JPH0611836Y2 - 香りの本 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、香りの本に関する。

（従来の技術） 従来、芳香を発する本は、インキに香料を混合して単葉
紙の部分的な絵柄に合わせて印刷し、その絵柄の部分か
ら芳香を発するようにするのが一般であった。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、従来のかかる芳香を発する本は、香気の寿命が
短く、短期間のうちに芳香が全然しなくなってしまうと
いう問題があった。

（問題点を解決するための手段） 上記のような問題点を解決するため本考案は香りの本
を、金属箔によって小口装飾された本の小口の頁紙葉に
香料を浸透させたものとして構成した。

（作用） この考案の香りの本においては、金属箔の層によって香
料の発散が防止される。

（実施例） 図により本考案の一実施例を説明すると、第１図は本考
案の香りの本Ａの斜視図、第２図は第１図のII−II線断
面図であって、図中、１は金箔、２は頁紙葉、３は頁紙
葉２のうち香料が浸透されている部分（以下香料浸透部
という）を示す。

この香りの本Ａは、金箔１によって小口４、５、６を装
飾された本の頁紙葉２のうち金箔１に近接する部分に香
料浸透部３を設けたものである。

金箔１及び香料浸透部３は、本の天４、地６を含む小口
三方に形成されている。

香料浸透部３は約0.2乃至0.3mmの深さに形成されてい
る。

金箔１及び香料浸透部３の形成は如何なる方法によって
もよい。

以下にその形成方法の２例を示す。

（例１） 先ず、第３図に示すように、小口三方を仕上げ裁ちした
本を、小口面４、５、６を揃えて一定の高さに積み上
げ、上下に締め板Ｂ、Ｂをあてがい金輪Ｃにて強力に締
め取る。

次に、小口面４、５、６を研磨した後、金下染料に香料
を混合した液体を小口面４、５、６に塗布し、乾燥させ
る。

金下染料に香料を混合した液体は、小口４、５、６の頁
紙葉２に約0.2乃至0.3mmの深さまで浸透させる。

次いで、ゴールドサイズを小口面４、５、６に塗布した
後、その小口面４、５、６に金箔を落として、その金箔
を小口面４、５、６に貼る。

続いて、小口面４、５、６が乾燥するのを待って、熱を
かけた金コロを用いて小口面４、５、６に磨きをかけて
金艶を出し、表紙付け等を行って本考案の香りの本とす
る。

（例２） 第３図に示すように金輪Ｃにて強力に締め取った後に、
香料を水で溶かした液体を小口面４、５、６に刷毛で塗
布し、乾燥させる。

香料を水で溶かした液体は、小口４、５、６の頁紙葉２
に約１mmの深さまで浸透させる。

次に、研磨機にかけて研磨ローラーにより小口面４、
５、６を約0.2乃至0.3mm削って磨く。

次いで、いわゆる蒸着箔を小口面４、５、６に置き、ホ
ットプレスを加えて固着させ、表紙付け等を行って本考
案の香りの本とする。

本考案は上述の実施例に限定されるものではなく、小口
に固着するのは如何なる種類の金属箔であってもよく、
またその金属箔の固着方法も如何なるものであってもよ
い。

また、金属箔の内側に香料浸透部を設ければ、金属箔及
び香料浸透部は小口三方の一部にのみ設けてもよい。例
えば、天４、地６には設けず、小口５にのみ設けてもよ
い。

（考案の効果） 本考案は上述のように構成され、金属泊によって小口装
飾された本の小口の頁紙葉に香料を浸透させたことによ
り、本を閉じた時には、香料浸透部は金属箔によって遮
蔽され、香料が直接外気に曝されることがなく、発香し
ない。そして、本を開いた時には、見開きにされた頁の
香料浸透部が露出して発香する。そのため、本の香気を
長続きさせることが出来るとともに、本を読む際には芳
香を楽しむことが出来る。

そして、本を開いた際には、第４図に示すように見開き
にされた２頁の周縁部が香料浸透部となり、その香料浸
透部から本全体の周囲に香気が万遍なく漂う。そのた
め、極めて快適に読書を楽しむことが出来る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は斜視図、第２図
は第１図のII−II線断面図、第３図は作成途中の状態を
示す斜視図、第４図は使用状態を示す斜視図である。 １……金属箔（金箔）、２……頁紙葉 ３……香料浸透部、４、５、６……小口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属箔によって小口装飾された本の小口の
   頁紙葉に香料を浸透させたことを特徴とする香りの本。