JPH06141739A - 生糸および絹の黄変防止方法 - Google Patents

生糸および絹の黄変防止方法

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JPH06141739A
JPH06141739A JP4328630A JP32863092A JPH06141739A JP H06141739 A JPH06141739 A JP H06141739A JP 4328630 A JP4328630 A JP 4328630A JP 32863092 A JP32863092 A JP 32863092A JP H06141739 A JPH06141739 A JP H06141739A
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JP
Japan
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silk
yellowing
cocoon
acid
okara
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Pending
Application number
JP4328630A
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English (en)
Inventor
Fujiyoshi Matsubara
藤好 松原
Takashi Yamazaki
隆 山崎
Hiroshi Ito
啓 伊藤
Masatoshi Ichida
昌利 一田
Hajime Mori
肇 森
Toshikatsu Imamura
利勝 今村
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JX Metals Trading Co Ltd
Original Assignee
Nikko Shoji Co Ltd
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/80Food processing, e.g. use of renewable energies or variable speed drives in handling, conveying or stacking
    • Y02P60/87Re-use of by-products of food processing for fodder production

Landscapes

  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】日光や紫外線の照射で黄変しにくい生糸および
絹を生産する。 【構成】オカラを約50%含む人工飼料でカイコを飼育
して繭をつくらせるか、または、繭糸にデオキシシチジ
ル酸(dCMP)またはシチジル酸(CMP)を化学的
に吸着ないし含有せしめる。 【効果】含有されるデオキシシチジル酸あるいはシチジ
ル酸の紫外線吸収作用により、該繭糸は紫外線の照射に
よっては黄変しにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生糸あるいは絹にデオ
キシシチジル酸(dCMP)又はシチジル酸(CMP)
を含有せしめることにより、生糸および絹の黄変を防止
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】絹に日光が当たると黄変が生じることは
古くから知られていて、この黄変は絹の産業上の利用の
大きな障害となり問題点であった。絹及び生糸の黄変
は、絹タンパク質を構成するアミノ酸残基のなかでトリ
プトファン、チロシンなどの芳香族側鎖を持つアミノ酸
が紫外線や熱によって分解されて生成する黄褐色のメラ
ニン色素や、黒褐色のフミン質によるものとされている
〔R.S.Asquith, L.Hirst,and D.E.Rivett(1970); A stu
dy of the Ultraviolet Yellowing of Amino Acids, Pe
ptides, and soluble Proteins, Tex.Res. J., 40, 285
-289 , 皆川 基(1981); 『絹の科学』,第472-477
頁,関西衣生活研究会,大阪〕。また、黄変した絹タン
パク質中のチロシン残基とトリプトファン残基が減少し
ていることが認められている〔A.S.Inglis and F.G.Len
nox(1963); Studies in wool yellowing, part 〓 Cha
nges in Amino Acids Composition due to Irradiatio
n, Tex.Res. J., 33, 431-435 ]。本願発明者らは、オ
カラを約50%含む人工飼料で壮蚕期を飼育した場合、
桑葉飼育したものと比較して、得られる生糸の色が白
く、かつ、140℃で1時間の加熱処理を行った後でも
黄変が少ないことを認めていた〔森 肇・陳 瑞英・俵
秀行・一田昌利・今村利勝・土山 彬・吉田まち子・
大西盛夫・角田素行・松原藤好(1991); オカラを主成分
とした人工飼料によるカイコ5齢期の無菌飼育,日本蚕
糸学雑誌、第60巻第6号、 445-449頁] 。しかし、そ
の原因に関しては、全く不明であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】絹織物に紫外線吸収剤
を使用して黄変を防止することは従来から行われてい
る。しかし、その全貌は不明であるし、また、近年のよ
うに絹を化粧品または食品用素材として用いる場合など
には、通常の紫外線吸収剤を使用したものでは安全性な
いし食品衛生上の重要な問題を生ずる。そこで、安全
で、かつ、食品衛生法上も問題のない‘黄変しにくい生
糸もしくは絹’を供給することを目的とした。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】鋭意研究の結果、オカ
ラを約50%含む人工飼料で壮蚕期を飼育した場合、桑
葉飼育したものと比較して、得られる生糸および絹を紫
外線照射した場合の黄変が少ないのは、カイコの生合成
する核酸成分が生糸および絹に移行するためであること
を見出し、本発明を完成した。オカラを約50%含む人
工飼料でカイコを飼育した場合、桑葉で飼育したものと
比較して、繭糸のセリシン区分(とくに熱水溶解法によ
る繭層セリシンの第〓分画)の核酸成分の含有量が著し
く増大する。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
により繭糸セリシン第〓分画抽出液の核酸成分含有量を
比較した結果を図1に示す。図1から明らかなように、
オカラを約50%含む人工飼料でカイコを飼育した場合
(B)に、桑葉で飼育したもの(C)と比較して、特異
的に増大している成分はデオキシシチジル酸(dCM
P)である───ただし、HPLCのみではデオキシシ
チジル酸(dCMP)とシチジル酸(CMP)とを区別
できないので、以下、必要な場合はdCMP(あるいは
CMP)と記述する───。オカラを約50%含む人工
飼料でカイコを飼育すれば、繭糸1グラム中のdCMP
(あるいはCMP)の含有量を10〜20マイクロモル
とすることができる。
【0005】オカラの代わりに通常の脱脂大豆を約50
%配合した人工飼料を用いても、オカラを用いた場合の
ような紫外線照射に対する顕著な黄変防止効果は認めら
れない。また、オカラの含有量を10%、30%、50
%と増大させ、その代わりに脱脂大豆の含有量を減らし
た場合、その黄変防止効果は、オカラの含有量が増大す
るに従い上昇した(実施例1参照)。このことから、本
発明においては、オカラが繭糸の黄変防止効果に直接関
係していることが判明した。桑葉で飼育したカイコの繭
糸をdCMPまたはCMPの溶液に浸して、dCMPま
たはCMPを繭糸に吸着せしめたばあいも、紫外線照射
に対する顕著な黄変防止効果が認められる(実施例2参
照)。デオキシシチジル酸には、デオキシリボースの3
位または5位にリン酸基が結合した2種の異性体が存在
する。シチジル酸には、2位、3位、または5位にリン
酸基が結合した3種の異性体が存在する。本願発明で
は、いずれの異性体も同様に使用し得る。
【0006】
【作用】オカラを約50%含む人工飼料でカイコを飼育
した繭糸と、桑葉で飼育した繭糸のセリシン区分(熱水
溶解法による繭層セリシンの第〓分画)の紫外線吸収ス
ペクトルを図2に示す。図2に見られるように、オカラ
を約50%含む人工飼料で飼育したカイコの繭糸セリシ
ンは、紫外部、ことに260nm付近に強い吸光度を持
っていて、桑葉飼育のそれとは明らかに相違が認められ
る。よって、本願発明の生糸および絹の黄変防止効果
は、繭糸セリシン区分に含有されるdCMP(あるいは
CMP)の紫外線吸収によるトリプトファン・チロシン
などの芳香族側鎖を持つアミノ酸の光分解からの防護作
用に基づくものと理解される。
【0007】
【実施例】
実施例1:使用したカイコ品種は、錦秋1号×鐘和1号
である。松原らの方法〔松原藤好(1975);『カイコの
人工飼料育への道』(浜村保次編)、第135-165 頁、み
すず書房、東京〕に準じ、稚蚕期(1−3齢期)は人工
飼料を用いて無菌飼育し、壮蚕期(4−5齢期)から表
1に示すオカラを50%、30%、10%含有する人工
飼料、および、脱脂大豆粉末を主成分とした標準飼料を
用いて飼育を行った。また、対照として桑葉育蚕の繭を
得るために、稚蚕期(1−3齢期)は人工飼料を用いて
上記と同様に無菌飼育し、壮蚕期(4−5齢期)は桑葉
育した。
【0008】
【表1】 人工飼料の組成
【0009】このようにして得られた繭層に紫外線を照
射し、その黄変度合を比較した。紫外線照射は、殺菌ラ
ンプ(東芝製、GL−15)を用い、光源からの距離は
30cmで、照射は48時間行った。黄変度の測定は、
桑原らの方法〔桑原 昂・仲道 弘・庄司八千代(197
7); 日本蚕糸学雑誌、第46巻第6号、486-492 頁〕に
従って行った。照射前の繭層および照射後の繭層に対し
光電分光光度計(日立製、U-3200)を用いて酸化アルミ
ニウム白色板を標準色としてそれぞれ反射率を測定し、
下記のNorton-Nichollsの式によって黄変指数を算出し
た。 ただし、Rf650: 650nmにおける反射率 Rf425: 425nmにおける反射率 Rf550: 550nmにおける反射率
【0010】測定結果を表2に示す。
【表2】 繭層の紫外線照射による黄変指数の変化 処理前の黄変指数は15.1から16.7の間にあり、
5種の飼料間で殆ど差異が見られなかったが、照射後の
指数は桑葉育繭層が最も高くて黄変が激しく、また、脱
脂大豆標準飼料にもかなりの黄変が認められた。それに
対して、オカラ50%含有飼料の繭の場合、殆ど変わり
がなく、この繭層は明らかに黄変しにくい。また、オカ
ラの含有量を30%あるいは10%にした場合でも黄変
防止効果がみられたが、オカラの含有量が減るにつれて
黄変防止効果は低下した。
【0011】実施例2: dCMP,CMPによる桑葉
育繭層の処理 桑葉育繭層を長軸にそって中央から二つに切り取った繭
片を、100ミリモルdCMP溶液10mlと、100
ミリモルCMP溶液10ml、および、対照区として水
10mlの中に入れ、96時間浸漬した。繭片を取り出
して風乾後、実施例1と同じ方法で72時間紫外線を照
射し、黄変指数を算出した。結果を表3に示す。
【表3】 dCMP,CMPで処理した桑葉育繭層の紫
外線照射後の黄変指数 表3に見られるように、水処理のみの対照区の黄変が激
しい。dCMPおよびCMPで処理した繭層の黄変指数
は、いずれも水処理区よりも小さく、とくにdCMP区
は最も高い黄変防止効果を示した。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、オカラ含有の人工
飼料でカイコを飼育することにより、紫外線で黄変しに
くい生糸あるいは絹を得ることができる。これは、繭糸
にカイコの生合成するdCMP(あるいはCMP)が含
有されることになる為であって、dCMP(あるいはC
MP)の紫外線吸収効果に基づいている。よって、dC
MP(あるいはCMP)を、化学的手段で繭糸に吸着な
いし含有せしめても同様な効果を得ることができる。か
くして得られるdCMP(あるいはCMP)を含有する
生糸あるいは絹は、日光ないし紫外線の照射で黄変しに
くい為、化粧品とか、最近研究が進められている‘べっ
甲’の代替品とかの用途に対して好適な素材となる。
【0013】
【図面の簡単な説明】
【図1】桑葉育およびオカラ人工飼料育繭糸セリシン第
〓分画抽出液のクロマトグラムを示した説明図である。
【図2】桑葉育およびオカラ人工飼料育繭糸セリシン第
〓分画抽出液の紫外線吸収スペクトルを示した説明図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一田 昌利 京都府向日市上植野町車返8番地 向日合 同宿舎4号棟305号 (72)発明者 森 肇 京都府京都市北区小山下内河原町27番地1 (72)発明者 今村 利勝 京都府京都市伏見区久我森の宮町10番地 102

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生糸あるいは絹にデオキシシチジル酸及
    びシチジル酸からなる群より選ばれた化合物を含有せし
    めることを特徴とする生糸および絹の黄変防止方法。
  2. 【請求項2】 カイコにオカラを配合した人工飼料を給
    餌することにより、該カイコの産する生糸あるいは絹に
    デオキシシチジル酸又はシチジル酸を含有せしめること
    特徴とする請求項1の生糸および絹の黄変防止方法。
JP4328630A 1992-11-14 1992-11-14 生糸および絹の黄変防止方法 Pending JPH06141739A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104872082A (zh) * 2015-04-29 2015-09-02 东华大学 一种制备高性能蚕丝的纳米氧化锌添食育蚕法及其制品

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