JPH06130302A - プローブの製造方法 - Google Patents

プローブの製造方法

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JPH06130302A
JPH06130302A JP4281720A JP28172092A JPH06130302A JP H06130302 A JPH06130302 A JP H06130302A JP 4281720 A JP4281720 A JP 4281720A JP 28172092 A JP28172092 A JP 28172092A JP H06130302 A JPH06130302 A JP H06130302A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】理想的な形状を有するプローブを容易に製造す
る。 【構成】酸化ゲルマニウムを3〜28mol%添加した石英コ
ア(1)と、光ファイバーの半径を1としたとき、半径
0.3〜0.6に位置する境界より内側に当たるクラッ
ドA(2)と、それより外側に当たるクラッドB(3)
からなり、前記クラッドB(3)に0.5〜10 mol%
の酸化リンが添加されている前記光ファイバーを「濃度
50重量%のフッ酸水溶液、水、40重量%のフッ化アンモ
ニウム水溶液」の成分比を変化させエッチングを行う。
また、クラッドA(2)及びクラッドB(3)への添加
物、その添加量、添加位置を変化させた光ファイバーを
用いる。 【効果】化学エッチングだけで理想的な形状のフォトン
走査型トンネル顕微鏡用プローブが再現性よく得られ、
観察する試料の表面形状によらず高い分解能を得ること
ができる。更に、長時間の観察が可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プローブの製造方法に
関する。このプローブは、主にフォトン走査型トンネル
顕微鏡に使用される。
【0002】
【従来の技術】最近、生物学や半導体デバイス開発など
広い分野において、非接触、非破壊の高分解能顕微鏡の
重要性が高まっている。従来使用されてきた光学顕微鏡
は、非接触、非破壊という面では優れた特性を持ってい
たが、結像光学系を用いるという原理上、回折限界によ
る分解能の制限のため使用範囲が限られてきた。これら
の問題を解決し、開発されたのがフォトン走査型トンネ
ル顕微鏡である。
【0003】これらの問題を解決し開発されたのがフォ
トン走査型トンネル顕微鏡(もしくは近接場走査型顕微
鏡と呼ばれるもの)である。フォトン走査型トンネル顕
微鏡を使用した測定方法について説明する。まず、試料
の裏面から試料表面で全反射条件を満たすように照明光
を入射させる。この照明光の照射により試料表面にはエ
バネッセント波と呼ばれる電場が生じる。エバネッセン
ト波は表面からの距離とともに指数関数的に減衰し、波
長程度の高さで1/eになる。このエバネッセント波を
試料表面上を非接触で走査するプローブで検出すること
で高い縦分解能を得ることができる。また、プローブに
光の波長よりも小さい開口部を設け、エバネッセント波
を検出する表面面内の領域を制限することで、従来の光
学顕微鏡に較べ高い横分解能を得ることもできる。 エ
バネッセント波は、上述のように試料表面からの距離と
ともに指数関数的に減衰する。そのため、高い分解能を
得るために、プローブの先端部の微小開口はかならずし
も必要ではなく、プローブの先端部を先鋭化しただけで
もよい。
【0004】分解能は、縦分解能に関しては信号のS/
N、横分解能に関しては実効的な微小開口径で決定され
る。従って、高い縦分解能を得るには開口径を大きく
し、高い横分解能を得るためには、開口径を小さくする
ことが必要であり、縦分解能と横分解能との間にはトレ
ードオフの関係があるといえる。必要な縦横分解能は、
測定する試料によって異なるので、プローブ先端の尖り
角も測定する試料ごとに変える必要がある。従って、プ
ローブを製造する場合、所望の尖り角のプローブをいか
に再現性良く製造できるかが重要なポイントとなる。
【0005】プローブは、クラッドと酸化ゲルマニウム
を添加した石英コアからなる光ファイバーを出発材料と
して、これを適当な長さに切り、先端部を先鋭化するこ
とで製造される。先鋭化の方法として、機械研磨(蒋曙
東,冨田直幸,中川賢一,大津元一“光走査型トンネル
顕微鏡(フォトンSTM)−解析と設計−”,電子情報
通信学会技術研究報告,IM-89-45,p.1〜9,(1987)
や 溶融延伸 (E.Betzing,M.Isaacson,A.Lewis
“Collection mode near-field scaning opticalmicro-
scopy”,Appl.Phys.Lett.,51,(25),p.2088 〜2090,(19
87) )などの方法が試みられた。
【0006】しかし、これらの方法は、プローブ先端の
尖り角が余り鋭角とならず、また、加工精度などの点で
問題があった。高い横分解能を得るためのプローブを製
造するためにフッ酸をエッチャントとする(化学)エッ
チングにより先鋭化することが提案された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は研究を重
ねた結果、酸化ゲルマニウムを3〜28 mol%添加した石
英コアとクラッドからなる光ファイバーを、「濃度50重
量%のフッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部及び濃度
40重量%のフッ化アンモニウム水溶液:Y容量部(Y=
6〜10)からなるエッチング液」でエッチングし、エッ
チング液の成分比を変化させて光ファイバーの先端部を
先鋭化してプローブを製造することを提案した(特願平
4−39755)。この提案した製造方法によれば、コ
アに添加されている酸化ゲルマニウムの濃度を変えるこ
となく、エッチング液の成分比を変化させるだけでプロ
ーブ先端の尖り角を制御することが可能であり、更に先
端の曲率半径も5nm以下、尖り角が25度以下のプロー
ブを得ることができる。この製造方法を用いて製造され
るプローブ先端の形状は、図2のbに示すようにエッチ
ングされたプローブ先端の中央部のみが先鋭化され、突
起が形成し、その突起周辺部には平面の端面が存在する
が、フォトン走査型トンネル顕微鏡に用いるプローブ先
端の形状は、図2のaに示すような端面を持たない形状
が理想的である。
【0008】本発明者等が従来使用していた図2のbに
示すような形状のプローブを用い、フォトン走査型トン
ネル顕微鏡で試料を観察した結果、凹凸の激しい試料を
観察する場合、あるいはプローブが試料表面に対し相対
的にわずかに傾いているような場合に試料細部の観察が
困難となり分解能が低くなるという問題点が生じた。更
に、前記試料を観察した場合、プローブの破損が著しく
長時間の観察ができなくなるという問題点も生じた。
【0009】本発明者等は、多種及び多様な形状を有す
る試料を用いて観察を繰り返した結果、凹凸の激しい試
料を観測するときにプローブ先端の突起周辺に端面が存
在するために、試料凹部の底部にまでプローブ先端が接
近することができずに試料細部の観察が困難となり、分
解能が低くなることを突き止めた。更に、プローブが破
損し、長時間の観察ができなくなる原因は、プローブ先
端の突起周辺の端面が試料に衝突するためであることが
分かった。
【0010】そこで、本発明者等は機械研磨により図2
のaに示すような理想的なプローブ先端を有するプロー
ブを製造した。しかし、機械研磨で製造する場合、プロ
ーブ先端の曲率半径を小さくできず、尖り角は鋭角とな
らず、更には突起形状の再現性が悪く、また研磨した表
面形状が荒くなるという問題点があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は鋭
意研究を重ね、原料となる光ファイバーへの添加物の種
類、添加量、添加位置を様々に変化させた光ファイバー
を用意し、これを成分比を多種類に変化させたエッチン
グ液でエッチングを行った。その結果フッ酸によるエッ
チング速度が光ファイバー組成により変化することを利
用すれば、機械研磨等の他の方法を用いずに化学エッチ
ングだけで理想的なプローブ先端(図2のa)を有する
プローブを製造できることを見い出し、本発明をなすに
至った。
【0012】よって、本発明は第一に「3〜28mol %
の酸化ゲルマニウムを添加した石英コアと、光ファイバ
ーの半径を1としたとき、半径0.3〜0.6に位置す
る境界より内側に当たるクラッドAと、それより外側に
当たるクラッドBからなり、前記クラッドBに0.5〜
10mol %の酸化リンが添加されている前記光ファイバ
ーを「濃度50重量%のフッ酸水溶液:1容量部、水:
1容量部、濃度40重量%のフッ化アンモニウム水溶
液:Y容量部(Y=4〜15)からなるエッチング液」
でエッチングすることを特徴とするプローブの製造方法
(請求項1)」を提供する。
【0013】第二に「「濃度50重量%のフッ酸水溶
液:1容量部、 水:1容量部、濃度40重量%のフッ
化アンモニウム水溶液:Y1 容量部(Y1 =1〜3)か
らなるエッチング液」でエッチングする予備エッチング
工程を付加したことを特徴とする請求項1記載のプロー
ブの製造方法(請求項2)」を提供する。第三に「3〜
28mol %の酸化ゲルマニウムを添加した石英コアと、
光ファイバーの半径を1としたとき、半径0.3〜0.
6に位置する境界より内側に当たるクラッドAと、それ
より外側に当たるクラッドBからなり、前記クラッドB
に5〜30mol %の酸化ホウ素が添加されている前記光
ファイバーを「濃度50重量%のフッ酸水溶液:1容量
部、水:1容量部、濃度40重量%のフッ化アンモニウ
ム水溶液:Y容量部(Y=10〜15)からなるエッチ
ング液」でエッチングすることを特徴とするプローブの
製造方法(請求項3)」を提供する。
【0014】第四に「3〜28mol %の酸化ゲルマニウ
ムを添加した石英コアと、光ファイバーの半径を1とし
たとき、半径0.3〜0.6に位置する境界より内側に
当たるクラッドAと、それより外側に当たるクラッドB
からなり、前記クラッドAに5〜15mol %の酸化ホウ
素が添加されておいる前記光ファイバーを「濃度50重
量%のフッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度4
0重量%のフッ化アンモニウム水溶液:Y容量部(Y=
1〜4)からなるエッチング液」でエッチングすること
を特徴とするプローブの製造方法(請求項4)」を提供
する。
【0015】第五に「「濃度50重量%のフッ酸水溶
液:1容量部、 水:1容量部、濃度40重量%のフッ
化アンモニウム水溶液: Y2 容量部(Y2 =10〜1
5)からなるエッチング液」でエッチングする工程に、
予備エッチング工程として請求項4の工程を付加したこ
とを特徴とするプローブの製造方法(請求項5)」を提
供する。
【0016】第六に「3〜28mol %の酸化ゲルマニウ
ムを添加した石英コアと、光ファイバーの半径を1とし
たとき、半径0.3〜0.6に位置する境界より内側に
当たるクラッドAと、それより外側に当たるクラッドB
からなり、前記クラッドBに0.5〜10mol %の酸化
ひ素が添加されている前記光ファイバーを「濃度50重
量%のフッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度4
0重量%のフッ化アンモニウム水溶液:Y容量部(Y=
4〜15)からなるエッチング液」でエッチングするこ
とを特徴とするプローブの製造方法(請求項6)」を提
供する。
【0017】第七に「「濃度50重量%のフッ酸水溶
液:1容量部、 水:1容量部、濃度40重量%のフッ
化アンモニウム水溶液:Y1 容量部(Y1 =1〜2)か
らなるエッチング液」でエッチングする予備エッチング
工程を付加したことを特徴とする請求項6記載のプロー
ブの製造方法(請求項7)を提供する。第八に「3〜2
8mol %の酸化ゲルマニウムを添加した石英コアと、光
ファイバーの半径を1としたとき、半径0.3〜0.6
に位置する境界より内側に当たるクラッドAと、それよ
り外側に当たるクラッドBからなり、前記クラッドBに
1〜5mol %のフッ化ケイ素が添加されている前記光フ
ァイバーを「濃度50重量%のフッ酸水溶液:1容量
部、水:1容量部、濃度40重量%のフッ化アンモニウ
ム水溶液:Y容量部(Y=4〜15)からなるエッチン
グ液」でエッチングすることを特徴とするプローブの製
造方法(請求項8)」を提供する。
【0018】第九に「「濃度50重量%のフッ酸水溶
液:1容量部、 水:1容量部、濃度40重量%のフッ
化アンモニウム水溶液:Y1 容量部(Y1 =1〜3)か
らなるエッチング液」でエッチングする予備エッチング
工程を付加したことを特徴とする請求項8記載のプロー
ブの製造方法(請求項9)」を提供する。第十に「請求
項1〜9の製造方法において、前記エッチング液の成分
比を変えることによりプローブの尖り角を変えることを
特徴とするプローブの製造方法(請求項10)」を提供
する。
【0019】第十一に「検査領域を照射する光照射手
段、前記領域で発生する電場を検知するプローブ、前記
プローブを走査させる走査手段、前記走査手段の位置制
御手段、前記プローブで検知した検知した電場を電気信
号に変換する検出手段、前記検出手段からの情報と前記
位置制御手段からの位置情報に基づき画像を表示する画
像表示手段からなるフォトン走査型トンネル顕微鏡にお
いて、前記プローブが請求項1〜10記載の方法で製造
されたプローブであることを特徴とするフォトン走査型
トンネル顕微鏡(請求項11)」を提供する。
【0020】
【作用】一般に、ガラスはフッ酸緩衝液によりエッチン
グできるが、そのエッチング速度はガラスの組成及びエ
ッチング液の組成で変化することから、これを利用して
エッチング速度を制御することができる。本願発明に用
いる出発原料となる光ファイバーは、3重構造(コア
(1)、クラッドA(2)、クラッドB(3))をとっ
ている(図1のa)。石英からなるコア(1)には、酸
化ゲルマニウムが3〜28%添加されており、屈折率がや
や高くなっている。
【0021】コア(1)の外周部に位置しコア(1)に
隣接するクラッドA(2)、クラッドA(2)の外周部
に位置しクラッドA(2)と隣接してクラッドB(3)
が形成されている。クラッドA(2)とクラッドB
(3)の境界は、光ファイバーの半径を1としたとき、
コア(1)中心から半径方向に30〜60%の範囲に存在す
るようにそれぞれのクラッドの組成を変化させる。
【0022】クラッドA(2)に添加する物質として
は、5〜15mol %の酸化ホウ素が挙げられる。 クラッ
ドB(3)に添加する物質としては、0.5 〜10mol %の
酸化リン、5〜30mol %の酸化ホウ素、0.5 〜10 mol%
の酸化ヒ素が挙げられる。クラッドA(2)に物質を添
加する場合、クラッドB(3)には何も添加せず原材料
の石英のみの組成である。クラッドB(3)に物質を添
加する場合も同様にクラッドA(2)には何も添加しな
い。また、いずれの場合においても石英コア(1)に添
加する酸化ゲルマニウムは3〜28 mol%とする。
【0023】化学エッチングにおいては、濃度50重量
%のフッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40
重量%のフッ化アンモニウム水溶液:Y容量部(Yを変
化させる)からなるエッチング液を用いる。このエッチ
ング液の組成は、クラッドA(2)とクラッドB(3)
の組成の差異からエッチング速度がクラッドA(2)よ
りもクラッドB(3)の方が大きくなるように調整す
る。
【0024】化学エッチングは、エッチング液中のY
(濃度40重量%のフッ化アンモニウム水溶液量)を変
化させて2回繰り返すこともある。このようにエッチン
グを繰り返す理由は、コア(1)のエッチング速度は、
酸化ゲルマニウムが添加されているので、エッチング速
度が最も遅くなりプローブ端面の中央部は先鋭化される
が、その先鋭度が不足するからである。エッチングを繰
り返すことにより充分な先鋭度を得ることができる。
【0025】また、この第2段階のエッチングにおける
エッチング液の成分比を調整することにより、先鋭化後
の先端尖り角の大きさを制御することもできる。
【0026】
【実施例1】本実施例に用いる光ファイバーは、石英コ
アとクラッドからなる。クラッドは、クラッドA(2)
とクラッドB(3)を有し、クラッドA(2)とクラッ
ドB(3)の境界が光ファイバーの半径を1としたとき
に、コア中心から半径方向に50% の位置になるように
クラッドB(3)に5mol %の酸化リンが添加してあ
る。コア(1)には、酸化ゲルマニウムを濃度23mol %
添加する。光ファイバー(1)をへき壊により光軸に対
し垂直に切断する(図3のa)。
【0027】エッチング液として、濃度50重量%のフ
ッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重量%
のフッ化アンモニウム水溶液:2容量部(以下エッチン
グ液Aと呼ぶ)及び濃度50重量%のフッ酸水溶液:1
容量部、水:1容量部、濃度40重量%のフッ化アンモ
ニウム水溶液:10容量部(以下エッチング液B)を用意
する。これをテフロンビーカーで3者を混合することで
各種エッチング液を調整した。これに光ファイバーの先
端から1mmの位置までエッチング液Aに入れ、無攪拌
で50〜60分間浸漬させて放置する。
【0028】光ファイバーの先端部は、端面の中央が先
鋭化するとともにその周辺がテーパー状になっていく
(図3のb)。しかし、この状態ではプローブ先端の突
起は尖り角などの点で不十分であるので、更にこの状態
のプローブをエッチング液Bに端面のみ接触させ、無攪
拌で120分浸漬させて放置する。この結果、図3のc
のような形状のプローブ先端を持ち、尖り角が約25度の
プローブを得ることができた。
【0029】
【実施例2】クラッドA(2)とクラッドB(3)の境
界が光ファイバーの半径を1としたときに、コア中心か
ら半径方向に50% の位置になるようにクラッドB
(3)に20 mol%の酸化ホウ素が添加してある。コア
(1)には、 酸化ゲルマニウムを濃度23 mol%添加す
る。 光ファイバーをへき壊により光軸に対し垂直に切
断する。
【0030】エッチング液として、濃度50重量%のフ
ッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重量%
のフッ化アンモニウム水溶液:15容量部を用意する。前
述の光ファイバーを先端から1mmの位置まで、エッチ
ング液に入れ、無攪拌で100〜120分間浸漬させて
エッチングする。光ファイバーの先端部は、端面の中央
が先鋭化するとともにその周辺がテーパー状になってい
く。この結果、プローブ先端の尖り角が約20度のプロー
ブを得ることができた。
【0031】
【実施例3】クラッドA(2)とクラッドB(3)の境
界が光ファイバーの半径を1としたときに、コア中心か
ら半径方向に50% の位置になるようにクラッドA
(2)に10 mol%の酸化ホウ素が添加してある。コア
(1)には、酸化ゲルマニウムを濃度23 mol%添加す
る。光ファイバーをへき壊により光軸に対し垂直に切断
する。
【0032】エッチング液として、濃度50重量%のフ
ッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重量%
のフッ化アンモニウム水溶液:2容量部を用意する。
(以下エッチング液Aと呼ぶ)及び濃度50重量%のフ
ッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重量%
のフッ化アンモニウム水溶液:10容量部(以下エッチン
グ液Bと呼ぶ)を用意する。
【0033】前述の光ファイバーを先端から1mmの位
置まで、エッチング液Aに入れ、無攪拌で50〜60分
間浸漬させてエッチングする。光ファイバーの先端部
は、端面中央が先鋭化するとともにその周辺がテーパー
状になっていく。しかし、この状態ではプローブ先端の
突起は尖り角などの点で不十分であるので、更にこの状
態のプローブをエッチング液Bに端面のみ接触させ、無
攪拌で120分浸漬させて放置する。
【0034】この結果、プローブ先端の尖り角が約25度
のプローブを得ることができた。
【0035】
【実施例4】クラッドA(2)とクラッドB(3)の境
界が光ファイバーの半径を1としたときに、コア中心か
ら半径方向に50%の位置になるようにクラッドA(2)
に5mol%の酸化ヒ素が添加してある。コア(1)に
は、酸化ゲルマニウムを濃度23mol%添加する。光ファ
イバーをへき壊により光軸に対し垂直に切断する。
【0036】エッチング液として、濃度50重量%のフ
ッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重量%
のフッ化アンモニウム水溶液:2容量部を用意する。
(以下エッチング液Aと呼ぶ)及び濃度50重量%のフ
ッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重量%
のフッ化アンモニウム水溶液:10容量部(以下エッチン
グ液Bと呼ぶ)を用意する。
【0037】前述の光ファイバーを先端から1mmの位
置まで、エッチング液Aに入れ、無攪拌で50〜60分
間浸漬させてエッチングする。光ファイバーの先端部
は、端面中央が先鋭化するとともにその周辺がテーパー
状になっていく。しかし、この状態ではプローブ先端の
突起は尖り角などの点で不十分であるので、更にこの状
態のプローブをエッチング液Bに端面のみ接触させ、無
攪拌で120分浸漬させて放置する。
【0038】この結果、プローブ先端の尖り角が約25度
のプローブを得ることができた。更に、本願発明の製造
方法を応用すれば、光ファイバーの先端部のマイクロレ
ンズの製造における焦点距離の制御も容易になる。ま
た、任意の曲率をもった光ファイバーの先端部の加工が
容易になる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、化学エッチングだけで
(他の方法例えば、機械研磨等を用いず)図2のaに示
す様な理想的な形状のプローブを再現性よく製造するこ
とができる。よって、凹凸の激しい試料を観察する場合
の分解能が高くなる。また、プローブが試料に衝突する
ことがないので長時間の観察が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、(a)は本発明にかかる光ファイバーを光
軸に対して垂直に切断した垂直断面図であり、(b)は
エッチング後のプローブ先端を光軸に対して平行に切断
した断面図である。
【図2】は、(a)は理想的な形状のフォトン走査型ト
ンネル顕微鏡用プローブ断面図であり、(b)は従来の
プローブ断面図である。
【図3】は、本発明による一実施例のエッチング工程に
伴う、プローブ先端の形状変化を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・コア 2・・・クラッドA 3・・・クラッドB

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3〜28mol %の酸化ゲルマニウムを添
    加した石英コアと、光ファイバーの半径を1としたと
    き、半径0.3〜0.6に位置する境界より内側に当た
    るクラッドAと、それより外側に当たるクラッドBから
    なり、前記クラッドBに0.5〜10mol %の酸化リン
    が添加されている前記光ファイバーを「濃度50重量%
    のフッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重
    量%のフッ化アンモニウム水溶液:Y容量部(Y=4〜
    15)からなるエッチング液」でエッチングすることを
    特徴とするプローブの製造方法。
  2. 【請求項2】 「濃度50重量%のフッ酸水溶液:1容
    量部、 水:1容量部、濃度40重量%のフッ化アンモ
    ニウム水溶液:Y1 容量部(Y1 =1〜3)からなるエ
    ッチング液」でエッチングする予備エッチング工程を付
    加したことを特徴とする請求項1記載のプローブの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 3〜28mol %の酸化ゲルマニウムを添
    加した石英コアと、光ファイバーの半径を1としたと
    き、半径0.3〜0.6に位置する境界より内側に当た
    るクラッドAと、それより外側に当たるクラッドBから
    なり、前記クラッドBに5〜30mol %の酸化ホウ素が
    添加されている前記光ファイバーを「濃度50重量%の
    フッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重量
    %のフッ化アンモニウム水溶液:Y容量部(Y=10〜
    15)からなるエッチング液」でエッチングすることを
    特徴とするプローブの製造方法。
  4. 【請求項4】 3〜28mol %の酸化ゲルマニウムを添
    加した石英コアと、光ファイバーの半径を1としたと
    き、半径0.3〜0.6に位置する境界より内側に当た
    るクラッドAと、それより外側に当たるクラッドBから
    なり、前記クラッドAに5〜15mol %の酸化ホウ素が
    添加されておいる前記光ファイバーを「濃度50重量%
    のフッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重
    量%のフッ化アンモニウム水溶液:Y容量部(Y=1〜
    4)からなるエッチング液」でエッチングすることを特
    徴とするプローブの製造方法。
  5. 【請求項5】 「濃度50重量%のフッ酸水溶液:1容
    量部、 水:1容量部、濃度40重量%のフッ化アンモ
    ニウム水溶液: Y2 容量部(Y2 =10〜15)から
    なるエッチング液」でエッチングする工程に、予備エッ
    チング工程として請求項4の工程を付加したことを特徴
    とするプローブの製造方法。
  6. 【請求項6】 3〜28mol %の酸化ゲルマニウムを添
    加した石英コアと、光ファイバーの半径を1としたと
    き、半径0.3〜0.6に位置する境界より内側に当た
    るクラッドAと、それより外側に当たるクラッドBから
    なり、前記クラッドBに0.5〜10mol %の酸化ひ素
    が添加されている前記光ファイバーを「濃度50重量%
    のフッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重
    量%のフッ化アンモニウム水溶液:Y容量部(Y=4〜
    15)からなるエッチング液」でエッチングすることを
    特徴とするプローブの製造方法。
  7. 【請求項7】 「濃度50重量%のフッ酸水溶液:1容
    量部、 水:1容量部、濃度40重量%のフッ化アンモ
    ニウム水溶液:Y1 容量部(Y1 =1〜2)からなるエ
    ッチング液」でエッチングする予備エッチング工程を付
    加したことを特徴とする請求項6記載のプローブの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 3〜28mol %の酸化ゲルマニウムを添
    加した石英コアと、光ファイバーの半径を1としたと
    き、半径0.3〜0.6に位置する境界より内側に当た
    るクラッドAと、それより外側に当たるクラッドBから
    なり、前記クラッドBに1〜5mol %のフッ化ケイ素が
    添加されている前記光ファイバーを「濃度50重量%の
    フッ酸水溶液:1容量部、水:1容量部、濃度40重量
    %のフッ化アンモニウム水溶液:Y容量部(Y=4〜1
    5)からなるエッチング液」でエッチングすることを特
    徴とするプローブの製造方法。
  9. 【請求項9】 「濃度50重量%のフッ酸水溶液:1容
    量部、 水:1容量部、濃度40重量%のフッ化アンモ
    ニウム水溶液:Y1 容量部(Y1 =1〜3)からなるエ
    ッチング液」でエッチングする予備エッチング工程を付
    加したことを特徴とする請求項8記載のプローブの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の製造方法において、前
    記エッチング液の成分比を変えることによりプローブの
    尖り角を変えることを特徴とするプローブの製造方法。
  11. 【請求項11】 検査領域を照射する光照射手段、前記
    領域で発生する電場を検知するプローブ、前記プローブ
    を走査させる走査手段、前記走査手段の位置制御手段、
    前記プローブで検知した検知した電場を電気信号に変換
    する検出手段、前記検出手段からの情報と前記位置制御
    手段からの位置情報に基づき画像を表示する画像表示手
    段からなるフォトン走査型トンネル顕微鏡において、前
    記プローブが請求項1〜10記載の方法で製造されたプ
    ローブであることを特徴とするフォトン走査型トンネル
    顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0924524A1 (en) * 1996-09-06 1999-06-23 Kanagawa Academy Of Science And Technology Optical fiber probe and its manufacturing method
JP2005144561A (ja) * 2003-11-11 2005-06-09 Seiko Epson Corp 近接場光プローブ、近接場光の取出し方法並びに近接場光を用いた加工方法
CN108732388A (zh) * 2018-03-30 2018-11-02 姜全博 一种单光子源主动探针的制作方法

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