JPH06117997A - 光学的測定装置 - Google Patents

光学的測定装置

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JPH06117997A
JPH06117997A JP4268792A JP26879292A JPH06117997A JP H06117997 A JPH06117997 A JP H06117997A JP 4268792 A JP4268792 A JP 4268792A JP 26879292 A JP26879292 A JP 26879292A JP H06117997 A JPH06117997 A JP H06117997A
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optical
light
angle
optical system
incident
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JP4268792A
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Kazuhisa Shigemori
和久 重森
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 信号光のS/N比を向上させることのできる
光学的測定装置を提供する。 【構成】 蛍光の検出角度θは光導波路2の全反射角φ
cに極めて近い角度に設定されており、蛍光検出光学系
の光軸Kは屈折型結合プリズム1による屈折を考慮して
検出角度θに対応して設定されている。又、光導波路2
に入射する励起光の入射角度φは蛍光の検出角度θに比
べて十分に大きく設定され、励起光入射光学系の光軸J
は屈折型結合プリズム1による屈折を考慮して入射角度
φに対応して設定されている。したがって、ノイズ光を
低減した状態で蛍光と励起光を分離でき、信号光のS/
N比を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光学的測定装置に関
し、さらに詳細にいえば、光導波路を通して光を伝播さ
せることにより生じるエバネッセント波成分によって光
導波路の反応面近傍に存在する測定対象物の光学的測定
を行なう光学的測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から光導波路の反応面に予め抗原、
抗体またはハプテンを固定しておき、光導波路から僅か
にしみ出すエバネッセント波成分により光導波路の反応
面における抗原−抗体反応量の測定を行なう免疫測定方
法が知られており、この方法を具体化するために、図7
に示すように、スラブ型光導波路61の一面に反応槽6
2を一体形成し、レーザ光源から出射される励起光をダ
イクロイック・ミラー63を通して光導波路61に導入
し、標識蛍光体68aから放射される蛍光を光導波路6
1を通して出射させ、ダイクロイック・ミラー63によ
り反射させ、さらに光学的フィルタ64を通して光検出
器65に入射させるようにしたものが提案されている
(スイス国特許出願明細書第2799/85−2号およ
び特開昭63−273042号公報参照)。
【0003】上記の構成を採用した場合には、光導波路
61の表面に予め抗体66を固定しておき、この抗体6
6に被検液中の抗原67を受容させ、さらに、受容され
た抗原67に蛍光体で標識された蛍光標識抗体68を受
容させる。即ち、受容される蛍光標識抗体68の量は被
検液中の抗原67の量に基づいて定まることになる。そ
して、光導波路61に励起光を導入することにより生じ
るエバネッセント波成分により上記受容された蛍光標識
抗体68の標識蛍光体68aのみが励起され蛍光を放射
するので、放射される蛍光の強度が被検液中の抗原67
の量に比例することになる。また、この蛍光は信号光と
して光導波路61を導波されることになる。
【0004】したがって、光導波路61を導波されてき
た蛍光のみをダイクロイック・ミラー63により反射さ
せ、光学フィルタ64を通して光検出器65に入射させ
ることにより免疫反応の有無、免疫反応の程度を測定す
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような免疫測定装
置において信号光のS/N比を向上するためには励起光
の強度を上げることにより蛍光強度を上げることが簡単
な方法である。例えば、標識蛍光体68aとしてFIT
C色素(Fluoroscein iso−thio−
cyanate)を用い、励起光源としてArイオンレ
ーザー(波長480nm)を使用した場合は通常のハロ
ゲンランプを使用した場合に比べて約10倍ぐらいの励
起光量を確保できる。また、より励起波長の長い標識蛍
光体68aを使用する場合ではHe−Neレーザーまた
は半導体レーザーなどを励起光源として使用すれば良
く、この場合も同様に十分な励起光量を確保できる。
【0006】しかし、上記標識蛍光体68aとして使用
される蛍光色素に大きな励起光量を与えると、著しい劣
化を引き起こし経時変化による測定精度の低下をもたら
すので、励起光量を無制限に増大させることはできな
い。例えば、レーザー光源を使用する場合、励起光量と
してmW程度を出力し得るが、蛍光色素の劣化防止のた
めに10〜数10μW程度に光量を制限する必要があ
り、レーザ光源の励起光量の余裕を測定精度、測定感度
の向上に反映できないという問題があった。
【0007】また、従来の免疫測定装置においては励起
光入射光学系の光軸と蛍光検出光学系の光軸を一致させ
るとともに、光導波路61内の測定光および蛍光のそれ
ぞれの伝播角が臨界角に近くなるように両光学系の光軸
を設定していた。そのため、励起光と信号光としての蛍
光とを分離するためにダイクロイック・ミラー63など
の波長選択性を持つ光学素子が必要であった。しかし、
ダイクロイック・ミラー63のような精密な光学素子は
高価であるとともに、温度などに対して鋭敏であって周
囲の環境によって測定精度が変動しやすいという問題が
あった。
【0008】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、信号光のS/N比を向上させることので
きる光学的測定装置を提供することを目的としている。
また、この発明は上記高価なダイクロイック・ミラーを
使用することなく、信号光のS/N比を向上できる光学
的測定装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、請求項1の光学的測定装置は、光導波路の所定位
置に設けられたプリズムを通して測定光を導入し、測定
光のエバネッセント波成分により光導波路の表面近傍の
光学的測定を行ない、光学的測定結果を示す信号光を光
導波路およびプリズムを通して出射させて光検出器に導
く光学的測定装置であって、光導波路に入射する測定光
の入射角度が臨界角よりも十分に大きい所定角度になる
ように測定光入射光学系の光軸が設定されているととも
に、信号光検出光学系の光軸が光導波路から出射する信
号光のうち臨界角に近接した検出角度に対応して設定さ
れている。
【0010】請求項2の光学的測定装置は請求項1に記
載の光学的測定装置であって、測定光入射光学系と信号
光検出光学系の両光軸が所定の角度差となるように分離
して配置されている。請求項3の光学的測定装置は請求
項1に記載の光学的測定装置であって、測定光入射光学
系、信号光検出光学系の所定位置に設けられた分離用反
射ミラーによって信号光と測定光との分離を行なう。
【0011】
【作用】請求項1の光学的測定装置であれば、光導波路
に入射する測定光の入射角度が臨界角よりも十分に大き
い所定角度になるように測定光入射光学系の光軸が設定
されていることにより、未反応標識蛍光体に対する影響
を相対的に小さくすることができ、測定光によるノイズ
を減らすことができる。さらに光導波路の入射角度を臨
界角から十分大きくすることにより励起光による標識蛍
光体の励起効率は減少するが、測定光を発する光源とし
てレーザ光源のような光量の大きな光源を用いることに
より、励起光量には余裕があり、励起効率の減少を補う
ように測定光の光量を増加させることにより測定に十分
な信号光を得ることができる。しかも、この場合におい
て標識蛍光体の劣化が加速されることはない。
【0012】また、信号光検出光学系の光軸が光導波路
から出射する信号光のうち臨界角に近接した検出角度に
対応して設定されていることにより、信号光の強度が最
も大きくなる臨界角近くで信号光を効率良く検出するこ
とできる。そして上記のように両光学系を設定すること
により、測定光入射光学系の光軸と信号光検出光学系の
光軸とに角度差を生じさせることができ、その角度差を
用いて測定光と信号光を空間的に分離することが可能と
なり、従来の構成に比べて信号光のS/N比を向上でき
る。さらに、測定光と信号光の分離を両光学系の角度差
で行なうので、ダイクロイック・ミラーのような高価で
精密な光学素子を不要とすることができ、光学的測定装
置のコストダウンが図れるとともに、温度変化など周囲
の環境によって測定精度が低下するという問題も解決す
ることができる。
【0013】請求項2の光学的測定装置であれば、測定
光入射光学系と信号光検出光学系の両光軸が所定の角度
差となるように分離して配置されていることにより、簡
単に光学的測定装置の光学系を構成できる。請求項3の
光学的測定装置であれば、測定光入射光学系、信号光検
出光学系の所定位置に設けられた分離用反射ミラーによ
って信号光と測定光との分離を行なうことにより、コス
トをかけずに信号光と測定光の分離の程度を向上させる
ことができる。
【0014】さらに説明すれば、本発明者は測定光の光
導波路への入射角度と、信号光を検出するための検出角
度を詳細に調べた結果、測定光入射光学系の光軸と信号
光検出光学系の光軸とを一致させるよりも、光導波路へ
の測定光の入射角度を臨界角より十分に大きく設定する
とともに信号光の検出は最も検出効率のよい臨界角に近
接した角度で行なうことにより信号光のS/N比を向上
できることを見出し、さらに上記のように入射角度およ
び検出角度を設定することにより、測定光入射光学系と
信号光検出光学系とに角度差を生じさせることができ、
その角度差によってダイクロイック・ミラーを用いずと
も信号光と測定光を分離できることを見出して、この発
明を完成させたのである。
【0015】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図1はこの発明の光学的測定装置の一実施例
としての免疫測定装置を示す概略図である。この免疫測
定装置は端部に屈折型結合プリズム1を備えたスラブ型
光導波路2と、スラブ型光導波路2に屈折型結合プリズ
ム1を通して励起光を入射させる励起光入射光学系3
と、屈折型結合プリズム1から出射される信号光として
の蛍光を検出する蛍光検出光学系4とを有している。励
起光入射光学系3はレーザ光源3aと、レーザ光源3a
から出射されるビーム光の幅を拡げるレンズ3bと、レ
ンズ3bにより拡がった光束を所定位置で集光させる入
射側集光レンズ3cとから構成されている。蛍光検出光
学系4はスラブ型光導波路2の屈折型結合プリズム1か
ら出射された蛍光を集光する検出側集光レンズ4aと、
所定波長域の光をカットする光学フィルタ4bと、光検
出器としての光電子増倍管4cとから構成されている。
【0016】レーザ光源3aは被検査溶液に使用される
標識蛍光体の励起波長に対応させて各種のレーザ光源、
例えば、Arイオンレーザー、He−Neレーザーまた
は半導体レーザーなどが使用される。また、スラブ型光
導波路2の少なくとも一面には反応槽10が形成され、
反応槽10に臨む面に抗体11が固定されている。図2
は励起光入射光学系3の光軸Jおよび信号光検出光学系
4の光軸Kと光導波路内の励起光の入射角度φおよび蛍
光の検出角度θの関係を示す部分拡大図である。なお、
励起光入射光学系3の光軸Jは実線で示し、蛍光検出光
学系4の光軸Kは一点鎖線で示している。
【0017】蛍光の検出角度θは光導波路2の全反射角
φcに極めて近い角度に設定されており、蛍光検出光学
系4の光軸Kの位置は屈折型結合プリズム1による屈折
を考慮して検出角度θに対応するように設定されてい
る。また、励起光の光導波路2への入射角度φは蛍光の
検出角度θに比べて大きく設定され、励起光入射光学系
3の光軸Jは屈折型結合プリズム1による屈折を考慮し
て入射角度φに対応するように設定されている。
【0018】次に、上記のように励起光の入射角度φお
よび蛍光の検出角度θを設定する理由について説明す
る。この免疫測定装置で用いるエバネッセント波とは光
導波路2などの屈折率の異なる媒質界面で光が全反射す
るとき、低屈折率の側面媒質中にわずかにしみだすよう
に存在する光成分であり、光導波路2の界面からの距離
に対して指数関数的にその強度は減衰する。電界強度が
光導波路界面での値の1/eになる界面からの距離を侵
入深さdp(penetration depth)と
呼び、波長λ、比屈折率n(=n1/n2,n1>n
2,但しn1、n2はそれぞれ媒質1、媒質2の絶対屈
折率)、励起光の入射角φにより次の式で表わされる。 dp=λ/{2π(n2sin2φ−1)1/2} 但し、φ>φc、なお、φcは臨界角であり、 φc=sin-1(1/n)=sin-1(n2/n1) である。また、界面からの距離zでの光強度Iは、
【0019】
【数1】
【0020】であり、界面から距離zに存在する発光源
からの蛍光が、角度φF(φF>φc)で高屈折率の側面
媒質中に入射する割合は、同様にdPFにより、
【0021】
【数2】
【0022】となる。したがって、励起光角度が臨界角
φcに近くなるほど色素励起効率が高くなることがわか
る。また、蛍光も導波路中を伝播する成分を検出するこ
とで、導波路表面の不整の影響の少ない測定が可能であ
り、その蛍光成分は臨界角φcに近いほど大きいことが
分かる(参考文献:「Absorption andE
mission of Evanescent Pho
ton」C.K.Carniglia et.al
J.Opt.Soc.Am.62,p479(197
2))。
【0023】図3は光導波路2の第1反射面への励起光
の入射角度φを横軸に取り、縦軸に電界強度を取った図
であり、図中に示す曲線は入射光(TEモード)の強度
を1としたときのエバネッセント波強度の入射角依存性
を示す曲線となっている。なお、免疫反応による蛍光色
素の位置として、光導波路2の界面からの距離40nm
を取り、レーザ光源3aの励起波長を490nm、光導
波路2を構成する材質の屈折率を1.497、反応槽1
0内に入れられる被検溶液の屈折率を1.24としてい
る。
【0024】図4は光導波路2の第1反射面への励起光
の入射角度φを横軸に取り、縦軸に電界強度の積分値、
すなわちエバネッセント波強度の界面(距離0)から無
限大の距離における積分を規格化したものを取った図で
ある。図4における曲線は未反応の蛍光色素に対する励
起の割合を示すと考えられる。図3から光導波路表面へ
の入射角度φを大きくすることで蛍光色素の存在位置で
換算した相対的なエバネッセント波強度を小さくできる
ことが分かる。また、図4から光導波路表面への入射角
度φを大きくすることで未反応蛍光色素に対する影響を
相対的に小さくできることが分かる。また、免疫反応に
より表面に束縛された色素の劣化は色素位置でのエバネ
ッセント波強度に依存するので、励起光の入射角度φを
臨界角φcから十分離れた所定角度に設定することによ
り、エバネッセント波侵入深さdpを小さくして光導波
路界面の色素位置での励起光強度を下げて色素劣化を防
ぐとともに、被検溶液中の未反応試薬色素を励起する確
率、すなわちノイズ光が発生することを相対的に低減で
きることが理解できる。なお、光導波路表面への入射角
度φを大きくすることで色素励起効率の低下が生じる
が、この実施例のようにレーザ光源3aなどの高輝度光
源を使用する場合、励起光量を増大することで測定光量
(蛍光光量)の低下を補償することができるので、測定
に十分な蛍光光量を得ることができる。
【0025】また、蛍光は光導波路2において全反射す
る臨界角φcが最も強くなるので、信号光を高く検出す
るために信号光の検出角度θは臨界角φcに十分近接さ
せて測定感度の低下を防ぐようにしている。これは発生
する蛍光を極力有効に補足すること、および光導波路2
中の不純物などによる散乱、蛍光はほとんど角度依存性
を持たないため、S/N比を改善することからも好まし
いことである。
【0026】このように励起光入射角φと蛍光検出角θ
とを角度的に分離することで、S/N比を改善すること
ができるとともに、励起光入射光学系3の光軸Jと蛍光
検出光学系4の光軸Kとに角度差を生じさせることがで
き、その角度差を用いて励起光と蛍光を分離することが
可能となる。したがって、ダイクロイック・ミラーのよ
うな高価で精密な光学素子を使用しない光学系を構成す
ることができ、光学的測定装置のコストダウンを図れる
とともに、ダイクロイック・ミラーを用いないことによ
って温度依存性の緩和等の性能向上を達成することがで
きる。
【0027】なお、図1に示す免疫測定装置の全体的な
作用は次の通りである。スラブ型光導波路2の表面に固
定した抗体11に被検液中の抗原を受容させ、さらに受
容された抗原に蛍光標識抗体を受容させる点は従来の免
疫測定装置と同様である。レーザ光源3aから出射され
るビーム光はレンズ3bによって光の幅を広げられた
後、入射側集光レンズ3cにより収束光とされスラブ型
光導波路2の端部に設けられた屈折型結合プリズム1の
入射面1aの前で集光する。そしてその集光位置から発
散する状態で入射面1aから屈折型結合プリズム1内に
入射する。入射した励起光は屈折型結合プリズム1の部
分を発散しながら導波して、スラブ型光導波路2に到達
する。
【0028】そしてスラブ型光導波路2内に導かれた励
起光はスラブ型光導波路2の第1反射面において上記で
説明した入射角度φを基準角度として入射し、徐々に広
がりながら全反射を繰り返して導波し、そのエバネッセ
ント波成分に依存して表面近傍に拘束された標識蛍光体
(蛍光色素)が蛍光を発する。そして蛍光はスラブ型光
導波路2に導入され、屈折型結合プリズム1の入射面1
aから蛍光検出光学系4の光軸K方向に最も強い信号光
分布を持って出射する。屈折型結合プリズム1から出射
した蛍光は検出側集光レンズ4aによって集光され、蛍
光のみを透過するように調整された光学フィルタ4bを
通すことによりノイズ光を除去した後で、光電子増倍管
4cに入射する。
【0029】なお、入射側集光レンズ3cを用いて光導
波路2の第1反射面より前で集光させ、入射角度φを基
準角度として励起光が発散する状態で光導波路5の表面
に入射させる理由は、このように構成することにより全
反射を繰り返す場合に光導波路2の表面で反射される面
積が徐々に増加して、光導波路2の表面に受容されてい
る標識蛍光体中で励起される標識蛍光体の割合を増加さ
せることができるからである。
【0030】以上説明したようにこの実施例によれば、
励起光入射角φと蛍光出射角θとを角度的に分離するこ
とによりノイズを低減して蛍光のS/N比を向上できる
とともに、ダイクロイック・ミラーを用いずとも励起光
と蛍光とを分離でき、装置のコストダウンと測定精度の
向上をそれぞれ達成することができる。
【0031】
【実施例2】図5はこの発明の光学的測定装置の他の実
施例を示す概略図である。この実施例が第1実施例と異
なる点は蛍光と励起光との分離の補助として励起光入射
光学系3および蛍光検出光学系4の光路中に安価なアル
ミニウム表面反射ミラー20を設置し、アルミニウム表
面反射ミラー20で反射した励起光を屈折型結合プリズ
ム1に入射させるようにした点のみである。すなわち、
レーザ光源3aから発せられた励起光の内、ほぼ光軸J
の片側部分のみをアルミニウム表面反射ミラー20で反
射させてスラブ型光導波路2に入射させ、光導波路2か
らの蛍光のうちアルミニウム表面反射ミラー20で反射
されない蛍光を光電子増倍管4cに導くようにしてい
る。この実施例によれば、アルミニウム表面反射ミラー
20を用いているのでふれの角が大きくなり、蛍光と励
起光との分離の程度が向上する。また、図1に示す励起
光入射光学系3と蛍光検出光学系4の角度差だけで蛍光
と励起光の分離を行なう場合に比べて両光学系の配置の
自由度が増す利点がある。
【0032】なお、図5において光電子増倍管4cの位
置にレーザ光源3aを設け、レーザ光源3aの位置に光
電子増倍管4cを配置する構成も採用することができ
る。この場合は信号光としての蛍光をアルミニウム表面
反射ミラー20で反射させて光電子増倍管4cに導くこ
とになる。なお、アルミニウム表面反射ミラー20を用
いる励起光入射光学系3と蛍光検出光学系4の構成例は
前記実施例に限定されず、光学的測定装置の構成に応じ
て各種の構成を取ることが可能である。
【0033】
【実施例3】図6はこの発明の光学的測定装置の他の実
施例を示す概略図である。この実施例が図5に示す第2
実施例と異なる点はアルミニウム表面反射ミラー20の
代わりにダイクロイック・ミラー25を使用した点のみ
である。この実施例の場合、ダイクロイック・ミラー2
5が有する問題点は解決されないが、従来のダイクロイ
ック・ミラーを使用した構成に比べると、励起光の入射
角度と蛍光の検出角度をそれぞれ前記したように設定し
ているので蛍光検出のS/N比の向上の効果が得られ
る。
【0034】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、光導
波路に入射する測定光の入射角度が臨界角よりも十分に
大きい所定角度になるように測定光入射光学系の光軸が
設定されているとともに、信号光検出光学系の光軸が光
導波路から出射する信号光のうち臨界角に近接した検出
角度に対応して設定されていることにより、ノイズ光を
低減した状態で信号光を最も有効に検出することでき、
信号光のS/N比を向上できる。さらに、測定光と信号
光の分離を両光学系の角度差で行なうので、ダイクロイ
ック・ミラーのような高価で精密な光学素子を不要とす
ることができ、光学的測定装置のコストダウンを図れる
とともに、周囲の環境によって測定精度が低下するとい
う問題も解決することができるという特有の効果を奏す
る。
【0035】請求項2の発明は、請求項1記載の発明の
効果に加え、測定光入射光学系と信号光検出光学系の両
光軸が所定の角度差となるように分離して配置されてい
ることにより、簡単に光学的測定装置の光学系を構成で
きるという特有の効果を奏する。請求項3の発明は、請
求項1記載の発明の効果に加え、測定光入射光学系、信
号光検出光学系の所定位置に設けられた分離用反射ミラ
ーによって信号光と測定光との分離を行なうことによ
り、コストをかけず信号光と測定光との分離の程度を向
上させることができ、さらに光学系の配置の自由度を増
すことができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光学的測定装置の一実施例としての
免疫測定装置を示す概略図である。
【図2】励起光入射光学系の光軸および信号光検出光学
系の光軸と光導波路内の励起光の入射角度φおよび蛍光
の検出角度θの関係を示す拡大図である。
【図3】入射光の強度を1としたときのエバネッセント
波強度の入射角依存性を示す図である。
【図4】光導波路の第1反射面への入射角度φを横軸に
取り、縦軸に電界強度の積分値を取った図であり、蛍光
色素に対する励起の割合を示す図である。
【図5】この発明の光学的測定装置において表面反射ミ
ラーを使用した実施例を示す概略図である。
【図6】この発明の光学的測定装置においてダイクロイ
ック・ミラーを使用した実施例を示す概略図である。
【図7】従来の免疫測定装置の構成を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 屈折型結合プリズム 2 スラブ型光導波路 3 励起光入射光学系 4 蛍光検出光学系 4c 光電子増倍管 20 アルミニウム表面反射ミラー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路(2)の所定位置に設けられた
    プリズム(1)を通して測定光を導入し、測定光のエバ
    ネッセント波成分により光導波路(2)の表面近傍の光
    学的測定を行ない、光学的測定結果を示す信号光を光導
    波路(2)およびプリズム(1)を通して出射させて光
    検出器(4c)に導く光学的測定装置であって、光導波
    路(2)に入射する測定光の入射角度が臨界角よりも十
    分に大きい所定角度になるように測定光入射光学系
    (3)の光軸が設定されているとともに、信号光検出光
    学系(4)の光軸が光導波路(2)から出射する信号光
    のうち臨界角に近接した検出角度に対応して設定されて
    いることを特徴とする光学的測定装置。
  2. 【請求項2】 測定光入射光学系(3)と信号光検出光
    学系(4)の両光軸が所定の角度差となるように分離し
    て配置されている請求項1に記載の光学的測定装置。
  3. 【請求項3】 測定光入射光学系(3)、信号光検出光
    学系(4)の所定位置に設けられた分離用反射ミラー
    (20)によって信号光と測定光との分離を行なう請求
    項1に記載の光学的測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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