JPH06141631A - 植種苗器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 丈の短い苗や種であっても立ったままで、容
易かつ効率よく植苗あるいは播種できる植種苗器を提供
する。 【構成】 下端が斜めにカットされ、落とし込まれた苗
２８や種を案内する筒体１２と、該筒体１２の下端開口
部２４の上縁に回動自在に設けられ、筒体１２の下端開
口部２４を閉塞可能に設けられた蓋体２５とを具備する
ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は植種苗器に関し、一層詳
細には、苗または種を立ったままで容易かつ効率よく植
苗または播種できる植種苗器に関する。

【０００２】

【従来の技術】育苗の後、苗を植苗するには、従来人手
で行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように人手で植
苗するには、丈の高い苗の場合にはシャベル等で孔を掘
り、この孔内に苗の根部を入れ、土をかけることで、立
ったままで比較的容易にできる。しかしながら、キャベ
ツ、白菜、タバコ、なす、トマト等の野菜の苗のよう
に、丈の短い苗の場合には、作業者は地面にかがみこん
で孔を掘り、しかる後に苗を孔に差し込んで土をかける
というように、常時かがみこんだ姿勢で作業をせねばな
らず、重労働で、しかも能率が悪いという問題点があっ
た。

【０００４】そこで、本発明は上記問題点を解決すべく
なされたものであり、その目的とするところは、丈の短
い苗や種であっても立ったままで、容易かつ効率よく植
苗または播種できる植種苗器を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、下端が斜めにカ
ットされ、落とし込まれた苗または種を案内する筒体
と、該筒体の下端開口部の上縁に回動自在に設けられ、
筒体の下端開口部を閉塞可能に設けられた蓋体とを具備
することを特徴としている。前記筒体は、長さを可変に
伸縮自在な筒体に形成すると好適である。

【０００６】

【作用】まず図３に示すように、筒体１２の下端が畝２
７に接地するようにする。そして下端が接地する際、開
口部２４が蓋体２５により閉塞されるようにする。この
ようにしてから、筒体１２に苗２８を根を下側にして挿
入するのである。次に図４に示すように筒体１２下端を
畝２７中に突き刺す。蓋体２５には畝２７から矢Ａ方向
に圧力が加わるので、蓋体２５が閉じたまま筒体１２下
端が所定深さ畝２７中に進入する。次いで図５に示すよ
うに筒体１２を上方に引き上げる。すると蓋体２５への
圧力は解除されるので、蓋体２５は徐々に開きながら筒
体１２が引き上げられ、苗２８は筒体１２によってあけ
られた孔内に上を向いたまま残される。足等により苗２
８の根の周辺に土をかけることにより植苗が終了する。
すなわち立ったままで植苗が行える。播種も同様に行え
る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。図１は本発明に係る植種苗器１
０の一実施例を示す断面図である。図において、１２は
筒体であり、上端にホッパー部１３を有して下部側が細
く絞られた筒状をなす上筒部１４と、この上筒部１４の
筒状部に上部が外側から摺動可能に嵌合する筒状の下筒
部１５とよりなる。下筒部１５の上端側には等間隔をお
いて軸方向に４つの切れ込み１６が形成され（図２）、
またその中途部外周には雄ネジ１７が刻設されている。
さらに下筒部１５上端部外周は上部にいく程小径となる
テーパー部１８に形成されている。２０はロックネジで
あり、雄ネジ１７上に螺合され、下方に締め込むことに
よって上端に設けられた突部２１がテーパー部１８に当
接して下筒部１５上端の舌片を内側にすぼめ、これによ
り上筒部１４と下筒部１５とを任意の位置で締めつけ可
能となっている。したがって筒体１２は作業者の身長等
により任意の適当な長さに調節可能である。なお突部２
１の内面はテーパー部１８のテーパーに沿う逆テーパー
に形成すると好適である。２２は把手であり、先端側が
２股状に分岐されて、下筒部１５外周上に蝶ネジ２３に
より上下方向の位置調節可能に固定されている。下筒部
１５の下端は斜めにカットされた開口部２４に形成され
ている。２５は蓋体であり、上端において開口部２４上
縁の下筒部１５に蝶番２６により回動自在に軸着されて
おり、図１上左方に回動することにより開口部２４を閉
塞し得るようになっている。なお常時は蓋体２５は自重
により鉛直下方を向いており、開口部２４は開放されて
いる。

【０００８】上記のように構成されている。植苗するに
は、まず図３に示すように、作業者は植種苗器１０を把
手２２を掴んで保持すると共に、下筒部１５の下端が畝
２７に接地するようにする。そして下端が接地する際、
開口部２４が蓋体２５により閉塞されるようにする。そ
れにはまず蓋体２５の下端を接地させ、次いで筒体１２
を手前側に引くようにするとよい。このようにしてか
ら、上筒部１４のホッパー１３から苗２８を根を下側に
して挿入するのである。すると苗２８は筒体１２内を下
方に落下し、根が蓋体２５に当接する位置で停止する。
次に図４に示すように把手２２等に力を加えて筒体１２
下端を畝２７中に突き刺す。蓋体２５には畝２７から矢
Ａ方向に圧力が加わるので、蓋体２５が閉じたまま筒体
１２下端が所定深さ畝２７中に進入する。次いで図５に
示すように筒体１２を上方に引き上げる。すると蓋体２
５への圧力は解除されるので、蓋体２５は徐々に開きな
がら筒体１２が引き上げられ、苗は筒体１２によってあ
けられた孔内に上を向いたまま残される。そこで筒体１
２により苗２８が垂直になるように保持しながら、足等
により苗２８の根の周辺に土をかけることにより植苗が
終了する。すなわち本実施例の植種苗器１０によれば、
立ったままで植苗が行える。筒体１２の長さはロックネ
ジ２０を緩めて、上筒部１４、下筒部１５を伸縮して調
整することができる。なお、上筒部１４が下筒部１５の
中に嵌入するようにしているので、苗２８はどこにも引
っ掛かることなく筒体１２内を下方に滑り落ちる。

【０００９】上記実施例では筒体１２を伸縮できるよう
にしたが、決められた長さの筒体としてもよい。筒体１
２は合成樹脂等によって簡単に形成できる。その際、特
に下筒部１５を透明な材料によって形成すれば、苗２８
の落下状況が外部から目視できて好都合である。また図
６に示すように、ホッパー１３に連続して苗入れ部３０
を設けると好適である。苗入れ部３０はホッパー１３と
は別個に筒体１２に固定して設けてもよい。図７は把手
２２に種子入れ３１を設けた実施例を示す。この実施例
では種子入れ３１に設けたフック３２を把手２２の適所
に設けた孔に係止して取り外し自在に設けている。作業
者は種子入れ３１から種を取出し、ホッパー１３に投入
して植苗の場合と同様にして播種することができる。種
子入れ３１は把手２２の両側のいずれにも装着できるよ
うにしておくと便利である。本発明に係る植種苗器で
は、植苗専用、播種専用、植苗と播種兼用のいずれにも
使用できる。さらに図８、図９に示す実施例では、マー
カーを設けた例を示している。すなわちマーカー棒３３
を固定具３４により下筒部１５上に固定し、さらに固定
具３４に対してネジ３５によりマーカー棒３３を前後方
向に移動し得るようにしている。この実施例では、植苗
あるいは播種する際、次の植苗位置等をマーカー棒３３
先端にてマークすることができ、一定の間隔にて植苗等
を行える。

【００１０】以上本発明につき好適な実施例を挙げて種
々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を
施し得るのはもちろんである。

【００１２】

【発明の効果】本発明に係る植種苗器によれば、上述し
たように、孔明けと苗の挿入あるいは播種を立ったまま
で行え、作業が極めて楽になると共に、能率も向上する
という顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】植種苗器の一実施例を示す断面図である。

【図２】上筒部と下筒部の固定方法の一例を示す説明図
である。

【図３】苗を落とし込んだ状態の説明図である。

【図４】筒体を畝中に突き刺した状態の説明図である。

【図５】筒体を上方に引き上げた状態を示す説明図であ
る。

【図６】苗入れ部を設けた実施例を示す部分断面図であ
る。

【図７】種子入れを設けた実施例を示す説明図である。

【図８】マーカーを設けた実施例の正面図である。

【図９】マーカーを設けた実施例の平面図である。

【符号の説明】

１０ 植種苗器 １２ 筒体 １３ ホッパー １４ 上筒部 １５ 下筒部 ２０ ロックネジ ２２ 把手 ２４ 開口部 ２５ 蓋体 ２６ 蝶番 ２７ 畝 ２８ 苗

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下端が斜めにカットされ、落とし込まれ
   た苗または種を案内する筒体と、 該筒体の下端開口部の上縁に回動自在に設けられ、筒体
   の下端開口部を閉塞可能に設けられた蓋体とを具備する
   ことを特徴とする植種苗器。
2. 【請求項２】 前記筒体は、長さを可変に伸縮自在な筒
   体に形成されていることを特徴とする請求項１記載の植
   種苗器。