JPH06145995A - メッキ液の処理方法 - Google Patents

メッキ液の処理方法

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JPH06145995A
JPH06145995A JP29875092A JP29875092A JPH06145995A JP H06145995 A JPH06145995 A JP H06145995A JP 29875092 A JP29875092 A JP 29875092A JP 29875092 A JP29875092 A JP 29875092A JP H06145995 A JPH06145995 A JP H06145995A
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JP
Japan
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plating
plating solution
phosphorous acid
dialysis
diffusion dialysis
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JP29875092A
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Yoshiaki Tomari
慶明 泊
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Abstract

(57)【要約】 本発明は化学メッキ廃液中の亜リン酸を拡散透析で分離
除去し、次いでその透析液中の亜リン酸を電解透析によ
り分離除去するものであり、これにより高濃度の亜リン
酸を含むメッキ液から有価物の損失量を最小限にして亜
リン酸を除去でき、さらに、電気エネルギー節減により
処理コストを低減することも可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メッキ浴中の不要成分
を分離除去してメッキ液を再利用を図るメッキ液の処理
方法関するものである。
【0002】
【従来の技術】次亜リン酸塩を還元剤として用いるメッ
キは、化学メッキあるいは無電解メッキと呼ばれてい
る。
【0003】また、還元剤に次亜リン酸ナトリウムを使
用し、メッキ浴中からニッケルを還元析出させるメッキ
は、化学ニッケルメッキと呼ばれ、導体および不導体の
表面に、防食、耐磨耗、はんだ付け性、硬度の向上など
の目的で行われている(使用目的A)。
【0004】また、リンの含有量を増やして磁性を減ら
し、かつメッキ皮膜の応力を低減させたものが磁気記録
媒体の下地メッキとしてアルミディスクの上に化学メッ
キされている(使用目的B)。
【0005】ところが、次亜リン酸塩を還元剤として用
いる場合には、還元剤の酸化生成物としての亜リン酸が
徐々にメッキ液中に蓄積される。
【0006】亜リン酸は、メッキ液老化の原因物質であ
り、メッキ液の老化に伴いメッキ皮膜のピンホール増加
や応力増加など、メッキ皮膜物性が劣化し、メッキ液の
安定性も低下する。
【0007】そこで、前記使用目的Aの場合、メッキ液
中の亜リン酸が Na2HPO3・5H2Oとして300〜350
g/l程度になるとメッキ液は廃棄される。
【0008】また、前記使用目的Bの場合は、特にメッ
キ皮膜の応力が低いことが要求されるために、150g
/l前後になると液が廃棄される。
【0009】廃棄されたメッキ液は、そのほとんどが産
業廃棄物業者に有料で引き取られ、その有価成分のほと
んどが利用されないまま処分される。
【0010】環境汚染問題および資源の有効利用に対す
る関心が高まっている現在において、このように資源の
浪費を行い、環境を破壊する可能性のあるメッキ廃液処
理は、大きな社会問題と成りつつある。
【0011】亜リン酸を大量に含有する老化化学メッキ
液の有効利用については、亜リン酸を老化液中から電気
透析により除去し、残存する次亜リン酸および錯化剤、
緩衝剤としての有機酸およびニッケルを成分調整後に再
びメッキに使用する方法が開示されている(特開昭63-3
03078)。
【0012】この方法による亜リン酸の分離では、亜リ
ン酸の除去量が多い場合に長時間の電解透析が必要とな
り、さらに、メッキ液中の次亜リン酸の透析量が次亜リ
ン酸の濃度ではなく透析時間に比例して増加するため、
廃棄直前の老化廃液の再生法には適していない。
【0013】図1、2は化学ニッケルメッキ廃液の老化
度に比例して電解透析時間を長くしたときに、亜リン酸
の除去率に対して次亜リン酸および硫酸ニッケル濃度が
どのように変動したかをグラフ化したものである。
【0014】ここで示した除去率(あるいは損失率)
は、以下の式により算出した。
【0015】
【外1】
【0016】図1は化学ニッケルメッキ液中の亜リン酸
濃度が130g/lのとき電気透析処理を約2.5時
間、220g/lのとき約5時間、350g/lのとき
約7.5時間、行ったときの亜リン酸の除去率を示した
ものである。
【0017】また、図2はそのときの次亜リン酸と硫酸
ニッケルの損失率および濃度を示したものであり、硫酸
ニッケルの損失率がマイナスとなっているのは、電気透
析により化学ニッケルメッキ液が濃縮されたことを意味
している。この図1および2より、化学ニッケルメッキ
液中から亜リン酸を電気透析により除去しようとした場
合、亜リン酸の除去率は電気透析処理時間に比例せず、
一定値に収束してしまうにもかかわらず、次亜リン酸の
除去率は電気透析処理時間に比例して増加していくこと
が明らかとなる。したがって、電気透析処理のみにより
老化化学メッキ液の再生を行うことは、適当な方法では
ない。
【0018】また、老化メッキ液中より亜リン酸を取り
除く他の技術として、亜リン酸を電解酸化し正リン酸に
する方法がある。
【0019】しかし、この場合も、老化メッキ液中に含
まれる次亜リン酸が有効利用されずに正リン酸に酸化さ
れてしまうという欠点がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、かかる有効利用されずに廃棄されてしまう
次亜リン酸ナトリウムおよび有機酸を有効利用し、か
つ、亜リン酸の分離除去に必要な電気エネルギーの低減
を計り、老化廃液の再生をはかる点にある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明によるメッキ液の
処理方法は、次亜リン酸塩を金属イオンの還元剤として
用いるメッキ液において、メッキ後に液中に蓄積される
該還元剤の酸化生成物を陰イオン交換膜を用いた拡散透
析で分離除去し、さらにその透析液を陰イオン交換膜お
よび陽イオン交換膜を配列した電気透析装置に導入して
液中に残留する該還元剤の酸化生成物を電気透析により
分離除去することを特徴とする。
【0022】本発明は、次亜リン酸ナトリウムを還元剤
として用いるメッキ液における亜リン酸の分離除去を低
コストで行うとともに、老化廃液中の次亜リン酸および
有機酸の有効利用システムを提供するものである。
【0023】この有効利用の例として、粉粒状芯剤のメ
ッキが挙げられる。これは、老化メッキ液中の還元剤お
よび有機酸を粉粒状芯剤のメッキ(以下は単に粉体メッ
キと表示する)に利用して次亜リン酸の濃度を老化廃液
のときよりも低化させるとともに亜リン酸の濃度を増加
させ、亜リン酸の透析に有利な条件で拡散透析を行った
のち、さらに、必要に応じて、残留する亜リン酸の分離
除去を電解透析により行うことで、電気エネルギーの節
減と次亜リン酸や有機酸などの有価物の有効利用をはか
る。
【0024】また、メッキ液中の亜リン酸濃度がNa2HPO
3・5H2Oとして150g/l以上であれば、粉体メッキ
工程を省略しても、拡散透析の併用による電気エネルギ
ー節減効果が十分にある。
【0025】粉粒状芯材とは、粒径2〜200μmの有機お
よび無機および金属粒子あるいはマイカあるいは繊維、
またはそれらの混合物である。
【0026】さらに具体的には、鉄製品への耐食、耐磨
耗性付与を目的とした化学ニッケルメッキ液において亜
リン酸のメッキ液中の濃度がNa2HPO3・5H2Oとし
て350g/lを越えると次亜リン酸によるニッケルイ
オンの還元効率の低下とともにメッキ浴の自己分解の危
険性が増大する。
【0027】自己分解のリスクを減らす為、反応温度お
よびPHを通常のメッキ条件よりも下げると、さらに次
亜リン酸の還元効率は低化し、しかもメッキ皮膜の析出
スピードが遅くなり、一定膜厚の付与に通常以上の時間
が必要となるので通常のメッキには使用できず廃棄更新
する必要が生じる。
【0028】このような老化化学ニッケルメッキ液から
電解透析のみで亜リン酸を分離除去しようとすると、透
析時間が長くなり電気エネルギー消費量が増えるばかり
か、次亜リン酸の損失量が大きくなるため、廃液の有効
利用にならない。そのため、電解透析工程の前に拡散透
析工程を導入して亜リン酸の分離を行うことは電気エネ
ルギーの節減になる。
【0029】ここでさらに、老化廃液中の亜リン酸回収
工程の前に、粉粒状芯剤への金属メッキ工程を実施する
と、透析時に損失する次亜リン酸および有機酸の有効利
用がはかれ、しかも、亜リン酸濃度が増加することによ
り拡散透析に有利となるばかりか、金属被覆粉体という
有価物が製造できる。
【0030】粉体メッキの場合、メッキ液量に対して被
メッキ物である粉体の比表面積が極端に大きく、しかも
メッキ膜厚が0.3μm程度の薄膜メッキでも有価物とな
るので、老化廃液でのメッキ温度を下げても高い還元効
率を維持することが可能となり、老化廃液中の次亜リン
酸の有効利用に適している。
【0031】ここで用いる粉体メッキ工程は、一般に知
られている滴下法およびバッチ法を用いることができ、
粉粒状芯剤への前処理も被メッキ物の特性に合わせて任
意に選択することが可能である。
【0032】本発明によるメッキ液の処理方法におい
て、拡散透析による分離除去される酸化生成物の割合が
メッキ液中に蓄積されている酸化生成物の10wt%以
上、特には30wt%以上にするのが好適である。
【0033】また、電気透析により分離除去される酸化
生成物の割合が拡散透析後の透析液中に残留する酸化生
成物の10wt%以上、特には30wt%以上にするの
が好適である。
【0034】
【実施例】実験には、以下に示す組成の老化化学メッキ
液を用いた。
【0035】
【表1】
【0036】メッキ液および透析液の成分分析にはそれ
ぞれ以下のものを用いた。
【0037】
【表2】
【0038】(実施例1)実施例1を図3により説明す
る。
【0039】図3は実施例1に使用した装置の概略図で
あり、図中の1は鉄製品の防食性、耐磨耗性および硬度
の改善などに使用される化学ニッケルメッキ液(組成は
上記Aのもの)および、その貯留槽である。
【0040】この液を図中には表示されていないポンプ
にて旭硝子製の陰イオン交換膜セレミオンDSVを組み
込んだ拡散透析装置2に供給し、亜リン酸の分離を脱塩
水貯留槽8より供給される脱塩水との交流接触による拡
散透析により行う。拡散透析条件は下記に示すものを用
いた。
【0041】また、拡散透析により亜リン酸リッチとな
った分離液は貯留槽6に送られ、得られた透析液は、さ
らに、奥野製薬製の電気透析装置3(商品名トールセプ
ター)に送り下記に示す条件で亜リン酸の分離を行っ
た。
【0042】ここで電気透析により亜リン酸リッチとな
った液は貯留槽6に送られる。
【0043】また、得られた透析液は透析液貯留槽4に
送られ、成分分析を行った後補充液貯留槽5より不足成
分を補充しメッキ液として再生した。
【0044】(拡散透析条件)
【0045】
【表3】
【0046】(電解透析条件)
【0047】
【表4】
【0048】(液組成)拡散透析および電解透析実施後
のメッキ液の成分分析結果を以下に示す。
【0049】
【表5】 透析後のメッキ液に不足成分を補給し、10cm×10cmのSP
CC-D鋼鈑(JIS G 3141)に5μmのメッキを施したとこ
ろ、耐食性、耐磨耗性、その他の物性が、新液でメッキ
したものと比較して同等であった。
【0050】(実施例2)実施例2を図4により説明す
る。
【0051】図4は実施例2に使用した装置の概略図で
あり、図中の1は鉄製品の防食性、耐磨耗性および硬度
の改善などに使用される化学ニッケルメッキ液(組成は
上記Aのもの)および、その貯留槽である。
【0052】この液を図中には表示されていないポンプ
にて粉体メッキ槽7に導入する。
【0053】ついで、前処理を施した平均粒径18μm
のセリサイト(三信鉱業製FTM18)を槽7中のメッキ
液に添加し粉体メッキを行う。
【0054】セリサイトへの前処理およびメッキは下記
に示す条件で行った。
【0055】この粉体メッキにより得られたセリサイト
は金属化率52.4%で、均一なメッキ皮膜を持ったものが
得られた。
【0056】ついで、粉体メッキにより得られた金属化
セリサイトを濾過により分離し得られた濾過液を旭硝子
製の陰イオン交換膜セレミオンDSVを組み込んだ拡散
透析装置2に供給し、以下に示す条件で亜リン酸の拡散
透析による分離を脱塩水貯留槽8より供給される脱塩水
との交流接触により行う。また、拡散透析により亜リン
酸リッチとなった分離液は貯留槽6に送られる。
【0057】さらに、ここで得られた透析液は透析液貯
留槽4に送られ、成分分析を行った後に補充液貯留槽6
より不足成分を補充しメッキ液として再生した。
【0058】(粉体メッキ条件) 〈セリサイトの前処理〉CAVENDON CHEMICAL社製ジルコ
アルミネートカップリング剤マンケムA(アルコール
系、官能基として -NH2を持つ)の2gを純水により5
00mlに希釈し、その希釈液を前記セリサイト100
gに加え撹拌する。
【0059】撹拌後セリサイトを5Cの濾紙により濾別
した。
【0060】つぎに、以下の濃度で塩化パラジウム水溶
液を調製し
【0061】
【外2】 その50mlを上記濾過後のセリサイトに加えカップリ
ング剤末端のアミノ基にパラジウムコロイドを捕捉させ
る。
【0062】さらに、以下の組成のパラジウム固定剤水
溶液200mlを加え超音波振動を与えながら撹拌して
60℃まで昇温し、60℃で5分間加熱した後に撹拌し
ながら室温程度まで冷却し、5Cの濾紙により濾別し
た。
【0063】
【外3】
【0064】〈セリサイトへの化学ニッケルメッキ〉N
aOH水溶液により、あらかじめPH=5.5に調整し
た化学ニッケルメッキ老化廃液(組成は前記Aのもの)2
0lに上記前処理済みセリサイト(処理前セリサイト重
量100g)をメッキ液温25℃で添加し、撹拌して懸
濁させる。
【0065】セリサイトが液中に均一分散するように撹
拌しながら0.5℃/分の昇温速度で液温が60℃にな
るまで加熱する。
【0066】60℃の液温にて1時間反応させた後、液
を30℃まで冷却し、金属メッキ粉体を濾過して分離す
る。
【0067】なお、金属化粉体濾別後のメッキ廃液のP
Hは5であった。
【0068】また、粉体に8Kg/cm2の圧力を加えて錠剤
(半径6.5mm、厚さ1.0mm)に成形し、三菱油化製ロレス
タAP(使用プローブ;ピン間1.5mm、4ピン直列)を
用いて4端子法により体積抵抗を測定したところ、得ら
れた金属粉体(金属化率52.4%、リン含有率13.
2%)の体積抵抗率は1.0×10-2Ωcmであった。
【0069】(拡散透析条件)
【0070】
【表6】
【0071】(透析結果)粉体メッキおよび拡散透析実
施後のメッキ液の成分分析結果を以下に示す。
【0072】
【表7】 上記分析結果においてNaH2PO2・H2Oは0.1g/l以下で
あった。
【0073】透析後のメッキ液に不足成分を補給し、10
cm×10cmのSPCC-D鋼鈑(JIS G 3141)に5μmのメッキを
施したところ、耐食性、耐磨耗性、その他の物性が、新
液でメッキしたものと比較して同等であった。
【0074】(実施例3)実施例3を図5により説明す
る。
【0075】図5は実施例3に使用した装置の概略図で
あり、図中の1は鉄製品の防食性、耐磨耗性および硬度
の改善などに使用される化学ニッケルメッキ液(組成は
上記Aのもの)および、その貯留槽である。
【0076】この液を図中には表示されていないポンプ
にて粉体メッキ槽7に導入する。
【0077】ついで、前処理を施した平均粒径18μm
のセリサイト(三信鉱業製FTM18)を槽7中のメッキ
液に添加し粉体メッキを行う。
【0078】セリサイトへの前処理およびメッキは下記
に示す条件で行った。
【0079】この粉体メッキにより得られたセリサイト
は金属化率52.4%で、均一なメッキ皮膜を持ったものが
得られた。
【0080】ついで、粉体メッキにより得られた金属化
セリサイトを濾過により分離し得られた濾過液を旭硝子
製の陰イオン交換膜セレミオンDSVを組み込んだ拡散
透析装置2に供給し、以下に示す条件で亜リン酸の拡散
透析による分離を脱塩水貯留槽8より供給される脱塩水
との交流接触により行う。また、拡散透析により亜リン
酸リッチとなった分離液は貯留槽6に送られる。
【0081】拡散透析により得られた透析液は、さら
に、奥野製薬製の電気透析装置3(商品名トールセプタ
ー)に送り下記に示す条件で亜リン酸の分離を行った。
【0082】ここで電気透析により亜リン酸リッチとな
った液は貯留槽6に送られる。
【0083】また、得られた透析液は透析液貯留槽4に
送られ、成分分析を行った後補充液貯留槽6より不足成
分を補充しメッキ液として再生した。
【0084】(粉体メッキ条件) 〈セリサイトの前処理〉前記実施例2に同じ。
【0085】〈セリサイトへの化学ニッケルメッキ〉前
記実施例2に同じ。
【0086】得られた金属化粉体(金属化率52.4%、リ
ン含有率13.2%)に8Kg/cm2の圧力を加えて錠剤(半径6.
5mm、厚さ1.0mm)に成形し、三菱油化製ロレスタAP
(使用プローブ;ピン間1.5mm、4ピン直列)を用いた
4端子法により体積抵抗率を測定したところ、その錠剤
の体積抵抗率は1.0×10-2Ωcmであった。
【0087】(拡散透析条件)
【0088】
【表8】
【0089】(電解透析条件)
【0090】
【表9】
【0091】(液組成)粉体メッキおよび拡散透析、電
解透析実施後の成分分析結果を以下に示す。
【0092】
【表10】 上記分析結果においてNaH2PO2・H2Oは0.1g/l以下
であった。
【0093】透析後のメッキ液に不足成分を補給し、10
cm×10cmのSPCC-D鋼鈑(JIS G 3141)に5μmのメッキを
施したところ、耐食性、耐磨耗性、その他の物性が、新
液でメッキしたものと比較して同等であった。
【0094】(実施例4)実施例4は図5に示した装置
を用いたものであり、ハードディスクの下地メッキとし
てアルミ基盤上に使用される化学ニッケルメッキ液の老
化廃液(組成は上記Bのもの)を用いて平均粒径18μ
mのセリサイト(三信鉱業製FTM18)に粉体メッキ
を行い、得られた金属化粉体をろ過し、ろ液を旭硝子製
の陰イオン交換膜セレミオンDSVにより拡散透析し、
さらに得られた透析液を奥野製薬製電解透析装置(商品
名トールセプター)にて電解透析した。
【0095】得られた金属化粉体の金属化率は49%で、
均一なメッキ皮膜を有していた。
【0096】粉体メッキ、拡散透析および電解透析は以
下に示す条件で行った。
【0097】(粉体メッキ条件) 〈セリサイトの前処理〉前記実施例2に同じ。
【0098】〈セリサイトへの化学ニッケルメッキ〉前
記実施例2に同じ。
【0099】得られた金属化粉体(金属化率49.0%、リ
ン含有率13.0%)に8Kg/cm2の圧力を加えて錠剤(半径6.
5mm、厚さ1.0mm)に成形し、三菱油化製ロレスタAP
(使用プローブ;ピン間1.5mm、4ピン直列)を用いた
4端子法により体積抵抗率を測定したところ、その錠剤
の体積抵抗率は3.5×10-2Ωcmであった。
【0100】(拡散透析条件)
【0101】
【表11】
【0102】(電解透析条件)
【0103】
【表12】
【0104】(液組成)粉体メッキおよび拡散透析、電
解透析実施後の成分分析結果を以下に示す。
【0105】
【表13】 上記分析結果においてNaH2PO2・H2Oは0.1g/l以下で
あった。
【0106】上記透析後のメッキ液に不足成分を補給
し、表面研磨を施した10cm×10cmのアルミ5086テス
トピース(JIS H 4100)にメッキを施したところ、メッキ
液に起因する表面欠陥である小突起やピットは発生せ
ず、新液によりメッキしたものと同等の性能であった。
【0107】実施例2〜4にて、粉体メッキの基材とし
て用いられるものはセリサイトであったが、これに限定
されるものではなく、基材上に化学メッキを行うための
触媒核を持つか、付与可能なものであれば良い。
【0108】また、拡散透析膜として旭硝子製の陰イオ
ン交換膜セレミオンDSVを示したが、H2PO -イオ
ンよりも大きな陰イオンは透過しにくく1価の陽イオン
は透過させるような陰イオン交換膜であれば利用するこ
とができる。
【0109】さらに、電解透析装置として奥野製薬製ト
ールセプターを示したが、H2PO -イオンよりも大き
な陰イオンは透過しにくい陰イオン交換膜と1価の陽イ
オンのみを選択的に透過させる陽イオン交換膜の組み合
わせであれば利用することができる。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、化学メッキ液の処
理方法において、亜リン酸が高濃度で溶解している液か
ら、長時間の電解透析で亜リン酸を分離除去すると、メ
ッキ液中の次亜リン酸損失量が増大し経済的ではない。
【0111】ところが、拡散透析の場合は分離対象が高
濃度である方が有利に作用するという特性がある。そこ
で、化学メッキ廃液中の亜リン酸を拡散透析で分離除去
し、次いでその透析液中の亜リン酸を電解透析により分
離除去することで、高濃度の亜リン酸を含むメッキ液か
ら有価物の損失量を最小限にして亜リン酸を除去できる
ばかりか、電気エネルギー節減により処理コストを安く
することも可能となる。
【0112】また、この方法を用いると、電解透析のみ
では不可能であった廃棄直前の老化化学メッキ液の再生
を行うことが可能となり、環境対策の一助となる。
【0113】さらに、この工程に廃液による粉体メッキ
工程を組み合わせることで、透析により損失する次亜リ
ン酸ナトリウムを有効利用することが可能となり、しか
も粉体メッキ後に亜リン酸ナトリウムの濃度が増加する
ので拡散透析条件が有利となる。
【0114】また、粉体メッキを実施すると、実施しな
い場合に比べて、透析により得られた分離液中に含まれ
る亜リン酸の選択率が良くなるので、亜リン酸を正リン
酸に酸化して回収する場合も有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】化学ニッケルメッキ液の電気透析による亜リン
酸除去率を示すグラフである。
【図2】化学ニッケルメッキ液の電気透析による次亜リ
ン酸および硫酸ニッケルの損失率を示すグラフである。
【図3】本発明において、化学ニッケルメッキ廃液に拡
散透析を施しさらに、その透析液に電解透析を施す工程
の概略図である。
【図4】化学ニッケルメッキ廃液を用いて粉体メッキを
行い、その濾過液に拡散透析を施した工程の概略図であ
る。
【図5】化学ニッケルメッキ廃液を用いて粉体メッキを
行い、その濾過液に拡散透析を施し、得られた透析液に
電解透析を施した工程の概略図である。
【符号の説明】
1 廃メッキ液貯留槽 2 拡散透析装置 3 電解透析装置 4 透析液貯留槽 5 補充液貯留槽 6 分離液貯留槽 7 粉体メッキ槽 8 脱イオン水貯留槽

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次亜リン酸塩を金属イオンの還元剤とし
    て用いるメッキ液において、メッキ後に液中に蓄積され
    る該還元剤の酸化生成物を陰イオン交換膜を用いた拡散
    透析で分離除去し、さらにその透析液を陰イオン交換膜
    および陽イオン交換膜を配列した電気透析装置に導入し
    て液中に残留する該還元剤の酸化生成物を電気透析によ
    り分離除去することを特徴とするメッキ液の処理方法。
  2. 【請求項2】 拡散透析による分離除去される酸化生成
    物の割合がメッキ液中に蓄積されている酸化生成物の1
    0wt%以上であることを特徴とする請求項1のメッキ
    液の処理方法。
  3. 【請求項3】 電気透析により分離除去される酸化生成
    物の割合が拡散透析後の透析液中に残留する酸化生成物
    の10wt%以上である請求項1および2のメッキ液の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 次亜リン酸塩を金属イオンの還元剤とし
    て用いるメッキ液において、該還元剤の酸化生成物が液
    中に蓄積された状態にあるメッキ液を用いて粉粒状芯材
    に金属を被覆し、生成する金属被覆粉体を分離後のメッ
    キ液を陰イオン交換膜を用いて拡散透析を行い、該酸化
    生成物を分離除去することを特徴とするメッキ液の処理
    方法。
  5. 【請求項5】 拡散透析後、その透析液を陰イオン交換
    膜および陽イオン交換膜を配列した電気透析装置に導入
    して液中に残留する該還元剤の酸化生成物を電気透析に
    より分離除去する請求項4のメッキ液の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0701860A1 (en) * 1994-09-16 1996-03-20 LeaRonal, Inc. Electrolytic production of hypophosphorous acid
JP2012102363A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Takuo Kawahara 無電解ニッケルめっき液の再生方法

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