JPH0610753Y2 - 飼料収穫機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、収穫物が散播状態のもとに立毛された牧草は
勿論のこと、畦状に作付けされた長稈作物（例えば、青
刈トウモロコシ）や倒伏した作物であっても、該収穫物
を刈取装置により刈取った後、これを供給ロール装置へ
正確に供給し、最後にカッタブローア装置で適正長さに
細断した後、収集することができる飼料収穫機に関す
る。

［従来の技術］ 先に本出願人は、収穫物が散播状態のもとに立毛された
牧草や畦状に作付けされた長稈作物（例えば、青刈りト
ウモロコシ）であっても、該収穫物を刈取装置に導入し
て刈取った後、これを供給ロール装置によってカッタブ
ローア装置へ正確に供給して適正長さに細断した後、自
動的にワゴンに収集することができるようにするため、
第６図に示されたように、農作業車１の前部に、基端側
より先端側に向けてカッタブローア装置２と、周面に掻
き込み片５を放射状に植着した左右一対の直立供給ドラ
ム４を内側に向け回転できるよう直立回転軸６，６に軸
架した供給ロール装置３と、内側に向け回転する左右一
対の直立ドラム８の下部に設けた回転円板９の周面に適
当数のカッタ10を放射状に付設した刈取装置７とを順次
配設した飼料収穫機を開発した。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、先に開発した飼料収穫機においては、直立ド
ラムの上端面は水平状に形成されていたので、収穫作業
時に際し、収穫物の一部が上端面付近に絡み付いて円滑
な掻き込み作業ができないという問題点を有していた。

本考案は、従来の技術の有する問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、収穫物の一部が
直立ドラムの上端面付近に絡み付くのを未然に防止して
刈取装置により刈取った収穫物の総てを正確に後方の供
給ロール装置へ供給せしめると共に、掻き込み効率の向
上を図り、より能率的な収穫作業が容易に達成できる飼
料収穫機を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案における飼料収穫機
は、農作業車の前部に、基端側より先端側に向けてカッ
タブローア装置と、周面に掻き込み片を放射状に植着し
た左右一対の直立供給ドラムを内側に向け回転できるよ
う軸架した供給ロール装置と、内側に向け回転する左右
一対の直立ドラムの下部に設けた回転円板周面に適当数
のカッタを放射状に付設した刈取装置とを順次配設した
ものにおいて、前記左右一対の直立ドラムの上端水平面
には、収穫物の一部が絡み付くのを防止するために、複
数枚の巻き込み防止用掻き込み片を内側より周端に向け
回転方向に対し後退角となるよう間隔をおき装着したし
たものである。

［作用］ 地上に散播状に立毛された牧草や畦状に作付けされた長
稈作物あるいは倒伏した作物等の収穫物を適正長さに細
断した飼料としたい場合には、まず、農作業車の前部
に、基端より先端側に向けてカッタブローア装置と、周
面に掻き込み片を放射状に植着した左右一対の直立供給
ドラムを内側に向け回転できるように軸架した基端側ロ
ール装置と、内側に向け回転する左右一対の直立ドラム
の下部に設けた回転円板の周面に適当数のカッタを放射
状に付設した刈取装置とを順次直列に配設する。

次いで、前記農作業車を牧草あるいは長稈作物ならびに
倒伏作物が立毛された収穫物に向け前進せしめれば、立
毛された収穫物は互いに内側に向け回転する左右一対の
カッタにより根部から切断されると同時に、直立ドラム
の周面に縦設された掻き込み片で掻き込まれ、掻き込み
間隔を経て、後方に位置した左右一対の直立供給ドラム
に供給される。そこで左右一対の直立供給ドラムに供給
された収穫物は、互いに内側に向け回転する直立供給ド
ラムの周辺に植着された適当数の掻き込み片の掻き込み
送り出し作用により、略水平状態を呈しながらカッタブ
ローア装置に供給され、飼料として適正長さに細断し、
細断片を次々と投擲収集せしめる。

ところで、上述の如き収穫作業時においては、直立ドラ
ムの上端水平面には、複数枚の巻き込み防止用の掻き込
み片が内側より周端に向け回転方向に対し後退角となる
よう間隔をおき装着してあるので、収穫作業時に刈取ら
れた収穫物の一部が左右一対の直立ドラムの上端付近に
巻き付くのが未然に防止され、その総ての収穫物を供給
ロール装置へ供給することができる。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

第１図ないし第５図において、101は、後方の荷台102上
に細断した収穫物を収容せしめることができるワゴン10
3を後方に向け傾倒自在となるよう搭載した農作業車で
あって、該農作業車101の前方には、基端側より先端側
に向けて、カッタブローア装置104、供給ロール装置105
および刈取装置106が順次取外し自在に配置されてい
る。前記カッタブローア装置104は、供給口107以外を壁
板により囲んで形成した本体の一側には先端側をワゴン
103側へ向けて開口した投擲筒109の基端側を装着すると
共に、該本体の内部には送り込まれた収穫物を飼料に適
した寸法長さに細断し、細断された細断片を起風された
風と共に投擲筒109を経てワゴン103へ移送させるカッタ
108を複数収納軸架して構成されている。また、供給ロ
ール装置105はカッタブローア装置104の前方に配設され
ており、しかも、前記供給ロール装置105は左右一対の
直立供給ドラム110,110を適当間隔をおいて互いに内側
に向け回転できるよう直立回転軸111,111へ軸架すると
共に、左右一対の直立供給ドラム110,110の周面には適
当数の掻き込み片112，……を放射状に植着して構成さ
れている。刈取装置106は、左右一対の直立ドラム113,1
13の下部にそれぞれ設けた回転円板114,114の周辺に適
当数のカッタ115，……を付設し、しかも、前記回転円
板114,114を備えた左右一対の直立ドラム113,113は収穫
物が導入せられる掻き込み間隔幅Ｌをおいて互いに内側
に向け回転できるように直立状に軸架せしめて、牧草あ
るいは長稈ならびに倒伏作物等を左右一対の回転円板11
4,114に付設されたカッタ115，……により根部より切断
した後供給ロール装置105に供給し、次いでカッタブロ
ーア装置104により細断するように構成せしめたもので
ある。

前記左右一対の直立ドラム113,113間に形成した掻き込
み間隔幅Ｌは、左右一対の直立供給ドラム110,110をそ
れぞれ軸架した直立回転軸111,111間に形成された間隔
ｌより小さく設けてある。したがって、前記左右一対の
直立ドラム113,113の直径は回転円板114,114の直径に対
し1:0.6〜0.8の大きさとなるようにしてある。

116は、直立ドラム113の周面に略等間隔をおいて縦設し
た複数枚からなる掻き込み片であり、また117は、直立
ドラム113の上端水平面118に、内側より周端に向け回転
方向に対し後退角となるよう略等間隔をおき装着した複
数枚からなる巻き込み防止用掻き込み片である。

［考案の効果］ 本考案は、上述のとおりに構成されているので、次に記
載する効果を奏する。

収穫物がたとえ散播状態のもとに立毛された牧草や畦状
に作付けされた長稈作物あるいは倒伏状態の作物であっ
ても、収穫物をカッタにより根部より正確に切断し、こ
れが刈取った収穫物を複数枚の掻き込み間隔を経て後方
の供給ロール装置に供給せしめることができる許りか、
供給ロール装置に供給された収穫物は掻き込み片を介
し、略水平状態のもとにカッタブローア装置へ供給して
適正寸法長さに細断した後、投擲収集せしめることがで
きると共に、直立ドラムの上端水平面には、複数枚から
なる巻き込み防止用掻き込み片を内側より周端に向け回
転方向に対し後退角となるよう間隔をおき装着したの
で、収穫物の一部が収穫作業時に直立ドラムの上端面付
近に巻き付くのを未然に防止し、その総ての収穫物を正
確に供給ロール装置に供給せしめることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の斜視図、第２図は側面図、第３図は一部
を破断した平面図、第４図は切断装置の拡大斜視図、第
５図は作用説明図、第６図は従来の飼料収穫機の平面図
である。 101…農作業車、104…カッタブローア装置、105…供給
ロール装置、106…切断装置、110,110…左右一対の直立
供給ドラム、112…掻き込み片、113,113…左右一対の直
立ドラム、114…回転円板、115…カッタ、116…巻き込
み片、117…巻き込み防止用掻き込み片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】農作業車の前部に、基端側より先端側に向
   けてカッタブローア装置と、周面に掻き込み片を放射状
   に植着した左右一対の直立供給ドラムを内側に向け回転
   できるよう軸架した供給ロール装置と、内側に向け回転
   する左右一対の直立ドラムの下部に設けた回転円板周面
   に適当数のカッタを放射状に付設した刈取装置とを順次
   配設したものにおいて、前記左右一対の直立ドラムの上
   端水平面には、複数枚の巻き込み防止用掻き込み片を内
   側より周端に向け回転方向に対し後退角となるよう間隔
   をおき装着した飼料収穫機。