JPH06143791A - 印字用テープ - Google Patents

印字用テープ

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JPH06143791A
JPH06143791A JP29709192A JP29709192A JPH06143791A JP H06143791 A JPH06143791 A JP H06143791A JP 29709192 A JP29709192 A JP 29709192A JP 29709192 A JP29709192 A JP 29709192A JP H06143791 A JPH06143791 A JP H06143791A
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JP29709192A
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Inventor
Takahiro Norimatsu
隆広 乗松
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紫外線に晒された場合でも、印字用テープ
を提供する。 【構成】 基材シート3の一面に形成された感熱剤層
2上に光安定剤を分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサーマルヘッドを有する
テープ印字装置に使用される印字用テープに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、長尺状の印字用テープ上に文字等
の印字を行なうテープ印字装置が種々提案されている。
かかるテープ印字装置では、一般に、印字用テープを内
蔵してなるテープカセットを装置本体に装着するととも
に、テープカセット内から印字用テープを引き出しつつ
サーマルヘッドを介して印字リボンにより印字用テープ
上に文字等の印字を行うことによりテープを作成するも
のであり、このように作成されたテープはビデオカセッ
ト等の背面に貼着して使用される。
【0003】この種テープ印字装置には、その印字方式
から大別して、いわゆるノンラミネートタイプとラミネ
ートタイプのものがある。ここに、ノンラミネートタイ
プのテープ印字装置は、例えば、欧州特許公開第272
232号公報に開示されているように、剥離紙付きの片
面粘着テープからなる印字用テープの非粘着面上にサー
マルヘッドにより印字リボンを介して文字等を印字し、
その印字面の保護を行なわないタイプのものであり、ま
た、ラミネートタイプのテープ印字装置は、例えば、本
出願人に係る実願昭62−199662号の願書に添付
された明細書及び図面に開示されているように、透視性
を有するフィルムテープからなる印字用テープの一面に
サーマルヘッドにより印字リボンを介して文字等を印字
し、その印字面に剥離紙付の両面粘着テープを貼付する
タイプのものである。両タイプのうち特にノンラミネー
トタイプのものでは、印字用テープの印字面が保護され
ていないことから文字等が剥がれ易く、文字等の耐摩耗
性が低い。
【0004】このように、前記いずれのタイプのテープ
印字装置においても、印字用テープ上に文字等の印字を
行なうに際し、印字リボンを使用して印字が行なわれて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のテープ印字装置にて使用される印字用テープは、一
般に紫外線によるテープの劣化、変色等について何ら考
慮されておらず、従って、かかる印字用テープは長期の
間に紫外線に晒されることにより劣化したり変色(黄
変)したりする問題があった。この場合、印字リボンを
介して印字用テープ上に文字等の印字を行なう従来のテ
ープ印字装置では、印字リボンのインク成分はカーボン
を含有するワックスを主体として構成されており、かか
るインクは紫外線に対して劣化、変色等しにくいもので
はあるが、印字用テープ自体は紫外線に対して容易に劣
化、変色してしまい、特に、テープ印字装置を陽の当た
る明るい場所で使用する場合には、印字用テープが短期
間の内に黄変したり退色する虞が多分に存在するもので
あった。
【0006】更に、特に、従来のノンラミネートタイプ
のテープ印字装置では、印字用テープ上の印字された文
字等の保護は何ら行なわれていないので、文字等の耐摩
耗性が必然的に低くなってしまう。
【0007】本発明は前記従来技術の問題点を解消する
ためになされたものであり、紫外線に晒された場合で
も、印字用テープ及びその印字用テープに印字された文
字等が劣化、変色することのない印字用テープを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の印字用テープは、基材シートの一面に塗布形成
された粘着剤層を介して剥離紙を貼付するとともに、粘
着剤層が形成された基材シートの他面にサーマルヘッド
の発熱素子により発色可能な感熱剤層を形成し、該感熱
剤層中に光安定剤を分散させたことを特徴とする。更に
前記感熱剤層上に紫外線吸収剤を分散させてなるオーバ
ーコート層を設けるとよい。
【0009】ここに、感熱剤層はロイコ染料、ロイコ染
料と熱時発色反応を起こしロイコ染料を発色させる顕色
剤、これらのロイコ染料と顕色剤との間の発色反応を促
進する発色促進剤、ロイコ染料と顕色剤とを結合するバ
インダ、その他顔料、助剤等から構成される。
【0010】例えば、本発明の感熱剤層に適用可能なロ
イコ染料としては、以下のものがある。
【0011】(イ)トリフェニルメタン系染料 3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)−フタリ
ド、3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)−6
−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレッ
トラクトン)、3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(P−ジブ
チルアミノフェニル)フタリド(別名マラカイトグリー
ンラクトン)。
【0012】(ロ)フルオラン系染料 3−ジメチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジ
メチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3
−ジメチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−メチルアミノフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−(N−メチルアニリノ)フルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−オルトクロロアニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8ベンゾフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−P−ブチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−
モルホリノ−5,6ベンゾフルオラン、3−エチル−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、2−アニリノ−6
−ジエチルアミノフルオラン、3−(N−メチル−N−
シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン。
【0013】(ハ)フェノチアジン系染料 ベンゾイルロイコメチレンブルー、2,2ジメチルロイ
コメチレンブルー、P−アニソイルロイコメチレンブル
ー、N−ビバリルロイコメチレンブルー、 (ニ)ローダミンラクタム系染料 N−フェニルローダミンβラクタム、アードローダミン
βサルトン。
【0014】(ホ)スピロピラン系染料 ベンゾ−β−ナフトスピロピラン、1,3,3−トリメ
チル−6’−クロル−8’−メトキシ−インドリノベゾ
スピロピラン。
【0015】また、顕色剤としてはフェノール性化合物
が使用され、かかるフェノール性化合物は常温以上で液
化、又は気化して前記ロイコ染料と反応し、ロイコ染料
を発色させるものである。フェノール性化合物として例
えば以下のものがある。
【0016】4,4’−イソプロピリデンジフェノール
(ビスフエノールA)、4,4’−イソプロピリデンビ
ス(2−クロロフェノール)、4,4’−イソプロピリ
デンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−イソプ
ロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)、
4,4’−sec−ブチリデンフェノール、4,4’−
シクロヘキシリデンフェノール、4−tert−ブチル
フェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−
tert−オクチルカラコール、4−フェニルフェノー
ル(P−フェニルフェノール)、4−ヒドロキシジフエ
ノキシド、2,2’−ジヒドロキシジフェノール、αナ
フトール、βナフトール、メチル−4−ヒドロキシベン
ゾエート、ベンジル−4−ヒドロキシベンゾエート、エ
チル−4−ヒドロキシベンゾエート、プロピル−4−ヒ
ドロキシベンゾエート、4−ヒドロキシ−アセトフエノ
ール、ノボラック型フェノール樹脂、ハロゲン化ノボラ
ック型フェノール樹脂、その他フェノール重合体等。
【0017】更に、発色促進剤としては、ステアリン酸
アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、オレイン酸
アミド、パルミチン酸アミド、抹香オレイン酸アミド、
ヤシ脂肪酸アミド等が適用可能である。
【0018】また、バインダとしては、以下のような化
合物が適用可能である。
【0019】例えば、ポリビニルアルコール、澱粉又は
その変性物及び誘導体、メチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラ
ビヤゴム、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、スチレン
/無水マレイン酸共重合物、イソブチレン/無水マレイ
ン酸共重合物、スチレン/ブタジエン共重合物、ポリ酢
酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等がある。
【0020】その他感熱剤層には、タルク、クレー、シ
リカ、酸化チタン、尿素ホルマリン樹脂等の白色顔料、
更に、各種ワックス、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸ア
ミド、分散剤、潤滑剤、消泡剤等の助剤が含有されても
よい。
【0021】また、感熱剤層中に分散させる光安定剤と
して、望ましくはビス(2,2,6,6-テトラメチル-
4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペ
ンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、1-[2-[3
-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオニルオキシ]エチル]-4-[3-(3,5-ジ-t-ブ
チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、8-ベンジル-
7,7,9,9-テトラメチル-3-オクチル-1,3,8-トリ
アザスピロ[4,5]ウンデカン-2,4-ジオン、4-ベ
ンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒ
ドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミ
ノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,
6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチ
レン[[2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イ
ミノ]] 2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2
-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチ
ル-4-ピペリジル)のようなヒンダードアミン系のもの
がある。
【0022】次に、オーバーコート層は感熱剤層を保護
するものであり、かかるオーバーコート層を形成する化
合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチル
セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、
澱粉、ゼラチン、メトキシセルロース等が適用可能であ
る。また、オーバーコート層に分散される紫外線吸収剤
としてのベンゾトリアゾール誘導体としては、以下の化
合物が適用可能である。例えば、2-(5-メチル-2-ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒド
ロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェ
ニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-
ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニ
ル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-
t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾ
トリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0023】更に、オーバーコート層は感熱剤層を水分
から保護することを主な目的としており、これよりオー
バーコート層には耐水化剤が含有される。ここに、耐水
化剤としては、ホルマリン、グリオキサール、クロム明
ばん、メラミン、メラミンホルマリン、ポリアミド樹
脂、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂等が適用可能
である。
【0024】また、基材シートとしては、ポリエステル
フィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、塩化ビニルフィルム等のプラスチックフィルムや上
質紙、和紙等が使用される。更に、粘着剤としては、溶
剤型アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、水溶性粘着剤、
ホットメルト粘着剤、エマルジョン系粘着剤等の粘着剤
が使用される。また、剥離紙としては、グラシン紙やポ
エチレンテレフタレート(PET)の片面にシリコンを
コートしたものを使用するのがよい。
【0025】
【作用】前記構成を有する本発明では、文字等がサーマ
ルヘッドを介して印字用テープ上に印字される。このと
き、基材シート上に形成された感熱剤層がサーマルヘッ
ドの発熱素子により発色され、感熱剤層に文字等が形成
される。ここに、感熱剤層はオーバーコート層により保
護されているので、感熱剤層に形成された文字等が容易
に剥がれてしまうことはない。感熱剤層には光安定剤が
分散されているため、紫外線による老化が防止され、劣
化や黄変が防止される。またオーバーコート層には紫外
線吸収剤が分散されているので、印字用テープが紫外線
に晒された場合においても、感熱剤層に形成された文字
等のみならず文字等が印字されていない部分が劣化、変
色等してしまうことは確実に防止され得る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例に基づいて
図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、図1に基づい
て本実施例に係るテープカセットに収納される印字用テ
ープTの構成について説明する。図1は印字用テープを
模式的に示す断面図であり、基材シート3の一面(図1
中下面)には、粘着剤層4を介して剥離紙5が貼着され
ている。また、基材シート3における他の面(図1中上
面)には、感熱剤層2が塗布形成されており、更に、か
かる感熱剤層2上にはオーバーコート層1が形成されて
いる。かかるオーバーコート層には、紫外線吸収剤が分
散、含有されている。
【0027】1.印字用テープの作成 次に、このように構成される印字用テープTの作成方法
について説明する。
【0028】(1)基材シート 基材シート3として、厚さ38μmポリエステルフィル
ム(帝人テトロンS−38)を使用した。
【0029】(2)感熱剤塗料の調整 感熱剤塗料の調整のため先ず、下記の組成を有するA
液、及び、B液を調整する。
【0030】 (A液) 1.ロイコ染料 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 5g 2.バインダ エポキシ変性ポリビニルアルコール 20%液 40g 3.光安定剤 2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロン酸 ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル) 2g 4.水 100g (B液) 1.顕色剤 ビスフェノールA 10g 2.発色促進剤 ステアリン酸アマイド 7g 3.バインダ エポキシ変性ポリビニルアルコール 20%液 40g 4.水 100g 前記組成を有するA液、B液を調整した後、各A液、B
液をそれぞれ別々にボールミルにて分散し、A液100
g、B液100gにエポキシ変性ポリビニルアルコール
の20%液を50g、水50gを加えて混合攪拌して感
熱剤塗料を調整する。
【0031】(3)感熱剤塗料の塗布 前記のように調整した感熱剤塗料を基材シート3の一面
に、塗工量が10g/m2 となるように塗布し、その後
乾燥して感熱剤層2を形成する。
【0032】(4)オーバーコート層の形成 先ず、下記組成を有するオーバーコート剤液を調整す
る。
【0033】 1.エポキシ変性ポリビニルアルコール 20%液 40g 2.紫外線吸収剤 2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2 −ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール 2g 3.水 100g 次に、前記のように形成した感熱剤層2の上面に、前記
オーバーコート剤液を塗工量が1g/m2 となるように
グラビア塗工し、乾燥してオーバーコート層1を形成す
る。
【0034】(5)剥離紙の調整 先ず、下記組成を有する粘着剤を調整する。
【0035】 (粘着剤) 1.油脂(一方社製油脂 AS−2050) 100g 2.油脂(一方社製油脂 B−45) 2g 3.酢酸エチル 30g 前記各成分を攪拌混合して粘着剤を調整した後、片面に
シリコン塗工してなる厚さ60μmの剥離紙5のシリコ
ン塗工面に、粘着剤を20g/m2 となるように塗工し
て粘着剤層4を形成する。
【0036】(6)印字用テープの作成 前記のように調整した剥離紙5の粘着剤層4を、感熱剤
層2及びオーバーコート層1が形成された基材シート3
の他方の面に貼付する。これにより、印字用テープTが
作成される。
【0037】2.印字サンプルの作成 続いて、前記のように作成された印字用テープTを使用
して印字サンプルを作成する方法について、図2及び図
3を参照して説明する。図2はテープカセットの上カセ
ットケースを除いて示す下カセットケースの平面図、図
3はテープ印字装置の斜視図である。
【0038】先ず、印字用テープTをテープカセットC
内に装着するについて、前記のように作成された印字用
テープTを12mm幅に切断し、これをテープスプール
10(外径、高さ共に12mmに形成されている)の周
囲に、剥離紙5が外側となるように巻回する。かかるテ
ープスプール10を下カセットケース11内で図2に示
す状態にセットする(テープスプール10は下カセット
ケース11と図示しない上カセットケースとにより回動
可能に保持される)。
【0039】尚、下カセットケース11内において、印
字用テープTはテープスプール10からテープ案内部1
2を経て開口部13まで案内されており、かかる印字用
テープTは、後述するテープ印字装置20のテープ送り
軸21に嵌合されて印字用テープTの送り動作を行なう
テープ送りローラ14により送られる。また、開口部1
3には、サーマルヘッド15(後述するテープ印字装置
20のカセット装着部22に固設されており、縦方向に
複数個の発熱素子が設けられている)が配置されてお
り、更にサーマルヘッド15に対向してローラ支持部材
16(テープ印字装置20に軸19の回りに回動可能に
支持されている)が配設されている。
【0040】かかるローラ支持部材16には、プラテン
ローラ17、及び、圧接ローラ18が回動可能に支持さ
れており、前記サーマルヘッド15により印字用テープ
Tに文字等の印字を行なう際には、ローラ支持部材16
が軸19の回りに反時計方向に回動される。これによ
り、プラテンローラ17はサーマルヘッド15に圧接さ
れ、サーマルヘッド15により確実に文字等の印字が行
なわれるとともに、圧接ローラ18はテープ送りローラ
14に圧接され、両ローラ18、14の協働により印字
後の印字用テープTがテープカセットCの外部に送られ
るものである。
【0041】かかるテープカセットCは印字装置20
(図3参照)の後方(図3中右方)に設けられたテープ
装着部22にセットされる。この後、サーマルヘッド1
5の発熱素子を選択的に通電して、印字用テープTのオ
ーバーコート層1の側から感熱剤層2を加熱することに
より、感熱剤層2内で発色反応を発生させて所望の文字
等を感熱剤層2内に形成する。
【0042】このように文字等の印字が行なわれた印字
用テープTはテープ送りローラ14と圧接ローラ18と
の協働によりテープカセットCの外部に排出される。排
出された印字用テープTはカッタにて切断され、かかる
テープTが印字サンプルとされる。
【0043】3.比較印字サンプルの作成 次に、前記のように作成された印字サンプルとの比較を
行なうため比較印字サンプルを作成した。ここに、比較
印字サンプルは、基本的に前記印字サンプルと同様の方
法により作成され、印字サンプルとは感熱剤層2に光安
定剤が分散されず、オーバーコート層1中に紫外線吸収
剤としての2−(3−tert−ブチル−5−メチル−
2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ールが分散されていない点で相違するものである。
【0044】4.印字サンプルと比較印字サンプル相互
の比較 感熱剤層2の光安定剤と、オーバーコート層1中におけ
る紫外線吸収剤の有無がどのような効果を生じるかにつ
いて、各印字サンプル中の印字部(文字形成部)と非印
字部(文字形成部以外の印字用テープTの部分)におけ
る光学濃度を測定することにより比較検討を行なった。
かかる光学濃度の測定結果が図4に示されている。
【0045】図4は横軸を紫外線(UV)照射時間、縦
軸を光学濃度として測定結果を示すグラフである。ここ
に、光学濃度の測定は、両印字サンプル、比較印字サン
プルに波長域300nm乃至400nmの紫外領域にお
いて、50ワット/平方メートル(W/m2 )の放射照
度で72時間照射し、24時間毎に各印字サンプル及び
比較印字サンプルにおける印字部と非印字部の光学濃度
を測定することにより行なった。また、印字濃度は、測
色計(ミノルタ社製CM−2002)により可視光域
(400乃至700nmの波長域)で5nm毎に各部分
の反射率を測定するとともに、測定された各反射率の逆
数の対数を求め、更に、求めた値の平均値を計算するこ
とにより算出した。尚、図4中、(△)は印字サンプル
の印字部における光学濃度、(+)は印字サンプルの非
印字部における光学濃度、(◇)は比較印字サンプルの
印字部における光学濃度、(□)は比較サンプルの非印
字部における光学濃度を示す。
【0046】図4において、先ず、印字サンプルと比較
印字サンプルとにおける印字部の光学濃度を比較する
と、印字サンプルの印字部における光学濃度は、72時
間の紫外線照射の間に1.23から1.01まで変化
し、濃度差は0.22に過ぎないのに対して、比較印字
サンプルの印字部における光学濃度は、同様に1.23
から0.86まで変化して濃度差が0.37に達してい
ることが分かる。これは、比較印字サンプルの印字用テ
ープTにおける感熱剤層2には光安定剤が分散されず、
オーバーコート層1には紫外線吸収剤が分散、含有され
ていないことから、紫外線照射によって感熱剤層2に形
成された文字等の発色部において退色が発生したことに
起因するものと考えられる。一方、印字サンプルの印字
部においても若干の退色現象が生じるものの、印字サン
プルの印字用テープTにおけるオーバーコート層1中に
は紫外線吸収剤が分散、含有されているため、その退色
現象は比較印字サンプルの場合に比してそれ程顕著なも
のではない。
【0047】次に、印字サンプルと比較印字サンプルと
における非印字部の光学濃度を比較すると、印字サンプ
ルの非印字部における光学濃度は、72時間の紫外線照
射の間に0.08から0.18まで変化し、濃度差は
0.1に過ぎないのに対して、比較印字サンプルの非印
字部における光学濃度は、同様に0.08から0.30
まで変化して濃度差が0.22に達していることが分か
る。これは、比較印字サンプルの印字用テープTにおけ
る感熱剤層2には光安定剤が分散されず、オーバーコー
ト層1には、前記と同様紫外線吸収剤が分散、含有され
ていないことから、紫外線照射によって非印字部が変色
(黄色に黄変する)したことに起因するものと考えられ
る。一方、印字サンプルの非印字部においても若干の変
色現象が見られるものの、印字サンプルの印字用テープ
Tにおける感熱剤層2には光安定剤が分散され、オーバ
ーコート層1中には紫外線吸収剤が分散、含有されてい
るため、その変色現象は比較印字サンプルの場合に比し
てそれ程顕著なものではない。
【0048】このように、印字サンプルにおける印字用
テープTのオーバーコート層1中に分散、含有された紫
外線吸収剤は、印字部(感熱剤層2に形成された発色
部)のみならず非印字部(感熱剤層2で発色していない
部分)をも紫外線から有効に保護する作用を有するもの
である。
【0049】以上、詳細に説明した通り本実施例に係る
印字用テープTでは、基材シート3の一面に形成された
感熱剤層に光安定剤を分散し、感熱剤層2上に紫外線吸
収剤を分散、含有させたオーバーコート層1を設けたの
で、印字用テープTにおける印字部及び非印字部の双方
を紫外線から有効に保護することができる。これによ
り、印字部における退色を極力防止することができると
ともに、非印字部における変色(黄変)をも防止するこ
とができ、もって文字等に劣化を生じることなく長期に
渡って安定して使用可能な印字用テープTを実現するこ
とができるものである。
【0050】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改
良、変形が可能であることは勿論である。
【0051】例えば、前記実施例では紫外線吸収剤をオ
ーバーコート層1内に分散、含有させるようにしたが、
感熱剤層2中に光安定剤を分散させるのみでも、有効な
効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、紫外線に晒
された場合でも、印字用テープ及びその印字用テープに
印字された文字等が劣化、変色することのない印字用テ
ープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印字用テープTを模式的に示す断面図である。
【図2】テープカセットの上カセットケースを除いて示
す下カセットケースの平面図である。
【図3】テープ印字装置の斜視図である。
【図4】印字サンプルと比較印字サンプルとにおける印
字部及び非印字部の光学濃度の測定結果を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 オーバーコート層 2 感熱剤層 3 基材シート 4 粘着剤層 5 剥離紙 T 印字用テープ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一面に塗布形成された粘着
    剤層を介して剥離紙を貼付するとともに、粘着剤層が形
    成された基材シートの他面にサーマルヘッドの発熱素子
    により発色可能な感熱剤層を形成し、該感熱剤層中に光
    安定剤を分散させたことを特徴とする印字用テープ。
  2. 【請求項2】 前記感熱剤層上に紫外線吸収剤を分散さ
    せてなるオーバーコート層を設けたことを特徴とする請
    求項1に記載の印字用テープ。
JP29709192A 1992-10-15 1992-11-06 印字用テープ Pending JPH06143791A (ja)

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JP29709192A JPH06143791A (ja) 1992-11-06 1992-11-06 印字用テープ
EP93308146A EP0593270A3 (en) 1992-10-15 1993-10-13 Print tape and print tape cartridge.

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103935149A (zh) * 2014-05-07 2014-07-23 费亦欧 热紫成像的方法和用纸以及设备

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