JPH0612347Y2 - バーナ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、発電用ボイラのバーナ装置の改良に関する。

〔従来の技術〕

従来のバーナ装置は第５図（正面図）および第６図（縦
断側面図）に示すように、オイルバーナ１の上、下にガ
スバーナ２が設けられており、これらのバーナの先端
に、それぞれバーナノズル７、上部空気ノズル３および
下部空気ノズル４が設けられ、それぞれの燃料が燃焼用
空気と混合して、ノズル先端のノズル開口部より噴出さ
れる。又この図は、バーナ装置の下方に補助空気ノズル
８が設けられている場合を示している。下部空気ノズル
４と補助空気ノズル８との間には仕切板５が設けられ、
更にバーナ装置の上方および下方には別のバーナ装置が
設けられているときもあり、仕切板５，６によって区分
され、空気の導入が別に行なわれるようになっている。

このような従来型のバーナでは例えば第５図に示される
ように、ノズルの開口部９，10の形状は矩形が一般的で
あった。またバーナチルティング機能を有するノズルで
は、例えば第７図および第８図に示されるように、ノズ
ル３，４，８の根元のシール部ａと仕切板５，６のチル
ティングによる接触を防ぐ為、間隙を生じざるを得なか
ったので、この間隙から空気が漏れていわゆるアイドル
エアとなっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記のような従来のバーナ装置では、近年のボイラの向
上を目指して低酸素化すなわち燃焼用空気量を絞り込む
にしても、だいたい過剰酸素率で１〜1.5％が限度とさ
れていた。

更に、高ボイラ効率の追求のみならず、ボイラから排出
される煤塵、二酸化炭素、窒素酸化物の規制は、厳しく
なる一方で、これらに対処する為に、いかに燃焼ゾーン
に必要な最低限の空気を送り込むかが課題になってい
た。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は前記課題を解決するために、主バーナと、その
主バーナの上下に設けられた副バーナと、それら副バー
ナの周囲にチルト可能に設けられた空気ノズルとを具え
たものにおいて、上記空気ノズルの開口部の上記主バー
ナから遠い隅に丸味が付いており、かつ、上記空気ノズ
ルの根元部またはその上流に設けられた仕切板の先端部
が軸の水平な円筒面の一部を形成していることを特徴と
するバーナ装置を提案するものである。

〔作用〕

本考案では、バーナ廻りの燃焼用空気ノズル先端開口部
を、従来のような矩形でなく、主バーナを中心とした円
形に近づくよう、主バーナから遠く離れた隅に丸味を付
けたので、燃焼に寄与し難い部分の空気の炉内漏洩が防
止され、火炎を均一厚さの空気層で包み込むことにな
る。また、空気ノズルの根元部またはその上流に設けら
れた仕切板の先端部が、軸の水平な円筒面の一部を形成
するから、チルティングによりノズルシール部と仕切板
との間から空気が炉内へ漏洩するのが防がれる。

〔実施例〕

第１図は、本考案の一実施例の重油・ガス両焚用バーナ
装置の一例の正面図であり、上部空気ノズル13および下
部空気ノズル14の空気ノズル開口部12の形状を、主バー
ナ（オイルバーナ）１から遠い隅に丸味を付け、主バー
ナを中心とする円形に近くしたものである。すなわち、
ノズル開口部12の角をおとした形状となっている。

第２図ないし第４図は、空気ノズル３，４または補助ノ
ズル８と仕切板５，６との間のシール部を示す。第２図
および第３図に示す実施例では、ノズル３，４，８の根
元部が軸の水平な円筒面の一部を形成していて、第３図
のようにノズルを上方向へチルトさせても、ノズルが水
平にある時（第２図）と変わりなく空気の漏れ込みは最
小限に保たれる。

第４図は、仕切板５，６の先端部にシール板17が固着さ
れて、このシール板17が軸の水平な円筒面の一部を形成
し、上下方向にノズルがチルトしても空気の漏れ込みを
最小限に保たれる構造となっている。

〔考案の効果〕

本考案によれば次の効果が生ずる。

(1)過剰酸素率で0.3〜1.0％程度に燃焼用空気量を低減
できる。

(2)燃焼用空気を最適な燃焼ゾーンに送り込めるので、
燃焼効率が向上し、煤塵および二酸化炭素の発生が抑制
される。

(3)燃焼用空気が低減されるので、窒素酸化物の発生が
抑制される。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の実施例を示す図、第５図
ないし第８図は従来のバーナ装置の例を示す図である。 １……オイルバーナ（主バーナ） ２……ガスバーナ（副バーナ） ３……上部空気ノズル、４……下部空気ノズル ５……仕切板、６……仕切板 ７……バーナノズル、８……補助空気ノズル ９……空気ノズル開口部 10……バーナノズル開口部 11……補助空気ノズル開口部 12……空気ノズル開口部、13……上部空気ノズル 14……下部空気ノズル、17……シール板 ａ……ノズルシール部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 徳田 君代 長崎県長崎市飽の浦町１番１号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)考案者 大栗 正治 長崎県長崎市飽の浦町１番１号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−150820（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】主バーナと、その主バーナの上下に設けら
   れた副バーナと、それら副バーナの周囲にチルト可能に
   設けられた空気ノズルとを具えたものにおいて、上記空
   気ノズルの開口部の上記主バーナから遠い隅に丸味が付
   いており、かつ、上記空気ノズルの根元部またはその上
   流に設けられた仕切板の先端部が軸の水平な円筒面の一
   部を形成していることを特徴とするバーナ装置。