JPH06144838A - Mn−Znフェライト用原料酸化物の製造方法 - Google Patents

Mn−Znフェライト用原料酸化物の製造方法

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JPH06144838A
JPH06144838A JP4295123A JP29512392A JPH06144838A JP H06144838 A JPH06144838 A JP H06144838A JP 4295123 A JP4295123 A JP 4295123A JP 29512392 A JP29512392 A JP 29512392A JP H06144838 A JPH06144838 A JP H06144838A
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zinc chloride
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Sadakimi Kiyota
禎公 清田
Hideaki Inaba
秀明 稲場
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Abstract

(57)【要約】 【構成】亜鉛塩化物の沸点未満の第1領域とそれよりも
高温の第2領域とを連結した加熱装置を使用し、Mn−
Znフェライトを構成する金属の原料塩化物を第1およ
び第2の領域を順次通過するように搬送し、酸素および
水蒸気を含有するガスを第2および第1の領域を順次通
過するように流通させる。 【効果】Zn収率を低下させることなく、塩素含有率の
低いMn−Znフェライト原料酸化物の製造における効
率向上を達成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Mn−Znフェライト
用原料酸化物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Mn−Znフェライトは高周波軟磁性材
料として広く利用されている。その製造に供される原料
粉末としては、Fe,MnおよびZnの酸化物粉末を機
械的に混合した後、熱処理(仮焼)、粉砕したものが最
も一般に使用されている。一方、構成主要元素であるF
e,MnおよびZnを混合塩化物溶液として用意し、こ
の溶液を噴霧焙焼することで得られる混合酸化物粉末
は、構成元素より均一に混合されているため、高い磁気
特性が得られるなどの利点をもつ、しかし、混合塩化物
溶液を噴霧焙焼する方法は、蒸気圧の高い塩化亜鉛が焙
焼時に蒸発・飛散するため、Zn歩留りが低く、また経
済的に問題があった。なお、Zn原料として、塩化亜鉛
に替えて水酸化亜鉛や炭酸亜鉛などを使用しても、これ
らの亜鉛化合物は溶融して塩化亜鉛を生成するため、噴
霧焙焼時の塩化亜鉛蒸発の問題は解決できなかった。
【0003】この問題を解決するための多くの方法が提
案されている。例えば、特開平3−40921号公報で
は、反応物質となる原料塩化物溶液滴および高温ガス
と、生成物質となる金属酸化物および生成ガスとが、並
行流となるようにした製造方法が提案されている。但
し、この方法は、塩化亜鉛の蒸発に起因するZn歩留り
低下の抑制には幾分かの効果はあるが、場合によって
は、回収金属酸化物の含有塩素不純物量が高くなってし
まい、この不純物塩素を加熱又は水洗除去する際に、加
熱時には塩化亜鉛が蒸発し、水洗時には塩化亜鉛が溶出
してしまい、Zn歩留りが低下するという問題があっ
た。また、本発明者らは、塩化亜鉛の沸点よりも低温で
噴霧焙焼した後、得られた中間加熱体を、さらに、ロー
タリーキルンなどの別の方法で加熱することで、高い歩
留りと低塩素含有率をする製造方法を提案した(特願平
4−178309号)。但し、この方法では各工程にお
ける温度を、酸化反応完結まで、常に、塩化亜鉛の沸点
未満に抑制する必要があるため、熱効率において幾分か
の非効率があったことは否めない。
【0004】以上のように、Fe,MnおよびZnを含
有する混合塩化物を原料としたMn−Znフェライト用
原料酸化物の製造方法における、特に、噴霧焙焼工程の
後の工程において、Zn歩留りの低下なしに、効率よ
く、低塩素の金属酸化物を製造する手段がないのが実情
であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の実情に鑑みて、
本発明は、Fe,MnおよびZnを含有する混合塩化物
を原料としたMn−Znフェライト用原料酸化物の製造
方法における、特に、噴霧焙焼工程の後の工程におい
て、Zn歩留りの低下なしに、効率よく、低塩素の金属
酸化物を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Mn−Znフ
ェライトを構成する金属の原料塩化物を、酸素および水
蒸気の存在する雰囲気中で加熱することにより酸化さ
せ、Mn−Znフェライト用原料酸化物を製造する方法
であって、(a)連結された少くとも2つの加熱部を設
けた加熱装置を使用し、(b)加熱装置の第1の加熱部
は亜鉛塩化物の沸点(732℃)未満の温度に保持し、
(c)加熱装置の第2の加熱部は第1の加熱部の温度よ
りも高温に保持し、(d)原料塩化物を含む固体または
液体を、加熱装置の第1から第2の加熱部を順次通過す
るようにし、(e)酸素および水蒸気を含有するガス
を、加熱装置の第2から第1の加熱部を順次通過するよ
うに流通させ、加熱装置の第1から第2の加熱部を順次
通過する原料塩化物と接触させることを特徴とするもの
である。
【0007】また、本発明は、前記のMn−Znフェラ
イトを構成する金属の塩化物として、少なくとも亜鉛塩
化物を含有する塩化物の場合に、特に好ましく適用でき
る。
【0008】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。まず、
使用する原料としては、Mn−Znフェライトを構成す
る金属の塩化物を含有するものであり、金属はFe,M
nおよびZnの1種類以上で構成され、これらの金属
は、塩化物以外の形態としては、酸化物、水酸化物また
は炭酸化物などの加熱によってMn−Znフェライト用
原料となる酸化物を生成しうるものである必要がある
(ここでは、便宜上、これらを総称して、特にことわら
ない限り「原料塩化物」と呼ぶことにする)。
【0009】これらの原料塩化物は、加熱時に塩化亜鉛
を生成する可能性がある。本発明は、特に、最初から塩
化亜鉛を含有する原料塩化物に対し効果的に適用でき
る。これらの原料塩化物としては、混合原料塩化物溶液
より水分を除去して製造したものが好ましく使用でき、
公知の噴霧焙焼(例えば、前述の特開平3−40921
号公報や特願平4−178309号に記載)によって効
率よく製造できる。
【0010】本発明においては、(a)連結された少く
とも2つの加熱部を設けた加熱装置を使用し、(b)加
熱装置の第1の領域(以下、第1領域と単純に呼ぶ)は
亜鉛塩化物の沸点未満の温度に保持し、(c)加熱装置
の第2の領域(以下、第2領域と単純に呼ぶ)は第1領
域の温度よりも高温に保持することが必要である。
【0011】加熱装置を2つの領域に分けることで、効
率よく塩化亜鉛を酸化させることができ、かつ、塩化亜
鉛蒸気の散逸を防止できる。第1領域では、塩化亜鉛蒸
気の液化および塩化亜鉛以外の塩化物の酸化を目的とす
る。第2領域では、塩化亜鉛の酸化を目的とする。
【0012】第1領域を亜鉛塩化物の沸点以上とした場
合、塩化亜鉛蒸気の散逸を防止できないので、塩化亜鉛
の沸点未満とすることが必要である。原料塩化物が塩化
亜鉛以外(FeまたはMn)の塩化物を含有する場合
は、鉄またはマンガン塩化物の酸化反応の結果生成する
塩化水素または塩素の存在が、塩化亜鉛の酸化反応を阻
害する。したがって、塩化亜鉛を酸化する第2領域以外
の領域、すなわち、第1領域において、塩化亜鉛以外の
塩化物の酸化を行うことが好ましい。ちなみに、同一雰
囲気における、塩化物の酸化反応は、鉄、マンガン、亜
鉛の順番で低温より起こる。
【0013】したがって、第1領域は、鉄およびマンガ
ンの酸化が可能で、亜鉛塩化物蒸気の液化が容易な30
0〜600℃であることが好ましい。第2領域では、塩
化亜鉛の酸化を効率よく行うため、第1領域よりも相対
的に高温で行うことが必要である。酸化効率からこのま
しい温度範囲は450〜850℃である。
【0014】本発明の物流においては、(d)原料塩化
物の固体または液体を、加熱装置の第1領域および第2
領域を順次通過するように搬送し、(e)酸素および水
蒸気を含有するガスを、第2領域および第1領域を順次
通過するように流通させ、搬送されている原料塩化物と
接触させることが必要である。
【0015】まず、酸素および水蒸気を含有するガスの
流れについて説明する。これらのガスが、第1領域およ
び第2領域を順次通過するように流通した場合、第2領
域で発生した塩化亜鉛の蒸気を捕らえることができず、
Zn歩留りの低下が防止できない。一方、第2領域およ
び第1領域を順次通過するように流通した場合、第2領
域で不可避的に発生した亜鉛塩化物蒸気を、第1領域で
液化することができ、Zn歩留りの低下が防止できる。
したがって、酸素および水蒸気を含有するガスを、第2
領域および第1領域を順次通過するように流通し、原料
塩化物と接触させることが必要である。
【0016】また、このガス流に対して、原料塩化物
は、第1領域および第2領域を順次通過するように搬送
することが必要である。酸素および水蒸気を含有するガ
スに対して、原料塩化物を第1領域および第2領域を順
次通過するように搬送する本発明においては、第1領域
で鉄、マンガンおよび亜鉛塩化物の酸化反応を行い生成
ガスは加熱装置外に搬送されること、第2領域に新鮮な
反応ガスが流入されることのために、塩化亜鉛を、鉄お
よびマンガン塩化物との競合なしに効率よく酸化させる
ことができる。この効果は、反応ガスである酸素および
水蒸気の節約にも寄与する。
【0017】さらに、不純物の原因となる塩化亜鉛は第
2領域で蒸気となり第1領域に運ばれるため、得られる
最終酸化物の含有塩素量を低くできる。また、蒸気とな
り第1領域で液化した塩化亜鉛は、再度、第2領域に導
入されるため酸化させることができる。これとは逆に、
原料塩化物を第2領域および第1領域を順次通過するよ
うに搬送すると、鉄、マンガンおよび亜鉛塩化物の酸化
反応が常に競合するため亜鉛塩化物の酸化が起こりにく
いこと、および、第2領域で蒸気となり第1領域で液化
した塩化亜鉛は酸化に必要な加熱を受けることができな
いことの理由により、最終酸化物の塩素含有量の低減が
困難となる。
【0018】したがって、原料塩化物は、ガス流とは逆
に、第1領域および第2領域を順次通過するように搬送
することが必要である。以上のように、本発明によって
はじめて、Fe,MnおよびZnを含有する原料塩化物
からMn−Znフェライト用原料酸化物を製造する方法
において、Zn歩留りの低下なしに、効率よく、低塩素
の金属酸化物を製造することができるものである。
【0019】原料塩化物は、前述のとおり、公知の噴霧
焙焼法によって製造できる。通常の噴霧焙焼法において
は、噴霧する原料液としては、FeおよびMnの塩化物
混合水溶液とZnO,Zn(OH)2 ,ZnCl2 およ
びZnCO3 の1種以上とからなる原料液が使用でき
る。Zn原料としては、前記の4種のいずれも、多かれ
少なかれ、FeおよびMnの塩化物混合水溶液に溶解
し、水分除去後はZnCl2 を生成する。そのため、い
ずれの場合もZnCl2 の蒸発に対処する必要がある。
MnとZnとFeの重量比率は、製造しようとする焙焼
酸化物の組成で決まるが、金属比率で通常、Mn:5〜
70wt%,Zn:0〜50wt%、残部Feの組成と
なる。
【0020】特に、製鉄所で多量に発生する酸洗いの廃
液に必要に応じて金属あるいは合金をさらに溶解したも
のが、経済的に好ましく使用できる。原料液は、加熱雰
囲気の中に噴霧する。加熱雰囲気は、酸素含有雰囲気で
あればよいが、加熱を経済的に行うために、炭化水素な
どを含有する燃料を燃焼させて製造した酸素を含有する
高温ガス(通常:酸素分圧2〜10%)を利用するのが
好ましい。
【0021】噴霧加熱炉内の温度は、300〜1000
℃、液滴直径は数μ〜1mm、および、液滴飛行距離は
1〜10m程度である。本発明に使用する加熱炉は、温
度および雰囲気を容易に精度よく制御でき固体または液
体の連続搬送が可能な加熱装置を使用する。トンネル炉
やロータリーキルンなどが好ましく使用できる。加熱装
置の温度領域を2つの領域に分けることは、各領域の加
熱程度を調整することで容易に達成できる。各領域の温
度は、各々、一定値である必要はなく、本発明の作用を
満足する範囲で温度幅をもっていても何ら差し支えな
く、通常は温度傾斜をもっている。
【0022】第1領域および第2領域の温度は、前述し
た通りで、各々の領域を金属化合物固体または液体が通
過する平均時間は、いずれも20分〜20時間程度であ
る。一方、ガスの通過時間は、1〜60分程度であり、
第2領域で生成した塩化亜鉛蒸気が第1領域で熱交換の
結果として液化するのに十分な時間であるように設定す
る。
【0023】また、必要に応じて、本発明による加熱終
了後、粉体特性調整のため、大気中などで、600〜1
000℃で加熱してもよい。本発明に使用する酸素およ
び水蒸気を含有するガスについては、酸素および水蒸気
分圧が高いことが好ましいが、通常、酸素分圧は2〜2
0体積%、水蒸気分圧は5〜50体積%であり、残部は
窒素、COまたはCO2 などである。加熱コストを考慮
して、炭化水素などを含有する燃料を燃焼させて製造し
た酸素を含有する高温ガス(通常:酸素分圧2〜10体
積%)を利用するのが好ましい。
【0024】次に、本発明の製造方法によって得られた
原料混合酸化物を使用したMn−Znフェライトの好ま
しい製造方法について説明する。本発明の製造方法で得
られたFe−Mn−Zn酸化物の単独もしくは2種以上
は、必要に応じて、公知フェライト原料であるFe2
3 、Mn34 などの1種以上と粉砕混合して使用でき
る。この場合は、機械的に行うものであり、通常、乾式
あるいは湿式のボールミルやアトライターなどが好まし
く使用できる。こうして得られるMn,ZnおよびFe
の含有率は、MnO,ZnOおよびFe23 に換算し
て、各々、おおよそ10〜30wt%、12〜15wt
%および残部の比率になる。
【0025】これらの粉砕混合を終えた混合酸化物は、
必要に応じて、空気、窒素、あるいはそれらの混合ガ
ス、又は、炭化水素燃料の燃焼排ガスなどの雰囲気中、
最高700〜1000℃で仮焼する。この仮焼には、ロ
ータリーキルンなどが好ましく使用できる。仮焼した混
合酸化物は、粉砕と同時に微量添加物を混合し、さら
に、成形の後燃焼するものである。
【0026】この混合時、磁気特性向上のために、Si
2 、CaOおよびNb25 などの粉末を微量添加す
る。これら、微量添加量は、公知の通り、各々、0.3
wt%以下、0.5wt%以下および0.7wt%以下
程度であり、所望する磁気特性によって添加量は異な
る。こうして得られた混合粉砕粉は、通常0.3〜2μ
程度の平均粒径をもつ。
【0027】混合粉砕粉末には、通常、0.1〜1wt
%程度のPVAに代表される成形助剤や0.01〜1w
t%程度のステアリン酸亜鉛に代表される潤滑剤を混合
し、−30mesh程度に造粒を行い、成形原料とす
る。成形原料は、通常、0.1〜2t/cm2 程度の圧
力で所望の形状に金型成形する。成形体は、通常、大気
または窒素、あるいはそれらの混合ガス中で、最高12
00〜1350℃程度で保持して焼成する。
【0028】以上、本発明の好ましい形態について説明
した。
【0029】
【実施例】
〔実施例1〕純水と塩化鉄、塩化マンガンおよび塩化亜
鉛よりなる原料溶液を噴霧焙焼炉に噴霧して、原料塩化
物(酸化物と塩化物の混合物)を用意した。この原料塩
化物の化学分析値を表1に整理した。
【0030】
【表1】 ───────────────────────────────── 化学分析値(wt%) Fe Mn Zn Cl 原料塩化物A 44.9 14.7 6.7 1.8 原料塩化物B 32.6 16.5 18.8 3.8 ───────────────────────────────── 内径50mm、長さ70mmの円筒状の炉心管を、2つ
の環状型電気炉に通し、2つの加熱部とし、さらに、炉
心管を回転させ外熱型ロータリキルンのようにした。工
程条件および得られた酸化物の分析結果を表2に整理し
た。
【0031】
【表2】
【0032】表2より、加熱領域を2つに分けない場合
において、温度が750℃と高い場合はZn収率が67
%と低く(比較例1)、温度が550℃と低い従来の方
法では短時間の加熱によっては塩素含有量が0.15w
t%と高くなってしまう。一方、本発明のように、温度
領域を2分割することで100%のZn収率と0.04
%の低い塩素含有量が達成できた(本発明例2)。
【0033】一方、本発明例と比較例4〜6とを比較す
ると、加熱領域を適正に2分割した場合においても、反
応ガスが第1領域に導入される場合(比較例4および
5)は、Zn収率が低下してしまい、原料塩化物および
反応ガスの両方が第2領域に導入される場合(比較例
6)は、塩素含有量が0.25wt%と高い値になって
しまう。原料塩化物および反応ガスの流れる方向が適正
でないと本発明の効果が得られないことが明確である。
【0034】また、本発明1,3〜6と比較例3の比較
によって、第1の領域の温度は、塩化亜鉛の沸点である
732℃以上であると(比較例3)、塩化亜鉛蒸気を液
化されず低いZn収率となるが、600〜300℃と塩
化亜鉛蒸気を液化させるために十分低い場合には、高い
Zn収率が得られる(本発明1,3〜6)ことが明確で
ある。また、本発明例1,7〜9より明らかなように、
反応ガスとしては、5〜20vol%の酸素、10〜3
0vol%の水蒸気を含有するガスが好ましく利用でき
ることがわかる。
【0035】〔実施例2〕純水と塩化鉄、塩化マンガン
および塩化亜鉛よりなる原料溶液を乾燥させて、原料塩
化物C(塩化物の混合物)を用意した。さらに、ヘンシ
ェルミキサーを使用して、塩化物粉と酸化物粉とを機械
的に混合して、原料塩化物D〜Fを用意した。これらの
原料を表3に整理した。原料は実施例1と同様にして、
焙焼した。工程条件は表4の通りである。得られた酸化
物の特性は表3に併記した。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】実施例1においては、本発明を、噴霧焙焼
によって得られた多量の塩化物を含有する混合酸化物に
適用した。しかし、本発明によって高いZn収率で酸化
できる原料塩化物は噴霧焙焼粉に限定されるものではな
い。表3より明らかなように、すべてが塩化物の混合物
であっても(本発明例10)、一部が酸化物であっても
(実施例11〜13)、好ましく適用でき、高いZn収
率でほぼ完全に酸化でき、低塩素含有量とすることがで
きる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、亜鉛塩化物の沸点未満の
第1領域とそれよりも高温の第2領域とを連結した加熱
装置を使用し、Mn−Znフェライトを構成する金属の
原料塩化物を第1および第2の領域を順次通過するよう
に搬送し、酸素および水蒸気を含有するガスを第2およ
び第1の領域を順次通過するように流通させる本発明の
製造方法によって、はじめて、Zn収率を低下させるこ
となく、塩素含有率の低いMn−Znフェライト原料酸
化物の製造における効率向上を達成した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn−Znフェライトを構成する金属の
    原料塩化物を、酸素および水蒸気の存在する雰囲気中で
    加熱することにより酸化させ、Mn−Znフェライト用
    原料酸化物を製造する方法であって、(a)連結された
    少くとも2つの加熱部を設けた加熱装置を使用し、
    (b)加熱装置の第1の加熱部は亜鉛塩化物の沸点(7
    32℃)未満の温度に保持し、(c)加熱装置の第2の
    加熱部は第1の加熱部の温度よりも高温に保持し、
    (d)原料塩化物を含む固体または液体を、加熱装置の
    第1から第2の加熱部を順次通過するようにし、(e)
    酸素および水蒸気を含有するガスを、加熱装置の第2か
    ら第1の加熱部を順次通過するように流通させ、該加熱
    装置の第1から第2の加熱部を順次通過する原料塩化物
    と接触させること、を特徴とするMn−Znフェライト
    用原料酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記原料塩化物が、少なくとも亜鉛塩化
    物を含有するものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項に記載のMn−Znフェライト用原料酸化物の
    製造方法。
JP4295123A 1992-11-04 1992-11-04 Mn−Znフェライト用原料酸化物の製造方法 Withdrawn JPH06144838A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07206445A (ja) * 1994-01-06 1995-08-08 Kawasaki Steel Corp Ni−Zn系フェライト原料酸化物の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07206445A (ja) * 1994-01-06 1995-08-08 Kawasaki Steel Corp Ni−Zn系フェライト原料酸化物の製造方法

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