JPH06118U - バックル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 差込体と受体との差込形式によるバックルに
おいて、一旦係合されると、正規の解除操作を行わない
限り解除されない、また自然と正常な位置に差込まれ
る。 【構成】 差込体１には、先端外側に係止部６を備えた
係合突片５を弾性変形できるように一対突設し、その外
側に誘導片７を突設し、誘導片７の側端部８が前記係止
部６と略同一線上に位置するように形成されている。受
体２は、扁平な筒状部１２の両側に係止壁１３を中間部
分に設け、その外側に屈曲状の押圧レバー１７が弾性変
形できるように設けられている。差込体１を受体２に差
込むと、係止部６と係止壁１３とが係合し、係止壁１３
の側面に誘導片７の側端部８が接し、押圧レバー１７の
押圧部１８が係合突片５の頭部に弾接する。従って押圧
レバー１７を押圧すると係合を解除し、また誘導片７
は、不測の解除を阻止するとともに、誤った差込みを阻
止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、雌雄部材すなわち平板状の差込体と扁平筒状匣の受体とからなる 差込形式によるバックルであって、一般には被服、鞄、ヘルメットあるいはスポ ーツ用具などに用いられるベルト用のバックルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、雌雄部材から構成されたバックル、すなわち平板状の差込体と扁平筒状 匣の受体とからなる差込形式のバックルは、図６に示したとおり、雄部材である 差込体Ａが、外面に係止段部Ｄを備えた脚部Ｃを弾性変形できるように並設し、 そして雌部材である受体Ｂは、前記脚部Ｃを挿入する収納室Ｅを備え、かつ係止 段部Ｄと係合する係止部Ｆを設け、その両側に脚部Ｃを押圧して係合を解除する 押圧部Ｈを有する押圧レバーＧを弾性変形できるように設けた差込形式のバック ル（実公平１−３００９０号公報および実開平２−１４５１０９号公報参照）が 知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前項で述べた公知の差込形式のバックルは、それぞれ平板状の差込体Ａに一対 の脚部Ｃを突設し、その脚部Ｃの外側面に係止段部Ｄを設けるとともに、偏平の 筒状匣の受体Ｂに係止段部Ｄと係合する係止部Ｆを設け、その両側に脚部Ｃの先 端を押圧して係止段部Ｄとの係合を解除するための押圧レバーＧを設けたバック ルであるから、差込体Ａと受体Ｂとが係合状態にあるときはよいが、差込体Ａと 受体Ｂとに対し外方への引張力が働き、不測にも差込体Ａの係止段部Ｄと、受体 Ｂの係止部Ｆとの係合が、どちらか一方の係合が解除されたとき、差込体Ａと受 体Ｂとは、係合している他方の係合段部Ｄを中心にして回動し、係合が解除され バックルが解放されてしまうことである。

【０００４】 さらに、前記の構成であると、差込体Ａを受体Ｂに挿入する係合操作を行った とき、不運にも差込体Ａの脚部Ｃが、受体Ｂの収納室Ｅの所定の係合位置に挿入 されず、ずれた場所に挿入された場合、窮屈な現象が生じバックルを損傷する一 因ともなった。

【０００５】 この考案は、上述の問題点を解消するため考案されたもので、差込体と受体と が一旦係合されると、正規の解除操作を行わない限り、差込体と受体との係合が 解除されないように防止策が施されている。また差込体は受体の所定の係合位置 以外の個所に挿入されるのを未然に防ぎ、自然と正常な係合操作が行われるよう に構成され、差込体と受体に損傷を与えないバックルを提供することが目的であ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、この考案の平板状の差込体と扁平筒状匣の受体と から構成された差込形式のバックルは、差込体１が外面に係止部６を備え、かつ 弾発性を備えた係合突片５を基板４に並設し、そして係合突片５よりも短小の誘 導片７を係合突片５の外側に突設し、一方受体２は、前記係止部６と係合する係 止壁１３を筒状の受体２の中間部分に配設し、かつ受体２の最外側面に屈曲状の 押圧レバー１７を口縁部１６に弾発性を具備するように突設し、押圧レバー１７ の先端の押圧部１８が前記係合突片５に弾接するように形成したバックルを主な 構成としている。

【０００７】 さらに、平板状の差込体１の基板４には、嵌合凹部１０を中央に備えた嵌合突 片９を突設するとともに、扁平筒状匣の受体２の中央に前記嵌合凹部１０に嵌入 する隔壁２１を配設したバックルであり、また受体２の中央に配設された隔壁２ １と、その外側に配設された係止壁１３との間に、隔壁２１よりも短い補助壁２ ２を左右の奥部側に配設したバックルである。

【０００８】

【作用】

この考案の差込形式のバックルは、上述のような構成であり、平板状の差込体 １の基板４に並設されている係合突片５を、扁平筒状匣の受体２に配設された係 止壁１３間へ挿入すべく、受体２の口縁部１６から弾性変形させながら差込み、 係合突片５の外側に設けられている係止部６と、受体２の係止壁１３とを係止さ せて、差込体１と受体２とを緊合し係合操作は完了する。

【０００９】 差込体１と受体２との係合を解除するには、受体２の筒状部１２の最外側面に 設けられている屈曲状の押圧レバー１７の押圧部１８を指で押圧し、押圧部１８ と弾接している係合突片５を内側に弾性変形させて、受体２の係止壁１３と係止 している係止部６との係合を解除させると同時に、差込体１における係合突片５ の弾発力によって、差込体１は受体２から弾き出されバックルの解除操作は完了 する。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案に関する差込形式のバックルの実施例について、図面を参照し ながら具体的に説明する。

【００１１】 この考案のバックルの実施例は、図１から図５に示すようにバックルは平板状 の差込体１と、扁平筒状匣の受体２とから構成され、差込体１および受体２は、 それぞれポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレンなどの合成樹脂を一体成 形によって作製したものである。

【００１２】 差込体１は、平板状に形成され、一端にベルト挿通孔３を設けた基板４の端部 に一対の係合突片５が突設され、係合突片５の先端には外側に突出する係止部６ が設けられ、係合突片５の基部は肉厚が薄く弾発性が具備されている。また係合 突片５を容易に弾性変形させるためには、基部の肉厚を薄く成形するのみではな く、係合突片５の中央部分を打抜き中空形態に成形し弾発性を付与することも可 能である。

【００１３】 差込体１は、係合突片５の外側に係合突片５よりも短小で、しかも頭部が平坦 状に形成され、先端が多少内向したフック状に形成された誘導片７を基板４の端 部に突設し、誘導片７の側端部８が、前記係合突片５の係止部６と同一線上に位 置するように形成され、また基板４の中央には、中央部分に一条の深溝状の嵌合 凹部１０を備えた嵌合突片９が突設されている。

【００１４】 一方、受体２は、扁平な筒状匣から形成され、一端にベルト挿通孔１１が設け られ、扁平な筒状部１２の両側には、前記係合突片５の係止部６と係合する係止 壁１３を中間部分に配設し、ベルト挿通孔１１寄りに開口部１４が設けられ、さ らに開口部１４に該当する筒状部１２の裏板に角孔１５が穿設されている。

【００１５】 筒状部１２の最外側面には、基端が口縁部１６に連結された屈曲状の押圧レバ ー１７が弾設され、押圧レバー１７の先端に設けられた押圧部１８は、前記開口 部１４に臨出し、差込体１の係合時には係合突片５の頭部に弾接状態となる。そ して押圧部１８の一側には小突起１９が突設され、筒状部１２の裏板に穿設され た角孔１５に遊嵌され、押圧レバー１７の揺動範囲を制限している。また押圧レ バー１７の外表面には、押圧操作に便利なように幅広い押圧板２０が形成されて いる。

【００１６】 さらに筒状部１２の中央の略全長にわたって、差込体１の嵌合突片９の嵌合凹 部１０に嵌入する隔壁２１が配設されており、隔壁２１と係止壁１３との間に隔 壁２１よりも短い補助壁２２が筒状部１２の奥部側に配設されている。

【００１７】 なお以上説明したうち、差込体１に突設された誘導片７の側端部８が必ずしも 係合突片５の係止部６と同一線上に位置する必要はなく、たとえば係止部６の大 きさよりも係止壁１３の厚さが必要以上に厚いような場合は、誘導片７をその厚 い分だけ後退させて設け、係合時側端部８が係止壁１３の側面に緩接されるよう に形成することが必要である。

【００１８】 この考案のバックルは、以上説明したとおりの構成であり、また作用の項でも 説明したが、受体２の筒状部１２内へ、差込体１の基板４に突設されている係合 突片５、誘導片７および嵌合突片９を差込み、係合突片５の係止部６と受体２の 係止壁１３とを係止させ、同時に誘導片７の側端部８が係止壁１３の側面に緩接 し、さらに係合突片５の頭部には押圧レバー１７の押圧部１８が弾接する。また 嵌合突片９の嵌合凹部１０に対して隔壁２１が嵌入するように形成された、差込 形式のバックルである。

【００１９】

【考案の効果】

この考案の差込形式のバックルは、以上説明したとおりの構成であり、この構 成によって下記の効果を奏する。

【００２０】 差込体１は、外面に係止部６を備え、かつ弾発性を備えた係合突片５を基板４ に並設し、その外側に係止部６と略同一線上に側端部８が位置し、かつ係合突片 ５よりも短小の誘導片７を突設した差込体１に対し、受体２は、係止部６と係合 する係止壁１３を中間に配設し、最外側面に屈曲状の押圧レバー１７を口縁部１ ６に弾設し、先端の押圧部１８が係合突片５に弾接するように形成されているか ら、係合突片５の係止部６と係止壁１３とが係止した場合、係合突片５の外側に 設けた誘導片７の側端部８と、係止部６とが略同一線上に位置するように形成さ れ、側端部８が係止壁１３の側面に緩接しているので、係止部６と係止壁１３と の係合を解除しようとする不測の力が働いても、誘導片７の側端部８が係止壁１ ３に衝当し、係合の解除を阻害する力が働き、正常な解除操作以外には係合を解 除することができない。たとえ一方側の係止部６と係止壁１３との係合が解除さ れても、側端部８が係止壁１３を押圧し、差込体１の回動を防止するため、他方 側の係合が解除されず、係合力に優れたバックルが得られる。

【００２１】 また、誘導片７が存在するため、差込体１が受体２の所定位置に挿入されず、 ずれたとき誘導片７が受体２の口縁部１６に当接し、誤った挿入を阻止する効果 があり、また差込体１が受体２の正規の位置に挿入されるようにガイドする役目 も持っている。

【００２２】 さらに嵌合突片９の嵌合凹部１０に隔壁２１を嵌入させるため、差込体１と受 体２とが一旦係合されると左右に変動することができず、従って確固とした係合 を持続する効果があり、また受体２に係止壁１３と隔壁２１との間に短い補助壁 ２２を奥部側に設けたことにより、差込体１が正規の位置以外に挿入されようと しても、補助壁２２と係合突片５の先端が当接し、斜傾状に挿入されることを未 然に阻止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】差込体と受体とが対向した状態を示した一部を
断面した平面図である。

【図２】差込体と受体とが対向した状態を示した側面図
である。

【図３】図１におけるＩ−Ｉ線で断面した受体の断面図
である。

【図４】差込体と受体とが係合した状態を示した平面図
である。

【図５】差込体と受体とが係合した状態を示した断面平
面図である。

【図６】従来公知のバックルの断面平面図である。

【符号の説明】

１ 差込体 ２ 受体 ４ 基板 ５ 係合突片 ６ 係止部 ７ 誘導片 ８ 側端部 ９ 嵌合突片 10 嵌合凹部 13 係止壁 16 口縁部 17 押圧レバー 18 押圧部 21 隔壁 22 補助壁

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平板状の差込体と扁平筒状匣の受体とか
   らなる差込形式のバックルにおいて、差込体１は、外面
   に係止部６を備え、かつ弾発性を備えた係合突片５を基
   板４に並設し、その外側に係止部６と略同一線上に側端
   部８が位置し、かつ係合突片５よりも短小の誘導片７を
   突設し、受体２は、係止部６と係合する係止壁１３を中
   間に配設し、最外側面に屈曲状の押圧レバー１７を口縁
   部１６に弾設し、先端の押圧部１８が係合突片５に弾接
   するように形成したことを特徴とするバックル。
2. 【請求項２】 差込体１の基板４に、嵌合凹部１０を中
   央に備えた嵌合突片９を突設し、一方受体２の中央に前
   記嵌合凹部１０に嵌入する隔壁２１を配設した請求項１
   記載のバックル。
3. 【請求項３】 受体２に配設された中央の隔壁２１と、
   係止壁１３との間に、隔壁２１よりも短い補助壁２２を
   奥部側に配設した請求項１または２記載のバックル。