JPH06134287A - 二塔循環式流動層 - Google Patents
二塔循環式流動層Info
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- JPH06134287A JPH06134287A JP28798092A JP28798092A JPH06134287A JP H06134287 A JPH06134287 A JP H06134287A JP 28798092 A JP28798092 A JP 28798092A JP 28798092 A JP28798092 A JP 28798092A JP H06134287 A JPH06134287 A JP H06134287A
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- riser
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- Coke Industry (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 流動層として高速流動層である循環流動層を
採用することによって、スラッギング現象を生じること
がなく、脈動流の発生を抑制することができて制御性を
良好に保つことができると共に、効率の良い運転を行う
ことができる二塔循環式流動層を提供することを目的と
する。 【構成】 それぞれのライザー(流動層)20,21か
ら溢出した粒子をサイクロン24,31によって捕集
し、それを相対する他のライザー21,20の下部に供
給する。
採用することによって、スラッギング現象を生じること
がなく、脈動流の発生を抑制することができて制御性を
良好に保つことができると共に、効率の良い運転を行う
ことができる二塔循環式流動層を提供することを目的と
する。 【構成】 それぞれのライザー(流動層)20,21か
ら溢出した粒子をサイクロン24,31によって捕集
し、それを相対する他のライザー21,20の下部に供
給する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固形廃棄物、液状廃棄
物あるいはガス状廃棄物の熱分解、または重質油、固形
炭化水素あるいは炭水化物の熱分解において用いる二塔
循環式流動層に関する。
物あるいはガス状廃棄物の熱分解、または重質油、固形
炭化水素あるいは炭水化物の熱分解において用いる二塔
循環式流動層に関する。
【0002】
【従来の技術】2つの流動層の間で安定に固形物を循環
する方法としては、次の3つの方法が広く用いられてい
る。 (1)二塔を同じレベルで設置し、その間に2つの粒子
を移動させるループを作り、加圧されたガスで二塔間の
移動を行う方法。これらの方法は、DaizoKuni
iおよび Octave LevenspielのFl
uidization Engineering(Bu
tterworth−Heinemann)に記されて
いる。例えばページ6の図6、あるいはページ37から
39等にいずれも例示的であるが、詳しく記されてい
る。これらの方法は、いずれも流動層の濃厚層から固形
物を抜き出す方法に関するもので、下降ループあるいは
上昇ループの中に駆動用のガス体を供給して、2つの流
動層間の粒子の移動を行なわせている。本方法の欠点
は、ループの圧力制御が困難であること、ループ管内壁
に摩耗が発生することおよび移動に必要なエネルギーが
大きいことである。 (2)2つの層の高さを変えて、下降側は空力で、上昇
はガスリフトで行う方法。この方法の詳細は上記Kun
iiおよびLevenspielの刊行物に記載されて
いる通りである。このような装置は上記の方法と同じ
く、二塔間移動に要する動力が大きいことおよび装置の
高さが非常に高くなること、粒子循環量が制限されるこ
と等に難点がある。ルルギのエチレン分解システムもこ
の方法と類似している。 (3)二塔式循環流動層 この種の循環式流動層として知られているのは特公昭5
1−35467号がある。この方式は、図4に示すよう
に、一対のライザー(流動層)1,2に、それぞれ、導
出管3,4を介して、サイクロン5,6が連結され、こ
れらのサイクロン5,6の下部にダウンカマー7,8が
連結され、かつこれらのダウンカマー7,8の下部にあ
たる導入管9,10が上記各ライザー1,2の下部に連
結されると共に、各ライザー1,2の中間部から相対す
る他のライザー2,1の下部に連結管11,12が配置
されており、各連結管11,12によって二塔間の流動
を行なわせている。なお、図中符号13,14は分解ガ
ス出口、15は原料供給口、16は燃料供給口、17は
流動用流体供給口、18は空気供給口をそれぞれ示して
いる。
する方法としては、次の3つの方法が広く用いられてい
る。 (1)二塔を同じレベルで設置し、その間に2つの粒子
を移動させるループを作り、加圧されたガスで二塔間の
移動を行う方法。これらの方法は、DaizoKuni
iおよび Octave LevenspielのFl
uidization Engineering(Bu
tterworth−Heinemann)に記されて
いる。例えばページ6の図6、あるいはページ37から
39等にいずれも例示的であるが、詳しく記されてい
る。これらの方法は、いずれも流動層の濃厚層から固形
物を抜き出す方法に関するもので、下降ループあるいは
上昇ループの中に駆動用のガス体を供給して、2つの流
動層間の粒子の移動を行なわせている。本方法の欠点
は、ループの圧力制御が困難であること、ループ管内壁
に摩耗が発生することおよび移動に必要なエネルギーが
大きいことである。 (2)2つの層の高さを変えて、下降側は空力で、上昇
はガスリフトで行う方法。この方法の詳細は上記Kun
iiおよびLevenspielの刊行物に記載されて
いる通りである。このような装置は上記の方法と同じ
く、二塔間移動に要する動力が大きいことおよび装置の
高さが非常に高くなること、粒子循環量が制限されるこ
と等に難点がある。ルルギのエチレン分解システムもこ
の方法と類似している。 (3)二塔式循環流動層 この種の循環式流動層として知られているのは特公昭5
1−35467号がある。この方式は、図4に示すよう
に、一対のライザー(流動層)1,2に、それぞれ、導
出管3,4を介して、サイクロン5,6が連結され、こ
れらのサイクロン5,6の下部にダウンカマー7,8が
連結され、かつこれらのダウンカマー7,8の下部にあ
たる導入管9,10が上記各ライザー1,2の下部に連
結されると共に、各ライザー1,2の中間部から相対す
る他のライザー2,1の下部に連結管11,12が配置
されており、各連結管11,12によって二塔間の流動
を行なわせている。なお、図中符号13,14は分解ガ
ス出口、15は原料供給口、16は燃料供給口、17は
流動用流体供給口、18は空気供給口をそれぞれ示して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの3つの形式に
関しては共通的に次の点が問題である。 (1)輸送ループ、上昇管の摩耗および輸送のための必
要動力が多大であること。反応および熱分解の場合に
は、流動層間で必要な循環量は非常に大きなものであ
り、これを細いループおよび上昇管で輸送する場合には
圧力損失が大きくなり、多大の動力が必要で動力費がか
さむ。また、ループを細くするために、これらのパイプ
の摩耗が著しい。 (2)上記二塔式循環流動層の場合には、下部に供給さ
れた固形物を上部に移動するために流動層自体の高さが
非常に高くなるため、支持の架台、あるいは建屋が大き
くなり、また下部より上部へ移動させるパイプが大きく
なり、流動層全体に有効に働くが効率が悪い。 (3)この二塔式の流動層は流速が遅く、バブリング流
動層で運転するため、流動層内の上下の攪拌が不十分で
あることが多く、温度の均一制御が難しい。該流動層が
普通流動層(バブリング流動層)であることから、吹き
込んだ流動用流体が上昇するに従い凝集し、流動層界面
において急激に膨張する、いわゆるスラッギング現象を
呈する。同現象の発生により固体粒子、流動用流体は、
間欠的な流れ(脈動流)となり制御性が悪化する問題が
ある。また、脈動流は設備の振動をも伴う。
関しては共通的に次の点が問題である。 (1)輸送ループ、上昇管の摩耗および輸送のための必
要動力が多大であること。反応および熱分解の場合に
は、流動層間で必要な循環量は非常に大きなものであ
り、これを細いループおよび上昇管で輸送する場合には
圧力損失が大きくなり、多大の動力が必要で動力費がか
さむ。また、ループを細くするために、これらのパイプ
の摩耗が著しい。 (2)上記二塔式循環流動層の場合には、下部に供給さ
れた固形物を上部に移動するために流動層自体の高さが
非常に高くなるため、支持の架台、あるいは建屋が大き
くなり、また下部より上部へ移動させるパイプが大きく
なり、流動層全体に有効に働くが効率が悪い。 (3)この二塔式の流動層は流速が遅く、バブリング流
動層で運転するため、流動層内の上下の攪拌が不十分で
あることが多く、温度の均一制御が難しい。該流動層が
普通流動層(バブリング流動層)であることから、吹き
込んだ流動用流体が上昇するに従い凝集し、流動層界面
において急激に膨張する、いわゆるスラッギング現象を
呈する。同現象の発生により固体粒子、流動用流体は、
間欠的な流れ(脈動流)となり制御性が悪化する問題が
ある。また、脈動流は設備の振動をも伴う。
【0004】従来技術は、いずれもバブリング型の流動
層を使用しているために上述のような問題点を有する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、流動層として高速流動層である循環流
動層を採用することによって、スラッギング現象を生じ
ることがなく、脈動流の発生を抑制することができて制
御性を良好に保つことができると共に、効率の良い運転
を行うことができる二塔循環式流動層を提供することに
ある。
層を使用しているために上述のような問題点を有する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、流動層として高速流動層である循環流
動層を採用することによって、スラッギング現象を生じ
ることがなく、脈動流の発生を抑制することができて制
御性を良好に保つことができると共に、効率の良い運転
を行うことができる二塔循環式流動層を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1は、外部サイクロンを有した2基
の流動層が互いに連結されて、該流動層間において粒子
移動を行わせる二塔循環式流動層であって、各流動層の
上部に、これらの流動層から溢出した粒子を捕集するサ
イクロンがそれぞれ設けられ、該サイクロンが相対する
他の流動層の下部に連結されたものである。
に、本発明の請求項1は、外部サイクロンを有した2基
の流動層が互いに連結されて、該流動層間において粒子
移動を行わせる二塔循環式流動層であって、各流動層の
上部に、これらの流動層から溢出した粒子を捕集するサ
イクロンがそれぞれ設けられ、該サイクロンが相対する
他の流動層の下部に連結されたものである。
【0006】また、本発明の請求項2は、上記各流動層
の中間部と相対する他の流動層の下部との間に、上記各
流動層の中間部から抜き出した粒子を相対する他の流動
層の下部に供給する連結管が設けられたものである。
の中間部と相対する他の流動層の下部との間に、上記各
流動層の中間部から抜き出した粒子を相対する他の流動
層の下部に供給する連結管が設けられたものである。
【0007】さらに、本発明の請求項3は、上記流動層
のうち1基の流動層の中間部と相対する他の流動層の下
部との間に、上記流動層の中間部から抜き出した粒子を
相対する他の流動層の下部に供給する連結管が設けられ
たものである。
のうち1基の流動層の中間部と相対する他の流動層の下
部との間に、上記流動層の中間部から抜き出した粒子を
相対する他の流動層の下部に供給する連結管が設けられ
たものである。
【0008】なお、ここで言う流動層とは不均一で、す
なわち上部と下部とでは粒子濃度に差があり、また流動
層下部では粒子の循環を促進するためのディバイス、例
えばバッフル、あるいはドラフトチューブ等を取付けた
ものを含む。
なわち上部と下部とでは粒子濃度に差があり、また流動
層下部では粒子の循環を促進するためのディバイス、例
えばバッフル、あるいはドラフトチューブ等を取付けた
ものを含む。
【0009】
【作用】本発明の請求項1にあっては、それぞれの流動
層から溢出した粒子をサイクロンによって捕集し、それ
を相対する他の流動層の下部に供給する。この請求項1
は、熱媒体となる粒子の粒径が小さく容易にしかも大量
に流動し得る場合に適する。例えば、下水汚泥または産
業廃水汚泥を熱分解する場合、汚泥自体に含まれるアッ
シュを熱媒体粒子として用いる場合や粒径の細い砂を熱
媒体として廃プラスチックを熱分解する場合に適するも
のである。
層から溢出した粒子をサイクロンによって捕集し、それ
を相対する他の流動層の下部に供給する。この請求項1
は、熱媒体となる粒子の粒径が小さく容易にしかも大量
に流動し得る場合に適する。例えば、下水汚泥または産
業廃水汚泥を熱分解する場合、汚泥自体に含まれるアッ
シュを熱媒体粒子として用いる場合や粒径の細い砂を熱
媒体として廃プラスチックを熱分解する場合に適するも
のである。
【0010】また、本発明の請求項2にあっては、上記
請求項1に加えて、連結管によって各流動層の中間部か
ら粒子を抜き出して、相対する他の流動層の下部に供給
する。この請求項2は、熱媒体の粒子径が非常に大きい
場合に好適である。すなわち、処理するものによって
は、熱媒体の粒子径を非常に大きくする必要がある。例
えば、産業廃棄物の中での大型破砕物、あるいは分解さ
れにくいプラスチック、例えばSMC(シートモールデ
ィングコンパウンド)の破片等の物質には通常の流動媒
体では流動が円滑に行なわれないので、400ないし5
00μの流動砂を使うことがある。この際には一部がサ
イクロンに飛んでいくが、多くは下部に保有されている
ので、流動層の中段の濃厚層から他の塔へ粒子を送るこ
とにより二塔間の流動が確実に行える。
請求項1に加えて、連結管によって各流動層の中間部か
ら粒子を抜き出して、相対する他の流動層の下部に供給
する。この請求項2は、熱媒体の粒子径が非常に大きい
場合に好適である。すなわち、処理するものによって
は、熱媒体の粒子径を非常に大きくする必要がある。例
えば、産業廃棄物の中での大型破砕物、あるいは分解さ
れにくいプラスチック、例えばSMC(シートモールデ
ィングコンパウンド)の破片等の物質には通常の流動媒
体では流動が円滑に行なわれないので、400ないし5
00μの流動砂を使うことがある。この際には一部がサ
イクロンに飛んでいくが、多くは下部に保有されている
ので、流動層の中段の濃厚層から他の塔へ粒子を送るこ
とにより二塔間の流動が確実に行える。
【0011】さらに、本発明の請求項3にあっては、上
記請求項1に加えて、連結管によって1基の流動層の中
間部から粒子を抜き出して、相対する他の流動層の下部
に供給する。この請求項3は、反応塔での反応時間、あ
るいは分解時間が長い場合に用いると好適である。すな
わち、反応塔での反応時間、あるいは分解時間が長い場
合には熱媒体の容量を大きくする必要がある。このため
には上記循環流動層であれば、層の高さを非常に高くし
なければならず、圧力損失が大きい。
記請求項1に加えて、連結管によって1基の流動層の中
間部から粒子を抜き出して、相対する他の流動層の下部
に供給する。この請求項3は、反応塔での反応時間、あ
るいは分解時間が長い場合に用いると好適である。すな
わち、反応塔での反応時間、あるいは分解時間が長い場
合には熱媒体の容量を大きくする必要がある。このため
には上記循環流動層であれば、層の高さを非常に高くし
なければならず、圧力損失が大きい。
【0012】ここで、上記従来の普通流動層(バブリン
グ流動層)と、本発明に用いる高速流動層(循環流動
層)とを比較してみると、以下のようになる。
グ流動層)と、本発明に用いる高速流動層(循環流動
層)とを比較してみると、以下のようになる。
【0013】上記普通流動層の場合は流動部とフリーボ
ード部分の界面が比較的明確であり、フリーボード出口
上端部から溢出する粒子は少ない。例えば、5号硅砂を
用いた場合、1Kg/m2s以下である。従って、粒子
の移動循環として別の手段が必要となる。
ード部分の界面が比較的明確であり、フリーボード出口
上端部から溢出する粒子は少ない。例えば、5号硅砂を
用いた場合、1Kg/m2s以下である。従って、粒子
の移動循環として別の手段が必要となる。
【0014】一方、上記高速流動層を採用することによ
って、溢出する粒子径は、同一粒子で10Kg/m2s
または条件の設定によってはさらに多くの量を循環させ
ることが可能である。従って、循環流動層の循環粒子そ
のものを2塔間の移動粒子として利用することが可能で
ある。すなわち、一方の流動層から溢出した粒子をサイ
クロンで捕集し、これを他の流動層の下部に供給するこ
とによって2塔間を粒子が循環移動させることが可能で
ある。
って、溢出する粒子径は、同一粒子で10Kg/m2s
または条件の設定によってはさらに多くの量を循環させ
ることが可能である。従って、循環流動層の循環粒子そ
のものを2塔間の移動粒子として利用することが可能で
ある。すなわち、一方の流動層から溢出した粒子をサイ
クロンで捕集し、これを他の流動層の下部に供給するこ
とによって2塔間を粒子が循環移動させることが可能で
ある。
【0015】この方法を処理物質の熱分解に用いた場
合、燃焼炉または再生炉で燃焼によって加熱された粒子
は流動層から溢出してサイクロンで捕集され、分解炉の
下部に供給される。分解炉では加熱された粒子と処理物
質が混合され、伝熱と熱分解反応が起こる。高速流動層
は、図5に示すように、粒子濃度が普通流動層と比較し
て低いが、普通流動層(例えば、図4に示す特公昭51
−35467号)は、下部が粒子移動用であるのに対し
て、上記高速流動層は流動層全体が反応に使用されるた
め、熱移動および反応のための滞留時間は十分である。
なお、図5において符号H0はライザーの全高であり、
Hは任意の高さである。また、上記高速流動層におい
て、循環する粒子の量は、粒子の比重と粒子径,流動層
の高さ,粒子のホールドアップ量,ガス流速の4つのフ
ァクターを適当に選定することによって適切な範囲に設
定することができる。さらに、粒子循環量と反応時間の
バランスが取りにくい場合には、中間部から粒子をオー
バーフローさせるとよい。
合、燃焼炉または再生炉で燃焼によって加熱された粒子
は流動層から溢出してサイクロンで捕集され、分解炉の
下部に供給される。分解炉では加熱された粒子と処理物
質が混合され、伝熱と熱分解反応が起こる。高速流動層
は、図5に示すように、粒子濃度が普通流動層と比較し
て低いが、普通流動層(例えば、図4に示す特公昭51
−35467号)は、下部が粒子移動用であるのに対し
て、上記高速流動層は流動層全体が反応に使用されるた
め、熱移動および反応のための滞留時間は十分である。
なお、図5において符号H0はライザーの全高であり、
Hは任意の高さである。また、上記高速流動層におい
て、循環する粒子の量は、粒子の比重と粒子径,流動層
の高さ,粒子のホールドアップ量,ガス流速の4つのフ
ァクターを適当に選定することによって適切な範囲に設
定することができる。さらに、粒子循環量と反応時間の
バランスが取りにくい場合には、中間部から粒子をオー
バーフローさせるとよい。
【0016】
【実施例】以下、図1ないし図3に基づいて本発明の一
実施例を説明する。
実施例を説明する。
【0017】(1)完全流動型、請求項1に該当する。
図1は固形廃棄物の熱分解において用いられた二塔循環
式流動層炉の第1実施例である。本例は2基のライザー
20,21とも外部循環式流動層によりなっている。そ
して、ライザー20,21のうちライザー20は固形廃
棄物を熱分解する機能を有し、ライザー21はライザー
20に熱を供給する機能を有している。
図1は固形廃棄物の熱分解において用いられた二塔循環
式流動層炉の第1実施例である。本例は2基のライザー
20,21とも外部循環式流動層によりなっている。そ
して、ライザー20,21のうちライザー20は固形廃
棄物を熱分解する機能を有し、ライザー21はライザー
20に熱を供給する機能を有している。
【0018】また、上記ライザー20,21にはあらか
じめ熱媒体としての固体粒子(実施例においては川砂)
が張り込まれており、ライザー20の下部にはあらかじ
め張り込まれた固体粒子を流動させるための流動用流体
供給口22が設けられている。そして、本実施例におい
ては流動用流体として蒸気を用いており、蒸気を吹き込
むことにより固体粒子は活発に流動すると共に、ライザ
ー20内を上昇し、ライザー20の頂部に設けられた導
出管23からサイクロン24に導かれる。
じめ熱媒体としての固体粒子(実施例においては川砂)
が張り込まれており、ライザー20の下部にはあらかじ
め張り込まれた固体粒子を流動させるための流動用流体
供給口22が設けられている。そして、本実施例におい
ては流動用流体として蒸気を用いており、蒸気を吹き込
むことにより固体粒子は活発に流動すると共に、ライザ
ー20内を上昇し、ライザー20の頂部に設けられた導
出管23からサイクロン24に導かれる。
【0019】さらに、上記ライザー20の中間部には固
形廃棄物を供給するための原料供給口25が設けられて
おり、そこから連続的に固形廃棄物がライザー20に供
給される。従って、サイクロン24に導かれるのは、上
述の固体粒子の他に流動用流体としての蒸気および固形
廃棄物の熱分解により得られるガス(そのうちの大部分
は可燃性ガス)である。そして、サイクロン24におい
て固体粒子は蒸気およびガスと分離され、サイクロン2
4の下部に接続するダウンカマー26を下降し、ライザ
ー21の下部領域に開口された導入管27を経てライザ
ー21へ供給される。
形廃棄物を供給するための原料供給口25が設けられて
おり、そこから連続的に固形廃棄物がライザー20に供
給される。従って、サイクロン24に導かれるのは、上
述の固体粒子の他に流動用流体としての蒸気および固形
廃棄物の熱分解により得られるガス(そのうちの大部分
は可燃性ガス)である。そして、サイクロン24におい
て固体粒子は蒸気およびガスと分離され、サイクロン2
4の下部に接続するダウンカマー26を下降し、ライザ
ー21の下部領域に開口された導入管27を経てライザ
ー21へ供給される。
【0020】上記ライザー21に供給される固体粒子
は、ライザー20において行なわれる熱分解(吸熱)反
応により熱を奪われるために、ライザー21から送り出
される固体粒子よりも温度は低い状態にある。そして、
ライザー21においては、空気供給口28から空気、燃
料供給口29から燃料がそれぞれ供給され、ライザー2
1の下部領域あるいは全領域において比較的緩慢に燃焼
する。
は、ライザー20において行なわれる熱分解(吸熱)反
応により熱を奪われるために、ライザー21から送り出
される固体粒子よりも温度は低い状態にある。そして、
ライザー21においては、空気供給口28から空気、燃
料供給口29から燃料がそれぞれ供給され、ライザー2
1の下部領域あるいは全領域において比較的緩慢に燃焼
する。
【0021】また、上記ライザー21においては、主に
空気供給口28から供給された空気および燃焼ガスによ
りライザー21内の固体粒子は流動化されると共に、ラ
イザー21内を上昇し、ライザー21の頂部に設けられ
た導出管30を経てサイクロン31に導かれる。そし
て、上記導入管27から供給された固体粒子は、導出管
30に至るまでに上述の燃焼により発生する熱を受けて
高温状態になっており、その高温状態の固体粒子はサイ
クロン31の下部に接続するダウンカマー32を経てラ
イザー20の下部領域に開口された導入管33を介して
ライザー20に再び供給される。なお、図1中符号24
aは分解ガス出口、31aは燃焼ガス出口である。
空気供給口28から供給された空気および燃焼ガスによ
りライザー21内の固体粒子は流動化されると共に、ラ
イザー21内を上昇し、ライザー21の頂部に設けられ
た導出管30を経てサイクロン31に導かれる。そし
て、上記導入管27から供給された固体粒子は、導出管
30に至るまでに上述の燃焼により発生する熱を受けて
高温状態になっており、その高温状態の固体粒子はサイ
クロン31の下部に接続するダウンカマー32を経てラ
イザー20の下部領域に開口された導入管33を介して
ライザー20に再び供給される。なお、図1中符号24
aは分解ガス出口、31aは燃焼ガス出口である。
【0022】本実施例によれば、上記ライザー20,2
1が外部循環式流動層であることから、それぞれのライ
ザー20,21内温度は極めて均一な状態で連続運転が
可能であり、そのためライザー20,21内を通過する
固体粒子の温度は常に均一に保持される。また、外部循
環式流動層であることにより、ライザー20,21内の
ガス流速は普通流動層に比べ速いから、固体循環速度も
大きく、同一の循環量を得るためにより小量の流動媒体
の張り込み量で充分である。さらに、ガス流速が速いこ
とにより、同一能力の普通流動層の組み合せの場合に比
べ、大幅に小型化できる。
1が外部循環式流動層であることから、それぞれのライ
ザー20,21内温度は極めて均一な状態で連続運転が
可能であり、そのためライザー20,21内を通過する
固体粒子の温度は常に均一に保持される。また、外部循
環式流動層であることにより、ライザー20,21内の
ガス流速は普通流動層に比べ速いから、固体循環速度も
大きく、同一の循環量を得るためにより小量の流動媒体
の張り込み量で充分である。さらに、ガス流速が速いこ
とにより、同一能力の普通流動層の組み合せの場合に比
べ、大幅に小型化できる。
【0023】(2)二塔中段循環型、請求項2に該当す
る。図2は図1と同様ライザー20,21は外部循環式
流動層であるが、ライザー20,21の中間部に中間抜
き出し口34,35を、また、ライザー20,21の下
部領域に、サイクロン31,24と連結された導入管3
3,27の他に、導入管36,37と、上記中間抜き出
し口34,35および導入管37,36を互いに接続し
固体粒子を循環せしめる連結管38,39を有している
ところが図1とは異なっている。
る。図2は図1と同様ライザー20,21は外部循環式
流動層であるが、ライザー20,21の中間部に中間抜
き出し口34,35を、また、ライザー20,21の下
部領域に、サイクロン31,24と連結された導入管3
3,27の他に、導入管36,37と、上記中間抜き出
し口34,35および導入管37,36を互いに接続し
固体粒子を循環せしめる連結管38,39を有している
ところが図1とは異なっている。
【0024】本実施例においては、ライザー20,21
内を上昇する固体粒子の一部あるいは大部分を中間抜き
出し口34,35により分岐し、相対するライザー2
1,20の下部領域に開口された導入管37,36に連
結された連結管38,39により固体粒子を供給するも
のである。この場合、導出管23,30からサイクロン
24,31、ダウンカマー26,32、そして相対する
導入管27,33を経て相手方のライザー21,20に
供給される固体粒子の量(外部循環量)は、図1の場合
よりも低下するものの、中間抜き出しを行うことにより
低下量の数倍から十数倍の循環量(分岐循環量)が得ら
れる。この結果、主たる効果は図1の実施例と同一であ
るが、熱分解に際してより多くの熱量を必要とするよう
な場合、例えば固体廃棄物に多量の水分を含むような場
合により有効である。
内を上昇する固体粒子の一部あるいは大部分を中間抜き
出し口34,35により分岐し、相対するライザー2
1,20の下部領域に開口された導入管37,36に連
結された連結管38,39により固体粒子を供給するも
のである。この場合、導出管23,30からサイクロン
24,31、ダウンカマー26,32、そして相対する
導入管27,33を経て相手方のライザー21,20に
供給される固体粒子の量(外部循環量)は、図1の場合
よりも低下するものの、中間抜き出しを行うことにより
低下量の数倍から十数倍の循環量(分岐循環量)が得ら
れる。この結果、主たる効果は図1の実施例と同一であ
るが、熱分解に際してより多くの熱量を必要とするよう
な場合、例えば固体廃棄物に多量の水分を含むような場
合により有効である。
【0025】(3)一塔中段循環式、請求項3に該当す
る。図3は、一方は普通流動層で他方は外部循環式流動
層の場合の実施例である。本例においてはライザー40
は普通流動層であり、熱分解の機能を有している。ま
た、ライザー21は外部循環式流動層でライザー40に
熱を供給する目的で設けてある。
る。図3は、一方は普通流動層で他方は外部循環式流動
層の場合の実施例である。本例においてはライザー40
は普通流動層であり、熱分解の機能を有している。ま
た、ライザー21は外部循環式流動層でライザー40に
熱を供給する目的で設けてある。
【0026】上記ライザー40,21には、図1におい
て説明したのと同様に、あらかじめ固体粒子が張り込ま
れており、ライザー40の下部領域には流動用流体供給
口41が設けられている。そして、そこから流動用蒸気
を吹き込むことにより固体粒子は流動化するとともにラ
イザー40内を上昇する。
て説明したのと同様に、あらかじめ固体粒子が張り込ま
れており、ライザー40の下部領域には流動用流体供給
口41が設けられている。そして、そこから流動用蒸気
を吹き込むことにより固体粒子は流動化するとともにラ
イザー40内を上昇する。
【0027】また、上記ライザー40の中間部より上部
はライザー内断面が拡大しており、ライザー40内のガ
ス流速はライザー40の下部に比べ低下するように設定
されている。従って、流速の変化する部分、すなわち、
ライザー40内断面の変化する部分においては、固体粒
子は狭い領域で上昇と下降を繰り返しながら滞留する。
その滞留部分に中間抜き出し口42が設けられている。
そして、中間抜き出し口42とライザー21の下部領域
に設けられた導入管37とは、連結管43により連結さ
れており、固体粒子はその経路に従って下降し、ライザ
ー21へ供給される。
はライザー内断面が拡大しており、ライザー40内のガ
ス流速はライザー40の下部に比べ低下するように設定
されている。従って、流速の変化する部分、すなわち、
ライザー40内断面の変化する部分においては、固体粒
子は狭い領域で上昇と下降を繰り返しながら滞留する。
その滞留部分に中間抜き出し口42が設けられている。
そして、中間抜き出し口42とライザー21の下部領域
に設けられた導入管37とは、連結管43により連結さ
れており、固体粒子はその経路に従って下降し、ライザ
ー21へ供給される。
【0028】さらに、ライザー21における状況は図1
において述べたとおりであり、固体粒子は最終的にライ
ザー40に還流する。なお、ライザー40の上端に設け
られた導出管44,サイクロン45,ダウンカマー46
およびライザー21の下部領域に設けられた導入管47
を経由する固体粒子の流れは補助的なもので、上記サイ
クロン24あるいはサイクロン31を経由する固体粒子
の流れに比べかなりの程度少ない量である。
において述べたとおりであり、固体粒子は最終的にライ
ザー40に還流する。なお、ライザー40の上端に設け
られた導出管44,サイクロン45,ダウンカマー46
およびライザー21の下部領域に設けられた導入管47
を経由する固体粒子の流れは補助的なもので、上記サイ
クロン24あるいはサイクロン31を経由する固体粒子
の流れに比べかなりの程度少ない量である。
【0029】本実施例によれば、ガス状廃棄物の熱分
解、あるいは微細粒子状の固形廃棄物の熱分解等に有効
である。何となれば、上記廃棄物においては外部循環式
流動層を用いた場合、ライザー内に充分拡散する以前に
導出管に導かれ、未反応のままサイクロンから系外に排
泄されてしまう。すなわち、未分解の割合が増加してし
まうのに対して、本実施例においてはこの現象を防ぐこ
とができる。
解、あるいは微細粒子状の固形廃棄物の熱分解等に有効
である。何となれば、上記廃棄物においては外部循環式
流動層を用いた場合、ライザー内に充分拡散する以前に
導出管に導かれ、未反応のままサイクロンから系外に排
泄されてしまう。すなわち、未分解の割合が増加してし
まうのに対して、本実施例においてはこの現象を防ぐこ
とができる。
【0030】また、本方法は高温滞留時間に制限を持つ
ような熱分解反応の場合にも有効である。すなわち、固
形炭化水素としての廃プラスチックの熱分解により、エ
チレン,プロピレン等のガスを得ようとする場合、滞留
時間が長いとより分子量の小さいガス、例えばメタンに
移行してしまい、目的とするガスの収率が低下してしま
う。そのような場合、ライザーの上部周壁を冷却するこ
とにより急激にガスを冷却することが可能であり、それ
によってガスの組成は希望の状態に保たれる。この点、
本実施例において使用している普通流動層の場合、先に
述べたとおり固体粒子は流速の変化する比較的狭い領域
において上昇、下降を繰り返すと共に、当該部分に設け
られた中間抜き出し口から外部循環式流動層に送り込ま
れ、そこで加熱されて再び普通流動層に供給されるため
に、ライザー上部周壁が冷却されても、粒子は所要の温
度を維持し得る。
ような熱分解反応の場合にも有効である。すなわち、固
形炭化水素としての廃プラスチックの熱分解により、エ
チレン,プロピレン等のガスを得ようとする場合、滞留
時間が長いとより分子量の小さいガス、例えばメタンに
移行してしまい、目的とするガスの収率が低下してしま
う。そのような場合、ライザーの上部周壁を冷却するこ
とにより急激にガスを冷却することが可能であり、それ
によってガスの組成は希望の状態に保たれる。この点、
本実施例において使用している普通流動層の場合、先に
述べたとおり固体粒子は流速の変化する比較的狭い領域
において上昇、下降を繰り返すと共に、当該部分に設け
られた中間抜き出し口から外部循環式流動層に送り込ま
れ、そこで加熱されて再び普通流動層に供給されるため
に、ライザー上部周壁が冷却されても、粒子は所要の温
度を維持し得る。
【0031】このように、上記各実施例のいずれの場合
においても、熱を供給するために設けられた塔(燃焼
塔)は外部循環式流動層であり、熱分解のために設けら
れた塔(分解塔)は外部循環式流動層の場合と普通流動
層(バブリング流動層)の場合とがある。そして、本発
明の各実施例と図4に示す従来例とを比較した結果につ
いて以下に説明する。
においても、熱を供給するために設けられた塔(燃焼
塔)は外部循環式流動層であり、熱分解のために設けら
れた塔(分解塔)は外部循環式流動層の場合と普通流動
層(バブリング流動層)の場合とがある。そして、本発
明の各実施例と図4に示す従来例とを比較した結果につ
いて以下に説明する。
【0032】(イ)分解塔内の圧力の変動 分解塔内においてスラッギング現象が発生しているかど
うかは当該部の圧力の変動を観ることにより把握でき
る。また、その圧力の変動の時間が短ければ短いほど制
御が困難となる。以上から、圧力の最高値と最低値の比
と最高値(最低値)から最低値(最高値)に要した時間
について比較した結果を表1に示す。
うかは当該部の圧力の変動を観ることにより把握でき
る。また、その圧力の変動の時間が短ければ短いほど制
御が困難となる。以上から、圧力の最高値と最低値の比
と最高値(最低値)から最低値(最高値)に要した時間
について比較した結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】以上のように、図1から図3の例では極め
て安定的な運転が可能である。
て安定的な運転が可能である。
【0035】(ロ)分解塔における発生ガス量の変動 脈動流については、発生ガス量がどの程度変化するかを
観ることによっても評価可能である。脈動が激しいとい
うことは最大ガス流量と最小ガス流量との比が大きく、
その移行時間が短いと言える。それらについて比較した
結果を表2に示す。
観ることによっても評価可能である。脈動が激しいとい
うことは最大ガス流量と最小ガス流量との比が大きく、
その移行時間が短いと言える。それらについて比較した
結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】以上のように、図1から図3の例では従来
の方法に比べて変動も緩慢でかつ、変化も少ないことが
明白である。
の方法に比べて変動も緩慢でかつ、変化も少ないことが
明白である。
【0038】次に、さらに具体的に実施した例について
説明する。まず、図1に示す装置を用いて運転した場合
について詳述する。この場合、ライザー20,21のう
ちライザー20は下水汚泥を熱分解する機能を有し、ラ
イザー21は、熱媒体を加熱することによりライザー2
0に熱を供給する目的を有している。そして、ライザー
20の内径は300mmであり、ライザー21の内径は
350mmである。また、両ライザー20,21にはあ
らかじめ160kgの熱媒体(本例および後述の例全て
において平均粒子サイズ0.45mmの川砂を使用)が
張り込まれている。そして、ライザー総高は両者とも1
2mである。さらに、原料としての下水汚泥は、ライザ
ー20の中段に設けられた原料供給口25よりライザー
20内に供給される。
説明する。まず、図1に示す装置を用いて運転した場合
について詳述する。この場合、ライザー20,21のう
ちライザー20は下水汚泥を熱分解する機能を有し、ラ
イザー21は、熱媒体を加熱することによりライザー2
0に熱を供給する目的を有している。そして、ライザー
20の内径は300mmであり、ライザー21の内径は
350mmである。また、両ライザー20,21にはあ
らかじめ160kgの熱媒体(本例および後述の例全て
において平均粒子サイズ0.45mmの川砂を使用)が
張り込まれている。そして、ライザー総高は両者とも1
2mである。さらに、原料としての下水汚泥は、ライザ
ー20の中段に設けられた原料供給口25よりライザー
20内に供給される。
【0039】上記ライザー21においては、ライザー2
0における熱分解反応により温度の低下した熱媒体を加
熱するために燃料と空気が吹き込まれる。そして、ライ
ザー20における反応の結果、ガス、液状油およびチャ
ーが生成され、ガスおよび液状油はサイクロン24にお
いて熱媒体と分離され分解ガス出口24aより排出され
る。また、チャーについてはサイクロン24において熱
媒体と分離されるものと、分離されずに熱媒体とともに
ダウンカマー26を経由してライザー21に送り込まれ
るものがあると考えられるが、ライザー21において消
費されたチャーはカウントせず、排出されたチャーのみ
を生成チャー量として評価した。
0における熱分解反応により温度の低下した熱媒体を加
熱するために燃料と空気が吹き込まれる。そして、ライ
ザー20における反応の結果、ガス、液状油およびチャ
ーが生成され、ガスおよび液状油はサイクロン24にお
いて熱媒体と分離され分解ガス出口24aより排出され
る。また、チャーについてはサイクロン24において熱
媒体と分離されるものと、分離されずに熱媒体とともに
ダウンカマー26を経由してライザー21に送り込まれ
るものがあると考えられるが、ライザー21において消
費されたチャーはカウントせず、排出されたチャーのみ
を生成チャー量として評価した。
【0040】他の条件および結果は以下の通りであっ
た。 下水汚泥の組成(重量%) 有機物質 49.77 無機物質 38.25 水分 11.98 言い換えると、 炭素 24.12 水素 3.07 窒素 1.87 酸素 20.53 水分 11.98 他(灰等) 38.43 熱分解条件 分解塔温度 700℃ 燃焼塔温度 800℃ 廃棄物供給量 100kg/Hr 結果 発生乾ガス量 32.35Nm3/Hr 発生液状油量 3.33kg/Hr 発生チャー量 9.61kg/Hr 得られた乾ガス組成(容量%) CO2 30.4 CO 17.8 H2 26.8 CH4 12.4 C2H6 2.1 C2H4 9.6 他 0.9
た。 下水汚泥の組成(重量%) 有機物質 49.77 無機物質 38.25 水分 11.98 言い換えると、 炭素 24.12 水素 3.07 窒素 1.87 酸素 20.53 水分 11.98 他(灰等) 38.43 熱分解条件 分解塔温度 700℃ 燃焼塔温度 800℃ 廃棄物供給量 100kg/Hr 結果 発生乾ガス量 32.35Nm3/Hr 発生液状油量 3.33kg/Hr 発生チャー量 9.61kg/Hr 得られた乾ガス組成(容量%) CO2 30.4 CO 17.8 H2 26.8 CH4 12.4 C2H6 2.1 C2H4 9.6 他 0.9
【0041】また、図2に示す装置を用いて運転した場
合においては、原料として平均径3mmの廃プラスチッ
クを窒素によりガス置換した後、ライザー20内に供給
した。条件および結果は次の通りである。 廃プラスチックの組成(重量%) 炭素 75.4 水素 13.3 窒素 1.1 水分 10.2 熱分解条件 分解塔温度 700℃ 燃焼塔温度 800℃ 原料供給量 108kg/Hr 結果 発生乾ガス量 75.9Nm3/Hr 発生液状油量 14.4kg/Hr 発生チャー量 0.0kg/Hr 得られた乾ガス組成(容量%) CH4 18.0 C2H6 7.6 C2H4 33.7 C3H6 12.9 C4〜 17.1 H2 4.5 CO 4.0 CO2 0.9 N2 1.3
合においては、原料として平均径3mmの廃プラスチッ
クを窒素によりガス置換した後、ライザー20内に供給
した。条件および結果は次の通りである。 廃プラスチックの組成(重量%) 炭素 75.4 水素 13.3 窒素 1.1 水分 10.2 熱分解条件 分解塔温度 700℃ 燃焼塔温度 800℃ 原料供給量 108kg/Hr 結果 発生乾ガス量 75.9Nm3/Hr 発生液状油量 14.4kg/Hr 発生チャー量 0.0kg/Hr 得られた乾ガス組成(容量%) CH4 18.0 C2H6 7.6 C2H4 33.7 C3H6 12.9 C4〜 17.1 H2 4.5 CO 4.0 CO2 0.9 N2 1.3
【0042】さらに、図3に示す装置を用いて運転した
場合においては、ライザー40の内径は、600mmで
あり、ライザー21の内径は350mmである。また、
両ライザーの総高はライザー40が6.5m、ライザー
21が12mであり、両ライザー40,21にはあらか
じめ220kgの川砂が張り込まれている。そして、原
料はライザー40の中段に設けられた原料供給口15よ
りライザー40内に供給される。本例においても図2に
示す上記実施例と同じプラスチックが同様の処理を施さ
れライザー40に供給された。ライザー21に関しては
先の実施例と全く同じである。条件および結果は次に示
す通りであった。 廃プラスチックの組成(重量%) 炭素 81.3 水素 14.4 窒素 1.3 水分 3.0 熱分解条件 分解塔温度 700℃ 燃焼塔温度 800℃ 原料供給量 100kg/Hr 結果 発生乾ガス量 75.7Nm3/Hr 発生液状油量 14.5kg/Hr 発生チャー量 0.0kg/Hr 得られた乾ガス組成(容量%) CH4 18.9 C2H6 7.2 C2H4 35.4 C3H6 12.2 C4〜 16.7 H2 3.1 CO 4.2 CO2 0.9 N2 1.4
場合においては、ライザー40の内径は、600mmで
あり、ライザー21の内径は350mmである。また、
両ライザーの総高はライザー40が6.5m、ライザー
21が12mであり、両ライザー40,21にはあらか
じめ220kgの川砂が張り込まれている。そして、原
料はライザー40の中段に設けられた原料供給口15よ
りライザー40内に供給される。本例においても図2に
示す上記実施例と同じプラスチックが同様の処理を施さ
れライザー40に供給された。ライザー21に関しては
先の実施例と全く同じである。条件および結果は次に示
す通りであった。 廃プラスチックの組成(重量%) 炭素 81.3 水素 14.4 窒素 1.3 水分 3.0 熱分解条件 分解塔温度 700℃ 燃焼塔温度 800℃ 原料供給量 100kg/Hr 結果 発生乾ガス量 75.7Nm3/Hr 発生液状油量 14.5kg/Hr 発生チャー量 0.0kg/Hr 得られた乾ガス組成(容量%) CH4 18.9 C2H6 7.2 C2H4 35.4 C3H6 12.2 C4〜 16.7 H2 3.1 CO 4.2 CO2 0.9 N2 1.4
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
は、外部サイクロンを有した2基の流動層が互いに連結
されて、該流動層間において粒子移動を行わせる二塔循
環式流動層であって、各流動層の上部に、これらの流動
層から溢出した粒子を捕集するサイクロンがそれぞれ設
けられ、該サイクロンが相対する他の流動層の下部に連
結されたものであるから、それぞれの流動層から溢出し
た粒子をサイクロンによって捕集し、それを相対する他
の流動層の下部に供給することにより、スラッギング現
象を生じることがなく、脈動流の発生を抑制することが
できて、制御性を良好に保つことができると共に、効率
良く運転を行うことができる。
は、外部サイクロンを有した2基の流動層が互いに連結
されて、該流動層間において粒子移動を行わせる二塔循
環式流動層であって、各流動層の上部に、これらの流動
層から溢出した粒子を捕集するサイクロンがそれぞれ設
けられ、該サイクロンが相対する他の流動層の下部に連
結されたものであるから、それぞれの流動層から溢出し
た粒子をサイクロンによって捕集し、それを相対する他
の流動層の下部に供給することにより、スラッギング現
象を生じることがなく、脈動流の発生を抑制することが
できて、制御性を良好に保つことができると共に、効率
良く運転を行うことができる。
【0044】また、本発明の請求項2は、上記各流動層
の中間部と相対する他の流動層の下部との間に、上記各
流動層の中間部から抜き出した粒子を相対する他の流動
層の下部に供給する連結管が設けられたものであるか
ら、連結管によって各流動層の中間部から粒子を抜き出
して、相対する他の流動層の下部に供給することによ
り、十分な循環量を確保することができ、熱分解に際し
てより多くの熱量を必要とするような場合、例えば固体
廃棄物に多量の水分を含むような場合により有効に運転
することができる。
の中間部と相対する他の流動層の下部との間に、上記各
流動層の中間部から抜き出した粒子を相対する他の流動
層の下部に供給する連結管が設けられたものであるか
ら、連結管によって各流動層の中間部から粒子を抜き出
して、相対する他の流動層の下部に供給することによ
り、十分な循環量を確保することができ、熱分解に際し
てより多くの熱量を必要とするような場合、例えば固体
廃棄物に多量の水分を含むような場合により有効に運転
することができる。
【0045】さらに、本発明の請求項3は、上記流動層
のうち1基の流動層の中間部と相対する他の流動層の下
部との間に、上記流動層の中間部から抜き出した粒子を
相対する他の流動層の下部に供給する連結管が設けられ
たものであるから、連結管によって1基の流動層の中間
部から粒子を抜き出して、相対する他の流動層の下部に
供給することにより、ガス状廃棄物の熱分解、あるいは
微細粒子状の固形廃棄物の熱分解等、または高温滞留時
間に制限を持つような熱分解反応の場合に円滑に運転す
ることができる。
のうち1基の流動層の中間部と相対する他の流動層の下
部との間に、上記流動層の中間部から抜き出した粒子を
相対する他の流動層の下部に供給する連結管が設けられ
たものであるから、連結管によって1基の流動層の中間
部から粒子を抜き出して、相対する他の流動層の下部に
供給することにより、ガス状廃棄物の熱分解、あるいは
微細粒子状の固形廃棄物の熱分解等、または高温滞留時
間に制限を持つような熱分解反応の場合に円滑に運転す
ることができる。
【図1】本発明の第1実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す概略構成図である。
【図4】従来の二塔式循環流動層を示す概略構成図であ
る。
る。
【図5】ライザー高さと粒子濃度との関係を示す特性図
である。
である。
20・21 ライザー(流動層) 24・31 サイクロン 38・39 連結管 40 ライザー(流動層) 43 連結管 45 サイクロン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10G 1/00 B 2115−4H 1/02 2115−4H 1/10 2115−4H
Claims (3)
- 【請求項1】 外部サイクロンを有した2基の流動層が
互いに連結されて、該流動層間において粒子移動を行わ
せる二塔循環式流動層であって、各流動層の上部に、こ
れらの流動層から溢出した粒子を捕集するサイクロンが
それぞれ設けられ、該サイクロンが相対する他の流動層
の下部に連結されたことを特徴とする二塔循環式流動
層。 - 【請求項2】 各流動層の中間部と相対する他の流動層
の下部との間に、上記各流動層の中間部から抜き出した
粒子を相対する他の流動層の下部に供給する連結管が設
けられたことを特徴とする請求項1記載の二塔循環式流
動層。 - 【請求項3】 1基の流動層の中間部と相対する他の流
動層の下部との間に、上記流動層の中間部から抜き出し
た粒子を相対する他の流動層の下部に供給する連結管が
設けられたことを特徴とする請求項1記載の二塔循環式
流動層。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28798092A JPH06134287A (ja) | 1992-10-26 | 1992-10-26 | 二塔循環式流動層 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28798092A JPH06134287A (ja) | 1992-10-26 | 1992-10-26 | 二塔循環式流動層 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06134287A true JPH06134287A (ja) | 1994-05-17 |
Family
ID=17724245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28798092A Pending JPH06134287A (ja) | 1992-10-26 | 1992-10-26 | 二塔循環式流動層 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06134287A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100789265B1 (ko) * | 2006-07-26 | 2008-01-02 | 학교법인 함주학원 | 점착성 미세분진의 집진을 위한 유동층집진 장치 및집진방법. |
JP2012533049A (ja) * | 2009-07-16 | 2012-12-20 | イエフペ エネルジ ヌヴェル | 独立な固体流通制御による化学ループ燃焼方法およびプラント |
JP2014531302A (ja) * | 2011-08-31 | 2014-11-27 | トタル ラフィナージュ フランス | 触媒分解装置用外部サイクロン付再生塔 |
-
1992
- 1992-10-26 JP JP28798092A patent/JPH06134287A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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