JPH0612095A - 音声復号化方法 - Google Patents

音声復号化方法

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JPH0612095A
JPH0612095A JP4170890A JP17089092A JPH0612095A JP H0612095 A JPH0612095 A JP H0612095A JP 4170890 A JP4170890 A JP 4170890A JP 17089092 A JP17089092 A JP 17089092A JP H0612095 A JPH0612095 A JP H0612095A
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健弘 守谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 符号励振線形予測符号化の復号方法におい
て、伝送誤りによる復号音声品質の劣化を抑える。 【構成】 伝送路からの伝送符号を誤り訂正回路30を
とおし、バッファ31に過去、現在、及び将来のフレー
ムのそれぞれの音声符号化情報を蓄積し、バッファ34
に過去、現在、将来のフレームのそれぞれの符号誤り検
出情報を蓄積する。バッファ34の符号誤り検出情報を
もとに誤り状態管理部35で誤り状態フラグを設定す
る。この誤り状態フラグに基づいて、パラメータ復号部
32において、バッファ31に蓄積されている線形予測
パラメータとパワパラメータとピッチ周期、音源ゲイン
パラメータを補間修復する。さらに、音声復号部33に
おいて、ポストフィルタのパラメータを誤り状態フラグ
によって変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば伝送路上で符
号誤りが頻発する移動無線システムへ適用され、符号誤
り制御技術(誤り訂正/検出符号化処理等)が施された
音声符号化情報と符号誤り検出情報から、符号誤りによ
る品質劣化の少ない音声を再生するための音声復号化方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル移動無線や音声蓄積サービス
のための8kbit/s 以下の高能率音声符号化方法として
は、符号励振線形予測符号化(Code-Excited Linear Pr
edictionCoding : CELP)、ベクトル和励振線形予測符
号化(Vector Sum Excited Linear Prediction Coding
: VSELP )といった手法が代表的である。それぞれの
技術については、M.R.Schroeder and B.S.Atal : "Code
-Excited Linear Prediction(CELP): High-quality S
peech at Very Low Bit Rates", Proc. ICASSP-85,25.
1.1,pp.937-940 ,(1985年)、および、I.A.Gerson an
d M.A. Jasiuk : "Vector Sum Excited Linear Predict
ion(VSELP )Speech Coding at 8kbps", Proc.ICASSP-9
0,S9.3,pp.461-464,(1990年)に述べられている。
【0003】ここでは、CELP符号化をとりあげて説明す
る。CELP符号化では、音声符号化情報として、線形予測
パラメータ符号と、そのフレームのパワを示すパワパラ
メータ符号とピッチ周期符号と雑音符号と音源のゲイン
パラメータ符号を、5〜50ms程度を1フレームとして送
信する。CELP復号器を図1に示す。CELP復号器では、復
号された線形予測パラメータAを線形予測合成フィルタ
12の係数として設定する。それまでに得られた直前(過
去)のフレームの励振ベクトル(残差波形)と、復号さ
れたピッチ周期符号Lを用いて適応符号帳10からその周
期で、過去の励振ベクトルを切り出し、これをフレーム
分繰り返した時系列ベクトルが出力され、また、入力さ
れた雑音符号Cが示す符号ベクトルが雑音符号帳11から
ベクトルとして読みだされる。これら時系列ベクトル
は、乗算器21、22で入力されたゲイン符号G(=g1,g2) に
応じて、それぞれ重み付けされた後、加算器23で加算さ
れ、その加算出力が励振ベクトルとして合成フィルタ12
へ供給され、パワゲインPを乗算器24で乗じて、再生音
声が得られる。さらに、ポストフィルタ13により、ホル
マント強調、ピッチ強調により雑音感を減らした最終的
な音声出力を得る。
【0004】符号誤りの発生する応用分野に適用される
音声伝送方式では、誤り訂正符号化技術を用いて符号誤
りによる伝送音声の品質劣化を押さえている。しかし、
バースト誤りが頻発する移動無線のような適用領域で
は、強力な誤り訂正符号を用いたとしても十分な適用効
果が得られない。これは、バースト内での誤りの密度が
高いため、たとえ強力な誤り訂正符号を用いてもすべて
の誤りを除去することが難しいことに起因する。
【0005】訂正しきれない誤りを残したままの符号化
情報から音声を復号すると、復号音声は大きく歪む。歪
みを小さく押さえるため、誤り検出情報として、フレー
ムの符号が正しく復号できたかどうかをチェックする誤
り検出機能を持たせておき、誤りが検出された場合に
は、通常の復号法とは異なる処理、すなわち、波形修復
処理を行ない、符号誤りの影響を極力押さえる工夫がさ
れている。
【0006】これまでの修復方法としては、次の2種類
がある。一つは、例えば、M.J.McLaughlin: "Channel c
oding for digital speech transmission in the Japan
esedigital cellular system", 電子情報通信学会 無
線通信システム研究会、RCS90-27,pp.41-45,1990年、に
示すように、現在のフレームが符号誤りのあるフレーム
の場合に、過去のフレームのパラメータを繰り返す方法
や、パラメータを繰り返してさらに、過去のフレームの
状態に応じて現フレームの利得を制御する方法である。
【0007】もう一つの修復方法は、特開平4-30200
「音声復号化方式」に、示されているように、誤りがあ
った場合に、過去の正しいフレームと将来の正しいフレ
ームから、現在の誤ったフレームを補間する方法があ
る。この場合には、過去の正しいフレームと将来の正し
いフレームが時間的に近ければ、歪みの小さい補間を行
なうことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、過去のみから
の修復は、結局、過去の音声を繰り返して、誤りのある
フレームのパワを小さくして歪みを聞こえにくくするも
のであり、この場合には、過去の情報のみから現在の誤
りフレームパラメータを決定するので、修復のために現
フレーム以上の遅延は必要ないが、次のフレームとの連
続性が悪くなり不連続性が新たな品質劣化を招くという
欠点がある。
【0009】また、特開平4-30200 による過去と将来の
正しいフレームからの補間は、バースト誤りの頻発する
伝送路に適用した場合には、現在のフレームの次のフレ
ームが正しいフレームであるとは限らず、過去と将来の
正しいフレームが時間的に大きく離れてしまう場合があ
り、補間によってかえって大きな歪みを生じてしまう欠
点がある。また、現在フレーム以降何フレームも誤りが
続く場合、将来の正しいフレーム情報を使用するために
は、その分だけ大きな遅延時間が必要となり、移動無線
のように実時間性を重視する用途には適さない。
【0010】さらに、CELP符号化では、適応符号帳や合
成フィルタのメモリが過去のフレームの復号結果に依存
するので、現在フレームで符号誤りがなくても過去のフ
レームで誤りがあれば、再生音声に歪みが生じてしまう
という問題がある。本発明の目的は、このような問題点
を解決し、バースト誤りのある伝送路でも品質劣化の少
ない音声復号化方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、音声符号化
情報と誤り訂正符号とをフレームごとに受信して音声を
再生する際、過去、現在、及び将来のフレームのそれぞ
れの音声符号化情報と符号誤り検出情報を用いて、現在
フレームで符号誤りが検出された場合には、過去と将来
の符号誤り検出情報と音声符号化情報からその符号誤り
検出情報に応じて現在フレームのパラメータを補間修復
して音声を再生し、現在フレームで符号誤りが検出され
ない場合には過去と将来フレームのいずれかに符号誤り
検出がある場合には、その誤り検出情報に応じて、現在
フレームのパラメータを補正するようにした。
【0012】
【作用】上記構成を採用することにより、音声符号化情
報からパラメータ群を復号する際、過去と現在のフレー
ムの符号誤り検出情報だけではなく、将来のフレームま
での符号誤り検出情報を用いて現在フレームのパラメー
タを復号する。
【0013】
【実施例】以下では、高能率音声符号化方式としてCELP
方式をとりあげ、CELP方式へのこの発明の実施例を説明
する。本実施例では、CELP方式の復号器について説明す
るが、これと類似の方式または、類似の構成を含む方式
に対しても適用が可能である。
【0014】図2は、本発明の実施例におけ音声復号処
理のブロック図を示す。本実施例では、過去、現在フレ
ームと将来の1フレームまでの情報を用いた復号化につ
いて示す。まず、伝送路より送られた符号をフレーム毎
に誤り訂正回路30において誤り訂正処理を行なう。30よ
り音声符号化情報をバッファ31に送り、誤り検出情報を
バッファ34に送る。31、34のバッファには、過去および
現在フレームとさらに少なくとも1フレーム先の情報ま
で取り込む。バッファ34からの誤り検出情報は、誤り状
態管理部35に入り、過去、現在、将来フレームの誤り状
態が決定される。
【0015】バッファ31の出力である音声符号化情報と
誤り状態管理部35からの誤り状態をパラメータ復号部32
に送り、現在フレームのパラメータを復号・補間する。
パラメータ復号部32の出力により、音声復号器33で音声
を再生する。誤り状態管理部35では、図3に示すよう
に、図2のバッファ34に蓄えられている次のフレームま
での誤り検出情報をもとに、過去、現在、将来のフレー
ムの状態を表すフラグ群 352(S2,S1,S0)を更新する。
S2が過去のフレーム、S1が現在フレーム、S0が将来フレ
ームに対応する。フラグS2とS1は、音声符号化のフレー
ム更新の際に、前のフレームでのフラグS1、S0の内容を
シフトしたものである。S0フラグの内容は、状態フラグ
更新部351 において対応するバッファ34からの入力フレ
ームの誤り検出情報と、S1フラグ(これは、前フレーム
ではS0フラグに相当する)の内容に従って決定される。
【0016】図4にS0の更新表を示す。図4において、
バッファ34の入力=0のとき、その入力フレームは、誤
り訂正が完全にできたことを示し、バッファ34の入力=
1のとき、誤り訂正ができなかった、つまり、誤りが検
出されたフレームであることを意味する。S1が0のと
き、入力フレームの誤りが検出されなければ、S0=0と
し、誤りが検出されれば、S0=1とする。S1が1からあ
らかじめ与えられた数M-1 までの場合には、入力フレー
ムの誤りが検出されなければS0=0、誤りが検出されれ
ば、S0=S1+1として、対応するフレームまで、誤りフレ
ームの連続して続いたフレーム数をフラグの内容として
保持する。S1がM の場合には、入力フレームで誤りが検
出されなければ、S0=M+1とし、誤りが検出されれば、S0
=Mとする。ここで、M は、連続するフレームにバースト
性の誤りが加わっていると考えられる長さ、例えば6、
とする。S1がM+1 の場合には、入力フレームで誤りが検
出されなければ、S0=0、誤りが検出されれば、S0=Mとす
る。従って、S0=M+1の場合には、対応フレームの誤り検
出がない場合であるが、バースト誤りが続いた後である
ので、0とはせず、さらにその次のフレームで、誤りが
検出されなくなって0にする。
【0017】このような状態フラグの遷移に関しては、
従来の技術で述べたM.J.McLaughlinの文献(電子情報通
信学会無線通信システム研究会、RCS90-27, pp.41-45,1
990年)において、現在フレームを入力として、S0を現
在フレームのフラグとして、過去のフラグとともに用い
ているが、本発明では、現在フレームがS1、将来のフレ
ームをS0として、これから復号しようとするフレームの
次に来るフレームのフラグを用いる点が大きく異なる。
【0018】次に、こうして得られた誤り管理制御部35
の出力S(S2,S1,S0) を用いて、図2のパラメータ復号部
32で過去、現在、将来フレームの誤り状態を考慮した各
音声符号化情報のパラメータ復号を行なう。パラメータ
復号部32での誤り状態フラグに依存した処理手順のフロ
ー図の例を図5に示す。まず、図5のステップ101 にお
いて、現在フレームの誤り状態フラグS1が0であるかど
うかを判断し、0ならば、ステップ111 の処理1を実行
する。処理1では、S1=0であるから、現在フレームの音
声符号化情報に基づいて復号したパラメータを基本と
し、S0,S2 を見て、S0またはS2が0でない場合には、連
続的にパラメータが接続するように修正する。
【0019】次に、ステップ102 において、S1が0でな
く、フラグが1からM のいずれかの場合には、現在フレ
ームにおいて、誤り検出されたことを示している。従っ
て、この場合は、現在フレームの音声符号化情報には、
誤りが含まれている。そこで、過去フレーム及び将来フ
レームの情報を使うことになる。ステップ103 におい
て、S0=0またはM+1 ならば将来フレームが正しいので、
ステップ112 の処理2として、過去フレームで復号に使
われたパラメータと将来フレームの復号パラメータから
現在フレームのパラメータを両側から内挿補間する。そ
の際、S1のフラグの誤り継続の度合いにより、内挿の重
みを変えることもできる。例えば、S1がMに近ければ、
過去フレームのパラメータは、バースト誤りが継続し
て、次に述べるステップ113 処理3の外挿的な手法によ
って得られたパラメータであるので、過去のパラメータ
の重みは小さく、将来フレームの重みを大きくすること
により、より歪の小さい現在フレームのパラメータを得
ることができる。ステップ103において、S0≠0 かつS0
≠M+1 の場合、将来フレームには誤りが検出されてい
る。その場合、ステップ113 の処理3では、過去フレー
ムで復号に使われたパラメータの現在フレームへの外挿
による補間処理を行なう。その際、S1フラグの誤り継続
の度合いにより、外挿結果への重みを変えることもでき
る。
【0020】ステップ102 において、NOの場合には、S1
=M+1であり、これは、過去のフレームにM フレーム以上
のバースト誤りがあった後に現在フレームが正しいこと
を示している。従って、ステップ114 の処理4では、現
在フレームの音声符号化情報に基づいて復号したパラメ
ータを基本とし、さらに、S2=Mであるから、過去フレー
ムにバースト誤りがあったこと、及び、S0が0またはM
になるので、その値によって、連続的にパラメータが接
続するように修正する。
【0021】次に、実際のパラメータについて、図5の
処理1〜処理4の例について述べる。CELP符号化におけ
る各フレームの音声符号化情報は、図1に示したよう
に、線形予測パラメータ符号A、パワパラメータ符号
P、ピッチ周期符号Lと雑音符号帳の雑音符号ベクトル
符号C、音源のゲインパラメータ符号Gからなる。ま
ず、線形予測パラメータ符号Aについての実施例を示
す。線形予測パラメータとしては、補間の際には、線形
補間特性の良い線スペクトル対(LSP :Line Spectrum
Pair) を用いる。線形予測パラメータは、今1フレーム
を20msとすれば、実際には、5ms〜10ms程度のサブフレ
ーム単位毎にパラメータを必要とする。その場合、前フ
レーム(過去フレーム)または、後フレーム(将来フレ
ーム)とのパラメータ間の補間によって、サブフレーム
のパラメータを求める。すると、前(または、後)フレ
ームに符号誤りがある場合には、誤ったパラメータと直
接補間すると、大きな歪が生じる。また、現在フレーム
のパラメータが誤っている場合でもすぐ前後のパラメー
タが誤りのない状態あれば、前後フレームから、現在フ
レームを補間することができる。
【0022】過去(時刻n-1 とする)、現在(時刻n
)、将来(時刻n+1 )フレームでの誤り訂正直後で補
間をしないLSP パラメータをそれぞれ、ω(n-1),ω(n),
ω(n+1)とし、誤り状態フラグを考慮して補間したあと
の時刻n-1 、n に対応するパラメータをΩ(n-1),Ω(n)
で表す。また、a ≦t ≦b の範囲のt に対して、時刻a
でXa, 時刻b でXbのパラメータであるときの時刻t での
内挿パラメータΩ(t) を、 Ω(t) = f_A(t;(a,Xa),(b,Xb)) で定義する。関数 f_A は、2点(a,Xa),(b,Xb) 間を補
間する関数で、時刻t の補間値を出力するものである。
例えば、直線補間でも良い。
【0023】図5ステップ111 の処理1では、現在フレ
ームの誤り状態フラグS1=0であり、ω(n) には誤りがな
いので、S2,S0 の誤り状態に応じて次のようにすれば良
い。現在フレーム内のt において、n-1 ≦t ≦n では、 S2=0ならば、Ω(t) = f_A(t;(n-1,Ω(n-1)),(n,ω
(n))), S2=1,...,Mならば、Ω(t) = f_A(t;(n-1,ω(n)),(n,
ω(n))) とする。また、n ≦t ≦n+1 のとき、 S0=0ならば、Ω(t) = f_A(t;(n,ω(n)),(n+1,ω(n+
1))), S0=1,...,Mならば、Ω(t) = f_A(t;(n,ω(n)),(n+1,
ω(n))) とする。
【0024】図5のステップ112 の処理2では、現在フ
レームパラメータに誤りがあるのでω(n) は使用せず、
S0=0またはM+1 なので、Ω(n-1),ω(n+1) を用いて、現
フレーム内の時刻t のパラメータを、 Ω(t) = f_A(t;(n-1,Ω(n-1)),(n+1,ω(n+1))),によ
り補間する。ステップ113 の処理3では、S0=1,...,Mな
ので、過去のパラメータを用いて、 Ω(t) = f_A(t;(n-1,Ω(n-1)),(n+1,Ω(n-1))) により、現フレーム内の時刻t のパラメータを補間す
る。この場合、S2,S1,S0の値に応じてΩ(t) のスペクト
ルのバンド幅を拡張するような関数を用いて出力のLSP
パラメータの共振特性を弱めるようにして、歪を防ぐよ
うな補間をしても良い。
【0025】図5のステップ114 の処理4では、ω(n)
は使えるが、前フレームがバースト誤りなので、Ω(n-
1) を使うか、またはΩ0 として、平坦スペクトルとな
るようなパラメータのどちらかを用いる。これをΩ’と
する。現フレーム内のt において、n-1 ≦t ≦n のと
き、 Ω(t) = f_A(t;(n-1,Ω’)),(n,ω(n))), n ≦t ≦n+1 では、 S0=0ならば、Ω(t) = f_A(t;(n,ω(n)),(n+1,ω(n+
1))), S0=Mならば、Ω(t) = f_A(t;(n,ω(n)),(n+1,ω(n))) とする。
【0026】次に、パワパラメータ符号の図5の各処理
について考える。基本的には、線形予測パラメータの補
間の場合と同様である。パワの場合もサブフレーム単位
のパワを計算する場合について示す。過去(時刻n-1 と
する)、現在(時刻n )、将来(時刻n+1 )フレームで
の誤り訂正直後で補間をしないパワパラメータをそれぞ
れ、p(n-1),p(n),p(n+1)とし、誤り状態フラグを考慮し
て補間したあとの時刻n-1 、n に対応するパラメータを
P(n-1),P(n) とする。
【0027】時刻a でXa, 時刻b でXbであるときの時刻
t でのパワの内挿パラメータP(t)を、 P(t) = f_P(t;(a,Xa),(b,Xb)) で定義する。関数 f_P は、2点(a,Xa), (b,Xb)間の直
線補間、または、Xa,Xbの対数表現の直線間補といった
関数でも良い。
【0028】図5のステップ111 の処理1では、S1=0な
ので、p(n)には、誤りがないので、現フレーム内のt に
おいて、n-1≦t≦nでは、 S2=0ならば、P(t) = f_P(t;(n-1,P(n-1)),(n,p
(n))), S2=1,...,Mならば、P(t) = f_P(t;(n-1,p(n)),(n,p
(n))) とする。そして、結果のP(t) が、P(n-1) よりも一定
の定数倍(例えばα≧1)よりも大きい場合には、α’P
(t),(0≦α’≦1)として、パワを小さく制限することに
より、急激なパワ変化による歪を聞こえないようにす
る。また、n ≦t ≦n+1 では、 S0=0ならば、P(t) = f_P(t;(n,p(n)),(n+1,p(n+
1))), S0=1,...,Mならば、P(t) = f_P(t;(n,p(n)),(n+1,p
(n))) とする。
【0029】図5のステップ112 の処理2では、現在フ
レームパラメータに誤りがあるので、p(n)は使用せず
に、S0=0またはM+1 なので、P(n-1), p(n+1) を用い
て、現フレーム内の時刻tのパラメータを、 P(t) = f_P(t;(n-1,P(n-1)),(n+1,p(n+1))) により補間する。ここで、一定の閾値(例えばα(≧1))
に対して、P(t)>αP(n-1) であり、パワ変化が大き
すぎる場合には、α’P(t),(0≦α’≦1)のようにパワ
を置換し、パワを小さく制限することにより、歪が聞こ
えないようにする。α’は、S1のバースト誤りの継続数
によって変更しても良い。
【0030】ステップ113 の処理3では、S0=1,...,Mな
ので、過去のパラメータを用いて、 P(t) = f_P(t;(n-1,P(n-1)),(n+1,P(n-1))) とし、さらに、誤りフレームの音量を弱めてP(t) を
α’P(t),(0 ≦α’1)とする。α’は、S1のバースト
誤りの継続数によって変更しても良い。例えば、S1=Mな
らば、現在フレームまでに、M フレーム以上の大きなバ
ースト誤りが生じていることを意味するので、α’=0
として無音区間とし、歪みのある音声を出力しないよう
にする。
【0031】図5のステップ114 の処理4では、p(n)は
使えるが、前フレームがバースト誤りフレームである。
そこで、現フレーム内のt において、n-1 ≦t ≦n のと
き、 P(t) = f_P(t;(n-1,P(n-1)),(n,p(n))) そして、P(t) をα’P(t)(0≦α’≦1)に置き換え
る。n ≦t ≦n+1 では、 S0=0ならば、P(t) = f_P(t;(n,p(n)),(n+1,p(n+
1))), S0=Mならば、P(t) = f_P(t;(n,p(n)),(n+1,p(n))) とする。S0=Mの場合は、さらに、P(t) をα’P(t),(0
≦α’≦1)とする。
【0032】次に、ピッチ周期符号Lのパラメータ復号
の例を示す。ピッチ周期符号Lは、図1において、適応
符号帳10のピッチ遅延を示す遅延値である。これは、1
フレームをk個(例えば2個)のサブフレームに分け、
その個数だけLの値をピッチ情報として伝送する。ピッ
チ遅延は、CELPではピッチ周期だけでなく2倍周期、3
倍周期といったとびとびの値をとることもある。従っ
て、本実施例では、k=2とした場合について、前フレー
ムと後のフレームとのピッチ周期の値を現フレームが誤
ったときに置換するという手法について示す。もちろ
ん、ピッチ周期の変動が小さく、前後フレームのピッチ
周期を補間可能な場合には、補間によって求めてもよ
い。
【0033】過去(時刻n-1 )、現在(時刻n )、将来
(時刻n+1 )フレームでの誤り訂正直後ピッチ遅延をそ
れぞれ、lk(n-1), lk(n), lk(n+1),(k=1,2)とし、誤
り状態フラグを考慮したあとの時刻n-1 、n に対応する
パラメータをLk(n-1), Lk(n), (k=1,2) とする。図5
のステップ111 の処理1では、S1=0なので、lk(n)に誤
りがないので、 Lk(n) =lk(n), (k=1,2) とする。
【0034】図5のステップ112 の処理2では、現在フ
レームのパラメータに誤りがあるので、lk(n)は使用せ
ずに、 L1(n) =L2(n-1),L2(n) =l1(n+1) とする。ステップ113 の処理3では、S0=1,...,Mなので
過去のパラメータを用いて、 Lk(n) =L2(n-1), (k=1,2) とする。
【0035】ステップ114 の処理4では、現在フレーム
が正しいので、処理1と同じく、 Lk(n) =lk(n), (k=1,2) とする。次に、音源ゲインパラメータGの復号例を示
す。Gは、図1において、適応符号帳10と雑音符号帳11
で選ばれた各音源信号に乗ずるゲインg1,g2 の組を総称
している。このGに関しては、ピッチ遅延と同様にパラ
メータ復号を行なう。過去(時刻n-1 )、現在(時刻n
)、将来(時刻n+1 )フレームでの誤り訂正直後音源
ゲインをそれぞれ、σk(n-1), σk(n), σk(n+1),(k=1,
2)とし、誤り状態フラグを考慮したあとの時刻n-1 、n
に対応するパラメータをGk(n-1), Gk(n), (k=1,2) と
する。
【0036】図5のステップ111 の処理1では、S1=0で
ありσk(n)に誤りがないので、 Gk(n) =σk(n), (k=1,2) とする。図5のステップ112の処理2では、現在フレー
ムパラメータに誤りがあるので、σk(n)は使用せずに、 G1(n) =G2(n-1),G2(n) =σ1(n+1) とする。
【0037】ステップ113 の処理3では、S0=1,...,Mな
ので過去のパラメータを用いて、 Gk(n) =G2(n-1), (k=1,2) とする。ステップ114 の処理4では、現在フレームが正
しいので、処理1と同じく、 Gk(n) =σk(n), (k=1,2) とする。
【0038】雑音符号帳の雑音ベクトル符号Cの復号に
関しては、フレーム間の相関は、大きくないので、本実
施例では、誤り状態フラグに関係なく現在フレームに送
られた符号をそのまま再生に使用する。こうして、図2
のパラメータ復号部32で、過去、現在、将来の誤り状態
フラグに基づき、音声符号化情報のパラメータが復号・
修復される。その結果が、次の音声復号器33に渡され、
音声が再合成される。
【0039】音声復号器33においても、誤り状態管理部
35からの過去、現在、将来のフレーム誤り状態フラグS
(=S2,S1,S0)を用いて、復号音声の再生音声を制御する
ことにより伝送誤りによる歪みを小さくできる。すなわ
ち、図1のポストフィルタ13において、Sを用いてポス
トフィルタの係数を制御して聴覚的な歪みを抑える。通
常、ポストフィルタは、次のようなH(z)によって構成さ
れている。
【0040】
【数1】
【0041】ここで,αi は、各フレームの線形予測係
数であり、βi は長期予測係数、τはピッチ遅延であ
る。これらは、伝送パラメータあるいは、復号音声から
適応的に決定される。 A(z/γ1)/A(z/γ2) でホルマント強調を行い、1/(1-δB(z))でピッチの強調
を、さらに、
【0042】
【数2】
【0043】でスペクトル傾斜補正の効果をもたせてい
る.本実施例では、η、δ、γ1 、γ2 を誤り状態フラ
グS(=S2,S1,S0)の関数としてH(z)を各フレーム毎に適応
的に変化させる。S2,S1,S0がいずれも0またはM+1の場
合には、通常の値を使用するが、S2,S1,S0のいずれかが
0とM+1 以外で誤りフレームである場合には、適応符号
帳や、雑音符号ベクトル符号に誤りが含まれている可能
性が高いので、ηとδを小さくして、高域のスペクトル
傾斜と音源のピッチ強調を弱め、γ1 とγ2 を調整して
ホルマント強調の度合いを強めることにより、出力音声
の雑音感を抑えることができる。ここで、S0の将来フレ
ームまでの誤り状態フラグを用いることにより、S2, S1
だけの場合よりもη、δ、γ1、γ2 の切替えを連続的
に行うことにが可能となり、フレーム間での切替えによ
る音質変化による劣化を抑えることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
音声符号化ビットに伝送路の符号誤りが残留した場合
に、復号音声に重畳する耳障りな歪みを押さえることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CELP音声復号器のブロック図である。
【図2】本発明の実施例におけ音声復号処理のブロック
図である。
【図3】図2の誤り状態管理部35の拡大図である。
【図4】図3の状態フラグ更新部351における、S0フラ
グの更新表である。
【図5】誤り状態フラグに応じた処理フローの概略図で
ある。
【符号の説明】
10は適応符号帳 11は雑音符号帳 12は線形予測合成フィルタ 13はポストフィルタ 21,22,24は乗算器 23は加算器 30は誤り訂正回路 31,34はバッファ 32はパラメータ復号部 33は音声復号器 35は誤り状態管理部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線形予測パラメータ符号とパワパラメー
    タ符号とピッチ周期符号と雑音符号帳の雑音ベクトル符
    号と音源ゲインパラメータ符号からなる音声符号化情報
    と誤り訂正符号とをフレームごとに受信して音声を再生
    する際の音声復号化方法において、復号しようとするフ
    レームについての音声符号化情報を復号する際、過去の
    フレーム、現在のフレーム、及び将来のフレームのそれ
    ぞれの符号誤り検出情報を用い、各フレーム誤り検出状
    態に応じて現在のフレームの音声を再生修復する音声復
    号化方法。
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