JPH0614731U - 流動床式焼却炉の給じん装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ごみの定量供給を確保し、可視煙やＣＯの発
生を抑制することを可能とする。 【構成】 搬送されたごみを収容するホッパ３と、該ホ
ッパ３の下部に接続され流動床式焼却炉にごみを供給す
るスクリューコンベア５とを有する給じん装置におい
て、上記スクリューコンベア５下流側のホッパ３との接
続部１６にごみを押下げるべく上下動するプッシャー１
７を設けたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、連続して安定した燃焼を確保できるようにした流動床式焼却炉の給 じん装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に流動床式焼却炉は、投入されるごみが短時間で燃焼すると共に排ガスの リークを防ぐべく負圧で運転されるため、ごみの供給部には定量供給性とシール 性が要求される。このため、図４に示すように流動床式焼却炉１にはコンベア２ により搬送されるごみを収容するホッパ３と、このホッパ３の下部に接続され炉 内にシュート４を介してごみを供給（投入）するスクリューコンベア５とを備え た給じん装置が接続されている。

【０００３】 特に、この給じん装置は、ホッパ内にごみを溜めることでシール性を確保する いわゆるマテリアルシールを採用しているため、高いシール性を保つにはホッパ 内のごみのレベルを常に高いレベルに保つことが望ましい。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記給じん装置においては、ホッパ内のごみのレベルを上げる と、ホッパとスクリューコンベアの接続部（いわゆるのど部）にごみの詰まりや 圧密を生じ、ごみの定量供給が阻害される問題があった。また、ごみの定量供給 が阻害されると、連続して安定した燃焼が保持できないため、可視煙やＣＯの発 生を招く問題があった。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、シール性を保ちながらごみの定量供給性を確保する ことができ、結果的に可視煙やＣＯの発生を抑制することができる流動床式焼却 炉の給じん装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために第１の本考案は、搬送されたごみを収容するホッパ と、該ホッパの下部に接続され流動床式焼却炉にごみを供給するスクリューコン ベアとを有する給じん装置において、上記スクリューコンベア下流側のホッパと の接続部にごみを押下げるべく上下動するプッシャーを設けたことを特徴として いる。

【０００７】 また、第２の本考案は、搬送されたごみを収容するホッパと、該ホッパの下部 に接続され流動床式焼却炉にごみを供給するスクリューコンベアとを有する給じ ん装置において、上記スクリューコンベア下流側のホッパとの接続部上方に上流 側へ向けて斜板を設けたことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

第１の考案によれば、プッシャーが上下動してホッパとスクリューコンベアの 接続部に詰まるごみを押下げるため、接続部におけるごみの詰まりや圧密が解消 される。

【０００９】 また、第２の考案によれば、のど部でのごみ充填によるシールを行う必要がな くなり斜板とその上のごみによってシールが確保されるため、無理にホッパ内の ごみのレベルを上げる必要がなくなると共に、斜板によって接続部にはごみの荷 重が掛からなくなり、接続部におけるごみの詰まりや圧密が解消される。

【００１０】 従って、シール性を保ちながらごみの定量供給性が確保され、結果的に可視煙 やＣＯの発生が抑制される。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【００１２】 第１の実施例を示す図１において、６は流動床式焼却炉にごみを供給する給じ ん装置で、コンベア２により搬送されるごみを収容するホッパ３と、このホッパ ３の下部に接続され流動床式焼却炉にごみを供給するスクリューコンベア５とを 備えている。

【００１３】 ホッパ３は高さの高い矩形筒体状に形成され、その下部にほぼ直角にスクリュ ーコンベア５が接続されている。ホッパ３の前壁７と後壁８はほぼ中間高さから 下部にかけてスクリューコンベア５の移送方向（図において右方向）に傾斜して 形成され、前壁７は後壁８よりもやや緩やかに傾斜していてホッパ３の断面を漸 増させている。

【００１４】 スクリューコンベア５は水平のスクリュー９と、このスクリュー９を収容した トラフ１０とから主に構成され、トラフ１０の上部にホッパ３が連通して接続さ れている。スクリュー９の一端に形成された軸１１はトラフ１０の後端部を貫通 して軸受１２により回転自在に支持され、その軸１１に装着されたスプロケット １３には図示しないモータがチェーンを介して連結されている。

【００１５】 トラフ１０の先端部にはスクリュー９の先端と対向して前後に摺動可能なごみ 切出し羽根１４が回転自在に設けられ、このごみ切出し羽根１４の下方には図示 しないシュートを介して流動床式焼却炉の炉内に連通するごみ出口１５が形成さ れている。

【００１６】 そして、スクリューコンベア５下流側のホッパ３との接続部１６にはごみを押 下げるべく上下動するプッシャー１７が設けられている（図２参照）。ホッパ３ の前壁下部には左右一対の板状プッシャー１７を上下に出入りさせる一対の開口 部１８が形成され、両開口部１８にはプッシャー１７を摺動自在に収容するシリ ンダ１９が連通して接続されている。前壁７にはプッシャー１７を駆動するため の一対の油圧もしくは空圧シリンダ２０がブラケット２１を介して取付けられ、 各プッシャー１７の上端部に油圧もしくは空圧シリンダ２０のピストンロッド２ ２が連結されている。また、プッシャー１７の先端部（下端部）１７ａは前壁と 面一になるよう傾斜して形成され、その先端部１７ａが前壁７と面一に位置した 上昇位置から仮想線で示すようにトラフ１０内のスクリュー５と接触しない下降 位置までの範囲で上下動されるように設定されている。なお、トラフ１０の側壁 には複数のレベルセンサａ〜ｄが設けられ、例えば上方の２個のセンサａ，ｂに よりコンベア２がＯＮ、ＯＦＦ制御され、ごみのレベルが高い位置に維持される 。

【００１７】 上記構成によれば、左右のプッシャー１７が油圧シリンダ２０の駆動により同 時に或いは交互に上下動されてホッパ３とスクリューコンベア５の接続部１６に 詰まるごみを押下げるため、接続部１６におけるごみの詰まりや圧密が解消され る。従って、ホッパ３内のごみのレベルを高くすることができるので、マテリア ルシールを十分確保できると共に、ごみ切れ（ホッパ内のごみが空になること） が起こり難くなり、シール性を保ちながらごみの定量供給性が確保され、結果的 に可視煙やＣＯの発生が抑制される。

【００１８】 図３は第２の実施例を示し、第１の実施例と同一部分には同一参照符号が付さ れている。特に、本実施例においては、プッシャーが設けられておらず、その代 わりにスクリューコンベア５下流側のホッパ３との接続部１６上方には上流側へ 向けて斜板２３が設けられている。

【００１９】 また、本実施例では、例えば下方の２個のレベルセンサａ，ｂによりコンベア ２がＯＮ、ＯＦＦ制御され、ごみのレベルが低い位置に維持される。斜板２３は ホッパ３の前壁７内面に固定され、スクリューコンベア５の上流側に向って下降 傾斜した先端部２３ａが前壁７上端からの垂線よりも内側に突出せず、かつ下端 のレベルセンサａと接続部１６の間に位置するように設定されている。また、斜 板２３はホッパ３の後壁８の傾斜角度と同一とされていない。これらは斜板２３ 上にごみのブリッジが形成されないようにするためである。

【００２０】 本実施例によれば、斜板２３とその上のごみによってホッパレベルを下げても シールが確保されるため、無理にホッパ３内のごみのレベルを上げる必要がなく なると共に、斜板２３によって接続部１６にはごみの荷重が掛からなくなり、接 続部１６におけるごみの詰まりや圧密が解消される。従って、前記第１の実施例 と同様にシール性を保ちながらごみの定量供給性が確保され、結果的に可視煙や ＣＯの発生が抑制される。

【００２１】 尚、上記実施例ではホッパ３へのごみ搬送手段としてコンベア２を使用してい るがコンベアに替えてプッシャーなどを使用してもよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、接続部におけるごみの詰まりや圧密を解消する ことができるため、シール性を保ちながらごみの定量供給性を確保することがで き、結果的に可視煙やＣＯの発生を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】本考案の第２の実施例を示す断面図である。

【図４】従来の流動床式焼却炉の給じん装置を示す図で
ある。

【符号の説明】

２ コンベア ３ ホッパ ５ スクリューコンベア １６ 接続部 １７ プッシャー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ごみを収容するホッパと、該ホッパの下
   部に接続され流動床式焼却炉にごみを供給するスクリュ
   ーコンベアとを有する給じん装置において、ホッパのス
   クリューコンベアとの接続部にスクリューの中間部に向
   けてごみを押下げるべく上下動するプッシャーを設けた
   ことを特徴とする流動床式焼却炉の給じん装置。
2. 【請求項２】 ごみを収容するホッパと、該ホッパの下
   部に接続され流動床式ごみ焼却炉にごみを供給するスク
   リューコンベアとを有する給じん装置において、ホッパ
   のスクリューコンベアとの接続部であって、スクリュー
   コンベア下流側の上方にスクリューコンベア上流側に下
   り勾配の斜板を設けたことを特徴とする流動床式焼却炉
   の給じん装置。