JPH06126846A - 極低温繊維強化プラスチック材 - Google Patents

極低温繊維強化プラスチック材

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JPH06126846A
JPH06126846A JP4281991A JP28199192A JPH06126846A JP H06126846 A JPH06126846 A JP H06126846A JP 4281991 A JP4281991 A JP 4281991A JP 28199192 A JP28199192 A JP 28199192A JP H06126846 A JPH06126846 A JP H06126846A
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JP
Japan
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fiber
plastic
reinforced plastic
angle
degrees
Prior art date
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Pending
Application number
JP4281991A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Kashima
俊弘 鹿島
Hideaki Inui
秀明 乾
Toichi Okada
東一 岡田
Shigehiro Nishijima
茂宏 西嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Heリークしない耐クラック性に優れ、帯
磁率が実質的に0に近く、しかも軽量な繊維強化プラス
チックを提供する。 【構成】 有機繊維のロービングを一定の巻角度で筒
状に巻き付けて樹脂と一体成形してなる極低温用繊維強
化プラスチック材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は極低温の環境下でクライ
オスタット、デュアー、支持材料、スペーサヘーなど各
種印材として使用される繊維強化プラスチック材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、極低温の環境下で使用される部材
はステンレス、アルミ合金などの金属又は、ガラス繊維
からなる強化プラスチック材(GFRP)から構成され
ている。一方極低温下での応用分野は多様であり、その
要求性能は分野ごとに異なっている。例えば医療用途で
のスキット磁束計、MRIなどに応用する場合にはクラ
イオスタットとししては帯磁率、導電性、制振性、He
リーク性など、また支持材としては寸法安定性、熱伝導
などが重要である。またリニアモーターカー、宇宙航空
などの輸送分野では軽量性が特に重要となるし、機械特
性、加工性などは全ての用途に必要である。これに対し
て金属は機械特性、加工性、Heリーク性などに対して
は大きな信頼性を持つ反面、熱伝導度が高く、特にアル
ミ合金はそれが著しい。そのため断熱支持材料はもとよ
り、クライオスタット又はデュアーの伝熱部には使用す
ることができない。加えて熱膨張率が高く、寸法安定性
も悪いという欠点もあり、支持部材への適用を更に困難
にしている。また導電性及び帯磁率が高く制振性が悪い
ため、スキッド磁束計では高いS/Nが得られないこ
と、MRI、SMESその他の交流機器用クライオスタ
ットでは渦電流に伴う発熱により、He蒸発量を増大さ
せ、熱効率上及び経済上問題となる。更に輸送分野で
は、高速化、省エネルギーを目指して軽量化の要請は強
い。その点ではステンレスは極めて重く多くの展開を望
めない。その欠点を補うためアルミ合金が重用されてい
るが、繊維強化プラスチックに比べてまだ可成重く熱伝
導率が極めて高いという欠点を有する。この様に多くの
欠点を持つ金属系材料が使用できない分野ではガラス繊
維からなる繊維強化プラスチックが用いられている。例
えば導電性、熱磁率、断熱性の点では金属系に比べて大
幅な改善がみられた。一方このGFRPにも種々の問題
点があり、多くの分野で、開発ができないのが現状であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】極低温分野での主要な
応用として、クライオスタット又はデュアーがあるが、
この場合GFRPは極低温下でのマイクロクラックに起
因するHeリークが避けられず、この点が金属製クライ
オスタットからFRPへの代替が進まない最大の問題と
なっている。次に寸法安定性の問題がある。一般にマト
リックス樹脂及びガラス繊維は正膨張率を持つ材料であ
り、極低温〜室温にかけて大きな寸法変化を示すという
欠点がある。例えば図1に示す様なクライオスタットを
作る場合内筒であるGFRPのパイプ又は円柱はロービ
ングの巻き角度を、いかなる角度にしても同方向には収
縮することとなる。またGFRPで作成した下底板の円
周部も同様に収縮するが、円筒の収縮の方が大きいため
この接合面には室温から極低温に冷却するにつれて過大
な熱応力が生じクラックが発生する。このため、真空度
の低下又はHeリークが発生することとなる。本発明
は、上記の様な問題点に鑑みてなされたもので、その目
的は、極低温で周方向に、収縮しないか又は膨張するた
め、Heリークしない円筒/底板構造が得られ、耐クラ
ック性に優れ帯磁率が実質上0に近く、軽量な繊維強化
プラスチックを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために繊維強化プラスチックの繊維材料として
有機繊維を用いることを特徴とする。ここでいう有機繊
維とは高強力、高弾性率繊維であり、ポリエチレン、ア
ラミド、ポリアリレート(全芳香族ポリエステル)、P
BZポリマー(ポリベンツビスオキサゾール、ポリベン
ツビスチアゾールなど)等であり特にポリエチレンが好
ましい。これらはいずれも負膨張を示し、ガラスに比べ
て比重が小さく、比強度、比弾性率の高い、且つ軽量な
強化繊維が得られる。また帯磁率についても無機物質を
含まないため、無機材料の中では、特性のよいガラス繊
維などにより更に、大幅に低い値を示す。
【0005】次に寸法変化については、これらの繊維は
いずれも負膨張率(室温から温度を下げると伸長する)
を有するという特異な性質を持つ。一方マトリックス樹
脂は正膨張を示すが、これら繊維のフィラメントを巻回
して、成形した円筒又は円柱は、周方向に大きな負膨張
率を持たせることができる。従って、これと底板よりな
る真空容器の接合部は低温になるに従って密着構造とす
ることが可能となる。また、この時これら負膨張を有す
る有機繊維と正膨張を有する無機繊維を混合使用するこ
ともできる。その場合、無機繊維としては、ガラス、ア
ルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリコンナイ
トライド、シリコンカーバイドなどのセラミックスから
なる繊維及びアルミニウム、スチール等の単体金属や、
その合金からなる金属繊維が例示されるが、ガラス、ア
ルミナ、ジルコニア、シリカなどの繊維は熱伝導率が小
さく、機械特性が優れている点で特に好ましい。
【0006】GFRPを極低温容器(クライオスタット
・デュアー)として使用する場合の最大の問題点は寒剤
(主としてHe)クークの問題がある。本発明ではポリ
エチレン、アラミド、ポリアクレートなどの高強力、高
弾性率で且つ負膨張率を有する有機繊維を用いた筒又は
柱状の強化プラスチックを作成することにより極低温下
でHeリークが生ずることのない、機密性の高い部材を
提供しようとするものである。ここで使用されるマトリ
ックスとしてはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタンアク
リレート樹脂などが使用できるが特に好ましいのはエポ
キシ樹脂である。これらのマトリクス樹脂はいずれも正
膨張を示すが、負膨張を示すこれら有機繊維を用いて巻
き角度を適当に選んでフィラメントを巻回して、成形し
た円筒又は円柱比は図2に示す様に周方向に対して大き
な膨張率を示す。そして、その値は繊維自身の持つ負膨
張率よりはるかに高い値となる。
【0007】配向角は成形体の軸方向に対して±40〜
±80度が適当であるが、望ましくは±45〜±75度
である。角度が40度未満では、正膨張(低温になるに
従い収縮する)が大きくなり、80度を超す角度では、
成形品内部に発生する熱応力が大きくなりクラックが入
り易くなるなど不安定となる。一方、GFRPの場合は
ガラス繊維及びマトリックス樹脂とも正膨張であるので
巻き角度に無関係に、周方向には正膨張という通常の材
料に見られる特性しか得られない。さらによりクライオ
スタット、デュアーなどHe容器として使用した場合
は、Heリーク性、真空保持性及び機械特性に優れたも
のを得ることができる。
【0008】成形法としては、本繊維を糸状またはテー
プ状のものにマトリックス樹脂を含浸させながら、マン
ドレルに巻き付けるフィラメントワインディング法又は
テープワインディングなどが挙げられる。上記複合材中
の繊維とマトリックス樹脂の混合比率は、繊維の体積分
率(Vf)として35〜85%が好ましく、より好まし
いのは40〜70%である。繊維のVfが35%より少
ないと繊維の補強効果が発現せず、85%を超えるとマ
トリックス樹脂と含浸しにくくなり複合材料としての機
械的特性が悪化するため好ましくない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1を参照し
て説明する。1はタトフランジを有するGFRPの外筒
であり2は内フランジを有す)有機繊維よりなるFRP
の内筒である。3は有機繊維又はガラスの織物よりなる
FPR積層板を下底板としたものである。下底板と内、
外筒は接着剤により接合されている。5はGFRPの積
層板よりなるフタであり内筒及び外筒とはパッキング9
を用いて、ネジ7により結合されている。フタにはバル
ブ8の付いたGFRPのノズル6がネジ切り/接着剤で
接合されている。本発明の有機繊維よりなる円筒状FR
Pは内筒2でありこれの作成は以下の様に行った。有機
繊維としては、ポリエチレン繊維(東洋紡ダイニーマ、
SK−60)、アラミド繊維(日本アラミド繊維、トワ
ロンHM)、ポリアリレート(クラレ、ベクトラン)及
びガラス繊維を用いて実施例1〜4、比較例5〜7の合
計7種類の円筒状繊維強化プラスチックをフィラメント
ワインディング法により作成した。マトリックスとして
はエポキシ樹脂を使用し以下の配合により、均一混合し
樹脂ドープを作成した。 エピコート−827 (油化シエル) 100 エピキュアーYH−300( 〃 ) 80 EM1−24 ( 〃 ) 1 次に各種繊維にエポキシ樹脂を含浸させながらマンドレ
ルに巻き付け円筒状とした。次にこれをマンドレル上に
保持したまま100℃×2hr、その後130℃×3h
rにて硬化成形し繊維体積含有率65%、外径100m
m×500mm、肉厚5mmの成形体を得た。また下底
板は、円筒と同じエポキシを使用し、各種繊維の織物に
含浸積層し、プレス成形により作成した。また内、外筒
と下底板は接着剤により接合した。作成した試料及び評
価結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】熱膨張率 パイプにストレインゲージをはり付けた後、液体N2 中
に浸積し円周方向の寸法変化を測定した。 耐クラック性 各パイプを室温状態から液体He中に入れ30分保持し
た後引き上げて、その目視で観察する。耐クラック性の
高い順に○>△>×とした。 Heリーク性 作成した各試料を図1の構成とした後、RTにてノズル
(6)より室内を真空引きし到達真空度を測定した。そ
の後、内、外筒と下底板の接合部を中心に外部よりHe
ガスを吹き付けてHeリーク量を測定した。次に真空引
きした状態で装置の下半分を液体N2 に30分間浸積
し、真空度の低下の有無を調べた。しかる後、液体N2
中より引き上げ浸積部の温度の上昇を 最小限に抑える
ため手早くRTと同じ手順でHeリーク量を測定した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一用途であるクライオスタット
の正面図。
【図2】巻角度と熱膨張係数との関係を示す図。
【符号の説明】
A:本発明に係る有機繊維、B:ガラス繊維、1:外
筒、2:内筒、3:下底板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂と有機繊維を一体成形してなる筒又
    は柱状の繊維強化プラスチック材であり、有機繊維のロ
    ービングが成形体の軸に対して±40〜±80度の角度
    となるように巻き付けてあることを特徴とする極低温用
    繊維強化プラスチック材。
JP4281991A 1992-10-20 1992-10-20 極低温繊維強化プラスチック材 Pending JPH06126846A (ja)

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Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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