JPH0611806B2 - 光学素子表面上に透明な薄層を形成する方法 - Google Patents

光学素子表面上に透明な薄層を形成する方法

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JPH0611806B2 JP60501221A JP50122185A JPH0611806B2 JP H0611806 B2 JPH0611806 B2 JP H0611806B2 JP 60501221 A JP60501221 A JP 60501221A JP 50122185 A JP50122185 A JP 50122185A JP H0611806 B2 JPH0611806 B2 JP H0611806B2
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Description

【発明の詳細な説明】 従来技術 この発明は主請求範囲の前文に記載された方法に関す
る。
透明なプラスチック部材はガラス部材よりもわずかの製
造コストで、かなりの光学的精度をもって成形すること
ができる。従って、例えば、簡単な対物レンズあるいは
眼鏡のプラスチックレンズを特に経済的に射出成型で製
造することができ、この場合、ガラスレンズに必要な研
削とラップ仕上げによる後処理加工を処理することがで
きる。さらに、一体化された付加機能を持つ複雑な形状
を製造できるという利点がある。例えば、自動車の主前
照燈と点滅燈のカバーを1個の材料で製造することがで
きる。全てのプラスチック材料には軟質で延性の材質の
場合欠点として大きな摩耗に弱いということがあり、特
に例えばふきとることのような主として接線成分を伴な
う応力による破壊が例としてあげられる。従って、表面
は接着性がよく十分に硬い保護層で保護されなければな
らないし、この保護層はさらに通常の耐候性試験(DI
N50017の湿熱一定温度,温度変化等による湿室試験の
前後における格子切り込みと標準接着バンドによるはぎ
取り)に耐えるものでなければならない。
表面保護のために、主に種々のラッカー方式を使用する
ラッカー仕上げが用いられる。その場合主にアクリルラ
ッカーと重合有機シロキサンラッカーが使用される。そ
の場合重合有機シロキサンラッカーの方が摩耗保護に最
良の結果を示す。耐摩耗性の試験は、例えばECE(ヨ
ーロッパ経済委員会)提案によれば次のように実施され
る。
布を巻き付けた14×14mm寸法の押圧棒を用い2N/cm
押付け圧力,最大速度3cm/secで被覆面を摩擦する。
そのとき押圧棒と試験表面の間には、モース硬度が7
で、ほぼ正規分布で0〜200μmの粒径を有し、成角比
1.8〜2.0の石英粉末が挿入される。50回往復ス
トロークした後に1〜12゜の立体角の透過散乱光が測定
される。最大上限値として、ECE提案において4%の
散乱光値が挙げられている。この試験によると、アクリ
ルラッカーは5%以上の散乱光を、また最良の重合有機
シロキサンラッカーは4%よりやや少ない散乱光を示
す。
硬質の層はPVD(物理蒸着)及びCVD(化学蒸着)
の方法を使用しても製造できる。しかしCVDによる方
法は、比較的高い処理温度を必要条件とする。プラズマ
利用のCVD法の場合でも、必要処理温度はポリカーボ
ネート部品にとっても高過ぎる温度となる。その上、こ
のようなCVD反応の間に、SiOまたはSiCのよ
うな全くもろい無機質の保護層が発生する。この保護層
は有機質の基台にあまり良く粘着せず、摩耗試験の時に
しばしば失格する。この問題は高真空で蒸着させた石英
層(PVD法)の場合にも起る。この種の層の硬度は特
に良く、上述のECE摩耗試験において、1%未満の散
乱光値が実現する。しかし、この層の場合も、温度変化
があったり、温度貯蔵の後ではポリカーボネートへの粘
着は特に悪くなる。
さらに、グロー放電重合方法によっても保護層を製造で
きることが知られている。原料単量体としては種々異な
るシラン類,シロキサン類,及びシラザン類が使用され
る。しかし、グロー放電の時にこれらに有機けい素化合
物から遊離される高分子膜は何らかの手段を施さない場
合は、なお比較的軟質で、言うに値する摩耗保護は得ら
れない。しかし、高分子膜中に存在するけい素−酸素−
けい素−結合の数が増加すると、層の硬度は増大する。
これは、高分子科学(Polymer Sci)(ソ連)、2281
(1967)に従って、例えばシロキサン単量体蒸気の中で起
るグロー放電にアルゴン不活性ガスを付加することによ
って達成される。この場合は単量体としてヘキサメチル
ジシロキサン(HMDS)が使用される。
米国航空宇宙研究所(NASA)技報1978年冬季号543
ページには、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)
レンズの表面にひっかき強度を持つ表層を製造する同様
な方法が報告されている。この報告において著者の記述
によれば、水蒸気プラズマ中での処理による第1段階
で、プラスチック表面上に水酸基を生成させることによ
って、粘着力の強い基台が生成する。第2段階におい
て、有機けい素単量体(この例では、同量ずつのビニル
ジメチルエトキシシランとヘキサメチルジシラザン)か
らできる本来の高分子膜がその上に形成される。ここで
述べられている最も重要なのは第3段階で、アルゴンプ
ラズマ中での後処理である。著者の記述によれば、これ
によって高分子膜の網状化が改良され、ひっかき強度が
高められる。
西ドイツ特許公告公報(DE-AS)第2625448号には光学反
射鏡の表面に親液性保護層を製造する方法が記載されて
いる。有機けい素単量体ヘキサメチルジシロキサン(H
MDS)から生成する高分子膜の親液性化は酸素プラズ
マ中での後処理によって達成される。このことによっ
て、高分子膜の表面に近い領域中に、けい素−酸素−け
い素−結合が増加生成する。このようにして達成された
界面での表面張力の増大は、同時にひっかき強度の改良
をもたらす。このことは応用光学(Applied Optics)1
6、717(1977)に開示された研究で確立されており、有機
けい素単量体(ビニルトリメトキシシラン)から製造さ
れた高分子膜の酸素プラズマ中での後処理によって、あ
る種の耐摩耗性の改良が達成されている。しかし、こう
して達成されたポリカーボネート表面の保護作用は冒頭
に挙げたECE試験に合格するには十分でない。2,3
の試験が示すように、あとで酸素中でグロー放電処理さ
れたHMDS層のECE試験におけるひっかきに対する
耐性は、相当する層の厚さの未処理のHMDS層よりも
むしろ悪かった。
太陽エネルギー材料(Solar Energy Materials)、30
1(1980)において、ひっかき強度を改良するために高分
子膜が遊離している間、ある一定割合の酸素を単量体蒸
気の中へ導入することが提案されている。この場合に酸
素の分圧は単量体蒸気の分圧よりも低い。発表された赤
外スペクトルからわかるように、今までに検討した種々
の方法と同様、けい素−酸素−けい素−結合の数が増加
し、それに伴なって層の硬度も増大する。酸素を付加す
るにもかかわらず、高分子膜に有機質の軟らかい性質を
与えるメチル基の濃度は実質上変化しない。この研究に
利用された米国材料試験協会(ASTM)D968-51によ
る砂落下摩耗方法は、冒頭に記述したEC摩耗試験より
厳密性に欠けている。さらに、この研究においては被覆
する層のための支持基台として、ただ単にガラス担体が
利用されただけなので、プラスチック基台の表面の層の
粘着の問題は全く考慮されていなかった。
発明の利点 主請求範囲の特徴部分に記載された方法に従って製造さ
れた層は、化学的および温度的影響に対して堅ろうに耐
えるだけではなく、良好な耐摩耗性と耐ひっかき性を持
っている。このことによって、この層は、光学素子、特
にプラスチック素子の表面に最適な保護層となる。この
方法は以下のように実施される。すなわち有機化合物の
単量体蒸気から上記表面に、軟質でプラスチックに類似
し基台の上に良好な粘着力を持つ高分子層が、遊離す
る。層が生長する間、単量体蒸気に層の硬度を増す物
質、例えば所定量所定時間添加される。これによってま
ず、有機高分子層(粘着層)は、さらに無機的な石英に
類似の性質を持つようになる。この方法で生成した保護
層は非常に硬くまた特にひっかきに耐える。好ましくは
ヘキサメチルジシロキサンが用いられるがそのほかに、
他のメチル基,ビニル基,フェニル基またはアルコキシ
基を持つシロキサン,シラザンまたはシランが、保護層
の生成のために利用される。
従属の請求範囲において記載された手段によって、主請
求範囲に記載された方法の好ましい実施態様と改良が可
能になる。保護層の性質は、層の生長の間に供給される
硬度を高める物質の量によって、任意に変えることがで
きる。従って、全遊離期間の5ないし20%の間酸素分
圧を定常的に増大し、また5×1012mbarから1mbarまで
の作業圧力において、酸素と単量体の流量比率を3:1と2
0:1の間、特に8:1と16:1の間まで高めるように酸素を添
加すると特に硬質の保護層が得られる。
図 面 本発明による方法を以下に図を用いて説明する。
第1図は、新規の保護層を製造する装置の概略断面図、
第2図にHMDS−グロー放電高分子層の赤外スペクト
ル図、第3図は酸素プラズマ中のHMDS層の赤外スペ
クトル図、第4図は異なる方法で製造された4つの試料
の赤外吸収帯の比較を示す図、第5図はECE摩耗試験
による散乱光増加を示す線図である。
実施例の説明 ポンプ装置1によって吸引される真空排気鐘2の中に、
軸を中心に回転できる円筒部材3が設けられ、この円筒
部材の外周表面に、表層処理を受けるプラスチック部品
4が取り付けられている。この被表層処理部品4は、時
間的に次から次と表層形成装置5を通過する。この表層
形成装置は、好ましくは真空排気鐘2の外側に取り付け
られるが、排気鐘2の内側に取り付けられることもでき
る。この表層形成装置5は、排気鐘2の周囲部の外とう
線に沿って取り付けられている反応ガスを導く多数の単
一ノズル6から構成されている。
使用される反応ガス、すなわち有機けい素単量体(メチ
ル,ビニル,フェニールまたはアルコキシ基を持つシラ
ン,シロキサンまたはシラザン)、好ましくはHMDS
と、添加ガス特に酸素が、ノズル6を経て排気鐘2の中
へ供給される。外部から高電圧を印加すると、よく知ら
れているいるように流出する単量体蒸気ないしは添加ガ
ス中で、グロー放電が発生する。これによって、高度に
活性化されたイオン,基(ラジカル)及び分子のかけら
が生成し、これらは数センチメートルの距離内に存在す
る被表層処理物へ突き当り、そこで保護被膜が生長す
る。この場合に、まず、酸素のような添加ガスなしで製
造される純粋な有機質の高分子膜が遊離し、保護被膜は
ポリカーボネート(PC)またはポリメチルメタアクリ
レート(PMMA)のようなプラスチック基台のような
被表層処理物の上に良好に粘着するようになる。
方法の実施にあたり重要なことは、高分子膜の遊離以前
に、PCまたはPMMAから成る基台表面が、酸素を含
むプラズマ中でのグロー清浄を受けないようにすること
である。そのわけは、これによって次に続いて形成され
るHMDSグロー高分子膜の層の粘着が著しく劣化して
しまうからである。
このことは以下の例によって理解できる。
a)PC基台。グロー清浄なし。高分子層の厚さ6.5μ
m。SK DIN50017による240時間の熱帯気候(40
℃,100%の相対湿度)での貯蔵後、または-40℃と+130
℃の間の10回にわたる温度変化後で、続く100%格子
切り込みの後で高分子膜は粘着。
b)PC基台。酸素プラズマ中で1分間のグロー清浄。高
分子層の厚さ7.5μm。基台を軽く曲げると高分子層
がはげ落ちる。
c)PC基台。酸素プラズマ中で1.5分間のグロー清
浄。高分子層の厚さ7μm。一本の針で接触しただけで
高分子層はすぐはげ落ちる。
d)PC基台。0.5分間酸素プラズマ中で、続いて1分
間アルゴンプラズマ中でグロー清浄。高分子量の厚さ
8.1μm。冒頭に提示されたECE試験による耐ひっ
かき性の試験をすると層がはげ落ちる。
総合式C18SiOを持つ純粋のHMDSのグロ
ー重合の場合に、プラスチック表面に総合式(Cαβ
Siγδ)nを持つ高分子膜が生成する。このポリ有
機シロキサン膜は疎液性で比較的軟質であるが、その有
機質の性質のためにプラスチック基台上に特に良好に粘
着する。僅かに100ナノメートル厚さの純粋のHMDS
のグロー放電高分子が生成したあとでは、グロー放電中
に酸素(O)を添加することができる。酸素分圧は全
遊離期間のほぼ5から20%の間ずっと定常的に増大され
る。この場合に、作業圧力5×10-2mbarから1mbarでO
とHMDSのガス流の比率が、約10:1まで高められ
る。これによって、グロー高分子層中で有機メチル基が
酸素によって置換される。上記の総合式において、係数
αとβは定常的に減少され、特に酸素に富むグロー放電
の時にはHMDSからSiOに似た層が生成する
(α,の時にβ=0)に至る。この無機質の石英類似の
層は、非常に硬く特にひっかきに耐える。
実施例: 全遊離時間10分。全層厚7μm。遊離は純粋のHMD
Sガスで50cm/minの流速の時に、0.5分かけて始
まる。そのあと1分以内に、0cm/minから500cm
minの直線的に増加する流量でOガスが添加されグロ
ー放電に導入される。O/HMDS=10:1の流量比率
は、残りの8.5分の遊離期間ずっと一定に保たれる。
この方法の重要な工程は、まず有機質で軟質の、しかし
良く粘着するポリ有機シロキサン層が遊離することであ
り、この層は極端な場合は僅か数ナノメートルの厚さで
あればよい(粘着層)。この層の硬度は、Oを明らか
に過剰になるまで添加し、数百ナノメートルから数マイ
クロメートルまで増すことにより顕著に増大され、希望
される全層厚までの残りの層については一定に保たれる
(保護層)。
層圧を調節し、有機重合体から無機の硬質の保護層へ無
段階的に移行させることにより基台への粘着が極めて良
好になると同時に表面硬度を増大することができる。
上述した層の性質を明らかにするために、第2図と第3
図には食塩基台の上に異って製造された2つのHMDS
グロー高分子膜の赤外分光計による分析が図示されてい
る。高分子膜の種々の機能基と個々の吸収線の図中に記
入された関連の時には、関連文献中に示されている。第
2図では上述したような粘着層の性質を持った純粋なH
MDSグロー高分子層が遊離された。グロー放電の安定
化のために、更にアルゴン不活性ガスが単量体蒸気へ導
入された。しかし、これは高分子膜の化学的組成へは、
言うに値する影響は与えなかった。2960cm-1(C
),2910cm-1(CH)及び1245cm-1(Si−CH
)における吸収は、高分子有機シロキサン膜が遊離し
たことを示している。これに対し第3図においては、メ
チル基に起因する鋭い吸収線が消滅している。この代り
に、特にけい素−酸素−けい素−伸縮振動に起因する約
1050cm-1における吸収が強く現れている。第3図におい
ては6:1の比より大きいOのHMDSに対する流量比
率をもって、作業が行なわれた。さらにアルゴン不活性
ガスがグロー放電安定のために使用された。第3図によ
る層の化学組成はすでに説明したひっかきに耐える被膜
の保護層に相当する。
さらに第4図には異なって製造された4つの試料のけい
素−酸素−けい素−伸縮振動の領域における赤外吸収帯
の比較例が図示されている。これらの試料はSiO,S
及びSiOの3つの蒸着層及びこれと比較す
るために酸素過剰で製造された第3図のHMDSグロー
高分子膜である。この図からプラスチック表面上の耐ひ
っかき性被膜の保護層がほぼxを1.5<x<2とする
Siから成ることがわかる。
保護被膜の耐ひっかき性は保護層が遊離する間OとH
MDSのガス流の比率によって、かなり影響される。第
5図には、約6μm厚さの保護層によって被覆されEC
E試験に従って摩耗を受けたあとのPC試料の散乱光増
加が、対数尺度で図示されている。この場合には、O
とHMDSのガス流の比率は約3×10-1mbarの作業圧力
で0:1と約15:1の間で変えられ、またひっかき傷を付け
られない試料に対する散乱光増加が、ECE試験に従っ
た摩耗押圧棒を50,100,200及び500往復ストロークのあ
と測定された。それぞれ50往復ストローク毎に、使用さ
れた石英粉が更新された。
第5図が示すように、HMDSプラズマガスの中に酸素
成分が無い場合は、50往復ストロークの後で測定された
5.5%の散乱光値はECE提案において提示された最
大限界4%より上である。O中であとからグロー放電
を受けた試料の場合は散乱光値は7%以上の所にある。
しかし、OのHMDSに対する比率が2:1になると、
散乱光増加は0.1%の領域にあり、50往復ストローク
の場合4%のECE限界値よりはるかに下にある(第5
図の○印と実線)。特に100回及び200回の往復ストロー
クそれぞれのあとの測定結線が示すように、OのHM
DSに対するガス流の比率が増加するに従って、散乱光
値はさらに減少し、保護層の耐摩耗性はさらに増加する
(+印及び破線の曲線並びに△印と1点鎖線の曲線)。
500往復ストロークの場合の測定点(□印)からわかる
ようにO:HMDSガス流比率が14:1の場合散乱光増
加は0.7から0.8%だけである。同様に試験された
軟質ガラス試料は、散乱光増加(図5の中の矢印)が
0.6%であり上述したPC−基板と同様なひっかき感
度を有する。この結果は説明した方法によって得られ
る、特に良好な耐ひっかき性を示している。
有機けい素単量体と酸素を上述したように反応させ硬質
のSiO保護層を形成する外に相当する温度に耐える
基台の場合で層の高度をさらに増大させるために、Si
CないしSi類似の保護層も形成することができ
る。これは必要な場合酸素ガスを付加して、またはそれ
に代え、純粋の炭化水素ないし窒素または窒素を含む化
合物、好ましくはN及びNHを反応に導くことによ
って行なわれる。炭化水素としては特にアルカン(例え
ばメタン,エタンなど),オレフィン(エチレン),又
はアルキン(例えばアセチレン)の低分子量化合物が適
している。
上述した方法は、光学的プラスチック素子の表面に保護
層を形成するために重要であるだけではなく、光学ガラ
ス素子もこの方法で表層処理され、改良される。その外
に、上述した方法は反射鏡、好ましくはアルミニウム蒸
着反射鏡の表面の保護層の形成に適している。この場合
に重合中酸素を添加することにより、特にドイツ特許公
告公報第2625448号中に記載されている効果が現れる。
即ち、本来疎液性の層単量体が酸素処理によって親水性
にされ、それにより上述した公報に記載された性質が得
られる。層が完成して酸素処理が行なわれるのでなく重
合の間に始まるので、親水化は保護層の深い領域をとら
れているために、より持続的でより耐久的になる。酸素
による後処理によって形成される層の親液性は、むき出
しの、被膜処理された反射鏡が長時間貯蔵される時に、
段々消滅することがわかっている。本発明の方法によっ
て形成される保護層は、その親液性に関して本質的によ
り永続的であり、反射鏡の比較的長い貯蔵時間の後でも
なお効果の喪失を示さない。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空排気鐘において光学素子表面、特に透
    明プラスチック材表面に機械的及び化学的影響に対する
    保護を行なう薄く透明な保護層を形成する方法であっ
    て、前記表面が有機化合物、好ましくは有機けい素物質
    の単量体蒸気にさらされ、前記保護層が電気ガス放電に
    よる照射を用いて蒸気相から重合によって遊離され、前
    記重合による層が生長する間、単量体蒸気に層の硬度を
    高める物質が添加される保護層形成方法において、この
    層の硬度を高める物質の添加が重合過程の開始に対して
    遅れて行なわれることを特徴とする保護層形成方法。
  2. 【請求項2】重合過程の間層の硬度を高める物質が量を
    増加しつつ添加されることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】層の硬度を高める物質の供給が連続的に増
    加されることを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】層の硬度を高める物質が、層の生長の前半
    において、重合開始後所定時間経過後に添加され、この
    添加物質量が層の生長の終りまで、単量体蒸気の何倍か
    の量に増大されることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項に記載の方法。
  5. 【請求項5】層の硬度を高める物質として酸素が使用さ
    れることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】酸素分圧が全遊離期間の5から20%まで定
    常的に増大され、5×10-2mbarから1mbarの作業圧力に
    おいて酸素と単量体の流量比率が3:1から20:1、特に8:1
    から16:1の値に高められることを特徴とする特許請求の
    範囲第5項に記載の方法。
  7. 【請求項7】酸素が全遊離期間の最長10%経過後までに
    添加され、全遊離期間の最長30%以内に所定の値まで直
    線的に増大され、その後残余の遊離期間一定に保たれる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第5項に記載の方法。
  8. 【請求項8】層の硬度を高める物質として、炭化水素
    (低分子量のアルカン,アルケン又はアルキン)、特に
    メタン及びアセチレンが使用されることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】層の硬度を高める物質として、窒素又は窒
    素含有化合物、特にNとNHが使用されることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項に記載の方法。
JP60501221A 1984-04-06 1985-03-12 光学素子表面上に透明な薄層を形成する方法 Expired - Lifetime JPH0611806B2 (ja)

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