JPH06129216A - 超磁歪式アクチュエータ - Google Patents

超磁歪式アクチュエータ

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Publication number
JPH06129216A
JPH06129216A JP4301702A JP30170292A JPH06129216A JP H06129216 A JPH06129216 A JP H06129216A JP 4301702 A JP4301702 A JP 4301702A JP 30170292 A JP30170292 A JP 30170292A JP H06129216 A JPH06129216 A JP H06129216A
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JP
Japan
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casing
giant magnetostrictive
rod
magnetostrictive rod
liquid
Prior art date
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Pending
Application number
JP4301702A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Mashita
亨 真下
Kazumitsu Kobayashi
一光 小林
Katsuyoshi Kawachi
勝義 河内
Tomokazu Misawa
智一 三澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Priority to JP4301702A priority Critical patent/JPH06129216A/ja
Publication of JPH06129216A publication Critical patent/JPH06129216A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全体の構造を複雑化することなく、駆動対象
物となる弁体等の変位量を大きくする。 【構成】 超磁歪式アクチュエータ6を密閉容器として
形成されたケーシング7と、該ケーシング7の内,外を
連通する小径の摺動穴8と、前記ケーシング7内に断面
積Sa をもって大径に形成され、磁場によって伸,縮し
て体積を増,減する超磁歪ロッド9と、該超磁歪ロッド
9に磁場をかける電磁コイル13と、前記ケーシング7
内に封入された非圧縮性の液体14と、前記摺動穴8内
に摺動可能に挿嵌され、断面積Sb をもって小径に形成
された駆動ピストン15とから構成した。従って、超磁
歪ロッド9に電磁コイル13で磁場をかけてその体積を
増大させることにより、液体14の液圧を上昇させて駆
動ピストン15を該駆動ピストン15の断面積Sb と超
磁歪ロッド9の断面積Sa との比率分だけ大きく駆動す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば吸気弁または排
気弁等の弁体を開,閉するのに好適に用いられる超磁歪
式アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、筒状のケーシングと、該ケーシ
ングの軸方向に伸長して該ケーシング内に設けられ、該
ケーシングの一端側に設けられる駆動対象物を駆動すべ
く、磁場がかけられたときに軸方向に伸,縮する超磁歪
ロッドと、該超磁歪ロッドの周囲に位置して前記ケーシ
ング内に設けられ、外部から通電されることにより該超
磁歪ロッドに磁場をかける電磁コイルと、前記ケーシン
グの他端側に設けられ、該ケーシング内で前記超磁歪ロ
ッドを軸方向に位置決めする位置決め手段とからなる超
磁歪式アクチュエータは、例えば特開平2−14297
9号公報によって知られている。
【0003】そして、この種の従来技術による超磁歪式
アクチュエータでは、前記超磁歪ロッドの一端側に駆動
対象物として、例えばエンジンの吸気弁または排気弁等
の弁体を取付け、該弁体を超磁歪ロッドの伸,縮によっ
て弁座から離,着座させて開,閉動作を行なうようにし
ている。
【0004】また、上記従来技術では、超磁歪ロッドの
伸,縮による弁体のリフト量を増大させるために、該弁
体と超磁歪ロッドとの間にてこ機構を設け、超磁歪ロッ
ドの伸,縮時の変位量をこのてこ機構により倍増させ、
弁体を比較的大きなリフト量をもって駆動できるように
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるものでは、駆動対象物となる弁体のリフト
量を増大させるために、該弁体と超磁歪ロッドとの間に
てこ機構等を設けるようにしているから、該てこ機構に
よって部品点数が増大し、全体の構造が複雑化するとい
う問題がある。
【0006】また、従来技術では、超磁歪ロッドの周囲
に設けた電磁コイルが外部からの通電により発熱する
と、このときの熱影響等によって超磁歪ロッドが軸方向
に熱膨張するため、該超磁歪ロッドの熱膨張により弁体
が開弁方向に変位して弁座から離座することがあり、シ
ール不良等の原因になるという問題がある。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、駆動対象物となる弁体等の変位量を大き
くでき、全体の構造を簡略化できると共に、超磁歪ロッ
ド等が熱膨張したときでも、この熱膨張分をケーシング
等の熱膨張により吸収でき、弁体等の駆動対象物を安定
して駆動できるようにした超磁歪式アクチュエータを提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明が採用する構成は、密閉容器として形成さ
れたケーシングと、該ケーシングの内,外を連通するよ
うに該ケーシングに形成された小径の摺動穴と、前記ケ
ーシング内に位置して該摺動穴よりも大径に形成され、
磁場がかけられたときに軸方向に伸,縮して体積を増,
減する超磁歪ロッドと、該超磁歪ロッドの周囲に位置し
て前記ケーシング内に設けられ、外部から通電されるこ
とにより該超磁歪ロッドに磁場をかける電磁コイルと、
前記ケーシング内に封入され、超磁歪ロッドの体積の
増,減に応じて液圧が変化する非圧縮性の液体と、前記
摺動穴内に摺動可能に挿嵌され、該液体からの液圧によ
って駆動される駆動ピストンとからなる。
【0009】また、前記ケーシングを超磁歪ロッド,電
磁コイル,液体の熱膨張率に基づき、予め決められた熱
膨張率を有する材料によって所定寸法に形成してもよ
い。
【0010】
【作用】上記構成により、超磁歪ロッドは電磁コイルに
よって磁場がかけられることにより、軸方向に伸,縮し
てその体積を増,減させ、この体積の増,減によって液
体の液圧を変化させる。これにより、この液体は摺動穴
の内径と超磁歪ロッドの外径との比率分だけ、該摺動穴
内の駆動ピストンを大きく駆動する。
【0011】また、前記超磁歪ロッド,電磁コイル,液
体が温度上昇して熱膨張したときには、ケーシングが該
超磁歪ロッド,電磁コイル,液体の熱膨張を相殺するよ
うに熱膨張し、このときの液体の液圧変化を吸収する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1および図2に基
づき、超磁歪式アクチュエータでエンジンの吸,排気弁
を開,閉動作させる場合を例に挙げて説明する。
【0013】まず、図1は本発明の第1の実施例を示し
ている。
【0014】図において、1はエンジンのシリンダ(図
示せず)上に設けられたシリンダヘッドを示し、該シリ
ンダヘッド1には、一端側が前記シリンダ内に開口し、
他端側が該シリンダヘッド1外に開口した吸,排気用の
ポート2(片方のみ図示)が形成され、該ポート2の一
端側は後述する弁体4の弁部4Bが離,着座する弁座2
Aとなっている。また、該シリンダヘッド1には、前記
ポート2の途中に位置して上,下方向に伸長するように
円筒状のブッシュ3が挿嵌され、該ブッシュ3は前記弁
体4の軸部4Aを摺動可能に支持するものである。
【0015】4はポート2を開,閉弁すべく、ブッシュ
3に取付けられた弁体を示し、該弁体4は、該ブッシュ
3に摺動可能に支持され、上,下方向に伸長した軸部4
Aと、該軸部4Aの下端側に位置してポート2の弁座2
Aから離,着座可能に設けられた傘状の弁部4Bと、前
記軸部4Aの上端側に固着され、後述する弁ばね5の上
端側を支持する円板状のばね受4Cとから構成されてい
る。
【0016】5は弁体4の軸部4A外周側に位置してシ
リンダヘッド1の上端側とばね受4Cとの間に配設され
た弁ばねを示し、該弁ばね5は、前記弁体4を上向きに
付勢することにより、該弁体4の弁部4Bをポート2の
弁座2Aに着座させるようになっている。
【0017】6はシリンダヘッド1の上端側に設けられ
た本実施例による超磁歪式アクチュエータを示し、該超
磁歪式アクチュエータ6は、後述するケーシング7,摺
動穴8,超磁歪ロッド9,電磁コイル13,液体14,
駆動ピストン15等から大略構成されている。
【0018】まず、7は弁体4の上側に位置してシリン
ダヘッド1に取付けられたケーシングを示し、該ケーシ
ング7は電磁ステンレス鋼等の磁性材料により密閉容器
として形成され、上,下方向に伸長する大径な円筒状に
形成された筒部7Aと、該筒部7Aの上端側を閉塞する
蓋部7Bと、前記筒部7Aの下端側を閉塞して設けら
れ、所定の厚さ寸法をもって厚肉に形成された底部7C
とから構成されている。また、前記蓋部7Bの中央に
は、該蓋部7B下面側から下向きに突出する円柱状の受
座7Dが一体的に設けられ、該受座7Dには、超磁歪ロ
ッド9の上端面が当接されるようになっている。
【0019】8はケーシング7の底部7C中央に位置し
て上,下方向に貫通し、弁体4と同軸に設けられた小径
の摺動穴を示し、該摺動穴8には、駆動ピストン15が
上,下方向に摺動可能に挿嵌されている。
【0020】9はケーシング7内に位置してその上端面
が受座7Dの下端面に当接するように配設された超磁歪
ロッドを示し、該超磁歪ロッド9は、例えばネオジム
(Nd)−鉄母合金またはジスプロシウム(Dy)−
鉄、テルビウム(Tb)−鉄母合金等の超磁歪材料から
正の磁歪特性をもった長尺な円柱状ロッドとして形成さ
れ、その有効断面積はSa となっている。そして、該超
磁歪ロッド9は、電磁コイル13からの磁場により、例
えば1kOe(キロエルステッド)の磁場でその長さ寸
法が1000PPM(1000×10-6)の比率をもっ
て軸方向に伸び変形するようになっている。
【0021】また、10は前記超磁歪ロッド9の下端面
に当接して設けられた円板状のばね受、11は該ばね受
10とケーシング7の底部7Cとの間に配設された設定
ばねをそれぞれ示し、該設定ばね11は前記超磁歪ロッ
ド9をばね受10を介して常時上向きに付勢することに
より、該超磁歪ロッド9を受座7Dとの間に挟持して軸
方向に押圧し、該超磁歪ロッド9に初期荷重を付与して
いる。
【0022】12はケーシング7内に位置して超磁歪ロ
ッド9の外周側に配設された段付円筒状のコイルボビ
ン、13は該コイルボビン12に巻回された電磁コイル
をそれぞれ示し、該電磁コイル13は、外部からの通電
により励磁されて磁場を発生し、この磁場を超磁歪ロッ
ド9にかけて該超磁歪ロッド9を軸方向に伸び変形させ
るものである。
【0023】14はケーシング7内に封入されたミシン
油等の非圧縮性の液体を示し、該液体14は、その液圧
が超磁歪ロッド9の伸,縮による体積の増,減によって
変化し、このときの液圧を駆動ピストン15に伝達する
ことにより、該駆動ピストン15を摺動穴8内で軸方向
に移動させる。
【0024】15は摺動穴8内に位置して軸方向に摺動
可能に挿嵌された駆動ピストンを示し、該駆動ピストン
15の下端側には、下向きに伸長して弁体4の上端側に
当接する出力ロッド15Aが一体的に設けられている。
そして、該駆動ピストン15は、液体14の液圧の上昇
によって下向きに押動されたときには、出力ロッド15
Aの下端側で弁体4を下向きに駆動し、弁ばね5の付勢
力に抗して弁部4Bをポート2の弁座2Aから離座させ
るようになっている。
【0025】ここで、前記駆動ピストン15は、摺動穴
8内で有効断面積Sb を有し、この有効断面積Sb は超
磁歪ロッド9の有効断面積Sa に対して、
【0026】
【数1】Sa =K×Sb ただし、K:定数 なる関係に設定され、定数Kは、例えば10よりも大き
い値(K>10)となっている。
【0027】本実施例による超磁歪式アクチュエータ6
は上述の如き構成を有するもので、次にその作動につい
て説明する。
【0028】まず、電磁コイル13を外部からの給電に
より励磁し、該電磁コイル13により超磁歪ロッド9に
磁場をかけると、該超磁歪ロッド9は、このときの磁場
の強さに応じて伸び変形して体積を増大させ、この体積
増大分だけ液体14の液圧を上昇させる。これにより、
該駆動ピストン15は、この液体14の液圧の上昇によ
って下側に押圧されて移動し、出力ロッド15Aを介し
て弁体4を下向きに押圧して弁ばね5の付勢力に抗して
弁体4の弁部4Bをポート2の弁座2Aから離座させて
開弁することができる。
【0029】この場合、超磁歪ロッド9の有効断面積S
a と駆動ピストン15の有効断面積Sb とは前記数1の
如く設定され、該駆動ピストン15の変位量は超磁歪ロ
ッド9の伸び量に対して前記定数KによるK倍だけ倍増
されるので、出力ロッド15Aによって弁体4を大きく
駆動することができる。
【0030】かくして、本実施例によれば、摺動穴8内
の駆動ピストン15を該駆動ピストン15の有効断面積
Sb と超磁歪ロッド9の有効断面積Sa との差(定数
K)の分だけ大きく移動させることができるから、従来
技術で述べたてこ機構等を用いることなく、駆動ピスト
ン15で弁体4を大きくリフトさせることができると共
に、部品点数を削減して全体の構造を簡略化でき、生産
性の向上やコストの低減を図ることができる。
【0031】次に、図2は本発明の第2の実施例を示
し、本実施例の特徴は、超磁歪ロッドや液体の熱膨張分
をケーシング等の熱膨張によって吸収する構成としたこ
とにある。
【0032】図において、21は本実施例による超磁歪
式アクチュエータを示し、該超磁歪式アクチュエータ2
1は、後述するケーシング22,蓋体23,超磁歪ロッ
ド24,電磁コイル28,液体29,駆動ピストン30
等から構成されている。
【0033】まず、22は超磁歪式アクチュエータ21
の外形を構成するケーシングを示し、該ケーシング22
は、大径な円筒状に形成された筒部22Aと、該筒部2
2Aの上端側を閉塞する円板状の蓋部22Bとから有蓋
筒状に形成され、前記筒部22Aの下端側にはカシメ部
22Cが設けられ、該カシメ部22Cは、蓋体23を該
ケーシング22に液密に固定している。
【0034】23はケーシング22の下端側に設けら
れ、該ケーシング22と共に密閉容器をなす蓋体を示
し、該蓋体23は、外周側がカシメ部22Cにカシメ固
定された円板状の底板部23Aと、該底板部23Aの中
央から下向きに伸長する小径な円筒状に形成された小径
筒部23Bとから大略構成され、該小径筒部23Bの内
周側は、駆動ピストン30が軸方向に摺動可能に挿嵌さ
れる摺動穴23Cとなっている。
【0035】ここで、前記ケーシング22と蓋体23と
は、熱膨張率α1 をもった材料によって形成され、周囲
温度がt℃だけ上昇したときの熱膨張後の断面積S1
は、該ケーシング22と蓋体23とによって形成された
密閉容器内の寸法を内径寸法D1 とすると、
【0036】
【数2】 となる。そして、ケーシング22と蓋体23とから形成
された密閉容器内の熱膨張後の内容積の増大量ΔV1
は、ケーシング22の長さ寸法L1 とすると、
【0037】
【数3】ΔV1 ≒S1 (L1 ×α1 ×t) となり、前記熱膨張率α1 ,内径寸法D1 ,長さ寸法L
1 は、下記数8を満足するように設定されている。
【0038】24はケーシング22内に位置してその上
端面が蓋部22Bの下端面中央に当接するように配設さ
れた超磁歪ロッドを示し、該超磁歪ロッド24は、例え
ばネオジム(Nd)−鉄母合金またはジスプロシウム
(Dy)−鉄、テルビウム(Tb)−鉄母合金等の超磁
歪材料から正の磁歪特性をもった長尺な円柱状ロッドと
して形成され、その有効断面積はS2 となっている。そ
して、該超磁歪ロッド24は、電磁コイル28からの磁
場により、例えば1kOe(キロエルステッド)の磁場
で全長L2 に対して1000PPM(1000×1
-6)の比率で軸方向に伸び変形するようになってい
る。また、該超磁歪ロッド24は、例えば1×10-5
℃程度の熱膨張率α2 (線膨張係数)を有し、周囲温度
がt℃上昇することにより全長L2 に対して軸方向に寸
法(L2 ×α2 ×t)だけ熱膨張し、その熱膨後の体積
の増大量ΔV2 は、
【0039】
【数4】ΔV2 ≒S2 (L2 ×α2 ×t) となる。
【0040】25は前記超磁歪ロッド24の下端面に当
接して設けられた円板状のばね受、26は該ばね受25
と蓋体23の底板部23Aとの間に配設された設定ばね
をそれぞれ示し、該設定ばね26は前記超磁歪ロッド2
4をばね受25を介して常時上向きに付勢することによ
り、該超磁歪ロッド24を蓋部22Bとの間に挟持して
押圧し、該超磁歪ロッド24に初期荷重を付与してい
る。
【0041】27はケーシング22内に位置して超磁歪
ロッド24の外周側に配設された段付円筒状のコイルボ
ビン、28は該コイルボビン27に巻回された電磁コイ
ルをそれぞれ示し、該電磁コイル28は、外部からの通
電により励磁されて磁場を発生し、この磁場を超磁歪ロ
ッド24にかけて該超磁歪ロッド24を軸方向に伸び変
形させるものである。また、該電磁コイル28は体積膨
張率β3 を有し、周囲温度がt℃上昇することにより全
長L3 に対して軸方向に寸法(L3 ×β3 ×t)だけ熱
膨張し、該電磁コイル28のドーナツ状の断面積をS3
としたときの熱膨張後の体積の増大量ΔV3 は、
【0042】
【数5】ΔV3 ≒S3 (L3 ×β3 ×t) となる。
【0043】29はケーシング22と蓋体23とによっ
て形成された密閉容器内に封入されたミシン油等の非圧
縮性の液体を示し、該液体29は、超磁歪ロッド24が
伸,縮して体積を増,減することによって液圧が変化
し、このときの液圧を駆動ピストン30に伝えることに
より、該駆動ピストン30を蓋体23の摺動穴23C内
で軸方向に移動させるものである。また、該液体29
は、体積膨張率β4 を有し、周囲温度がt℃上昇したと
きには、体積V(注入量)に対して熱膨張後の体積の増
大量ΔV4 は、
【0044】
【数6】ΔV4 =V×β4 ×t となる。
【0045】30は蓋体23の摺動穴23C内に位置し
て軸方向に摺動可能に挿嵌された駆動ピストンを示し、
該駆動ピストン30には、その下端面から下向きに伸長
して小径筒部23B外に突出した出力ロッド30Aが一
体に設けられている。そして、該駆動ピストン30は、
液体29の液圧の上昇によって下向きに押動されたとき
に、前記出力ロッド30Aの下端側で例えば駆動対象物
としての弁体を下向きに駆動して弁座(いずれも図示せ
ず)から離座させるようになっている。
【0046】ところで、ケーシング22内に設けた電磁
コイル28は外部からの通電により発熱し、このときの
熱影響が超磁歪ロッド24,液体29等に及ぶと、超磁
歪ロッド24,電磁コイル28,液体29は前記数4〜
6の式のように周囲温度がt℃上昇することにより、そ
れぞれの体積が増大量ΔV2 ,ΔV3 ,ΔV4 をもって
増大するから、これによって液体29の液圧が変化し、
駆動ピストン30が熱膨張によって変位してしまう。
【0047】そこで、本実施例では、超磁歪ロッド2
4,電磁コイル28,液体29の熱膨張による体積の増
大量ΔV2 ,ΔV3 ,ΔV4 に基づき、ケーシング22
および蓋体23からなる密閉容器の内容積の増大量ΔV
1 を前記数4〜6の式から、
【0048】
【数7】ΔV1 =ΔV2 +ΔV3 +ΔV4 とし、これに基づいてケーシング22および蓋体23の
熱膨張率α1 ,長さ寸法L1 ,内径寸法D1 を、
【0049】
【数8】S1 ×L1 ×α1 ×t=S2 ×L2 ×α2 ×t
+S3 ×L3 ×β3×t+V×β4 ×t なる関係を満足するように設定することにより、熱影響
による駆動ピストン30の変位を防止するようにしてい
る。
【0050】かくして、このように構成される本実施例
においても、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を
得ることができるものの、特に、本実施例では、ケーシ
ング22と蓋体23とを前記数8の式を満足する熱膨張
率α1 を有する材料から所定の形状(内径寸法D1 ,長
さ寸法L1 )となるように形成しているから、電磁コイ
ル28からの熱等によって超磁歪ロッド24,電磁コイ
ル28,液体29が熱膨張し、このときに生じる液体2
9の液圧の変化を前記ケーシング22および蓋体23の
熱膨張によって相殺することができ、熱膨張によって駆
動ピストン30が移動するのを防止して駆動対象物とし
ての弁体等に閉弁不良等が生じるのを防止できると共
に、当該超磁歪式アクチュエータ21を安定させて駆動
でき、信頼性等を大幅に向上することができる。
【0051】なお、前記第2の実施例では、ケーシング
22と蓋体23とを所定の熱膨張率α1 の材料によって
所定の形状(内径寸法D1 ,長さ寸法L1 )に形成し、
熱膨張による問題を解消するものとして述べたが、これ
らの構成を第1の実施例によるケーシング7に適用して
もよいことは勿論である。
【0052】また、前記各実施例では、超磁歪式アクチ
ュエータ6,21で駆動対象物としてエンジンのシリン
ダヘッド1に設けられた吸気弁または排気弁等の弁体4
を開,閉弁させる場合を例に挙げて説明したが、本発明
はこれに限らず、駆動対象物として例えば電磁式開閉弁
等のスプール弁体やポペット弁体を駆動するのに用いて
もよい。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、超
磁歪式アクチュエータを密閉容器として形成されたケー
シングと、該ケーシングの内,外を連通するように該ケ
ーシングに形成された小径の摺動穴と、前記ケーシング
内に位置して該摺動穴よりも大径に形成され、磁場がか
けられたときに軸方向に伸,縮して体積を増,減する超
磁歪ロッドと、外部からの通電により該超磁歪ロッドに
磁場をかける電磁コイルと、前記ケーシング内に封入さ
れた非圧縮性の液体と、前記摺動穴内に摺動可能に挿嵌
され、該液体からの液圧によって駆動される駆動ピスト
ンとから構成しているから、電磁コイルによって超磁歪
ロッドに磁場をかけ、該超磁歪ロッドを軸方向に伸,縮
して体積を増,減させることにより、液体の液圧を変化
させて駆動ピストンと超磁歪ロッドとの断面積の比率分
だけ、該摺動穴内の駆動ピストンを大きく駆動すること
ができ、例えば弁体等の駆動対象物の変位量を大きくす
ることができる。
【0054】また、ケーシングを超磁歪ロッド,電磁コ
イル,液体の熱膨張率に基づき、予め決められた熱膨張
率を有する材料によって所定寸法に形成するようにして
いるから、電磁コイルからの熱等によって超磁歪ロッ
ド,電磁コイル,液体が熱膨張しても、超磁歪ロッド,
電磁コイル,液体の熱膨張に対応させてケーシングを熱
膨張させることにより、互いの熱膨張を相殺して超磁歪
ロッド,電磁コイル,液体の熱膨張による液圧の変化を
吸収することができ、熱膨張によって駆動対象物が変位
するのを防止できると共に、当該超磁歪式アクチュエー
タを安定させて駆動でき、信頼性を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による超磁歪式アクチュ
エータで弁体を開弁する状態を示す縦断面図である。
【図2】第2の実施例による超磁歪式アクチュエータを
示す縦断面図である。
【符号の説明】
6,21 超磁歪式アクチュエータ 7,22 ケーシング 8,23C 摺動穴 9,24 超磁歪ロッド 13,28 電磁コイル 14,29 液体 15,30 駆動ピストン α1 ,α2 熱膨張率 β3 ,β4 体積膨張率(熱膨張率)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三澤 智一 群馬県伊勢崎市粕川町1671番地1 日本電 子機器株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器として形成されたケーシング
    と、該ケーシングの内,外を連通するように該ケーシン
    グに形成された小径の摺動穴と、前記ケーシング内に位
    置して該摺動穴よりも大径に形成され、磁場がかけられ
    たときに軸方向に伸,縮して体積を増,減する超磁歪ロ
    ッドと、該超磁歪ロッドの周囲に位置して前記ケーシン
    グ内に設けられ、外部から通電されることにより該超磁
    歪ロッドに磁場をかける電磁コイルと、前記ケーシング
    内に封入され、超磁歪ロッドの体積の増,減に応じて液
    圧が変化する非圧縮性の液体と、前記摺動穴内に摺動可
    能に挿嵌され、該液体からの液圧によって駆動される駆
    動ピストンとから構成してなる超磁歪式アクチュエー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングは前記超磁歪ロッド,電
    磁コイル,液体の熱膨張率に基づき、予め決められた熱
    膨張率を有する材料によって所定寸法に形成してなる請
    求項1に記載の超磁歪式アクチュエータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100441373C (zh) * 2006-09-13 2008-12-10 东南大学 适用于非圆零件车削的纵向进给装置
CN102817957A (zh) * 2012-09-05 2012-12-12 北京交通大学 自适应压磁磁流变阻尼器

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CN100441373C (zh) * 2006-09-13 2008-12-10 东南大学 适用于非圆零件车削的纵向进给装置
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