JPH06118345A - 光アイソレータ内蔵の偏光無依存型フィルタ装置 - Google Patents

光アイソレータ内蔵の偏光無依存型フィルタ装置

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JPH06118345A
JPH06118345A JP29641992A JP29641992A JPH06118345A JP H06118345 A JPH06118345 A JP H06118345A JP 29641992 A JP29641992 A JP 29641992A JP 29641992 A JP29641992 A JP 29641992A JP H06118345 A JPH06118345 A JP H06118345A
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洋一 鈴木
Hideaki Yuri
秀明 油利
Akihiro Masuda
昭宏 増田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入射光の偏光状態に依存することなく一定の
安定したパワーの合波光や波長選択光が得られ、分波光
においては一定の安定したパワーが、反射光のみならず
透過光としても得られ、小型化できる。 【構成】 非相反部16を有する偏光無依存型光アイソ
レータの後段に、入射光に対し斜めに配置したフィルタ
20を設ける。非相反部16は、2枚の楔形複屈折板1
0,12の間に45度ファラデー回転子14を配置し、
結合一体化されている。フィルタ20はガラスの平行平
板の表面に誘電体多層膜を蒸着等で形成した長波長通過
フィルタである。フィルタ20に隣接する複屈折板12
の光学軸は、フィルタ20に投影した時にその投影像が
フィルタのS偏光方向からP偏光方向に45度回転した
ように調整されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファラデー回転子の両
側に複屈折板を配置した非相反部を有する偏光無依存型
光アイソレータの後段に、誘電体多層膜を形成したフィ
ルタを、入射光に対し斜めに配置した構造の光アイソレ
ータ内蔵の偏光無依存型フィルタ装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光分波器もしくは光合波器は各々光通信
等の波長多重システムにおいて、異なる波長の光を波長
毎に分離もしくは異なる波長の光を結合するデバイスで
あり、光波長選択器は、広帯域の光を狭帯域の光に、あ
るいは異なる波長の光の中から任意の波長の光を選択す
るデバイスである。一般に、光通信システムでは光アイ
ソレータと光分波器、光合波器、あるいは光波長選択器
とを組み合わせ、例えば光ファイバ増幅等で反射戻り光
を阻止すると同時に信号光と増幅用の励起光とを分離、
結合、あるいは波長選択するのに用いる。
【0003】光分波器や光合波器には光ファイバ型とフ
ィルタ型がある。光ファイバ型は、主にシングルモード
光ファイバを用いて、2本の光ファイバのコアをコア径
に比較し十分接近させ、各光ファイバに導波される光の
分布により所望の分波特性を得るように構成したもので
ある。簡易接続が可能なため、このタイプが主流である
が、入射光の偏光状態が変動することで分岐比が変化し
てしまうため、出射光がパワー変動を起こす問題があ
る。
【0004】一方、フィルタ型は、誘電体多層膜を形成
したフィルタを用い、各層膜の界面で生ずる透過光と反
射光の干渉により所定の波長特性を得る。膜構成や膜厚
を変えることにより、分波器や合波器で使用する長波長
通過フィルタや短波長通過フィルタを任意の波長域で実
現できる。しかし該フィルタを入射光に対して斜めに配
置すると、反射光は入射光の偏光状態にあまり依存せ
ず、パワー変動は比較的少ないが、透過光は入射光の偏
光状態によって大きなパワー変動が生じる。そこで従来
技術では、信号光をフィルタで反射させて取り出す構造
の分波器、あるいは取り入れる構造の合波器が、光ファ
イバ増幅に用いられている。
【0005】また、光波長選択器は、誘電体多層膜を形
成したフィルタを用い、各層膜の界面で生ずる透過光と
反射光の干渉により所定の波長特性を得る。膜構成や膜
厚を変えることにより、光波長選択器で使用する帯域通
過フィルタを任意の波長域で実現できる。このフィルタ
に対して、垂直に入射光を入射してやれば、透過光は入
射光の偏光状態に依存せず、パワー変動は生じない。そ
こで従来技術では、広帯域で中心波長が一定でないLD
(半導体レーザ)光線から、狭帯域で中心波長が一定の
信号光を選択したり、信号光と増幅用の励起光との合波
より、信号光を選択する構造の波長選択器が広く光通信
システムに用いられている。
【0006】光アイソレータと光分波器を接続した従来
の光ファイバ増幅用分波器の一例を図7に示す。光アイ
ソレータ50の後段に、フィルタ52を用いた光分波器
54を配置する。ここでフィルタ52は表面に誘電体多
層膜を形成した短波長通過フィルタである。光分波器5
4内にはフィルタ52で反射した光を更に反射させ所望
の方向に出射させる反射板56が設置されている。光ア
イソレータ50と光分波器54とはコネクタ57及び光
ファイバ58で接続されている。
【0007】さて、波長1550nmの信号光と波長1480nmの
励起光の波長多重光を入射すると、この光線は光アイソ
レータ50を通って、コネクタ57よりフィルタ52へ
到達する。フィルタ52は短波長通過フィルタであり、
波長1480nmの励起光は通過させ、波長1550nmの信号光は
反射する。この信号光を反射板56によって取り出す方
向に反射させて使用し、励起光の方は用済みとなり除去
される。
【0008】光アイソレータと光合波器を接続した従来
の光ファイバ増幅用合波器の一例を図8に示す。フィル
タ62を用いた光合波器64の後段に光アイソレータ6
0を配する。ここでフィルタ62は表面に誘電体多層膜
を形成した長波長通過フィルタである。光フィルタ60
と光合波器64とはコネクタ67及び光ファイバ68で
接続されている。
【0009】フィルタ62は長波長通過フィルタであ
り、波長1550nmの信号光は通過させ、波長1480nmの励起
光は反射させ、波長多重光とする。この光線はコネクタ
67より光アイソレータ60ヘ到達する。
【0010】光アイソレータと光波長選択器を接続した
従来の光ファイバ増幅用波長選択器の一例を図9に示
す。光アイソレータ70の後段にフィルタ72を用いた
光波長選択器74を配置する。ここで、フィルタ72は
表面に誘電体多層膜を形成した帯域通過フィルタであ
る。光アイソレータ70と光波長選択器74とはコネク
タ77及び光ファイバ78で接続されている。
【0011】波長1550nmの信号光と波長1480nmの励起光
とからなる波長多重光を入射すると、この光線は光アイ
ソレータ70を通って、コネクタ77よりフィルタ72
へ到達する。フィルタ72は帯域通過フィルタであり、
波長1550nmの信号光は通過させ、波長1480nmの励起光は
反射する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】光分波器や光合波器の
フィルタは入射光に対して斜めに配置され、光波長選択
器を広帯域で任意の波長を選択する場合も、フィルタは
入射光に対して斜めに配置される。そこで、光線のフィ
ルタに対する入射角度が大きい場合、フィルタに対する
S偏光成分とP偏光成分とでブリュースターの条件が異
なるため、透過と反射の分岐比に差が生じる。短波長通
過フィルタ、長波長通過フィルタ及び帯域通過フィルタ
も、反射波長域においてはP偏光成分とS偏光成分の反
射率は各波長でほぼ一定であるが、透過波長域において
はP偏光成分とS偏光成分の透過率は各波長で大きく変
動する。
【0013】例えば長波長通過フィルタのP偏光とS偏
光の特性測定例を図10に示す。ここでフィルタは入射
光に対して垂直な面に22.5度傾けて配置されてい
る。図10のAは透過損失を、図10のBは反射損失を
表している。同図において、P偏光とS偏光の間が、透
過損失及び反射損失の各入射偏光面に対する変動部分で
ある。このフィルタでは、明らかに反射光に対するより
も透過光に対して偏光依存性が大きい。従ってフィルタ
に入射する光の偏光状態は一義的に定まらず、P偏光成
分とS偏光成分の分岐比は変化する。ここで入射光が透
過波長域内のある波長をもつ場合、P偏光成分とS偏光
成分の透過率が異なるために、透過光は偏光状態に応じ
てパワー変動をおこす。
【0014】更に、例えば帯域通過フィルタのP偏光と
S偏光の特性の模式図を図11に示す。ここでフィルタ
は任意の選択波長を得るために入射光に対して傾けて配
置されている。同図において、P偏光とS偏光の間が透
過率の入射偏光面に対する変動部分である。従ってフィ
ルタに入射する光の偏光状態は一義的に定まらず、P偏
光成分とS偏光成分の分岐比は変化する。ここで入射光
のP偏光成分とS偏光成分の透過率が異なるために透過
光は偏光状態に応じてパワー変動をおこす。
【0015】よって、この種のフィルタでは、光分波
器、光合波器、及び光波長選択器のいずれも偏光状態に
応じてパワー変動をおこす欠点があった。
【0016】また光分波器において、この種のフィルタ
では、上記のように反射光の方が透過光よりもパワー変
動が少ない。そのためパワー変動を極力抑える必要があ
る信号光として、フィルタでの反射を利用せざるを得な
い。ところが反射光を使用すると、光路が複雑となり、
反射鏡を必要としたり、光ファイバで引き回すにして
も、装置の外径が大きくなる欠点があった。さらに、透
過光である励起光を再び利用することができない欠点が
あった。
【0017】また従来技術では、光アイソレータと、光
分波器、光合波器、あるいは光波長選択器とを、別々に
作製して光ファイバ及びコネクタで接続しているため、
その点でも部品点数が多く、形状が大型化する問題があ
った。
【0018】本発明の目的は、入射光の偏光状態に依存
することなく一定の安定したパワーの合波光や波長選択
光が得られ、分波光においては一定の安定したパワー
が、反射光のみならず透過光としても得られ、小型化し
うる光アイソレータ内蔵の偏光無依存型フィルタ装置を
提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、ファラデー回
転子の両側に複屈折板を配置した非相反部を有する偏光
無依存型光アイソレータの後段に、誘電体多層膜を形成
したフィルタを入射光に対し斜めに配置した光アイソレ
ータ内蔵の偏光無依存型フィルタ装置である。ここでフ
ィルタに隣接する複屈折板の光学軸は、前記フィルタに
投影した時に、その投影像がフィルタのS偏光方向から
P偏光方向に45度回転したように調整されている。
【0020】前記偏光無依存型フィルタ装置のフィルタ
が長波長通過フィルタあるいは短波長通過フィルタとす
る。該フィルタ装置の非相反部の前方にある入射光の光
路上に入射ポートを設け、フィルタを透過する出射光の
光路上に第1の出射ポートを設け、フィルタで反射する
出射光の光路上に第2の出射ポートを設けて光分波器と
なる。
【0021】また、フィルタが長波長通過フィルタある
いは短波長通過フィルタであり、前記偏光無依存型フィ
ルタ装置の非相反部の前方にある入射光の光路上に第1
の入射ポートを設け、フィルタの後方の出射光の光路上
に出射ポートを設け、フィルタで反射して前記出射ポー
トに出射するような入射光の光路上に第2の入射ポート
を設けて光合波器フィルタとなる。更に、第2の入射ポ
ートとフィルタの間に第2の非相反部を配置し、該フィ
ルタに隣接する第2の非相反部の複屈折板の光学軸は、
前記フィルタに投影した時にその投影像がフィルタのS
偏光方向からP偏光方向に45度回転したように調整し
て光合波器としてもよい。
【0022】あるいは前記偏光無依存型フィルタ装置の
フィルタが帯域通過フィルタとし、該フィルタ装置の非
相反部の前方にある入射光の光路上に入射ポートを設
け、フィルタを透過する出射光の光路上に出射ポートを
設けて光波長選択器となる。
【0023】
【作用】本発明の光アイソレータ内蔵の偏光無依存型フ
ィルタ装置に光線を入射する。光線は、光アイソレータ
を通過することにより、複屈折板で常光と異常光に分離
し且つ平行となり、フィルタに達する。ここでフィルタ
に隣接する複屈折板の光学軸を該フィルタに投影した
時、その投影像がフィルタのS偏光方向からP偏光方向
に45度回転したように調整することによって、常光と
異常光のフィルタにおける透過と反射の分岐比は同一と
なる。常光と異常光を一緒に受光すれば、入射光の偏光
面が変化し常光と異常光の分岐比が変動しても、透過光
もしくは反射光のパワーは一定となる。このようにフィ
ルタとそれに隣接する光アイソレータの複屈折板の組み
合わせにより、偏光無依存型のフィルタ装置として機能
する。
【0024】この偏光無依存型フィルタ装置を用いた光
分波器に、異なる2種類の波長からなる波長多重光を入
射する。この波長多重光は、フィルタにおける透過波長
域の光線と反射波長域の光線からなる。まず、波長多重
光は、光アイソレータを通過することにより、常光と異
常光に分離し且つ平行となり、フィルタに達する。透過
波長域の常光と異常光はフィルタを透過して第1のポー
トに結合し、一方、反射波長域の常光と異常光はフィル
タで反射し第2のポートに結合して、前記偏光無依存型
フィルタ装置で説明したように、共にパワーは一定で安
定している。このようにフィルタとそれに隣接する光ア
イソレータの複屈折板の組み合わせにより、偏光無依存
の光分波器として機能する。
【0025】この偏光無依存型フィルタ装置を用いた光
合波器に、フィルタにおける透過波長域の光線を入射す
る。この光線は光アイソレータを通過することにより複
屈折板で常光と異常光に分離し且つ平行になり、フィル
タに達する。前述のように、フィルタを透過後、常光と
異常光を一緒に受光することにより、入射光の偏光面が
変化し常光と異常光の分岐比が変動しても、透過光のパ
ワーは一定となる。一方、反射波長域の光線は、フィル
タに入射すると反射するが、その反射光は透過光に比較
して偏光依存性が十分小さい。従って、透過波長域の常
光と異常光はフィルタを透過し、反射波長域の常光と異
常光はフィルタで反射して、これら波長多重光は出射ポ
ートに結合し、パワーは一定で安定している。このよう
にフィルタとそれに隣接する光アイソレータの複屈折板
の組み合わせにより、偏光無依存の光合波器として機能
する。
【0026】前記光合波器において、反射波長域の光線
のフィルタにおける偏光依存性が無視できない程十分大
きい場合は、反射波長域の光線の入射ポートとフィルタ
の間に、第2の非相反部を配置する。フィルタに隣接す
る第2の非相反部の複屈折板の光学軸を該フィルタに投
影した時に、その投影像がフィルタのS偏光方向からP
偏光方向に45度回転したように調整するので、出射ポ
ートに結合した波長多重光のパワーは一定でより安定し
ている。
【0027】この偏光無依存型フィルタ装置を用いた光
波長選択器に、広帯域波長の光線を入射する。この光線
は光アイソレータを通過することにより、複屈折板で常
光と異常光に分離し且つ平行となり、フィルタに達す
る。前述のように、フィルタを透過後、常光と異常光を
一緒に受光することにより、入射光の偏光面が変化し常
光と異常光の分岐比が変動しても、透過光のパワーは一
定となる。従って、透過波長域の常光と異常光はフィル
タを透過し、出射ポートに結合し、パワーは一定で安定
している。このようにフィルタとそれに隣接する光アイ
ソレータの複屈折板の組み合わせにより偏光無依存の光
波長選択器として機能する。
【0028】
【実施例】図1は本発明に係る光アイソレータ内蔵形の
偏光無依存型フィルタ装置を用いた光分波器の一実施例
を示す説明図である。この光アイソレータ内蔵形の偏光
無依存型フィルタ装置40は、非相反部16を有する偏
光無依存型光アイソレータの後段に、入射光に対し斜め
(例えば入射光に対して垂直な面と22.5度)に配置
したフィルタ20を設けた構造である。ここで非相反部
16は、2枚の楔形複屈折板10,12の間に45度フ
ァラデー回転子14を配置し、結合一体化されている。
両楔型複屈折板10,12は、例えばルチル単結晶から
なり、それらの厚肉部と薄肉部がファラデー回転子14
を介して相対向するように組み合わせている。フィルタ
20はガラスの平行平板の表面(入射側の面22)に誘
電体多層膜を蒸着等で形成した長波長通過フィルタであ
る。そして、この光分波器は、非相反部16の前方にあ
る入射光の光路上に入射ポートPi を設け、フィルタ2
0を透過する出射光の光路上に第1の出射ポートPO1
設け、フィルタ20で反射する出射光の光路上に第2の
出射ポートPO2を設ける。各ポートにはシングルモード
光ファイバ30,31、32と平行光にするための球状
レンズ35,36,37を配置する。
【0029】次にフィルタ20とそれに隣接する方の楔
形複屈折板12との位置関係について述べる。図2に示
すように、フィルタ20に隣接する楔形複屈折板12の
光学軸Axは、入射光に対して垂直な面内にあり、且つ
該光学軸Axをフィルタ20に投影した時に、その投影
像がフィルタのS偏光方向からP偏光方向に45度回転
したように調整・配置されている。従って、フィルタ2
0のS偏光方向及びP偏光方向を光軸に対して垂直な面
に投影したとき、S偏光方向の投影像をX軸、P偏光方
向の投影像をY軸、光軸方向をZ軸とすると、複屈折板
の光学軸AxはX軸に対して45度(入射側から見て右
回り)傾いていることになる。このとき図2に示すよう
に、常光の偏光面はX軸に対して−45度(入射側から
見て左回り)傾き、異常光の偏光面はX軸に対して45
度(入射側から見て右回り)傾いている。
【0030】この光分波器の動作は次の通りである。入
射ポートPi から、例えば波長1550nmの信号光及び波長
1480nmの励起光からなる波長多重光を入射する。この波
長多重光は、非相反部16を通過することにより、楔形
複屈折板10,12で常光と異常光に分離し且つ平行光
となり、フィルタ20に達する。フィルタ20において
波長1550nmの信号光は透過波長域にあり、フィルタ20
を透過する。ここでフィルタ20における透過と反射の
分岐比は、光線の偏光面とX軸方向とがなす角度によっ
て決定される。常光と異常光は偏光面が互いに直交して
いるから、X軸方向に対してそれぞれ45度の角度をな
し、透過と反射の分岐比が同一となる。即ち、波長1550
nmの常光と異常光は透過率が同一となるので、この2本
の光線を一緒に受光することにより、たとえ入射光の偏
光面が変化し、常光と異常光の分岐比が変動しても、透
過光のパワーは一定となる。こうして波長1550nmの光線
はフィルタ20を透過して第1の出射ポートPO1に結合
する。
【0031】一方波長1480nmの励起光は反射波長域にあ
るので、フィルタ20で反射する。前記同様に、常光と
異常光の反射率が同一となるので、この2本の光線を一
緒に受光することにより、たとえ入射光の偏光面が変化
し、常光と異常光の分岐比が変動しても、反射光のパワ
ーは一定となる。こうして、波長1480nmの励起光は、フ
ィルタ20で反射して第2の出射ポートPO2に結合す
る。
【0032】この光分波器の、1470nm〜1580nmまでの波
長における挿入損失を測定した特性図を図6に示す。こ
れには、フィルタの透過損失及び反射損失及に加えて、
各部品での挿入損失が含まれている。斜線部分は入射光
の偏光状態が様々に変化した場合の挿入損失のとりうる
値である。特に、波長1550nm付近や波長1480nm付近では
挿入損失の値はほぼ一定で、偏光依存性がほとんど無い
ことが示されている。
【0033】図3は本発明に係る光アイソレータ内蔵形
の偏光無依存型フィルタ装置を用いた光合波器の一実施
例を示す説明図である。この光アイソレータ内蔵形の偏
光無依存型フィルタ装置42は、非相反部16を有する
偏光無依存型光アイソレータの後段の入射光に対し斜め
(例えば入射光に対して垂直な面22.5度)に配置し
たフィルタ20を設けた構造である。この偏光無依存型
フィルタ装置42の基本的構造は図1に示したものと同
様であるので、詳細な説明は省略する。この光合波器
は、光アイソレータ内蔵形の偏光無依存型フィルタ装置
42の前方の入射光の光路上に第1の入射ポートPi1
設け、フィルタ20を透過する出射光の光路上に出射ポ
ートPoを設け、フィルタ20で反射して前記出射ポー
トPoに出射するような入射光の光路上に第2の入射ポ
ートPi2を設けた構成である。
【0034】この光合波器の動作は次の通りである。第
1の入射ポートPi1から、例えば1550nmの信号光の入射
する。この信号光は、光アイソレータ内蔵の偏光無依存
型フィルタ装置42を通過して、出射ポートPoに結合
され、パワーは一定となる。一方、第2の入射ポートP
i2から例えば波長1480nmの励起光を入射すると、この励
起光はフィルタ20に対して反射波長域にあるので、図
10のBに示す用に、比較的偏光依存性が小さく、出射
ポートPoに結合される。従って、波長1550nm付近や波
長1480nm付近では挿入損失の値はほぼ一定で、偏光依存
性がほとんど無い。
【0035】図4は本発明に係る光合波器の他の実施例
を示す説明図である。前記光合波器の第2の入射ポート
i2とフィルタ20の間に第2の非相反部17を挿入す
る。第2の非相反部17の構成は非相反部16と同一で
あり、フィルタ20に隣接する第2の非相反部17の複
屈折板12の光学軸は、フィルタ20に投影した時にそ
の投影像がフィルタ20のS偏光方向からP偏光方向に
45度回転したように調整されている。従って、波長15
50nm付近や波長1480付近、特に反射波長域の波長1480付
近の挿入損失がより一定で偏光依存性がなくなる。
【0036】図5は本発明に係る光アイソレータ内蔵の
偏光無依存型フィルタ装置を用いた光波長選択器の一実
施例を示す説明図である。この光アイソレータ内蔵の偏
光無依存型フィルタ装置44は、非相反部16を有する
偏光無依存型光アイソレータの後段に基板26に固定さ
れた帯域通過フィルタ25が設けてあり、ピン27を軸
に基板26が回転し、入射光に対し、選択波長に応じて
フィルタ25の入射核が選択できる可動構造である。こ
の光波長選択器は、光アイソレータ内蔵の偏光無依存型
フィルタ装置44の前方の入射光の光路上に入射ポート
Pi を設け、出射光の光路上に出射ポートPoを設けた
構成である。
【0037】この光波長選択器の動作は次の通りであ
る。入射ポートPi から例えば中心波長1550nmの広帯域
の光線を入射する。フィルタ25は、例えば垂直入射の
とき波長1560nmを選択するように設計されていて、1552
nmの信号光を選択するように基板26をピン27を軸に
回転させることによって、フィルタ25は入射光に対し
て斜めに配置される。偏光無依存型フィルタ装置44を
通過した信号光は、出射ポートPoに結合され、パワー
は一定である。従って、波長1552nmでは挿入損失の値が
ほぼ一定で偏光無依存性がほとんど無い。
【0038】本発明はこのような構成のみに限定される
ものではない。この光分波器や光合波器は、使用する光
線の波長により、長波長通過フィルタの代わりに短波長
通過フィルタを用いてもよい。光波長選択器は、波長チ
ューニング機能の有無、また波長チューニング機構の構
成等に限定されない。
【0039】また本発明には、このような2個の楔型複
屈折板の間にファラデー回転子を配置した非相反部を有
する偏光無依存型光アイソレータだけではなく、例えば
平行平板の複屈折板とファラデー回転子を複数配置した
偏光無依存型光アイソレータを用いてもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明は、ファラデー回転子の両側に複
屈折板を配置した非相反部を有する偏光無依存型光アイ
ソレータの後段に、誘電体多層膜を形成したフィルタを
入射光に対し斜めに配置し、常光・異常光の偏光方向が
フィルタへの投影像とS偏光方向及びP偏光方向と45
度をなしているから、常光・異常光の透過と反射の分岐
比が同一となる。そのため常光・異常光を一緒に受光す
ると、入射光の偏光状態に依存することなしに一定の安
定したパワーの光線を出射できる。従って、この光アイ
ソレータ内蔵の偏光無依存型フィルタ装置を用いた光分
波器、光合波器及び光波長選択器は、挿入損失が安定
し、一定の安定したパワーの光線を出射できる。
【0041】また、従来技術と異なり、光分波器ではフ
ィルタの透過光を信号光として用いるため、反射鏡等が
不要となり、且つ光アイソレータと光分波器を一体化し
たため、部品点数を少なくできる。そのため装置の小型
化が可能となる。さらに光分波器においては、反射光の
励起光の再利用も可能となる。また、光合波器、光波長
選択器においても、同様に装置の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光アイソレータ内蔵の偏光無依存
型フィルタ装置を用いた光分波器の一実施例を示す説明
図。
【図2】本発明に係る光アイソレータ内蔵の偏光無依存
型フィルタ装置を示す部分説明図。
【図3】本発明に係る光合波器を示す説明図。
【図4】本発明に係る光合波器の他の実施例を示す説明
図。
【図5】本発明に係る光波長選択器の一実施例を示す説
明図。
【図6】本発明に係る光分波器の偏光依存性の特性測定
【図7】従来の光アイソレータと光分波器の組合体の説
明図
【図8】従来の光アイソレータと光合波器の組合体の説
明図
【図9】従来の光アイソレータと光波長選択器の組合体
の説明図
【図10】長波長通過フィルタのP偏光とS偏光の透過
・反射率の特性測定図。
【図11】帯域通過フィルタのP偏光とS偏光の透過・
反射率の特性模式図。
【符号の説明】
10 楔形複屈折板 12 楔形複屈折板 14 ファラデー回転子 16 非相反部 20 フィルタ 40 光アイソレータ内蔵の偏光無依存型フィルタ装置 Pi 入射ポート Po1 第1出射ポート Po2 第2出射ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣永 麻由美 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファラデー回転子の両側に複屈折板を配
    置した非相反部を有する偏光無依存型光アイソレータの
    後段に、誘電体多層膜を形成したフィルタを入射光に対
    し斜めに配置し、前記の複屈折板のうちの該フィルタに
    隣接する複屈折板の光学軸は、前記フィルタに投影した
    時にその投影像がフィルタのS偏光方向からP偏光方向
    に45度回転したように調整されている光アイソレータ
    内蔵の偏光無依存型フィルタ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光アイソレータ内蔵の偏
    光無依存型フィルタ装置において、フィルタが長波長通
    過フィルタあるいは短波長通過フィルタであり、非相反
    部の前方の入射光の光路上に入射ポートを設け、フィル
    タを透過する出射光の光路上に第1の出射ポートを設
    け、フィルタで反射する出射光の光路上に第2の出射ポ
    ートを設ける光分波器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光アイソレータ内蔵の偏
    光無依存型フィルタ装置において、フィルタが長波長通
    過フィルタあるいは短波長通過フィルタであり、非相反
    部の前方の入射光の光路上に第1の入射ポートを設け、
    フィルタの後方の出射光の光路上に出射ポートを設け、
    フィルタで反射して前記出射ポートに出射するような入
    射光の光路上に第2の入射ポートを設ける光合波器。
  4. 【請求項4】 第2の入射ポートとフィルタの間に第2
    の非相反部を配置し、該フィルタに隣接する第2の非相
    反部の複屈折板の光学軸は、前記フィルタに投影した時
    にその投影像がフィルタのS偏光方向からP偏光方向に
    45度回転したように調整されている請求項3記載の光
    合波器。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光アイソレータ内蔵の偏
    光無依存型フィルタ装置において、フィルタが帯域通過
    フィルタであり、非相反部の前方の入射光の光路上に入
    射ポートを設け、フィルタを透過する出射光の光路上に
    出射ポートを設ける光波長選択器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010016541A1 (ja) * 2008-08-06 2010-02-11 株式会社 精工技研 偏光依存型光アイソレータ用非相反ユニット及び偏光依存型光アイソレータ

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JPWO2010016541A1 (ja) * 2008-08-06 2012-01-26 株式会社精工技研 偏光依存型光アイソレータ用非相反ユニット及び偏光依存型光アイソレータ
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