JPH0613049B2

JPH0613049B2 - 血液用熱交換器

Info

Publication number: JPH0613049B2
Application number: JP63152490A
Authority: JP
Inventors: 広明押山
Original assignee: Terumo Corp
Current assignee: Terumo Corp
Priority date: 1987-06-28
Filing date: 1988-06-20
Publication date: 1994-02-23
Anticipated expiration: 2009-02-23
Also published as: JPS6476870A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、血液用熱交換器に関するものである。さらに
詳しくは、細管の外部に血液を流通させて、細管内部に
熱交換用媒体を流通させて、手術等において、患者の血
液を一定温度に保持あるいは冷却または復温するための
熱交換器に関するものである。

［先行技術］従来より、熱交換器として、内部に熱交換用管体（例え
ば、多数の熱交換用細管、またはコイル状の管体）を収
納したものがある。

そして、従来においては、細管内に血液を流通させ、細
管とハウジングの間に熱交換用の媒体を流通させるもの
が一般的であった。最近では、細管の内部に熱交換用媒
体を流通させ、細管とハウジングとの間に流通させるも
のが考えられるようになった（実開昭61-124638号公
報）。

［発明が解決しようとする問題点］そこで、上記のような熱交換器の断面を第６図に示す。
この熱交換器では、ハウジング内に収納されている熱交
換用細管50を横切るように、血液は血液流入口52から血
液流出口54に流れ、その間に血液は、細管50と接触し、
熱交換が行われる。そして、細管50は、細管同士が完全
に接触していると血液の流入抵抗が高くなり、熱交換器
の圧力損失が大きくなるため、隣合う細管を一定距離離
間した状態にてハウジング56内に収納されている。さら
に、細管50はハウジング56内に、ハウジングの断面にお
いて血液流入口と血液流出口とを結ぶ線とほぼ平行に並
べられており、この結果、下方から流入する血液流は、
下方にある細管列の細管間を通過し、その上にある細管
に当接したのち、細管間を通過し、これを繰り返して上
方へ流れていく。

よって、細管束内は、比較的流通抵抗が高くなってい
る。これに対し、ハウジング56の内面に面する細管50と
ハウジング56の内面とが形成する流路は直線状であり、
上記の細管束内のようにジグザグ状となっておらず、さ
らにハウジング56の内面が滑面であるため、ハウジング
の内面に沿って血液が流れ易く、熱交換が十分にされる
ことなく血液流出口54に至る血液流が形成され、熱交換
効率が悪いという問題点を有していた。

［問題点を解決するための手段］そこで、本発明の目的は、熱交換器のハウジングの内面
に沿って流れる血液流を減少させ、高い熱交換効率を有
する血液用熱交換器を提供することにある。

上記目的を達成するものは、血液流入口および血液流出
口を有する筒状ハウジングと、該筒状ハウジング内に収
納された多数の熱交換用細管と、該細管の両端部を前記
筒状ハウジングに液密に固定し、該ハウジング内を、前
記血液流出口および血液流入口と連通する血液室と、前
記管体内により形成される熱交換用媒体室とに区画する
隔壁と、該熱交換用媒体室に連通する媒体導入口および
媒体排出口と、前記ハウジングの内面に、該内面に面す
る前記細管と平行して延び、該細管と前記ハウジングの
内面間の血液の流れを抑制するリブとを有し、該リブ
は、該リブと近接する細管が血液と接触する部分全体に
延びており、さらに、該リブと該リブに近接する前記細
管との距離は、該細管間の距離より小さいものである血
液用熱交換器である。

そして、前記ハウジングの前記血液流入口が位置する付
近には、前記細管が存在しない空間を有していることが
好ましい。また、前記血液入口は、前記ハウジングの中
心より所定角ハウジングの内面側に向いた方向に取り付
けられていてもよい。さらに、前記ハウジングの前記血
液流出口が位置する付近には、前記細管が存在しない空
間を有していることが好ましい。また前記血液流出口
は、前記ハウジングの中心より所定角ハウジングの内面
側に向いた方向に取り付けられていてもよい。さらに、
前記血液流入口は、前記ハウジングの中心より所定角ハ
ウジングの内面側に向いた方向に取り付けられており、
前記リブは、該血液流入口が向いているハウジングの内
面に設けられているものであることが好ましい。さら
に、前記血液流出口は、前記血液流入口の方向とほぼ平
行に設けられていてもよい。さらに、前記リブと該リブ
に近接する前記細管との距離は、0.2ｍｍ以下であるこ
とが好ましい。さらに前記リブは、前記血液流入口近傍
の細管の近傍に設けられていることが好ましい。さら
に、前記ハウジングは、略円筒状ハウジングであること
が好ましい。さらに、前記リブは、複数設けられている
ことが好ましい。さらに、前記複数の細管は、前記ハウ
ジング内に、略同一距離離間して収納されていることが
好ましい。

本発明の血液用熱交換器を第１図ないし第３図に示す実
施例を用いて詳細に説明する。

本発明の熱交換器１は、血液流入口６および血液流出口
７を有する筒状ハウジング２と、筒状ハウジング２内に
収納された多数の熱交換用細管３と、細管３の両端部を
筒状ハウジング２に液密に固定し、ハウジング２内を、
血液流出口７および血液流入口６と連通する血液室12
と、管体３内により形成される熱交換用媒体室13とに区
画する隔壁４と、熱交換用媒体室13に連通する媒体導入
口８および媒体排出口９とを有する血液用熱交換器であ
り、ハウジング２の内面に、該内面に面する細管３と平
行して延び、該細管３とハウジング２の内面間の血液の
流れを抑制するリブ５を有している。

そこで、第１図ないし第２図に示す本発明の熱交換器の
一実施例を用いてより詳細に説明する。第１図は、本発
明の熱交換器の一部断面図であり、第２図は、第１図に
示した熱交換器のＸ−Ｘ線横断面図である。

熱交換器１の筒状ハウジング２は、その内部に多数の熱
交換用細管３を収納している。

ハウジング２の形状は、円筒状、多角筒状などの形状に
形成されている。好ましくは、円筒状である。また、ハ
ウジング２に用いられる材料としては、ポリカーボネー
ト、アクリル・スチレン共重合体、アクリル・ブチレン
・スチレン共重合体など種々のものが使用できる。

そして、筒状ハウジング２の下部に血液流入口６が設け
られており、また、ハウジング２の上部に２つの血液流
出口７が設けられている。特に、第１図に示すもので
は、血液流入口６をハウジング２の一端部下部に設け、
血液流出口７を両端部上部に設けている。特に、血液流
出口７を両端部に２つに設けたのは、持続される人工肺
との関係で、より小さい容積で性能をあげるためであ
る。また、このような形状のものに限らず、血液流出口
７を１つのみとしてもよく、さらに血液流入口および流
出口の位置も例えばハウジングの中心に設けてもよい。

そして、第１図に示す実施例では、血液流入口６は、ハ
ウジング２の中心より所定角ハウジングの内面側に向い
た方向に取り付けられており、より具体的に示すとハウ
ジング２の外面の略接線方向に取り付けられている。ま
た、同様に、血液流出口７も、ハウジングの中心より所
定角ハウジング２の内面側に向いた方向、具体的には、
ハウジング外面の略接線方向に取り付けられている。こ
のような形状とすることにより、血液流入口と血液流出
口との高さの違いがあまり大きくならず、圧力損失を少
なくすることができるとともに、血液流入口および血液
流出口のハウジング２内における開口面積を広くするこ
とができるからである。このような形状のものに限られ
ず、血液流入口および血液流入口を、例えばハウジング
２の中心を向いたものとしてもよい。

さらに、血液流出口７は、前記血液流入口６の方向とほ
ぼ並行に、かつ反対方向に設けられていることが好まし
い。血液流出口と連結される血液回路、人工肺等の取り
付けにおいて、血液流入口が邪魔とならず容易に行うこ
とができるからである。

本発明の熱交換器１に使用される熱交換用細管３として
は、熱伝導率の高い金属管（例えば、スレンレス管、ア
ルミニウム管、銅管）であり、内径0.5〜10mm、好まし
くは２〜５mmのものを、約10本〜2000本、好ましくは約
50本〜1000本をハウジング内に収納している。そして、
細管３は、ハウジング２の軸方向に並行に収納されてお
り、細管３相互も、第１図に示すように、ほぼ平行とな
っている。この結果血液流入口により流入した血液が、
この細管３を横切るように流れることになる。そして、
細管３は、第２図に示すように、隣合う細管と一定距離
離間しており、この距離としては、細管の外径、ハウジ
ングの内径などにより一定ではないが、30〜200mm、好
ましくは50〜100mm程度である。

また、ハウジング２内の血液流入口が位置する付近に
は、細管３が存在しない空間20を有していることが好ま
しい。しかし、第５図に示すように、この空間20を設け
ないものとしてもよい。この空間20を設けることによ
り、この部分は流入抵抗が低い血液チャンバー部を形成
するため、圧力損失を少なくすることができるととも
に、ハウジング２内に流入した血液は、この空間20全体
に流入、細管３の幅全体の血液流を形成した後、細管３
の束内に流入するようになる。

よって、細管３の長さ全体に血液流を形成することがで
き、熱交換効率を向上させることができる。

また、同様に、ハウジング２内の血液流出口が位置する
付近には、細管３が存在しない空間20を設けることが好
ましい。この空間は、血液チャンバー部を形成し、ハウ
ジング２内を流れてきた血液が、一時的にここに流入し
たのち、順次流出するようになるため、ハウジング２内
において循環して、流出しない血液流の形成を防止する
ことができる。

また、細管はハウジング内に、第２図に示すように血液
流入口の方向（矢印Ａ）と一定の角度を持った方向（矢
印Ｂ）に平行に層状に並べられており、さらに、細管が
形成する層は、接する上下の層と細管の位置がずれて設
けられており、この結果、下方から流入する血液流は、
下方にある細管の細管間を通過し、その上にある細管に
当接したのち、細管間を通過し、これを繰り返して上方
へ流れていくようになっている。細管３が形成する層
は、例えば、ハウジングの断面において血液流入口と血
液流出口とを結ぶ線とほぼ直交するように形成してもよ
い。

そして、ハウジング２の内面には、第１図に示すよう
に、ハウジング２の内面に面する細管３と並行にハウジ
ング２の軸方向に延び、第２図に示すように細管３とハ
ウジング２の内面間の血液の流れを抑制するリブを有し
ている。このようなリブ５を有することにより、ハウジ
ング２の内面に沿って流れる血液流を疎外することがで
きる。リブ５は、少なくともリブ５が近接する細管３が
血液と接触する部分全体に延びていることが好ましい。
なお、前記血液と接触する部分とは、第１図に示すよう
に、細管３の両端部が隔壁４により固着されていること
から、隔壁４内に位置する部分を除いた部分をいう。

そして、リブ５と近接する細管３との距離は、細管３
が、ハウジング２内に、略同一距離離間して収納されて
いる場合では、細管間の距離より小さいものであること
が好ましく、このようにすれば、ハウジング２の内面に
沿って流れる血液流を確実に抑制できる。より、好まし
くは、リブ５と細管３とが実質的に接触していることで
あり、実質的に接触しているとは、パイプのピッチによ
り変化するのが0.2mm以下の距離であることをいい、こ
のようにすれば、ほぼ完全にハウジング２の内面を沿っ
て流れる血液流をなくすことができる。

さらに、リブ５は、血液流入口６近傍の細管３の近傍に
設けられていることが好ましい。また、リブは、少なく
とも１つ設けられていればよいが、気泡が貯留しない形
状、位置であれば複数設けてもよい。

特に、第１図に示すように、血液流入口６が、ハウジン
グ２の中心より所定角ハウジングの内面側に向いた方向
に取り付けられている場合は、ハウジングの内面に沿っ
て流れる血液流の殆どは、血液流入口６が向いている方
向（矢印Ａ方向）に流れるため、リブ５は、血液流入口
６が向いているハウジングの内面に少なくとも１つ設け
ることにより、ハウジングの内面に沿って流れる血液流
の大部分を疎外することができる。

そして、熱交換用細管３の両端部は、ハウジング２に隔
壁４により液密に固着されている。隔壁４は、高分子ポ
ッティング剤（例えば、ポリウレタン、シリコーンゴ
ム）などが用いられる。そして、上記熱交換用細角３
と、隔壁４とにより、筒状ハウジング２内は血液室12と
熱交換用媒体室13に区画される。

さらに、隔壁４を越えたハウジング２の一端部付近に
は、熱交換用媒体導入口８が設けられており、また他方
の隔壁を越えたハウジング２の他端部付近には、熱交換
用媒体排出口９が設けられている。熱交換用媒体導入口
８および排出口９は、熱交換用細管３内部と連通してい
る。ハウジング２の一端部には、封止部材10が設けられ
ており、同様にハウジング２の他端部にも封止部材11が
設けられている。

封止部材は、例えば、ポリカーボネート、アクリル・ス
チレン共重合体、アクリル・ブチレン・スチレン共重合
体などを用いて、ハウジング２の端部の内面形状とほぼ
等しい外面形状を有する円盤状のものであり、この封止
部材11は、接着剤、溶剤を用いた接着、高周波、超音
波、誘導加熱などを用いた融着によりハウジング２の端
部に液密に固着されている。

尚、上記説明では、ハウジング２に、熱交換用媒体導入
口８、熱交換用媒体排出口９を設けたものを用いて説明
したが、それに限らず、隔壁をハウジングの端部に位置
するものとし、それぞれの隔壁の外面に、熱交換用細管
の内部と連通する熱交換用媒体導入口を有するキャップ
状の媒体導入側ポートと、他方の隔壁の外面に熱交換用
媒体排出口を有するキャップ状の媒体排出側ポートとを
設けたものでよい。そして、これらポートの取り付け
は、締め付けリングを用いて行ってもよく、また、締め
付けリングを用いず、ハウジングにポートを、超音波、
高周波などを用いて融着または接着剤を用いて接着ある
いは機械的に嵌合させてもよい。

次に、第３図に示す本発明の血液用熱交換器の実施例に
ついて説明する。

第３図に示すものと、第１図および第２図に示したもの
との相違点は、ハウジング２の形状等にあり、同一部位
は同一番号を用いて説明する。熱交換器１の筒状ハウジ
ング２は、その内部に多数の熱交換用細管３を収納して
いる。

ハウジング２の形状は、多角筒状に形成されている。ハ
ウジング２を用いられる材料としては、ポリカーボネー
ト、アクリル・スチレン共重合体、アクリル・ブチレン
・スチレン共重合体など種々のものが使用できる。そし
て、筒状ハウジング２の中心部下部に血液流入口６が設
けられており、また、ハウジング２の中心部上部に血液
流出口７が設けられている。

そして、第３図に示す実施例では、血液流入口６は、ハ
ウジング２の１つの面に平行となる方向に取り付けられ
ており、より具体的に示すとハウジング２の１つ面の端
部より直角に突出するように取り付けられている。ま
た、同様に、血液流出口７も、ハウジング２の１つの面
に平行となる方向に取り付けられており、より具体的に
示すとハウジング２の１つ面の端部より直角に突出する
ように取り付けられている。

そして、血液流出口７は、血液流入口６の方向とほぼ並
行に、かつ反対方向に設けられていることが好ましい。
血液流出口と連結される血液回路、人工肺等の取り付け
において、血液流入口が邪魔とならず容易に行うことが
できるからである。

熱交換用細管３としては、上述したものが好適に使用で
きる。そして、細管３は、ハウジング２の軸方向に並行
に収納されており、この結果血液流入口より流入した血
液が、この細管３を横切るように流れることになる。そ
して、細管３は、隣合う細管と一定距離離間して収納さ
れている。この距離としては、細管の外径、ハウジング
の内径などにより変わるが、１〜13mm、好ましくは2.5
〜６mm程度である。

また、ハウジング２内の血液流入口が位置する付近に
は、細管３が存在しない空間20を有している。この空間
を設けることにより、血液流入口６からハウジング内に
流入する血液を一旦この空間に充満させることにより細
管束内に直接流れこまないようにすることができ、この
結果、この空間に充満された血液が上方に上昇し、ハウ
ジング内を血液が流れることになる。

また、同様に、ハウジング２内の血液流出口７が位置す
る付近には、細管３が存在しない空間20を有している。
この空間を設けることにより、細管束内を通過してきた
多数の血液流が、この空間にて一時的に貯留され、血液
流出口７に向かう１つの流れを形成するため、細管束内
に流れ易い部分、逆に流れにくい部分が形成されること
がなく、血液を細管束内全域に渡ってほぼ均等に通過さ
せることができる。

また、細管３はハウジング２内に、第３図に示すように
血液流入口の方向と平行に層状に並べられており、さら
に、細管が形成する層は、接する上下の層と細管の位置
がずれて設けられており、この結果、下方から流入する
血液流は、下方にある細管の細管間を通過し、その上に
ある細管に当接したのち、細管間を通過し、これを繰り
返して上方へ流れていくようになっている。細管３が形
成する層は、血液流入口の方向と平行でなく、一定の角
度を有するものであってもよい。

そして、ハウジング２の内面には、ハウジング２の内面
に面する細管３と平行にハウジング２の軸方向に延び、
第２図に示すように細管３とハウジング２の内面間の血
液の流れを抑制するリブ５を有している。このようなリ
ブ５を有することにより、ハウジング２の内面に沿って
流れる血液流を疎外することができる。

リブ５は、少なくともリブ５が近接する細管３が血液と
接触する部分全体に延びていることが好ましい。

そして、リブ５と近接する細管３との距離は、細管３
が、ハウジング２内に、略同一距離離間して収納されて
いる場合では、細管間の距離より小さいものであること
が好ましく、このようにすれば、ハウジング２の内面に
沿って流れる血液流を確実に抑制できる。より、好まし
くは、リブ５と細管３とが実質的に接触していることで
あり、実質的に接触しているとは、0.2mm以下の距離で
あることをいい、このようにすれば、ほぼ完全にハウジ
ング２の内面を沿って流れる血液流をなくすことができ
る。

さらに、リブ５は、血液流入口６近傍の細管３の近傍に
設けられていることが好ましい。

また、この実施例では、空間に充満された血液が上方に
上昇し、ハウジング内を血液が流れるものであるが、第
１図に示したものと同様に、細管束内より、ハウジング
２の内面とこの内面に面する細管との間に血液が流れ易
く、さらに、この実施例ではハウジングの向かい合う面
において、血液の流速にあまり差がないため、ハウジン
グの向かい合う内面にそれぞれリブを設けている。

そして、細管３の両端部は、第１図と同様にハウジング
２に隔壁により液密に固着されている。さらに、一方の
隔壁を越えたハウジングの一端部付近には、熱交換用媒
体導入口が設けられており、また他方隔壁を越えたハウ
ジング２の他端部付近には、熱交換用媒体排出口が設け
られている。熱交換用媒体導入口および排出口は、熱交
換用細管内部と連通している。ハウジングの一端部に
は、封止部材が設けられており、同様にハウジングの他
端部にも封止部材が設けられている。

また、ハウジングに、熱交換用媒体導入口、熱交換用媒
体排出口を設けたものに限らず、隔壁をハウジングの端
部に位置するものとし、それぞれの隔壁の外面に、熱交
換用細管の内部と連通する熱交換用媒体導入口を有する
キャップ状の媒体導入側ポートと、他方の隔壁の外面に
熱交換用媒体排出口を有するキャップ状の媒体排出側ポ
ートとを設けたものでもよい。そして、これらポートの
取り付けは、締め付けリングを用いて行ってもよく、ま
た、締め付けリングを用いず、ハウジングにポートを、
超音波、高周波などを用いて融着または接着剤を用いて
接着あるいは機械的に嵌合させてもよい。

［実施例］本発明の実施例および比較例を用いた実験について説明
する。

（実施例１）ハウジングとしては、ポリカーボネートにて第１図およ
び第２図に示すような形状をし、ハウジングの下部に血
液流入口６が設けられており、ハウジングの上部に２つ
の血液流出口を有し、血液流入口および血液流出口が、
ハウジングの外面の略接線方向に取り付けられており、
ハウジングの端部付近に熱交換用媒体導入口および排出
口を有する円筒状（内径７２mm、外径７９mm、長さ150m
m）のものを用いた。

熱交換用細管としては、ステンレス管（内径2.14mm、23
3本をハウジング内に、第２図に示すように、隣合う細
管との距離が、0.82mm離間するように収納した。また、
ハウジングの血液流入口および血液流出口が位置する付
近には、細管が存在しない空間を設けた。

ハウジングの内面には、ハウジングの内面に面する細管
と並行にハウジングの軸方向に延び、第４図に示すよう
なリブ５ａを設けた。

リブの大きさは、幅３mm、高さ1.5mmとした、そして、
リブと近接する細管との距離は、0.4mmとした。尚、上
記距離は、ハウジングが端部方向にテーパー状に拡径し
ているので、端部と中央部との平均により求めた。そし
て、細管をハウジングにポッティグ剤としてポリウレタ
ンを用いて固着した。

そして、ハウジングの両端部は、封止部材にて封止し、
本発明の熱交換器を作成した。

これを、実施例１とする。

（実施例２）実施例１におけるリブの位置が、第４図に示す５ｂとな
っている以外は、実施例１と同じものとした熱交換器を
作成した。

これを実施例２とする。

（実施例３）第５図に示すように、ハウジングの血液流入口および血
液流出口が位置する付近には、細管が存在しない空間を
設けない以外は、実施例１と同じものとした熱交換器を
作成した。

これを実施例３とする。

（比較例）実施例１におけるリブを設けない以外は、実施例１と同
じものとした熱交換器を作成した。

（実験）上記の実施例１，２，３および比較例の熱交換器を用い
て以下の実験を行った。

実験においては、血液の代わりに水を用い、また熱交換
用媒体にも水を用いた。

上記の各熱交換器の熱交換用媒体流入口より、温度40℃
の水を、15l/minにて流入し、血液流入口より、温度30
℃の水を２，４，６と変化させて流入させ、それ
ぞれの流量のときの血液流入口での水の温度（ＴBo）、
媒体流入口での水の温度（ＴWo）を測定した。

その結果より、熱交換効率（η）を下記式より算出し
た。

η＝（ＴBo−ＴBi）／（ＴWi−ＴBi）ＴBiは、血液流入口より流入する水の温度であり、ＴWi
は、熱交換用媒体流入口より流入する水の温度である。

上記の実験の結果を表１に示す。

上記の実験結果により、リブを設けた本発明の熱交換器
の実施例１，２，３のいずれもが、リブを有しない比較
例のものに比べて熱交換効率が優れていることがわかっ
た。

［発明の具体的作用］本発明の血液用熱交換器の作用を、第１図および第２図
に示した実施例を用いて説明する。

本発明の熱交換器は、体外循環回路中に設けられ、例え
ば、熱交換器であれば、熱交換器の血液流入口６から流
入した血液はハウジング２と熱交換用細管３との間によ
り形成された血液室12を通り、また、熱交換用媒体は、
媒体導入口８より熱交換用細管内を流通する。このとき
血液は、熱交換用細管に接触し、細管内を流れる媒体の
温度により加温あるいは冷却される。特に、ハウジング
２の内面には、リブ５が設けているので、ハウジング２
の内面に沿って流れる血液流が、リブ５に当接した後、
細管束内部方向に流れるため、ハウジング２の内面に沿
って血液流出口まで流れる血液流が殆ど形成されなくな
る。このようにして、細管３の束内部を流れた血液は、
血液流出口７より流出する。

［発明の具体的効果］本発明の熱交換器は、血液流入口および血液流出口を有
する筒状ハウジングと、該筒状ハウジング内に収納され
た多数の熱交換用細管と、該細管の両端部を前記筒状ハ
ウジングに液密に固定し、該ハウジング内を、前記血液
流出口および血液流入口と連通する血液室と、前記管体
内により形成される熱交換用媒体室とに区画する隔壁
と、該熱交換用媒体室に連通する媒体導入口および媒体
排出口と、前記ハウジングの内面に、該内面に面する前
記細管と平行して延び、該細管と前記ハウジングの内面
間の血液の流れを抑制するリブとを有し、該リブは、該
リブと近接する細管が血液と接触する部分全体に延びて
おり、さらに、該リブと該リブに近接する前記細管との
距離は、該細管間の距離より小さいものであるので、ハ
ウジングの内面に沿って流れる血液流が、リブに当接し
た後、細管束内部方向に流れるため、ハウジングの内面
に沿って流れ、熱交換が十分にされることなく血液流出
口に至る血液流を減少させることができ、熱交換効率を
向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の血液用熱交換器の一部破
断側面図、第２図は、第１図に示した血液用熱交換器の
Ｘ−Ｘ線断面図、第３図は、本発明の他の実施例の血液
用熱交換器を示す断面図、第４図は、実験に用いた本発
明の実施例の血液用熱交換器の横断面図、第５図は、本
発明の他の実施例の血液用熱交換器を示す断面図、第６
図は、従来の熱交換器の断面図である。１……血液用熱交換器、２……ハウジング、３……熱交換用細管、４……隔壁、５……リブ、６……血液流入口、７……血液流出口、

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】血液流入口および血液流出口を有する筒状
ハウジングと、該筒状ハウジング内に収納された多数の
熱交換用細管と、該細管の両端部を前記筒状ハウジング
に液密に固定し、該ハウジング内を、前記血液流出口お
よび血液流入口と連通する血液室と、前記管体内により
形成される熱交換用媒体室とに区画する隔壁と、該熱交
換用媒体室に連通する媒体導入口および媒体排出口と、
前記ハウジングの内面に、該内面に面する前記細管と平
行して延び、該細管と前記ハウジングの内面間の血液の
流れを抑制するリブとを有し、該リブは、該リブと近接
する細管が血液と接触する部分全体に延びており、さら
に、該リブと該リブに近接する前記細管との距離は、該
細管間の距離より小さいものであることを特徴する血液
用熱交換器。
【請求項２】前記ハウジングの前記血液流入口が位置す
る付近には、前記細管が存在しない空間を有している請
求項１に記載の血液用熱交換器。
【請求項３】前記血液流入口は、前記ハウジングの中心
より所定角ハウジングの内面側に向いた方向に取り付け
られているものである請求項１または２に記載の血液用
熱交換器。
【請求項４】前記リブは、前記血液流入口近傍の細管の
近傍に設けられている請求項１ないし３のいずれかに記
載の血液用熱交換器。
【請求項５】前記ハウジングは、略円筒状ハウジングで
ある請求項１ないし４のいずれかに記載の血液用熱交換
器。
【請求項６】前記リブは、複数設けられている請求項１
ないし５のいずれかに記載の血液用熱交換器。
【請求項７】前記多数の細管は、前記ハウジング内に略
同一距離離間して収納されている請求項１ないし６のい
ずれかに記載の血液用熱交換器。