JPH06116793A - 電着塗装方法 - Google Patents

電着塗装方法

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JPH06116793A
JPH06116793A JP28953592A JP28953592A JPH06116793A JP H06116793 A JPH06116793 A JP H06116793A JP 28953592 A JP28953592 A JP 28953592A JP 28953592 A JP28953592 A JP 28953592A JP H06116793 A JPH06116793 A JP H06116793A
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JP
Japan
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coated
electrodes
electrodeposition
objects
electrodeposition tank
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JP28953592A
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Hisao Takai
久雄 高井
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電着塗装方法において、通電を開始する場所に
おいて被塗装物に電流が集中するために発生する塗膜不
良を防止すること。 【構成】複数個に分割された一対の電極を配設した電着
槽を用い、被塗装物の複数個を電着槽に順次浸漬し、電
着槽中の対向する一対の電極間を間欠的または連続的に
移動させながら、前記分割した電極のうち浸漬側の電圧
を取り出し側の電圧より小さくして通電せしめ被塗装物
の両面に塗膜を形成させた後、被塗装物を順次取り出す
電着塗装方法。 【効果】本発明によれば、電着塗装時の異常析出および
小径スルーホールのつまりの発生並びに塗膜の肌荒れお
よび塗膜厚のバラツキ等を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電着塗装方法、特に良
質な電着塗膜を効率よく析出させ、電着塗膜の生産性を
向上させた電着塗装方法に関するものである。この電着
塗装方法は、特にプリント配線板等の板状の被塗装物上
に感光性レジスト膜を形成する場合に好適である。
【0002】
【従来の技術】電気製品、電子機器の小型化・高性能化
に伴い、プリント配線板の配線パターンは年々、細密化
・高密度化してきている。一方、プリント配線板の製造
工程も年々、自動化が進んでいる。プリント基板にレジ
スト膜を形成させる場合、現在主流となっている感光性
フィルムを積層する方法ではファインパターンの形成に
は限界があることが知られている。そこで新たな方法と
して電着塗装により感光性レジスト膜を形成する方法が
開発・実用化された。
【0003】しかし、現在実用化されている電着塗装方
法は、図5に示すように被塗装物3の主面とその対極と
なる一対の電極2は平行関係で行うもので、そのため1
枚または複数枚の被塗装物を治具にて一平面状に保持
(以下「一平面掛け」と称する。)させた治具1個分の
被塗装物しか一度に電着槽に浸漬することができない。
このため被塗装物の単位面積当たりの電着液量が多くな
り不経済であるばかりでなく、1ターンオーバーの時間
が長くなり、電着液が劣化し、良質な電着塗膜を得るこ
とができなくなる。
【0004】また、生産能力を上げるためには電着槽の
数を多くするか、もしくは一平面掛けの面積を大きくし
て一度に多くの被塗装物を掛けられるように電着槽を大
きくするしかなく、電着液が多くなり液管理が難しくな
るばかりでなく、設備費用も大幅に増えるが、このよう
にしても生産能力の向上には限界があった。
【0005】そこで、新たな電着塗装装置が提案された
(特開平1−172595号)。この発明は、被塗装物
の主面とその対極となる一対の電極は垂直関係にあり、
そのため電着槽一槽に、主面が平行に配列された板状の
被塗装物を複数枚同時に浸漬し電着することができるも
のである。
【0006】しかし、この発明には次のような欠点があ
った。即ちこの方法では、図6に示すように板状の被塗
装物を複数枚同時に搬送する手段としてかご状の治具1
3を使用するが、かご状の治具は未反応の電着液の付着
量が多く、電着槽からの持ち出し量が多くなり不経済で
あるばかりでなく、液だれの原因となり、その固着物が
電着液に再混入する恐れがあった。また水洗効率の低下
を招き易く、主面が平行に配列された板状の被塗装物を
複数枚同時に水切りすることは難しく、乾燥も不完全に
なり易かった。更にこの発明では、生産能力を上げるた
めに同時に浸漬する板状の被塗装物の枚数を増加してい
けば、電着槽だけではなく水洗槽等も大きくする必要が
あり、また治具の構造からも同時に浸漬する枚数には限
度があり、従って生産能力の向上には限界があった。
【0007】これらの問題を解決するため、本発明者等
は、既に新たな電着塗装方法を提案した(特願平4−1
73762号)。この発明は図7に示すように被塗装物
の主面とその対極となる一対の電極を垂直関係になるよ
うに配設した電着槽を用い、被塗装物の主面が対向する
電着槽の一方の側(以下「前側壁の近傍」と称する。)
から、複数個の被塗装物を順次浸漬し、電着槽中の対向
する一対の電極間を間欠的または連続的に移動させなが
ら被塗装物の表面に塗膜を形成させた後、被塗装物の主
面と向き合う電着槽の他方の側(以下「後側壁の近傍」
と称する。)から、被塗装物を順次取り出すようにした
もので、生産性がよく、製造コストの安い、しかも、良
質かつ均一な電着塗膜を提供することができる。
【0008】即ち、この方法によれば、単位面積当たり
の電着液量が少なく、電着槽より持ち出す電着液量も少
なくできるから製造コストが安くなる。また電着液の1
ターンオーバー時間が短くなり、被塗装物を順次取り出
すから、後工程の水洗、水切りおよび乾燥が効率良くで
き、かつ電着槽に浸漬する枚数もより多くできるため、
生産性が著しく向上し、現像・エッチング装置等の処理
スピードにも追従でき、これらの装置と連続自動化も可
能となる。更に液だれによる電着液の汚れも少なくなる
ので、良質な電着塗膜を得ることができる。
【0009】しかし、この方法には、次の欠点があるこ
とがわかった。即ち、被塗装物の主面とその対極となる
一対の電極が垂直関係になるように配設されているた
め、電着槽に浸漬され通電される被塗装物の側端部と、
電極との距離はすべて等しくなる。従って、通電を開始
する場所における被塗装物は塗膜が形成されていない
分、既に長時間通電された場所における被塗装物に比し
て電気抵抗が小さく、これにより電極からの電流は、通
電を開始する場所における被塗装物に集中することにな
る。その結果、異常析出および小径スルーホールのつま
りの発生、並びに塗膜の肌荒れおよび塗膜厚のバラツキ
を招き易くなる。また、銅の溶出も多くなり、電着液の
劣化が早くなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な実状に鑑みてなされたものであり、その解決しようと
する課題は、被塗装物の主面とその対極となる一対の電
極を垂直関係になるように配設した電着槽を用い、被塗
装物の複数個を電着槽に順次浸漬し、電着槽中の対向す
る一対の電極間を間欠的または連続的に移動させながら
被塗装物の両面に塗膜を形成させた後、被塗装物を順次
取り出す前記電着塗装方法における次の点である。即
ち、通電を開始する場所における被塗装物に電流が集中
するために、異常析出および小径スルーホールのつまり
の発生並びに塗膜の肌荒れおよび塗膜厚のバラツキを招
き易く、また銅の溶出も多くなり、電着液の劣化が早く
なる点。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、電着槽に配設
する被塗装物の対極となる一対の電極として、該被塗装
物の主面および電着槽の底面の双方に対して垂直関係に
位置し、かつ複数個に分割した電極を用い、該電極と該
被塗装物との間の電位差(以下「電極の電圧」と称す
る。)を浸漬側が取り出し側より小さくすることにより
上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0012】即ち本発明は、板状被塗装物の主面および
電着槽の底面の双方に対して垂直関係に位置し、かつ複
数個に分割された一対の電極を、被塗装物の対極として
配設した電着槽を用い、電着槽の前側壁の近傍から、複
数個の被塗装物を順次電着液に浸漬し、各被塗装物の主
面が平行に配列されるように間隔をあけて、電着槽中の
対向する一対の電極間を間欠的または連続的に移動させ
ながら、前記一対の分割された電極のうち浸漬側に位置
する電極と被塗装物間の電位差を、取り出し側に位置す
る電極と被塗装物間の電位差より小さくして通電せし
め、各被塗装物の両面に塗膜を形成せしめた後、電着槽
の後側壁の近傍から被塗装物を順次取り出すことを特徴
とする電着塗装方法である。
【0013】本発明を図面を用いて詳しく説明する。図
1および図2に示すように箱型に形成された電着槽1
に、電着液6が一定量貯留されており、均一な液組成を
保つため外部循環ポンプ8で緩やかに攪拌されている。
電着槽には被塗装物の対極となる一対の電極2が、被塗
装物の主面および電着槽の底面の双方に対して垂直関係
になるように位置し、かつ複数個に分割(図1では2分
割2a、2b)されて、電着槽の被塗装物の主面と向き
合わない内壁(以下「横側壁」と称する。)に沿って配
設されている。また該分割された電極(図1では2a、
2b)には、それぞれ独立した直流電源装置7(図1で
は7a、7b)が接続され、浸漬側にある直流電源装置
(図1では7a)の電圧が取り出し側にある直流電源装
置(図1では7b)の電圧より低く設定されている。
【0014】自動もしくは手動で前処理より移送されて
きた被塗装物Aを、電着槽の前側壁4の近傍にて、被塗
装物の主面と電極が垂直関係になるように電着液に浸漬
する。この際、被塗装物の側端部と電極との距離は両側
とも等しくさせることが望ましい。続いて被塗装物Aを
直流電源供給装置7(図1では7a)に接続し、被塗装
物Aに通電し、被塗装物Aに塗膜を形成させる。この場
合、浸漬と同時に被塗装物に通電するよりも少し時間を
おいて被塗装物を電着液になじませる方が好ましい。ま
た、次の被塗装物Bが前処理より移送されて電着槽の前
側壁の近傍に浸漬されるまでに、被塗装物Aを後側壁に
向かって1間隔分、電着槽中を間欠的または連続的に移
動させる。この際、被塗装物は前記一対の電極の中央を
移動させることが望ましい。
【0015】引き続いて、被塗装物Bの主面と被塗装物
Aの主面が1間隔分隔てて平行に配列されるように、被
塗装物Bを電着槽に浸漬した後、通電(図1ではBは7
a、Aは7bによって通電)し、塗膜を形成させる。ま
た、次の被塗装物Cが電着槽の前側壁の近傍に浸漬され
るまでに、被塗装物AおよびBを取り出し側に向かって
1間隔分、電着槽中の対向する電極間を間欠的または連
続的に移動させる。同様にして、被塗装物Cを電着槽に
浸漬した後、通電(図1ではCは7a、AおよびBは7
bによって通電)し、塗膜を形成させる。また、次の被
塗装物Dが浸漬されるまでに、被塗装物A、BおよびC
を取り出し側に向かって1間隔分、電着槽中の対向する
電極間を間欠的または連続的に移動させる。
【0016】以上をくり返して、被塗装物を電着槽に順
次浸漬し、電着槽中の対向する一対の電極間を間欠的ま
たは連続的に移動させながら、通電して電着槽の被塗装
物が後側壁の近傍に至るまでに、被塗装物の表面に所定
の厚みの塗膜を形成させ、所定の厚みの塗膜が形成され
た被塗装物Aを電着槽の後側壁の近傍から取り出し、後
処理へ移送する。同様にして、被塗装物B、C…を電着
槽の後側壁の近傍から順次取り出し、後処理へ移送す
る。なお電着塗膜の再溶解を防ぐために被塗装物は通電
終了後、速やかに電着槽から取り出すことが好ましい。
【0017】この様にして、前処理より移送されてきた
複数個の被塗装物を、電着槽の前側壁の近傍から順次浸
漬し、各被塗装物の主面が平行に配列されるように電着
槽中の対向する電極間を間欠的または連続的に移動させ
ながら、通電して各被塗装物の両面に所定の厚みの塗膜
を形成させた後、電着槽の後側壁の近傍から被塗装物を
順次取り出し、後処理へ移送する。
【0018】上記各被塗装物間の間隔は20mm以上あけ
ることが好ましく、30mm以上あけることがより好まし
い。20mm未満では塗膜厚の均一性が保たれない恐れが
あり、また必要以上に大きくすることは単位面積当たり
の電着液量が多くなり好ましくない。
【0019】本発明における電極の分割数および分割位
置は図1に示すように、通電を開始する場所の被塗装物
1枚に対応する電極およびそれ以外の被塗装物複数枚に
対応する電極の2分割とすることが好ましい。すなわ
ち、通電を開始する場所における被塗装物に特に電流が
集中するので、該場所の被塗装物1枚が単独の直流電源
供給装置によって通電されるようにすると効果が大きく
なる。反対に分割数を3以上に増やしても、製造コスト
が高くなる割には効果は上がらない。
【0020】上記電極を2分割した場合には、通電を開
始する場所における被塗装物1枚に対応する直流電源供
給装置(図1では7a)の電圧は、それ以外の被塗装物
複数枚に通電する直流電源供給装置(図1では7b)の
電圧の1/2〜1/8にするのが好ましく、1/3〜1
/6にするのがより好ましい。1/2より大きくすると
電流の集中を防ぐ効果が乏しくなり、1/8より小さく
すると電着時間が長くなりすぎて好ましくない。電極を
3以上に分割した場合は、通電を開始する場所における
電極の電圧を、通電を終了する場所における電極の電圧
の1/2〜1/8とし、その間の電極の電圧はこの間の
値で取り出し側に向かうに従って漸次増加させていくこ
とが好ましい。
【0021】上記被塗装物を間欠的または連続的に移動
させる時に、被塗装物に間欠的または連続的に、好まし
くは間欠的に衝撃または振動を与えると、孔内壁、凹凸
面にも均一な塗膜を得ることができ好ましい。特にスル
ーホールを有するプリント基板のスルーホール内壁およ
びエッジ部の電着に有効である。
【0022】上記被塗装物は治具にて一平面掛けたもの
を用いることが好ましい。生産性を更に向上させるた
め、かご型の治具に複数個の被塗装物を設置することも
可能ではあるが、液だれの原因となり、また水切りも不
完全になるので好ましくない。その場合は、むしろ被塗
装物を一平面掛けした治具を複数枚同時に搬送する方が
良い。一平面掛けは、治具の構造が簡単で液だれを最小
限に抑えることができる。また、水切りも完全に行うこ
とができる。更に、電着槽以外の水洗槽等を大きくする
必要がないので、装置をコンパクトにでき経済的であ
る。
【0023】本発明の電着塗装方法は、アニオン電着法
にもカチオン電着法にも適用できる。また電着液として
はネガ型電着レジスト液もポジ型電着レジスト液も使用
できる。
【0024】
【作用】本発明によれば、被塗装物の対極となる電極
は、複数個に分割されており、該分割された電極のうち
浸漬側に位置する電極の電圧は、取り出し側に位置する
電極の電圧より小さくしたため、従来の分割をしない電
極を用いる方法に比べ、通電を開始する場所における被
塗装物への電流の集中を防ぐことができるので、より品
質の良い塗膜を形成させることができる。またそれぞれ
の電極が接続された直流電源装置の電圧を任意に設定す
ることができるので、木目細かい電流値の制御も容易に
なる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明を詳しく説明
する。 実施例1 図1および図2に示すように箱型に形成され、オーバー
フロー構造を有する電着槽1に、電着液6(ネガ型電着
レジスト液;東亞合成化学工業(株)製フォトイマージ
ュED)を一定量貯留し、均一な液組成を保つため外部
循環ポンプ8にて緩やかに攪拌した。該電着槽には被塗
装物3の対極となる一対の電極2を、被塗装物の主面お
よび電着槽の底面の双方に対して垂直関係になるように
し、かつ該電極を通電を開始する場所における被塗装物
に対応する電極と、それ以外の複数個の被塗装物に対応
する電極の2分割(2a、2b)して、隔膜(図示せ
ず)を介して電着槽の両横側壁の内面に沿って配設し
た。また2分割された電極2a、2bには、それぞれ独
立した直流電源装置7a、7bを接続した。なお、本装
置には電着液を回収するため、UF(ウルトラフィルト
レーション)装置(図示せず)が配設されている。
【0026】図3に示すように治具10に取りつけられ
た吊り下げ兼給電用クリップ11にて被塗装物3(パネ
ルめっきを施されたスルーホールを有するプリント基
板)を1枚、治具に吊り下げ、キャリヤ(図示せず)に
掛けた後、前処理装置にて表面処理および水洗を行い、
電着槽に移送した。前処理より移送されてきた複数の被
塗装物を電着槽の前側壁の近傍にて、その主面が対極と
なる一対の電極双方に対して垂直で、かつ被塗装物の側
端部と両電極間の距離が80mmとなるように順次浸漬し
た。各被塗装物の主面が平行に配列されるように1間隔
分50mmづつ、電着槽の後側壁の近傍に至るまで間欠的
に移動させつつ通電し、被塗装物の両面に所定の厚みの
塗膜を形成させた。この際、被塗装物は前記一対の電極
の中央を移動させた。電着槽の後側壁の近傍から被塗装
物を順次取り出し、後処理装置へ移送し、水洗、水切
り、乾燥を行った。得られたプリント基板の電着塗膜
は、スルーホール内壁およびエッジ部も含め、良質かつ
均一なものであった。
【0027】図4を用いて電着時の工程を更に詳しく説
明する。図4に示すように、BおよびC〜G点で、治具
に通電できるような電源供給装置7aおよび7bを設け
た。被塗装物を電着槽の前側壁の近傍Aに浸漬した。A
では通電せず、被塗装物を電着液になじませるだけとし
た。この間、B〜Gの被塗装物に30秒間、定電圧法に
て通電し塗膜を形成した。この際、Bの被塗装物と電極
間の電圧は50V、C〜Gの被塗装物と電極間の電圧は
200Vとした。次に電源を切り、A〜Gの被塗装物を
0.1秒間(1.5G相当)でB〜Hの位置に50mmづ
つ移動させ、スルーホール内の脱泡および液替えを行っ
た。後側壁の近傍Hに移動した被塗装物は、すみやかに
後処理装置へ移送した。該被塗装物はB〜Gの6カ所で
30秒間づつ、延べ180秒間電着され、所定の塗膜が
形成された。B〜Gに移動した被塗装物に再び通電し
た。
【0028】この様にして、ほぼ30秒に1枚の割で浸
漬および取り出しを繰り返し電着を行った。得られた塗
膜の性能等の評価結果を表1に示した。なお、今回はB
〜Gの6箇所で電着したが、更に電着箇所を増やせばタ
クト時間は、さらに短縮可能である。例えば、電着箇所
を12箇所にすれば、15秒タクトも可能であった。
【0029】比較例1 図7に示すような分割されていない電極を被塗装物の主
面と垂直関係になるように配設された電着槽を用いた以
外は、実施例1と同じ条件で電着塗膜を形成させた。電
極と被塗装物には200Vの電圧を加えた。得られた塗
膜の性能等の評価結果を表1に示した。塗膜性能は、電
着槽のpHを厳密に管理すれば実施例1と極端な差は現
れなかったが、浴管理を怠ると塗膜の品質に大きく影響
を及ぼし、浴管理幅が狭いことがわかった。
【0030】なお、実施例1および比較例1で得られた
電着塗膜の性能等は次の方法で評価した。異常析出およ
び小径スルーホールのつまりは目視で観察した。塗膜表
面の平滑性および塗膜厚の均一性は、実施例および比較
例で得られた塗膜をそれぞれ光沢計および膜厚計で測定
し、両者の値を比較した。また銅の溶出は、得られた塗
膜中の銅イオンの量の測定値とした。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、被塗装物が一度に多く
電着でき、かつ単位面積当たりの電着液量が少なく、ま
た電着槽より持ち出す電着液量が少ないという効果を有
する。更に本発明の電着塗装方法によれば、通電を開始
する場所における被塗装物に電流が集中しないため、塗
膜厚のバラツキ、ピンホールの発生および塗膜の肌荒れ
を防止することができ、より品質の良い塗膜を形成させ
ることができる。また銅の溶出も少なくなり電着液の劣
化を防ぐことができるので、電着液の寿命を長くするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電着塗装方法で使用する装置の一例の
概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明の電着塗装方法で使用する装置の一例の
概略構成を示す側面の概略断面図である。
【図3】本発明の実施例および比較例で使用した治具の
概略図である。
【図4】本発明の実施例1の工程を説明するための概略
図である。
【図5】被塗装物の主面とその対極となる電極が平行関
係にある、従来の電着塗装装置の概略を示す平面図であ
る。
【図6】被塗装物を複数枚一度に浸漬、電着、取り出す
方式の、従来の電着塗装装置の概略を示す平面図であ
る。
【図7】被塗装物の主面と電極を垂直関係に配設し、被
塗装物を電着槽に順次浸漬し、電着槽中を移動させて電
着し、順次取り出す方式の、従来の電着塗装装置の概略
を示す平面図である。
【図8】本発明の電着方法に前処理および後処理を加え
た構成の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 電着槽 2 電極 2a 電極 2b 電極 3 被塗装物 4 前側壁 5 後側壁 6 電着液 7 電源供給装置 7a 電源供給装置 7b 電源供給装置 8 外部循環ポンプ 9 オーバーフロー槽 10 治具 11 クリップ 12 治具支持構造体 13 かご状の治具

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状被塗装物の主面および電着槽の底面
    の双方に対して垂直関係に位置し、かつ複数個に分割さ
    れた一対の電極を、被塗装物の対極として配設した電着
    槽を用い、被塗装物の主面が対向する電着槽の一方の側
    から、複数個の被塗装物を順次電着液に浸漬し、各被塗
    装物の主面が平行に配列されるように間隔をあけて、電
    着槽中の対向する一対の電極間を間欠的または連続的に
    移動させながら、前記一対の分割された電極のうち浸漬
    側に位置する電極と被塗装物間の電位差を、取り出し側
    に位置する電極と被塗装物間の電位差より小さくして通
    電せしめ、各被塗装物の両面に塗膜を形成せしめた後、
    被塗装物の主面と向き合う電着槽の他方の側から被塗装
    物を順次取り出すことを特徴とする電着塗装方法。
JP28953592A 1992-10-02 1992-10-02 電着塗装方法 Pending JPH06116793A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014227572A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 住友金属鉱山株式会社 化学処理装置

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JP2014227572A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 住友金属鉱山株式会社 化学処理装置

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