JPH06128184A - エーテル化合物の製造方法 - Google Patents

エーテル化合物の製造方法

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JPH06128184A
JPH06128184A JP5123943A JP12394393A JPH06128184A JP H06128184 A JPH06128184 A JP H06128184A JP 5123943 A JP5123943 A JP 5123943A JP 12394393 A JP12394393 A JP 12394393A JP H06128184 A JPH06128184 A JP H06128184A
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acetal
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達哉 江川
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憲二 最上
Yasuhiro Kawaguchi
泰宏 川口
Nobuaki Shimizu
延晃 清水
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【目的】 転化率および選択性に優れ、さらに装置腐食
を起こさないアセタールあるいはケタール化合物からの
エーテル化合物の製造方法を提供すること。 【構成】 下記の一般式(I)で示されるアセタールま
たはケタール化合物をラネーニッケル等の水素化触媒お
よびゼオライト等の固体酸触媒の存在で水素と反応させ
ることを特徴とする下記の一般式(II)または(III)で
示されるエーテル化合物の製造方法である。式中、R1
およびR2 は、例えばエチル基を表し、R3 ,R4 およ
びR5 はそれぞれ水素,メチル基,エチル基などの炭化
水素基を表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エーテル化合物の製造
方法に関し、詳しくはアセタールまたはケタール化合物
を水素添加することにより、溶剤,潤滑油などとして広
い用途を持つ有用なエーテル化合物を効率よく製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アセタール化合物やケタール化合物から
エーテル化合物を製造する方法としては、例えば実験化
学講座第20巻(第4版、丸善)には、酸とアルカリ金
属水素化物の組合せ,珪素試薬,ジボランなどを用いる
方法が示されている。しかし、これらの反応は、水素化
剤として非常に高価なアルカリ金属水素化物,ジボラ
ン,珪素試薬を化学量論量使用するので、工業的な製法
としては好ましくない。また、酸触媒と接触水素化を組
み合わせた方法が知られている。W.L.Howard
〔J.Org.Chem.26,1026(196
1)〕によれば、塩酸の存在下にアルミナにロジウムを
担持させた触媒でケタールの接触水素化分解によりエー
テルを生成したことが報告されている。米国特許第40
88700号明細書には環状アセタールである1,3−
ジオキソラン類を三フッ化硼素,三塩化アルミニウムな
どのルイス酸存在下、白金もしくはロジウム触媒で接触
水素化分解し、エーテル化合物を製造する方法が示され
ている。しかしながら、これらの製造法では塩酸,三フ
ッ化硼素,三塩化アルミニウムなどを使用しているの
で、通常の装置を使用した場合、その腐食が問題とな
り、特別な処理を必要とし、好ましくない。
【0003】そこで、酸を使用しない方法として、例え
ば特開昭58−4739号公報および特開昭58−17
7929号公報には、炭素担持させたパラジウム触媒で
アセタール類を水素化分解し、エーテル化合物を製造す
る方法が提案されている。この方法では、酸を使用しな
いので、装置の腐食の問題はないが、原料アセタールの
転化率において満足できるものではなかった。すなわ
ち、生成物と原料とを分離し、原料をリサイクルする操
作が必要となり、好ましくない。さらには生成したエー
テルが蒸留などでは分離精製不可能な場合は、製品中に
アセタールが残ることになる。一般にアセタール類は安
定性、特に耐加水分解性に欠け、その結果生じたアルデ
ヒドが酸化,還元,重縮合等を起こし、製品性状を著し
く損なうこととなり、問題となる。したがって、その適
用範囲は狭いものであると言わざるをえない。このよう
に、充分な反応活性を持ち、選択性がよく、さらに装置
腐食などを起こさないアセタールあるいはケタール化合
物からのエーテル化合物の製造方法は、まだ見出されて
おらず、その開発が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解消し、充分な反応活性を有し、選択性に
優れ、さらに装置腐食などを起こさない、アセタールあ
るいはケタール化合物からのエーテル化合物の製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸性質お
よび水素化能を有する固体触媒が前記目的に適合しうる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、一般式(I)
【0006】
【化5】
【0007】〔式中、R1 およびR2 はそれぞれ炭化水
素基または主鎖および/または側鎖にエーテル性酸素を
含む炭化水素基を表し、R3 ,R4 およびR5 はそれぞ
れ水素,炭化水素基または主鎖および/または側鎖にエ
ーテル性酸素を含む炭化水素基を表し、R1 〜R5 はそ
れぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕で示され
るアセタールまたはケタール化合物を酸性質および水素
化能を有する固体触媒の存在下で水素と反応させること
を特徴とする一般式(II)または(III)
【0008】
【化6】
【0009】〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR
5 は前記と同じである。〕で示されるエーテル化合物の
製造方法を提供するものである。
【0010】本発明の方法においては、出発原料として
上記一般式(I)で示されるアセタール化合物またはケ
タール化合物を用いる。上記一般式(I)において、R
1 およびR2 はそれぞれメチル基,エチル基,n−プロ
ピル基,イソプロピル基等の炭化水素基または式:
【0011】
【化7】
【0012】〔式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基
を表し、mは1〜500の整数を表す。〕で示されるよ
うな、主鎖および/または側鎖にエーテル性酸素を含む
炭化水素基を表す。また、R3 ,R4 およびR5 は、そ
れぞれ水素あるいは前記R1 およびR2 と同じもの、あ
るいは式:
【0013】
【化8】
【0014】〔式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基
を示し、mは1〜500の整数を示す。〕などを表す。
本発明においては、上記一般式(I)で表されるアセタ
ールまたはケタール化合物を、酸性質および水素化能を
有する固体触媒の存在で水素と反応させることにより、
一般式(II) または(III)
【0015】
【化9】
【0016】〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR
5 は前記と同じである。〕で示されるエーテル化合物が
得られる。上記一般式(I)で示されるアセタールまた
はケタール化合物としては、一般式(IV)
【0017】
【化10】
【0018】〔式中、R6 およびR7 はそれぞれ炭素数
1〜20の炭化水素基またはエーテル性酸素を含む炭化
水素基を表し、nは1〜500の整数を表す。〕で示さ
れる化合物が好ましく、この場合エーテル化合物とし
て、一般式(V)または(VI)
【0019】
【化11】
【0020】〔式中、R6 ,R7 およびnは前記と同じ
である。〕で示される化合物が得られる。上記一般式
(IV) で示される化合物には、一般式(IX)
【0021】
【化12】
【0022】〔式中、R6 およびnは前記と同じであ
る。〕で示される化合物が含有される場合があり、この
ような混合物においては、得られるエーテル化合物は前
記一般式(V)の化合物、あるいは一般式(V)の化合
物と(VI) の化合物との混合物となる。また、一般式
(I)で示されるアセタールおよびケタール化合物とし
て、一般式(VII) R8 CH(OR9)2 ・・・(VII) 〔式中、R8 およびR9 はそれぞれ炭素数1〜20の炭
化水素基を表す。〕で示される化合物も好ましく用いら
れる。この場合、エーテル化合物として、一般式(VII
I) R8 CH2 OR9 ・・・(VIII) 〔式中、R8 およびR9 は前記と同じである。〕で示さ
れる化合物が得られる。
【0023】本発明の方法は、酸性質および水素化能を
有する固体触媒を用いるものである。ここで、酸性質お
よび水素化能を有する固体触媒とは、水素化触媒と固体
酸触媒の2種類の組合せか、または水素化能を有する固
体酸触媒を使用する。水素化触媒としては、特に制限は
なく、一般的に使用される各種の水素化触媒を使用する
ことができ、例えば、ニッケル,パラジウム,ロジウ
ム,白金,ルテニウムなどの金属の単独またはこれらを
主成分としたもの、(2)上記の金属触媒成分を活性
炭、アルミナ、珪藻土などに担持した触媒、ラネーニ
ッケル、ラネーコバルトなどのラネー型触媒が特に有効
である。固体酸触媒としては、特に制限はなく、一般的
に使用される各種のものを使用することができ、例え
ば、活性白土,酸性白土,各種ゼオライト,イオン交換
樹脂,シリカ−アルミナ,ヘテロポリ酸などが特に有効
である。また、水素化能を有する固体酸触媒としては、
特に制限はなく、一般的に使用される各種のものを使用
することができ、例えば、各種ゼオライトにニッケル,
パラジウム,ロジウム,白金,ルテニウムなどを担持し
た触媒などが特に有効である。
【0024】本発明の方法を実施する際に好適な触媒量
は、反応基質に対して水素化触媒を0.1〜50重量%、
固体酸触媒を0.1〜50重量%であり、水素化能を有す
る固体酸触媒を使用する場合は、反応基質に対し0.1〜
50重量%である。この量が0.1重量%未満では反応が
充分に進行しないし、50重量%を超えると原料に対し
て触媒量が多くなりすぎ、生産性が低下するという不都
合がある。本発明においては、上記のような触媒の存在
下に一般式(I)で示されるアセタールまたはケタール
化合物を水素と反応させるが、水素ガスとアセタールま
たはケタール化合物のモル比を1:10〜200:1と
して接触させるのが好ましい。このモル比が上記範囲よ
り低いと反応が充分に進行しないし、上記範囲を超える
と生産性が低下するという不都合が生じる。
【0025】また、本発明の方法により水素化反応を実
施するのに好適な反応条件としては、反応温度10〜2
50℃,水素ガス分圧1〜200kg/cm2 ,反応時
間は回分式の反応の場合には0.1〜10時間、液相流通
系で反応させる場合には反応液の重量空間速度(WHS
V)=0.01〜100/hr、水素ガスのガス空間速度
(GHSV)=100〜10000/hrである。さら
に、溶媒を用いることなく反応を行うことができるが、
反応条件下で安定な溶媒であれば使用しても差し支えな
い。使用しうる溶媒としては、例えば、ヘキサン,ヘプ
タン,オクタンなどの炭化水素系溶媒を挙げることがで
きる。
【0026】上記のような反応により、上記一般式
(I)で示されるアセタールまたはケタール化合物か
ら、該アセタールまたはケタールを構成していた−OR
1 または−OR2 基が脱離して水素原子で置換され、一
般式(II)または(III)で示されるエーテル化合物が生
成する。この反応において、R1 〜R5 のうちのいずれ
かがエーテル性酸素を含む炭化水素基を表す場合でも、
そのエーテル性酸素には水素は作用せず、専らアセター
ルまたはケタール性酸素部分に作用することが明らかと
なった。反応終了後、反応混合物は通常のろ過またはデ
カンテーションにより触媒と分離することができる。分
離した触媒は、特別な処理なしに再使用することができ
る。生成物は、必要に応じて、蒸留,抽出,洗浄,乾燥
などの操作を行って製品とすることができる。
【0027】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらによって制限されるものでは
ない。 触媒調製例1 ラネーニッケル(川研ファインケミカル社製,商品名M
300T)100g(含水状態)をフラスコに取り、無
水エタノール100gを加えてよく混合した。その後、
静置してラネーニッケルを沈降させ、デカンテーション
により上澄み液を除去した。フラスコ内に残ったラネー
ニッケルに対し、上記の操作を5回行った。
【0028】触媒調製例2 ゼオライト(東ソー社製,商品名HSZ330HUA)
20gを100mlのナス型フラスコに入れ、150℃
の油浴につけ、油回転式の真空ポンプで1時間減圧状態
にした。室温まで冷却後、乾燥窒素で常圧にした。 触媒調製例3 活性白土(和光純薬社製)20gを100mlのナス型
フラスコに入れ、150℃の油浴につけ、油回転式の真
空ポンプで1時間減圧状態にした。室温まで冷却後、乾
燥窒素で常圧にした。
【0029】実施例1 SUS−316L製の1リットルのオートクレーブにア
セトアルデヒドジエチルアセタール100g,n−ヘプ
タン100g,触媒調製例1で調製したラネーニッケル
3.0g(エタノールの湿った状態で)および触媒調製例
2で調製したゼオライト3.0gを入れた。オートクレー
ブ内に水素を導入して水素圧10kg/cm2 とし、約
30秒間攪拌した後、脱圧した。再びオートクレーブ内
に水素を導入して水素圧を10kg/cm2 とし、約3
0秒間攪拌した後、脱圧した。その後、水素圧を30k
g/cm2 とし、攪拌しながら30分で130℃に昇温
した。130℃で2時間30分反応させた。昇温中およ
び昇温後反応が起こり、水素圧の減少が認められた。な
お、昇温に伴う圧力の増加、反応に伴う圧力の減少は適
時減圧、加圧して水素圧を30kg/cm2 に維持して
反応を行った。反応終了後、20℃まで冷却した後減圧
し常圧とした。反応液についてガスクロマトグラフィー
により定性および定量分析を行った。アセトアルデヒド
ジエチルアセタール転化率は94.9%、ジエチルエーテ
ル選択率は68.3%であった。
【0030】実施例2 SUS−316L製の1リットルのオートクレーブにプ
ロピオンアルデヒドジエチルアセタール100g,n−
オクタン100g,触媒調製例1で調製したラネーニッ
ケル6.0g(エタノールの湿った状態で)および触媒調
製例2で調製したゼオライト6.0gを入れた。オートク
レーブ内に水素を導入して水素圧10kg/cm2
し、約30秒間攪拌した後、脱圧した。再びオートクレ
ーブ内に水素を導入して水素圧を10kg/cm2
し、約30秒間攪拌した後、脱圧した。その後水素圧を
30kg/cm2 とし、攪拌しながら30分で130℃
に昇温した。130℃で1時間30分反応させた。昇温
中および昇温後反応が起こり、水素圧の減少が認められ
た。なお、昇温に伴う圧力の増加、反応に伴う圧力の減
少は適時減圧、加圧して水素圧を30kg/cm2 に調
整して反応を行った。反応終了後、20℃まで冷却した
後減圧し常圧とした。反応液についてガスクロマトグラ
フィーにより定性および定量分析を行った。プロピオン
アルデヒドジエチルアセタール転化率は97.0%、エチ
ルn−プロピルエーテル選択率は72.0%であった。
【0031】実施例3 (1)原料の調製 滴下ロート,冷却管および攪拌機を取り付けた5リット
ルのガラスフラスコにトルエン1000g,アセトアル
デヒドジエチルアセタール500gおよび三フッ化硼素
ジエチルエーテル錯体5.0gを入れた。滴下ロートにエ
チルビニルエーテル2500gを入れ、2時間30分か
けて滴下した。この間に反応が開始し、反応液の温度が
上昇したが、氷水浴で冷却しながら約25℃に保持し
た。滴下終了後5分間攪拌し、反応混合物を洗浄槽中に
移し、5%水酸化ナトリウム水溶液1000mlで3回
洗浄し、さらに水1000mlで3回洗浄した。ロータ
リーエバポレーターを用い、減圧下に溶媒および未反応
の原料を除去し、生成物2833gを得た。このものの
1H−NMRスペクトルを図1に示す。このスペクトル
図から、生成物は下記の式(A)および(B)の構造を
有することが判明した。また、生成物の動粘度は100
℃で5.18cStであり、40℃で38.12cStであ
った。
【0032】
【化13】
【0033】なお、分子数の比は(A):(B)=4.
5:1であり、nの平均値は5.6であった。 (2)SUS−316L製の1リットルのオートクレー
ブに上記(1)で製造したオリゴマー200g,触媒調
製例1で調製したラネーニッケル6.0g(エタノールの
湿った状態で)および触媒調製例2で調製したゼオライ
ト6.0gを入れた。オートクレーブ内に水素を導入して
水素圧10kg/cm2 とし、約30秒間攪拌した後、
脱圧した。再びオートクレーブ内に水素を導入して水素
圧を10kg/cm2 とし、約30秒間攪拌した後、脱
圧した。この操作をさらに1回行った後、水素圧を25
kg/cm2 とし、攪拌しながら30分で140℃に昇
温した。140℃で2時間反応させた。昇温中および昇
温後反応が起こり、水素圧の減少が認められた。なお、
昇温に伴う圧力の増加、反応に伴う圧力の減少は適時減
圧、加圧して水素圧を25kg/cm2 に調整して反応
を行った。反応終了後、室温まで冷却した後減圧して常
圧とした。ヘキサン100mlを加えた後30分静置
し、触媒を沈降させ、反応液をデカンテーションにより
除いた。ヘキサン溶液は反応液と合わせ、ろ紙を用いて
ろ過を行った。なお、触媒はさらに実施例5で再使用し
た。ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にヘキサ
ン,水分等を除去した。収量は162gであった。この
ものの 1H−NMRスペクトルを図2に示す。このスペ
クトル図から、原料アセタールは式(C)
【0034】
【化14】
【0035】(Etはエチル基を示す。)で示されるエ
ーテル化合物となることが分かり、その転化率は100
%であった。また、動粘度は100℃で4.90cStで
あり、40℃で29.50cStであった。なお、上記式
(B)のエチルビニルエーテルオリゴマーも上記式
(C)で示されるエーテル化合物となった。
【0036】実施例4 SUS−316L製の1リットルのオートクレーブに実
施例3(1)で製造したオリゴマー200g,触媒調製
例1で調製したラネーニッケル20g(エタノールの湿
った状態で)および触媒調製例2で調製したゼオライト
20gを入れた。オートクレーブ内に水素を導入して水
素圧7kg/cm2 とし、約30秒間攪拌した後、脱圧
した。この操作をさらに1回行った後、水素圧を7kg
/cm2とし、攪拌しながら30分で130℃に昇温し
た。130℃で2時間30分反応させた。昇温中および
昇温後反応が起こり、水素圧の減少が認められた。な
お、昇温に伴う圧力の増加、反応に伴う圧力の減少は適
時減圧、加圧して水素圧を7kg/cm2 に調整して反
応を行った。反応終了後、室温まで冷却した後減圧して
常圧とした。反応混合物をろ過し、溶液部をロータリー
エバポレーターを用いて減圧下に水分等を除去した。収
量は160gであった。これにより、原料アセタールは
実施例3(2)で得られたのと同じエーテル化合物が得
られ、その転化率は100%であった。また、動粘度は
100℃で4.77cStであり、40℃で30.27cS
tであった。
【0037】実施例5 実施例3(2)で触媒が残留したオートクレーブ内に実
施例3(1)で製造したオリゴマー200gを入れ、実
施例3(2)と同様にして反応を行った。収量は164
gであった。これにより、原料アセタールは実施例3
(2)で得られたのと同じエーテル化合物が得られ、そ
の転化率は100%であった。また、動粘度は100℃
で4.93cStであり、40℃で29.13cStであっ
た。
【0038】実施例6 (1)原料の調製 実施例3(1)において、アセトアルデヒドジエチルア
セタールを450g、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル
錯体を4.5g、エチルビニルエーテルを2800gとし
た以外は、実施例3(1)と同様に反応を行った。収量
は3175gであった。このものの構造は実施例3
(1)と同様であった。ただし、動粘度は100℃で6.
79cSt、40℃で59.68cStであり、なお分子
数の比は(A):(B)=8:1、nの平均値は6.8で
あった。 (2)SUS−316L製の1リットルのオートクレー
ブに上記(1)で製造したオリゴマー200g,触媒調
製例1で調製したラネーニッケル10g(エタノールの
湿った状態で)および触媒調製例3で調製した活性白土
15gを入れた。オートクレーブ内に水素を導入して水
素圧10kg/cm2 とし、約30秒間攪拌した後、脱
圧した。再びオートクレーブ内に水素を導入して水素圧
10kg/cm2 とし、約30秒間攪拌した後、脱圧し
た。この操作をさらに1回行った後、水素圧を30kg
/cm2 とし、攪拌しながら40分で150℃に昇温し
た。150℃で1時間反応させた。昇温中および昇温後
反応が起こり、水素圧の減少が認められた。なお、昇温
に伴う圧力の増加、反応に伴う圧力の減少は適時減圧、
加圧して水素圧を30kg/cm2 に調整して反応を行
った。反応終了後、室温まで冷却した後減圧して常圧と
した。反応混合物をろ過し、溶液部をロータリーエバポ
レーターを用いて減圧下に水分等を除去した。収量は1
58gであった。これにより、原料アセタールは実施例
3(2)で得られたのと同じエーテル化合物が得られ、
その転化率は100%であった。また、動粘度は100
℃で7.06cStであり、40℃で57.32cStであ
った。
【0039】実施例7 SUS−316L製の1リットルのオートクレーブに実
施例3(1)で製造したオリゴマー200g,触媒調製
例2で調製したゼオライト10gおよびPd/C(Pd
5%担持:和光純薬社製)5.0gを入れた。オートクレ
ーブ内に水素を導入して水素圧7kg/cm2 とし、約
30秒間攪拌した後、脱圧した。再びオートクレーブ内
に水素を導入して水素圧7kg/cm2 とし、約30秒
間攪拌した後、脱圧した。この操作をさらに1回行った
後、水素圧を7kg/cm2 とし、攪拌しながら30分
で120℃に昇温した。120℃で7時間反応させた。
昇温中および昇温後反応が起こり、水素圧の減少が認め
られた。なお、昇温に伴う圧力の増加、反応に伴う圧力
の減少は適時減圧、加圧して水素圧を7kg/cm 2
調整して反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した
後減圧して常圧とした。反応混合物をろ過し、溶液部を
ロータリーエバポレーターを用いて減圧下に水分等を除
去した。収量は167.2gであった。これにより、原料
アセタールは実施例3(2)で得られたのと同じエーテ
ル化合物が得られ、その転化率は100%であった。ま
た、動粘度は100℃で5.28cStであり、40℃で
32.93cStであった。
【0040】実施例8 SUS−316L製の1リットルのオートクレーブに実
施例3(1)で製造したオリゴマー200g,触媒調製
例2で調製したゼオライト20gおよびRu/C(Ru
5%担持:和光純薬社製)20gを入れた。オートクレ
ーブ内に水素を導入して水素圧30kg/cm2 とし、
約30秒間攪拌した後、脱圧した。再びオートクレーブ
内に水素を導入して水素圧30kg/cm2 とし、約3
0秒間攪拌した後、脱圧した。この操作をさらに1回行
った後水素圧を30kg/cm2とし、攪拌しながら3
0分で130℃に昇温した。130℃で1時間反応させ
た。昇温中および昇温後反応が起こり、水素圧の減少が
認められた。なお、昇温に伴う圧力の増加、反応に伴う
圧力の減少は適時減圧、加圧して水素圧を30kg/c
2 に調整して反応を行った。反応終了後、室温まで冷
却した後減圧して常圧とした。反応混合物をろ過し、溶
液部をロータリーエバポレーターを用いて減圧下に水分
等を除去した。収量は156gであった。これにより、
原料アセタールは実施例3(2)で得られたのと同じエ
ーテル化合物が得られ、その転化率は100%であっ
た。また、動粘度は100℃で5.18cStであり、4
0℃で31.53cStであった。
【0041】実施例9 SUS−316L製の2リットルのオートクレーブにN
i−珪藻土15gおよびヘキサン350gを入れた。オ
ートクレーブ内を水素で置換した後、水素圧を30kg
/cm2 とした。攪拌しながら30分間で150℃に昇
温し、30分触媒の活性化処理を行った。冷却後、オー
トクレーブに実施例3(1)で製造したオリゴマー30
0g,触媒調製例2のゼオライト15gを入れた。オー
トクレーブ内に水素を導入し、水素圧30kg/cm2
とし、約30秒間攪拌した後脱圧した。再びオートクレ
ーブ内に水素を導入し、水素圧30kg/cm2 とし、
約30秒間攪拌した後脱圧した。この操作をさらに一回
行った後、水素圧を30kg/cm2 とし攪拌しながら
30分で130℃に昇温し、130℃で1時間反応し
た。昇温中および昇温後反応が起こり、水素圧の減少が
認められた。なお、昇温に伴う圧力の増加、反応に伴う
圧力の減少は適時減圧、加圧して水素圧を30kg/c
2 とし反応を行った。反応終了後室温まで冷却した後
減圧して常圧とした。反応混合物をろ過し溶液部をロー
タリーエバポレーターを用い減圧下、ヘキサン,水分等
を除去した。収量は240gであった。実施例3と同様
に原料アセタールの転化率は100%であった。動粘度
は100℃で5.38cSt、40℃で33.12cStで
あった。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法によれば、アセタール化合
物またはケタール化合物から高い転化率および選択率で
エーテル化合物を製造することができ、その際、装置腐
食の問題は起こらないので通常の製造装置を用いること
ができる。また、本発明の方法によれば、専らアセター
ルまたはケタールが水素化され、原料アセタールまたは
ケタール化合物がエーテル性酸素を含む炭化水素基を有
する場合でも、エーテル性酸素部分はそのまま残り、ア
セタールまたはケタール結合がエーテル結合に変わる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3(1)で製造した原料アセタールオリ
ゴマーの 1H−NMRスペクトル図である。
【図2】実施例3(2)で製造したエーテル化合物の 1
H−NMRスペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 延晃 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 およびR2 はそれぞれ炭化水素基または主
    鎖および/または側鎖にエーテル性酸素を含む炭化水素
    基を表し、R3 ,R4 およびR5 はそれぞれ水素,炭化
    水素基または主鎖および/または側鎖にエーテル性酸素
    を含む炭化水素基を表す。〕で示されるアセタールまた
    はケタール化合物を酸性質および水素化能を有する固体
    触媒の存在下で水素と反応させることを特徴とする一般
    式(II)または(III) 【化2】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 は前記と同
    じである。〕で示されるエーテル化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸性質および水素化能を有する固体触媒
    が水素化触媒と固体酸触媒の2種類から成るか、または
    水素化能を有する固体酸触媒である請求項1記載のエー
    テル化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で示されるアセタールまた
    はケタール化合物が、一般式(IV) 【化3】 〔式中、R6 およびR7 はそれぞれ炭素数1〜20の炭
    化水素基またはエーテル性酸素を含む炭化水素基を表
    し、それらはたがいに同一であっても異なっていてもよ
    いし、R6 は構成単位毎に同一であっても異なっていて
    もよく、nは1〜500の整数を表す。〕で示される化
    合物であって、得られるエーテル化合物が、一般式
    (V)または(VI) 【化4】 〔式中、R6 ,R7 およびnは前記と同じである。〕で
    示される化合物である請求項1記載のエーテル化合物の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で示されるアセタールまた
    はケタール化合物が、一般式(VII) R8 CH(OR9)2 ・・・(VII) 〔式中、R8 およびR9 はそれぞれ炭素数1〜20の炭
    化水素基を表し、それらはたがいに同一であっても異な
    っていてもよい。〕で示される化合物であって、得られ
    るエーテル化合物が、一般式(VIII) R8 CH2 OR9 ・・・(VIII) 〔式中、R8 およびR9 は前記と同じである。〕で示さ
    れる化合物である請求項1記載のエーテル化合物の製造
    方法。
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