学習回
数を選択することにより予測モデルの精度を向上させる
ことが可能である。
【0029】
【発明の効果】以上のようにして、本発明によれば、ニ
ューラルネットワークを利用して過去の実績データに基
づいて構築された予測モデルにより、翌日の空調機器の
空調負荷について高い精度で予測することが可能であ
る。また、その予測精度は、予測モデルを新しい実績デ
ータを用いて追加学習させることにより高めることが可
能であり、特に、季節の変わり目など予測精度が落ちる
時期においても高い精度を得ることが可能である。さら
に、予測された日最大空調負荷、毎時空調負荷、日積算
空調負荷などに基づいて、空調機器の運転制御を行うこ
とにより、例えば最も高効率で低い熱損失で運転できる
時間帯や運転パターンで蓄熱や放熱を行うことが可能と
なるので、省エネルギー、省コストに優れた空調システ
ムを構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく空調負荷予測方法を適用可能な
システムの構成図である。
【図2】本発明に基づく空調負荷予測方法の制御フロー
である。
【図3】本発明に基づく空調負荷予測方法で使用される
ニューラルネットワークの構成図である。
【図4】本発明に基づく空調負荷予測方法を適用可能な
空調システムの概略図である。
【図5】本発明に基づく空調負荷予測方法の追加学習無
しの場合の日積算冷房負荷の予測結果を示すグラフであ
る。
【図6】本発明に基づく空調負荷予測方法の追加学習有
りの場合の日積算冷房負荷の予測結果を示すグラフであ
る。
【図7】本発明に基づく空調負荷予測方法において予測
された日積算冷房負荷の予測値と実際に算出された精算
値との比較を示すグラフである。
【図8】本発明に基づく空調負荷予測方法における、追
加学習回数と予測誤差との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11 中央監視装置 12 空調負荷予測システム 13 気象データ入出力インタフェース 14 室温入出力インタフェース 15 空調負荷入出力インタフェース
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【数1】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御される空調機器及び周囲環境に関する
    過去のある時点までの実績データを入力層とし、前記過
    去のある時点以降のその制御される空調機器の空調負荷
    を出力層として、ニューラルネットワークで学習を行い
    予測モデルを作成する第1のステップと;前記第1のス
    テップで得られた予測モデルに、その制御される空調機
    器及び周囲環境に関する当日の実績データを入力して、
    その制御される空調機器の翌日の空調負荷を予測する第
    2のステップと;から成ることを特徴とする、空調負荷
    予測方法。
  2. 【請求項2】前記第1のステップで得られた予測モデル
    が、その制御される空調機器及び周囲環境に関する当日
    の実績データの追加学習により、順次更新されることを
    特徴とする、請求項1に記載の空調負荷予測方法。
  3. 【請求項3】前記第2のステップで予測された翌日の空
    調負荷に基づいて、蓄熱槽の最適な蓄熱時間及びその放
    熱時間のうちのいずれか又は双方を決定することを特徴
    とする、請求項1又は2に記載の空調負荷予測方法。
  4. 【請求項4】前記第2のステップで予測された翌日の空
    調負荷に基づいて、躯体蓄熱システムの最適運転時間及
    びその設定温度のうちのいずれか又は双方を決定するこ
    とを特徴とする、請求項1又は2に記載の空調負荷予測
    方法。
  5. 【請求項5】前記第2のステップで予測された翌日の空
    調負荷に基づいて、翌日の空調機器の最適運転方法を決
    定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の空調
    負荷予測方法。
  6. 【請求項6】前記第2のステップで予測された翌日の空
    調負荷に基づいて、CGS機器の運転時間を決定するこ
    とを特徴とする、請求項1又は2に記載の空調負荷予測
    方法。
  7. 【請求項7】入力層として入力される前記制御される空
    調機器及び周囲環境に関する過去又は当日の実績データ
    が、外気温度、絶対湿度、風速、風量、日積算日射量な
    どの気象条件、平均室温、翌日の空調運転時間のうちの
    いずれか又は2以上の組合わせから構成されることを特
    徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の空調負
    荷予測方法。
  8. 【請求項8】出力層として出力される前記空調機器の空
    調負荷が、日積算空調負荷、毎時空調負荷及び日最大空
    調負荷のいずれか又は2以上の組合わせから構成される
    ことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載
    の空調負荷予測方法。
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