JPH06137639A - 人体活動量算出装置およびそれを用いた居室環境制御機器 - Google Patents

人体活動量算出装置およびそれを用いた居室環境制御機器

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JPH06137639A
JPH06137639A JP28315592A JP28315592A JPH06137639A JP H06137639 A JPH06137639 A JP H06137639A JP 28315592 A JP28315592 A JP 28315592A JP 28315592 A JP28315592 A JP 28315592A JP H06137639 A JPH06137639 A JP H06137639A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人の小さな動きの活動量を正確に算出する人
体活動量算出装置を提供する。 【構成】 焦電素子1、零交差波による周波数分析回路
8、電力変化分析回路9、活動状態推定回路10、活動
量変換回路11を備え、素子出力を所定区間周波数分析
および電力変化分析し、その結果の周波数および電力変
化情報から人の活動状態を推定し、推定活動状態から活
動量に変換する。 【効果】 従来困難であった人の小さな動きによる活動
量を正確に算出することができ、これを空気調和機など
の居室環境制御機器に使用すれば人の活動に応じた快適
な居室環境を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人の動きの量を表わす
パラメータである人体活動量の検出装置とそれを用いた
空気調和機、扇風機、暖房機、空気清浄機等の居室環境
制御機器に関する。
【0002】
【従来の技術】居室環境制御機器の代表である空気調和
機の目的は室内の温熱環境を快適な状態に維持すること
である。このため快適度を評価基準として空気調和機の
各種アクチュエータを制御する方式が提案されている。
この種の空気調和機としては、例えば特開平2−178
555号に開示されたものが知られている。
【0003】一方、快適度としては、国際標準化機構
(International Organization for Standardization;
ISO)の国際規格ISO−7730に記載されている
PMV(Predicated Mean Vote)を用いるのが一般的で
ある。
【0004】この快適度PMVは、室温、湿度、幅射温
度、気流速度、着衣量、活動量等の関数であって、これ
らの値から前記ISO−7730に記載の算式によって
求めることができ、表1に示す熱的感覚尺度で示され
る。
【0005】
【表1】
【0006】この表1に示される熱的感覚尺度の算式な
らびに演算方法は前記ISO−7730で公知なため詳
細は省くが、上述のように快適度は室温、湿度、幅射温
度、気流速度などの物理的居室環境値だけでなく着衣
量、活動量など人の状態に関する値にも依存する。
【0007】室温、湿度、幅射温度、気流速度について
は検出に適したセンサがありこれを空気調和機に配し、
精度よくこれら物理量を測定できる。着衣、活動量につ
いては、人の状態であり、直接人体にセンサを配置すれ
ば使用者に不快感を与えるため非接触で検出せねばなら
ず、従来その検出測定が困難であった。
【0008】そこで、着衣量については年月日データを
出力するカレンダIC等で季節を得、これから標準的な
着衣を想定し着衣量を得る。また活動量については標準
的な人の活動状態として静かに座っていることを仮定
し、この活動量を用いるようにした。
【0009】以上検出した室温、湿度、幅射温度、気流
速度と推定した着衣量、固定した活動量を用いてPMV
値を算出し、これが−0.5から0.5の間、好ましく
は零の値になるよう各種アクチュエータが制御される。
【0010】しかし、活動量については直接発熱量に関
係し、空調室ではいつも座わっているのではないため固
定値で制御したのでは使用者に不満を与えることにな
る。そこで焦電型赤外線センサを用いた非接触での活動
量の算出が試みられている。この一つに例えば特開昭6
2−280533号に開示された空気調和機がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、活動量の要
因としては人体の動きの回数と動きの度合いがある。し
かし、特開昭62−280533号に開示された従来の
活動量検出方法では、焦電型赤外線検出素子を用いた人
検知センサからの信号の計数値、すなわち人体の動いた
回数のみをもって活動量を算出しているため、部屋の中
を動き回るような場合にはある程度活動量を算出できる
が、座って手足を動かすような作業では人体の動きの度
合いが加味されないため、活動量を算出できないという
不都合があった。
【0012】焦電型赤外線検出素子(以下、焦電素子と
呼ぶ)は高誘電セラミック等の焦電効果を利用して熱源
からの放射赤外線を検出するものである。図3に焦電素
子を用いた人検知センサの概略構成を示す。図3におい
て人検知センサは、焦電素子1と、増幅回路3と、フィ
ルタ4と、コンパレータ5と、モノマルチバイブレータ
7とから基本的に構成され、焦電素子1には、フレネル
レンズ2を介して放射赤外線が入射し、コンパレータ5
は基準電圧(Th)6と比較するようになっている。
【0013】焦電素子1はFETとともにパッケージに
封入されている。パッケージの窓からの赤外線で焦電素
子1の表面温度が変化し、表面に電荷が発生する。これ
を増幅回路3のFETで増幅して出力する。このように
焦電素子1は温度変化に対して信号を出力する。窓材は
対象とする温度範囲の赤外線波長を透過するものが選ば
れる。人検知の場合は人体温度37度近傍の遠赤外領域
(波長10μm程度)を透過するシリコン7μmカット
オン光学フィルタが使用される。これは太陽などの高温
熱源からの放射赤外線の妨害をなくすためである。焦電
素子1の窓側前面にはフレネルレンズ2が取り付けられ
多数に分割された投影パターンから成る検知エリアの赤
外線を集光する。そしてこの検知エリア内の人体の動き
を検出する。焦電素子1の出力は増幅回路3で増幅さ
れ、フィルタ4でノイズが除去され、コンパレータ5に
入力される。ここで出力信号は基準電圧Th6と比較さ
れ、これより電圧が高いとき、次のモノマルチバイブレ
ータ7が一定時間のパルスを1つ発生する。
【0014】このパルスを所定時間の間計数しこの計数
値をもとに活動量(単位met)を得るのが、従来の活
動量算出装置である。つまり計数が大であれば活動量は
大、計数値が小であれば活動量値は小と算出する。
【0015】図4に増幅した焦電素子出力の一例を示
す。(a)は検知エリアを人が歩いて移動した場合、
(b)は同一距離の検知エリア内で人が手を振っている
場合である。
【0016】周知のように熱源から放射される全放射赤
外線エネルギーは熱源温度の4乗とその表面積に比例
し、焦電素子に到達する放射エネルギーは熱源と素子と
の距離の2乗に反比例する。焦電素子の出力は移動する
熱源放射エネルギーと周囲温度つまり背景放射エネルギ
ーの差に比例したものであるが、簡単のため周囲温度を
固定して考えれば、熱源の動き部分の温度の4乗に比例
し、熱源までの距離の2乗に反比例する。対象熱源を人
(体温37度)とすれば、焦電素子出力は人の動き部分
の面積に比例し距離の2乗に反比例する。
【0017】(a)の人の移動では大きな熱源が移動し
たため出力が大きい。これに比べ人体の一部の動きであ
る(b)の場合出力は小さい。もし、基準電圧Thを図
示した値に設定したら、(a)の場合はパルスが出力さ
れ活動量を算出できるが、(b)の場合にはパルスが出
力されず活動量を算出できない。そこで基準電圧を下
げ、(b)の場合でもパルスが出力されるようにする
と、図中時間でのパルス数は(a)の場合より(b)の
場合が多く、歩行よりも座っての手振りの方が活動量が
大きいという矛盾した結果を得る。このように従来の方
法では正確な活動量算出はできなっかった。
【0018】本発明の目的は、従来困難であった活動量
を正確に算出する活動量算出装置を安価に提供するとと
もに、これを使用し快適な居室環境を創生する空気調和
機、扇風機、暖房機、空気清浄機などの居室環境制御機
器を提供するにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的は、熱源からの
放射赤外線を検出する焦電型赤外線検出手段からの出力
に基づいて人体の活動量を算出する人体活動量算出装置
において、前記焦電型赤外線検出手段から出力された出
力信号の所定区間を零交差波分析する周波数分析手段
と、前記所定区間の波形電力の変化を得る電力変化分析
手段と、前記周波数分析手段が出力する周波数情報と前
記電力変化分析手段が出力する電力変化情報とから人の
動き状態を推定する活動状態推定手段と、前記活動状態
推定手段によって推定された活動状態を活動量に変換す
る活動量変換手段と備えることによって達成される。
【0020】
【作用】焦電型赤外線検出手段は人体が放射する赤外線
を検出しその動きを電気信号として出力する。この出力
信号の所定区間例えば12秒間を周波数分析手段が分析
し、周波数情報として、零交差数と、各零交差点間隔を
所定の複数の時間間隔に分類し各時間間隔に分類される
零交差点間隔の個数を出力する。電力変化分析手段は電
力変化情報として、所定区間の平均電力と、平均電力を
越える時点での平均電力である超平均電力と、超平均電
力を平均電力と超平均電力で除算した尖鋭度を出力す
る。そしてこれらの情報をもとに活動状態推定手段は人
の動きである活動状態を推定出力する。活動量変換手段
は推定された活動状態を活動量(met)に変換する。
【0021】本発明者等は空気調和機への本発明の適用
を想定し、図5に示す位置関係にフレネルレンズ2、焦
電素子1、人を配し、焦電素子出力の測定を行なった。
【0022】図6に同一動作における人体素子間距離と
出力電圧(相対値)の測定データ、図7に同一距離での
人体の動き部分と出力電圧(相対値)の測定データを示
す。図6から出力電圧は距離の1〜2乗に反比例するこ
とがわかる。実際に使用状態(距離1〜5m)では出力
電圧に反比例するとみなしても差し支えない。図7から
出力電圧は動き部分の表面積にほぼ比例する。つまり前
述したように、焦電素子の出力は人体を対象と考えれば
動き部分の面積に比例し距離の2乗に反比例する。
【0023】図8に同一距離での代表的作業における焦
電素子出力波形とそのスペクトルを示す。測定は焦電素
子出力を増幅(利得80dB)し、人の動き周波数0.
1〜15Hzのフィルタで雑音を除去したうえでスペク
トルアナライザで行なっている。標本化周波数100H
z、8秒間のデータである。図8のスペクトルデータを
観察すると移動部分の大きさ、速度によってスペクトル
パターンが異なっていることがわかる。歩行のようにゆ
っくりした動作は低い周波数成分が支配的であり、ラジ
オ体操のように動き速度が大きい動作は高い周波数成分
を持つ。
【0024】人が活動するとき、動かす部分が大きい
程、その速度が早い程大きなエネルギを消費する(発熱
量が大)。つまり活動量が大きい。スペクトルの周波数
は移動(動き)速度に関係し、振幅(電力)は動かす部
分の表面積に関係する。
【0025】表2に代表的な作業例における活動量の一
例を示す。この活動量の単位はmetで安静椅座作業時
の体表面あたりの代謝量を1met(58W/m2 )と
定義され、met値でPMV算出式に代入される。この
代表的作業はスペクトルから分類判断できる。そこで焦
電素子出力の周波数成分と電力から人の動きを表2の代
表的作業の一つと推定し、その推定作業を活動量に変換
できる。
【0026】
【表2】
【0027】本発明は以上の説明のように焦電素子の出
力スペクトル(周波数成分とその電力)の相違によって
人の活動状態を推定し、その結果を活動量に変換する原
理に基づく。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0029】図1に本発明の一実施例を示す。図1にお
いて図3と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、
重複する説明は省略する。
【0030】図1において、実施例に係る人体活動量算
出装置では、図3のフィルタの後段に周波数分析回路8
と電力変化分析回路9を並列に入れ、それらの出力を活
動状態推定回路10に入力し、活動状態推定回路10の
出力を活動量変換回路11に入力し、この活動量変換回
路11で活動量に変換するようになっている。
【0031】周波数分析回路8は、一定時間の信号を零
交差波分析し、零交差数、周波数成分比(後で詳述す
る)などの周波数情報を出力する。電力変化分析回路9
は、一定時間の信号からその平均電力、平均電力を越え
る時点の平均電力である超平均電力、超平均電力を平均
電力と超平均電力で除算した尖鋭度などの電力変化情報
を出力する。活動状態推定回路10は、先の周波数分析
回路8および電力変化分析回路9の出力に基づいて作業
(活動)の状態を推定し、活動量変換回路11で推定結
果を活動量(単位met)に変換する。
【0032】ここで本発明の特徴である零交差波分析に
ついて詳細に説明する。
【0033】スペクトル分析法としてはFFT(First
Fourier Transform)が有名であるがこれを行なうには大
規模なハードウエアが必要となる。そこで発明者は簡単
なハードウエアで行ない得るスペクトル分析法として零
交差波分析を用い、低価格な周波数分析回路を考案し
た。以下、これについて説明する。
【0034】図2に周波数分析回路8の一実施例を示
す。この周波数分析回路8は、零交差点係数回路15、
零交差点間隔計測回路16、零交差点間隔分類回路1
7、分類計数回路18、重み付け回路19、時間長正規
化回路20および周波数成分比回路21からなる。
【0035】零交差点係数回路15は、フィルタ4から
の入力された信号から焦電素子出力波形が零交差する回
数である零交差数を計数して周波数情報の1つとして出
力する。零交差点間隔計測回路16は、同じくフィルタ
4から入力された信号から零交差点間の時間間隔を計測
する。零交差点間隔分類回路17は、零交差点間隔計測
回路16で計測された零交差点間隔時間が複数の所定の
間隔範囲のどこに相当するかを判別し、相当する間隔範
囲の出力を論理「1」にすることで前記零交差点間隔を
分類する。分類計数回路18は零交差点間隔分類回路1
7から出力された各間隔範囲の論理出力「1」をそれぞ
れ一定時間内で計数する。重み付け回路19は分類計数
回路18の出力する各分類計数値に周波数に比例した重
み係数を乗算し、その対数をとって出力する。時間長正
規化回路20は重み付け回路19の出力する修正した各
分類計数値を焦電素子出力波形が存在した時間で除算し
て時間正規化(単位時間当たりの値に修正)した分類計
数値を出力する。周波数成分比回路21は時間長正規化
回路20の出力する各分類計数値を全分類計数値の和で
除算して出力する。つまり各分類計数の合計は1であ
り、各分類計数値を相対比率の形に修正して出力する。
この値はほぼ信号の周波数成分比となる。
【0036】ここで波形の零交差点間隔の計測法を詳細
に説明する。
【0037】図9は符号32から符号40までの零交差
点を持つ焦電素子出力波形31と、零交差点間隔の計測
例を示す。これらの各零交差点間の間隔は、符号41か
ら符号48までの時間長として表わされている。なお、
符号32ないし符号40は各零交差点を示す。これらの
間隔は、零交差点間に入る一定周期Δtを持つ時間量子
化パルスaの数を計数することによって行なわれる。間
隔41は、Δtを時間単位としたときに1時間単位とし
て計測され、同様に間隔43は3時間単位として計測さ
れる。また、これらの間隔は、同様に零交差点を検出し
たときに始動を開始する一定周期Δtを持つ時間量子化
パルスbの数を計数することによっても行なわれ得るこ
とは明らかである。
【0038】焦電素子出力には望ましくない雑音が含ま
れ得る。この雑音により擬似零交差点が生じることを回
避するために、事実上の零交差点を検出する代わりに、
波形が交互に正と負の限界振幅値を越える点を零交差点
とするように構成することが望ましい。
【0039】限界振幅値を導入して計測した例を図10
に示す。焦電素子出力波形51が点52,54,56,
58および60で正限界振幅値と交差し、また点53,
55,57および59で負限界振幅値と交差するように
描かれている。
【0040】波形に含まれる多くの雑音は、焦電素子出
力波形に比べ十分に振幅が小さいので、同図のごとく適
切な正負限界振幅値を配置すれば、波形中の雑音が限界
値間に入り、点52から点60までの検出結果が擬似交
差点を含まないようにすることが可能となる。この限界
値との交差点と零交差点とはほとんど離れておらず事実
上限界値交差点間の間隔は零交差点間の間隔と同じであ
る。以後の説明では「零交差点」という用語を、事実上
の零交差点と限界値交差点との両方を表わすのに用い
る。
【0041】零交差点間隔をZt、時間量子化パルスの
周期をΔt、Zt内の時間量子化パルスの個数をnとす
ると、これらの間に次の関係が成立する。
【0042】 n・Δt<Zt<(n+1)・Δt (1) ここでfを零交差する波の周波数とすれば、 Zt=1/(2・f) (2) である。
【0043】この波の下端((1)式の右辺に対応)と
上端((1)式の左辺に対応)の周波数fL 、fH を考
えると、 fL =fS /{2・(n+1)} (3) fH =fS /{2・n} (4) ここでfS は時間量子化パルスの繰り返し周波数でfS
=1/Δtである。帯域幅をBとすれば B=fH − fL =fS /{2・n・(n+1)} (5) となる。
【0044】以上、零交差点間隔Ztを時間量子化パル
スで計測すれば、信号の周波数をある程度知ることがで
きる。ここである程度とは上式のように、時間量子化パ
ルスaの速度により測定の精度が決められることを言
う。
【0045】たとえば時間量子化パルスの周波数を50
Hzとすると、(3)、(4)、(5)式よりn=1の
とき帯域幅は12.5Hzから25Hzに等しく、n=
15のときは1.25Hzから1.67Hzに等しいこ
とがわかる。つまり時間量子化パルスが一定のとき、低
い周波数の長い零交差点間隔は高い周波数の短い零交差
点間隔の測定に比べて精度がよい。
【0046】(5)式から零交差点間隔Ztを中に入る
時間量子化パルスの個数で計測し、計数値nを得れば、
それは帯域幅Bの中の周波数の波形が存在したことを検
出したことと等価であることがわかる。つまり計数値n
の計測は一種の信号検出用BPFとして動作することが
わかる。
【0047】図11に零交差点間隔計測回路16の一実
施例を示す。零交差点間隔計測回路16は、ヒステリシ
スコンパレータ91、ヒステリシスコンパレタータ91
のヒステリシス幅を与える正限界振幅値92、負限界振
幅値93、反転回路94、時間量子化パルスaを発生す
る時間量子化パルス発生回路95、ヒステリシスコンパ
レータ91および反転回路94の出力と時間量子化パル
スとの論理積をとる論理積回路A96および論理積回路
B97、論理積回路A96,B97の出力パルス数を計
数する計数回路A98および計数回路B99、ヒステリ
シスコンパレータ91および反転回路94の出力の立ち
上がりで計数回路A98,B99のリセットなどの制御
を行なう計数タイミング回路A100および計数タイミ
ング回路B101、さらにはヒステリシスコンパレータ
91の出力で計数回路A98および計数回路B99の出
力を切り替える切り替えスイッチ102からなる。
【0048】図12に図11の動作を説明するタイミン
グチャートを焦電素子出力波形とともに示す。出力波形
は雑音により擬似交差点80,81,82,83,8
4,85を生ずる。符号86,87,88,89は交差
点間隔である。以下、この交差点間隔86,87,8
8,89の計測について説明する。
【0049】ヒステリシスコンパレータ91は正および
負の限界振幅値をヒステリシス幅とするよう設計され、
同図(1)の出力信号を生ずる。この信号は同時に反転
回路94にも入力され同図(2)の信号を出力する。時
間量子化パルス発生回路95は同図(3)の周期Δtの
パルス信号を発生する。これは論理積回路A96および
論理積回路B97でヒステリシスコンパレータ91、反
転回路94の出力信号とそれぞれ論理積がとられ、同図
(4)および(5)に示す信号を生ずる。計数回路A9
8および計数回路B99は、ヒステリシスコンパレータ
91の出力信号および反転回路94の出力信号の立ち上
がりでリセットされ論理積回路96,97の出力パルス
を計数する。切り換えスイッチ102は計数回路A98
およびB99の出力をヒステリシスコンパレータ91の
信号で切り換える。そして、計測結果として計数値4,
6,3,4が順次出力される。これは交差点間隔86〜
89のΔtを時間単位としたときの間隔時間長である。
【0050】図13に零交差点間隔計数値nと(3)、
(4)、(5)式のfH 、fL 、Bの関係を図式化して
示す。
【0051】今零交差点間隔計数値n=1を得たとする
と、その時点では周波数12.5Hzから25Hzの信
号が存在したことになる。n=2を得たとすると、その
時点で8.33Hzから12.5Hzの信号が存在した
ことになる。つまり計数値nを得ることは周波数範囲が
Bの信号の存在を検出したことである。そしてこれは図
のように理想特性をもつバンドパスフィルタ(BPF)
での信号検出と等価である。
【0052】帯域幅Bは計数値nにより1/{n・(n
+1)}に比例して減少する。そこで通常のBPF群に
よるスペクトル分析との類推から、計数値nをある範囲
で分類してオクターブのBPF群を作成する。図14に
一例を示す。チャンネルCH1は5Hzから12.5H
zの信号検出理想BPFで計数値はn=2,3および4
である。チャンネルCH2は2.08Hzから5Hzの
信号検出理想BPFで計数値はn=5〜11である。
【0053】図15に零交差点間隔分類回路17の一実
施例を示す。零交差点間隔分類回路17は零交差点間隔
計測回路16の出力である計数値n(零交差点間隔値と
等価)を図14に示す範囲で分類するものである。図1
5に示すように図14の各チャンネルに相当する複数
(図では5個)の分類回路103,104,105,1
06,107を有する。各分類回路103〜107は、
入力される計数値nを検査し、自身が分類する値であっ
たとき論理「1」を出力する。たとえば、n=2であれ
ばチャンネルCH1分類回路103は論理「1」を出力
し、その他の分類回路は全て論理「0」を出力する。n
=9であればチャンネルCH2分類回路104は論理
「1」を出力し、その他の分類回路は「0」を出力す
る。
【0054】図16にチャンネルCH2分類回路104
の一実施例を示す。符号108,109は沖電気製MSM7
4HC85RS44ビットマグニチュードコンパレータである。
計数値を4ビットデータとしてコンパレータ108,1
09の入力A3,A2,A1,A0に入力する。コンパ
レータ108の他の入力B3,B2,B1,B0にn=
5の値を設定し、コンパレータ109の他の入力B3〜
B0にn=11の値を設定する。計数値が5から11の
とき、出力が論理「1」になるのは明らかである。他の
チャンネルの分類回路も同様に構成できる。
【0055】図17に分類計数回路18の一実施例を示
す。分類計数回路18は複数のチャンネル別の計数回路
113,114,115,116,117で構成され
る。113は符号103で示すチャンネルCH1の出力
である論理「1」の数を一定時間(例えば12秒間)計
数する。この一定時間を以下分析時間と呼ぶ。以下11
4から117まで同様なものである。各計数回路の分類
計数値mi(iはチャンネル、i=1〜5)は、焦電素
子出力にチャンネルi内の周波数成分信号が一定時間内
に存在した個数を表わすパラメータである。言い替えれ
ばある周波数成分の出現頻度に相当する。
【0056】以上の説明のように、この分類計数値mi
を得る処理(零交差点間隔計測回路16、零交差点間隔
分類回路17、分類計数回路18での処理)は計数と分
類操作のみであり演算処理を伴わないためハードウエア
は非常に簡略であり低価格に構成できる。
【0057】次にさらに低価格な方法としてマイクロプ
ロセッサユニットのソフトウエアで前述の処理を行なう
実施例を説明する。
【0058】図18に零交差点間隔計測回路16、零交
差点間隔分類回路17、分類計数回路18の行なう処理
をマイクロプロセッサのソフトウエアで行なわせるため
の一実施例例を示す。図18において符号22はAD変
換器、符号23はマイクロプロセッサユニット(MP
U)である。焦電素子の出力は増幅回路で増幅され、折
り返し雑音を防止するためLPFを介してAD変換器2
2で標本化と量子化されてMPU23に取り込まれる。
そして、零交差点間隔の計測、分類、分類個数の計数が
MPUのソフトウエアで行なわれる。
【0059】図19は図9の符号32から符号40まで
の零交差点を持つ焦電素子出力波形がAD変換器22で
標本化された様子を示す。同図ではAD変換器22の標
本化周期を図9の時間量子化パルスaのそれと同一とし
ている。AD変換器22で標本化されたデータを符号7
1,72,73,74,75,76,77および78で
示す。
【0060】この標本化データをMPU23が取り込
み、各零交差点間の間隔41から48までのΔtを1時
間単位として計測する。同図から明らかなように、標本
データの正負符号を監視し、符号が変化するまでの標本
データ数を計数すれば零交差点間隔を、Δtを時間単位
として計測することができる。
【0061】上記MPU23が実行するソフトウエアの
処理手順の一実施例を図20のフローチャートに示す。
この処理手順では、まず、1標本データを読み込みなが
ら(S61)、前標本データと符号を比較し(S6
2)、標本データ数を計数することにより零交差点間隔
をΔt時間の単位で計測し出力する(S63〜S6
5)。出力値は計数nであり、時間長としてはnΔtで
ある。すなわち、ステップS62で前標本データと符号
が一致すれば、ステップS63で係数nをインクリメン
トしてステップS61に戻る。また、ステップS62で
前標本データと符号が一致しなければ、ステップS64
で係数値nを出力し、さらにステップS65で係数nを
リセットした後、ステップS61に戻る。
【0062】図10のように雑音の影響を除くために正
負限界振幅値を設けた場合も同様にMPU23のソフト
ウエアで交差点間隔を計測できることは明らかである。
この場合、正負限界振幅値内での零交差点を無視するこ
とにより雑音の影響を除くことができる。
【0063】図21は零交差点間隔分類回路17をMP
U23のソフトウエアで構成したときの処理手順を示す
フローチャートである。この手順では、まず、計数値n
を読み込み(S171)、チャンネル別に分類し(S1
72〜S176)、相当するチャンネル出力を論理
「1」、その他チャンネル出力を論理「0」とする(S
177〜S181)。この操作を計数値読み込み毎に繰
り返す。分類計数回路18は単純な計数動作を行なうも
のであり、これをMPU23のソフトウエアで行い得る
のは明らかである。
【0064】以上の説明のように、パラメータmiを得
る処理(零交差点間隔計測回路16、零交差点間隔分類
回路17、分類計数回路18での処理)は計数と分類操
作のみであり演算処理を伴わないため現在の民生用の低
速なMPUでもソフトウエアのみで実時間処理可能であ
る。また以上説明したソフトウエア処理は全て一つのM
PUで行なえ、その場合のハードウエアはとしては図1
8に示しただけのものでよく低価格に構成できる。
【0065】周波数分析回路8に焦電素子出力ではな
く、一定周波数の正弦波(周波数f)を加えたときの分
類計数値miと周波数fの関係について説明する。
【0066】分析時間TをT=N・Δt(Nは整数)と
する。この正弦波の零交差点間隔ZtはZt=1/(2
・f)であり、実数値で考えれば(時間量子化を考えな
ければ)分析時間T内の間隔Ztの個数Mは実数で下式
となる。
【0067】 M=T/Zt=2・f・T (6) 周波数分析回路で計測される零交差点間隔値はΔt周期
で時間量子化された計数値n(nは整数)である。たと
え一定周波数の正弦波であっても時間量子化パルス周波
数fsが一般には調波関係にないため位相ずれにより計
数値nは値が1単位変動し得る((1)式参照)。
【0068】今、分析時間T内で全ての零交差点間隔が
計数値nであれば、個数Mは M=[N・Δt/(n・Δt)]=[N/n] (7) 但し[ ]は整数値化(小数点以下切り捨て)を表わす であり、全ての零交差点間隔が計数値n+1であれば、 M=[N・Δt/{(n+1)・Δt}]=[N/(n+1)] (8) となる。
【0069】したがって、周波数fの正弦波を分析時間
Tで上記零交差分析すれば、零交差点間隔計数値はnあ
るいはn+1であり、個数Mは下式の範囲にある。
【0070】 [N/(n+1)]<M<[N/n] (9) つまり周波数fの計測は時間量子化のため、周波数で下
式の不確定性を持ち、個数Mで(9)式の不確定性を持
つ。
【0071】f1<f<f2 f1=1/{2・(n+1)・Δt} f2=1/{2・n・Δt} もしnとn+1が同一時間間隔に分類されるつまり同一
チャンネルであれば、そのチャンネルの分類計数値mi
として(9)式の範囲にあるMで与えられ、その値は概
略(6)式で与えられる時間量子化を考えない(実数で
の)場合のMの値となる。
【0072】 mi=M=[2・f・T] (10) もしnとn+1が別チャンネルであればそれぞれのチャ
ンネルの分類計数値mi、mi+1として(6)式のM
の値がそれぞれのチャンネルに下式で分配される。
【0073】 mi + mi+1 =M=[2・f・T] mi=[N/n・(f−f1)/(f2−f1)] mi+1=[N/(n+1)・(f2−f)/(f2−f1)](11) 以上の説明を確認するため、図18に示す実施例を用い
入力として正弦波を加えて測定した分類計数値mi(i
=1〜5)と周波数fの関係を実線で図22に示す。こ
の場合、図14に示した計数値nの分類を用い、分析時
間Tを、 T=600×20ms =12sec(N=600、Δts=20ms) としている。
【0074】また同図に破線で(6)式を示す。式と実
測値はよく一致している。周波数fと分類計数値miは
遷移周波数(重なり)部分を除いて比例関係にあり1対
1に対応する。この重なり部分は時間量子化により生ず
る。縦軸は個数であるが強度とみなせばこれはBPF群
となっていることがわかる。つまり分類計数値を得るこ
とはBPF群によるスペクトル分析と似た処理といえ
る。
【0075】さて、分類計数値は一定時間内でのある周
波数幅を持った信号の出現頻度と考えることができる。
ただこの頻度は(6)式のように周波数fに直接依存す
るため、高い周波数(周期が短い)ほど数値が大きく、
低い周波数(周期が長い)ほど数値は小さくなる。
【0076】普通のBPFのように、入力振幅が一定な
らば周波数が変化しても出力(この場合は振幅)が一定
であるように、図22に示す特性を変更することを考え
る。BPFとのアナロジーからチャンネル毎にその分類
計数値miに重みをつける。図23は図22の特性で各
チャンネル毎にその出力に2の(i−1)乗の重みを付
けた場合を示す。これは各チャンネルがオクターブバン
ド関係にあることから、簡易的に2の(i−1)乗の重
みを付けたものである。図23に示すように、概略BP
Fの形とすることができる。さらに細かく分類計数値毎
にテーブル引で重みを付けてもよいが煩雑である。
【0077】以上の重み付けを行なうのが重み付け回路
19である。重み付け回路19は各チャンネルの分類計
数値miに2の(i−1)乗の値をかけて重み付けを行
ないその対数値を出力する。
【0078】ある周波数の正弦波を入力すればその周波
数を含むチャンネルは結果としてh(図23のほぼ平坦
は部分の高さ、重み付けされた分類計数値の対数値)を
出力し、他のチャンネルは零を出力する。これは入力が
周波数一定の信号でありその周波数はhを出力したチャ
ンネルの周波数範囲にあることを意味する。
【0079】チャンネルが異なる2周波数が混合された
信号の場合は各チャンネルに合成された波形の零交差瞬
時周波数の時間間隔が分類計数され出力される。この場
合零交差瞬時周波数の時間間隔はそれぞれの周波数のレ
ベルに依存する。そしてこの時間間隔は元の2周波数の
それぞれの時間間隔とは異なっていることに注意する必
要がある。つまりBPFあるいはFFTによる分析とは
異なる。しかし2周波数のレベルが同じであれば、先の
各チャンネルの出力は同じ値でおよそh/2にはなる。
レベルが極端に違えば、レベルの大きい周波数の単一信
号が入力した場合と同じとなる。
【0080】この重み付けまでの処理は普通のFFTに
よるスペクトル分析のように精度はないが、入力信号の
概略周波数成分のチャンネル別存在比が得られる。
【0081】以上は分析時間中ずっと信号が入力される
場合を考えてきたが、分析時間をたとえば12秒とし焦
電素子が検出する人の動き信号を考えると、12秒中信
号は1秒間だけ存在するという間欠的な場合がある。例
えば睡眠中の寝返り、休憩中のちょっとした手足の動き
などは12秒という分析時間の一部に信号が存在するこ
とになる。そこで信号が存在した時間長で正規化を行な
う必要が生じる。例えば分析時間を12秒に設定し1H
zの正弦波を12秒入力した場合と2秒入力した場合を
考える。前者の場合相当するチャンネルの分類計数値は
24、後者の場合はその1/6の4になる。チャンネル
毎の周波数成分比抽出を目的にする場合には先の不都合
を回避するため信号存在時間長で正規化する必要が生じ
る。正規化としては、例えば分類計数値を信号入力時間
で除算すればよい。この場合、前者は24/12=2、
後者は4/2=2となり信号の存在時間に依存しない分
類計数値が得られる。この信号存在時間は分析時間中に
信号波形電力の検出を行ない、あるしきい値以上の電力
値を示す時間を計測することで行なえる。
【0082】簡易的な方法としては分類計数値を零交差
点数で除算すればよい。これは前述した雑音により擬似
零交差点が生じることを回避するために設けた正負限界
振幅値を信号存在検出に用い、この限界値を越える信号
が限界値と交差する点数を零交差点として、この交差点
数が時間に比例することを利用したものである。例えば
上記の場合前者は24/48=0.5、後者は4/8=
0.5となる。しかしこの方法は明らかに正弦波のとき
は交差点数が正確に時間に比例するが、複雑な波形では
ほぼ比例するとしか言えない。
【0083】そこで、この正規化を時間長正規化回路2
0(図2)が行なう。電力変化分析回路9(図1)で検
出した信号存在時間長あるいは零交差点数計数回路15
からの零交差数で重み付け回路19からの分類計数値
(各チャンネル出力)を除算し出力する。このあと、各
チャンネルの全体に対する割合を得る意味で、重み付け
回路19の出力する全チャンネル出力合計値で各チャン
ネル出力値を除算する。これを行なうのが周波数成分比
回路21である。この周波数成分比回路21からは、入
力信号の全帯域を1としたときの各チャンネル周波数成
分の比率が周波数成分比として出力される。
【0084】以上の重み付け、時間長正規化、周波数成
分比の算出は全てMPUのソフトウエアで行なえること
は明らかであり、この場合ハードウエアは図18に示す
簡略なものである。
【0085】以上本発明の周波数分析とこれを実現する
実施例を詳細に説明した。説明は省略したがこの方法は
波形振幅に依存しないため入力波形がクリップしても結
果は変わらないという長所を持つことも明らかである。
この方法は基本的に周波数情報しか得られない。そこで
電力情報を得る目的で設けたのが電力変化分析回路9で
ある。以下電力変化分析回路9の動作を説明する。
【0086】図24に電力変化分析回路9の一実施例を
示す。電力変化分析回路9は、平均電力算出回路24、
超平均電力算出回路25、および尖鋭度算出回路26か
らなる。
【0087】平均電力算出回路24は、フィルタ4から
入力された信号に対して、まず分析時間Tをさらに分割
した時間単位ΔT毎に電力算出を行なう。そしてΔT単
位毎の電力pを超平均電力算出回路25に出力するとと
もに、ΔT毎の電力pをT/ΔT個合計し、これを個数
T/ΔTで除算することで平均電力apを得て電力変化
情報の一つとして出力する。
【0088】超平均電力算出回路25は平均電力算出回
路24の出力するΔT毎の電力pと平均電力apから超
平均電力epを算出する。まずΔT毎の電力pと平均電
力apを比較し、平均電力apを越えるΔT毎の電力を
合計し、これをその個数で除算して超平均電力epとし
て出力する。つまり平均電力apを越える電力pの平均
として超平均電力epを得て出力する。
【0089】また先に述べた信号存在時間長での正規化
を行なう場合には、ここで信号存在時間長を得るためΔ
T毎の電力pを所定のしきい値と比較し、しきい値を越
える個数を計数する。そしてこの個数を信号存在時間長
として時間長正規化回路20に出力する。
【0090】尖鋭度算出回路26は平均電力apと超平
均電力epから尖鋭度rを得る。超平均電力epを平均
電力apと超平均電力epの和で除算して尖鋭度rを得
る。この尖鋭度rは分析時間内での電力変化の継続性す
なわち動きの継続性を表わすパラメータである。図25
に分析時間Tを12秒、ΔTを1秒としたときの分析例
を示す。図中(a)は椅子に座って、たまたま背伸びし
たときの分析例であり、(b)は部屋の中を歩き回って
いるときの分析例である。(a)の場合、分析時間中の
一部の動きであり平均電力apと超平均電力epの差は
大きく尖鋭度rは1に近い値をとる。(b)の場合、分
析時間中継続した動きであり平均電力apと超平均電力
epの差はほとんどなく先鋭度rは0.5に近い値をと
る。またこの尖鋭度は平均電力値には依存しないパラメ
ータとなっている。
【0091】以上の電力変化分析回路9の動作はこれを
MPUのソフトウエアで行ない得るのは明らかで、この
ときの構成は図18と同じである。
【0092】図26に図18の構成で周波数分析、電力
分析を行なった結果例を焦電素子出力波形とともに示
す。AD変換器のサンプリング周波数は50Hz、12
秒間の焦電素子出力の分析例で、(a)はゆっくり歩行
したとき、(b)はラジオ体操のときである。図のよう
に周波数および電力分析結果に相違が見られ、これらの
情報から作業動作を推定することが可能なことがわか
る。
【0093】本発明は上記分析回路より得られた情報を
もとに、人の動きの状態すなわち作業(活動)状態を活
動状態推定回路10で推定し、この推定作業状態から活
動量変換回路11で活動量値を算出することを基本にし
ている。これは直接に人体の発熱量を非接触で測定する
ことが技術的に困難であり、人体に接触して測定するこ
とは人の動作を妨げ不快感を与えるため家電製品にとっ
ては好ましくないという理由による。以下、上記情報か
ら作業状態を推定する方法を実施例をもって説明する。
【0094】図27に活動状態推定回路10の一実施例
を示す。活動状態推定回路10はMPUで構成される識
別判断回路120と、ROMで構成され、識別判断回路
120の判断に用いる複数のしきい値を記憶する識別し
きい値回路121とからなる。本実施例はMPUのソフ
トウエアで周波数情報(零交差数、周波数成分比)、電
力変化情報(平均電力、超平均電力、尖鋭度)をそれぞ
れしきい値と比較しながら総合判断し、活動状態を推定
するものである。
【0095】次に、周波数情報、電力変化情報から識別
判断回路120で活動を推定する方法について述べる。
【0096】まず表3に示すように活動量が同じような
代表的作業を選び活動量値によってグループ分けする。
【0097】
【表3】
【0098】このグループをカテゴリとよぶ。そしてカ
テゴリ内の作業(活動)を実際に行なったときの周波数
および電力変化情報データを複数集める。そして各カテ
ゴリ別にそれぞれの情報データの分布、平均、分散など
の統計データを作成する。次に各作業別データを分離で
きる各情報データ座標軸でのしきい値をみつける。例え
ば簡単な例として、図28の(a)がゆっくり歩行時の
チャンネル1の正規化分類計数値である周波数成分比の
分布、(b)が同じくラジオ体操時の分布とすると、図
示した点の値をしきい値とし、いま入力されたチャンネ
ル1の正規化分類計数値である周波数成分比がしきい値
より小であればゆっくり歩行と推定してカテゴリ番号4
を出力する、逆にしきい値より大であればラジオ体操と
推定してカテゴリ番号3を出力する。
【0099】情報データ種類数および分類カテゴリ数が
多くなるとこの識別判断は複雑になる。図29に周波数
成分比を3チャンネル(高域、中域、低域)としたとき
のソフトウエアフロー実施例の一部を示す。
【0100】零交差数でおおまかなカテゴリ分類を行な
い、動きの継続性を表わす尖鋭度、動きの速度成分を表
わす周波数成分比、動きの面積および距離を表わす平均
電力の組み合わせでカテゴリに分類し、カテゴリ番号を
出力する。
【0101】さらに詳しく説明すると、このフローで
は、まず、零交差数zcrが10より小さいか(ステッ
プS29−1)、30より小さいか大きいか(ステップ
S29−2)でおおまかな分類が行われる。ステップS
29−1で10より小さいと判断すると、平均電力値a
pを4と比較する(ステップS29−3)。そこで、4
より小さいと判断すると、カテゴリ番号k=1として無
人状態であると識別する(ステップS29−4)。平均
電力値apが4以上であると判断すると、ステップS2
9−5で先鋭度rを0.69と比較する(ステップS2
9−5)。そして、0.69以下であると判断すると、
カテゴリ番号k=3としてデスクワークや、座っての仕
事、あるいは軽作業と識別する。
【0102】また、ステップS29−5で先鋭度rが
0.69より大きいと判断すると、ステップS29−7
で高域周波数成分比ch1を0.4と比較する。そし
て、0.4より大きいと判断すると、さらにステップS
29−8で平均電力値apが6より小さいかどうかチェ
ックし、6より小さければカテゴリ番号1として無人状
態であると識別する(ステップS29−9)。一方、6
以上であれば、カテゴリ番号k=2として睡眠状態ある
いは休息状態であると識別する(ステップS29−1
0)。
【0103】ステップS29−7で高域周波数成分比c
h1が0.4以下であると判断すると、ステップS29
−11で低域周波数成分比ch3を0.25と比較す
る。そして、このチェックで0.25以下であればカテ
ゴリ番号k=3として前述の軽作業であると識別し(ス
テップS29−12)、0.25より大きければ、さら
にステップS29−13で平均電力が30以上であるか
どうかチェックする。もし、30以上であれば、カテゴ
リ番号k=3として同じく軽作業であると識別し(ステ
ップS29−14)、30以下であればカテゴリ番号k
=2として睡眠もしくは休息状態であると識別する(ス
テップS29−15)。
【0104】活動量変換回路11は、このカテゴリ番号
kとその平均的活動量(単位met)をROMなどの記
憶回路(図示せず)にテーブルデータとして記憶してお
り、カテゴリ番号が入力されると活動量(met値)を
出力する。
【0105】なお、ステップS29−2で尖鋭度zcr
が30以下と判断した場合には、特に説明しないが、ス
テップS29−16およびS29−17で尖鋭度zcr
が0.75より大きいか、あるいは0.75以下で0.
65より大きいかによってさらに識別状態が異なってく
る。
【0106】図30に活動状態推定回路10の他の実施
例を示す。この実施例における活動状態推定回路10
は、パターン間距離算出回路122、標準パターン記憶
回路123、および距離判定回路124からなる。本実
施例は周波数および電力変化分析回路8,9が出力する
周波数および電力変化情報を一つのパターンとみなし、
このパターンの相違から活動を推定するものである。す
なわち、出力情報である零交差数zcn、各チャンネル
の周波数成分比ch1、ch2、・・、平均電力ap、
超平均電力ep、尖鋭度rを一つのパターン(zcn、
ch1、ch2、・・、ap、ep、r)と見なす。
【0107】表3に示すようなカテゴリ内の代表的作業
の出力情報であるパターンを複数集め、カテゴリ別に各
要素の平均値を集めたパターンデータを作成する。そし
てこれにカテゴリ番号を付与して標準パターンデータと
して標準パターン記憶回路123に記憶する。
【0108】周波数および電力変化分析回路8,9が出
力する情報パターン(入力パターン)はパターン間距離
算出回路122に入力される。パターン間距離算出回路
122はまずこの入力パターンと各標準パターンとのパ
ターン間距離を算出する。距離計算としては各要素の差
の絶対値和などを用いる。この距離値と標準パターン記
憶回路123からのカテゴリ番号kは距離判定回路12
4に順次対で入力される。距離判定回路124はこれら
距離値を相互比較し、その中の最小値(パターンが一番
よく類似していたという意味)を示す標準パターンのカ
テゴリ番号kを出力する。活動量変換回路11は、この
カテゴリ番号kとその平均的活動量(単位met)をR
OMなどの記憶回路(図示せず)にテーブルデータとし
て記憶しており、カテゴリ番号が入力されると活動量を
出力する。
【0109】以上本実施例によれば、先の識別判断回路
のように人がしきい値を見出して判断論理を組み立てる
ことなく、標準パターンを作成すれば分類を行なえ、こ
れによってカテゴリ番号から活動量を得ることができ、
開発時間を短縮できる。
【0110】図31に活動状態推定回路10の他の実施
例を示す。本実施例は神経回路網A125を用いて周波
数および電力変化情報から活動を推定する。この活動状
態推定回路10は、神経回路ユニット126、一層の一
入力端子をもつ複数の神経回路ユニット126で構成さ
れる入力ユニット層127、一層あるいは複数層の複数
の神経回路ユニット126で構成される中間ユニット層
128、一層の複数の神経回路ユニット126で構成さ
れる出力ユニット層129からなる。
【0111】入力ユニットには零交差数、各チャンネル
別の周波数成分比、平均電力、超平均電力、先鋭度が入
力される。出力ユニットはカテゴリ(Y1からY5)数
だけあり、それぞれ表3の作業の分類に対応している。
【0112】神経回路網はその構造から階層的網構造と
相互結合的網構造に分けられる。本発明はいずれの網構
成でもよいが、図31に示す階層構造は後述の簡単な学
習法が確立されておりより有用である。
【0113】神経回路網A125は入力層127、中間
層128、出力層129からなる階層構造で、各層は1
以上のユニット126から構成される。ユニット126
間の結合は、入力層127から中間層128、出力層1
29という前向きの結合だけで、層内のユニット126
間の結合はない。中間層128は1層であるがこれを複
数の層としてもよい。
【0114】ユニット126の構造は図32に示すよう
に脳の神経細胞をモデル化したもので、他のユニット1
26の出力を受け、これに重み付けを行なって総和をと
り、一定の規則(変換関数)で変換し、結果を出力す
る。図33に変換関数の例を示す。(a)はあるしきい
値θより大で1を出力するしきい値関数、(b)は微分
連続なシグモイド関数である。普通学習法として逆誤差
伝播法を用いる場合には(b)の関数を用いる。図では
関数値が零から1の間に正規化されているがこれに限る
ことはない。以下の説明ではこのシグモイド関数を用い
た。
【0115】この重み付けのなかに神経回路網A125
の情報あるいは機能が確立される。そのためこの重み付
けを決定することを神経回路網の学習と呼び、種々の方
法が研究されている。神経回路網A125はまず学習に
よって、網内各ユニットの重みを決めてやる必要があ
る。
【0116】神経回路網A125をパターン分類回路と
して動作させるための学習法について説明する。網の学
習とは、この場合実際の出力を目標値(望ましい出力)
に近づけることであり、各ユニットの各重みを変化させ
て行なう。まず図30の説明で標準パターンとしたデー
タを教師データとして、これで神経回路網A125の各
重みを学習させる。学習法としては公知の逆誤差伝播法
を用いれば良い。
【0117】まず睡眠標準パターンを入力に与え、出力
ユニットの望ましい出力としてY1(睡眠のカテゴリ出
力ユニット)が1、他の出力ユニットの出力が零である
パターン{1,0,0,...}として、実際の網出力
パターンが望ましい出力パターンとなるように先の学習
法で各重みを調整する。これは実際の網出力パターンと
望ましい出力パターンとの誤差が所定の値以下になるま
で繰り返される。同様なことを他のカテゴリの標準パタ
ーンについても行なう。そして以上のことを全ての標準
パターンで実際の出力パターンと望ましい出力パターン
との誤差が所定の値以下になるまで繰り返す。
【0118】簡単のために標準パターンを教師データと
したが、1カテゴリに付き、代表的な複数のスペクトル
データを教師データとしてもよい。
【0119】以上の学習は通常、大型計算機を用いてオ
フラインで行ない、決定した重みデータを神経回路網A
125に移す。
【0120】さて学習を終えた神経回路網A125を用
いての活動量算出を説明する。
【0121】周波数分析回路8、電力変化分析回路9の
周波数および電力変化情報は神経回路網A125に入力
され各情報に重み係数の乗算、結果の累積、関数出力な
どの計算がなされ、最後に分類されるべきカテゴリの出
力ユニットが1に近い値、他の出力ユニットは零に近い
値を出力する。したがって出力ユニットに番号を付けて
おけば、1に近い値を出力した出力ユニットの番号がカ
テゴリ番号である。このカテゴリ番号は活動量変換回路
11で活動量(単位met)に変換されて出力される。
【0122】出力ユニットの出力関数を図33(a)の
しきい値関数にすれば、入力情報パターンによって必ず
出力ユニットの1つが1を出力し、他は0を出力する。
つまり先の1に近いか0に近いかの判定を兼ねることが
できる。
【0123】以上本実施例によれば、先の識別判断回路
のように人がしきい値を見出して判断論理を組み立てる
ことなく、学習させれば分類を行なうことができ、開発
時間を短縮できる。また神経回路網によるパターン分類
は妨害に対して頑強である。
【0124】図34に活動状態推定回路10のさらに他
の実施例を示す。図34において図31と同一の構成要
素には同一の参照符号を付して説明は省略する。この実
施例は、周波数および電力変化分析回路8,9の出力情
報データから直接非線形変換して活動量を得ようとする
ものである。
【0125】これは前述の図31における実施例の神経
回路網A125と活動量変換回路11の機能をまとめた
神経回路網B130である。図31と同様に入力ユニッ
トには周波数および電力変化情報データが入力され、出
力ユニットは1つで活動量を出力する。この出力ユニッ
トの変換関数はシグモイド関数で、所定のmet値例え
ば0.7から3.0が出力できるように調整しておく。
【0126】これは図31の神経回路網A125の出力
層129の後に1つの出力ユニットを付加したと考える
ことができる。つまり神経回路網A125の出力層と1
つの出力ユニット126の結合が活動量変換回路11の
役目をすると考えれば分かり易い。
【0127】学習法は先に説明したのと同様に行なえ
る。ただ出力の教師データはmet値とする。そしてす
くなくとも出力ユニットの変換関数は連続関数である必
要がある。中間層128は連続でも不連続(しきい値関
数)でもよい。
【0128】以上、本実施例によれば活動量変換回路1
1が省略できる。
【0129】図35に本発明のさらに他の実施例を示
す。図35において活動状態推定回路10は、マイクロ
プロセッサ等で構成されたファジィ推論回路131とデ
ータ記憶回路132とからなり、周波数および電力変化
分析回路8,9の出力情報データからファジィ推論を行
なって活動量を出力する。
【0130】以下ファジィ推論で活動量を算出する過程
を説明する。説明の簡略化のため情報データとしては周
波数成分比と平均電力のみを用いた場合で行なう。他の
データを用いても、メンバシップ関数、制御ルールが増
え複雑になるだけである。
【0131】図36(a)は横方向に比率最大の周波数
帯域チャンネルの中心周波数、縦方向に移動速度の
「大」「中」「小」のグレードを示したファジィ変数の
メンバシップ関数である。同図(b)は横方向に平均電
力ap、縦方向に動き部分の「大」「中」「小」のグレ
ードを示したファジィ変数のメンバシップ関数である。
同図(c)は横方向に活動量(単位met)、縦方向に
前記活動量に対して「大」「やや大」「中」「やや中」
「小」と評価するグレードを示したファジィ変数のメン
バシップ関数である。前記図36の3種類のメンバシッ
プ関数は、本発明の発明者が複数の人の作業の測定デー
タから作成したものである。
【0132】図37は在室者の活動状態をファジィ推論
によって求めるための制御ルールを示す説明図である。
縦方向には比率最大の周波数帯域チャンネルの中心周波
数から求められる3段階の移動速度のファジィ変数(移
動速度「大」「中」「小」)をとり、横方向には平均電
力から求められる3段階の距離のファジィ変数(動き部
分「大」「中」「小」)をとって2次元に配置すること
により、これら2つの条件の交わった位置に在室者の活
動量(「大」「やや大」「中」「やや中」「小」の内の
一つ)を設定するものである。すなわち、もし「移動速
度大」で「動き部分大」ならば「活動量大」である。と
いう具合に推論する。また、この制御ルールは本発明の
発明者が予め複数の人の作業の測定から決めたものであ
る。図36のメンバシップ関数および図37の制御ルー
ルは予めデータ記憶回路132に格納しておく。
【0133】次にファジィ推論の実行を図38の実行説
明図と図39のフローチャートをもとに説明する。
【0134】最初にステップS39−1で最大強度チャ
ンネル中心周波数から移動速度に対するファジィ変数の
メンバシップ関数(図38(a))を求める。例えば最
大強度チャネルの中心周波数が10Hzならば図38
(a)に示すようにファジィ変数「大」のメンバシップ
関数が選択されそのグレードが1となる。次にステップ
S39−2で平均電力より動き部分に対するファジィ変
数のメンバシップ関数(図38(b))を求める。例え
ば平均電力が150であれば図38(b),(c)に示
すようにファジィ変数「大」「中」の両方のメンバシッ
プ関数が選択され、そのグレードがそれぞれ0.6、
0.4となる。このようにして在室者の活動量を推論す
るための制御ルールの前件部が導出される。
【0135】次にステップS39−3に進み、ステップ
S39−1、S39−2で求められた前件部を前記デー
タ記憶回路132に記憶されている制御ルールに当ては
めて後件部である活動量のファジィ変数を求め、そのメ
ンバシップ関数を導出する。例えば図38では下記2通
りの前件部が成立する。
【0136】 もし移動速度「大」で動き部分「大」ならば (21) もし移動速度「大」で動き部分「中」ならば (22) 上記前件部を制御ルールにあてはめて後件部を求める
と、それぞれ図38(d),(e)に示す通り活動量
「大」、「中」というファジィ変数のメンバシップ関数
が導出される。
【0137】次にステップS39−4に進み、ステップ
S39−3で求められた活動量ファジィ変数のメンバシ
ップ関数からそのグレードを導出し、メンバシップ関数
の修正を行なう。すなわち後件部である活動量メンバシ
ップ関数のグレードは、制御ルールの前件部を構成する
2つのファジィ変数のうち、グレードの小さい方の値と
して成立するものである。例えば図38(a),(b)
なる前件部では0.6が活動量「大」に対するグレード
となり、図38(a),(c)なる前件部では0.4が
活動量「中」に対するグレードとなる。このようにして
修正された活動量メンバシップ関数が図38(c),
(e)の斜線部分である。
【0138】次にステップS39−5に進み、ステップ
S39−4で求められた活動量の修正メンバシップ関数
の論理和をとり合成メンバシップ関数を求める。例えば
図38(f)の斜線部分が合成メンバシップ関数を表わ
す。
【0139】最後にステップS39−6に進み、ステッ
プS39−5で求められた活動量の合成メンバシップ関
数から、重心の位置を算出して活動量(単位met)を
得る。
【0140】以上説明は簡単のためにファジ変数として
3つの場合、デファジケーションは重心法で行なったが
これに限ることはない。また移動速度のメンバシップ関
数は入力に最大強度の周波数帯域チャネルの中心周波数
としたが例えば最大強度周波数帯域チャネルと2番目の
強度を持つ周波数帯域チャネルの組み合わせであっても
よい。
【0141】以上、識別判断、パターン識別、神経回路
網、ファジィ推論による周波数および電力変化情報から
活動量への変換法を説明した。なお、全ての情報を用い
て活動量に変換する必要はなく、零交差数、超平均電力
を用いずに活動量を得てもよい。また、周波数成分比の
代わりに元の分類計数値をそのまま用いてもよい。
【0142】図40に本発明の人体活動量算出装置を用
いた空気調和機の一実施例を示す。この空気調和器は、
室内温度センサ201と、空気調和機のコンプレッサ、
ファンモータなどのアクチュエータ215と、空気調和
機全体を制御する制御回路220とを備え、この制御回
路220には、本発明に係る人体活動量算出装置208
と活動量時間平均回路209とが直列に接続されてい
る。
【0143】人体活動量算出装置208は、これを構成
するフレネルレンズ2、焦電素子1は空気調和機室内機
の前面にフレネルレンズ2の検知ゾーンが室内に居る人
をカバーするように配置され、人の活動量(単位me
t)を出力する。活動量時間平均回路209は人体活動
量算出装置208が出力する活動量を所定時間間隔で平
均化して制御回路220に出力するものである。
【0144】ところで、空気調和機が部屋の温度を設定
した温度にまで持っていくのには時間がかかる。この時
間は空気調和機の冷暖房能力と温度変化幅と部屋の熱容
量に依存する。一般的には5〜10分と分単位の時間が
必要となる。活動量算出装置208は制御回路220の
要求によってほぼ分析時間Tでその時間での活動量を出
力する。この分析時間は人の動きの周波数から決められ
る。この周波数は0.1〜15Hzと言われる。そこで
本発明の説明では分析時間を12秒としている。
【0145】人の動きは機械のように一定でなく不規則
かつ断続的である。いま活動量時間平均回路209がな
く、制御回路220からの要求で活動量算出装置208
は分析時間(12秒間)の活動量を出力し、制御回路2
20はこの活動量でアクチュエータ215を制御すると
仮定する。制御回路220からの要求は人の動きの一瞬
を標本化し、活動量を得るに等しい。仕事中たまたま休
息したときに、制御回路220からの要求で活動量算出
装置208が休息時の活動量を出力した場合を考える。
本来は仕事時の活動量でなければならないのにこの休息
時の活動量によって制御回路がアクチュエータを制御す
るという不具合が起きる。これを防止するには活動量算
出の標本化を頻繁に行ない、複数の標本活動量を平均化
してこの平均活動量をアクチュエータ制御に適用すれば
良い。この平均化を行なうのが活動量時間平均回路20
9である。
【0146】本実施例では活動量算出回路208は自律
的に例えば30秒おきに分析時間12秒で活動量算出を
行ない、活動量を活動量時間平均回路209に出力す
る。活動量時間平均回路209には所定時間の活動量を
一時記憶するデータバッファと時間平均活動量を一時記
憶する活動量バッファ(図示せず)があり、データバッ
ファに新たな活動量が入力される毎にデータバッファの
活動量の平均値を算出して活動量バッファに記憶する。
制御回路220は任意の時間に活動量バッファに記憶さ
れている活動量を読み込むことができる。
【0147】なお前記の所定時間は先の空気調和機の温
度変更時間5〜10分(データバッファ数で10〜20
個)に合わせるのが好ましい。また活動量算出装置10
8は自律的に動作せずとも制御回路の要求に従って動作
してもよく、分析は周期的でなくてもよい。さらに平均
の方法は単純平均でなくても最新の活動量に重きを置く
ような加重平均でもよい。
【0148】本実施例は単純に室内温度センサ201と
活動量時間平均回路209からの情報で空気調和機の設
定温度を制御するものである。
【0149】図41は空気調和機の冷房運転または暖房
運転時に、活動量に対して在室者が快適と感じる快適温
度を表わしたものであり、例えば快適指標を表わすPM
V値の算出式を用い、夏あるいは冬の平均的な室内の湿
度、幅射温度、気流速度、在室者の着衣量を代入して導
出したものである。この活動量と快適温度の関係を予め
制御回路220の記憶回路(図示せず)に記憶してお
く。
【0150】最初に室内温度センサ201で室内温度を
測定し、次に活動量時間平均回路209から活動量を得
る。先の記憶されている活動量と快適温度の関係からこ
の活動量に対する快適温度を決定する。そして室内温度
と快適温度を比較して、室内温度が快適温度に近づくよ
うに制御回路220でアクチュエータ215を制御す
る。このとき、室内ファンモータの回転数を活動量に応
じて制御するのが望ましい。
【0151】図42は人の活動量に対して快適と感じる
気流速度を表わしたものであり、例えば快適指標を表わ
すPMV値の算出式を用い、夏あるいは冬の平均的な室
内の湿度、幅射温度、使用者の着衣量を代入して快適温
度をパラメータにして導出したものである。この気流速
度を、室内ファンモータの回転数に換算する。室内ファ
ンモータの風吹き出し性能と平均的な使用者とファンモ
ータとの距離を用いて、実験的に使用者の位置での気流
速度と室内ファンモータ回転数の換算を行えばよい。図
43にこうして求めた室内ファンモータ回転数と活動量
の関係の一例を示す。そして、この活動量とファンモー
タ回転数の関係を予め制御回路220の記憶回路(図示
せず)に記憶しておく。
【0152】快適性はPMVの算出式に見られるよう
に、温度、気流速度の関数である。したがってこの双方
を制御した方が望ましい。しかし、温度と気流速度の人
の温冷感に与える影響の度合いを考えると温度の影響の
方が大きい。そこでまず先に説明したように活動量と快
適温度の関係から快適温度を決定し、室内温度をこれに
近づける。このとき室内ファンモータの回転数は、室内
温度が最短時間で快適温度に近づくように制御する。そ
して室内温度と快適温度との差がある程度小さくなった
時点で、先の快適な気流速度を与える室内ファンモータ
の回転数と活動量の関係から室内ファンモータの快適回
転数を得て、この回転数になるように室内ファンモータ
を制御する。
【0153】また、活動量が0.7以下になったら居室
内の人が睡眠に入ったと判断して、一定時間後に空気調
和機の運転を停止する機能を持たせても良い。さらに、
活動量値が所定値以上になったら、居室内に人が居ると
判断して、自動的に空気調和機の運転を開始する機能を
持たせても良い。つまり本発明の活動量算出装置を従来
の人検知センサとして用いることもできる。これらの機
能は本発明の活動量算出装置208と制御回路220が
あれば簡単に実行できることは明らかである。
【0154】以上、本実施例によれば、室内の居る人の
活動量に応じた快適な室内温度および気流速度を与える
空気調和機を提供できる。
【0155】図44に本発明の人体活動量算出装置を用
いた空気調和機の他の実施例を示す。図44において図
40と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、説明
は省略する。
【0156】この実施例に係る空気調和機は、室内温度
センサ201、湿度センサ202、輻射温度センサ20
3、気流速度センサ204、外気温度センサ205、カ
レンダIC206、着衣量推定回路207、人体活動量
算出装置208、活動量時間平均回路209、PMV値
算出回路210、制御回路220およびアクチュエータ
215からなる。
【0157】湿度センサ202、幅射温度センサ203
および気流速度センサ204は、それぞれ空調室内の湿
度、幅射温度、気流速度を測定する。室外温度センサ2
05は室外の温度を測定し、カレンダIC206は年月
日データを出力する。着衣量推定回路207はカレンダ
IC206の出力する月日データから季節を知り、室外
温度センサ205から外気温度を知り、これら2つのデ
ータからファジィ推論で着衣量(単位clo)を出力す
る。PMV値算出回路210は、室内温度、湿度、幅射
温度、気流速度、着衣量、活動量からISO−7730
の算出式でPMV値を算出する。制御回路220はPM
V算出回路210からのPMV値を元に、この値が零に
漸近し、−0.5から0.5の間になるように、アクチ
ュエータ215を制御する。
【0158】以上、本実施例によれば、正確な人体活動
量をもとにPMV値を算出し、これを快適性の評価基準
に空気調和機のアクチュエータを制御し、PMV値を零
近傍に維持するため、室内の人に快適な温熱環境を提供
できる。
【0159】なお、上記説明ではPMV値を快適性の基
準に置く制御を述べたがこれに限ることはない。他の快
適性を表わす指標によっても良いことはいうまでもな
い。
【0160】図45に本発明に係る人体活動量算出装置
を用いた扇風機を示す。この扇風機は、風を送り出すフ
ァンモータ301と、ファンモータ301の回転数を制
御する回転数制御回路302と、風向きを変える首振り
機構303と、首振り機構303を制御する首振り制御
回路304と、人体活動量算出装置305と、活動量時
間平均回路306と、扇風機全体を制御する制御回路3
07とからなる。
【0161】人体活動量算出装置305を構成するフレ
ネルレンズ2、焦電素子1は図46に示すように扇風機
正面位置に固定つまり扇風機の首振りによって検知ゾー
ンが変化しないように取り付けられる。この実施例で
は、図42に示す人の活動量に対して快適と感じる気流
速度をファンモータ301の回転数に換算し、ファンモ
ータ301の風吹き出し性能と平均的な使用者とファン
モータ301との距離を用いて、実験的に使用者の位置
での気流速度とファンモータ301の回転数の換算を行
う。図47にこうして求めたファンモータ301の回転
数と活動量の関係の一例を示す。そして、この活動量と
ファンモータ301の回転数の関係を予め制御回路30
7の記憶回路(図示せず)に記憶しておく。
【0162】一方、人体活動量算出装置305は扇風機
を使用している人の活動量を監視する。この活動量は活
動量時間平均回路306で平均化され、制御回路307
に伝えられる。制御回路307は先の回転数と活動量の
関係を読み出し、この活動量に対して快適な気流速度が
得られるファンモータ301の回転数を得る。そして回
転数制御回路302を介してファンモータ301の回転
数を活動量にあったものにする。
【0163】人は常に一定の風を吹きつけられると不快
に感じるため、扇風機ではファンモータ301の向きを
動かすことで、人への風当りに変化を持たせる機能を持
つ。いわゆる首振り動作を行なって人への風当りを断続
させる。活動量とこの風当りの関係は明確になっていな
いが、経験的には活動量の小さいとき(睡眠、体を横た
えているとき)にはたまに風があたる程度が好ましく、
活動量が大きいとき(重労働、ダンスなどをしていると
き)は頻繁に風があたるのが好ましい。これを首振り動
作の回転角速度に置き換える。活動量が小さいときは回
転角速度を小さく、つまりゆっくり首振りを行ない、活
動量が大きいときは回転角速度を大きくつまり早く首振
りを行なう。ただし、首振り角度は予め設定されてお
り、この範囲を往復する。図48に回転角速度と活動量
の関係の一例を示す。この関係を予め制御回路307の
記憶回路(図示せず)に記憶しておく。
【0164】人体活動量算出回路305の算出した活動
量は活動量時間平均回路306で平均化され制御回路3
07に伝えられる。制御回路307は先の回転角速度と
活動量の関係を読み出し、この活動量に対して快適な回
転角速度を得る。そして首振り制御回路304を介して
首振り機構303の回転角速度を活動量にあったものに
する。なお、活動量が極端に小さいとき(睡眠時)に
は、ある時間をおいてファンモータ301の回転を止め
かつ首振りも止める機能をもたせてもよい。また活動量
が大きいときは首振りを止める機能を持たせてもよい。
【0165】以上本実施例によれば人の活動量に応じて
常に快適な気流速度を与える扇風機を提供できる。
【0166】図49に本発明に係る人体活動量算出装置
を用いた強制吸排気式灯油燃焼暖房機の一実施例を示
す。この実施例に係る強制吸排気式灯油燃焼暖房機は、
室内温度センサ401と、燃焼空気吸排気用ファンモー
タ402と、室内暖房用ファンモータ403と、灯油気
化器404と、灯油燃焼釜405と、燃焼空気吸排気用
ファンモータ402の回転制御回路A406と、室内暖
房用ファンモータ403の回転制御回路B407と、灯
油気化制御回路408と、人体活動量算出装置409
と、活動量時間平均回路410と、全体を制御する制御
回路420とからなる。
【0167】人体活動量算出装置409は、これを構成
するフレネルレンズ2、焦電素子1は暖房機の前面に、
フレネルレンズ2の検知ゾーンが室内に居る人をカバー
するように配置され、人の活動量(単位met)を出力
する。
【0168】本実施例は単純に室内温度センサ401と
活動量時間平均回路410からの情報で暖房機の設定温
度を制御するものである。この実施例では、前述の図4
1に示した暖房時の活動量と快適温度の関係を予め制御
回路420の記憶回路(図示せず)に記憶しておく。そ
して、最初に室内温度センサ401で室内温度を測定
し、次に活動量時間平均回路410で活動量を得る。先
の記憶されている活動量と快適温度の関係からこの活動
量に対する快適温度を決定する。次いで、室内温度と快
適温度を比較して、室内温度が快適温度に近づくように
制御回路420で各アクチュエータを制御する。
【0169】室内温度が快適温度より低いときには制御
回路420はファンモータの回転制御回路A406およ
びB407、灯油気化制御回路408を制御して回転
数、気化量を増加し、室外から多くの空気を取り込んで
燃焼釜405で多くの灯油を燃焼させ、大量の熱を発生
させる。そして、この燃焼釜の周りに室内の空気を吹き
付けて急速に室内温度を快適温度に持って行く。このと
き、室内暖房用ファンモータ403の回転数を活動量に
応じて制御するのが望ましい。
【0170】快適性はPMVの算出式に見られるよう
に、温度、気流速度の関数である。したがってこの双方
を制御した方が望ましい。しかし、温度と気流速度の人
の温冷感に与える影響度合いを考えると温度の影響の方
が大きい。そこでまず先に説明したように活動量から快
適温度の関係から快適温度を決定し、室内温度をこれに
近づける。このとき、各ファンモータの回転数および灯
油の気化量は室内温度が最短時間で快適温度に近づくよ
うに制御する。そして室内温度と快適温度との差がある
程度小さくなった時点で、先の快適な気流速度を与える
室内暖房用ファンモータ403の回転数と活動量の関係
から室内暖房用ファンモータ403の快適回転数を得
て、この回転数になるように室内暖房用ファンモータ4
03を制御する。
【0171】室内温度が快適温度に到達したら、あとは
室内温度を快適温度に維持するために、灯油気化制御回
路408によって灯油気化量が制御され、回転制御回路
B407によって室内暖房用ファンモータ403の回転
数が制御される。また、活動量が0.7以下になったら
居室内の人が睡眠に入ったと判断して、一定時間後に強
制吸排気式灯油燃焼暖房機の運転を停止する機能を持た
せても良い。さらに、活動量値が所定値以上になった
ら、居室内に人が居ると判断して、自動的に強制吸排気
式灯油燃焼暖房機の運転を開始する機能を持たせても良
い。つまり本発明の活動量算出装置を従来の人検知セン
サとして用いることもできる。
【0172】これらの機能は本発明の活動量算出装置4
09と制御回路420があれば簡単に実行できることは
明らかである。
【0173】以上、本実施例によれば、室内に居る人の
活動量に応じた快適な室内温度および気流速度を与える
強制吸排気式灯油燃焼暖房機を提供できる。
【0174】なお本実施例では燃焼空気吸排気用にファ
ンモータを持たせたが、自然対流を利用すればこれを用
いる必要はない。また灯油燃焼に限らず、ガス燃焼ある
いは電気ヒータによる加熱でも同様である。つまり発熱
源を持ち、この発熱源に空気を接触させて暖め、この暖
気を部屋に送風する形式の暖房機であれば実施例と同様
に機能させることができる。
【0175】図50に本発明に係る人体活動量算出装置
を用いた空気清浄機を示す。この実施例に係る空気清浄
機は、空気中の塵埃を除去する空気フィルタ501と、
吸い込み口に取り付けられた空気フィルタ501を通し
て室内の空気を吸い込み、再び排気するファンモータ5
02と、ファンモータ502の回転数を制御する回転制
御回路503と、人体活動量算出装置504と、活動量
時間平均回路505と、空気中の臭いを検出する臭いセ
ンサ506と、空気清浄機全体を制御する制御回路52
0とからなる。
【0176】人体活動量算出装置504を構成するフレ
ネルレンズ2、焦電素子1は空気清浄機前面に検知ゾー
ンが室内全体を覆うように取り付けられる。部屋の汚れ
は喫煙、調理などで発生する化学物質の微粒子に起因す
る場合と人が動くことで発生する埃に起因する場合とに
大別される。前者の場合、比較的に安価な臭いセンサで
これを検出することが可能である。後者の場合、普通に
は人の着衣からの綿ぼこり、あるいは人が動くことによ
って引き起こされる空気の乱れ、床の振動などで舞い上
がるほこりの場合が多い。そして、この場合は高価な塵
埃センサでなければ検出できない。
【0177】本実施例はこの塵埃発生量の検出を人の動
きで予想し、空気清浄機の動作を制御するものである。
【0178】人の動きに起因する塵埃の発生量は人の活
動量にほぼ比例すると考えれてよい。そこで人の活動量
と発生するほこりの関係を実験的に平均的な部屋で求
め、そのほこりを除去するに必要なファンモータ502
の回転数と時間の積つまり空気フィルタ501を通過さ
せる必要な空気体積量の関係を求めておく。
【0179】人体活動量算出装置504は部屋に居る人
の活動量を監視する。この活動量は活動量時間平均回路
505で時間平均され制御回路520に伝えられ、制御
回路520は先の回転数と活動量の関係を読み出し、こ
の活動量に対して最適な空気清浄速度が得られるファン
モータ502の回転数を得る。そして回転数制御回路5
03を介してファンモータ502の回転数を活動量にあ
ったものにする。
【0180】人の活動が盛んつまり活動量が大のときは
ファンモータ502の回転数を大きくして空気フィルタ
501を通過させる単位時間あたりの空気体積量を大き
くする。人が休息しているつまり活動量が小さいときは
ファンモータ502の回転数を落とし空気フィルタ50
1を通過させる単位時間あたりの空気容積量を小さくす
る。活動が検出されなくなった時点から一定時間後にフ
ァンモータ502の回転が止められる。この時間は先の
埃を除去するに必要なフィルタ501を通過させる空気
体積量で決められる。
【0181】一般にファンモータ502が発生する騒音
レベルは回転数に比例する。また人の騒音に対する感覚
を考えると、盛んに運動しているときは自分の発する音
が骨伝導で聞こえるためあまり外部騒音を感じないが、
睡眠、休息などのときは外部騒音を強く意識する。本実
施例では人の動きに比例してファン回転数を制御してい
るため、盛んに運動しているときはファン回転数が大き
く、大きな音を発生するが、睡眠、休息のときはファン
回転数が小さく、あまり音を発生しない。このことから
本実施例によればファン騒音が気にならない空気清浄機
を得ることも可能となる。
【0182】臭いセンサ506は前述の塵埃以外の部屋
の汚れ、例えばタバコの煙、調理の油煙などを検出す
る。同様にこれら汚れ発生量とこれを除去するに必要な
ファンモータ502の回転数と時間の積の関係を予め用
意して制御回路520に記憶させておく。そして検出と
同時にファンモータ502を制御して室内空気をフィル
タ501を通過させながら循環して汚れを除去する。そ
して臭いセンサ506の検出出力が一定値以下になった
とき、ファンモータ502の回転が止められる。活動量
と同様に一定時間後にファンモータ502の回転を止め
ても良いが、臭いセンサ506の検出レベルで止めた方
が正確である。
【0183】なお活動量検出と臭いセンサ検出が同時の
場合には、それぞれの別個動作で必要とされるファンモ
ータ502の回転数のうち回転数が大きい方で動作制御
されるようにしておく。またファンモータ502の回転
を止める場合は、活動量の一定時間か、臭いセンサ出力
が一定値以下になる時間のうち長い方を採用する。
【0184】以上、本実施例では臭いセンサ506およ
び人体活動量算出装置504の双方を用いて部屋の空気
の汚れを検出しこれを除去するため、低価格で人の活動
量に応じて常に清浄な空気を与えるとともにファンモー
タ騒音の気にならない空気清浄機を提供できる。なお部
屋の汚れた空気を換気する換気扇でも同様な動作を行な
わせることができるのは明らかである。
【0185】
【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、上述
のように構成された本発明によれば、焦電型赤外線検出
手段からの出力信号の所定区間を零交差波分析する周波
数分析手段と、所定区間の波形電力の変化を得る電力変
化分析手段と、周波数分析手段が出力する周波数情報と
電力変化分析手段が出力する電力変化情報とから人の動
き状態を推定する活動状態推定手段と、活動状態推定手
段によって推定された活動状態を活動量に変換する活動
量変換手段と備えているので、活動状態推定手段によっ
て推定された活動状態を活動量に変換することによって
小さな動きによる活動量を正確に算出することが可能と
なった。
【0186】また、この上述の人体活動量算出装置を空
気調和機、暖房機などの居室環境制御装置に使用するこ
とによって人の活動に応じて快適な居室環境を提供する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る人体活動量算出装置の概略構成を
示すブロック図である。
【図2】実施例に係る人体活動量算出装置における周波
数分析回路の構成を示すブロック図である。
【図3】従来から使用されている人検知センサの構成を
示すブロック図である。
【図4】人検知センサに使用される焦電素子の出力波形
の一例を示す波形図である。
【図5】焦電素子を使用して測定するときの出力測定の
位置関係を示す説明図である。
【図6】同一動作での焦電素子出力電圧と素子人体間距
離の関係を示す図である。
【図7】同一距離での焦電素子出力電圧と人体動き部分
の関係を示す図である。
【図8】同一距離での代表的作業時の焦電素子出力波形
とそのスペクトルを示す図である。
【図9】焦電素子出力波形と零交差点間隔の計測例を示
す図である。
【図10】焦電素子出力波形と正負限界振幅値による零
交差点間隔の計測例を示す図である。
【図11】零交差点間隔計測回路の構成を示すブロック
図である。
【図12】零交差点間隔計測回路のタイミングを示すタ
イミングチャートである。
【図13】零交差点間隔と帯域幅の関係を示す説明図で
ある。
【図14】零交差点間隔分類による信号検出BPFを示
す説明図である。
【図15】零交差点間隔分類回路の構成を示すブロック
図である。
【図16】分類回路の構成を示すブロック図である。
【図17】分類計数回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図18】周波数分析回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図19】焦電素子出力波形と標本化による零交差点間
隔の計測例を示す説明図である。
【図20】零交差点間隔計測の手順を示すフローチャー
トである。
【図21】零交差点間隔分類の手順を示すフローチャー
トである。
【図22】零交差点間隔分類計数値と入力周波数の関係
を示す図である。
【図23】重み付け零交差点間隔分類計数値と入力周波
数の関係を示す図である。
【図24】電力変化分析回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図25】電力変化分析例を示す図である。
【図26】周波数分析および電力変化分析例を示す図で
ある。
【図27】識別判断による活動状態推定回路の構成を示
すブロック図である。
【図28】周波数成分比の分布を示す図である。
【図29】識別判断の手順を示すフローチャートであ
る。
【図30】パターン識別による活動状態推定回路の構成
を示すブロック図である。
【図31】神経回路網Aによる活動状態推定回路の構成
を示すブロック図である。
【図32】神経回路ユニットの構成を示すブロック図で
ある。
【図33】神経回路ユニット変換関数を示す図である。
【図34】神経回路網Bによる活動状態推定回路の構成
を示すブロック図である。
【図35】ファジィ推論による活動状態推定回路の構成
を示すブロック図である。
【図36】メンバシップ関数を示す図である。
【図37】制御ルールを示す図である。
【図38】ファジィ推論を実行する行程を示す説明図で
ある。
【図39】ファジィ推論の手順を示すフローチャートで
ある。
【図40】本発明の人体活動量算出装置を用いた空気調
和機の構成を示すブロック図である。
【図41】活動量と快適温度の関係を示す図である。
【図42】活動量と快適気流速度の関係を示す図であ
る。
【図43】活動量と快適室内ファンモータ回転数の関係
を示す図である。
【図44】本発明の人体活動量算出装置を用いた空気調
和機の構成を示すブロック図である。
【図45】本発明の人体活動量算出装置を用いた扇風機
の構成を示すブロック図である。
【図46】フレネルレンズおよび焦電素子の扇風機への
取り付け位置を示す図である。
【図47】活動量と扇風機の快適ファンモータ回転数の
関係を示す図である。
【図48】活動量と快適回転角速度(首振り速度)の関
係を示す図である。
【図49】本発明の人体活動量算出装置を用いた強制吸
排気式灯油燃焼暖房機の構成を示すブロック図である。
【図50】本発明の人体活動量算出装置を用いた空気清
浄機の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 焦電素子 8 周波数分析回路 9 電力変化分析回路 10 活動状態推定回路 11 活動量変換回路 15 零交差点計数回路 16 零交差点間隔計測回路 17 零交差点間隔分類回路 18 分類計数回路 19 重み付け回路 20 時間長正規化回路 21 周波数成分比回路 24 平均電力算出回路 25 超平均電力算出回路 26 尖鋭度算出回路 120 識別判断回路 121 識別しきい値回路 122 パターン間距離算出回路 123 標準パターン記憶回路 124 距離判定回路 125 神経回路網A 130 神経回路網B 131 ファジィ推論回路 132 データ記憶回路 208,305,409,504 人体活動量算出装置 209,306,410,505 活動量時間平均回路

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源からの放射赤外線を検出する焦電型
    赤外線検出手段からの出力に基づいて人体の活動量を算
    出する人体活動量算出装置において、 前記焦電型赤外線検出手段から出力された出力信号の所
    定区間を零交差波分析する周波数分析手段と、 前記所定区間の波形電力の変化を得る電力変化分析手段
    と、 前記周波数分析手段が出力する周波数情報と前記電力変
    化分析手段が出力する電力変化情報とから人の動き状態
    を推定する活動状態推定手段と、 前記活動状態推定手段によって推定された活動状態を活
    動量に変換する活動量変換手段と、備えていることを特
    徴とする人体活動量算出装置。
  2. 【請求項2】 前記周波数分析手段は、波形の零交差点
    を検出し、前記零交差点を計数して得られる前記所定区
    間での零交差数と、前記所定区間内の各零交差点間隔を
    所定の複数の時間範囲に分類して計数することで得られ
    る前記各時間範囲内の各分類個数とを周波数情報として
    出力することを特徴とする請求項1記載の人体活動量算
    出装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数分析手段は、前記各分類個数
    に相当する周波数で決められる重み係数を乗算して対数
    をとり、各結果を信号存在時間で除算し、各除算結果を
    除算結果合計が1となるように正規化することを特徴と
    する請求項2記載の人体活動量算出装置。
  4. 【請求項4】 前記周波数分析手段は、前記各分類個数
    に相当する周波数で決められる重み係数を乗算して対数
    をとり、各結果を前記零交差数で除算し、各除算結果を
    除算結果合計が1となるように正規化することを特徴と
    する請求項2記載の人体活動量算出装置。
  5. 【請求項5】 前記電力変化分析手段は、前記所定区間
    の平均電力と、平均電力を越える時点の平均電力である
    超平均電力と、超平均電力を平均電力と超平均電力の和
    で除算した尖鋭度とを電力変化情報として出力すること
    を特徴とする請求項1記載の人体活動量算出装置。
  6. 【請求項6】 前記活動状態推定手段が、前記周波数情
    報と前記電力変化情報を入力とし、各情報における複数
    のしきい値手段で識別判断して活動状態を推定出力する
    識別判断手段からなることを特徴とする請求項1記載の
    人体活動量算出装置。
  7. 【請求項7】 前記活動状態推定手段が、前記周波数情
    報と前記電力変化情報を入力とし、これをパターンとみ
    なしてパターン識別法で活動状態を推定出力するパター
    ン識別手段からなることを特徴とする請求項1記載の人
    体活動量算出装置。
  8. 【請求項8】 前記活動状態推定手段が、前記周波数情
    報と前記電力変化情報を入力とし、活動状態を推定して
    出力する神経回路網からなることを特徴とする請求項1
    記載の人体活動量算出装置。
  9. 【請求項9】 前記活動状態推定手段と前記活動量変換
    手段とが、前記周波数情報と前記電力変化情報とを入力
    とし、活動量値を出力とする神経回路網からなることを
    特徴とする請求項1記載の人体活動量算出装置。
  10. 【請求項10】 前記活動状態推定手段と前記活動量変
    換手段とが、前記周波数情報と前記電力変化情報とを入
    力とし、活動量値を出力とするファジィ推論手段からな
    ることを特徴とする請求項1記載の人体活動量算出装
    置。
  11. 【請求項11】 人が居住する居室内の居住雰囲気の状
    態を検出する検出手段と、この検出手段の出力に応じて
    居室の環境状態を制御する居室環境制御機器において、 居室の環境状態を制御するために請求項1記載の人体活
    動量算出装置を備えていることを特徴とする居室環境制
    御機器。
  12. 【請求項12】 前記人体活動量算出装置の出力する活
    動量を所定の時間範囲で時間平均する活動量時間平均手
    段をさらに備えていることを特徴とする請求項11記載
    の居室環境制御機器。
  13. 【請求項13】 前記居室環境制御機器が空気調和機か
    らなり、前記検出手段が温度検出手段からなることを特
    徴とする請求項11記載の居室環境制御機器。
  14. 【請求項14】 前記人体活動量算出手段から出力され
    る活動量に応じて室内の設定温度および室内ファンモー
    タの回転数を制御する制御手段を備えていることを特徴
    とする請求項13記載の居室環境制御機器。
  15. 【請求項15】 前記人体活動量算出手段から出力され
    る活動量を所定の時間範囲で時間平均する活動量時間平
    均手段をさらに備え、前記活動量時間平均手段の出力す
    る活動量により室内の設定温度および室内ファンモータ
    の回転数を制御することを特徴とする請求項14記載の
    居室環境制御機器。
  16. 【請求項16】 PMV値算出手段と、PMV値を評価
    基準としてアクチュエータ制御を行なう制御手段とをさ
    らに備えていることを特徴とする請求項13記載の居室
    環境制御機器。
  17. 【請求項17】 前記人体活動量算出手段から出力され
    る活動量を所定の時間範囲で時間平均する活動量時間平
    均手段をさらに備え、前記制御手段は、前記活動量時間
    平均手段の出力する活動量により前記PMV値算出手段
    でPMV値を算出し、これを評価基準としてアクチュエ
    ータ制御を行なうことを特徴とする請求項16記載の居
    室環境制御機器。
  18. 【請求項18】 前記居室環境制御機器が、ファンと、
    ファンを駆動するモータと、このモータの回転を制御す
    る制御手段とを備えた扇風機からなることを特徴とする
    請求項11記載の居室環境制御機器。
  19. 【請求項19】 前記制御手段が、前記人体活動量算出
    装置から出力される人体の活動量によりファンモータ回
    転数およびファン首振り角速度を制御することを特徴と
    する請求項18記載の居室環境制御機器。
  20. 【請求項20】 前記人体活動量算出手段から出力され
    る人体の活動量を所定の時間範囲で時間平均する活動量
    時間平均手段をさらに備え、前記制御手段は、前記活動
    量時間平均手段の出力する活動量によりファンモータ回
    転数およびファン首振り角速度を制御することを特徴と
    する請求項18記載の扇風機。
  21. 【請求項21】 前記居室環境制御機器が、熱源により
    暖められた空気を送風することにより居室を暖房する暖
    気送風式暖房機からなることを特徴とする請求項11記
    載の居室環境制御機器。
  22. 【請求項22】 前記人体活動量算出装置から出力され
    る人体の活動量により熱源の発熱量と暖気を室内に送風
    するファンモータ回転数とを制御する制御手段を備えて
    いることをことを特徴とする請求項21記載の居室環境
    制御機器。
  23. 【請求項23】 前記人体活動量算出手段から出力され
    る活動量を所定の時間範囲で時間平均する活動量時間平
    均手段をさらに備え、前記制御手段は、前記活動量時間
    平均手段から出力される活動量により熱源発熱量および
    ファンモータ回転数を制御することを特徴とする請求項
    22記載の居室環境制御機器。
  24. 【請求項24】 前記居室環境制御機器が、空気清浄機
    からなることを特徴とする請求項11記載の居室環境制
    御機器。
  25. 【請求項25】 前記人体活動量算出装置から出力され
    る人体の活動量によりファンモータ回転数を制御する制
    御手段を備えていることを特徴とする請求項24記載の
    居室環境制御機器。
  26. 【請求項26】 前記人体活動量算出装置から出力され
    る人体の活動量を所定の時間範囲で時間平均する活動量
    時間平均手段をさらに備え、前記制御手段は、前記活動
    量時間平均手段から出力される活動量によりファンモー
    タ回転数を制御することを特徴とする請求項25記載の
    居室環境制御機器。
  27. 【請求項27】 臭いセンサをさらに備え、前記制御手
    段は、前記人体活動量算出装置から出力される人体の活
    動量と前記臭いセンサからの出力によりファンモータ回
    転数を制御することを特徴とする請求項25記載の居室
    環境制御機器。
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