JPH06118882A

JPH06118882A - 磁気泳動表示方法

Info

Publication number: JPH06118882A
Application number: JP4286627A
Authority: JP
Inventors: Toshio Yagi; 敏夫八木
Original assignee: Star Micronics Co Ltd
Current assignee: Star Micronics Co Ltd
Priority date: 1992-09-30
Filing date: 1992-09-30
Publication date: 1994-04-28

Abstract

(57)【要約】【目的】白黒以外の着色表示を実現した磁気泳動表示
方法を提供する。【構成】複数の異なる着色を施された分散媒（塑性流
動体６）と、選択的に白及び黒に着色された複数の磁性
粒子（４）とを混合させ、外部磁界による前記磁性粒子
の移動によってカラー表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁性粒子の磁気作用を
用いた磁気泳動表示方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、磁気泳動現象を応用した表示方法
には、特公昭５１−１０９５９号「表示方法」、特公昭
５９−３２７９６号「磁石反転表示磁気パネル」、特公
昭５７−２７４６３号「磁気泳動表示方法」、特開昭５
５−２９８８０号「磁気シート及びその操作法」、特公
昭５９−３１７１０号「磁気力利用の表示装置セット」
等が提案されている。これらの表示方法は、分散媒中に
磁性粒子を混合させたものであり、外部磁界の作用で磁
性粒子の泳動及び保持性を利用したものである。したが
って、これらの表示方法は、磁性粒子の移動による光の
吸収、又は反射による表示法である。

【０００３】また、磁気泳動表示方法において、可視化
手段には、予め、表示色に着色した粒子とその背景色と
なる分散媒とを混合させる方法が取られている。一般的
には、分散媒中に発色材及び表示材としては、白色酸化
チタンと黒色系磁性粒子としての黒色マグネット、γ−
ヘマタイト、二酸化クロム、ニッケル等の合金系磁性材
が使用されている。そして、これらは、二枚のシートの
間に封入されており、その封入方法としては、ハニカム
構造等の多セル構造やマイクロカプセル構造が用いられ
ている。表示装置としては、シート又はパネル化されて
おり、外部からの磁界の作用で磁性粒子の移動により、
背景色とのコントラスを以て表示が行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような磁気泳動現
象を用いた表示方法は、原理的には確立されている。し
かし、この磁気泳動表示現象は、磁性粒子の泳動性及び
保持性を制御して表示を行っており、明度差による２色
表示であり、例えば、白地に黒表示、黒地に白表示であ
った。このような明度差表示は変化に乏しく、表示形態
の幅に限界があった。

【０００５】そこで、本発明は、白黒以外の着色表示を
実現した磁気泳動表示方法を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の磁気泳動表示方
法は、複数の異なる着色を施された分散媒（塑性流動体
６）と、選択的に白及び黒に着色された複数の磁性粒子
（４）とを混合させ、外部磁界による前記磁性粒子の移
動によってカラー表示を行うことを特徴とするものであ
る。

【０００７】また、本発明の磁気泳動表示方法は、複数
の異なる着色を施された分散媒（塑性流動体６）と、異
方性を有する磁性材料で潜在的極性に対応して選択的に
白及び黒に着色された複数の磁性粒子（４）とを混合さ
せ、外部磁界による前記磁性粒子の移動によってカラー
表示を行うことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】この磁気泳動表示方法は、着色の異なる複数の
分散媒を用いることを特徴としている。例えば、分散媒
には、赤、青又は黄に着色したものを用いる。そして、
この分散媒中に白及び黒を選択的に着色した磁性粒子を
混入させる。この結果、混合された色粒子は、黒、白、
赤、青、黄の５色となる。

【０００９】このような多数色からなる分散媒及び磁性
粒子を混合したものを一つのマイクロカプセル又はセル
等として表示素子として構成する。この表示素子に対
し、磁界を作用させると、その磁力によって磁性粒子は
変転又は移動し、この磁性粒子の変転又は移動により、
磁性粒子の白黒の色選択又は磁性粒子の移動による分散
媒の色選択が行われ、表示面には磁性粒子又は分散媒に
よるカラー表示が得られる。

【００１０】また、本発明の磁気泳動表示方法は、異方
性を有する磁性材料で潜在的極性に対応して選択的に白
及び黒に着色された複数の磁性粒子を用いた場合、潜在
的極性を持つ磁性粒子は、磁気作用で磁極が顕在化し、
白及び黒に対応するＮ、Ｓ極が発生する。この結果、対
極側のＮ極又はＳ極に吸引又は反発し、その磁性粒子は
移動又は回転をする。この結果、分散媒の着色と磁性粒
子の移動による白又は黒の選択性によって必要な所望の
カラー表示を行うことができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例を参照し
て詳細に説明する。

【００１２】図１は、磁気泳動表示方法の実施例を示し
ている。この磁気泳動表示方法には、複数の磁気表示素
子としてのマイクロカプセル２を行列状態でシート状に
配列したものが用いられる。各マイクロカプセル２は、
透明な合成樹脂又は透光性を備えた合成樹脂で球体に形
成されている。このマイクロカプセル２の内部には、磁
気作用で磁極が現れる磁性粒子４と、分散媒として塑性
流動体６とが封入されている。この塑性流動体６は、磁
性粒子４とは異なって非磁性粉である。

【００１３】磁性粒子４は、異方性を有するフェライト
系等の磁性材料で潜在的極性を持つ粒子であり、この実
施例では球体を成している。その磁気極性面を境にして
一方を白色、他方を黒色に着色するとともに、白側をＮ
極、黒色側をＳ極に設定している。即ち、磁性粒子４
は、それ自身が持つ潜在的極性に対応して選択的に白又
は黒に着色されており、磁気作用によって選択的に白又
は黒を表示可能にしているのである。この場合、極性
は、白側をＳ極又はＮ極、黒側をＮ極又はＳ極としても
よい。

【００１４】また、塑性流動体６は、表示精度を高める
上で、光反射性が必要である。そして、この塑性流動体
６は、カラー表示のベースとなるものであり、マイクロ
カプセル２を単位として多数色、例えば、赤色、青色及
び黄色の３色に着色されている。この着色については、
赤色、青色、黄色及び白色の４色構成としてもよく、着
色数の増加により、カラー表現性を高めることができ
る。

【００１５】そして、この実施例では、シート状に配列
されたマイクロカプセル２の上側を表示側に設定する
と、その表示側には第１の表示駆動手段として電磁石
８、表示消去手段として永久磁石１０が設置されてい
る。また、マイクロカプセル２の背面側には、第２の表
示駆動手段とし電磁石１２が設置されている。各電磁石
８、１２は、鉄心１４にコイル１６を巻回したものであ
る。端子１８、２０には任意の方向から直流電流を流し
込むことで、マイクロカプセル２に対抗する側の鉄心１
４をＮ又はＳに磁化させることができる。

【００１６】永久磁石１０は、磁性粒子４の白色側がＮ
極に設定されているので、マイクロカプセル２の対面側
をＳ極に設定している。即ち、永久磁石１０によって磁
性粒子４を白色に整列させるためである。

【００１７】また、電磁石８、１２は、マイクロカプセ
ル２を単位として設置し、又は、マイクロカプセル２の
行又は列方向に一列状態に設置し、例えば、制御手段を
以てマイクロカプセル２を単位として移動させ、かつ、
磁化の方向を変化させるようにする。

【００１８】このような構成によれば、永久磁石１０、
電磁石８又は電磁石１２の磁界によって次の通りの表示
が得られる。

【００１９】即ち、（ａ）のマイクロカプセル２は永久
磁石１０のＳ極によって磁性粒子４のＮ極側が引かれて
白表示、（ｂ）のマイクロカプセル２では電磁石８のＮ
極によって磁性粒子４のＳ極が引かれて黒色表示、
（ｃ）のマイクロカプセル２では電磁石８のＳ極によっ
て磁性粒子４のＮ極が引かれて白色表示、（ｄ）のマイ
クロカプセル２は背面側の電磁石１２のＮ極によって磁
性粒子４がマイクロカプセル２の背面側に引かれて沈降
し、塑性流動体６による赤色表示、（ｅ）のマイクロカ
プセル２は背面側の電磁石１２のＮ極によって磁性粒子
４がマイクロカプセル２の背面側に引かれて沈降し、そ
の結果、塑性流動体６の着色による青色表示、また、
（ｆ）のマイクロカプセル２は背面側の電磁石１２のＮ
極によって磁性粒子４がマイクロカプセル２の背面側に
引かれて塑性流動体６の着色による黄色表示となる。し
たがって、着色の異なる塑性流動体６を装填したマイク
ロカプセル２の配列形態と、磁化駆動による磁性粒子４
の磁界による移動又は変転によって、多彩なカラー表示
が得られるのである。

【００２０】この実施例では、磁性粒子４の白色側の白
地をベースとしたカラー表示を実現しているが、磁性粒
子４の黒色側の黒地をベースとしたカラー表示も可能で
ある。

【００２１】そして、（ａ）の白表示は、カラー表示の
一つの態様と成り得るものであるが、マイクロカプセル
２上を永久磁石１０で走査すると、各マイクロカプセル
２の表示を白色表示に転換させることができる。即ち、
この結果、カラー表示の消去が可能である。

【００２２】次に、図２は、表示素子の形態を示してい
る。表示素子は、図１の示したマイクロカプセル２の
他、格子状にしてもよい。表示素子の形態は、図２の
（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）に示すように、表示単位を矩
形とした格子状、円形としたドット状、又は、ハニカム
格子としてもよい。これらは、何れも透明性シートに矩
形、円形又は六角状を成す複数の小室２２を形成し、そ
の内部に図１に示したように、白黒２色に色分けした磁
性粒子４とともに、表示色に応じて任意に着色した塑性
流動体６を封入することで、カラー表示が実現されるの
である。このカラー表示では、単なるモザイク的な模様
だけでなく、カラー文字、作画等、黒色によるアクセン
トを加味するとより高いカラー表示画面が構成されるこ
とになる。

【００２３】次に、図３ないし図６は、磁気表示素子を
以て表示シート又はパネルを構成した具体的な実施例を
示している。

【００２４】図３に示す実施例は、平板状を成すシート
２４の裏面側に、複数の凹部２６が形成されたシート２
８を貼り付けることにより、複数の単位セル３０を形成
したものである。シート２４は、表示面を成すため、透
明又は透光性を備えている。単位セル３０は、図２の
（Ａ）、（Ｂ）又は（Ｃ）等の各種の形態である。各単
位セル３０には、図１に示したように、マイクロカプセ
ル２と同様に白黒着色した磁性粒子４とともに、赤色、
青色又は黄色に選択的に着色した塑性流動体６が封入さ
れている。このような構成とすることにより、図１に示
したマイクロカプセル２と同様にカラー表示が可能であ
る。

【００２５】また、このようなシート２４の背面側に複
数の単位セル３０が凹凸を成して形成されているので、
シート２４のフレキシブル性が損なわれることがなく、
例えば、表示装置として図７に示すように、フレキシブ
ルベルトとしてローラ３８に懸け回して移送する場合に
も適する。

【００２６】図４に示す実施例は、図３に示した単位セ
ル３０中に表示セルとしてのマイクロカプセル２を封入
したものである。このように構成しても、同様のカラー
表示が実現できる。

【００２７】図５に示す実施例は、フレキシブルなシー
ト２４又はパネルの背面側にハニカム等の構造を成す枠
部材３２を取り付けることにより、シート２４の背面側
に区画された小室３４が形成されている。各小室３４
は、マイクロカプセル２を配列したものである。この実
施例では、マイクロカプセル２を２段に重ねているが、
１段又は３段以上重ねてもよい。

【００２８】また、図６に示す実施例は、パネル又はフ
レキシブルなシート２４に格子状の隙間３２を設け、同
一カラーマイクロカプセル２を設置し、その背面側を伸
縮可能な透明又は透光性合成樹脂３６で充填塗布加工し
たものである。この実施例では、マイクロカプセル２Ａ
が赤色の塑性流動体６を充填したもの、マイクロカプセ
ル２Ｂが青色の塑性流動体６を充填したもの、マイクロ
カプセル２Ｃが黄色の塑性流動体６を装填したものが用
いられている。このように構成することにより、シート
２４の伸縮性及びフレキシブル性を損なうことなく、所
望のカラー表示を行うことができる。

【００２９】そして、図３ないし図６に示す表示シート
では、図７に示すように、ローラ３８上に懸け回して、
柔軟な移送が可能である。そして、図３及び図４に示す
単位セル３０が形成されたものであっても、単位セル３
０間にシート２４、２８の重なり部分では各シート２
４、２８が適当な厚みを持つため、適当な曲率に対応す
るフレキシブル性及び柔軟性を持っており、ローラ３８
の曲面に対応した曲率を取ることができ、柔軟な回転及
び移送が可能である。

【００３０】また、図８は、マイクロカプセル２又は単
位セル３０の色配列例を示している。Ｒは赤色、Ｂは青
色、Ｙは黄色、Ｗは白色である。（Ａ）の例では、Ｒ、
Ｂ及びＹの配列を単位として横方向に配列し、縦方向に
は同一色を配したものである。（Ｂ）の例は、Ｒ、Ｂ及
びＹの配列にＷを加えたものである。（Ｃ）の例はＲ、
Ｂ及びＹを縦横に配し、左から右に至る対角線上の配置
を同一色としたものである。また、（Ｄ）の例は、
（Ｃ）の例にＷを加えて配色したものである。このよう
な配色によって、所望のカラー表示が可能であり、カラ
ー表現性を高めることができる。

【００３１】なお、実施例では、表示消去手段として永
久磁石を用いた例を示したが、永久磁石に代え、電磁石
８のみで白表示を行うことにより、実質的な消去手段と
することも可能である。このようにすれば、構成の簡略
化により寄与することになるであろう。

【００３２】なお、実施例では、磁性粒子を潜在的な磁
極を備えた異方性を有する磁気材料で形成し、未磁化状
態のものを用いた場合について説明したが、本発明の磁
気泳動表示方法は、表示形態に応じて等方性を有する磁
気材料で微弱に磁化させた磁性粒子を用いてもよく、そ
の粒子を未磁化状態の磁性粒子と混在させてもよい。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果が得られる。ａ．簡単な構成で複数の着色を持つ分散媒を以て色選択
性が得られ、カラー表示が実現できる。ｂ．このカラー表示に白黒の２色の磁性粒子を磁気作用
による移動で、白表示及び黒表示を加味することがで
き、白黒のコントラストを付加して表示のシャープさを
高め、カラー表現性の向上を図ることができる。ｃ．従来と同様にフレキシブルシートやパネルを用いて
可撓性を持つ表示シートや表示パネルを構成できる。ｄ．電子黒板のカラー化、インフォーメーションボード
等、環境汚染のない各種のカラー表示を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の磁気泳動表示方法の一実施例を示す図
である。

【図２】図１に示した磁気泳動表示方法における多セル
構造及び色配列を示す図である。

【図３】図１に示した磁気泳動表示方法における多セル
構造を示す断面図である。

【図４】図１に示した磁気泳動表示方法における多セル
構造を示す断面図である。

【図５】図１に示した磁気泳動表示方法における多セル
構造を示す断面図である。

【図６】図１に示した磁気泳動表示方法における多セル
構造を示す断面図である。

【図７】図１に示した磁気泳動表示方法を用いた表示ベ
ルトの例を示す図である。

【図８】図１に示した磁気泳動表示方法における色配列
を示す図である。

【符号の説明】

４磁性粒子６塑性流動体（分散媒）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数の異なる着色を施された分散媒と、
選択的に白及び黒に着色された複数の磁性粒子とを混合
させ、外部磁界による前記磁性粒子の移動によってカラ
ー表示を行うことを特徴とする磁気泳動表示方法。
【請求項２】複数の異なる着色を施された分散媒と、
異方性を有する磁性材料で潜在的極性に対応して選択的
に白及び黒に着色された複数の磁性粒子とを混合させた
外部磁界による前記磁性粒子の移動によってカラー表示
を行うことを特徴とする磁気泳動表示方法。