JP2003251168A - ガス中のタール分の除去装置、およびその除去方法 - Google Patents

ガス中のタール分の除去装置、およびその除去方法

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JP2003251168A
JP2003251168A JP2002061648A JP2002061648A JP2003251168A JP 2003251168 A JP2003251168 A JP 2003251168A JP 2002061648 A JP2002061648 A JP 2002061648A JP 2002061648 A JP2002061648 A JP 2002061648A JP 2003251168 A JP2003251168 A JP 2003251168A
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gas
tar
particles
chamber
medium
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JP2002061648A
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Shugo Hosoda
修吾 細田
Tatsuya Hasegawa
竜也 長谷川
Fumiaki Morozumi
文明 両角
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Ebara Corp
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロセスを必要以上に高温化させず特別な高
温対策が不要であり、生成ガスに含まれる気相状態のタ
ール分を除去することのできるガス中のタール分の除去
装置を提供する。 【解決手段】 粒子xを充填し、ガスbを流通させる容
器2と、ガスまたは粒子を冷却する冷却部11とを備
え、容器は、冷却されたガスより凝縮するタール分tが
付着した粒子を容器外に排出する排出手段4と、タール
分が未付着の粒子を容器内に供給する供給手段5とを有
する。さらに、排出された粒子からタール分を除去する
タール除去部3を備え、供給手段は、タール分が除去さ
れた粒子をタール分が未付着の粒子として容器内に供給
し、冷却部は、容器内に設置された伝熱面11であって
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相状態のタール
分を含有する生成ガスからタール分を除去する機能を有
するガス中のタール分の除去装置、およびその除去方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】廃棄物や石炭等の可燃物をガス化するガ
ス化炉で生成された生成ガスは気化したタール分を含ん
でガス化炉から排出される。ガス化炉から排出された生
成ガスは、例えばガス洗浄、脱硫、脱炭酸等の処理を受
け、メタノール、ジメチルエーテル等の燃料製造、その
他の目的に使用される。タール分を除去せずに、これら
の処理工程に生成ガスを導入すると、前記ガス処理プロ
セス中で生成ガスの温度が低下し、タール分が凝縮し処
理を行う装置に付着して、処理装置に対し機能阻害要因
となる。このため生成ガス中のタール分を分解するた
め、生成ガスを、後段の処理工程に導入する以前に、水
蒸気等を供給しながら一度1200〜1300℃以上の
高温にし、タール分をガス化し分解していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のような生成ガス
を高温化しタール分を分解させて除去する従来のタール
分の除去方法によれば、高温化による生成ガス製造効率
の低下、熱ロスの増加等の問題が生じていた。また、1
200〜1300℃以上の高温プロセスに用いる材料の
劣化速度の増加による維持コストの増大、もしくは材料
そのものの高級化による初期コストの増大、ガス中灰分
の溶融による灰排出部の閉塞対策等新たなプロセスの問
題が発生していた。また、低カロリー原料からのガス化
の場合には、生成ガスの高温化に要する熱量が不足する
場合もあった。
【0004】そこで本発明は、プロセスを必要以上に高
温化させず特別な高温対策が不要であり、生成ガスから
タール分を除去することのできるガス中のタール分の除
去装置およびその除去方法を提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明によるガス中のタール分の除去
装置1は、図1に示すように、粒子xを充填し、ガスb
を流通させる容器2と;ガスbまたは粒子xを冷却する
冷却部11とを備え;容器2は、冷却されたガスbより
凝縮するタール分tが付着した粒子xを容器2外に排出
する排出手段4と、タール分tが未付着の粒子xを容器
2内に供給する供給手段5とを有する。
【0006】このように構成すると、粒子xを充填し、
ガスbを流通させる容器2と、ガスbまたは粒子xを冷
却する冷却部11とを備えるので、容器2内に充填した
粒子xを冷却部11で冷却し、容器2内を流通するガス
bを、冷却した粒子xで冷却し、または容器2内を流通
するガスbを冷却部11で冷却し、冷却されたガスbよ
りタール分tを凝縮させることができる。容器2内に
は、粒子xが充填されているので、凝縮したタール分t
は粒子xに付着し、タール分tが付着した粒子xを排出
手段4で容器2外に排出することができる。供給手段5
でタール分が未付着の粒子xを容器2内に供給すること
ができるので、容器2内に、排出した量と同じ量の粒子
xを供給すると、粒子xは容器2内に充填され続け、連
続してガスb中のタール分tを除去することができる。
【0007】粒子xに、積極的にタール分tを吸着、あ
るいは吸収する機能を持つ粒子x、例えばポーラスで比
表面積が大きい粒子xを採用するとさらに効率よくター
ル分tを除去することができる。本明細書では、吸着、
吸収も付着の概念に含まれるものとする。粒子xを、タ
ール分tを分解して分解ガスとする機能を合わせ持つ粒
子xとしてもよい。このようにすると、単にタール分t
を付着させ容器2の外部に排出し、除去するのみなら
ず、タール分tを分解して分解ガスとし、ガスb側のカ
ロリーとして回収されるエネルギーを増加させることが
できる。
【0008】容器2内に粒子xの充填層10が形成され
るので、凝縮したタール分tが効率よく粒子xに付着す
る。凝縮したタール分tを除去するには、ガスb中に凝
縮したタール分tを、粒子xに付着させて除去する場合
もあれば、例えば冷却部11の冷却面に凝縮して付着し
たタール分を粒子xによってこそぎ落とし、粒子xに付
着させて除去する場合もある。冷却部による粒子xの冷
却は、容器2への粒子xの運搬中の空冷(空気を強制的
に送る強制空冷を含む)によって行うものであってもよ
い。
【0009】ガス中のタール分の除去装置1は、さらに
排出された粒子xからタール分tを除去するタール除去
部3を備え;供給手段5は、タール分tが除去された粒
子xを、タール分tが未付着の粒子xとして容器2内に
供給するものであってもよい。また、冷却部11は、容
器2内に設置された伝熱面11であってもよい。
【0010】請求項2に係る発明によるガス中のタール
分の除去装置1は、請求項1に記載のガス中のタール分
の除去装置において、図1に示すように、排出された粒
子xからタール分tを除去するタール除去部3を備え;
供給手段5は、タール分tが除去された粒子xをタール
分tが未付着の粒子xとして容器2内に供給し;冷却部
11は、容器2内に設置された伝熱面11である。
【0011】このように構成すると、タール除去部3を
備えるので、タール除去部3により、容器2外に排出さ
れた粒子xからタール分tを除去することができ、さら
に供給手段5により、タール分tが除去された粒子xを
タール分tが未付着の粒子xとして容器2内に供給し、
粒子xを繰り返し使用することができる。また、冷却部
11が、容器2内に設置された伝熱面11であるので、
粒子xを、容器2内で伝熱面11により熱交換によって
冷却し、冷却された粒子xはガスbを冷却することがで
き、またガスbを容器2内で当該伝熱面11により熱交
換によって直接に、粒子xを介さないで冷却することが
できる。
【0012】請求項3に係る発明によるガス中のタール
分の除去装置101は、請求項1または請求項2に記載
のガス中のタール分の除去装置において、図2に示すよ
うに、容器102は、充填した粒子xの下方からガスb
を供給し、粒子xを流動化し、容器102内に流動層1
10を形成するように構成される。
【0013】このように構成すると、容器102は、流
動層110を形成するよう構成されているので、流動層
110内の粒子xが容器102内部を広範囲に連続的に
移動することができ、流動層110内で凝縮したタール
分tの拡散性を増すことができる。さらに伝熱面111
近傍だけでなく温度均一性の高い流動層110全体をガ
スbに対する熱交換の場とすることにより、局部的なタ
ール分tの集中発生を防ぎ、粒子xの流動性不良化を避
けることができる。
【0014】上記目的を達成するために、請求項4に係
る発明によるガス中のタール分の除去装置201は、図
3に示すように、粒子xを導入し、該粒子xの第1充填
層210を内部に形成すると共に、第1充填層210の
下方からガスbを供給し、粒子xを流動化して、第1流
動層210を形成するガス冷却室202であって、ガス
bおよび粒子xのうち少なくとも一方を冷却する伝熱面
211を有し、供給されたガスbより凝縮するタール分
tが粒子xに付着するように構成されたガス冷却室20
2と;タール分tが付着した粒子xを導入し、該粒子x
の第2充填層215を内部に形成すると共に、第2充填
層215の下方から酸素含有ガスm1またはガス化剤ガ
スm2を供給し、タール分tが付着した粒子xを流動化
して、第2流動層215を形成するタール除去室203
であって、タール分tが付着した粒子xからタール分t
を除去するように構成されたタール除去室203と;第
1流動層210の界面267および第2流動層215の
界面268より上方でガスbの流通がないように、ガス
冷却室202とタール除去室203とを分離する隔離壁
216とを備え;ガス冷却室202に導入される粒子x
は、タール除去室203でタール分tを除去された粒子
xである。
【0015】このように構成すると、ガス冷却室202
と、タール除去室203と、隔離壁216とを備えるの
で、ガス冷却室202により、粒子xを導入し、該粒子
xの第1充填層210をガス冷却室202内部に形成す
ると共に、第1充填層210の下方からガスbを供給
し、粒子xを流動化して、第1流動層210を形成し、
伝熱面211により、供給されたガスbおよび導入され
た粒子xのうち少なくとも一方を冷却し、冷却された粒
子xは供給されたガスbを冷却し、冷却されたガスbよ
り凝縮するタール分tを粒子xに付着させ、タール除去
室203により、タール分tが付着した粒子xを導入
し、該粒子xの第2充填層215をタール除去室203
内部に形成すると共に、第2充填層215の下方から酸
素含有ガスm1またはガス化剤ガスm2を供給し、ター
ル分tが付着した粒子xを流動化して、第2流動層21
5を形成し、酸素含有ガスm1により粒子xに付着した
タール分tを燃焼させ、またはガス化剤ガスm2により
粒子xに付着したタール分tをガス化し、タール分tが
付着した粒子xからタール分tを除去し、ガスb中のタ
ール分tを除去することができ、また、隔離壁216に
より、ガス冷却室202のガスbとタール除去室203
で発生する燃焼ガスuまたは分解ガスgとが混合せず、
タール分tが除去されたガスbをより高品質に維持する
ことができる。
【0016】上記目的を達成するために、請求項5に係
る発明によるガス中のタール分の除去装置301は、図
4に示すように、低温の粒子xを導入し、該粒子xの第
1充填層310をガス冷却室302内部に形成すると共
に、第1充填層310の下方からガスbを供給し、低温
の粒子xを流動化して、第1流動層310を形成するガ
ス冷却室302であって、低温の粒子xにより冷却され
たガスbより凝縮するタール分tが粒子xに付着するよ
うに構成されたガス冷却室302と;タール分tが付着
した粒子xを導入し、該粒子xの第2充填層315をタ
ール除去室303内部に形成すると共に、第2充填層3
15の下方から酸素含有ガスm1またはガス化剤ガスm
2を供給し、タール分tが付着した粒子xを流動化し
て、第2流動層315を形成するタール除去室303で
あって、タール分tが付着した粒子xからタール分tを
除去するように構成されたタール除去室303と;ター
ル分tが除去された粒子xを導入し、該粒子の第3充填
層369を内部に形成すると共に、第3充填層369の
下方から流動化ガスaを供給し、タール分tが除去され
た粒子xを流動化して、第3流動層369を形成する粒
子冷却室321であって、タール分tが除去された粒子
xを粒子冷却室321内で冷却するよう構成された粒子
冷却室321とを備え;ガス冷却室302に導入される
低温の粒子xは、粒子冷却室321で冷却された粒子x
である。
【0017】このように構成すると、ガス冷却室302
と、タール除去室303と、粒子冷却室321とを備え
るので、ガス冷却室302により、低温の粒子xを導入
し、該粒子xの第1充填層310を内部に形成すると共
に、第1充填層310の下方からガスbを供給し、低温
の粒子xを流動化して、第1流動層310を形成し、ガ
ス冷却室302で、低温の粒子xにより冷却されたガス
bより凝縮するタール分tが粒子xに付着する。タール
除去室303により、タール分tが付着した粒子xを導
入し、該粒子xの第2充填層315を内部に形成すると
共に、第2充填層315の下方から酸素含有ガスm1ま
たはガス化剤ガスm2を供給し、タール分tが付着した
粒子xを流動化して、第2流動層315を形成し、ター
ル除去室303で、タール分tが付着した粒子xからタ
ール分tを除去する。粒子冷却室321により、タール
分tが除去された粒子xを導入し、該粒子の第3充填層
369を粒子冷却室321内部に形成すると共に、第3
充填層369の下方から流動化ガスaを供給し、タール
分tが除去された粒子xを流動化して、第3流動層36
9を形成し、粒子冷却室321で、タール分tが除去さ
れた粒子xを粒子冷却室321内で冷却し、粒子冷却室
321で冷却された粒子xを、低温の粒子xとしてガス
冷却室302に導入させることができる。粒子冷却室3
21からガス冷却室302に低温の粒子xが供給され、
ガス冷却室302で低温の粒子xによりガスbが冷却さ
れるので、ガス冷却室302内にガスbまたは粒子xを
冷却する伝熱面311を設ける必要がなくなる。
【0018】本発明のガス中のタール分の除去装置40
1は、請求項5に記載のガス中のタール分の除去装置に
おいて、図5に示すように、粒子冷却室421は、粒子
xが内部を移動する粒子冷却小室421A、Bを含み;
粒子xが粒子冷却小室421A、Bの内部を移動し、粒
子冷却室421内で粒子xの循環流FL404、FK4
05が形成されるようにしてもよい。
【0019】このように構成すると、粒子xがタール除
去室403から粒子冷却室421へ、さらに粒子冷却室
421からガス冷却室402へ、さらにガス冷却室40
2からタール除去室403へと循環する主循環流FL4
03、FL401、FL402に加えて、粒子冷却室4
21内部に粒子xの循環流(小循環流)FL404、F
K405が形成されるので、主循環流FL401、3の
循環量とは独立して小循環流FL404、5の流量を調
節することが可能となり、この小循環流FL404、5
の循環量を調節することにより、粒子冷却室421から
ガス冷却室402へ移動する粒子温度を調節することが
できる。
【0020】上記目的を達成するために、請求項6に係
る発明によるガスb中のタール分tの除去方法は、例え
ば図1に示すように、ガスbを粒子xに導き、該導いた
ガスbを冷却し、または粒子xを冷却し冷却した粒子x
により導いたガスbを冷却し、冷却されたガスb中より
凝縮するタール分tを粒子xに付着させ、タール分tの
付着した粒子xをガスbから分離する。さらにタール分
tの付着した粒子xからタール分tを除去し、タール分
tの除去された粒子xにガスbを導いて、粒子xを連続
して使用できるようにしてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、各図において互い
に同一あるいは相当する部材には同一符号または類似符
号を付し、重複した説明は省略する。
【0022】図1は、本発明による第1の実施の形態に
係るガス中のタール分の除去装置としてのタール分除去
装置1の構成を示すブロック図(正面図)である。図に
示すように、タール分除去装置1は、ガスとしての生成
ガスbと粒子としての媒体粒子xとを導入する容器とし
てのガス冷却部2と、タール除去部3と、ガス冷却部2
から媒体粒子xを排出しガス冷却部2からタール除去部
3に媒体粒子xを搬送する排出手段としての第1搬送部
4と、タール除去部3からガス冷却部2に媒体粒子xを
搬送しガス冷却部2に媒体粒子xを供給する供給手段と
しての第2搬送部5とを含んで構成される。ガス冷却部
2に供給される生成ガスbは、高温であり、温度が低下
すると凝縮するタール分tを気相状態で含む。第1搬送
部4、第2搬送部5は、気流搬送を利用して媒体粒子を
搬送するもの、またはバケットで媒体粒子を搬送するバ
ケットエレベータとするとよい。
【0023】ガス冷却部2は、容器構造であり、天井部
53に生成ガスbを導入する生成ガス導入口6と、底部
55にタール分tが除去された生成ガスbを排出する生
成ガス排出口7とを有する。ガス冷却部2は、側面上部
に媒体粒子xを導入する媒体粒子導入口8と、側面下部
から媒体粒子xを排出する媒体粒子排出口9とを有す
る。媒体粒子導入口8は、第2搬送部5に接続され、媒
体粒子排出口9は、第1搬送部4に接続される。媒体粒
子導入口8からガス冷却部2に導入された媒体粒子x
は、ガス冷却部2内で媒体粒子xの充填層10を形成す
る。ガス冷却部2内には充填層10の上方に空間部17
が形成され、媒体粒子導入口8はガス冷却部2の空間部
17に対応する箇所に形成されている。ガス冷却部2
は、さらに伝熱面としての冷却用層内伝熱管11を側面
部57に有し、ガス冷却部2に導入された生成ガスb、
媒体粒子xが、冷却用層内伝熱管11に接触し冷却され
る。なお、伝熱面は冷却部の一形態である。
【0024】タール除去部3は、媒体粒子xを導入する
媒体粒子導入口12と、媒体粒子xを排出する媒体粒子
排出口13とを有する。媒体粒子導入口12は、第1搬
送部4に接続され、媒体粒子排出口13は、第2搬送部
5に接続される。タール除去部3は、タール除去剤導入
口14を有し、タール除去剤導入口14からタール除去
剤mがタール除去部3内部に導入される。タール除去剤
mとは、燃焼用酸素含有ガスm1、ガス化剤ガスとして
のガス化剤用蒸気m2、洗浄用溶剤m3等である。
【0025】燃焼用酸素含有ガスm1がタール除去部3
に導入される場合は、媒体粒子xに付着したタール分t
の燃焼がタール除去部3で行われる。ガス化剤用蒸気m
2がタール除去部3に導入される場合は、ガス化剤用蒸
気m2による媒体粒子xに付着したタール分tの熱分解
ガス化がタール除去部3で行われる。ガス冷却部2にお
いても蒸気は存在するが、ガス化剤用蒸気m2を、ガス
冷却部2とは別容器であり、ガス冷却部2とは分離され
たタール除去部3に導入するので、タール分tは高分圧
(高濃度)の蒸気に接することができるため、タール分
tの熱分解が促進される。タール分tの熱分解の促進の
ため、媒体粒子xと混合させて安価な触媒等を利用して
もよい。また、タール分tを熱分解することにより発生
する分解ガスが持つ発熱量を回収して主流の生成ガスb
と一緒に利用し、または別途利用してもよい。
【0026】洗浄用溶剤m3がタール除去部3に導入さ
れる場合は、タール除去部3でタール分tの溶解が行わ
れ、タール除去部3は、不図示のタール除去剤排出口を
有し、タール分tを溶解した洗浄用溶剤m3が排出され
る。排出された洗浄用溶剤m3において、タール分tと
溶剤m3を分離し、濃縮したタール分tを燃料として再
利用することも可能である。洗浄用溶剤m3として、有
機溶剤を使用するとよい。
【0027】次に、本第1の実施の形態のタール分除去
装置1の作用について説明する。生成ガスbが、生成ガ
ス導入口6からガス冷却部2に導入され、一方タール分
tが除去された、タール分tが未付着の媒体粒子xが、
媒体粒子導入口8からガス冷却部2に導入される。生成
ガスbと媒体粒子xは、冷却用層内伝熱管11に接触し
冷却される。よって、生成ガスbの温度が低下し、生成
ガスb中に気相状態で含まれるタール分tが凝縮し、液
相または固相状態で、媒体粒子xに付着し、あるいは冷
却用層内伝熱管11に付着する。冷却用層内伝熱管11
に付着したタール分tは、充填層10の存在により媒体
粒子xにかきとられ、こそぎ落とされる。すなわち、媒
体粒子xは、生成ガスb中に気相状態で含まれるタール
分tを凝縮し、生成ガスbから液相または固相状態で除
去する。
【0028】タール分tが除去された低温の生成ガスb
は、生成ガス排出口7からガス冷却部2外に排出され
る。凝縮したタール分tが付着した媒体粒子xは、媒体
粒子排出口9から第1搬送部4によって搬送され媒体粒
子導入口12からタール除去部3に導入される。
【0029】タール除去部3に導入された媒体粒子x
は、タール除去剤導入口14から導入されたタール除去
剤mに晒され、タール除去剤mが燃焼用酸素含有ガスm
1の場合はタール分tが燃焼し、あるいはガス化剤用蒸
気m2の場合は熱分解ガス化し、あるいは洗浄用溶剤m
3の場合は洗浄用溶剤m3に溶解し、タール分tが除去
される。タール分tが除去された媒体粒子xは、媒体粒
子排出口13から排出され、第2搬送部5によって搬送
され、再び媒体粒子導入口8からガス冷却部2に導入さ
れ循環する。
【0030】本実施の形態のタール分除去装置1によれ
ば、生成ガスb中に気相状態で含まれるタール分tを除
去するために生成ガスbを1200〜1300℃以上の
高温にしてタール分tを分解させる必要がないので、プ
ロセスの高温化対策が不要であり、熱ロスを防ぐことが
でき、生成ガスb中に気相状態で含まれるタール分tを
除去することができる。
【0031】よって、凝縮したタール分tが生成ガス経
路中に堆積することを回避し、生成ガス経路閉塞等のト
ラブルを防止することができる。特に、生成ガス流路中
に、不図示のガス洗浄装置、集塵器、ガス燃焼用のバー
ナ等の後段ガス処理装置を設置した場合に、これらの機
器に凝縮したタール分tが付着することを防ぎ、後段機
器の機能に対する阻害要因を排除することができる。
【0032】また、高温化による生成ガスbの製造効率
の低下、プロセスに用いる材料の劣化速度の増加による
維持コストの増大、もしくは材料そのものの高級化によ
る初期コストの増大、ガス中灰分の溶融による灰排出部
の閉塞対策等のプロセスの問題を回避することができ
る。
【0033】なお、本実施の形態のタール分除去装置1
は、生成ガスbのガス冷却部2の流れは鉛直方向下向き
であるが、鉛直方向上向きとしてもよい。媒体粒子自体
に積極的にタールを吸着、吸収する機能を持つ粒子、例
えば多孔性で比表面積の大きい粒子を採用すると生成ガ
スbからのタール除去性能を向上させることができる。
本明細書では吸着、吸収も付着の一形態とする。また、
タール分解触媒機能を持つ媒体粒子を採用してもよく、
単に媒体粒子xに付着して生成ガス経路外に排出するの
みならず、タール分tを媒体粒子の触媒作用で分解ガス
化し生成ガスb側のカロリーとして回収されるエネルギ
ーを増加させることが可能である。
【0034】本実施の形態のタール分除去装置1におい
て、冷却用層内伝熱管11を省略した構造とし、第2搬
送部5をバケットエレベータ構造とし、媒体粒子xが第
2搬送部5によって搬送されている間に、空冷、または
強制空冷(空気ファン)により冷却されるよう構成し、
媒体粒子導入口8より低温の媒体粒子xをガス冷却部2
に導入するようにしてもよい。この場合、生成ガスbは
媒体粒子xとの直接熱交換によって冷却され、第2搬送
部5が媒体粒子xを冷却する冷却部としても作用する。
【0035】図2は、本発明による第2の実施の形態に
係るガス中のタール分の除去装置としてのタール分除去
装置101の構成を示すブロック図(正面図)である。
図に示すように、タール分除去装置101は、被処理ガ
スとしての生成ガスbと媒体粒子xとを導入する容器と
しての、あるいはガス冷却部としてのガス冷却室102
と、タール除去部としてのタール除去室103とを含ん
で構成される。タール分除去装置101は、媒体粒子x
の充填層110を有し、高温の生成ガスbが最下部から
流動化ガスとして導入され、生成ガスbがガス冷却室1
02を通過するに際し生成ガスbを冷却するよう構成さ
れている。タール除去室103は、媒体粒子xの充填層
115を有し、ガス化剤用蒸気m2が最下部から流動化
ガスとして注入され、媒体粒子xに付着したタール分t
を除去するよう構成されている。ガス冷却室102に導
入される生成ガスbは、温度が低下すると凝縮するター
ル分tを気相状態で含む。
【0036】タール分除去装置101は、容器構造であ
り、垂直の仕切壁116によって、ガス冷却室102と
タール除去室103とに区切られている。すなわち、ガ
ス冷却室102とタール除去室103は、仕切壁116
に分離された状態で隣接している。ガス冷却室102
は、生成ガスbが導入される生成ガス導入口106を底
部155に有し、側面部157に設置された、伝熱面と
しての冷却用層内伝熱管111を充填層110の内部に
有し、導入された生成ガスb、充填された媒体粒子x
は、冷却用層内伝熱管111に接触し冷却される。ター
ル除去室103は、ガス化剤用蒸気m2が導入されるガ
ス化剤用蒸気導入口114を底部156に有する。
【0037】生成ガス導入口106は、不図示の第1散
気装置に接続されている。第1散気装置は、ガス冷却室
102の底部155に設けられ、媒体粒子中に生成ガス
bを流動化ガスとして吹き出す。蒸気導入口114は、
不図示の第2散気装置に接続されている。第2散気装置
は、タール除去室103の底部156に設けられ、媒体
粒子中にガス化剤用蒸気m2を流動化ガスとして吹き出
す。
【0038】仕切壁116の上方には戻し経路としての
開口部118が形成され、仕切壁116の最下部には開
口部119が形成されている。タール分除去装置101
の天井部153であって、仕切壁116の上方に、生成
ガスbを排出する生成ガス排出口107が形成されてい
る。生成ガス排出口107は開口部118の上部に位置
している。仕切壁116の上部を越えて開口部118を
通り媒体粒子xがタール除去室103からガス冷却室1
02に移動(FL101)し、開口部119を通り媒体
粒子xがガス冷却室102からタール除去室103に移
動(FL102)し、循環することにより、ガス冷却室
102で凝縮し、媒体粒子に付着したタール分tを、タ
ール除去室103で熱分解ガス化して分解ガスを生成
し、分解ガスを生成する。これにより、タール除去室1
03は、媒体粒子xからタール分tを連続的に除去す
る。
【0039】次に、本第2の実施の形態のタール分除去
装置101の作用について説明する。本実施の形態のタ
ール分除去装置101では、生成ガスbは、生成ガス導
入口106から生成ガス排出口107へ鉛直方向下から
上へ流れ、ガス化剤用蒸気m2は、ガス化剤用蒸気導入
口114から鉛直方向下から上へ流れる。生成ガスb
は、ガス冷却室102内の媒体粒子xの充填層110の
流動化ガス、ガス化剤用蒸気m2は、タール除去室10
3内の媒体粒子xの充填層115の流動化ガスであるの
で、ガス冷却室102、タール除去室103にはそれぞ
れ媒体粒子xによる流動層110、115が形成され
る。なお、図中110、115は充填層が流動化された
流動層を表すが、混乱を生じない範囲で適宜充填層とし
て説明する。
【0040】ガス冷却室102で、タール分tを含む生
成ガスbを生成ガス導入口106から流動化ガスとして
導入することにより、ガス冷却室102で流動層110
が形成され、生成ガスb、媒体粒子xが、冷却用層内伝
熱管111に接触し冷却され、冷却された媒体粒子x
は、生成ガスbを冷却する。よって、生成ガスbの温度
が低下し、生成ガスb中に気相状態で含まれるタール分
tが凝縮し液相または固相状態で、媒体粒子xに付着
し、あるいは冷却用層内伝熱管111に付着する。冷却
用層内伝熱管111に付着したタール分tは、流動層1
10の存在により媒体粒子xにかきとられ、こそぎ落と
される。
【0041】ガス冷却室102で、タール分tが除去さ
れた低温の生成ガスbは、ガス冷却室102の流動層1
10上部に達し、さらに生成ガス排出口107からター
ル分除去装置101外部に排出される。凝縮したタール
分tが付着した媒体粒子xは、開口部119を通ってタ
ール除去室103に移動する(FL102)。タール除
去室103では、ガス化剤用蒸気m2およびガス冷却室
102にて媒体粒子xに与えられた熱により、タール分
tの熱分解ガス化が行われ、媒体粒子xからタール分t
が除去される。タール分tが除去された媒体粒子xは仕
切壁116の上部を越えてガス冷却部2へ移動し(FL
101)循環する。タール分tの熱分解ガス化によって
生じた分解ガスは生成ガスbと混合し生成ガス排出口1
07からタール分除去装置101外部に排出される。
【0042】タール除去室103の開口部119近傍に
おける第2散気装置(不図示)からのガス化剤用蒸気m
2の空塔速度を、ガス冷却室102の開口部119近傍
における第1散気装置(不図示)からの生成ガスbの空
塔速度より大きくすることにより、媒体粒子xを開口部
119を通りガス冷却室102からタール除去室103
に移動(FL102)させ、さらに媒体粒子xを仕切壁
116の上部を越えて開口部118を通りタール除去室
103からガス冷却室102に移動(FL101)させ
ることができる。ガス冷却室102、タール除去室10
3間の媒体粒子xの移動量、すなわち循環量を、これら
の空塔速度すなわち流動状態の差を大きくすることによ
り増加させ、差を小さくすることにより減少させて調節
することにより制御が可能である。
【0043】流動層110、115は、一般的に言う循
環流動層のような高速流動層ではなく、濃厚層を有する
流動層とする。濃厚層内の媒体粒子xのガス冷却室10
2からタール除去室103への移動、タール除去室10
3からガス冷却室102への移動を連続的かつ容易に行
うことができ、媒体粒子xに付着したタール分tの拡散
性を増すことができ、冷却用層内伝熱管111の近傍だ
けでなく、温度均一性の高い流動層全体を生成ガスbに
対する熱交換の場とすることにより、局部的なタール分
tの集中発生を防止し、媒体粒子xの流動性不良化を防
止することができる。
【0044】生成ガスbに流動化ガスの機能を持たせる
ため、タール分除去装置101の前段の生成ガス発生装
置(不図示)の運転負荷により、生成ガス流量が減少し
た場合は、流動化が不足することも考えられる。その場
合は、適切な流動化維持用に、蒸気や窒素等の酸素不含
ガスを、好ましくは蒸気のようにガスを冷却することに
より容易にガス中から分離可能なガスを、または生成ガ
スbそのものの一部を循環利用して該タール分除去装置
101上流の生成ガスbに混合させることができる。こ
うすることにより流動化ガスとしてガス冷却室102に
導入される生成ガス流量を維持し対処が可能である。
【0045】本実施の形態のタール分除去装置101に
よれば、プロセスの高温化対策が不要であり、熱ロスを
防ぐことができ、生成ガスb中に気相状態で含まれるタ
ール分tを除去することができる。
【0046】図3(A)は、本発明による第3の実施の
形態に係るガス中のタール分の除去装置としてのタール
分除去装置201の構成を示すブロック図(立面図)で
ある。図3(B)は、図3(A)のZ3−Z3断面ブロ
ック図である。
【0047】図3(A)、(B)に示すタール分除去装
置201の構成要素は、その符号が200番台で示され
ているが、タール分除去装置101のその符号が100
番台で示されている構成要素に、それぞれ対応してい
る。例えば、ガス冷却室202は、ガス冷却室102に
対応する。したがって、特に相違点、または必要性のな
い限り、その説明は省略している。
【0048】以下、本実施の形態のタール分除去装置2
01を、第2の実施の形態のタール分除去装置101と
の相違点を中心に説明する。まず、仕切壁216の構造
が仕切壁116と相違する。さらに、タール除去室20
3の流動化ガスは、燃焼用酸素含有ガスm1に限らず、
ガス化剤用蒸気m2であってよい。まず、タール除去室
203の流動化ガスは、燃焼用酸素含有ガスm1として
説明する。
【0049】ガス冷却室202とタール除去室203と
を仕切る隔離壁としての仕切壁216は、ガス冷却室2
02の第1流動層としての流動層210の界面267よ
り上方(フリーボード部)とタール除去室203の第2
流動層としての流動層215の界面268より上方(フ
リーボード部)において、ガス冷却室202とタール除
去室203とを完全に分離しており、ガス冷却室202
を通る生成ガスbと、タール除去室203で生成され
た、タール分tが燃焼された燃焼ガスuとが混合しない
ように構成されている。
【0050】次にガス冷却室202の天井部253にタ
ール分tが除去された生成ガスbを排出する生成ガス排
出口207が形成され、タール除去室203の天井部2
54には、燃焼ガスuを排出する燃焼ガス排出口220
Aが形成されている。
【0051】仕切壁216の下部には、タール分除去装
置201の前面壁259の側に開口部219Aが形成さ
れ、開口部219Aとは異なる戻し経路としての開口部
219Bがタール分除去装置201の後面壁260の側
に形成され、タール分tが付着した媒体粒子xが開口部
219Aを通ってガス冷却室202からタール除去室2
03に移動(FL202)し、タール分tが除去された
媒体粒子xが開口部219Bを通ってタール除去室20
3からガス冷却室202に移動(FL201)し、循環
するように構成されている。開口部219Aを通ってタ
ール除去室203に移動(FL202)した媒体粒子x
が流動層215内に充分滞留して、付着したタール分t
が除去されてから開口部219Bを通ってガス冷却室2
02に戻り、開口部219Bを通ってガス冷却室202
に移動(FL201)した媒体粒子xが流動層210内
に充分滞留し、ガス冷却用伝面211により十分に冷却
され、さらに生成ガスbを十分に冷却し生成ガスb中の
気相のタール分tを凝縮させ、凝縮したタール分tが充
分付着してから、開口部219Aを通ってタール除去室
203に移動(FL202)するよう、開口部219A
及び開口部219Bを構成することが望ましい。上記条
件を満たせば、両開口部219A、Bは、一つの開口部
として形成され、例えば開口部の半分を開口部219A
として使用し開口部の他の半分を開口部219Bとして
使用するものであってもかまわない。
【0052】本実施の形態のタール分除去装置201の
タール除去室203は、タール分tを燃焼させる燃焼用
酸素含有ガスm1の供給を受ける燃焼用酸素含有ガス導
入口214Aを底部256に有し、燃焼ガスuを排出す
る燃焼ガス排出口220Aを天井部254に有する。し
かし、燃焼用酸素含有ガス導入口214Aの代わりに、
ガス化剤用蒸気m2の供給を受けるガス化剤用蒸気導入
口214Bを底部256に有し、また、燃焼ガス排出口
220Aの代わりに、ガス化剤用蒸気m2によりタール
分tが熱分解ガス化されることにより生成される分解ガ
スgを排出する分解ガス排出口220Bを有するもので
あってもよい。
【0053】すなわち、前述のように本実施の形態のタ
ール分除去装置201のタール除去室203は、タール
分tを燃焼させる燃焼用酸素含有ガスm1の供給を受け
て、媒体粒子xに付着したタール分tを燃焼によって除
去するものであるが、ガス化剤用蒸気m2の供給を受け
て媒体粒子xに付着したタール分tをガス化剤用蒸気m
2によって熱分解加熱するものであってもよい。
【0054】タール除去室203の開口部219A近傍
における第2散気装置(不図示)からの燃焼用酸素含有
ガスm1(またはガス化剤用蒸気m2)の空塔速度を、
ガス冷却室202の開口部219A近傍における第1散
気装置(不図示)からの生成ガスbの空塔速度より大き
くすることにより、媒体粒子xを開口部219Aを通り
ガス冷却室202からタール除去室203に移動(FL
202)させることができる。また、ガス冷却室202
の開口部219B近傍における第1散気装置(不図示)
からの生成ガスbの空塔速度を、タール除去室203の
開口部219B近傍における第2散気装置(不図示)か
らの燃焼用酸素含有ガスm1(またはガス化剤用蒸気m
2)の空塔速度より大きくすることにより、媒体粒子x
を開口部219Bを通りタール除去室203からガス冷
却室202に移動(FL201)させることができる。
ガス冷却室202、タール除去室203間の媒体粒子x
の移動量、すなわち循環量を、これらの空塔速度すなわ
ち流動状態の差を大きくすることにより増加させ、差を
小さくすることにより減少させて調節することにより制
御が可能である。
【0055】本実施の形態のタール分除去装置201に
よれば、生成ガスbがタール除去室203で発生する燃
焼ガスu(またはタール除去室203にガス化剤用蒸気
m2を導入する場合は、分解ガスg)と混合しないの
で、生成ガスbを高品質に維持することが可能である。
【0056】図4(A)は、本発明による第4の実施の
形態に係るガス中のタール分の除去装置としてのタール
分除去装置301の構成を示すブロック図(立面図)で
ある。図4(B)は、図4(A)のZ4−Z4断面ブロ
ック図である。なお、図4(A)は、タール分除去装置
301が図に示すように複数の室に分割されていること
を模式的に表したものであり、分割された室、及び室を
分割する仕切壁の配置は平面断面ブロック図である図4
(B)に正確に示されている。例えば、開口部319B
は、図4(A)では仕切壁316に形成されているよう
に描かれていないが、実際には図4(B)に示すように
仕切壁316に形成されている。
【0057】本実施の形態のタール分除去装置301
は、容器としてのタール分除去装置本体301Aを含ん
で構成され、タール分除去装置本体301Aはガス冷却
室302と、タール除去室303と、粒子冷却室として
の媒体冷却室321とを有する。ガス冷却室302の底
部355には流動化ガスとしての生成ガスbを導入する
生成ガス導入口306が、タール除去室303の底部3
56には流動化ガスとしての燃焼用酸素含有ガスm1を
導入する燃焼用酸素含有ガス導入口314Aが形成され
ている。ガス冷却室302の天井部353には生成ガス
bを排出する生成ガス排出口307が、タール除去室3
03の天井部354には燃焼ガスuを排出する燃焼ガス
排出口320Aが形成されている。ガス冷却室302に
は、媒体粒子xによる第1流動層としての流動層310
が、タール除去室303には、媒体粒子xによる第2流
動層としての流動層315が形成されている。
【0058】図4(A)、(B)に示すタール分除去装
置301の構成要素は、その符号が300番台で示され
ているが、タール分除去装置201のその符号が200
番台で示されている構成要素に、それぞれ対応してい
る。例えば、ガス冷却室302は、ガス冷却室202に
対応する。したがって、特に相違点、または必要性のな
い限り、その説明は省略している。
【0059】以下、タール分除去装置301を、第3の
実施の形態のタール分除去装置201との相違点を中心
に説明する。本実施の形態のタール分除去装置301
は、媒体冷却室321が追加され、タール除去室303
との間に、仕切壁322が設けられ、仕切壁322がタ
ール除去室303と媒体冷却室321とを仕切る構造に
なっている。ガス冷却室302と、タール除去室303
と、媒体冷却室321との配置は、図4(B)に示すよ
うに、ほぼ一枚の平らな板形状の隔離壁としての仕切壁
316によってガス冷却室302と、タール除去室30
3が仕切られ、さらに同仕切壁316によってガス冷却
室302と、媒体冷却室321が仕切られ、仕切壁31
6に直角に配置された一枚の平らな板形状の仕切壁32
2によってタール除去室303と、媒体冷却室321が
仕切られる構造になっている。
【0060】仕切壁322の上方には第3導入口として
の開口部が形成されている。仕切壁322の高さは、タ
ール除去室303の流動層315、媒体冷却室321の
流動層369の高さにほぼ等しく形成され、仕切壁32
2の上方はフリーボード部323が形成されている。タ
ール除去室303でタール分tが除去された媒体粒子x
がフリーボード部323を通り仕切壁322を越えて媒
体冷却室321に移動する(FL303)ように構成さ
れている。
【0061】仕切壁316の下部に形成されている、タ
ール分除去装置301の前面壁359側の第2導入口と
しての開口部319Aを、低温の媒体粒子xによって冷
却された生成ガスb中のタール分tが凝縮して付着した
媒体粒子xが通り、ガス冷却室302の下部からからタ
ール除去室303の下部に移動する(FL302)。
【0062】タール除去室303は、タール分tを燃焼
させる燃焼用酸素含有ガスm1の供給を受けて、媒体粒
子xに付着したタール分tを燃焼によって除去するもの
であるが、ガス化剤用蒸気m2の供給を受けて媒体粒子
xに付着したタール分tをガス化剤用蒸気によって熱分
解ガス化するものであってもよい。タール除去室303
で燃焼により(熱分解ガス化による場合も同様)タール
分tが除去された媒体粒子xは、仕切壁322を越え
て、タール除去室303から媒体冷却室321に移動す
る(FL303)。
【0063】冷却用層内伝熱管311は、ガス冷却室3
02でなく、媒体冷却室321に取り付けられている。
よって、ガス冷却室302では、冷却用層内伝熱管31
1による生成ガスb、媒体粒子xの冷却は行われず、媒
体冷却室321で冷却されガス冷却室302に送り込ま
れた媒体粒子xによる生成ガスbの冷却が行われ、生成
ガスbに気相状態で含まれるタール分tの冷却が行われ
る。
【0064】媒体冷却室321の底部361には、冷却
用空気導入口325が形成され、媒体粒子xを冷却する
冷却媒体としての、あるいは流動化ガスとしての冷却用
空気aを冷却用空気導入口325から媒体冷却室321
に導入するよう構成されていている。媒体冷却室321
には流動化ガスである冷却用空気aが導入されるので媒
体粒子xによって第3流動層としての流動層369が形
成され、媒体粒子xは冷却用伝熱面311のみならず冷
却用空気aによっても冷却される。媒体冷却室321
を、媒体冷却室321の媒体粒子xが、冷却用空気aの
みにて冷却されるように構成してもよい。流動層369
は、一般的に言う循環流動層のような高速流動層ではな
く、濃厚層を有する流動層とする。
【0065】媒体冷却室321の天井部362に、冷却
媒体としての水wを噴霧する冷却水導入ノズル326を
設け、冷却水導入ノズル326より下方に水wを噴霧し
て媒体粒子xを冷却してもよい。
【0066】仕切壁316の下部に形成されている後面
壁360側の第1導入口としての開口部319Bを、媒
体冷却室321で冷却された媒体粒子xが通り、媒体冷
却室321の下部からガス冷却室302の下部に移動す
る(FL301)。
【0067】タール除去室303では、ガス化剤用蒸気
m2を導入し媒体粒子xに付着したタール分tの熱分解
ガス化を行ってもよく、燃焼用酸素含有ガス導入口31
4Aの代わりに、ガス化剤用蒸気m2の供給を受けるガ
ス化剤用蒸気導入口314Bを底部356に有し、ま
た、燃焼ガス排出口320Aの代わりに、ガス化剤用蒸
気m2によりタール分tが熱分解ガス化されることによ
り生成される分解ガスgを排出する分解ガス排出口32
0Bを有するものであってもよいのは勿論である。
【0068】本実施の形態のタール分除去装置301に
よれば、媒体粒子xを冷却する媒体冷却室321を設け
たので、媒体冷却室321で媒体粒子xを冷却用層内伝
熱管311、冷却用空気aによって、あるいは水wを噴
霧し、冷却して低温としガス冷却室302に移動(FL
301)させ、ガス冷却室302で生成ガスbと低温媒
体粒子xとの直接熱交換によって生成ガスbを冷却する
ことが可能となり、還元雰囲気であり伝熱管の腐食が進
行しやすいガス冷却室302内に冷却用層内伝熱管31
1を設置する必要がなくなる。また、媒体冷却室321
を沈降移動層とし、緩慢な流動状態とすることができ、
伝熱管の摩耗による悪影響を緩和できる。
【0069】媒体冷却室321における媒体粒子xの冷
却手段は、冷却用層内伝熱管による伝熱面を介した熱交
換、低温の流動化ガスによる直接熱交換、流動化ガス以
外の冷却媒体を直接媒体冷却室321に噴霧するものの
いずれかのみであってもよく、またこれらを組み合わせ
たものであってもよい。
【0070】本発明のタール分除去装置は、上述のター
ル分除去装置301において、第3導入口としての開口
部が、第1流動層310の中央より鉛直方向上方に配置
されていてもよい。このように構成すると、低温の粒子
xを第1流動層310の中央より鉛直方向上方に戻すこ
とにより、ガス冷却室302の第1流動層310の層容
積全体を広く使ってガスbを冷却することが可能とな
り、ガスbが第1流動層310下部から導入された直後
に直接冷却された粒子xと接することに起因する急激な
冷却による局部的なタール分発生の問題を回避できる。
【0071】図5(A)は、本発明による第5の実施の
形態に係るガス中のタール分の除去装置としてのタール
分除去装置401の構成を示すブロック図(立面図)で
ある。図5(B)は、図5(A)のZ5−Z5断面ブロ
ック図である。なお、図5(A)は、タール分除去装置
401が図に示すように複数の室に分割されていること
を模式的に表したものであり、分割された室、及び室を
分割する仕切壁の配置は平面断面ブロック図である図5
(B)に正確に示されている。
【0072】本実施の形態のタール分除去装置401
は、タール分除去装置本体401Aを含んで構成され、
タール分除去装置本体401Aは、ガス冷却室402
と、タール除去室403と、媒体冷却室421とを有す
る。ガス冷却室402の底部455には流動化ガスとし
ての生成ガスbを導入する生成ガス導入口406が、タ
ール除去室403の底部456には流動化ガスとしての
燃焼用酸素含有ガスm1を導入する燃焼用酸素含有ガス
導入口414Aが形成されている。燃焼用酸素含有ガス
m1は、典型的には空気であり、または残酸素分を含む
燃焼排ガスm1(図8参照)でもよい。ガス冷却室40
2の天井部453には生成ガスbを排出する生成ガス排
出口407が、タール除去室403の天井部454には
燃焼ガスuを排出する燃焼ガス排出口420Aが形成さ
れている。ガス冷却室402には、媒体粒子xによる流
動層410が、タール除去室403には、媒体粒子xに
よる流動層415が形成されている。
【0073】図5(A)、(B)に示すタール分除去装
置401の構成要素は、その符号が400番台で示され
ているが、タール分除去装置301のその符号が300
番台で示されている構成要素に、それぞれ対応してい
る。例えば、ガス冷却室402は、ガス冷却室302に
対応する。したがって、特に相違点、または必要性のな
い限り、説明は省略している。
【0074】以下、本実施の形態のタール分除去装置4
01を、第4の実施の形態のタール分除去装置301と
の相違点を中心に説明する。本実施の形態のタール分除
去装置401は、媒体冷却室421が仕切壁427を有
し、仕切壁427が媒体冷却室421を粒子冷却小室と
しての第1媒体冷却小室421Aと粒子冷却小室として
の第2媒体冷却小室421Bとに分割する。
【0075】第1媒体冷却小室421Aには、冷却用層
内伝熱管411が設置されている。第1媒体冷却小室4
21Aの底部461Aには、流動化ガスとしての冷却用
空気aを導入する冷却用空気導入口425Aが形成さ
れ、第2媒体冷却小室421Bの底部461Bには、流
動化ガスとしての冷却用空気aを導入する冷却用空気導
入口425Bが形成され、第1媒体冷却小室421Aと
第2媒体冷却小室421Bとにそれぞれ媒体粒子xによ
って流動層469A、B(濃厚層を有する流動層)が形
成される。なお、第2媒体冷却小室421には、水を媒
体粒子xに噴霧して媒体粒子xを冷却する冷却水導入ノ
ズルは、設けられていない。
【0076】仕切壁427の上方にはフリーボード部4
28が形成され、仕切壁427の下部には開口部429
が形成されている。開口部429を通り媒体粒子xが第
1媒体冷却小室421Aから第2媒体冷却小室421B
に移動(FL404)し、仕切壁427を越えてフリー
ボード部428を通り媒体粒子xが第2媒体冷却小室4
21Bから第1媒体冷却小室421Aに移動(FL40
5)する。本実施の形態のタール分除去装置401は、
他の点は前述のタール分除去装置301と同じである。
【0077】タール分除去装置401内の他の媒体粒子
xの流れは、次の通りである。仕切壁422の上方には
フリーボード部423が形成され、タール除去室403
でタール分tが除去された媒体粒子xが、フリーボード
部423を通り仕切壁422を越えて、第2媒体冷却小
室421Bに移動する(FL403)。
【0078】ガス冷却室402で低温の媒体粒子xによ
って冷却された生成ガスb中のタール分tが凝縮して媒
体粒子xに付着するが、タール分tが付着した媒体粒子
xは仕切壁416の下部に形成されている開口部419
Aを通り、ガス冷却室402の下部からからタール除去
室403の下部に移動する(FL402)。
【0079】第1媒体冷却小室421Aで冷却された媒
体粒子xを含む媒体粒子xが、仕切壁416の下方に形
成されている開口部419Bを通り、第2媒体冷却小室
421Bの下部から媒体冷却室421の下部に移動する
(FL401)。
【0080】本実施の形態のタール分除去装置401で
は、媒体冷却室421を第1媒体冷却小室421Aと第
2媒体冷却小室421Bの二つ(三つ以上に分割するも
のであってもよい)に分割している。分割された第1媒
体冷却小室421Aと第2媒体冷却小室421Bは、第
2媒体冷却小室421Bのように、主としてタール除去
室403から媒体冷却室421へ(FL403)、媒体
冷却室421からガス冷却室402へ(FL401)、
ガス冷却室402からタール除去室403へ(FL40
2)と流れる媒体粒子循環流の主流(主循環流)が通過
する流路としての小室と、第1媒体冷却小室421Aの
ように、主として媒体粒子xを冷却する小室とに、機能
上も分けられ、これらの二つの機能を有する小室間にお
いて媒体粒子が主循環流とは別の循環流(小循環流)
(図では、FL404、FL405)を形成させる。
【0081】小循環流の流量を調節することによって、
主循環流の流量に関わらず媒体冷却室421からガス冷
却室402へ移動する媒体粒子xの温度を制御すること
が可能となる。よって、タール分除去装置401に導入
される生成ガスbの温度、流量、含まれるタールの性状
に適した媒体粒子xの温度とすることができる。
【0082】図6(A)は、本発明による第6の実施の
形態に係るガス中のタール分の除去装置としてのタール
分除去装置501の構成を示すブロック図(立面図)で
ある。図6(B)は、図6(A)のZ6−Z6断面ブロ
ック図である。なお、図6(A)は、タール分除去装置
501が図に示すように複数の室に分割されていること
を模式的に表したものであり、分割された室、及び室を
分割する仕切壁の配置は平面断面ブロック図である図6
(B)に正確に示されている。
【0083】図6(A)、(B)に示すタール分除去装
置501の構成要素は、その符号が500番台で示され
ているが、タール分除去装置401のその符号が400
番台で示されている構成要素に、それぞれ対応してい
る。例えば、ガス冷却室502は、ガス冷却室402に
対応する。したがって、特に相違点、または必要性のな
い限り、その説明は省略している。
【0084】本実施の形態のタール分除去装置501
を、第5の実施の形態のタール分除去装置401との相
違点を中心に説明する。本実施の形態のタール分除去装
置501のタール分除去装置本体501Aには、媒体上
昇室530が追加されている。仕切壁516の開口部5
19Bを囲うように仕切壁531が設けられ、仕切壁5
31がガス冷却室502と媒体上昇室530とを仕切っ
ている。
【0085】仕切壁531の上方にはフリーボード部5
32が形成されている。媒体上昇室530の底部563
には流動化ガスとしての蒸気sを導入する蒸気導入口5
33が形成されている。媒体上昇室530には蒸気導入
口533から蒸気sが導入され、媒体粒子によって流動
層(濃厚層を有する流動層)が形成される。
【0086】仕切壁516の開口部519Bから媒体上
昇室530に移動(FL501)した媒体粒子xは、仕
切壁531を越えてフリーボード部532を通り、媒体
上昇室530からガス冷却室502に移動(FL50
6)する。
【0087】本実施の形態のタール分除去装置501
は、媒体冷却室521によって冷却された媒体粒子xが
ガス冷却室502に戻る際に、ガス冷却室502の層下
部(例えば、仕切壁の下部に形成された開口部)から戻
ると、ガス冷却室502の層下部の層温が低くなり、生
成ガスbが底部555に形成された生成ガス導入口50
6からガス冷却室502に入ると直ぐに急激に冷却され
て、局部的にタールの凝縮量が多くなり、媒体粒子xの
流動不良の原因となる可能性がある。低温の媒体粒子x
をガス冷却室502の層上部に仕切壁531を越えて戻
すことにより、ガス冷却室502の層容積を広く使って
生成ガスbを冷却することが可能となり、生成ガスbの
急激な冷却による局部的なタール発生の問題を回避する
ことができる。
【0088】図7は、本発明による第7の実施の形態に
係るタール分除去装置1(図1参照)のタール除去部3
を含むタール除去システム41の構成を示すブロック図
である。
【0089】タール除去システム41は、タール除去部
3と、加熱用電熱コイル51が設置されたタール・溶剤
分離装置42と、冷却伝熱面52が設置されたコンデン
サ43と、溶剤タンク44とを含んで構成される。ター
ル除去部3は、媒体粒子導入口12が形成された媒体粒
子導入部45と、内部に設置され攪拌翼(パドル)46
が取り付けられた攪拌軸47と、攪拌軸47を回転させ
る回転駆動機としてのモータ48と、媒体粒子排出口1
3が形成された媒体粒子排出部49と、媒体粒子排出口
13に接続された媒体粒子排出弁50と、タール除去剤
導入口としての溶剤導入口14とを含んで構成される。
【0090】媒体粒子導入口12は、第1搬送部4(図
1参照)に接続され、タール分tが付着した媒体粒子x
が媒体粒子導入口12からタール除去部3に導入され
る。溶剤タンク44は、溶剤導入口14に接続され、溶
剤タンク44から溶剤m3がタール除去部3に供給され
る。タール除去部3にタール分tが付着した媒体粒子x
と溶剤m3が供給された後、攪拌軸47がモータ48に
よって回転され、媒体粒子xと溶剤m3が攪拌翼46に
より攪拌されタール分tが溶剤m3に溶け込み、媒体粒
子xからタール分tが除去される。
【0091】タール・溶剤分離装置42には、タール除
去部3に接続され、タール分tが溶解した溶剤m3が送
り込まれる。タール分tが溶解した溶剤m3は、タール
・溶剤分離装置42で加熱用電熱コイル51により加熱
され、溶剤m3が蒸発する。タール・溶剤分離装置42
には、コンデンサ43が接続され、蒸発した溶剤m3は
コンデンサ43に導かれ、コンデンサ43において冷却
伝熱面52によって冷却され凝縮し、凝縮した溶剤m3
は溶剤タンク44に戻される。タール・溶剤分離装置4
2に残留したタール分tは装置外に排出される。
【0092】タール分tが除去された媒体粒子xは、媒
体粒子排出弁50を閉から開にすることにより媒体粒子
排出部49の媒体粒子排出口13より媒体粒子排出弁5
0に接続された第2搬送部5(図1参照)に送られ、第
2搬送部5からガス冷却部2(図1参照)に送られ再利
用される。
【0093】本タール除去システム41により、タール
分tが付着した媒体粒子xから溶剤m3によってタール
分tを効率よく除去し、タール分tが溶解した溶剤m3
からタール分tを分離し、溶剤m3を再利用することが
できる。
【0094】図8は、本発明による第4の実施の形態に
係るガス中のタール分の除去装置としてのタール分除去
装置301と、被処理ガスとしての生成ガスbを発生す
る統合型ガス化炉701とを含んで構成される生成ガス
発生システム1001を示すブロック図である。図に示
すタール分除去装置301のタール除去室303では、
燃焼によってタール分tが除去される。
【0095】ここで図8を参照して統合型ガス化炉70
1について説明する。本統合型ガス化炉701は、熱分
解即ちガス化、チャー燃焼、熱回収の3つの機能をそれ
ぞれ担当するガス化室601、チャー燃焼室602、熱
回収室603を備え、例えば全体が円筒形または矩形を
成した炉体内に収納されている。ガス化室601、チャ
ー燃焼室602、熱回収室603は仕切壁611、61
2、613、614、615で分割されており、それぞ
れの底部に流動媒体を含む濃厚層である流動床が形成さ
れる。各室の流動床、即ちガス化室流動床、チャー燃焼
室流動床、熱回収室流動床の流動媒体を流動させるため
に、各室601、602、603の底である炉底には、
流動媒体中に流動化ガスg1、g2を吹き込む散気装置
が設けられている。散気装置は炉底部に敷かれた例えば
多孔板を含んで構成され、該多孔板を広さ方向に区分し
て複数の部屋に分割されており、各室内の各部の空塔速
度を変えるために、散気装置の各部屋から多孔板を通し
て吹き出す流動化ガスg1、g2の流速を変化させるよ
うに構成している。空塔速度が室の各部で相対的に異な
るので各室内の流動媒体も室の各部で流動状態が異な
り、そのため内部旋回流が形成される。また室の各部で
流動状態が異なるところから、内部旋回流は、炉内の各
室を循環する。図中、散気装置に示すハッチン付き矢印
の大きさは、吹き出される流動化ガスg1、g2の流速
を示している。例えば602bで示す箇所の太い矢印
は、602aで示す箇所の細い矢印よりも流速が大き
い。
【0096】ガス化室601とチャー燃焼室602の間
は仕切壁611及び仕切壁615で仕切られ、チャー燃
焼室602と熱回収室603の間は仕切壁612で仕切
られ、ガス化室601と熱回収室603の間は仕切壁6
13で仕切られている(なお本図は、炉を平面的に展開
して図示しているため、仕切壁611はガス化室601
とチャー燃焼室602の間にはないかのように、また仕
切壁613はガス化室601と熱回収室603の間には
ないかのように示されている)。即ち、統合型ガス化炉
701は、各室が別々の炉として構成されておらず、一
つの炉として一体に構成されている。さらに、チャー燃
焼室602のガス化室601と接する面の近傍には、流
動媒体が下降するべく沈降チャー燃焼室604を設け
る。即ち、チャー燃焼室602は沈降チャー燃焼室60
4と沈降チャー燃焼室604以外のチャー燃焼室本体部
とに分かれる。このため、沈降チャー燃焼室604をチ
ャー燃焼室2の他の部分(チャー燃焼室本体部)と仕切
るための仕切壁614が設けられている。また沈降チャ
ー燃焼室604とガス化室601は、仕切壁615で仕
切られている。
【0097】ここで、流動床と界面について説明する。
流動床は、その鉛直方向下方部にある、流動化ガスg
1、g2により流動状態に置かれている流動媒体(例え
ば珪砂)を濃厚に含む濃厚層と、その濃厚層の鉛直方向
上方部にある流動媒体と多量のガスが共存し、流動媒体
が勢いよくはねあがっているスプラッシュゾーンとから
なる。流動床の上方即ちスプラッシュゾーンの上方には
流動媒体をほとんど含まずガスを主体とするフリーボー
ド部がある。界面は、ある厚さをもった前記スプラッシ
ュゾーンをいうが、またスプラッシュゾーンの上面と下
面(濃厚層の上面)との中間にある仮想的な面ととらえ
てもよい。
【0098】また「流動床の界面より鉛直方向上方にお
いてはガスの流通がないように仕切壁により仕切られ」
というとき、さらに界面より下方の濃厚層の上面より上
方においてガスの流通がないようにするのが好ましい。
【0099】ガス化室601とチャー燃焼室602の間
の仕切壁611は、炉の天井619から炉底(散気装置
の多孔板)に向かってほぼ全面的に仕切っているが、下
端は炉底に接することはなく、炉底近傍に第2の開口部
621がある。但しこの開口部621の上端が、ガス化
室流動床界面、チャー燃焼室流動床界面のいずれの界面
よりも上部にまで達することはない。さらに好ましく
は、開口部621の上端が、ガス化室流動床の濃厚層の
上面、チャー燃焼室流動床の濃厚層の上面のいずれより
も上部にまで達することはないようにする。言い換えれ
ば、開口部621は、常に濃厚層に潜っているように構
成するのが好ましい。即ち、ガス化室601とチャー燃
焼室602とは、少なくともフリーボード部において
は、さらに言えば界面より上方においては、さらに好ま
しくは濃厚層の上面より上方ではガスの流通がないよう
に仕切壁により仕切られていることになる。
【0100】またチャー燃焼室602と熱回収室603
の間の仕切壁612はその上端が界面近傍、即ち濃厚層
の上面よりは上方であるが、スプラッシュゾーンの上面
よりは下方に位置しており、仕切壁612の下端は炉底
近傍までであり、仕切壁611と同様に下端が炉底に接
することはなく、炉底近傍に濃厚層の上面より上方に達
することのない開口622がある。言い換えれば、チャ
ー燃焼室602と熱回収室603の間は流動層部のみ仕
切壁612で仕切られており、その仕切壁612の炉床
面近傍には開口部622を有し、チャー燃焼室602の
流動媒体は仕切壁612の上部から熱回収室603に流
入し、仕切壁612の炉床面近傍の開口部622を通じ
て再びチャー燃焼室602に戻る循環流を有するように
構成されている。
【0101】ガス化室601と熱回収室603の間の仕
切壁613は炉底から炉の天井にわたって完全に仕切っ
ている。沈降チャー燃焼室604を設けるべくチャー燃
焼室602内を仕切る仕切壁614の上端は流動床の界
面近傍で、下端は炉底に接している。仕切壁614の上
端と流動床との関係は、仕切壁612と流動床との関係
と同様である。沈降チャー燃焼室604とガス化室60
1を仕切る仕切壁615は、仕切壁611と同様であ
り、炉の天井から炉底に向かってほぼ全面的に仕切って
おり、下端は炉底に接することはなく、炉底近傍に第1
の開口部625があり、この開口の上端が濃厚層の上面
より下にある。即ち、第1の開口部625と流動床の関
係は、開口部621と流動床の関係と同様である。
【0102】ガス化室1に投入されたガス化原料kは流
動媒体c1から熱を受け、熱分解、ガス化される。典型
的には、ガス化原料kはガス化室1では燃焼せず、いわ
ゆる乾留される。残った乾溜チャーhは流動媒体c1と
共に仕切壁611の下部にある開口部621からチャー
燃焼室602に流入する。このようにしてガス化室60
1から導入されたチャーhはチャー燃焼室602で燃焼
して流動媒体cを加熱する。チャー燃焼室602でチャ
ーhの燃焼熱によって加熱された流動媒体c2は仕切壁
612の上端を越えて熱回収室603に流入し、熱回収
室603内で界面よりも下方にあるように配設された層
内伝熱管641で収熱され、冷却された後、再び仕切壁
612の下部開口622を通ってチャー燃焼室602に
流入する。
【0103】ここで、熱回収室603は統合型ガス化炉
701において必須ではない。即ち、ガス化室601で
主として揮発成分がガス化した後に残る主としてカーボ
ンからなるチャーhの量と、チャー燃焼室602で流動
媒体c2を加熱するのに必要とされるチャーの量がほぼ
等しければ、流動媒体から熱を奪うことになる熱回収室
603は不要である。また前記チャーの量の差が小さけ
れば、例えば、ガス化室601でのガス化温度が高目に
なり、ガス化室601で発生するCOガスの量が増える
という形で、バランス状態が保たれる。
【0104】しかしながら図8に示すように熱回収室6
03を備える場合は、チャーの発生量の大きい石炭か
ら、ほとんどチャーを発生させない都市ゴミまで、幅広
く多種類の廃棄物または燃料に対応することができる。
即ち、どのような廃棄物または燃料であっても、熱回収
室603における熱回収量を加減することにより、チャ
ー燃焼室602の燃焼温度を適切に調節し、流動媒体の
温度を適切に保つことができる。
【0105】一方チャー燃焼室602で加熱された流動
媒体c2は仕切壁614の上端を越えて沈降チャー燃焼
室604に流入し、次いで仕切壁615の下部にある開
口部625からガス化室601に流入する。
【0106】ここで、各室間の流動媒体の流動状態及び
移動について説明する。ガス化室601の内部で沈降チ
ャー燃焼室604との間の仕切壁615に接する面の近
傍は、沈降チャー燃焼室604の流動化と比べて強い流
動化状態が維持される強流動化域601bになってい
る。全体としては投入された燃料と流動媒体の混合拡散
が促進される様に、場所によって流動化ガスg1の空塔
速度を変化させるのがよく、一例として図8に示したよ
うに強流動化域601bの他に弱流動化域1aを設けて
旋回流を形成させるようにする。
【0107】チャー燃焼室602は中央部に弱流動化域
602a、周辺部に強流動化域602bを有し、流動媒
体およびチャーが内部旋回流を形成している。ガス化室
601、チャー燃焼室602内の強流動化域の流動化速
度は5Umf以上、弱流動化域の流動化速度は5Umf以下と
するのが好適であるが、弱流動化域と強流動化域に相対
的な明確な差を設ければ、この範囲を超えても特に差し
支えはない。チャー燃焼室602内の熱回収室603、
および沈降チャー燃焼室604に接する部分には強流動
化域602bを配するようにするのがよい。また必要に
応じて炉底には弱流動化域側から強流動化域側に下るよ
うな勾配を設けるのがよい(不図示)。ここで、Umfと
は最低流動化速度(流動化が開始される速度)を1Umf
とした単位である。即ち、5Umfは最低流動化速度の5
倍の速度である。
【0108】このように、チャー燃焼室602と熱回収
室603との仕切壁612近傍のチャー燃焼室側の流動
化状態を熱回収室603側の流動化状態よりも相対的に
強い流動化状態に保つことによって、流動媒体は仕切壁
612の流動床の界面近傍にある上端を越えてチャー燃
焼室602側から熱回収室603の側に流入し、流入し
た流動媒体は熱回収室603内の相対的に弱い流動化状
態即ち高密度状態のために下方(炉底方向)に移動し、
仕切壁612の炉底近傍にある下端(の開口622)を
くぐって熱回収室603側からチャー燃焼室602の側
に移動する。
【0109】同様に、チャー燃焼室602の本体部と沈
降チャー燃焼室604との仕切壁614近傍のチャー燃
焼室本体部側の流動化状態を沈降チャー燃焼室604側
の流動化状態よりも相対的に強い流動化状態に保つこと
によって、流動媒体は仕切壁614の流動床の界面近傍
にある上端を越えてチャー燃焼室602本体部の側から
沈降チャー燃焼室604の側に移動流入する。沈降チャ
ー燃焼室604の側に流入した流動媒体は、沈降チャー
燃焼室604内の相対的に弱い流動化状態即ち高密度状
態のために下方(炉底方向)に移動し、仕切壁615の
炉底近傍にある下端(の開口625)をくぐって沈降チ
ャー燃焼室604側からガス化室601側に移動する。
なおここで、ガス化室601と沈降チャー燃焼室604
との仕切壁615近傍のガス化室601側の流動化状態
は沈降チャー燃焼室604側の流動化状態よりも相対的
に強い流動化状態に保たれている。これにより流動媒体
の沈降チャー燃焼室604からガス化室601への移動
を誘引作用により助ける。
【0110】同様に、ガス化室601とチャー燃焼室6
02との間の仕切壁611近傍のチャー燃焼室602側
の流動化状態はガス化室601側の流動化状態よりも相
対的に強い流動化状態に保たれている。したがって、流
動媒体は仕切壁611の流動床の界面より下方、好まし
くは濃厚層の上面よりも下方にある(濃厚層に潜った)
開口621を通してチャー燃焼室602の側に流入す
る。
【0111】熱回収室603は全体が均等に流動化さ
れ、通常は最大でも熱回収室に接したチャー燃焼室60
2の流動化状態より弱い流動化状態となるように維持さ
れる。したがって、熱回収室603の流動化ガスg2の
空塔速度は0〜3Umfの間で制御され、流動媒体は緩や
かに流動しながら沈降流動層を形成する。なおここで0
Umfとは、流動化ガスg2が止まった状態である。この
ような状態にすれば、熱回収室603での熱回収を最小
にすることができる。すなわち、熱回収室603は流動
媒体の流動化状態を変化させることによって回収熱量を
最大から最小の範囲で任意に調節することができる。ま
た、熱回収室603では、流動化を室全体で一様に発停
あるいは強弱を調節してもよいが、その一部の領域の流
動化を停止し他を流動化状態に置くこともできるし、そ
の一部の領域の流動化状態の強弱を調節してもよい。
【0112】ガス化原料中に含まれる比較的大きな不燃
物はガス化室601の炉底に設けた不燃物排出口633
から排出する。また、各室の炉底面は水平でもよいが、
流動媒体の流れの滞留部を作らないようにするために、
炉底近傍の流動媒体の流れにしたがって、炉底を傾斜さ
せてもよい。なお、不燃物排出口633は、ガス化室6
01の炉底だけでなく、チャー燃焼室602あるいは熱
回収室603の炉底に設けてもよい。
【0113】ガス化室601の流動化ガスg1として最
も好ましいのは生成ガスbを昇圧してリサイクル使用す
ることである。このようにすればガス化室601から出
るガスは純粋に燃料から発生したガスのみとなり、非常
に高品質のガスを得ることができる。それが不可能な場
合は水蒸気、炭酸ガス(CO)あるいはチャー燃焼室
602から得られる燃焼ガス等、できるだけ酸素を含ま
ないガス(無酸素ガス)を用いるのがよい。ガス化の際
の吸熱反応によって流動媒体の層温が低下する場合は、
必要に応じて熱分解温度より温度の高い燃焼ガスを供給
するか、あるいは無酸素ガスに加えて、酸素もしくは酸
素を含むガス、例えば空気を供給して生成ガスの一部を
燃焼させるようにしてもよい。チャー燃焼室602に供
給する流動化ガスg2は、チャー燃焼に必要な酸素を含
むガス(酸素含有ガス)、例えば空気、酸素と水蒸気の
混合ガスを供給する。燃料kの発熱量(カロリー)が低
い場合は、酸素量を多くする方が好ましく、酸素をその
まま供給する。また熱回収室603に供給する流動化ガ
スg2は、空気、水蒸気、燃焼ガス等を用いる。
【0114】ガス化室601とチャー燃焼室602の流
動床の上面(スプラッシュゾーンの上面)より上方の部
分すなわちフリーボード部は完全に仕切壁611、61
5で仕切られている。さらに言えば、流動床の濃厚層の
上面より上方の部分すなわちスプラッシュゾーン及びフ
リーボード部は完全に仕切壁で仕切られているので、チ
ャー燃焼室602とガス化室601のそれぞれのフリー
ボード部の圧力のバランスが多少乱れても、双方の流動
層の界面の位置の差、あるいは濃厚層の上面の位置の
差、即ち層高差が多少変化するだけで乱れを吸収するこ
とができる。即ち、ガス化室601とチャー燃焼室60
2とは、仕切壁611、615で仕切られているので、
それぞれの室の圧力が変動しても、この圧力差は層高差
で吸収でき、どちらかの層が開口621、625の上端
に下降するまで吸収可能である。したがって、層高差で
吸収できるチャー燃焼室602とガス化室601のフリ
ーボードの圧力差の上限値は、互いを仕切る仕切壁61
1、615の下部の開口621、625の上端からの、
ガス化室流動床のヘッドと、チャー燃焼室流動床のヘッ
ドとのヘッド差にほぼ等しい。
【0115】以上説明した統合型ガス化炉701では、
一つの流動床炉の内部に、ガス化室、チャー燃焼室、熱
回収室の3つを、それぞれ隔壁を介して設け、さらにチ
ャー燃焼室とガス化室、チャー燃焼室と熱回収室はそれ
ぞれ隣接して設けられている。この統合型ガス化炉70
1は、チャー燃焼室とガス化室間に大量の流動媒体循環
を可能にしているので、流動媒体の顕熱だけでガス化の
ための熱量を充分に供給できる。
【0116】さらに以上の統合型ガス化炉701では、
チャー燃焼ガスと生成ガスの間のシールが完全にされる
ので、ガス化室601とチャー燃焼室602の圧力バラ
ンス制御がうまくなされ、燃焼ガスと生成ガスが混ざる
ことがなく、生成ガスの性状を低下させることもない。
【0117】また、熱媒体としての流動媒体c1とチャ
ーhはガス化室601側からチャー燃焼室602側に流
入するようになっており、さらに同量の流動媒体c2が
チャー燃焼室602側からガス化室1側に戻るように構
成されているので、自然にマスバランスがとれ、流動媒
体をチャー燃焼室602側からガス化室601側に戻す
ために、コンベヤ等を用いて機械的に搬送する必要もな
く、高温粒子のハンドリングの困難さ、顕熱ロスが多い
といった問題もない。
【0118】ガス化室601の天井619に、ガス化室
601で生成された生成ガスbを排出する排出口671
が形成されている。排出口671から排出された生成ガ
スbは、ガス化室601外に配置されたサイクロンセパ
レータ672に導かれる。サイクロンセパレータ672
によって生成ガスb中の粒子c等が除去される。生成ガ
スb中の気相状態のタール分tはサイクロンセパレータ
672によっては除去されない。気相状態のタール分t
を含む生成ガスbは、タール分除去装置301の生成ガ
ス導入口306からガスとしてガス冷却室302に導入
される。生成ガスb中に含まれる気相状態のタール分t
は、前述のようにタール分除去装置301によって除去
される。サイクロンセパレータ672によって除去され
た生成ガスb中の粒子c等は、チャー燃焼室602に導
かれ、粒子c中の可燃成分が燃焼される。
【0119】チャー燃焼室602の天井619に、チャ
ー燃焼室602で生成された残酸素分を含む燃焼排ガス
m1を排出する排出口673が形成されている。排出口
673から排出された燃焼排ガスm1は、チャー燃焼室
602外に配置されたサイクロンセパレータ674に導
かれ、サイクロンセパレータ674によって燃焼排ガス
m1中の灰等が除去される。灰等が除去された燃焼排ガ
スm1に含まれる残酸素量が不足する場合には、空気が
混合される。空気が混合された燃焼排ガスm1は、ター
ル分除去装置301の燃焼用酸素含有ガス導入口314
Aから燃焼用酸素含有ガスとしてタール除去室303に
導入される。
【0120】統合型ガス化炉701から発生する生成ガ
スbを、本発明のタール分除去装置301に被処理ガス
として導入して、ガス冷却室302にて冷却を行う。そ
の際に発生する凝縮タール分tを媒体粒子xに付着させ
媒体粒子xの内部循環流と共に、タール除去室303へ
連続的に移送し、生成ガスb中から分離する。
【0121】タール除去室303においては、底部35
6の燃焼用酸素含有ガス導入口314Aからタールを燃
焼させる(かつ流動化させる)酸素含有ガスm1とし
て、統合型ガス化炉701のチャー燃焼室602から排
出される高温の燃焼排ガスm1を供給する。このよう
に、高温の酸素含有ガスm1をタール除去室303に供
給することにより、タール除去室303を高温に維持す
ることが容易になり、より効率的にかつ安全にタール分
tを燃焼させることが可能となる。燃焼排ガスm1に含
まれる残酸素量がタール分tの燃焼、除去に対し少ない
場合は、統合型ガス化炉701のチャー燃焼室602か
ら排出された後、タール分除去装置301のタール除去
室303に導入されるまでの間で空気等の酸素含有ガス
を付加し、燃焼排ガスm1中の酸素含有量を増加させて
もよい。
【0122】統合型ガス化炉701から出る生成ガス
b、および燃焼排ガスm1は、それぞれタール分除去装
置301に導入される以前にサイクロンセパレータ67
2、674等の集塵装置によりガス中粒子等が除去され
る。生成ガスb中から除去される粒子cは未燃分を多く
含むためサイクロンセパレータ672から排出された後
に統合型ガス化炉701のチャー燃焼室602に導入さ
れる。燃焼排ガスm1中から除去される灰等の粒子は通
常そのまま系外に排出される。しかし、未燃分の残量に
よっては、再度チャー燃焼室602に戻した方がよい場
合もあり得る。
【0123】タール分除去装置301の媒体冷却室32
1の流動化ガスには、特に加熱をされない常温の空気等
を用いる。その理由は、媒体冷却室321において、冷
却用の伝熱面としての層内伝熱管311を介した熱交換
による媒体冷却効果に、さらに冷却空気との直接熱交換
による冷却効果も加わり、効率的に媒体粒子xの冷却を
行えるからである。
【0124】本実施の形態の生成ガス発生システム10
01によれば、生成ガスb中に気相状態で含まれるター
ル分tを除去するために生成ガスbを1200〜130
0℃以上の高温にしてタール分tを分解させる必要がな
いので、プロセスの高温化対策が不要であり、熱ロスを
防ぐことができ、生成ガスb中に気相状態で含まれるタ
ール分tを除去することができ、品質の高い生成ガスb
を生成することができる。
【0125】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、粒子を充
填し、ガスを流通させる容器と、ガスまたは粒子を冷却
する冷却部とを備えるので、容器内に充填した粒子を冷
却部で冷却し、容器内を流通するガスを、冷却した粒子
で冷却し、または容器内を流通するガスを冷却部で冷却
し、冷却されたガスよりタール分を凝縮させることがで
きる。容器内には、粒子が充填されているので、凝縮し
たタール分は粒子に付着し、タール分が付着した粒子を
排出手段で容器外に排出することができる。供給手段で
タール分が未付着の粒子を容器内に供給することができ
るので、容器内に、排出した量と同じ量の粒子を供給す
ると、粒子は容器内に充填され続け、連続してガス中の
タール分を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による第1の実施の形態に係る
タール分除去装置の構成を示すブロック図(立面図)で
ある。
【図2】図2は、本発明による第2の実施の形態に係る
タール分除去装置の構成を示すブロック図(立面図)で
ある。
【図3】図3(A)は、本発明による第3の実施の形態
に係るタール分除去装置の構成を示すブロック図(立面
図)である。図3(B)は、Z3−Z3断面ブロック図
である。
【図4】図4(A)は、本発明による第4の実施の形態
に係るタール分除去装置の構成を示すブロック図(立面
図)である。図4(B)は、Z4−Z4断面ブロック図
である。
【図5】図5(A)は、本発明による第5の実施の形態
に係るタール分除去装置の構成を示すブロック図(立面
図)である。図5(B)は、Z5−Z5断面ブロック図
である。
【図6】図6(A)は、本発明による第6の実施の形態
に係るタール分除去装置の構成を示すブロック図(立面
図)である。図6(B)は、Z6−Z6断面ブロック図
である。
【図7】図7は、本発明による第7の実施の形態に係る
タール分除去装置のタール除去部の構成を示すブロック
図である。
【図8】図8は、本発明による第4の実施の形態に係る
タール分除去装置と、生成ガスを発生する統合型ガス化
炉とを含んで構成される生成ガス発生システムを示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 タール分除去装置 2 ガス冷却部 3 タール除去部 4 第1搬送部 5 第2搬送部 6、106、306 生成ガス導入口 7、107、307 生成ガス排出口 8 媒体粒子導入口 9 媒体粒子排出口 10 充填層 11、111、311 冷却用層内伝熱管 12 媒体粒子導入口 13 媒体粒子排出口 14 タール除去剤導入口 41 タール除去部本体 42 タール・溶剤分離装置 43 コンデンサ 44 溶剤タンク 101、201、301 タール分除去装置 102、202、302 ガス冷却室 103、203、303 タール除去室 110、115、210、215、310、315、3
69 流動層(充填層) 114、214B、314B ガス化剤用蒸気導入口 116、216、316、322 仕切壁 118、119、219A、219B、319A、31
9B、323、324開口部 214A、314A 燃焼用酸素含有ガス導入口 220A、320A 燃焼ガス排出口 220B、320B 分解ガス排出口 321 媒体冷却室 325 冷却用空気導入口 326 冷却水導入ノズル a 冷却用空気 b 生成ガス m1 酸素含有ガス(燃焼排ガス) m2 ガス化剤用蒸気 s 蒸気 u 燃焼ガス x 媒体粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 両角 文明 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 4D076 BE01 BE03 CB02 CB03 CB07 CB08 4G070 AA01 AB05 BB11 CA13 CA25 CB01 CB19 DA21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子を充填し、ガスを流通させる容器
    と;前記ガスまたは前記粒子を冷却する冷却部とを備
    え;前記容器は、前記冷却されたガスより凝縮するター
    ル分が付着した前記粒子を前記容器外に排出する排出手
    段と、タール分が未付着の粒子を前記容器内に供給する
    供給手段とを有する;ガス中のタール分の除去装置。
  2. 【請求項2】 前記排出された粒子からタール分を除去
    するタール除去部を備え;前記供給手段は、前記タール
    分が除去された粒子を前記タール分が未付着の粒子とし
    て前記容器内に供給し;前記冷却部は、前記容器内に設
    置された伝熱面である;請求項1に記載のガス中のター
    ル分の除去装置。
  3. 【請求項3】 前記容器は、前記充填した粒子の下方か
    ら前記ガスを供給し、前記粒子を流動化し、前記容器内
    に流動層を形成するように構成された;請求項1または
    請求項2に記載のガス中のタール分の除去装置。
  4. 【請求項4】 粒子を導入し、該粒子の第1充填層を内
    部に形成すると共に、前記第1充填層の下方からガスを
    供給し、前記粒子を流動化して、第1流動層を形成する
    ガス冷却室であって、前記ガスおよび前記粒子のうち少
    なくとも一方を冷却する伝熱面を有し、前記供給された
    ガスより凝縮するタール分が前記粒子に付着するように
    構成されたガス冷却室と;前記タール分が付着した粒子
    を導入し、該粒子の第2充填層を内部に形成すると共
    に、前記第2充填層の下方から酸素含有ガスまたはガス
    化剤ガスを供給し、前記タール分が付着した粒子を流動
    化して、第2流動層を形成するタール除去室であって、
    前記タール分が付着した粒子から前記タール分を除去す
    るように構成されたタール除去室と;前記第1流動層の
    界面および前記第2流動層の界面より上方でガスの流通
    がないように、前記ガス冷却室と前記タール除去室とを
    分離する隔離壁とを備え;前記ガス冷却室に導入される
    粒子は、前記タール除去室で前記タール分を除去された
    粒子である;ガス中のタール分の除去装置。
  5. 【請求項5】 低温の粒子を導入し、該粒子の第1充填
    層を内部に形成すると共に、前記第1充填層の下方から
    ガスを供給し、前記低温の粒子を流動化して、第1流動
    層を形成するガス冷却室であって、前記低温の粒子によ
    り冷却されたガスより凝縮するタール分が前記粒子に付
    着するように構成されたガス冷却室と;前記タール分が
    付着した粒子を導入し、該粒子の第2充填層を内部に形
    成すると共に、前記第2充填層の下方から酸素含有ガス
    またはガス化剤ガスを供給し、前記タール分が付着した
    粒子を流動化して、第2流動層を形成するタール除去室
    であって、前記タール分が付着した粒子から前記タール
    分を除去するように構成されたタール除去室と;前記タ
    ール分が除去された粒子を導入し、該粒子の第3充填層
    を内部に形成すると共に、前記第3充填層の下方から流
    動化ガスを供給し、前記タール分が除去された粒子を流
    動化して、第3流動層を形成する粒子冷却室であって、
    前記タール分が除去された粒子を前記粒子冷却室内で冷
    却するよう構成された粒子冷却室とを備え;前記ガス冷
    却室に導入される低温の粒子は、前記粒子冷却室で冷却
    された粒子である;ガス中のタール分の除去装置。
  6. 【請求項6】 ガスを粒子に導き、該導いたガスを冷却
    し、または前記粒子を冷却し前記冷却した粒子により前
    記導いたガスを冷却し、前記冷却されたガス中より凝縮
    するタール分を前記粒子に付着させ、タール分の付着し
    た前記粒子を前記ガスから分離する;ガス中のタール分
    の除去方法。
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