JPH0613642Y2 - 飼料収穫機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、収穫物が散播状態のもとに立毛された牧草や
畦状に作付けされた長稈作物（例えば青刈りトウモロコ
シ）であっても、該収穫物を刈取装置に導入して刈取っ
た後、これを供給ロール装置を介しカッタブローア装置
へ正確に供給して適正長さに細断した後、自動的にワゴ
ンに収集することができる飼料収穫機に関する。

［従来の技術］ 従来、家畜飼料としての牧草を収穫する収穫機としてフ
ォーレージバーベスタが、また長稈作物（青刈りトウモ
ロコシ）を収穫する収穫機としてコーンハーベスタが、
さらに牧草や長稈作物を収穫する収穫機としてドラム式
ロータリモーア等が用いられていることは例示するまで
もなく一般的に良く知られている。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、前記フォーレージハーベスタにおいては、切
断された草の長さ、すなわち牧草の切断長さが１０〜２
０cmと長いため、該牧草をサイロに詰めて飼料を製造し
ようとした場合に膨軟となって跳圧が適確にできないた
め、細断牧草間に空気が入り、これが原因で腐敗し良質
の飼料が得られない許りか、牧草の繊維が長いのでサイ
ロへの出し入れも円滑に行うことができない欠点があっ
た。

また、コーンハーベスタにおいては、収穫物の切断長さ
は５〜２５mmと短いので、前記フォーレージハーベスタ
の如き欠点が生じない反面、ロークロップ（畦状）に作
付けされた収穫物しか収穫できないため、フォーレージ
ハーベスタのように散播状態に立毛された牧草は収穫す
ることができない欠点があった。

その上、ドラム式のロータリモアにおいては、牧草や長
稈作物の収穫ができる反面、刈取られた収穫物は列状を
なして地上に放置されるため、これが収集に相当なエネ
ルギーが必要となる等の欠点があり、その何れのものも
一長一短がある等の問題点を有していた。

本考案は、従来の技術の有する問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、収穫物がたとえ
散播状態のもとに立毛された牧草や畦状に作付けされた
長稈作物であっても、これを刈取り装置により刈取り、
該刈取った収穫物は回転円板の周辺に外方に張出すよう
付設したカッタの送り作動で自動的に左右一対の供給ロ
ールに供給し、次いで供給ロールを介しカッタブローア
装置に供給して適正長さに細断した後、投擲筒を介しワ
ゴンに投擲収集せしめることができる飼料収穫機を提供
しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案における飼料収穫機
は、荷台にワゴンを搭載した農作業車の前方に、基端側
より先端側に向けて、刈取られた収穫物を細断するカッ
タブローア装置と、刈取られた収穫物をカッタブローア
装置に供給する供給ロール装置とを設けたものにおい
て、前記供給ロール装置の前方には、左右一対の直立ド
ラムの下部に設けた回転円板の周辺に適当数のカッタを
外方に張出すよう付設して立植収穫物を刈取り、供給ロ
ール装置に向け前傾状態のもとに放出せしめる刈取り装
置を配設したものである。

［作用］ 今、地上に散播状に立毛された牧草あるいは畦状に作付
けされた長稈作物（例えば青刈りトウモロコシ）等の収
穫物を適正長さに細断して飼料としたい場合には、先ず
農作業車の前方に基台側より先端側に向け投擲筒を備え
たカッタブローア装置と左右一対の直立回転ドラムの周
辺に適当数の掻き込み片を放射状に植着して構成した供
給ロール装置と、左右一対の直立ドラムの下部に設けた
回転板の周辺に適当数のカッタを付設した刈取り装置と
を順次直列に配設する。

次いで、前記農作業車を牧草あるいは長稈作物が立植さ
れた収穫地に向け前進せしめれば、立植された収穫物は
互いに内側に向け回転する左右一対の直立ドラムの下部
に設けた回転円板の周辺に、外方に張出すよう付設され
たカッタにより根部から切断されると同時に、前進方向
に傾斜された状態のもとに左右一対の供給ロール装置に
向け放出状に供給される。次いで左右一対の供給ロール
装置に供給された収穫物は、互いに内側に向け回転する
直立回転ドラムの周辺に植着された適当数の掻き込み片
の掻き込み送り出し作用により、略水平状態を呈しなが
らカッタブローア装置に供給され、飼料として適正長さ
に細断し、細断片を投擲筒を介し次々とワゴンに投擲収
集せしめる。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

第１図ないし第３図において、１は、後方の荷台２上に
細断した収穫物を収容せしめることができるワゴン３を
後方に向け傾倒自在となるよう搭載した農作業車であっ
て、該農作業車１の前方には、基端側より先端側に向け
て、カッタブローア装置４、供給ロール装置５および刈
取り装置６が順次取外し自在に配設されている。前記カ
ッタブローア装置４は、供給口７以外を壁板により囲ん
で形成した本体の一側には先端をワゴン３側へ向けて開
口した投擲筒９の基台側を装着すると共に、該本体の内
部には送り込まれた収穫物を飼料に適した寸法長さに細
断し、細断された細断片を起風された風と共に投擲筒９
を経てワゴン３へ移送させるカッタ８を複数収納軸架し
て構成されている。また、供給ロール装置５はカッタブ
ローア装置４の前方に配設されており、しかも、前記供
給ロール装置５は左右一対の直立回転ドラム１０，１０
を適当間隔をおいて互いに内側に向け回転できるように
軸架すると共に左右一対の直立供給ドラム１０，１０の
周面には適当数の掻き込み片１１・・・・を放射状に植
着して構成されている。刈取り装置６は、左右一対の直
立ドラム１２，１２の下部にそれぞれ設けた回転円板１
３，１３の周辺に適当数のカッタ１４・・・・を外方に
張出すよう付設し、しかも、前記回転円板１３，１３を
備えた左右一対の直立ドラム１２，１２は収穫物が導入
せられる間隔をおいて互いに内側に向け回転できるよう
に直立状に軸架せしめて、牧草あるいは長桿作物を左右
一対の回転円板１３，１３に付設されたカッタ１４・・
・・により根部を切断した後カッタ１４・・・・の放出
作動で自動的に供給ロール装置５へ供給し、次いで、カ
ッタブローア装置４により細断するように構成せしめた
ものである。

［考案の効果］ 本考案は、上述のとおりに構成されているので、次に記
載する効果を奏する。

農作業車の前方に、基端側より先端側に向けてカッタブ
ローア装置、供給ロール装置、および刈取り装置を順次
配設したので、収穫物がたとえ散播状態のもとに立毛さ
れた牧草や畦状に作付けされた長稈作物であっても、収
穫物を正確に刈取り装置に導入してカッタで根部より切
断すると同時に、カッタの放出作動により自動的に左右
一対の供給ロール装置へ供給せしめることができる許り
か、供給された収穫物は掻き込み片を介し、略水平状態
のもとにカッタブローア装置へ供給せしめて適正寸法長
さに細断した後、細断片を連続してワゴンに投擲収集せ
しめることができる。

それ故、本考案の飼料収穫機においては、従来公知のフ
ォーレージハーベスタ、コーンハーベスタおよびロータ
リモーア等の欠点を解決して、能率的に牧草や長稈作物
を適正長さに細断し、これを収集することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の斜視図、第２図は側面図、第３図は要部
を破断した平面図である。 １…農作業車、２…荷台、３…ワゴン、４…カッタブロ
ーア装置、５…供給ロール装置、６…刈取り装置、１２
…直立ドラム、１３…回転円板、１４…カッタ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】荷台にワゴンを搭載した農作業車の前方
   に、基端側より先端側に向けて、刈取られた収穫物を細
   断するカッタブローア装置と、刈取られた収穫物をカッ
   タブローア装置に供給する供給ロール装置とを設けたも
   のにおいて、前記供給ロール装置の前方には、左右一対
   の直立ドラムの下部に設けた回転円板の周辺に適当数の
   カッタを外方に張出すよう付設して立植収穫物を刈取
   り、供給ロール装置に向け前傾状態のもとに放出せしめ
   る刈取り装置を配設したことを特徴とする飼料収穫機。