JPH0613960A - 構内無線通信装置 - Google Patents

構内無線通信装置

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JPH0613960A
JPH0613960A JP4167062A JP16706292A JPH0613960A JP H0613960 A JPH0613960 A JP H0613960A JP 4167062 A JP4167062 A JP 4167062A JP 16706292 A JP16706292 A JP 16706292A JP H0613960 A JPH0613960 A JP H0613960A
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JP
Japan
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base station
service zone
communication device
wireless service
wireless communication
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JP4167062A
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Shuichi Obayashi
秀一 尾林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は室内あるいは構内において、有効な
マクロダイバーシチ枝を得ることのできる構内無線通信
装置を提供することを目的とする。 【構成】 室内あるいは構内で固定基地局と移動可能な
端末装置との間を電波を用いて通信を行う装置で、基地
局に位置の異なる2つないしはそれ以上複数の基地局ア
ンテナを用いてマクロスコピックダイバーシチを行う構
内無線通信装置において、前記の複数の基地局アンテナ
は、該複数の基地局アンテナの位置を結ぶ線のうち少な
くとも1本が使用する無線サービスゾーンの平面図にお
いて短い寸法の方向とほぼ平行になるように配置するこ
とを特徴とする構内無線通信装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構内において、高周波
の無線搬送波を用いて音声やデータの伝送を行う構内無
線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィスや工場建屋等の室内や構内にお
いて、パーソナルコンピュータ・ワードプロセッサ・画
像入出力装置などの端末装置と無線基地局との間で、高
周波の無線搬送波を用いてデータを伝送する通信装置が
検討されている。
【0003】このような装置を用いる場合、基地局や端
末装置から送信される電波は、室内あるいは構内の天井
・壁・什器などによって回折・反射あるいは散乱され
る。受信側の装置には、送受信側が見通しである場合に
は直接到来する波を含め、様々な方向から回折波や反射
波・散乱波など複数の波が到来する。これを一般に多重
波伝搬と呼んでいる。この多重波伝搬は、複数の波の干
渉による信号強度の急激な変動(フェージング)を発生
させ、伝送特性を劣化させる。
【0004】さらに、伝送速度が大きくなると、上記の
多重波伝搬による無線伝送路の遅延特性によって、波形
の歪み、ディジタル伝送の場合はアイパタンのゆらぎに
よる同期外れなどが発生し、伝送特性が劣化する。
【0005】この多重波伝搬による伝送特性の劣化に対
する対策として、複数のアンテナの出力を選択あるいは
合成して用いるアンテナダイバシチ(以下、ダイバシチ
と記す。)が行われている。ダイバシチは、信号強度の
急激な変動と伝送路遅延特性の両方の改善に寄与する。
【0006】ここでダイバシチの方式には固定基地局側
で行うものと、移動局側で行うものの2通りがあるが、
前者の方式である室内あるいは構内における無線通信の
固定基地局における複数のアンテナダイバシチ枝の構成
法は、従来次のようなものであった。
【0007】特開平2−79628には、比較的狭いビ
ームのアンテナセクタのための複数の指向性アンテナを
ダイバーシチ枝として用いる例が示されている。ただ、
この方式を用いる場合、構成が複雑になる指向性アンテ
ナを用いなければならないという欠点をもつ。
【0008】またアンテナの指向性に特に制限を持たな
い方式として、複数のアンテナを場所をやや離して設
け、ダイバシチ枝として用いるマクロダイバーシチが、
先に我々が出願した特願平1−206344などで提案
されている。この方式は、送受信状態の異なる複数のダ
イバーシチ枝を得られる可能性が高い上、人間などが通
行することによって生ずるシャドーイングや反射散乱体
の移動の影響を低減することができる。
【0009】しかし、実際の構内や室内でマクロダイバ
ーシチ枝を構成する場合、与えられた構内や室内に対し
てどのように複数のアンテナを配置すれば良好なダイバ
ーシチ枝を得ることができるかについては、具体的な方
法が得られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、これ
まで実際の構内や室内でマクロダイバーシチ枝を構成す
る場合、与えられた構内や室内に対してどのように複数
のアンテナを配置すれば良好なダイバーシチ枝を得るこ
とができるかについては、具体的な方法が得られていな
いという問題があった。そこで、本発明は室内あるいは
構内において、有効なマクロダイバーシチ枝を得ること
のできる構内無線通信装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、室内あるいは構内で固定基地
局と移動可能な端末装置との間を電波を用いて通信を行
う装置で、基地局に位置の異なる2つないしはそれ以上
複数の基地局アンテナを用いてマクロスコピックダイバ
ーシチを行う構内無線通信装置において、前記の複数の
基地局アンテナは、該複数の基地局アンテナの位置を結
ぶ線のうち少なくとも1本が使用する無線サービスゾー
ンの平面図において短い寸法の方向とほぼ平行になるよ
うに配置することを特徴とする構内無線通信装置を提供
している。
【0012】また、室内あるいは構内で固定基地局と移
動可能な端末装置との間を電波を用いて通信を行う装置
で、基地局に位置の異なる2つないしはそれ以上複数の
基地局アンテナを用いてマクロスコピックダイバーシチ
を行う構内無線通信装置において、前記の複数の基地局
アンテナは、該複数の基地局アンテナの位置を結ぶ線の
うち少なくとも1本が使用する無線サービスゾーンの平
面図において長い寸法の方向とほぼ平行になるように配
置することを特徴とする構内無線通信装置を提供してい
る。
【0013】また、室内あるいは構内で固定基地局と移
動可能な端末装置との間を電波を用いて通信を行う装置
で、基地局に位置の異なる2つないしはそれ以上複数の
基地局アンテナを用いてマクロスコピックダイバーシチ
を行う構内無線通信装置において、前記の複数の基地局
アンテナは、該複数の基地局アンテナの位置を結ぶ線の
うち少なくとも1本が使用する無線サービスゾーンの平
面図において短い寸法の方向とほぼ平行になるように、
また少なくとも他の1本が使用する無線サービスゾーン
の平面図において長い寸法の方向とほぼ平行になるよう
に配置することを特徴とする構内無線通信装置を提供し
ている。
【0014】また、室内あるいは構内で固定基地局と移
動可能な端末装置との間を電波を用いて通信を行う装置
で、基地局に位置の異なる2つないしはそれ以上複数の
基地局アンテナを用いてマクロスコピックダイバーシチ
を行う構内無線通信装置において、前記の複数の基地局
アンテナのうち少なくとも1つは想定する無線サービス
ゾーンのほぼ端部に配置され該無線サービスゾーンに向
けて指向性パターンが形成されていることを特徴とする
構内無線通信装置を提供している。
【0015】また、室内あるいは構内で固定基地局と移
動可能な端末装置との間を電波を用いて通信を行う装置
で、基地局に位置の異なる2つないしはそれ以上複数の
基地局アンテナを用いてマクロスコピックダイバーシチ
を行う構内無線通信装置において、前記の複数の基地局
アンテナのうち少なくとも1つは想定する無線サービス
ゾーンのほぼ端部に配置され該無線サービスゾーンに向
けて指向性パターンが形成されており、また少なくとも
他の1本が該無線サービスゾーンのほぼ中央に配置され
ほぼ水平面無指向性のパターンをもつことを特徴とする
構内無線通信装置を提供している。
【0016】
【作用】複数の基地局アンテナの位置を結ぶ線のうち少
なくとも1本が使用する無線サービスゾーンの平面図に
おいて短い寸法の方向とほぼ平行になるように配置する
ことにより、上記の結ぶ線の両側のアンテナからの平均
受信信号強度がほぼ同じとなりそれにより平均受信信号
強度に重畳するフェージングを補償するダイバーシチゲ
インが大きくなる範囲が広くなる。
【0017】複数の基地局アンテナの位置を結ぶ線のう
ち少なくとも1本が使用する無線サービスゾーンの平面
図において長い寸法の方向とほぼ平行になるように配置
することにより、無線サービスゾーンの任意の地点と上
記の基地局アンテナのうち該地点から最も近いものとの
距離が、他の配置に比べ小さくなり、無線サービスゾー
ン全体としては送受信点間の距離が短くなるので、直接
到来波の伝搬損失が小さく抑えることができる。したが
って、遅延分散も小さく抑えることができる。
【0018】複数の基地局アンテナの位置を結ぶ線のう
ち少なくとも1本が使用する無線サービスゾーンの平面
図において短い寸法の方向とほぼ平行になるように、ま
た少なくとも他の1本が使用する無線サービスゾーンの
平面図において長い寸法の方向とほぼ平行になるように
配置することにより、上記のダイバーシチゲインが大き
くなる効果と伝搬損失や遅延分散を小さく抑える効果と
を同時に得ることができる。
【0019】複数の基地局アンテナのうち少なくとも1
つは想定する無線サービスゾーンのほぼ端部に配置され
該無線サービスゾーンに向けて指向性パターンが形成さ
れていることにより、該無線サービスゾーンより外への
信号波の放射が小さくなり、隣接する他のサービスゾー
ンへの干渉を抑えることができる。
【0020】複数の基地局アンテナのうち少なくとも1
つは想定する無線サービスゾーンのほぼ端部に配置され
該無線サービスゾーンに向けて指向性パターンが形成さ
れており、また少なくとも他の1本が該無線サービスゾ
ーンのほぼ中央に配置されほぼ水平面無指向性のパター
ンをもつことにより、該無線サービスゾーンより外への
信号波の放射が小さくなり、隣接する他のサービスゾー
ンへの干渉を抑えることができるとともに、人などによ
るシャドーイングを避けることが容易になる。
【0021】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0022】図1には本発明にかかる構内無線通信装置
を構成するための第1の実施例を示す。同図中(a)〜
(d)は本発明にかかる構内無線通信装置を適用する無
線サービスゾーンの平面図である。ここで実線は構内の
外郭1を示し、白丸はダイバーシチ2、3に用いられる
アンテナの位置を現わす。
【0023】複数の基地局アンテナの位置(白丸)を、
該複数の基地局アンテナの位置を結ぶ線と、この線と垂
直に交わる線を破線で示す。この図では複数の基地局ア
ンテナの位置を結ぶ線と垂直に交わる線が、無線サービ
スゾーンの長辺方向と一致している。すなわち複数の基
地局アンテナの位置を結ぶ線のうち少なくとも1本が、
無線サービスゾーンの平面図において短い寸法の方向と
ほぼ平行になるように配置している。
【0024】図1(e)は構内無線通信の無線サービス
ゾーンを複数のエリアに分割し、個別のエリア内のアン
テナ配置を示した図である。隣接するエリア(図中破線
で示す。)は異なる周波数によりサービスするものと
し、それぞれのエリアにおいて複数の基地局アンテナの
位置を結ぶ線のうち少なくとも一本が、無線サービスゾ
ーンの平面図において短い寸法の方向とほぼ平行になる
ように配置している。
【0025】図2には、図1に示した実施例の効果を説
明するための図である。図2において#1には長方形状
の室内に2本の基地局アンテナを短辺方向に離して配置
した場合、#2には長方形状の室内に2本の基地局アン
テナを長辺方向に離して配置した場合を示している。こ
こで一つの室内に配置される2つのアンテナの位置から
等しい距離の地点を図中破線で示した。
【0026】実際の構内や室内でマクロダイバーシチ枝
を構成する場合、与えられた構内や室内に対して有効な
ダイバーシチゲインが得られるためには、2つのダイバ
ーシチ枝の平均受信信号強度がほぼ等しくなるよう構成
することが必要である。室内の什器等の配置がほぼ均等
である場合には、平均受信信号強度がほぼ等しくなるの
は、2本の基地局アンテナからほぼ等距離の地点を中心
とするゾーン(図中斜線で示した領域)となる。
【0027】図2から明らかなように、図中斜線で示し
た領域は#1の短辺方向に平行に配置した方が面積が大
きくなり、#2と比較して、#1のアンテナ配置の方が
より広い領域で大きなダイバーシチゲインが得られるこ
とがわかる。すなわち#2よりも#1の配置の方が単位
構内当たりで一定のダイバーシチゲインを得られる面積
が大きくなるので、平均受信信号強度を確保しつつ有効
なマクロダイバーシチ枝を得ることができる。
【0028】図2の#3に示すように、長方形状の室内
の対角線に垂直な方向に2つの基地局アンテナを配置す
ることにより、2つの基地局アンテナからほぼ等距離の
地点を中心とするゾーン(図中斜線で示した領域)を面
積を大きくとることも可能である。
【0029】同様に、3つ以上の基地局アンテナを使用
する場合にも、少なくとも2本1組を結ぶ線が無線サー
ビスゾーンの平面図において短い寸法の方向とほぼ平行
になるように配置することにより、上記の効果を得るこ
とができる。また、この方向に配置する基地局アンテナ
の組を複数にしても、それぞれの組で上記の効果を得る
ことができるため有効である。
【0030】第1の実施例のダイバーシチの一例とし
て、高さ60cm程度の机などの比較的低い什器が多いオフ
ィスに適用した場合の実験例を図3に示す。#1、#2
はそれぞれオフィスの平面図を示しており、2本の基地
局アンテナ(水平面無指向性)をオフィス中央に約7m
離して配置した(図中白丸で示す)。そして2つのアン
テナをオフィスの短辺方向に離した場合(配置#1)と
長辺方向に離した場合(配置#2)とでダイバーシチの
効果の比較を行った。実際には、地板付 1/4波長モノポ
ールアンテナを位置測定機能をもつ移動測定装置の高さ
1.4mの位置にエレメントを上向きに取り付けた。
【0031】そして、各アンテナ枝単独で測定した場
合、およびダイバ−シチによりアンテナ切り換えを行な
って測定した場合の、受信信号強度の累積確率分布を図
4に示す。信頼度が95%でのダイバーシチゲインは、
#1が 4dB、#2が 3dBとわずかに#1の方が大きい。
ここでダイバーシチゲインとは、一定の信頼度を得るた
めに、ダイバーシチを行なわないで測定した場合に対し
てダイバーシチを行なって測定した場合の受信信号強度
の差をいう。
【0032】次に、ダイバ−シチを行なって測定したと
きのフェ−ジング幅の累積確率分布を図5に示す。図3
の#1、#2を比較すると、累積確率50%値で同等の累
積確率分布を示しているが、累積確率95%値では約1dB
の差でわずかながら#1の方がフェージング幅が小さく
なる。
【0033】なお、上記の基地局アンテナおのおのが、
水平面の全角度または一部の角度、あるいは無線ゾーン
をみる角度幅の全部または一部を分割してカバーする複
数の指向性アンテナで置き換えられても、同様の効果が
得られる。もちろんこの複数の指向性アンテナをそれぞ
れダイバーシチ枝として用いることも考えられる。これ
らの方法は、以下に示す他の実施例においても適用でき
る。
【0034】なお、図1に示す無線ゾーンの形状、室内
あるいは構内の形状、基地局配置以外の場合でも、「複
数の基地局アンテナを、該複数の基地局アンテナの位置
を結ぶ線のうち少なくとも1本が使用する無線サービス
ゾーンの平面図において短い寸法の方向とほぼ平行にな
るように配置している」という条件を満たせば同様の効
果を得ることができる。
【0035】図6は、本発明にかかる構内無線通信装置
の第2の実施例を示す。複数の基地局アンテナを、該複
数の基地局アンテナの位置を結ぶ線のうち少なくとも1
本が使用する無線サービスゾーンの平面図において長い
寸法の方向とほぼ平行になるように配置している。
【0036】図7にこの実施例を説明するため、平面図
が長方形状の室内に2本の基地局アンテナ(図中白丸で
示す。)を、それぞれ等距離だけ短辺方向に離した場合
(配置#1)と長辺方向に離した場合(配置#2)を示
す。それぞれの場合において、室内の地点のうちで最寄
りの基地局アンテナから最も遠い点と最寄りの基地局ア
ンテナとの距離が、配置#2のBの方が配置#1のAよ
りも小さくなることがわかる。したがって室内全体とし
ては#2の方が送受信点間の距離の変動幅が短くなるの
で、直接到来波の伝搬損失が小さく抑えることができ
る。一般には送信点と受信点との距離が大きくなると、
電波の遅延分散も大きくなるので、送信点と受信点との
距離を小さく抑えることにより、電波の遅延分散を小さ
くすることが可能となる。この結果受信信号の誤り率を
小さくすることが可能となる。
【0037】3つ以上の基地局アンテナを使用する場合
にも、少なくとも2本1組を結ぶ線が無線サービスゾー
ンの平面図において長い寸法の方向とほぼ平行になるよ
うに配置することにより、上記の効果を得ることができ
る。また、この方向に配置する基地局アンテナの組を複
数にしても、それぞれの組で上記の効果を得ることがで
きるため有効である。
【0038】なお、上記の基地局アンテナおのおのが、
水平面の全角度または一部の角度、あるいは無線ゾーン
をみる角度幅の全部または一部を分割してカバーする複
数の指向性アンテナで置き換えられても、同様の効果が
得られる。もちろんこの複数の指向性アンテナをそれぞ
れダイバーシチ枝として用いることも考えられる。これ
らの方法は、以下に示す他の実施例においても適用でき
る。
【0039】なお図7に示す無線ゾーンの形状、室内あ
るいは構内の形状、基地局配置以外の場合でも、「複数
の基地局アンテナを、該複数の基地局アンテナの位置を
結ぶ線のうち少なくとも1本が使用する無線サービスゾ
ーンの平面図において長い寸法の方向とほぼ平行になる
ように配置している」という条件を満たせば同様の効果
を得ることができる。
【0040】図8は本発明にかかる構内無線通信装置の
第3の実施例を示す。複数の基地局アンテナを、該基地
局アンテナの位置を結ぶ線のうち少なくとも1本が使用
する無線サービスゾーンの平面図において短い寸法の方
向とほぼ平行になるように、また少なくとも他の1本が
使用する無線サービスゾーンの平面図において長い寸法
の方向とほぼ平行になるように配置している。これによ
り、第1の実施例で説明したダイバーシチゲインが大き
くなる効果と第2の実施例で説明した伝搬損失や遅延分
散を小さく抑える効果とを同時に得ることができる。
(a)は室内形状が長方形の場合、(b)は室内形状が
おおぎ形のばあい、(c)は室内形状が長方形の組み合
わせにより構成される場合のアンテナの配置例である。
(c)では室内を部分エリアに分割に、そのエリア毎に
使用周波数を異なるものとすることにより、同一の室内
において複数のサービスエリアでダイバーシチを実現す
る。
【0041】なお、図8に示す無線ゾーンの形状、室内
あるいは構内の形状、基地局配置以外の場合でも、「複
数の基地局アンテナを、該基地局アンテナの位置を結ぶ
線のうち少なくとも1本が使用する無線サービスゾーン
の平面図において短い寸法の方向とほぼ平行になるよう
に、また少なくとも他の1本が使用する無線サービスゾ
ーンの平面図において長い寸法の方向とほぼ平行になる
ように配置している。」という条件を満たせば同様の効
果を得ることができる。
【0042】図9は本発明にかかる構内無線通信装置の
第4の実施例を示す。複数の基地局アンテナのうち少な
くとも1つは、想定する無線サービスゾーンのほぼ端部
に指向性を有する基地局アンテナを配置するものとし、
図には室内の平面図と該無線サービスゾーンに向けて指
向性パターンを有するアンテナの配置例を示す。
【0043】構内や室内の無線通信においては、市街地
での比較的大きな無線サービスゾーンの場合と異なり、
小さな無線サービスゾーンが非常に近接して配置されて
おり、隣接する他のサービスゾーンへの干渉が起こりや
すくなる。ところが、基地局アンテナを想定する無線サ
ービスゾーンのほぼ端部に配置し、該無線サービスゾー
ンに向けて指向性パターンが形成すれば、該無線サービ
スゾーンより外への信号波の放射が小さくすることがで
きるので、等方性のアンテナを用いる場合と比較して、
室内での信号受信レベルを低下させることなくアンテナ
に入力するパワーを低減することが可能となり、同時に
隣接する他のサービスゾーンへの干渉を抑えることがで
きる。また指向性アンテナを用いることにより出力電力
を小さく抑え消費電力を小さくする効果も得られる。
【0044】図10は本発明にかかる構内無線通信装置
の第5の実施例を示す。複数の基地局アンテナのうち少
なくとも1つは想定する無線サービスゾーンのほぼ端部
に該無線サービスゾーンに向けて指向性パターンを有す
るアンテナを配置し、かつ少なくとも他の1本がほぼ水
平面無指向性のパターンを有するアンテナを該無線サー
ビスゾーンのほぼ中央に配置するようにした配置例を示
す。
【0045】第4の実施例でも述べたように、基地局ア
ンテナを想定する無線サービスゾーンのほぼ端部に配置
し、該無線サービスゾーンに向けて指向性パターンが形
成すれば、該無線サービスゾーンより外への信号波の不
要放射が小さくなり、隣接する他のサービスゾーンへの
干渉を抑えることができる。さらに、ほぼ水平面無指向
性のダイバーシチ枝を無線サービスゾーンのほぼ中央に
配置すると、上記の無線サービスゾーンのほぼ端部のダ
イバーシチ枝と組み合わせることにより、人などによる
シャドーイングを避けることが容易になる。ほぼ水平面
無指向性のアンテナをほぼ中央に配置することにより、
同一特性のアンテナをゾーン端部に置く場合に比較し
て、隣接する他のサービスゾーンへの干渉を抑えること
ができる。
【0046】なお、図11に示すように人体等によるシ
ャドーイングはほぼ中央のアンテナと周囲部に置いたダ
イバーシチ枝のうちある1つの枝の間で起こることが多
いことを考慮すると、この特性を生かした単純な構成が
可能なダイバーシチの選択の方法として、ほぼ中央に置
いたダイバーシチ枝(図中2重丸で示す。)を常に固定
選択枝としておき、ゾーン周辺部に配置したダイバーシ
チ枝のうちいずれかをもう一つの選択肢とする2枝のダ
イバーシチを構成することが考えられる。
【0047】最初に上記のもう一つの選択肢を選ぶ方法
としては、雑音やゾーン内の人などの動きによる受信信
号強度の比較的小さな変動の影響を除くため、最初の数
バーストの間など適当な時間の間、ゾーン周囲部に置い
たダイバーシチ枝の受信信号強度等の評価関数を比較
し、最も評価関数の高かったものを採用する方法が考え
られる。また、簡易な枝の変更法としては、図11に示
すように人などによるシャドーイングはほぼ中央のアン
テナと周囲部に置いたダイバーシチ枝のうちある1つの
枝の間で起こることが多いことを考慮すると、周囲部に
置いたダイバーシチ枝のうち現在選択されている枝の評
価関数があるしきい値を割った時に、周囲部に置いたダ
イバーシチ枝をある一定の順番で変更していくことが有
効と考えられる。
【0048】以上示してきた第1から第5の実施例のよ
うなマクロダイバーシチを用いた場合、これを適用しな
い場合すなわち1無線サービスゾーンを1つの基地局ア
ンテナでサービスする場合に比べ、無線サービスゾーン
を大きくすることができる。例えば、通常は複数の無線
サービスゾーンを設けるような1つの大きな室内あるい
は構内を、マクロダイバーシチを用いることにより1つ
の無線サービスゾーンで済ませることができる。
【0049】また、無線サービスゾーンを広くすること
により同一のトラヒックをサポートするのに無線サービ
スゾーンあたりのチャネル数を多くせねばならず、周波
数利用効率が小さくなるような懸念が生ずるが、これま
での研究から周知のように、異なるフロア間の電波の減
衰量は、同一室内あるいは同じフロア間のそれに比べ非
常に大きく、異なるフロア間には同一の周波数、あるい
は同一室内あるいは同じフロア間では干渉の恐れがあり
用いることができない周波数を繰り返して用いることが
できることを考えると、周波数利用効率への影響は小さ
い。また、窓や壁、パーティションなどに電波シールド
材料を併用すればさらにこの影響は小さくなる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の基地局アンテナの位置を結ぶ線のうち少なくとも
1本が使用する無線サービスゾーンの平面図において短
い寸法の方向とほぼ平行になるように配置することによ
り、あるいは、複数の基地局アンテナの位置を結ぶ線の
うち少なくとも1本が使用する無線サービスゾーンの平
面図において長い寸法の方向とほぼ平行になるように配
置することにより、あるいは、複数の基地局アンテナの
位置を結ぶ線のうち少なくとも1本が使用する無線サー
ビスゾーンの平面図において短い寸法の方向とほぼ平行
になるように、また少なくとも他の1本が使用する無線
サービスゾーンの平面図において長い寸法の方向とほぼ
平行になるように配置することにより、あるいは、複数
の基地局アンテナのうち少なくとも1つは想定する無線
サービスゾーンのほぼ端部に配置され該無線サービスゾ
ーンに向けて指向性パターンが形成されていることによ
り、あるいは、複数の基地局アンテナのうち少なくとも
1つは想定する無線サービスゾーンのほぼ端部に配置さ
れ該無線サービスゾーンに向けて指向性パターンが形成
されており、また少なくとも他の1本が該無線サービス
ゾーンのほぼ中央に配置されほぼ水平面無指向性のパタ
ーンをもたせることにより、室内あるいは構内におい
て、有効なマクロダイバーシチ枝を得ることのできる構
内無線通信装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる室内無線通信装置の第1の実
施例を示す図。
【図2】 平面図が長方形状の室内に2本の基地局アン
テナを、短辺方向に離した場合と長辺方向に離した場合
とでダイバーシチゲインの得られやすい範囲の大きさと
の比較をした図。
【図3】 ダイバーシチの一例を適用したオフィスを示
す図。
【図4】 ダイバーシチの一例をオフィスに適用した場
合の各枝およびダイバ−シチ時の受信信号強度の累積確
率分布を示す図。
【図5】 ダイバーシチの一例をオフィスに適用した場
合のフェ−ジング幅の累積確率分布を示す図。
【図6】 本発明にかかる室内無線通信装置の第2の実
施例を示す図。
【図7】 平面図が長方形状の室内に2本の基地局アン
テナを、それぞれ等距離だけ短辺方向に離した場合と長
辺方向に離した場合とで室内の点のうちで最寄りの基地
局アンテナから最も遠い点と最寄りの基地局アンテナと
の距離の比較をした図。
【図8】 本発明にかかる室内無線通信装置の第3の実
施例を示す図。
【図9】 本発明にかかる室内無線通信装置の第4の実
施例を示す図。
【図10】 本発明にかかる室内無線通信装置の第5の
実施例を示す図。
【図11】 第5の実施例の場合、人体等によるシャド
ーイングはほぼ中央のアンテナと周囲部に置いたダイバ
ーシチ枝のうちある1つの枝の間で起こることが多いこ
とを示す図。
【符号の説明】
1 外枠 2 ダイバーシチ枝 3 ダイバーシチ枝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内あるいは構内で固定基地局と移動可
    能な端末装置との間で無線通信を行う構内無線通信装置
    において、前記固定基地局は位置の異なる2つ以上の複
    数の基地局により構成されダイバーシチを行うものと
    し、前記複数の基地局で使用するアンテナは、前記複数
    の基地局で使用するアンテナの位置を結ぶ線のうち少な
    くとも1本が使用する無線サービスゾーンの平面図にお
    いて短い寸法の方向とほぼ平行になるように配置するこ
    とを特徴とする構内無線通信装置。
  2. 【請求項2】 室内あるいは構内で固定基地局と移動可
    能な端末装置との間で無線通信を行なう構内無線通信装
    置において、前記固定基地局は位置の異なる2つ以上の
    複数の基地局により構成されダイバーシチを行うものと
    し、前記複数の基地局で使用するアンテナは、前記複数
    の基地局で使用するアンテナの位置を結ぶ線のうち少な
    くとも1本が使用する無線サービスゾーンの平面図にお
    いて長い寸法の方向とほぼ平行になるように配置するこ
    とを特徴とする構内無線通信装置。
  3. 【請求項3】 室内あるいは構内で固定基地局と移動可
    能な端末装置との間で無線通信を行なう構内無線通信装
    置において、前記固定基地局は位置の異なる2つ以上の
    複数の基地局により構成されダイバーシチを行なうもの
    とし、前記複数の基地局で使用するアンテナは、前記複
    数の基地局で使用するアンテナの位置を結ぶ線のうち少
    なくとも1本が使用する無線サービスゾーンの平面図に
    おいて短い寸法の方向とほぼ平行になるように、また少
    なくとも他の1本が使用する無線サービスゾーンの平面
    図において長い寸法の方向とほぼ平行になるように配置
    することを特徴とする構内無線通信装置。
  4. 【請求項4】 室内あるいは構内で固定基地局と移動可
    能な端末装置との間で無線通信を行なう構内無線通信装
    置において、前記固定基地局は位置の異なる2つ以上の
    複数の基地局により構成されダイバーシチを行なうもの
    とし、前記複数の基地局で使用するアンテナのうち少な
    くとも1つは指向性パターンを有するアンテナで構成
    し、想定する無線サービスゾーンのほぼ端部に配置され
    ることを特徴とする構内無線通信装置。
  5. 【請求項5】 室内あるいは構内で固定基地局と移動可
    能な端末装置との間で無線通信を行なう構内無線通信装
    置において、前記固定基地局は位置の異なる2つ以上の
    複数の基地局により構成されダイバーシチを行うものと
    し、前記の複数の基地局で使用するアンテナのうち少な
    くとも1つは指向性パターンを有するアンテナで構成
    し、想定する無線サービスゾーンのほぼ端部に配置さ
    れ、少なくとも他の1つがほぼ水平面無指向性のパター
    ンを有するアンテナで構成し、想定する無線サービスゾ
    ーンのほぼ中央に配置されることを特徴とする構内無線
    通信装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09504419A (ja) * 1994-08-18 1997-04-28 ノーザン・テレコム・リミテッド マイクロセル環境における無線周波数カバー範囲の改善方法
JP2007251489A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線端末装置

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