JPH06126725A - 凹部付きセラミックス基板製造用金型及び該基板の製造方法 - Google Patents

凹部付きセラミックス基板製造用金型及び該基板の製造方法

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JPH06126725A
JPH06126725A JP30610492A JP30610492A JPH06126725A JP H06126725 A JPH06126725 A JP H06126725A JP 30610492 A JP30610492 A JP 30610492A JP 30610492 A JP30610492 A JP 30610492A JP H06126725 A JPH06126725 A JP H06126725A
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Japan
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mold
convex portion
sheet
movable convex
ceramic substrate
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JP30610492A
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Toru Ezaki
徹 江崎
Takahiro Yamakawa
孝宏 山川
Osamu Sugano
修 菅野
Shigeru Takahashi
繁 高橋
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Nihon Cement Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凹部付きセラミックス基板製造用金型及び該
基板の製造法を提供すること。 【構成】 凹部に対応する凸部が独立に摺動し得る可動
凸部21、22からなり、該凸部の各高さがプレスしようと
するグリ−ンシ−ト12、13の各厚さと同一とした金型。
この金型の可動凸部21、22に、凹部を形成するように予
め穴を穿孔した複数枚のグリ−ンシ−ト13、12を配置す
ると共に該可動凸部21、22の裏側にプレス中に同一圧縮
挙動を示すグリ−ンシ−ト13a、12aを挿入してプレス
し、凹部付きセラミックス基板を製造する。 【効果】 プレス中のグリ−ンシ−ト12、13の厚み変化
と同調して凸部の高さが変化して行く可動凸部21、22か
らなる金型を用いるものであるから、セラミックス基板
の凹部を所望寸法に精度良く形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1段又は複数段の凹部
付きセラミックス基板製造用金型及び該基板の製造方法
に関し、特にセラミックス基板の凹部を所望寸法に精度
良く形成することができる凹部付きセラミックス基板
(セラミックス多層基板)製造用金型及び該基板の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ICチップなどを埋伏するための1段又
は複数段の凹部(キャビティ)を有するセラミックス多
層基板は、従来より作製されている。このような凹部付
きセラミックス多層基板は、1段又は複数段の凹部を形
成するように予め穴部を穿孔した複数枚のセラミックス
グリ−ンシ−トを積層し、これを1軸プレスして製造さ
れている。
【0003】ところで、セラミックスグリ−ンシ−ト
は、その厚みがプレス前とプレス後で変化する。そのた
め、セラミックス多層基板に凹部を形成する場合、通
常、プレス後に予測される凹部形状寸法(特に予測高
さ)に相当する凸部を有する金型を用いて行われてお
り、この種金型としては、凸部が型の基底部と一体にな
ったいわゆる固定型が従来より使用されている。
【0004】従来の上記金型を用いて凹部付きセラミッ
クス基板を製造する方法を図4及び図5を参照してさら
に説明する。図4は、従来の凹部付きセラミックス基板
製造用金型の1例である2段凸部を有する金型であっ
て、プレス前の模式図であり、図5は、同金型を用いた
プレス後の模式図である。
【0005】従来の凹部付きセラミックス基板製造用金
型としては、図4及び図5に示すように、凸部と基底部
とが一体になった凸部付き固定型60が使用されている。
この固定型60における凸部は、形成しようとするセラミ
ックス基板の凹部に対応するように、即ち、プレス後に
予測される凹部形状寸法(特に予測高さ)に相当する凸
部からなるように作製されている。
【0006】この固定型60を使用して凹部付きセラミッ
クス基板を作製する方法(従来法)を説明すると、ま
ず、所定寸法の複数枚の第1セラミックスグリ−ンシ−
ト51と複数段の凹部(図4、5では2段の凹部)を形成
するように予め穴部を穿孔した複数枚の第2セラミック
スグリ−ンシ−ト52及び同第3セラミックスグリ−ンシ
−ト53を準備する。次に、この第1、第2、第3セラミ
ックスグリ−ンシ−ト51、52、53を前記した凸部付き固
定型60上に配置し(図4参照)、1軸プレス(図4の固
定型60の上下方向からの1軸プレス)し、凹部付きセラ
ミックス基板を製造している(図5参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来法を説明する上記
図4及び図5では、理想的なプレス前及びプレス後の模
式図として図示したものであるが、実際には、従来の固
定型を設計値のまま用いると、成型後の凹部の底面が凹
んだり、でっぱったりして予測通りの形状にならない場
合が多いという欠点を有している。そのため、従来法で
は、実情に合わせて固定型の凸部の高さを修正する必要
があった。
【0008】本発明者等は、上記欠点を解消する金型、
即ち予測(設計値)通りの凹部を簡単に形成できるよう
な金型について鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成し
たものであって、本発明の目的は、プレス中のセラミッ
クスグリ−ンシ−トの厚み変化と同調して凸部の高さが
変化して行くような金型を提供するにあり、また、該金
型を用い、セラミックス基板の凹部を所望寸法に精度良
く形成することができる凹部付きセラミックス基板を製
造する方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そして、本発明の金型
は、形成しようとする凹部付きセラミックス基板に対応
する金型の凸部を各凸部ごとに独立に摺動する可動凸部
とし、かつ、各凸部の高さをプレスしようとする各段の
セラミックスグリ−ンシ−トの各厚さと同一に構成する
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明の凹部付きセラミックス基板
の製造方法は、上記金型を用い、該金型の各可動凸部の
裏側に (1) プレスしようとする各段のセラミックスグリ−ンシ
−トからなり、かつ、同一厚さの該シ−ト(例えばプレ
スしようとする各段のセラミックスグリ−ンシ−トの積
層枚数と同一枚数のシ−ト)を配置し、又は、(2) プレ
スしようとする各段の積層セラミックスグリ−ンシ−ト
と同一厚みであり、プレス中に同一圧縮挙動を示すシ−
トを配置し、プレスすることを特徴とする。
【0011】即ち、本発明の金型は、「1段又は複数段
の凹部付きセラミックス基板製造用金型において、形成
しようとするセラミックス基板の上記凹部に対応する金
型の凸部は各凸部ごとに独立に摺動し得る可動凸部から
なり、かつ、該可動凸部の各高さはプレスしようとする
各段のセラミックスグリ−ンシ−トの各厚さと同一に構
成してなることを特徴とする凹部付きセラミックス基板
製造用金型。」を要旨とする。
【0012】また、本発明の凹部付きセラミックス基板
の製造方法は、「積層時に1段又は複数段の凹部を形成
するように予め穴部を設けた複数枚のセラミックスグリ
−ンシ−トを、形成しようとするセラミックス基板の凹
部に対応する凸部を有する金型を用いて1軸プレスする
工程において、上記凹部に対応する金型の凸部は各凸部
ごとに独立にシ−トと接する面に対して垂直方向に移動
することが可能である可動凸部であって、この可動凸部
の各高さはプレスしようとする各段のセラミックスグリ
−ンシ−トの各厚さと同一に構成してなる金型を用い、
該金型の各可動凸部の裏側に (1) プレスしようとする各段のセラミックスグリ−ンシ
−トからなり、かつ、同一厚さの該シ−トを配置してプ
レスすること、又は、(2) プレスしようとする各段の積
層セラミックスグリ−ンシ−トと同一厚みであり、かつ
プレス中に同一圧縮挙動を示すシ−トを配置してプレス
すること、を特徴とする凹部付きセラミックス基板の製
造方法。」を要旨とするものである。
【0013】以下、本発明を図1及び図2に基づいて具
体的に説明する。図1は、本発明の一実施例である2段
の可動凸部を有する金型であって、プレス前の模式図で
あり、図2は、同金型を用いたプレス後の模式図であ
る。図1、2に示す金型は、第1可動凸部21、第2可動
凸部22と基底部25よりなり、第1可動凸部21及び第2可
動凸部22の形状は、形成しようとするセラミックス基板
の凹部の形状を転写した凸部、即ち該凹部に対応する凸
部であり、また、凸部の各段の高さは、プレスしようと
する各段のセラミックスグリ−ンシ−トの各厚さと同一
とする。
【0014】この金型を用いて2段の凹部付きセラミッ
クス基板を製造する方法について説明すると、まず、所
定寸法の複数枚の第1セラミックスグリ−ンシ−ト11と
2段の凹部を形成するように予め穴部を設けた複数枚の
第2セラミックスグリ−ンシ−ト12及び同第3セラミッ
クスグリ−ンシ−ト13を準備する。次に、図1に示すよ
うに、上記第1、第2、第3セラミックスグリ−ンシ−
ト11、12、13を前記金型上に配置し、更に、第1可動凸
部21の裏側に第3セラミックスグリ−ンシ−ト13と同一
シ−トであって、同一厚さのシ−ト(第4セラミックス
グリ−ンシ−ト13a)を配置し、また、第2可動凸部22
の裏側に第2セラミックスグリ−ンシ−ト12と同一シ−
トであって、同一厚さのシ−ト(第5セラミックスグリ
−ンシ−ト12a)を配置し、1軸プレス(図1の金型の
上下方向からの1軸プレス)し、凹部付きセラミックス
基板を製造する(図2参照)。
【0015】第1可動凸部21及び第2可動凸部22の裏側
に配置する第4セラミックスグリ−ンシ−ト13a及び第
5セラミックスグリ−ンシ−ト12aは、上記したよう
に、プレスしようとするグリ−ンシ−ト(第3、第2セ
ラミックスグリ−ンシ−ト13、12)と同一のシ−トから
なり、同一積層枚数を配置する。これにより形成される
凸部は、プレスする前のシ−トで形成される凹部の形状
を転写したものと同一となる。
【0016】これを図3に基づいてさらに詳細に説明す
る。図3は、本発明の他の実施例である3段の可動凸部
を有する金型であって、プレス前の模式図である。例え
ばプレスしようとするセラミックスグリ−ンシ−トの凹
部の形状は、 1段目:20×20mmの角穴を穿孔したシ−ト2枚(グリ
−ンシ−ト34) 2段目:10×10mmの角穴を穿孔したシ−ト3枚(グリ
−ンシ−ト33) 3段目:5×5mmの角穴を穿孔したシ−ト4枚(グリ−
ンシ−ト32) で形成され、各角穴の中心(重心)は一致しているとす
る。この場合の金型は、図3に示すように、20×20mm
の穴があいた基底部45に10×10mmの穴があいた第1可
動凸部41が入り、その10×10mmの穴に5×5mmの穴が
あいた第2可動凸部42が入り、更にその5×5mmの穴に
5×5mmの断面を有する第3可動凸部43が入った構造と
なる。
【0017】第1、第2、第3可動凸部41、42、43の裏
側にグリ−ンシ−トを入れる前は、各可動凸部41〜43の
高さは基底部45と等しい。この各可動凸部41〜43の裏側
にまず20×20mmのシ−ト2枚(グリ−ンシ−ト34a)
を挿入すると、各可動凸部41〜43の高さは、シ−ト2枚
分だけ(グリ−ンシ−ト34aの厚み分だけ)基底部45よ
り高くなる。次に、第2可動凸部42の裏側に10×10mm
のシ−ト3枚(グリ−ンシ−ト33a)を挿入すると、第
2可動凸部42及び第3可動凸部43は、第1可動凸部41よ
り3枚分(グリ−ンシ−ト33aの厚み分)高くなる。更
に、第3可動凸部43の裏側に5×5mmのシ−ト4枚(グ
リ−ンシ−ト32a)を挿入することにより、第3可動凸
部43は、第2可動凸部42よりシ−ト4枚分(グリ−ンシ
−ト32aの厚み分)高くなり、このようにしてプレス前
の凹部形状と同一の凸部が形成されることになる。
【0018】本発明において、可動凸部の裏側に配置す
るシ−トは、上記したとおり、その形状が積層プレスし
ようとするシ−トに設けた穴と同一であるところから、
穴を穿孔したときのカス(穿孔により生じたシ−ト)を
用いるのが好ましい。なお、クリアランスが設けてある
場合、それに合せる必要がある。また、本発明におい
て、裏側に配置するシ−トとして新たに作製することも
できる。この場合、シ−トの製造ロットが異なっていて
もよいが、同一材質のシ−トであるのが好ましい。なぜ
なら、プレス中の圧縮挙動、プレス時の厚みの変化及び
最終到達厚みが積層プレスしようとするシ−トと同じで
あることが本発明の前提条件であるからである。勿論、
それらが同一であることが保証されれば、全く別の組成
のシ−トを使用することもできる。
【0019】本発明では、以上のように形成した可動凸
部を有する金型を用いて1軸プレスすることにより、底
面の変形がない凹部を有するセラミックス多層基板の積
層体を得ることができる。以上本発明の具体例として、
各角穴の中心(重心)が一致している場合を挙げて説明
したが、本発明は、これに限定されるものではなく、重
心位置が異なっている場合も本発明に包含されるもので
ある。
【0020】本発明におけるセラミックスグリ−ンシ−
トとしては、アルミナセラミックス、ガラスセラミック
ス、アルミナ−ガラス複合セラミックスなど全てのセラ
ミックスシ−トに適用でき、セラミックスの種類や組
成、シ−トを作製する手段やシ−トの厚み等に何ら限定
されるものではない。
【0021】また、本発明における金型は、その材質と
しては、プレスの条件下で可動凸部の移動を妨げるよう
な変形を起こさないものであれば、どのような材質でも
使用することができる。セラミックスグリ−ンシ−トの
積層プレスは、50〜100℃で200〜400kg/cm2程度の
条件で行われるのが一般的であるため、鉄系の金属(例
えばS-45C、ステンレス鋼など)をも充分使用すること
ができる。更に、温度をかけず、圧力も低い場合は、プ
ラスチックスやフッソ系の樹脂、例えばテフロン(登録
商標)なども用いることができる。
【0022】金属製金型の場合、旋盤・フライス加工、
放電ワイヤカット加工などで作製することができる。可
動凸部(裏面にシ−トを配置することにより凸部となる
部分)のクリアランス(許容隙間)は、20〜30μm程度
で充分である。また、裏面にシ−トを配置した時にその
分だけ凸にする必要があるため、シ−トを配置する前の
可動凸部の高さは、基底部と同一の高さに作製する。可
動凸部を2以上有する金型の場合も同様であり、各可動
凸部の高さは、いずれも基底部と同じ高さに作製する
が、この場合可動凸部の中に更に可動凸部を形成するこ
とになるので、その位置精度には充分配慮する必要があ
る。
【0023】
【作用】セラミックスグリ−ンシ−トの厚みは、プレス
圧力をかけることにより徐々に変化して行き、凹部の深
さが徐々に浅くなって行く。プレス後の凹部深さを予測
して作製した従来の凸部付き固定型を用いた場合、シ−
トがほぼ最終的な厚みになるまで凸部の頂点面は凹部底
面に届かない。即ち、シ−トの側から見ると凹部以外の
部分に圧力がかかり、凹部(特に底面)には圧力がかか
っていない状況が生じる。
【0024】このような場合、セラミックスグリ−ンシ
−トは、圧力のかかっている部分からかかっていない部
分へ塑性変形により移動し、凹部の底面に向けて集中す
ることになる。その結果、凹部底面に「しわ」が発生す
る。この状態になってから初めて型の凸部が当たるの
で、プレス後、凹部底面に凹みや出っ張りなどの変形が
生じるものと考えられる。事実、プレス後の凹部寸法を
基準とした凸部付き固定型を用いて成形すると、必ず凹
部裏面に凹みが発生する。そこで、この寸法を基準とし
て漸次凸部を高くして行くと、突然凹みから出っ張りへ
と変形のモ−ドが変化するが、それにもかかわらず変形
の絶対量は、ゼロとはならない。
【0025】これに対して、本発明によれば、型の凸部
は初めから凹部に接しており、プレス中にも周辺部と同
じ圧力で凹部を加圧する。そして、圧力により積層シ−
トの厚みが薄くなって行くが、可動凸部の裏側に配置し
たシ−トの厚みも同様に薄くなって行くので、可動凸部
により形成された凸部の高さは、凹部深さと常に一致
し、プレス終了まで周囲と同じ圧力で凹部をプレスす
る。このため、本発明によれば、凸部付き固定型を用い
た場合の前記した現象が起こらないので、凹みや出っ張
りが生じないものと考えられる。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明を詳細に説明する。この実施例では、3段の凹部
付きセラミックス基板を製造する場合の例であり、以下
前記した図3を参照して説明する。
【0027】(セラミックスグリ−ンシ−トの作製)ほ
うけい酸鉛系のガラス50部とアルミナ粉末50部に対し、
アクリル系のバインダを加えて作ったスラリ−をドクタ
−プレ−ドにて塗工し、厚さ185μmのセラミックスグ
リ−ンシ−トを作製した。このシ−トを100mm角に裁
断し、中央部に20mm角、15mm角、10mm角の角穴を
パンチにて打ち抜いたシ−トをそれぞれ必要枚数作っ
た。パンチャ−を用いているので、これらの角穴の位置
精度は±5μm以内であった。
【0028】(金型の作製)厚さ15mmの鉄板(材質:
S-45C)を100mm角に切断し、ワイヤ−カット加工によ
り中央部に20mm角の穴を繰り抜いて金型の基底部45を
作製した。更に、中心部に15mm角の穴をくり抜いた20
mm角(厚さ15mm)の第1可動凸部41、中心部に10m
m角の穴をくり抜いた15mm角(厚さ15mm)の第2可
動凸部42及び10mm角(厚さ15mm)の可動凸部43を作
った。なお、それぞれの角穴部の位置精度及び寸法精度
は、±10μm以内とした。また、各可動凸部41〜43の外
形寸法は、厚さを除いて片側30μmのクリアランスをと
って小さめに作製した。これらを定盤上で組み合せ、厚
みを揃えるため、0.1mm程度研削して金型とした。
【0029】(金型へのセラミックスグリ−ンシ−トの
配置)プレス機上に金型の基底部45を載置し、この基底
部45の20mmの角穴の底に20mm角のシ−ト(前記セラ
ミックスグリ−ンシ−トの作製時に打ち抜いたもの)2
枚(グリ−ンシ−ト34a)を挿入した。次に、第1可動
凸部41を配置し、この第1可動凸部41の15mmの角穴の
底に15mm角のシ−ト3枚(グリ−ンシ−ト33a)を挿
入した。更に、第2可動凸部42を配置し、この第2可動
凸部42の10mmの角穴の底に10mm角のシ−トを4枚
(グリ−ンシ−ト32a)を挿入した後、第3可動凸部43
を挿入して凹部形成用の可動凸部付き金型とした。な
お、第3可動凸部43までの凸部の高さを測定したとこ
ろ、1.67mmであり、ちょうど185μmのシ−ト9枚分
の高さであった。
【0030】次に、20mm角穴を開けたシ−ト2枚(グ
リ−ンシ−ト34)を20mm角の第1可動凸部41の凸部に
合わせて金型の基底部45上に置き、続いて、15mm角穴
を開けたシ−ト3枚(グリ−ンシ−ト33)を15mm角の
第2可動凸部42の凸部に合わせて置き、更に、10mm角
穴を開けたシ−ト4枚(グリ−ンシ−ト32)を10mm角
の第3可動凸部43の凸部に合わせて置き、最後に、穴の
開いていない100mm角のシ−ト2枚(グリ−ンシ−ト3
1)を隅部を合わせて置いた。
【0031】(プレス成形、焼成)この状態で20tonの
荷重を負荷して200kg/cm2のプレス圧力をかけ、5
分間保持した後除荷した。なお、この時のプレス後の凹
部最大深さは、1.33mmであり、型の凸部最大高さも1.
33mmであった。このプレス後の積層体を大気中、450
℃で5時間脱バインダし、さらに850℃で30分間焼成して
3段の凹部付きセラミックス基板を得た。この基板につ
いて、凹部裏面の変形量を接触式の表面粗さ計を用いて
測定したところ、4μm凹んでいるにすぎなかった。
【0032】(比較例1)上記実施例で得られたプレス
後のシ−ト1枚分の厚みは、1330μm/9枚=148μmで
あるから、 1段目(20mm角)の高さを148μm×2枚=296μm、 2段目(15mm角)の高さを148μm×3枚=444μm、 3段目(10mm角)の高さを148μm×4枚=592μm、 と設計した凸部付き固定型を実施例と同一材質(S-45
C)で一体型のものとして作製した。なお、通常の加工
精度は±10μmであるが、この比較例1では±1μm以
内の加工精度で作製した。
【0033】この比較例1における凸部付き固定型は、
プレス後の高さを基準として作製したので、型凸部の総
高さが1.33mmにすぎず、このため10mm角穴開きシ−
トの最後の1枚は、位置合わせができなかった。そこ
で、型の4隅にφ3.0mmのガイドピンを設け、シ−ト
にも同じ位置にφ3.0mmのガイド穴を設け、これを利
用して実施例と同様に積層・プレスした。焼成後の凹部
裏面の変形量は、64μmの凹みであった。
【0034】(比較例2)比較例2では、各段の高さ
を、 1段目(20mm角)の高さ:(148+5)μm×2枚=306μ
m、 2段目(15mm角)の高さ:(148+5)μm×3枚=459μ
m、 3段目(10mm角)の高さ:(148+5)μm×4枚=612μ
m、 とそれぞれシ−ト1枚当たり5μmずつ増加して設計し
た凸部付き固定型を作製し、比較例1と同様に積層・プ
レスして焼成したところ、凹部裏面の変形は、79μmの
出っ張りとなった。
【0035】(比較例3)比較例3では、更に、79÷
{(164+79)÷5}=1.6であるから、1段目はシ−ト2
枚分の3μm、2段目は3枚分の5μm、3段目は4枚分
の6μmを比較例2の固定型の凸部を削り取り、 1段目:303μm、 2段目:456μm、 3段目:607μm、 とした。この固定型を用いて製造した焼成体の凹部裏面
の変形は、24μmの出っ張りであった。
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、プレス
中のセラミックスグリ−ンシ−トの厚み変化と同調して
凸部の高さが変化して行く金型を特徴とするものであ
り、またこの金型を用いることにより、セラミックス基
板の凹部を所望寸法に精度良く形成することができる効
果が生ずる。そして、従来の凹部付きセラミックス基板
の製造法では、凹部を変形させることなく形成すること
が非常に困難であったが、本発明によれば、簡単に、し
かも迅速に形成することができる。以上の結果、本発明
により得られる凹部付きセラミックス基板は、その品質
が向上するだけでなく、納期を短縮することだでき、コ
ストも低下し得るなど顕著な効果が生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である2段の可動凸部付き金
型でプレスする場合であって、プレス前の模式図。
【図2】図1と同様2段の可動凸部付き金型を用いたプ
レス後の模式図。
【図3】本発明の他の実施例である3段の可動凸部付き
金型でプレスする場合であって、プレス前の模式図。
【図4】従来の凸部と基底部が一体の固定型を用いてプ
レスする場合であって、プレス前の模式図。
【図5】図4と同様の固定型を用いたプレス後の模式
図。
【符号の説明】
11 第1セラミックスグリ−ンシ−ト 12 第2セラミックスグリ−ンシ−ト 12a 第5セラミックスグリ−ンシ−ト 13 第3セラミックスグリ−ンシ−ト 13a 第4セラミックスグリ−ンシ−ト 21 第1可動凸部 22 第2可動凸部 25 基底部 31〜34 グリ−ンシ−ト 32a〜34a グリ−ンシ−ト 41 第1可動凸部 42 第2可動凸部 43 第3可動凸部 45 基底部 51 第1セラミックスグリ−ンシ−ト 52 第2セラミックスグリ−ンシ−ト 53 第3セラミックスグリ−ンシ−ト 60 凸部付き固定型

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1段又は複数段の凹部付きセラミックス
    基板製造用金型において、形成しようとするセラミック
    ス基板の上記凹部に対応する金型の凸部は各凸部ごとに
    独立に摺動し得る可動凸部からなり、かつ、該可動凸部
    の各高さはプレスしようとする各段のセラミックスグリ
    −ンシ−トの各厚さと同一に構成してなることを特徴と
    する凹部付きセラミックス基板製造用金型。
  2. 【請求項2】 積層時に1段又は複数段の凹部を形成す
    るように予め穴部を設けた複数枚のセラミックスグリ−
    ンシ−トを、形成しようとするセラミックス基板の凹部
    に対応する凸部を有する金型を用いて1軸プレスする工
    程において、上記凹部に対応する金型の凸部は各凸部ご
    とに独立にシ−トと接する面に対して垂直方向に移動す
    ることが可能である可動凸部であって、この可動凸部の
    各高さはプレスしようとする各段のセラミックスグリ−
    ンシ−トの各厚さと同一に構成してなる金型を用い、該
    金型の各可動凸部の裏側にプレスしようとする各段のセ
    ラミックスグリ−ンシ−トからなり、かつ、同一厚さの
    該シ−トを配置してプレスすることを特徴とする凹部付
    きセラミックス基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 積層時に1段又は複数段の凹部を形成す
    るように予め穴部を設けた複数枚のセラミックスグリ−
    ンシ−トを、形成しようとするセラミックス基板の凹部
    に対応する凸部を有する金型を用いて1軸プレスする工
    程において、上記凹部に対応する金型の凸部は各凸部ご
    とに独立にシ−トと接する面に対して垂直方向に移動す
    ることが可能である可動凸部であって、この可動凸部の
    各高さはプレスしようとする各段のセラミックスグリ−
    ンシ−トの各厚さと同一に構成してなる金型を用い、該
    金型の各可動凸部の裏側にプレスしようとする各段の積
    層セラミックスグリ−ンシ−トと同一厚みであり、か
    つ、プレス中に同一圧縮挙動を示すシ−トを配置してプ
    レスすることを特徴とする凹部付きセラミックス基板の
    製造方法。
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