JPH06117309A - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JPH06117309A
JPH06117309A JP28671292A JP28671292A JPH06117309A JP H06117309 A JPH06117309 A JP H06117309A JP 28671292 A JP28671292 A JP 28671292A JP 28671292 A JP28671292 A JP 28671292A JP H06117309 A JPH06117309 A JP H06117309A
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fuel ratio
cylinder
cylinders
fuel
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Takahiro Kiyouzuka
隆博 京塚
Tetsushi Hosogai
徹志 細貝
Tadataka Kuroda
恭敬 黒田
Takanori Takahashi
孝典 高橋
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Denso Corp
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
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    • F02B75/22Multi-cylinder engines with cylinders in V, fan, or star arrangement

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は奇数個の気筒から排出される排気
ガスの集合部よりも下流側の排気通路に触媒コンバータ
が設置されたエンジンにおいて、排気性能を更に向上さ
せることを目的とする。 【構成】 V型に配置された第1、第2バンク2a,2
bにおける各気筒から排出される排気ガスの集合部より
も下流側における上流側通路6a,6bに、排気ガス浄
化用の前置触媒コンバータ8,8をそれぞれ設置する。
そして、例えば第1バンク2aにおける第5気筒#5に
対する空燃比を理論空燃比に設定すると共に、残る第
1、第3気筒#1,#3に対する空燃比を、第1気筒#
1に対しては理論空燃比よりも大きく設定し、第3気筒
#3に対しては理論空燃比よりも小さく設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はエンジンの空燃比制御
装置、具体的には奇数個の気筒からの排気ガスの集合部
よりも下流側の排気通路に、排気ガス浄化用の触媒コン
バータが設けられたエンジンの空燃比制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用などのエンジンにおいては、燃
焼後の排気ガス中に含まれる有害成分を減少させるため
に、上記有害成分のうち特に環境に対する影響の大きい
一酸化炭素(CO )、炭化水素(HC)及び窒素酸化物
(NOx)の3成分に優れた浄化特性を発揮する三元触
媒を用いた触媒コンバータを排気系に設置すると共に、
上記三元触媒の触媒作用が効率よく発揮されるように燃
焼室に供給される混合気の空燃比を所定の目標空燃比
(例えば、理論空燃比;空気/燃料=14.7)に維持
する空燃比制御を行うようにしたものがある。この空燃
比制御は、具体的には、上記触媒コンバータの上流側に
排気ガス成分濃度を検出する排気センサを設置し、この
排気センサの検出値が空燃比のリッチ状態(燃料が過濃
な状態)を示すときには燃料供給量を減量補正すると共
に、上記検出値が空燃比のリーン状態(燃料が希薄な状
態)を示すときには燃料供給量を増量補正することによ
り、燃焼室に供給される混合気の空燃比が上記目標空燃
比に収束するように行われる。
【0003】そして、近年においては、エンジンの排気
性能を更に向上させることを目的として触媒の所謂スト
レージ効果の利用が試みられており、例えば特公昭56
−17533号公報には、排気センサからの信号から求
めた空燃比のフィードバック制御信号を平均値がゼロの
高周波信号で変調して、例えば吸気通路に臨んで配設し
た燃料噴射弁からの燃料噴射量を上記高周波信号に応じ
て変動させることにより、エンジンの燃焼室に供給する
混合気の空燃比を目標空燃比(理論空燃比)を中心とし
て周期的に変動させる技術が開示されている。つまり、
燃焼室に供給される混合気の空燃比が理論空燃比よりも
リッチな場合は、燃焼後の排気ガスに含まれる未燃成分
が増加し、触媒コンバータ中の触媒に理論空燃比のとき
よりも余分に未燃成分が吸着される。一方、上記混合気
が理論空燃比よりもリーンな場合は、今度は燃焼後の排
気ガス中に含まれる残留酸素が増加し、上記触媒に理論
空燃比のときよりも酸素が余分に吸着される。したがっ
て、燃焼室に供給する混合気の空燃比を理論空燃比を中
心として変動させるようにすれば、触媒コンバータ中の
触媒に余分に吸着された未燃成分と酸素とが効率よく反
応して、触媒の温度が低く不活性なときにも良好な排気
浄化効率が得られることになるのである。
【0004】しかしながら、上記のように空燃比の変調
制御を行っても十分なストレージ効果が得られない場合
がある。つまり、冷間始動直後においては吸気管などの
壁面に燃料が付着し易いことから、例えばある気筒に対
して空燃比をリッチ状態にするべく燃料供給量を余分に
増量しても壁面付着によって燃焼室へ供給される燃料量
が実質的に少なくなり、逆に空燃比をリーン状態にする
べく燃料供給量を余分に減量しても壁面に付着した燃料
が気化することによって燃焼室へ供給される燃料量が実
質的に増加することになって空燃比が平均化されること
になる。したがって、当該気筒から排出される排気ガス
の組成も混合気の空燃比を反映して平均化されることに
なって、ストレージ効果が低下することになるのであ
る。
【0005】このような問題に対しては、特公昭52−
10703号公報には、空燃比がリッチ状態の混合気が
供給される気筒と、リーン状態の混合気が供給される気
筒とをエンジンに設けると共に、両者を交互に燃焼させ
るようにする技術が開示されており、これを利用して触
媒のストレージ効果を確保することが考えられる。
【0006】つまり、空燃比をリッチ状態に設定した気
筒からは未燃成分の比率が高い排気ガスが排出されると
共に、空燃比をリーン状態に設定した気筒からは残留酸
素量の比率が高い排気ガスが排出されることから、排気
通路に設置された触媒に対して未燃成分と残留酸素とが
交互に吸着することになって、確実なストレージ効果が
期待されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のエ
ンジンには、奇数個の気筒から排出される排気ガスの集
合部よりも下流側の排気通路に、各気筒に共通して触媒
コンバータを設置するようにしたものがあるが、そのよ
うなエンジンにおいては上記のように空燃比をリッチに
する気筒とリーンにする気筒とを固定すると、次のよう
な不都合が発生することになる。
【0008】つまり、例えば3気筒エンジンにおいて、
両端の第1、第3気筒にリッチな混合気を供給すると共
に、中間の第2気筒にリーンな混合気を供給したとす
る。そうすると、排気通路における触媒コンバータの直
上流側の排気ガスの平均的な組成比が、理論空燃比に対
応する組成比よりも酸素不足側(未燃成分の比率が大き
い状態)に偏ってしまい、触媒作用の低下によって排気
性能が却って悪化することになる。ここで、排気ガスの
組成比についても、上記のように排気ガスの組成比が理
論空燃比に対応する組成比よりも酸素不足状態のときを
空燃比と同様にリッチ状態といい、該組成比が酸化過剰
状態のときをリーン状態というものとする。
【0009】そこで、この発明は奇数個の気筒から排出
される排気ガスの集合部よりも下流側の排気通路に触媒
コンバータが設置されたエンジンにおける上記の問題に
対処するもので、排気性能を更に向上させることを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)に係るエンジンの空
燃比制御装置は、奇数個の気筒から排出される排気ガス
の集合部よりも下流側の排気通路に、排気ガス浄化用の
触媒コンバータが上記各気筒に共通して設けられたエン
ジンにおいて、上記奇数気筒における1つの気筒に対す
る空燃比を理論空燃比に設定すると共に、残る偶数気筒
に対する空燃比を、その半数に対しては理論空燃比より
も大きく設定し、残る半数に対しては理論空燃比よりも
小さく設定する空燃比設定手段を設けたことを特徴とす
る。
【0011】そして、本願の請求項2の発明(以下、第
2発明という)に係るエンジンの空燃比制御装置は、奇
数個の気筒から排出される排気ガスの集合部よりも下流
側の排気通路に、排気ガス浄化用の触媒コンバータが上
記各気筒に共通して設けられていると共に、上記各気筒
に供給される混合気の空燃比をフィードバック制御する
フィードバック手段が備えられたエンジンにおいて、上
記奇数気筒における1つの気筒に対する空燃比を理論空
燃比に設定すると共に、残る偶数気筒に対する空燃比
を、その半数に対しては理論空燃比よりも大きく設定
し、残る半数に対しては理論空燃比よりも小さく設定す
る空燃比設定手段を設けたことを特徴とする。
【0012】また、本願の請求項3の発明(以下、第3
発明という)に係るエンジンの空燃比制御装置は、V型
に配置された一対のバンクにそれぞれ3個の気筒が備え
られていると共に、各バンクにおける各気筒から排出さ
れる排気ガスの集合部よりも下流側の排気通路に、排気
ガス浄化用の触媒コンバータがそれぞれ設置されたV型
エンジンにおいて、上記各バンクにおける1つの気筒に
対する空燃比を理論空燃比に設定すると共に、残る2つ
の気筒に対する空燃比を、その一方に対しては理論空燃
比よりも大きく設定し、他方に対しては理論空燃比より
も小さく設定する空燃比設定手段を設けたことを特徴と
する。
【0013】
【作用】上記の構成によれば、次のような作用が得られ
る。
【0014】第1〜第3発明のいずれにおいても、触媒
コンバータを共通する奇数個の気筒のうちの1つの気筒
に対する空燃比を理論空燃比に設定すると共に、残る偶
数個の気筒に対する空燃比を、その半数に対しては理論
空燃比よりも大きく設定し、残る半数に対しては理論空
燃比よりも小さく設定しているので、触媒コンバータの
直上流における排気ガスの平均的な組成比がリッチ、リ
ーンのいずれの状態にも偏ることがなく、これにより触
媒のストレージ効果が確保されることになって排気性能
が向上することになる。
【0015】そして、第2発明によれば空燃比のフィー
ドバック制御を行うようにしたエンジンにおいて上記の
作用が得られることになる。
【0016】また、第3発明によれば各バンクに対応し
て触媒コンバータがそれぞれ設置されたV型エンジンに
おいて、各バンクごとに上記の作用が得られることにな
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明をV型6気筒エンジンに適用し
た実施例について説明する。
【0018】図1に示すように、エンジン1には各々3
個の気筒を有する第1、第2バンク2a,2bがV型に
配置されていると共に、図面上の上方に位置する第1バ
ンク2aに属する第1、第3、第5気筒#1,#3,#
5と、該第1バンク2aに並行して配置された第2バン
ク2bに属する第2、第4、第6気筒#2,#4,#6
とが、例えば第1気筒#1→第2気筒#2→第3気筒#
3→第4気筒#4→第5気筒#5→第6気筒#6という
順番に点火されるように点火順序が設定されている。つ
まり、第1バンク2aに属する第1、第3、第5気筒#
1,#3,#5と、第2バンク2bに属する第2、第
4、第6気筒#2,#4,#6とが交互に点火されるよ
うになっている。そして、これら第1、第2バンク2
a,2b間に配置されたサージタンク3に接続された6
本の独立吸気通路4…4が、それぞれ第1、第2バンク
2a,2bにおける各気筒に接続されていると共に、こ
れらの独立吸気通路4…4には燃料噴射弁5…5がそれ
ぞれ設置されている。
【0019】一方、このエンジン1の排気系は、上記第
1、第2バンク2a,2bからの排気ガスをそれぞれ集
合させて排出する一対の上流側通路6a,6bと、これ
らの上流側通路6a,6bが合流した下流側通路7とで
構成されており、上記上流側通路6a,6bには排気ガ
スを浄化する比較的小容量の前置触媒コンバータ8,8
がそれぞれ設置されていると共に、下流側通路7に大容
量のメイン触媒コンバータ9が設置されている。そし
て、各上流側排気通路6a,6bにおける前置触媒コン
バータ8,8の上流側には、排気ガス中の残存酸素濃度
を検出するO2センサ10,10がそれぞれ設置されて
いる。
【0020】さらに、このエンジン1には空燃比を制御
するコントロールユニット11が備えられており、この
コントロールユニット11は、上記サージタンク3の上
流側に配置されたエアフローセンサ12によって検出さ
れる吸入空気量信号と、エンジン回転センサ13によっ
て検出されるエンジン回転数信号と、エンジン1に取り
付けられたクランク角センサ14によって検出される気
筒識別信号と、水温センサ15によって検出される水温
信号と、各上流側通路6a,6bに設置されたO2セン
サ10,10によってそれぞれ検出される空燃比信号と
を入力して、これらの信号に基づいて燃料噴射弁5…5
から噴射される燃料噴射量を調整することにより、エン
ジン1に供給される混合気の空燃比を制御する。なお、
このコントロールユニット11は、第1、第2バンク2
a,2bごとに独立した空燃比制御を行うようになって
おり、例えば第1バンク2aに対する空燃比制御は図2
のフローチャートに従って次のように行われることにな
る。
【0021】つまり、コントロールユニット11はステ
ップS1で各種信号を読み込んだ上で、ステップS2を
実行して吸入空気量Qとエンジン回転数Neとに基づい
て1サイクルあたりの吸入空気量を演算して、理論空燃
比が実現されるように基本噴射パルス幅Tpを演算す
る。そして、ステップS3を実行してエンジン始動後か
ら設定時間to(例えば3分)が経過したか否かを判定
する。この設定時間toは前置触媒コンバータ8が暖機
完了するのに十分な時間に設定されている。
【0022】コントロールユニット11は、上記ステッ
プS3において設定時間toが経過していないと判定し
たときには、ステップS4に進んで気筒識別信号に基づ
いて第1気筒#1が吸気行程か否かを判定して、YES
と判定するとステップS5で気筒別補正係数Cclとし
て所定のリッチ定数Cr(>0)をセットする。一方、
上記ステップS4においてNOと判定したときには、ス
テップS6に移って第3気筒#3が吸気行程か否かを判
定し、YESと判定したときにはステップS7を実行し
て気筒別補正係数Cclとして所定のリーン定数Cl
(<0)をセットすると共に、NOと判定したときには
ステップS8に移って上記気筒別補正係数Cclに0を
セットする。
【0023】次いで、コントロールユニット11はステ
ップS9を実行して空燃比のフィードバック条件が成立
しているか否かを判定する。コントロールユニット11
は、例えばエンジン回転数Neとエンジン負荷を代表す
る基本噴射パルス幅Tpとが示す現実の運転状態が、図
3に示すように低回転低負荷側に設定された所定のフィ
ードバック領域に属すると共に、水温信号が示すエンジ
ン水温が所定値(例えば60℃)以上であると判定した
ときにフィードバック条件が成立したと判定するように
なっている。
【0024】コントロールユニット11は、フィードバ
ック条件が成立したと判定すると、ステップS10を実
行してフィードバック補正係数Cfbを算出する。つま
り、コントロールユニット11はO2センサ10からの
空燃比信号が、空燃比のリッチ状態を示すときには燃料
が減量するようにフィードバック補正係数Cfbを設定
する一方、上記空燃比信号がリーン状態を示すときには
燃料が増量するようにフィードバック補正係数Cfbを
設定することになる。
【0025】また、コントロールユニット11は、上記
ステップS9においてフィードバック条件が成立してな
いと判定すると、ステップS11に分岐してフィードバ
ック補正係数Cfbに0をセットする。
【0026】次に、コントロールユニット11はステッ
プS12に進んで、例えば水温信号が示すエンジン水温
に基づいて暖機増量補正係数Cxなどを算出した上で、
ステップS13を実行することににより次の関係式を
用いて最終噴射パルス幅Tiを演算する。
【0027】 Ti=Tp(1+Ccl+Cfb+Cx+……)+Tv … なお、Tvは燃料噴射弁5…5の動作遅れを考慮した無
効噴射時間を示している。
【0028】ここで気筒別補正係数Cclとフィードバ
ック補正係数Cfbとの関係を説明すると、第1気筒用
のリッチ定数Crはフィードバック補正係数Cfbの取
り得る最大値(>0)よりも大きく設定されていると共
に、第3気筒用のリーン定数Clはフィードバック補正
係数Cfbの取り得る最小値(<0)よりも小さく設定
されている。したがって、第1気筒#1に対しては空燃
比が理論空燃比よりもリッチ状態となるように最終噴射
パルス幅Tiが設定され、また第3気筒#3に対しては
空燃比が理論空燃比よりもリーン状態になるように最終
噴射パルス幅Tiが設定されることになる。そして、気
筒別補正係数Cclの値が0とされる第5気筒#5に対
しては、理論空燃比が得られるような最終噴射パルス幅
Tiが設定されることになる。
【0029】そして、コントロールユニット11はステ
ップS14を実行して、上記最終噴射パルス幅Tiに応
じた駆動信号を、気筒識別信号に同期して第1バンク2
aにおける燃料噴射弁5…5にそれぞれ出力する。
【0030】次に、実施例の作用を説明する。
【0031】すなわち、エンジン1の始動直後において
は、第1バンク2aにおける第1気筒#1に対する気筒
別補正係数Cclの値がリッチ定数Crとされ、また第
3気筒#3に対する気筒別補正係数Cclの値がリーン
定数Clとされる。したがって、第1気筒#1における
空燃比は、図4(a)に示すように、理論空燃比よりも
常にリッチ状態となり、それに伴って該第1気筒#1か
ら排出される燃焼後の排気ガスは未燃成分が多いリッチ
状態となる。また、第3気筒#3における空燃比は、同
図(b)に示すように、理論空燃比よりもリーン状態と
なり、それに伴って該第3気筒#3から排出される燃焼
後の排気ガスは未燃成分が少ないリーン状態となる。そ
して、残る第5気筒#5における空燃比は、同図(c)
に示すように理論空燃比に維持されることから、該第5
気筒#5から排出される排気ガスの組成も理論空燃比を
反映したものとなる。その場合に、第1バンク2aにお
いては、第1気筒#1→第3気筒#3→第5気筒#5と
いう順序で点火されることから、第1バンク2aからの
上流側排気通路6aにおける前置触媒コンバータ8の上
流側の排気ガスの組成は、理論空燃比よりもリッチな状
態、理論空燃比よりもリーンな状態、理論空燃比を反映
する状態と変化し、該触媒コンバータ8に対して未燃成
分と酸素とが交互に供給されることになる。その際、第
5気筒#5からの排気ガスの組成比が理論空燃比を反映
することから、排気ガスの平均的な組成比がリッチ、リ
ーンのいずれの状態に偏ることがなく、これにより触媒
温度が低い始動直後においてもストレージ効果によって
排気ガスが効果的に浄化されることになる。
【0032】そして、エンジン1の始動後に設定時間t
oが経過した後には、第1、第3気筒#1,#3に対す
る気筒別補正係数Cclも0にセットされることから、
これら第1、第3気筒#1,#3に対する混合気の空燃
比も理論空燃比に制御されることになり、活性状態の前
置触媒コンバータ8によって排気ガスが更に効果的に浄
化されることになる。
【0033】なお、触媒温度を直に検出することによ
り、第1、第3気筒#1,#3に対する空燃比の設定状
態を変更するようにしてもよい。
【0034】また、第2バンク2bに対する空燃比制御
も図2におけるフローチャートと同様に行われるように
なっており、その際にエンジン1の始動後に設定時間t
oが経過するまでは、第2気筒#2に対しては空燃比が
理論空燃比よりもリッチに、第4気筒#4に対しては空
燃比が理論空燃比よりもリーンに、そして第6気筒#6
に対しては空燃比が理論空燃比となるように気筒別補正
係数Cclが設定されることになる。
【0035】もちろん、3気筒エンジンや5気筒エンジ
ンなどにおいても、奇数個の気筒に対して1個の触媒コ
ンバータが設置される場合には本発明を適用することが
できる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、エンジン
における触媒コンバータを共通する奇数個の気筒のうち
の1つの気筒に対する空燃比を理論空燃比に設定すると
共に、残る偶数個の気筒に対する空燃比を、その半数に
対しては理論空燃比よりも大きく設定し、残る半数に対
しては理論空燃比よりも小さく設定しているので、触媒
コンバータの直上流における排気ガスの平均的な組成比
がリッチ、リーンのいずれの状態にも偏ることがなく、
これにより触媒のストレージ効果が確保されることにな
って排気性能が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したV型6気筒エンジンのシス
テム構成図である。
【図2】 第1バンクに対する空燃比制御を示すフロー
チャート図である。
【図3】 空燃比のフィードバック領域を示す運転領域
図である。
【図4】 実施例の作用を示すタイムチャート図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2a 第1バンク 2b 第2バンク 5 燃料噴射弁 6a 上流側排気通路 6b 上流側排気通路 8 前置触媒コンバータ 10 O2センサ 11 コントロールユニット #1 第1気筒 #2 第2気筒 #3 第3気筒 #4 第4気筒 #5 第5気筒 #6 第6気筒
フロントページの続き (72)発明者 黒田 恭敬 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 高橋 孝典 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 奇数個の気筒から排出される排気ガスの
    集合部よりも下流側の排気通路に、排気ガス浄化用の触
    媒コンバータが設けられたエンジンの空燃比制御装置で
    あって、上記奇数個の気筒のうちの1つの気筒に対する
    空燃比を理論空燃比に設定すると共に、残る偶数個の気
    筒に対する空燃比を、その半数に対しては理論空燃比よ
    りも大きく設定し、残る半数に対しては理論空燃比より
    も小さく設定する空燃比設定手段が設けられていること
    を特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 奇数個の気筒から排出される排気ガスの
    集合部よりも下流側の排気通路に、排気ガス浄化用の触
    媒コンバータが設けられていると共に、上記各気筒に供
    給される混合気の空燃比をフィードバック制御するフィ
    ードバック手段が備えられたエンジンの空燃比制御装置
    であって、上記奇数個の気筒のうちの1つの気筒に対す
    る空燃比を理論空燃比に設定すると共に、残る偶数個の
    気筒に対する空燃比を、その半数に対しては理論空燃比
    よりも大きく設定し、残る半数に対しては理論空燃比よ
    りも小さく設定する空燃比設定手段が設けられているこ
    とを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 V型に配置された一対のバンクにそれぞ
    れ3個の気筒が備えられていると共に、各バンクにおけ
    る各気筒から排出される排気ガスの集合部よりも下流側
    の排気通路に、排気ガス浄化用の触媒コンバータがそれ
    ぞれ設置されたV型エンジンの空燃比制御装置であっ
    て、上記各バンクのうちの1つの気筒に対する空燃比を
    理論空燃比に設定すると共に、残る2つの気筒に対する
    空燃比を、その一方に対しては理論空燃比よりも大きく
    設定し、他方に対しては理論空燃比よりも小さく設定す
    る空燃比設定手段が設けられていることを特徴とするエ
    ンジンの空燃比制御装置。
JP28671292A 1992-09-30 1992-09-30 エンジンの空燃比制御装置 Expired - Lifetime JP3159546B2 (ja)

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