JPH06122840A - はっ水性粉体塗料及びその塗装方法 - Google Patents

はっ水性粉体塗料及びその塗装方法

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JPH06122840A
JPH06122840A JP27397592A JP27397592A JPH06122840A JP H06122840 A JPH06122840 A JP H06122840A JP 27397592 A JP27397592 A JP 27397592A JP 27397592 A JP27397592 A JP 27397592A JP H06122840 A JPH06122840 A JP H06122840A
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五郎 山内
Toshinobu Ueda
利信 上田
Hisayoshi Takazawa
寿佳 高沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】はっ水性、防水性、防食性、耐着雪性、耐候性
及び潤滑性に優れた塗料及びその塗装方法を提供するこ
と。 【構成】上記目的は、未結合弗素含有量3重量%以下の
弗化グラファイト粉末を1〜70容積%と、ポリエステル
樹脂粉末、エポキシ樹脂粉末、アクリル樹脂粉末、ウレ
タン樹脂粉末、弗素樹脂粉末の中の少なくとも1種類以
上の樹脂粉末もしくは混合樹脂粉末とからなることを特
徴とするはっ水性粉体塗料とすること、および、被塗装
体を上記記載のはっ水性粉体塗料中に130℃以上370℃以
下で保持して塗装することを特徴とするはっ水性粉体塗
料塗装方法とすることによって達成することができる。
この塗料及び塗装方法の応用範囲は広く、例えば長期信
頼性が必要とされる電気通信用屋外施設等への広範な応
用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、はっ水性、防水性、防
食性、耐着雪性、対候性及び潤滑性に優れたはっ水性粉
体塗料及びその塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】はっ水性、防水性、防食性、耐着雪性、
耐候性及び潤滑性に優れた材料が開発されれば、該材料
を船舶吃水面に塗布することにより水と塗装面との摩擦
抵抗を小さくした省エネルギー船舶の実現、錆びにくい
金属物品、着雪しにくいアンテナ、ケーブル、鉄塔の実
現、さらには土木機械用治具等広範な応用が可能とな
る。そのため、これまで、上記の特性を備えた塗料及び
その塗装方法を開発する試みがなされてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の塗料及びその塗装方法は以下のような欠点を有して
いた。まず、接触角が180度に近づくほどはっ水性を高
め、結果として防水性、防食性、着雪防止性を期待する
という方法があるが、この方法は湿式鍍金技術に基づい
ているので、この処理が適用可能なのは湿式鍍金処理が
適用できる被塗装体に限られる。また、固体状テフロン
等ははっ水性が不十分であり、実用に耐え得るはっ水
性、防水性、防食性、耐着雪性、耐候性及び潤滑性を確
保することが困難であり、新たな塗料及びその塗装方法
の出現が待ち望まれていた。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術の有してい
た課題を解決して、はっ水性、防水性、防食性、耐着雪
性、耐候性及び潤滑性に優れた塗料及びその塗装方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、未結合弗素
含有量3重量%以下の弗化グラファイト粉末を1〜70容
積%と、ポリエステル樹脂粉末、エポキシ樹脂粉末、ア
クリル樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末、弗素樹脂粉末の中
の少なくとも1種類以上の樹脂粉末もしくは混合樹脂粉
末とからなることを特徴とするはっ水性粉体塗料とする
こと、および、被塗装体を上記記載のはっ水性粉体塗料
中に130℃以上370℃以下で保持して塗装することを特徴
とするはっ水性粉体塗料塗装方法とすることによって達
成することができる。この塗料及び塗装方法の応用範囲
は広く、例えば長期信頼性が必要とされる電気通信用屋
外施設等への広範な応用が可能である。
【0006】また、上記の方法の適用に先立ってポリエ
ステル樹脂粉末を被塗装体に付着させることにより耐食
性を一層増強させることができる。また、被塗装体にポ
リエステル樹脂粉末を付着させた後、未結合弗素含有量
が3重量%以下の弗化グラファイト粉末を表面の面積分
率が1〜70%となるように付着させることによって、は
っ水性の効果を表面に集中させることができる。
【0007】
【作用】上記において弗化グラファイトの未結合弗素含
有量を3重量%以下としたのは、未結合弗素含有量がこ
れよりも多い場合にははっ水性が低下することによる。
また、弗化グラファイト粉末の分率を1〜70%の範囲と
したのは、1重量%以下でははっ水性の効果が現れず、
70%以上では弗化グラファイトが上記樹脂から脱離して
しまうことによる。さらに、保持温度を130℃以上370℃
以下としたのは、130℃以下では樹脂と被塗装体との密
着力が低下し、370℃以上では塗装面に膨れ等が生じる
ためである。
【0008】
【実施例】以下、本発明の塗料及びその塗装方法につい
て、実施例及び比較例によって具体的に説明する。
【0009】
【実施例1】未結合弗素含有量が0.1重量%以下の弗化
グラファイト粉末を体積分率が30%となるようにポリエ
ステル樹脂粉末と混合し、この混合粉末中に330℃に加
熱した SS 41 試料を浸した後水冷した。
【0010】この試料に水滴を垂らして接触角を測定し
たところ172度の値を示し、優れたはっ水性を示した。
次いで、この試料をサンシャインウェザーメータを用い
て600時間紫外線照射(3年間の屋外暴露に相当)後、接
触角を測定したところ167度の値を示し、優れた耐候性
を有することが知られた。この試料ははっ水性を有する
ところから、水の付着を通じて発生する腐食、着雪等を
原理的に回避することができる。さらに、この試料の表
面を600番のエメリペーパで擦ったところ、その滑り易
さのために、表面に微細凹凸を生じることがなく、潤滑
性も有していることが明らかとなった。
【0011】
【実施例2】320℃に加熱した SS 41 試料にポリエステ
ル樹脂粉末を付着させた後、同一温度で、未結合弗素含
有量が0.05%以下の弗化グラファイト粉末を体積分率が
30容積%となるようにポリエステル樹脂粉末と混合させ
た混合粉末を付着させた。
【0012】この試料に水滴を垂らして接触角を測定し
たところ173度の値を示し、優れたはっ水性を示した。
次いで、この試料をサンシャインウェザーメータで600
時間紫外線照射後接触角を測定したところ170度の値を
示し、優れた耐候性を有することが知られた。この試料
ははっ水性を有するところから、水の付着を通じて発生
する腐食、着雪等を原理的に回避することができる。さ
らに、この試料の表面を600番のエメリペーパで擦った
ところ、その滑り易さのために、表面に微細凹凸を生じ
ることがなく、潤滑性を有していることが明らかとなっ
た。
【0013】
【実施例3】320℃に加熱した SS 41 試料にポリエステ
ル樹脂粉末を付着させた後、同一温度で、未結合弗素含
有量が0.05重量%以下の弗化グラファイト粉末を面積分
率が30%となるように付着させた。
【0014】この試料に水滴を垂らして接触角を測定し
たところ175度の値を示し、優れたはっ水性を示した。
次いで、この試料をサンシャインウェザーメータを用い
て600時間紫外線照射後、接触角を測定したところ171度
の値を示し、優れた耐候性を有することが知られた。こ
の試料ははっ水性を有するところから水の付着を通じて
発生する腐食、着雪等を原理的に回避することができ
る。
【0015】
【比較例1】320℃に加熱した SS 41 試料にポリエステ
ル樹脂粉末を付着させた。
【0016】この試料に水滴を垂らして接触角を測定し
たところ、66度の値を示した。次いで、この試料をサン
シャインウェザーメータを用いて600時間紫外線照射後
接触角を測定したところ52度の値を示した。この結果、
この試料ははっ水性、耐候性ともに上記本発明の試料に
及ばないことがわかる。さらに、この試料の表面を600
番のエメリペーパで擦ったところ、表面に微細凹凸を生
じ、潤滑性も本発明の試料と比較して乏しいことが明ら
かとなった。
【0017】
【比較例2】テフロン製試料に水滴を垂らして接触角を
測定したところ102度の値を示した。この試料をサンシ
ャインウェザーメータを用いて600時間紫外線照射後接
触角を測定したところ95度であった。従って、この試料
のはっ水性は上記本発明の試料に及ばない。
【0018】上記実施例及び比較例の試料について測定
した接触角の初期値及び紫外線照射後の値を比較して表
1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】以上述べてきたように、はっ水性粉体塗
料及びその塗装方法を本発明構成の塗料及び塗装方法と
することによって、従来技術の有していた課題を解決し
て、はっ水性、防水性、防食性、耐着雪性、耐候性及び
潤滑性に優れたはっ水性粉体塗料及びその塗装方法を提
供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/03 PNS 6904−4J 5/00 PPG 6904−4J 127/12 PFH 9166−4J 133/00 PGF 7921−4J 163/00 PJP 8830−4J 167/02 PLA 8933−4J 175/04 PHX 8620−4J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未結合弗素含有量3重量%以下の弗化グラ
    ファイト粉末を1〜70容積%と、ポリエステル樹脂粉
    末、エポキシ樹脂粉末、アクリル樹脂粉末、ウレタン樹
    脂粉末、弗素樹脂粉末の中の少なくとも1種類以上の樹
    脂粉末もしくは混合樹脂粉末とからなることを特徴とす
    るはっ水性粉体塗料。
  2. 【請求項2】被塗装体を請求項1記載のはっ水性粉体塗
    料中に130℃以上370℃以下で保持して塗装することを特
    徴とするはっ水性粉体塗料塗装方法。
  3. 【請求項3】被塗装体をポリエステル樹脂粉末中に130
    ℃以上370℃以下で保持して該樹脂を付着させた後、請
    求項1記載のはっ水性粉体塗料中に130℃以上370℃以下
    で保持して塗装することを特徴とするはっ水性粉体塗料
    塗装方法。
  4. 【請求項4】被塗装体をポリエステル樹脂粉末中に130
    ℃以上370℃以下で保持して該樹脂を付着させた後、未
    結合弗素含有量3重量%以下の弗化グラファイト粉末を
    面積分率で1〜70%となるように付着させて塗装するこ
    とを特徴とするはっ水性粉体塗料塗装方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012514662A (ja) * 2009-01-06 2012-06-28 エーヴァルト デルケン アーゲー 被覆粉末の製造方法及び被覆粉末
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