JPH06117987A - 油圧回路の作動油の劣化度検出装置 - Google Patents

油圧回路の作動油の劣化度検出装置

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JPH06117987A
JPH06117987A JP26866792A JP26866792A JPH06117987A JP H06117987 A JPH06117987 A JP H06117987A JP 26866792 A JP26866792 A JP 26866792A JP 26866792 A JP26866792 A JP 26866792A JP H06117987 A JPH06117987 A JP H06117987A
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JP
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hydraulic oil
hydraulic
viscosity
detecting
oil
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JP26866792A
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Inventor
Takayuki Yamakawa
孝行 山川
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作動油の劣化を、早期にしかも確実に検出で
きる油圧回路の作動油劣化度検出装置の提供。 【構成】 ポンプ2と、アクチュエータ3とを備えた油
圧回路にあって、作動油の粘度の変化を検出するための
回転式粘度センサ10と、作動油の汚染度を検出するた
めの光学センサ11とを備えるとともに、作動油中の含
有異物量が予め設定された値より大きくなったことを判
定する第1の判定手段と、作動油の粘度が予め設定され
た範囲を外れたかどうかを判定する第2の判定手段とを
含む演算制御部12を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油圧ショベル等の油圧機
械の油圧回路に備えられ、この油圧回路を循環する作動
油の劣化度を検出するための油圧回路の作動油の劣化度
検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、油圧ショベルにおいては、車両
を走行させたり、旋回させたりするために油圧モータが
用いられ、また作業機構を作動させるために油圧シリン
ダが用いられる。これら油圧モータ、油圧シリンダ等の
アクチュエータを作動させるために、油圧ポンプと作動
油タンクとを設け、作動油タンクから作動油を油圧ポン
プに送り込んで、この油圧ポンプによって作動油を加圧
して各油圧アクチュエータに供給し、油圧アクチュエー
タからの戻り油は再び作動油タンクに回収するように構
成している。即ち、作動油は作動油タンクから油圧ポン
プ及び油圧アクチュエータを経て作動油タンクに戻る閉
鎖ループからなる循環回路を持った油圧回路が形成され
る。
【0003】ここで、作動油が劣化しているにも拘ら
ず、そのまま使用を継続して油圧アクチュエータ、油圧
ポンプや管路に設けられる各種のバルブなどの油圧機器
を作動させると、作動の円滑性が損なわれるだけでな
く、甚だしい場合には、油圧機器を損傷させる等といっ
た問題点が発生する。このために、作動油は、例えば運
転時間2000時間毎というように定期的に交換するよ
うにしている。また、この油圧ショベルの定期点検時
や、適宜行なわれる修理などの際に、油圧回路内に装着
されているフィルタを点検して、このフィルタが汚れて
いる場合にも、作動油の交換を行うようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、作動油の劣
化は、作動油そのものの変質により汚染される場合と、
作動油に異物が混入して汚染される場合とに大別され
る。
【0005】作動油そのものの変質により汚染される場
合は、次のような場合がある。すなわち、油圧アクチュ
エータ、油圧ポンプ、バルブ等の油圧機器を作動させる
と、これら油圧機器を構成する各部材間の摺動等によっ
て、作動油温度が上昇し作動油に混入されている、酸化
を抑制する酸化防止剤が消耗し、作動油が酸化する。作
動油は酸化が進行すると変質し、標準的な使用温度にお
いて粘度が増加し、キャビテーションが発生して油圧機
器を損傷させる等の事態を発生させる。また、エアフィ
ルタ等から水分が混入した場合も、混入の割合が大きく
なると作動油が変質し、標準的な使用温度において粘度
が低下する。
【0006】また、作動油に異物が混入して汚染される
場合には、次のような場合がある。上述のように作動油
の粘度が低下すると、油圧アクチュエータ、油圧ポン
プ、バルブ等の油圧機器を構成する各部材間の摺動等に
よって、金属やシール部材等の摩耗粉等の異物が発生
し、それらによって作動油が汚染され、油圧機器を損傷
させる等の事態を発生させる。また、金属やシール部材
等の摩耗粉等による以外に、作動油タンクの小さい隙間
やエアフィルタ等から塵埃等の異物が侵入して汚染され
る。
【0007】作動油の変質による劣化及び異物混入によ
る劣化は、通常は経時的に劣化が進行することから、あ
る程度運転時間によって劣化の度合いを認識できる。し
かしながら、油圧ショベルを長時間駆動して作動油を高
温で使用し続けたり、エアフィルタ等から雨水が大量に
混入したとき等、油圧機器の作動自体には格別支障を来
たさない程度で、何等かのトラブルが発生している場合
には、作動中に急速に粘度が変化して摩耗が大きくなる
等の事態を引き起こし、作動油に大量の異物が混入する
ことがある。また、粘度に変化はなくても、塵埃の多い
ところで作業を行った場合には、作動油タンクの小さい
隙間やエアフィルタ等から、多量の異物が混入すること
もある。このような事態が発生すると、油圧回路全体の
機器の損傷を引き起こし、きわめて重大な故障を生じる
おそれがある。従って、運転時間によってのみ作動油の
交換時期を管理していたのでは、作動油の劣化を早期
に、しかも確実に検出することはできない。特に異物が
混入した作動油を循環させると油圧機器の故障に直結す
るために、その早期発見は油圧機器の保護の観点から極
めて重要である。
【0008】なお、特開昭62−35245号公報に
は、作動油中の異物を光学センサによって検出すること
が提案されている。しかし、この従来技術では、作動油
の変質による劣化は検出し難い。
【0009】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、作動油の劣化を、早期にしかも
確実に検出できる油圧回路の作動油の劣化度検出装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、ポンプと、そのポンプによって作動
油タンクからの圧油を受け取る複数のアクチュエータと
を備えた油圧回路に設置した作動油の劣化度検出装置に
おいて、作動油中の異物の量を検出する含有異物量検出
手段と、上記作動油の粘度を検出する粘度検出手段と、
上記含有異物量検出手段からの信号に応じて作動油中の
含有異物量が予め設定された値より大きくなったことを
判定する第1の判定手段と、上記粘度検出手段からの信
号に応じて作動油の粘度が予め設定された範囲を外れた
かを判定する第2の判定手段を備えた構成としたことを
その特徴とするものである。
【0011】
【作用】作動油が劣化し、粘度が変化するということ
は、作動油の物質に作用するトルクをτ、粘度をμとす
ると、μ=aτ(aは定数)の関係から、トルクが変化
することを意味する。そこで、粘度検出手段によって粘
度を検出する。これによって、作動油そのものの変質に
よる劣化の進行度合を的確に把握することができる。粘
度検出手段により検出される粘度がある程度上昇または
低下して、上述のトルクが上昇または低下し、油圧機器
に損傷をきたすおそれがある程度まで作動油の粘度が変
化したことが、第2の判定手段によって判定されたとき
に作動油の交換を行なえばよい。
【0012】しかし、粘度が変化していなても、上記し
たように、作動油タンクの小さい隙間やエアフィルタ等
からの多量の異物混入により劣化する場合がある。含有
異物量検出手段が作動油の異物の量を検出し、第1の判
定手段によって作動油中の含有異物量が予め設定された
値より大きくなったたと判定されたときには、油圧機器
に損傷をきたすおそれがある程度まで作動油が汚染され
ていることになるので、作動油の交換を行なえばよい。
【0013】このように、粘度検出手段と含有異物量検
出手段の双方によって、作動油の劣化を早期にしかも確
実に検出することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0015】まず、図1に油圧回路の作動油の劣化度検
出装置の全体構成を示す。同図において、1は作動油タ
ンク、2は油圧ポンプ、3は油圧シリンダ、油圧モータ
等からなる油圧アクチュエータ、4は戻り配管をそれぞ
れ示し、これらによって油圧回路が構成される。油圧ポ
ンプ2を作動させると、作動油タンク1から作動油を吸
い込んで、この油圧ポンプ2により作動油が加圧され
て、この圧油が油圧アクチュエータ3を作動させる。そ
して、この油圧アクチュエータ3からの戻り油は戻り配
管4から作動油タンク1内に還流する。ここで、このよ
うにして循環使用される作動油は、油圧ポンプ2及び油
圧アクチュエータ3を通過する際に、作動油の標準的使
用温度での粘度が変化すると、これら各油圧機器を構成
する部材の相互間の摩擦が大きくなり、それによって発
生する金属、シール材の破損によるゴム等の摩耗粉が混
入する。また、作動油タンクの小さい隙間やエアフィル
タ等から混入することもある。このような異物は、その
大半が戻り配管4の途中に設けたフィルタ5に補足され
るが、微少なものはこのフィルタ5を通過することにな
り、前述したように作動油が汚染されて、油圧ポンプ
2、油圧アクチュエータ3、さらには管路の途中に設け
られるバルブ類その他の油圧機器の故障の原因となる。
【0016】そこで、この作動油の粘度の変化を検出す
るために、作動油タンクの下方位置に、粘度検出手段、
例えば回転式粘度センサ10が、また、作動油の汚染度
を検出するために含有異物量検出手段、例えば発光素子
11aと受光素子11bからなる光学センサ11が設け
られている。
【0017】ここで回転式粘度センサについてその構造
を図2により説明する。
【0018】同図2において、10aはトルクセンサ、
10bは内円筒、10cは外円筒、10dは定速モータ
を示す。図2において内経Aの外円筒10cと外経Bの
内円筒10bとを同軸とし、その間を作動油で満たす。
外円筒10cを、定速モータ10dにより一定角速度ω
で回転させると、作動油を介して内円筒10bが回転す
る。すなわち、内円筒にトルクτが働く。内円筒10b
の長さをlとすると、粘度μとトルクτの関係は、 μ={(a2 −b2 )/4πωla22}・τ…………(1) と比例関係で表される。
【0019】従って、この内円筒10bに働くトルクを
トルクセンサ10aで電圧信号に変換して、この検出信
号を図1に示す演算制御部12に伝送して、予め設定し
た劣化したと判断する粘度基準値と比較することによっ
て作動油の変質による劣化度を検出することができる。
すなわち、演算制御部12には、ボリューム等からな
る、粘度が低下したときの基準を決める基準値設定手段
13aと、粘度が高くなったときの基準を決める基準値
設定手段13bが付設されている。これらの基準値設定
手段13a及び13bには作動油中に油圧ポンプ2、油
圧アクチュエータ3等の油圧機器の作動に影響を与える
程度にまで、粘度が変化したときの粘度に相当する電圧
信号が設定されており、トルクセンサ10aから検出信
号が演算制御部12に取り込まれたときに、この検出信
号が演算制御部12に内蔵される第2の判定手段におい
て粘度基準値設定手段13a及び13bから出力される
粘度基準値の信号と比較され、作動油の粘度が予め設定
された範囲を外れたかどうか判定され、その判定により
作動油の変質による劣化度を検出することがおこなわれ
る。そして、作動油の劣化が検出されると、演算制御部
12に接続した適宜の表示またはアラーム等からなる交
換時期表示部14に作動油の交換指示が表示されるよう
になっている。なお、上述した演算制御部12には、第
2の判定手段による判定結果を記憶する記憶手段が含ま
れている。
【0020】次に光学センサについて、その測定原理を
説明する。
【0021】図1に示す発光素子11aと受光素子11
bとからなる光学センサ11において、発光素子11a
から所定の光量の光を受光素子11bに向けて照射する
と、作動油タンク1内の作動油を通過するが、その際に
作動油中に異物が含まれていると、光はこの異物に吸収
されたり、また反射したりして減衰する。そしてこの減
衰率は作動油中に含まれる異物の量に比例して低くな
る。
【0022】従って、この受光素子11bの受光量を電
圧信号に変換して、この検出信号を演算制御部12に伝
送して、予め設定した汚染基準値と比較することによっ
て作動油の異物混入による汚染度を検出する。このた
め、演算制御部12には、ボリューム等からなる汚染基
準値設定手段15が付設されている。この汚染基準値設
定手段15には作動油中に油圧ポンプ2、油圧アクチュ
エータ3等の油圧機器の作動に影響を与える程度まで汚
染されたときの受光量に相当する電圧信号が設定されて
おり、受光素子11bから検出信号が演算制御部12に
取り込まれたときに、この検出信号が演算制御部12に
内蔵される第1の判定手段において、汚染基準値設定手
段15から出力される汚染基準値の信号と比較され、作
動油中の含有異物量が予め設定された値より大きくなっ
たかどうか判定され、その判定の結果により作動油の異
物混入による汚染度が検出される。そして、作動油の汚
染が検出されると、演算制御部12に接続した適宜の表
示またはアラーム等からなる交換時期表示部14に作動
油の交換指示が表示されるようになっている。なお、上
述した演算制御部12には、第1の判定手段による判定
結果を記憶する記憶手段が含まれている。
【0023】ところで、油圧回路の作動中は作動油タン
ク1内の作動油が流動しており、作動油中に気泡が多く
含まれる、作動油の温度変化が激しい等種々の外乱条件
の影響で、検出されるトルクも、受光素子11bによる
受光量も安定しない。そこで、粘度の測定と汚染度の測
定を安定した条件下で正確に行なうために、測定を行な
う温度範囲を設定しておき、作動油が完全に静止状態と
なり、且つ設定温度範囲になったとき始めて測定を行な
うと都合が良い。このために、本実施例では例えばこの
測定条件が整っていないときには、粘度の測定を禁止す
る禁止手段を備えている。この禁止手段としては、演算
制御部12に接続したエンジン停止検出手段、例えばエ
ンジン回転検出手段16及びタイマ17及び作動油タン
ク内の液中に装着した作動油の温度を検出する温度検出
手段、例えば温度センサ18から構成される。温度セン
サ18は、図3に示すように、測定する温度が高くなる
ほどその信号出力レベルも大きくなる。図3で例示する
ように、粘度を測定するのに最適と思われる範囲するも
のとして、低温度レベル側基準値設定手段19aによっ
て低レベル側境界値Xを設定し、高温度レベル側基準値
設定手段19bによって高レベル側境界値Yを設定す
る。低温度及び高温度レベル基準値設定手段19a及び
19bは、ボリューム等で構成され、演算制御部12に
付設されている。X及びYはこれらにより変更すること
ができる。本実施例では、運転席等に測定開始スイッチ
20を設けてあり、この測定開始スイッチ20をONし
たときに、エンジン回転数検出手段16からの信号に基
づいて、エンジンが現在停止しており、しかもエンジン
停止後タイマ17によって設定された時間、例えば1時
間経過し、図3に示すように、温度センサの実測値Sが
X<S<Yであると演算制御部12の判定手段で判定さ
れたときに始めて粘度及び汚染度の測定を行うようにな
っている。
【0024】本実施例は以上のように構成されるもので
あって、油圧回路を作動させると、油圧ポンプ2、油圧
アクチュエータ3その他の油圧機器の作動により、作動
油温度が上昇し、作動油に混入されている酸化を抑制す
る酸化防止剤が消耗し、作動油が酸化する。酸化が進行
すると作動油が変質し、標準的使用温度において粘度が
増加し、キャビテーション等が発生して油圧機器を損傷
させる等の事態を発生させる。また、エアフィルタ等か
ら水分が混入した場合も混入の割合が大きくなると作動
油が変質し、標準的使用温度において粘度が低下し油圧
機器の摩耗が大きくなり、金属、ゴム等の摩耗粉等の異
物が発生し、この異物により油圧機器を損傷させる等の
事態を発生させる。この作動油の変質による粘度変化は
時間の経過と共に増すが、機器の動作条件、雨水の大量
混入等によって急激に変質し、粘度が大きく変化するこ
ともある。
【0025】ここで、作動油の粘度測定は前述した回転
式粘度センサ10により行われ、この回転式粘度センサ
10はトルクセンサ10aでトルクを測定し、このトル
クから粘度を測定する。即ち、前述した式(1)より粘
度μとトルクτとの関係は比例関係にあり、図4に示し
たようになる。そして、作動油の粘度が下限値LLより
低くなったり、上限値HLより高くなったりすると、油
圧回路を構成する各機器が損傷するおそれがある。そこ
で、安全を見込んで、これら下限値LLより高い下限値
LSと上限設定値HSとを設定しておく。ここで、下限
値LL、下限設定値LS、上限設定値HS、上限値HL
はトルクセンサ10aからの出力信号レベルの下限値L
1、下限設定値L2、上限設定値H2、上限値H1に相
当する。従って、図1に示す低トルク側基準値設定手段
13aにはL2を、また高トルク側基準値設定手段13
bにはH2を設定しておく。
【0026】また、粘度に変化はなくても、作動油タン
クの小さい隙間やエアフィルタ等から異物が混入し、作
動油を汚染することがある。この作動油の汚染は、時間
の経過と共に増すが、塵埃の多いところでの作業等、作
業環境によって急激に汚染度が増大することもある。こ
のような場合の為に前述のように光学センサ11を設け
てある。その発光素子11aを発光させて、作動油タン
ク1内の作動油中に光を照射して、受光素子11bによ
って受光させて、電気信号に変換したときに、信号出力
レベルは、図5に示したように、同じ作動油であれば、
汚染の度合いに応じて低下する。そこで、汚染基準値設
定手段15によって、それ以上作動油が汚染されると油
圧回路を構成する機器等の作動に影響が発生するおそれ
のある値Mより低い値を汚染基準値Nとして設定してお
く。
【0027】そこで、油圧回路を作動させて、所定の作
業を繰り返し行った後、適宜の機会に、まず、作動油の
汚染度の測定を行い、汚染度が設定値以下であれば、次
に作動油の粘度の測定を行う。これは、粘度測定を先に
してしまうと、粘度測定を行ったときに、測定部が直接
作動油に触れているため、作動油が流動してしまい、次
に行う汚染度の測定が正確に行えなくなるためである。
【0028】この測定は、運転席等に設けた測定開始ス
イッチ20を押すことにより実行される。即ち、図6に
示したように、測定開始スイッチ20がONすると、ま
ず測定条件が整っているか否かの判定が行われる。エン
ジンが作動している間は作動油は循環しているので、光
学センサ11は正確な汚染度の判定ができない。また、
回転式粘度センサ10も同様に正確な粘度の判定を行う
ことができない。それで、エンジン回転検出手段16か
らの信号に基づいてエンジンが作動中は測定不能とする
(ステップ1)。この状態のときには、交換時期表示部
14に測定不能である旨の指示を行う。また、エンジン
が停止している場合には、ステップ2において、タイマ
17で設定した時間だけ停止しているか否かの判定が行
われる。設定時間以上エンジンが停止していないと、作
動油タンク1内の作動油に気泡が生じているおそれがあ
り、この気泡によって光が減衰したり、正確なトルクが
測定できなかったりするので、測定誤差が発生する。従
って、エンジンの停止後設定時間である1時間経過前で
あれば、やはり測定不能である旨を交換時期表示部14
に表示する。なお、タイマ17はエンジンが停止する毎
にその計測値がクリアされるから、必ずしもタイマ17
からの信号と共にエンジン回転検出手段16からの信号
を演算制御部12に取り込まなくとも良い。また、エン
ジンが停止していて且つ設定時間以上停止している場合
には、ステップ3において、作動油タンク内の液中に装
着した温度センサ18からの信号出力レベルが、演算制
御部12に付設された測定温度レベル基準値設定手段1
9a及び19bによって設定された範囲内になっている
か否かの判定が行われる。即ち、温度センサ18が検出
温度に応じた電圧信号を演算制御部12に伝送する。そ
して、測定温度レベル基準値設定手段19a及び19b
から設定値を読み出して、ステップ4において、低温度
レベル側基準値設定手段19aで設定される低レベル側
境界値をX、高温度レベル基準値設定手段19bで設定
される高レベル側境界値をYとすると、実測値SがXよ
り大きく、Yより小さくなっていれば、作動油のトルク
測定及び汚染度測定が可能な状態となり、ステップ5で
示したように、まず汚染度の測定が実行される。即ち、
光学センサ11における発光素子11aが発光し、その
光が作動油の中を通って受光センサ11bにより受光さ
れ、電圧信号に変換される。この電圧信号は演算制御部
12に伝送されて、汚染基準値設定手段15から設定値
を読み出して、ステップ6に示すように、演算制御部1
2に含まれる第1の判定手段において、実測値Tと汚染
基準値Nとを比較して、実測値Tのレベルが汚染基準値
Nより低いかどうか判定され、低いと判定されたとき、
作動油を交換すべき旨の表示が交換時期表示部14に表
示される。第1の判定手段は、実則値Tが汚染基準値N
より高ければ、汚染されていないと判定して、次に作動
油のトルク測定を行うために、ステップ7に進む。即
ち、回転式粘度センサ11の定速モータ10dが回転
し、それにともなって外円筒10cが回転し、内円筒1
0bに働くトルクをトルクセンサ10aで電圧信号に変
換する。この電圧信号は、演算制御部12に伝送され
て、トルク基準値設定手段13a及び13bから設定値
を読み出して、ステップ8に示すように、演算制御部1
2に含まれる第2の判定手段において実測値Pのレベル
が低トルク側基準値L2より低いかどうか、または高ト
ルク側基準値H2より高いかどうか判定され、低トルク
側基準値L2より低いと判定されたとき、あるいは高ト
ルク側基準値H2より高いと判定されたとき、作動油を
交換すべき旨の指示が交換時期表示部14に表示される
(ステップ9)。また、第2の判定手段で実測値Pのレ
ベルが低トルク側基準値L2より高く、高トルク側基準
値H2より低いと判定された場合は、作動油がなお継続
して使用可能である旨の表示を行う。この表示に基づい
て早期に作動油の交換時期を知ることができる。
【0029】なお、上記実施例では、演算制御部12に
付設して、作動油中の粘度が低下したときの基準を決め
る基準値設定手段13a、作動油中の粘度が高くなった
ときの基準を決める基準値設定手段13b、作動油中の
異物の汚染基準量を設定する汚染基準値設定手段15、
粘度を測定するのに最適と思われる温度範囲を設定する
ものとして、低温度レベル側基準値設定手段19a、高
温度レベル側基準値設定手段19bを設けてあるが、こ
れらを演算制御部12内にプログラムとして設定するよ
うに構成してもよい。
【0030】なお、上記実施例では、作動油タンク1
に、粘度センサ10、温度センサ18、光学センサ11
を設けたが、例えば作動油タンク1とは別に作動油が導
かれる小室を形成し、この小室にこれらの粘度センサ1
0、温度センサ18、光学センサ11を設けるようにし
てもよい。
【0031】また、含有異物量検出手段として光学セン
サ11を設けたが、磁気センサ、超音波センサ等に変え
てもよい。
【0032】また、粘度検出手段として回転式粘度セン
サ10を設けたが、振動式の粘度センサや平行平板式の
粘度センサ等を設けるようにしてもよい。
【0033】また、上記実施例では、演算制御部12に
第1、第2の判定手段の判定結果を記憶させる記憶手段
を内臓させ、演算制御部12に交換時期表示部14を接
続した構成にしてあるが、本発明はこれに限らず、交換
時期表示部14を設けず、演算制御部12に記憶手段の
みを設け、必要に応じて記憶手段の記憶内容を取り出す
構成にしてもよく、また、演算制御部12に記憶手段を
設けず、交換時期表示部14のみを接続し、所定の表示
を行なわせる構成にしてもよい。
【0034】また、上記実施例では、交換時期表示部1
4を設けたが、この代わりに演算制御部12の記憶手段
で記憶された内容をプリントアウトするプリンター等の
出力装置や、音声によって記憶手段の記憶内容を報知す
る報知手段を設けてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、作動油
の粘度を検出する粘度検出手段と、作動油の含有異物量
を検出する含有異物量検出手段とを設け、粘度検出手段
では作動油の変質による劣化度を検出し、含有異物量検
出手段では、作動油の変質によらない外部から侵入した
異物を検出する構成とすることにより、運転時間による
管理よりも、作動油の劣化を早期に正確に検出でき、ま
た、従来の光学センサを設けただけの場合に比べて、よ
り確実に作動油の劣化を検出でき、劣化した作動油を交
換することによって、油圧回路を構成する各機器の損傷
を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧回路の作動油の劣化度検出装置の
一実施例を油圧回路に装着した状態を示す説明図であ
る。
【図2】図1に示す実施例に備えられ、作動油の劣化度
の検出を行うために用いられる回転式粘度センサの構成
説明図である。
【図3】図1に示す実施例に備えられる温度センサの検
出温度と粘度との関係を示す線図である。
【図4】図1に示す実施例に備えられる回転式粘度セン
サによる検出トルクとの関係を示す線図である。
【図5】作動油の汚染劣化度と光学センサの検出信号レ
ベルとの関係を示す線図である。
【図6】図1に示す演算制御部12で実施される作動油
の劣化度の測定行程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 作動油タンク 2 油圧ポンプ 3 油圧アクチュエータ 4 戻り配管 5 フィルタ 10 回転式粘度センサ(粘度検出手段) 10a トルクセンサ 10b 内円筒 10c 外円筒 10d 定速モータ 11 光学センサ(含有異物量検出手段) 11a 発光素子 11b 受光素子 12 演算制御部(第1の判定手段、第2の判定手段、
記憶手段) 13a 低粘度側基準値設定手段 13b 高粘度側基準値設定手段 14 交換時期表示部 15 汚染基準値設定手段 16 エンジン回転検出手段(エンジン停止検出手段) 17 タイマ 18 温度センサ(温度検出手段) 19a 低温度レベル側基準値設定手段 19b 高温度レベル側基準値設定手段 20 測定開始スイッチ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプと、そのポンプによって作動油タ
    ンクからの圧油を受け取る複数のアクチュエータとを備
    えた油圧回路に設置した作動油の劣化度検出装置におい
    て、作動油中の異物の量を検出する含有異物量検出手段
    と、上記作動油の粘度を検出する粘度検出手段と、上記
    含有異物量検出手段からの信号に応じて作動油中の含有
    異物量があらかじめ設定された値より大きくなったこと
    を判定する第1の判定手段と、上記粘度検出手段からの
    信号に応じて作動油の粘度が予め設定された範囲を外れ
    たかを判定する第2の判定手段を備えたことを特徴とす
    る油圧回路の作動油の劣化度検出装置。
  2. 【請求項2】 含有異物量検出手段が、光学センサから
    なることを特徴とする請求項1記載の油圧回路の作動油
    の劣化度検出装置。
  3. 【請求項3】 粘度検出手段が回転式粘度センサからな
    ることを特徴とする請求項1記載の油圧回路の作動油の
    劣化度検出装置。
  4. 【請求項4】 作動油の劣化度の測定が可能な状態とな
    るまでは、当該測定を禁止する禁止手段を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の油圧回路の作動油の劣化度検
    出装置。
  5. 【請求項5】 禁止手段が、作動油の温度を検出する温
    度検出手段と、エンジンが停止状態にあることを検出す
    るエンジン停止手段とを含むことを特徴とする請求項4
    に記載の油圧回路の作動油の劣化度検出装置。
  6. 【請求項6】 第1の判定手段、第2の判定手段の判定
    結果を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求
    項1記載の油圧回路の作動油の劣化度検出装置。
  7. 【請求項7】 第1の判定手段、第2の判定手段の判定
    結果を表示する表示手段を有することを特徴とする請求
    項1記載の油圧回路の作動油の劣化度検出装置。
  8. 【請求項8】 含有異物量検出手段による異物の量の検
    出後に、粘度検出手段による作動油の粘度を検出する手
    順を予め設定してあることを特徴とする請求項1記載の
    油圧回路の作動油の劣化度検出装置。
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